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JP5357570B2 - 感光性樹脂組成物、カラーフィルター、及び液晶表示ディスプレイ - Google Patents

感光性樹脂組成物、カラーフィルター、及び液晶表示ディスプレイ Download PDF

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JP5357570B2 JP2009040585A JP2009040585A JP5357570B2 JP 5357570 B2 JP5357570 B2 JP 5357570B2 JP 2009040585 A JP2009040585 A JP 2009040585A JP 2009040585 A JP2009040585 A JP 2009040585A JP 5357570 B2 JP5357570 B2 JP 5357570B2
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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、カラーフィルター、及び液晶表示ディスプレイに関する。
液晶表示ディスプレイ等の表示体は、互いに対向して対となる電極が形成された2枚の基板の間に、液晶層を挟みこむ構造となっている。そして、一方の基板の内側には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の各色の画素領域からなるカラーフィルターが形成されている。このカラーフィルターにおいては、通常、赤色、緑色、及び青色の各画素領域を区画するように、ブラックマトリックスが形成されている。
一般に、カラーフィルターはリソグラフィ法により製造される。すなわち、まず、基板上に黒色の感光性樹脂組成物を塗布し、真空乾燥装置(VCD)により減圧乾燥(真空乾燥)させた後、露光・現像し、ブラックマトリックスとも呼ばれる樹脂パターンを形成する。次いで、赤色、緑色、及び青色の各色の感光性樹脂組成物毎に、塗布、乾燥、露光、及び現像を繰り返し、各色の画素領域を所定の位置に形成してカラーフィルターを製造する。近年では、各色の感光性樹脂組成物をインクジェット方式によりブラックマトリックスの所定の領域に吐出し、各色の画素領域を形成してカラーフィルターを製造する試みもなされている。
近年、液晶表示ディスプレイにおいて視野角、コントラスト、応答速度等の特性の向上が望まれており、これに伴いカラーフィルターが接着されるパネルの構造が複雑化し、樹脂パターンの基板に対する密着性、絶縁性、遮光性、精度等の向上が求められている。中でも、樹脂パターンの基板への密着性の向上は重要であり、他の諸特性に優れた樹脂パターンを製造しても基板への密着性が悪ければ、そうした諸特性を十分に発揮できる液晶表示ディスプレイを製造することが困難である。そこで、樹脂パターンの基板への密着性を向上させるために、シランカップリング剤をカラーフィルター形成用の感光性樹脂組成物に添加することが提案されている(特許文献1)。
特開2000−56124号公報
しかしながら、シランカップリング剤を添加した樹脂パターンの基板への密着性は、高解像度の要求に伴い樹脂パターンの構造がより微細化したために十分とはいえず、一層の密着性の向上が求められている。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、樹脂パターンの基板への密着性がより向上した感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルター、及び当該カラーフィルターを有する液晶表示ディスプレイを提供することを目的とする。
本発明者らは、ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマーを含有する感光性樹脂組成物を用いることにより、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には本発明は以下に記載のものを提供する。
本発明の第一の態様は、ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマー(a)と、光重合性モノマー(b)と、光重合開始剤(c)と、を含有する感光性樹脂組成物である。
本発明の第二の態様は、上記の感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターンを有するカラーフィルターである。
本発明の第三の態様は、上記のカラーフィルターを有する液晶表示ディスプレイである。
本発明によれば、樹脂パターンの基板への密着性がより向上した感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルター、及び当該カラーフィルターを有する液晶表示ディスプレイを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではない。
≪感光性樹脂組成物≫
本発明は、第一の態様として、ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマー(a)と、光重合性モノマー(b)と、光重合開始剤(c)と、を含有する感光性樹脂組成物を提供するが、各成分については次のとおりである。
<ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマー(a)>
ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマー(以下、「(a)成分」ともいう。)としては、例えば特開2002−167423号公報に開示されており、ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有する樹脂を用いることができる。アルカリ現像性の点からは(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。(a)成分は、ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位(a1)を少なくとも含み、さらに酸価を有する化合物から誘導される構成単位(a2)と、その他の化合物から誘導される構成単位(a3)と、を含むことができる。このような(a)成分により、形成された樹脂パターンの基板への密着性をより向上することができる。
[ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位(a1)]
ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位(以下、「(a1)構成単位」ともいう。)としては、分子中にビニル基、アクリル基、メタクリル基等の反応性のエチレン性不飽和基とを有するイソシアネート化合物におけるイソシアネート基を、ブロック剤でブロック化した化合物から誘導される構成単位が挙げられる。
このようなイソシアネート化合物としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005357570
上記式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、−CO−、−COOR−(Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)、又は−COO−RO−CONH−R−(Rは炭素数2〜6個のアルキレン基であり、Rはジイソシアネート化合物の残基である。)を示す。Rは、好ましくは−COOR−である。
上記式(1)で表されるイソシアネート化合物としては、具体的には、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト−1,1−ジメチルエチル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート等が挙げられる。また、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としてはエチル基又はn−プロピル基が好ましく、エチル基が特に好ましい。)とジイソシアネート化合物の1:1反応生成物も使用できる。ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−(又は2,6−)トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,5,5−トリメチル−3−イソシアナトメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、m−(又はp−)キシレンジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、工業的に有用な2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらの化合物は従来公知の方法により製造することができる。
ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、オキシ安息香酸エステル、チモール、p−ナフトール、p−ニトロフェノール、p−クロロフェノール等のフェノール系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系;ブチルメルカプタン、チオフェノール、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等のカルバミド酸塩系:エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリウム等の重亜硫酸塩系等が挙げられる。これらのブロック剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、フェノール系、ラクタム系、アルコール系、オキシム系が好ましく、ノニルフェノール、スチレン化フェノール、オキシ安息香酸エステル、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ε−カプロラクタムが特に好ましい。ブロック基は反応性の高いイソシアネート基を保護するが、加熱によりブロック基が脱離してイソシアネートを発生することにより、形成した樹脂パターンの基板への密着性が向上する。
イソシアネート化合物とブロック剤との反応は溶剤の存在の有無に関わらず行うことができる。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いる必要がある。ブロック化反応に際して、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩、3級アミン等を触媒として用いてもよい。反応は、一般に−20〜150℃で行うことができるが、0〜100℃で行うことが好ましい。
なお、ブロックイソシアネート化合物は市販品としても入手可能である。市販品としては、昭和電工社製のカレンズMOI−BM(登録商標)、カレンズMOI−BP(登録商標)等が挙げられる。
[酸価を有する化合物から誘導される構成単位(a2)]
酸価を有する化合物から誘導される構成単位(以下、「(a2)構成単位」ともいう。)としては、分子中にアクリル基やメタクリル基等の反応性のエチレン性不飽和基を含有するカルボン酸化合物から誘導される構成単位が好ましい。このようなエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物としては、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、プロピオール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。(a2)構成単位は、(a)成分中に1種のみ存在していても2種以上存在していてもよい。(a)成分が(a2)構成単位を含むことにより、本発明に係る感光性樹脂組成物は良好な現像性を有する。
[その他の構成単位(a3)]
その他の構成単位(以下、「(a3)構成単位」ともいう。)としては、例えば、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、上記(メタ)アクリル酸エステルの例示化合物をフマレートに代えたフマル酸エステル類、マレエートに代えたマレイン酸エステル類、クロトネートに代えたクロトン酸エステル類、イタコネートに代えたイタコン酸エステル類、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、イソプレン、クロロプレン、3−ブタジエン、ビニル−n−ブチルエーテル等から誘導される構成単位が挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。(a3)構成単位は、(a)成分中に1種のみ存在していても2種以上存在していてもよい。
上記(a1)構成単位は、(a)成分に対して5〜50質量%の割合で含まれることが好ましく、5〜20質量%の割合で含まれることがさらに好ましく、10〜20質量%の割合で含まれることが最も好ましい。上記範囲にすることにより、密着性が向上する。
また、上記(a)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全体に対して1〜35質量%であることが好ましい。(a)成分をこのような量で含有することにより、本発明に係る感光性樹脂組成物は、高い密着性を得ることができる。
<光重合性モノマー(b)>
光重合性モノマー(以下、「(b)成分」ともいう。)は、分子内に重合性官能基として少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する。(b)成分は、重合性官能基を複数有することが好ましい。このような(b)成分を添加することにより、形成された膜の膜強度や、基板に対する密着性を向上させることができる。
(b)成分としては、単官能モノマーと多官能モノマーとが挙げられる。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。また、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
一方、多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(即ち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート等と2−ビドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。また、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(b)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全体に対して5〜30質量%であることが好ましい。上記の範囲であることにより、感度、現像性、解像性のバランスがとりやすくなる。
<光重合開始剤(c)>
光重合開始剤(以下、「(c)成分」ともいう。)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ−2−エチルヘキシル安息香酸、4−ジメチルアミノ−2−イソアミル安息香酸、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、p−メトキシトリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン等が挙げられる。これらの中でも、オキシム系の光重合開始剤を用いることが、感度の面で特に好ましい。これらの(c)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(c)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。上記の範囲内とすることにより、十分な耐熱性、及び耐薬品性を得ることができ、また塗膜形成能を向上させ、光硬化不良を抑制することができる。
<着色剤(d)>
本発明に係る感光性樹脂組成物は、着色剤(以下、「(d)成分」ともいう。)を含むことができる。
着色剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知の顔料を使用することができる。例えば、本発明の感光性樹脂組成物を用いて、ブラックマトリックスやブラックストライプを形成する場合には、遮光剤を用いることが好ましい。このような、遮光剤として、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム、酸化鉄、アニリンブラック、ペリレン系顔料、C.I.ソルベントブラック123等の黒色顔料が挙げられる。また、エポキシ樹脂等で被覆されたカーボンブラック;チタン、マンガン、鉄、銅、コバルト等の複合酸化物等の無機系ブラック顔料;以下に示す有機顔料の組み合わせ;並びに、有機顔料と上述の黒色顔料との組み合わせも、適宜、採用することができる。組み合わせにより、高抵抗値化や色調の調整等を行うこともできる。なお、黒色顔料と他の着色成分を組み合わせる際は、遮光性能を低下させない範囲で他の着色成分を混合することが好ましい。
無機系ブラック顔料としては、御国色素社製のカーボンブラック分散液「CFブラック」(高抵抗カーボン24%含有)等を挙げることができる。
また、カーボンブラックの赤みがかった色調を抑え全体としてより好ましい黒色にするために、御国色素社製のバイオレット分散液(バイオレット顔料10%含有)、御国色素社製のブルー顔料分散液「CFブルー」(ブルー顔料20%含有)等を混合することもできる。
また、赤色、緑色、青色、シアン、マゼンダ、黄色等の有彩色の場合、例えば、特開昭60−237403号公報、及び特開平4−310901号公報に記載の顔料を挙げることができる。
具体的には、カラーインデックス・ナンバー(C.I.No.)で、
黄色顔料:C.I.20、24、83、86、93、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、180、185、195
橙色顔料:C.I.36、43、51、55、59、61
赤色顔料:C.I.9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254
紫色顔料:C.I.19、23、29、30、37、40、50
青色顔料:C.I.15、15:3、15:6、22、60、64
緑色顔料:C.I.7、36
茶色顔料:C.I.23、25、26
として表されているものが、透明性が高く、しかも耐熱性、耐候性、及び耐薬品性に優れているため、好適に用いることができる。
上記(d)成分を含有する場合、その含有量は感光性樹脂組成物の固形分全体に対して1〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。1質量%以上ではカラーフィルターとしての機能を奏することができ、一方、70質量%以下では良好な感度並びに硬化後の塗膜の耐熱性及び耐薬品性を奏することができる。
また、黒色顔料を分散させた感光性樹脂組成物においては、黒色顔料の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して40質量%を超えることが好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。黒色顔料の含有量を40質量%より多くすることにより、遮光性に優れた感光性樹脂組成物を得ることができる。一方、黒色顔料の含有量が感光性樹脂組成物の固形分に対し70質量%以下であると、感度、硬化後の塗膜の耐熱性、及び耐薬品性が良好に保たれるため好ましい。上限値としては60質量%がより好ましい。
黒色顔料を分散させた感光性樹脂組成物において、着色剤が上記含有量の範囲内で含有されることにより、遮光性(光学密度、OD値)の高い感光性樹脂組成物を得ることができる。本発明の感光性樹脂組成物においては、光学密度は3.8以上であることが好ましく、4.0以上であることがより好ましく、4.3以上であることがさらに好ましく、4.5以上であることが特に好ましい。
<その他のポリマー(e)>
本発明に係る感光性樹脂組成物は、上記(a)成分に加え、必要に応じて、エポキシ化合物と不飽和基含有カルボン酸化合物との反応物を、さらに多塩基酸無水物と反応させることにより得られるポリマー(以下、「(e)成分」ともいう。)を用いることができる。
このようなポリマーの中でも、下記式(2)で表されるポリマーが好ましい。この式(2)で表されるポリマーは、それ自体が光硬化性が高く、また、感度が高いため好ましい。
Figure 0005357570
上記式(2)中、Xは、下記式(3)で表される基を表す。
Figure 0005357570
上記式(3)中、Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又はハロゲン原子を表し、Rは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Wは、単結合又は下記式(4)で表される基を表す。
Figure 0005357570
また、上記式(2)中、Yは、ジカルボン酸無水物から酸無水物基(−CO−O−CO−)を除いた残基を表す。ジカルボン酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
また、上記式(2)中、Zは、テトラカルボン酸二無水物から2個の酸無水物基を除いた残基を表す。テトラカルボン酸二無水物の例としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、上記式(2)中、mは、0〜20の整数を表す。
このポリマーの質量平均分子量は、1000〜40000であることが好ましく、2000〜30000であることがより好ましい。質量平均分子量を1000以上とすることにより、耐熱性、膜強度を向上させることができる。また、質量平均分子量を40000以下とすることにより、現像液に対する十分な溶解性を得ることができる。
上記(e)成分を含有する場合、その含有量は感光性樹脂組成物の固形分全体に対して5〜50質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。上記範囲とすることにより、良好な感度並びに硬化後の塗膜の耐熱性及び耐薬品性を奏することができる。
<溶剤>
本発明に係る感光性樹脂組成物は、希釈のため又は粘度調整のために溶剤を含むことが好ましい。
溶剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができる。例えば、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメテルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、3−メトキシブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸ペンチル、乳酸ヘキシル、乳酸ヘプチル、乳酸オクチル、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、γ−ブチロラクトン、2−ヘプタノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、ジオキサン、オキセタン、フェノール、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。溶剤は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
<その他の成分>
本発明に係る感光性樹脂組成物は、必要に応じて添加剤を含有させることができる。添加剤としては、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散剤、分散助剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を挙げることができる。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
本発明の感光性樹脂組成物は、上記各成分を全て撹拌機で混合することにより得られる。なお、得られた混合物が均一なものとなるようフィルターを用いて濾過してもよい。
≪カラーフィルター≫
本発明のカラーフィルターは、着色剤を含む感光性樹脂組成物から形成することができる。すなわち、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート等からなる基板に、黒色の着色剤が分散された感光性樹脂組成物をロールコータ、リバースコーター、バーコーター等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、スリットコーター、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて基板上に塗布する。
次いで、塗布された感光性樹脂組成物を乾燥させて塗膜を形成する。乾燥方法は特に限定されないが、例えば、真空乾燥装置を用いて室温にて減圧乾燥し、その後、ホットプレートにて80〜120℃、好ましくは90〜110℃の温度にて60〜120秒間乾燥する方法を挙げることができる。
次いで、この塗膜に、ネガ型のマスクを介して紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して部分的に露光する。照射するエネルギー線量は、感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば30〜2000mJ/cmであることが好ましい。
次いで、露光後の塗膜を、現像液により現像することによって所望の形状にパターニングする。現像方法は特に限定されず、例えば浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。
次いで、現像後のパターンを220〜250℃でポストベークを行う。この際、形成されたパターンを全面露光することが好ましい。以上により、所定のパターン形状を有するブラックマトリックスを形成することができる。
以上の操作を、赤色、緑色、及び青色の顔料が分散された感光性樹脂組成物について行って、各色の画素パターンを形成する。これにより、カラーフィルターが形成される。
なお、本発明のカラーフィルターの製造にあたっては、ブラックマトリックスによって区画された各領域に赤色、緑色、及び青色の各色のインクをインクジェットノズルから吐出し、溜められたインクを熱又は光で硬化させ、カラーフィルターを製造することもできる。
≪液晶表示ディスプレイ≫
本発明の液晶表示ディスプレイは、本発明のカラーフィルターを有するものである。本発明の液晶表示ディスプレイを製造するにあたっては、基板上に、上記カラーフィルターを形成し、次いで、電極、スペーサー等を順次形成する。そして、もう一枚の基板上に電極等を形成し、両者を張り合わせて所定量の液晶を注入、封止して、常法により製造される。
<ポリマーの合成>
[ポリマー(A−1)〜(A−4)の合成]
メチルメタクリレート、スチレン、メタクリル酸、ブロックイソシアネート化合物を下記表1に示す組成で仕込み(質量比)、ラジカル重合によりポリマー(A−1)〜(A−4)を合成した。
Figure 0005357570
なお、ブロックイソシアネート化合物としては、下記式(5)で表されるカレンズMOI−BM(登録商標)(昭和電工社製)を用いた。
Figure 0005357570
[ポリマー(A−5)の合成]
ポリマー(A−5)の合成方法は、以下のとおりである。
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂235g(エポキシ当量235)、テトラメチルアンモニウムクロライド110mg、2,6−ジ−tertブチル−4−メチルフェノール100mg、及びアクリル酸72.0gを、25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱して溶解させた後、120℃までゆっくりと昇温させた。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで約12時間加熱撹拌を続けた。そして室温まで冷却し、無色透明で固体状のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートを得た。
次いで、得られた上記のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート307.0gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)350gを加えて溶解させた後、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物80.5g及び臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合し、90℃で6時間反応させ、ポリマー(A−5)を得た。なお、酸無水物基の消失はIRスペクトルにより確認した。得られたポリマー(A−5)は、GPCで測定した質量平均分子量が5000であり、酸価が80mgKOH/gであった。このポリマー(A−5)は、3−メトキシブチルアセテートにて固形分濃度55質量%に調整した。
[ポリマー(A−6)の合成]
ポリマー(A−6)の合成方法は、以下のとおりである。
撹拌装置、還流器、温度計、滴下槽のついたフラスコを窒素置換した後、溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを200g仕込み、撹拌を始めた。その後、溶剤の温度を80℃まで上昇させた。滴下槽に重合溶媒として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5g、2−メトキシエチルアクリレート130g、ベンジルメタクリレート50.0g、アクリル酸20.0gを仕込み、重合開始剤(和光純薬社製、商品名V−65)が溶解するまで撹拌した後、この溶液をフラスコ内に3時間均一滴下し、引き続き80℃で5時間重合を行った。その後、室温まで冷却し、アクリル樹脂であるポリマー(A−6)を得た。
<感光性樹脂組成物の調製>
下記表2に示す各成分を配合し、有機溶剤を用いて固形分濃度20%に調整し、撹拌機で2時間混合した後、5μmメンブレンフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。なお、表2中の括弧内の数字は質量部数を表す。
Figure 0005357570
B−1:ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)(ダイセル・サイテック株式会社製)
C−1:CGI242(チバスペシャルティケミカル社製)
D−1:黒色顔料(御国色素社製、CFブラック:カーボンブラック25質量%、溶剤:3−メトキシブチルアセテート)
S−1:3−メトキシブチルアセテート:シクロヘキサノン:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=60:20:20(質量比)
<密着性評価>
実施例1〜6、比較例1〜3の感光性樹脂組成物を、ガラス基板上に塗布した後、100℃で2分間乾燥して、膜厚1.4μmの感光層を得た。この感光層に露光量60mJ/cmで紫外線(g/h/i線一括露光機)を照射し、230℃で20分間ポストベークを施して、樹脂層を得た。樹脂層の膜厚は1.2μmであった。このようにして形成した樹脂層の密着性を島津小型卓上試験機EZ Test(島津製作所製)を用いて5回測定した。結果を下記表3に示す。なお、数値は5回の測定の平均値である。
<感度評価>
実施例1〜6、比較例1〜3の感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて1737ガラス(コーニング社製)上に塗布し、100℃で2分間乾燥して感光層を得た。次いで、この感光層にマスクを介して、紫外線(g/h/i線一括露光機)を選択的に照射した。そして、アルカリ現像液を用いて現像することにより、線幅20μmのラインパターンを含む樹脂パターンを形成した。その後、230℃で20分間、循環式オーブンにてポストベークを行った。形成された樹脂パターンの膜厚は1.0μmであった。線幅20μmのラインパターンが形成された露光量について、以下の指標で感度を評価した。結果を表3に示す。
◎:100mJ/cm未満
○:100〜150mJ/cm未満
△:150mJ/cm以上
Figure 0005357570
表3より、ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマーを用いることにより、高い密着性を得られることが分かった。

Claims (6)

  1. ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマー(a)と、光重合性モノマー(b)と、光重合開始剤(c)と、着色剤とを含有し、前記着色剤が遮光剤である感光性樹脂組成物。
  2. 前記ブロックイソシアネート化合物は、ラクタム系、オキシム系、アルコール系、又はフェノール系ブロック基によりブロック化されている、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記ポリマー(a)に対する前記ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位の割合が5〜50質量%である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 固形分全体に対し、前記ポリマー(a)を1〜35質量%含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターンを有するカラーフィルター。
  6. 請求項に記載のカラーフィルターを有する液晶表示ディスプレイ。
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