JP5364973B2 - 生理活性物質の固定化方法 - Google Patents
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(1)生理活性物質結合基を含有する化合物がホスホリルコリン基またはアルキレングリコール残基を有する高分子化合物であり、該高分子化合物を有している基体表面に、生理活性物質を濃度が0.8M以上1.4M以下であるリン酸塩溶液に溶解した溶液を接触させることにより、前記生理活性物質を前記基体表面に固定化、該生理活性物質が抗体であることすることを特徴とする生理活性物質の固定化方法。
(2)前記生理活性物質結合基がp−ニトロフェニルエステル基である(1)記載の生理活性物質の固定化方法。
(3)前記基体がプラスチックである(1)〜(2)いずれか記載の生理活性物質の固定化方法。
(4)前記プラスチックが飽和環状ポリオレフィン、ポリオレフィン、又はポリスチレンである
(3)記載の生理活性物質の固定化方法。
(5)前記基体がガラスである(1)〜(2)いずれか記載の生理活性物質の固定化方法。
(6)前記基体の形状がスライド状、96穴プレート状、384穴プレート状、1536穴プレート状、マイクロ流路、ビーズ、チューブ、又は容器である(1)〜(5)いずれか記載の生理活性物質の固定化方法。
架橋可能な官能基としては、例えば加水分解によりシラノール基を生成する官能基やグリシジル基などが用いられるが、より低温で架橋できることから加水分解によりシラノール基を生成する官能基が好ましい。
アルキレングリコール残基Tの炭素数は1〜10であり、より好ましくは1〜6であり、更に好ましくは2〜4であり、より更に好ましくは2〜3であり、最も好ましくは2である。
2’−アゾビスイソブチルニトリル(以下「AIBN」という)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1 −カルボニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有機過酸化物等を挙げることができる。
0.01molのポリエチレングリコールモノメタクリレート(Blenmer PE−200(n=4) 日本油脂(株)製)を20mLのクロロホルムに溶解させた後、−30℃まで冷却した。−30℃に保ちながらこの溶液に、予め作成しておいた0.01molのp−ニトロフェニルクロロフォーメート(Aldrich製)と0.01molのトリエチルアミン(和光純薬(株)製)及びクロロホルム20mLの均一溶液をゆっくりと滴下した。−30℃にて1hr反応させた後、室温でさらに2hr溶液を攪拌した。その後反応液から塩をろ過により除去し、溶媒を留去してp−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート(MEONP)を得た。得られたモノマーを重クロロホルム溶媒中1H―NMRで測定し、エチレングリコール残基が4.5単位含まれていることを確認した。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ブチルメタアクリレート(BMA)、MEONPをそれぞれ順に0.25mol/L、0.70mol/L、0.05mol/Lになるように脱水エタノールに溶解させ、モノマー混合溶液を作製した。そこにAIBNを0.002mol/Lになるように添加し、均一になるまで撹拌した。その後、アルゴンガス雰囲気下、60℃で3時間反応させた後、反応溶液をジエチルエーテルとクロロホルムの混合溶媒中に滴下し、沈殿を収集した。得られた高分子化合物を1H―NMRで測定し、1.46および1.65ppm付近に現れるBMAのメチレンに帰属されるピーク、3.34ppm付近に現れるMPCのトリメチルに帰属されるピーク、7.6および8.4ppm付近に現れるMEONPのベンゼン環に帰属されるピーク、それぞれの積分値より、この高分子化合物の組成比を算出した。表1に結果を示した。
(高分子化合物の合成例2)
ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(別名メトキシポリエチレングリコールメタクリレート)(PEGMA平均Mn=約1100 Aldrich製)、p−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート(MEONP)、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン(MPDES GELEST,INC.製)をそれぞれ順に0.45mol/L、0.025mol/L、0.025mol/L、になるように脱水エタノールに溶解させ、モノマー混合溶液を作製した。そこにさらに2、2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN 和光純薬(株)製)を0.002mol/Lになるように添加し、均一になるまで撹拌した。その後、アルゴンガス雰囲気下、60℃で1時間反応させた後、反応溶液をジエチルエーテル中に滴下し、沈殿を収集した。得られた高分子化合物を重エタノール溶媒中1H―NMRで測定し、0.16ppm付近に現れるMPDESのSiに結合したメチル基に帰属されるピーク、3.35ppm付近に現れるPEGMAの末端メトキシ基に帰属されるピーク、7.6および8.4ppm付近に現れるMEONPのベンゼン環に帰属されるピーク、それぞれの積分値より、この高分子化合物の組成比を算出した。表1に結果を示した。
飽和環状ポリオレフィン樹脂を96穴プレート形状(1ウェルの寸法:底面直径6.4mm×高さ11mm)に加工して固定基板を作成した。酸素雰囲気下のプラズマ処理によって基板表面に酸化処理を施した。この固定基板を高分子化合物の合成例1、2にて得られた高分子化合物の0.3重量%エタノール溶液に浸漬後、65℃で4時間加熱乾燥することにより、合成例1および2で合成された高分子化合物層を導入した。合成例1の高分子化合物にて作製された基板を基板1、合成例2の高分子化合物にて作製された基板を基板2とする。
《実施例1、2》
(固定化溶液の調整)
1.2Mのリン酸水素二カリウム(和光純薬製:164−04295)水溶液中に一次抗体である抗マウスIgG2aが1.2μg/mlになるように調製された溶液を作製した。
工程1
作製した固定化溶液を基板1(実験例1)又は基板2(実施例2)に100ul/ウェルの割合で分注し、室温で4時間静置した。固定化反応後0.05wt%の非イオン性界面活性剤Tween20(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)を添加した1×SSCバッファ(Zymed Laboratories, Inc.製SSC20×Bufferを希釈して使用)で室温にて5分間洗浄した。
その後、基板を0.1mol/リットルのエタノールアミン(和光純薬製、鹿特級)、0.1mol/リットルのトリスバッファ(SIGMA製)水溶液(pH9.5)に1時間浸漬することにより残りのMEONP部を失活させた。
PBSバッファ(日水製薬製:組織培養用ダルベッコPBS(−)を1リットル中9.6gを溶解したバッファ)で10%に希釈したFBS(子牛血清)溶液を作製した。この溶液中に抗原であるマウス IgG2aを添加し20nmol/リットルとした溶液を作製した。この溶液をPBSバッファ(日水製薬製:組織培養用ダルベッコPBS(−)を1リットル中9.6gを溶解したバッファ)で10%に希釈したFBS(子牛血清)で1倍、2倍、3倍、4倍希釈溶液を作製した。これらの希釈溶液および抗原であるマウス IgG2aを含まない10%FBS溶液を37℃にて2時間、基板と接触させることにより抗原抗体反応を実施した。抗原抗体反応後0.05wt%の非イオン性界面活性剤Tween20(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)を添加した1×SSCバッファ(Zymed Laboratories, Inc.製SSC20×Bufferを希釈して使用)で室温にて5分間洗浄した。
洗浄後、二次抗体であるHRP標識抗マウス IgG2aをPBSバッファ(日水製薬製:組織培養用ダルベッコPBS(−)を1リットル中9.6gを溶解したバッファ)に添加することにより20nmol/リットルの溶液を作製した。この溶液と基板とを37℃にて2時間、抗原抗体反応を実施した。抗原抗体反応後0.05wt%の非イオン性界面活性剤Tween20(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)を添加した1×SSCバッファ(Zymed Laboratories, Inc.製SSC20×Bufferを希釈して使用)で室温にて5分間洗浄した。
最後にHRP発色試薬である、TMBZ発色キット(秋田住友ベーク製)を用いて発色反応を行った。
シグナル強度の結果を表2示す。
(固定化溶液の調整)
1.2Mのホウ酸(和光純薬製:027−02191)水溶液中(pH8.5)に一次抗体である抗マウスIgG2aが1.2μg/mlになるように調製された溶液を作製した。
以下実施例1、2と同様な工程により評価した。結果を表2に示す。
(固定化溶液の調整)
1.2Mのリン酸水素二カリウム(和光純薬製:164−04295)水溶液のかわりに0.05Mのリン酸水素二カリウム水溶液を用いた以外は実施例1,2と同様に操作した。結果を表2に示す。
Claims (6)
- 生理活性物質結合基を含有する化合物がホスホリルコリン基またはアルキレングリコール残基を有する高分子化合物であり、該高分子化合物を有している基体表面に、生理活性物質を濃度が0.8M以上1.4M以下であるリン酸塩溶液に溶解した溶液を接触させることにより、前記生理活性物質を前記基体表面に固定化、該生理活性物質が抗体であることすることを特徴とする生理活性物質の固定化方法。
- 前記生理活性物質結合基がp−ニトロフェニルエステル基である請求項1記載の生理活性物質の固定化方法。
- 前記基体がプラスチックである請求項1〜2いずれか記載の生理活性物質の固定化方法。
- 前記プラスチックが飽和環状ポリオレフィン、ポリオレフィン、又はポリスチレンである請求項3記載の生理活性物質の固定化方法。
- 前記基体がガラスである請求項1〜2いずれか記載の生理活性物質の固定化方法。
- 前記基体の形状がスライド状、96穴プレート状、384穴プレート状、1536穴プレート状、マイクロ流路、ビーズ、チューブ、又は容器である請求項1〜5いずれか記載の生理活性物質の固定化方法。
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