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JP5360304B2 - 半導体装置 - Google Patents

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JP5360304B2
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Description

この発明は、モータなどを制御するスイッチング素子を駆動する駆動IC(集積回路)などの半導体装置に関する。
モータ制御用素子としてスイッチング素子であるIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)が多用されている。IGBTのゲート信号を急激に絞ってIGBTを遮断すると、IGBTの主電流が急激に低下して、主回路のインダクタンスによりIGBTに過電圧が印加される。IGBTの耐圧をオーバーする過電圧が印加されると、IGBTは破壊する。
図10は、IGBTでモータを駆動するときのシステムを示すブロック図である。IGBTが異常動作(過電流、過熱など)した場合、もしくは図示しない外部アラーム信号が入力された場合にはそれを検出し、駆動ICの出力を遮断してIGBTの動作を止めることが要求される。その際、急峻な信号遮断を実行すると前記したようにIGBTを破壊させるため、遮断信号は緩やかな遮断モード(ソフト遮断という)にすることが求められる。
図11は、駆動IC500の構成を示すブロック図である。駆動IC500に形成される各端子について説明する。図11において、INは正常動作時の動作信号を受け取る入力端子であり、OUTは制御用素子(IGBT)を駆動させるための信号を出力する出力端子である。OC1およびOC2はIGBTの過電流を検出端子であり、OH1およびOH2はIGBTの過熱を検出する端子である。GVはIGBTのゲート電圧を監視するため端子であり、REFは各種回路の基準電圧端子であり、VOHは過熱検出時の基準電圧を決める端子である。また、AEはアラーム信号を出力(もしくは入力)する端子である。
図12は、従来の駆動ICの要部回路図、並びにその駆動IC,メインドライバ,IGBT,およびモータを含むシステムのブロック図を示す図である。VCC,IN,OUT,PGNDなどの各端子と各MOSFET55,56,57、ロジック回路53およびアラーム信号処理回路54は半導体基板501に形成される。また、p−MOSFET57は遮断回路52を構成している。
正常動作時には、入力端子INに動作信号が入力され、当該動作信号がロジック回路53を介してp−MOSFET(pチャネル型MOSFET)55とn−MOSFET(nチャネル型MOSFET)56を交互にオン・オフさせることにより出力端子OUTから出力する信号を制御する。p−MOSFET55がオンすると出力端子OUTからメインドライバ69を経由してIGBT61のゲートにオン信号(H信号)が印加される。p−MOSFET55がオフし、n−MOSFET56がオンすると、出力端子OUTからメインドライバ69を経由してIGBT61のゲートにオフ信号(L信号)が印加される。
異常時には、ロジック回路53の中の図示しない制御回路からの信号とは関係なく、アラーム信号処理回路54とロジック回路53を介してp−MOSFET55とn−MOSFET56がともにオフされるとともに、遮断回路52を構成するp−MOSFET57のゲートにロジック回路53からオン信号が印加される。そうすると、p−MOSFET57がオンし、IGBT61のゲート電圧は、出力端子OUTとメインドライバ69を経由してグランド電位に引き下げられる。このとき、IGBT61のゲートに蓄積した電荷はメインドライバ69−出力端子OUT−p−MOSFET57−グランド端子PGNDの経路を通って引き抜かれる(厳密にいうと、p−MOSFET57はメインドライバ69の入力部から電流を引き抜き、メインドライバ69は入力部の動きを増幅してIGBT61のゲートに蓄積した電荷を引き抜く。この場合、メインドライバは一種の電流増幅器として機能する。)。遮断回路52、すなわちp−MOSFET57は緩やかにオンするように設計されているため(ソフト遮断特性を有している)、IGBT61のゲートに蓄積した電荷は緩やかに引き抜かれ、IGBT61はソフト遮断する。
図13は、異常時の出力端子OUTの電圧−電流特性を示す図である。横軸の電圧は出力端子OUTの電圧でp−MOSFET57のソース・ドレイン間の電圧である。また縦軸は、出力端子OUTの電流でp−MOSFET57のソース電流である。この出力端子OUTの電圧−電流特性は、遮断回路52、すなわちp−MOSFET57の出力特性に従い、電圧が低い領域では電流の増加は緩やかであり、電圧が中程度に高くなると、電流の立ち上がりは多少急になる(ダイオード接続されたp−MOSFET57の特性による。)。さらに電圧が高い領域では、電流が増えてp−MOSFET57のソース・ドレイン間抵抗が支配的になるため、電流はまた緩やかになるというソフト遮断特性になるように設計されている。
自動車などの車載システムにおいては、通常電源であるバッテリ電圧(VB)は10〜20Vである。駆動IC500の電源端子(VCC端子)はVBに接続されるため、p−MOSFET57のようにソースフォロア形式のPチャネル型のMOSFETを用いる場合は、p−MOSFET57のゲートの入力信号としては0V〜VB(バッテリー電圧)の電圧が必要となる。
尚、異常時の前記の出力端子OUTの電圧−電流特性は遮断回路52を構成するp−MOSFET57の設計により一義的に決まる。ここでは、電圧の低い領域では電流の増加が小さく、電圧を上げるにつれて電流の増加が大きくなり、さらに電圧が高くなると再び電流の増加が緩やかになるように設計した場合の例を示した。点線はp−MOSFETに替えてn−MOSFETにより遮断回路52を構成した場合の電圧−電流特性である。電圧が低い領域で電流は急激に増加し、電圧が高くなるにつれて電流が飽和する特性を示す。このn−MOSFETの電圧−電流特性ではソフト遮断特性は得られない。しかし、駆動電圧が低いなどの利点があるためシステムに用いられる場合はある。
図14は、異常時の出力端子OUTの電圧波形図である。実線で示すp−MOSFET57の場合の波形図は電圧の立下りが緩やかになり、破線で示すn−MOSFETの場合の波形図は電圧の立下りは急峻になる。また、出力端子OUTの電圧が十分低くなりシンク切替電圧に達すると、n−MOSFET56がオンして、出力端子OUTの電圧はグランド端子PGNDの電位になる。尚、シンク切替電圧とは、p−MOSFET55もしくはp−MOSFET57(ソース側)からn−MOSFET56(シンク側)にオン状態を切り替える電圧のことである。
図15は、従来のシステムの要部構成図である。IGBT61にはFWD66(還流ダイオード)が接続され、IGBT61の電流センス(検出)用のエミッタ64には電流検出用の抵抗67が接続される。尚、図示しないが、電流検出はIGBT61のエミッタ・コレクタ間の電圧を検出する方法もある。また、IGBT61に隣接して温度センスのためのpnダイオード68が接続される。駆動IC500には電源端子VCC、出力端子OUT、ゲート電圧監視端子GV、過電流監視端子OC、過熱監視端子OH、グランド端子GND、アラーム端子AE、入力端子INがある。出力端子OUTはメインドライバ69の入力に接続し、メインドライバ69の出力はIGBT61のゲートに接続する。IGBT61のゲートはゲート電圧監視端子GVに接続する。電流センス用のエミッタ64は電流を検出する抵抗67に接続し、抵抗67の高電位側は過電流監視端子OCに接続する。温度センスのpnダイオード68のアノードは過熱監視端子OHに接続し、カソードはグランド端子GNDに接続する。電源端子VCCにバッテリー電圧VBが入力され、入力端子INには入力信号が入力され、アラーム端子AEにはアラーム入出力信号が入出力される。
尚、システムによってはメインドライバ69を介さずにこの駆動IC500の出力端子OUTと駆動するIGBT61のゲートが直接接続される場合もある。また、温度センスはpnダイオード68の順方向電圧によって行われる。また、入力端子INには、外部からの動作信号が入力されている。
図16〜図19は、駆動IC500の各種動作のタイミングチャート図である。
(1)通常のオンオフ動作(正常動作:図16)
入力端子INの信号がHレベル(OFF)→Lレベル(ON)になると、出力端子OUTの信号がLレベル(OFF)→Hレベル(ON)になり、IGBTがオンする。その際、アラーム端子AEはHレベル(非アラーム状態)である。
(2)電源電圧(VCC)低下・過電流・過熱保護動作(図16、図17、図18)
入力端子INの信号がLレベル(ON)時に各種保護信号が設定された電圧に達すると、出力端子OUTの信号はHレベル(ON)→Lレベル(OFF)になる。出力端子OUTの信号がHレベル(ON)→Lレベル(OFF)になる際、急峻にLレベル(OFF)にすると、IGBT61に流れる電流も急激に変化する。そうすると、外部回路のインダクタンス(浮遊インダクタンスなど)により過大なサージ電圧が発生し、IGBT61が過電圧破壊する可能性がある。そのため、出力端子OUTの信号をソフトにLレベル(OFF)にする。出力端子OUTの電圧はゲート電圧監視端子GVでモニタリングされており、IGBT61に大電流が流れなくなるまで出力端子OUTの電圧(シンク切替電圧)が低下すると、その時点でOUT端子の電圧を完全にLレベル(GND)にして、IGBTをオフする。
また、各種保護信号が設定された電圧に達すると、アラーム端子AEの信号をHレベル(非アラーム状態)→Lレベル(アラーム状態)にする。このLレベルは設定された一定期間維持される。そして、一定期間後に、アラーム端子AEの信号はLレベル(アラーム状態)→Hレベル(非アラーム状態)になる。このアラーム状態は一定期間後に保護検出状態であったり、入力端子の信号がLレベル(ON)である場合にはこれらの状態が解除されるまで継続される。
尚、図示しないが、電源電圧低下と過熱保護の両機能は、入力端子INの信号がHレベル(OFF)時でも各種保護信号が設定された電圧に達するとアラーム端子AEの信号をHレベル(非アラーム状態)→Lレベル(アラーム状態)にし、このLレベルを設定された一定期間維持する。維持している一定時間内に入力端子INの信号がLレベル(ON)状態になっても、出力端子OUTの信号はHレベル(ON)にはならない。このアラーム状態は一定期間後に保護検出状態であったり、入力端子の信号がLレベル(ON)である場合にはこれらの状態が解除されるまで継続される。
(3)外部アラーム入力時の動作(図19)
アラーム端子AEに外部からLレベル(アラーム状態)の信号を入力すると、出力端子OUTの信号はソフト遮断(OFF)信号になる。アラーム端子AEに外部からHレベル(非アラーム状態)の信号を入力すると、出力端子OUTの信号は再びHレベル(ON)の信号になる。
また、特許文献1〜5では、ソフト遮断技術を示すもので、特許文献1〜3がCRの時定数回路の出力に従ってゲート電圧を下げていくものが開示されている。特許文献4,5には、抵抗の分圧値を変化させる形でゲート電圧を下げていくものが開示されている。
特開平5−219752号公報 特開平6−152353号公報 特開2007−104805号公報 特開2001−197724号公報 特開2006−353093号公報
しかし、従来はシステムごとに使用するスイッチング素子であるIGBT61の定格が異なるため、遮断回路52の遮断特性(出力端子OUTの電圧−電流特性や出力端子OUTの電圧波形)に対する要求が異なる。そのため、システムごとに遮断回路52を構成するp−MOSFET57(または図示しないn−MOSFET)の設計を見直す必要があり、駆動IC500の製造コストが増大する。尚、遮断特性はp−MOSFETの特性で一義的に決まる。これはn−MOSFETの場合も同じである。
また、特許文献1〜5には、システムに応じてソフト遮断特性を任意に選定できる半導体装置(駆動IC)については記載されていない。
この発明の目的は、前記の課題を解決して、遮断回路の遮断特性をシステムに合わせて容易に選定できる低コストの半導体装置を提供することである。
前記の目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、スイッチング素子の異常状態を検出し前記スイッチング素子を遮断する信号を出力する遮断回路を有する半導体装置において、前記遮断回路は前記スイッチング素子を遮断する信号の遷移特性を決める抵抗回路を有し、該抵抗回路は非線形素子と線形素子とで構成される複数の回路素子を有し、前記非線形素子および前記線形素子のいずれか一方または双方を選択するよう前記複数の回路素子の接続を変更することにより前記スイッチング素子を遮断する信号の遷移特性を変更できる構成とする。
また、請求の範囲の第2項記載の発明によれば、第1項に記載の発明において、前記スイッチング素子をソフト遮断するために、緩やかな立下りの前記信号を選択できるようにするとよい。
また、請求の範囲の第3項記載の発明によれば、第1項に記載の発明において、前記遮断回路が、第1のnチャネル型MOSFETと該第1のnチャネル型MOSFETに直列接続する前記抵抗回路を有するものである。
また、特許請求の範囲の請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記非線形素子が、ゲートとドレインが接続された第2のnチャネル型MOSFET、または1つもしくは直列接続された複数のpnダイオードであり、線形素子が抵抗器もしくは短絡配線である。
また、特許請求の範囲の請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明において、前記非線形素子が複数設けられ、そのうちのいずれかを選択できるようにするとよい。
また、特許請求の範囲の請求項6に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記抵抗回路を構成する前記回路素子の接続の変更を切替用導体で行なうとよい。
また、特許請求の範囲の請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明において、前記切替用導体がアルミニウムもしくは金もしくは銅のボンディングワイヤまたは半導体基板上にパターンニングされたアルミ配線もしくはポリシリコン配線であるとよい。
この発明によれば、抵抗回路を構成する非線形素子や線形素子を切替用導体(ボンディングワイヤやアルミ配線もしくはポリシリコン配線)の接続状態を変更するだけで、各種システムを構成するスイッチング素子(IGBT)に合うソフト遮断特性を容易に得ることができる。
各種システムに合うソフト遮断特性を得るために、その都度最適な駆動ICを新たに用意する必要がなく、同一の駆動ICの抵抗回路内の切替用導体の接続状態を変えるだけで、各種システムを構成するスイッチング素子に合うソフト遮断特性を得ることができるので、駆動ICの製造コストを低減することができる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
この発明の第1実施例の半導体装置の要部構成図である。 出力端子OUTの電圧−電流特性を示す図である。 出力端子OUTの電圧波形図である。 この発明の第2実施例の半導体装置の要部構成図である。 出力端子OUTの電圧−電流特性を示す図である。 出力端子OUTの電圧波形図である。 この発明の第3実施例の半導体装置の要部構成図である。 出力端子OUTの電圧−電流特性を示す図である。 出力端子OUTの電圧波形図である。 IGBTでモータを駆動するときのシステムを示すブロック図である。 駆動IC500の構成を示すブロック図である。 従来の駆動ICの要部回路図、並びにその駆動IC,メインドライバ,IGBT,およびモータを含むシステムのブロック図である。 異常時の出力端子OUTの電圧−電流特性の図である。 異常時の出力端子OUTの電圧波形図である。 従来のシステムの要部構成図である。 電源電圧(VCC)低下保護動作のタイミングチャート図である。 過電流(OC)保護動作のタイミングチャート図である。 過熱(OH)保護動作のタイミングチャート図である。 外部アラーム入力時動作のタイミングチャート図である。
実施の形態を以下の実施例で説明する。
図1は、この発明の第1実施例の半導体装置の要部構成図である。この半導体装置はモータ70を制御するIGBT61(nチャネル型)を駆動する駆動IC100である。
この駆動IC100は、出力段回路1、遮断回路2、ロジック回路3およびアラーム信号処理回路4で構成され、これらの回路は半導体基板101に形成される。
出力段回路1は、ソースが電源端子VCCと接続するp−MOSFET6とp−MOSFET6のドレインとドレインが接続しソースがグランド端子PGNDと接続するn−MOSFET7で構成される。
また、遮断回路2は、抵抗回路5とn−MOSFET8で構成され、抵抗回路5はn−MOSFET9、抵抗10および切替用導体11からなる。このn−MOSFET9はダイオード接続されていてダイオードに類似したV−I(電圧−電流)特性となる。また、抵抗回路5は切替用導体11を切り替えてAの状態にするとn−MOSFETとなり、Bの状態にすると抵抗10となり、Cの状態にすると短絡状態になる。このCの状態は切替用導体11が短絡導体となる。
尚、n−MOSFET9のゲートとドレインは接続されて非線形素子となる。このn−MOSFET9の代わりに図示しない1つまたは直列接続された複数のpnダイオードで置き換えても構わない。また、線形素子としてここでは抵抗10を示した。さらに、ここでは線形素子の中に短絡配線(Cの状態)も含めた。また、切替用導体は、アルミニウム、金もしくは銅のボンディングワイヤまたは半導体基板上にパターンニングされたアルミ配線もしくはポリシリコン配線などである。
この駆動IC100の出力端子OUTからの信号はIGBT61を駆動するメインドライバ69に入力され、メインドライバ69からの信号はIGBT61のゲートに入力される。このIGBT61はモータ制御用素子であり、モータ70を制御する。尚、メインドライバ69を削除して出力端子OUTからの信号を直接IGBT61のゲートに入力する場合もある。
前記の駆動IC100において、正常動作時には通常の動作信号が入力端子INに入力され、ロジック回路3を介して出力段回路1のp−MOSFET6とn−MOSFET7にゲート信号が印加される。出力端子OUTからオン・オフ信号がIGBTのゲートに伝送され、IGBT61は正常動作を行う。メインドライバ69は、図12のものと同様に、入力部の動きを増幅してIGBT61のゲートに蓄積した電荷を引き抜く、一種の電流増幅器として機能する。
図2は、出力端子OUTの電圧−電流特性を示す図である。図2には、n−MOSFET9と抵抗10の電圧−電流特性も合せて示した。n−MOSFET9の電圧−電流特性はダイオードの順方向特性と類似している。切替用導体11がAの状態はn−MOSFET8とn−MOSFET9が直列接続した場合の電圧−電流特性である。切替用導体11がBの状態はn−MOSFET8と抵抗10が直列接続した場合の電圧−電流特性である。また、切替用導体11がCの状態はn−MOSFET8の電圧−電流特性である。
切替用導体11を切替えることで、出力端子OUTの電圧−電流特性を容易に変えることができる。
図3は、出力端子OUTの電圧波形図である。図2示すように、切替用導体11を切り替えることで、出力端子OUTの電圧がHレベルからLレベルに変わるときの電圧の立下がり波形を容易に変えることができる。この立下り波形が緩やかな程、IGBT61はソフト遮断して、IGBT61が破壊するのを防止できる。
過電圧や過熱などの異常には、アラーム信号処理回路4とロジック回路3を介して、p−MOSFET6およびn−MOSFET7をオフさせると共に、n−MOSFET8をオンさせることによって、IGBT61のゲートに蓄積した電荷がメインドライバ69とn−MOSFET8を経由して引き抜かれる(厳密にいうと、メインドライバ69を用いる場合は図12の場合と同様に、遮断回路2はメインドライバ69の入力部から電流を引き抜き、メインドライバ69はその入力部の動きを増幅してIGBT61のゲートに蓄積した電荷を引き抜く。)。このとき出力端子OUTの電圧の低下が緩やかになるように切替用導体11の状態を選定することで、蓄積した電荷を緩やかに引き抜くようにすることで、IGBT61をソフト遮断させることができる。しかし、出力端子OUTの電圧の立下りが緩やか過ぎるとIGBT61のターンオフ損失が大きくなるなどの不都合が生じるので、IGBT61に合った抵抗回路5を構成するように切替用導体11の接続状態を選定する必要がある。
また、出力端子OUTの電圧が十分低くなった段階(シンク切替電圧)で出力段回路1のn−MOSFET7をオンさせて、IGBT61を停止させる。
切替用導体11の接続状態(A,B,C)を選定するだけで、遮断回路2の遮断特性(スイッチング素子(IGBT)を遮断する信号の遷移特性)を任意に変更できる。また、切替用導体11の接続状態をAまたはBの状態にすることで遮断回路2の遮断特性をソフト遮断特性にすることができる。
従来はシステムに合わせて最適な駆動IC100を新たに選定、もしくは再設計していたが、本発明により、同一の駆動IC100の抵抗回路5内の切替用導体11の接続状態を変えるだけで、各種システムに対応出来るようになった。その結果、駆動IC100の製造コストを低減することができた。
また、遮断回路2を5V程度の低い電圧で駆動できるNチャネル型MOSFET(n−MOSFET8)を用いて構成するので、従来のように0V〜バッテリーVB電圧まで可変できるゲート信号を遮断回路2のために用意することは不要となる。
また、遮断回路2を構成するするMOSFET9や抵抗10の占有面積は小さく、n型のMOSFET8は従来のp型のMOSFET47より小さくすることができるので、コストアップの要因にならず、従来のp−MOSFET47を用いる遮断回路57に比べて低コスト化することができる。
図4は、この発明の第2実施例の半導体装置の要部構成図である。この半導体装置はモータ70を制御するIGBT61を駆動する駆動IC200である。各回路は半導体基板201に形成される。
図1との違いは、抵抗回路5を複数のn−MOSFETで構成し、切替用導体11で切り替えるようにした点である。ここではn−MOSFET9a,n−MOSFET9bの2個の場合を示したが、さらに多数設けても構わない。
図5は、出力端子OUTの電圧−電流特性を示す図である。切替用導体11の接続状態を替えることでn−MOSFET9a,9bの切り替えを行い、図6に示すように、出力端子OUTの電圧の立ち下がり特性(スイッチング素子(IGBT)を遮断する信号の遷移特性)を変えて、IGBT61がソフト遮断できる最適な状態にすることができる。この切り替えは切替用導体11の接続状態を変えるだけでよいので、容易に実施することができる。
図7は、この発明の第3実施例の半導体装置の要部構成図である。この半導体装置はモータ70を制御するIGBT61を駆動する駆動IC300である。各回路は半導体基板301に形成される。
図1との違いは、抵抗回路5を構成するn−MOSFET9と抵抗10を切替用導体11で並列接続した点である。
図8は、出力端子OUTの電圧−電流特性を示す図である。n−MOSFET9のみの場合に比べて、電圧の低い領域での電流が増大する方向に電圧−電流特性が変化する。このように、n−MOSFET9と抵抗10を切替用導体11を用いて組み合わせることでも、図9に示すように、出力端子OUTの電圧の立下り特性(スイッチング素子(IGBT)を遮断する信号の遷移特性)を変えることができる。
前記したように、抵抗回路5として複数のn−MOSFETや抵抗を予め形成しておき、それらの接続を切替用導体11を用いて行うことで、容易にシステムを構成するIGBTに合った抵抗回路5にすることができる。また、同一の駆動ICで各種システムに対応できるので、製造コストの低減を図ることができる。
尚、図7では、n−MOSFET9と抵抗10を各1個形成した場合を示したが、それぞれ複数個形成して、システムに合うソフト遮断特性が得られるようにその組み合わせを選定してもよい。
また、実施例1,3において、抵抗10を複数の直列抵抗で構成し、切替用導体11を直列抵抗間の任意の接続点にも接続できるようにして、抵抗10の抵抗値を選択できるようにしてもよい。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
1 出力段回路
2 遮断回路
3 ロジック回路
4 アラーム信号処理回路
5 抵抗回路
6 p−MOSFET(出力段回路)
7 n−MOSFET(出力段回路)
8 n−MOSFET(遮断回路)
9,9a,9b n−MOSFET(ソース・ドレイン接続、抵抗回路)
10 抵抗
11 切替用導体(ボンデングワイヤなど)
61 IGBT(nチャネル型)
69 メインドライバ
70 モータ
100,200,300 駆動IC
101,201,301 半導体基板

Claims (7)

  1. スイッチング素子の異常状態を検出し前記スイッチング素子を遮断する信号を出力する遮断回路を有する半導体装置において、前記遮断回路は前記スイッチング素子を遮断する信号の遷移特性を決める抵抗回路を有し、該抵抗回路は非線形素子と線形素子とで構成される複数の回路素子を有し、前記非線形素子および前記線形素子のいずれか一方または双方を選択するよう前記複数の回路素子の接続を変更することにより前記スイッチング素子を遮断する信号の遷移特性を変更できることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記スイッチング素子をソフト遮断するために、緩やかな立下りの前記信号を選択できることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記遮断回路が、第1のnチャネル型MOSFETと該第1のnチャネル型MOSFETに直列接続する前記抵抗回路を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記非線形素子が、ゲートとドレインが接続された第2のnチャネル型MOSFET、または1つもしくは直列接続された複数のpnダイオードであり、線形素子が抵抗器もしくは短絡配線であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記非線形素子が複数設けられ、そのうちのいずれかを選択できることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記抵抗回路を構成する前記回路素子の接続の変更を切替用導体で行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  7. 前記切替用導体がアルミニウムもしくは金もしくは銅のボンディングワイヤまたは半導体基板上にパターンニングされたアルミ配線もしくはポリシリコン配線であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
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