JP5357570B2 - 感光性樹脂組成物、カラーフィルター、及び液晶表示ディスプレイ - Google Patents
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Description
本発明は、第一の態様として、ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマー(a)と、光重合性モノマー(b)と、光重合開始剤(c)と、を含有する感光性樹脂組成物を提供するが、各成分については次のとおりである。
ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマー(以下、「(a)成分」ともいう。)としては、例えば特開2002−167423号公報に開示されており、ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有する樹脂を用いることができる。アルカリ現像性の点からは(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。(a)成分は、ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位(a1)を少なくとも含み、さらに酸価を有する化合物から誘導される構成単位(a2)と、その他の化合物から誘導される構成単位(a3)と、を含むことができる。このような(a)成分により、形成された樹脂パターンの基板への密着性をより向上することができる。
ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位(以下、「(a1)構成単位」ともいう。)としては、分子中にビニル基、アクリル基、メタクリル基等の反応性のエチレン性不飽和基とを有するイソシアネート化合物におけるイソシアネート基を、ブロック剤でブロック化した化合物から誘導される構成単位が挙げられる。
これらの中でも、フェノール系、ラクタム系、アルコール系、オキシム系が好ましく、ノニルフェノール、スチレン化フェノール、オキシ安息香酸エステル、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ε−カプロラクタムが特に好ましい。ブロック基は反応性の高いイソシアネート基を保護するが、加熱によりブロック基が脱離してイソシアネートを発生することにより、形成した樹脂パターンの基板への密着性が向上する。
酸価を有する化合物から誘導される構成単位(以下、「(a2)構成単位」ともいう。)としては、分子中にアクリル基やメタクリル基等の反応性のエチレン性不飽和基を含有するカルボン酸化合物から誘導される構成単位が好ましい。このようなエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物としては、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、プロピオール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。(a2)構成単位は、(a)成分中に1種のみ存在していても2種以上存在していてもよい。(a)成分が(a2)構成単位を含むことにより、本発明に係る感光性樹脂組成物は良好な現像性を有する。
その他の構成単位(以下、「(a3)構成単位」ともいう。)としては、例えば、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、上記(メタ)アクリル酸エステルの例示化合物をフマレートに代えたフマル酸エステル類、マレエートに代えたマレイン酸エステル類、クロトネートに代えたクロトン酸エステル類、イタコネートに代えたイタコン酸エステル類、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、イソプレン、クロロプレン、3−ブタジエン、ビニル−n−ブチルエーテル等から誘導される構成単位が挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。(a3)構成単位は、(a)成分中に1種のみ存在していても2種以上存在していてもよい。
光重合性モノマー(以下、「(b)成分」ともいう。)は、分子内に重合性官能基として少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する。(b)成分は、重合性官能基を複数有することが好ましい。このような(b)成分を添加することにより、形成された膜の膜強度や、基板に対する密着性を向上させることができる。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。また、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(以下、「(c)成分」ともいう。)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ−2−エチルヘキシル安息香酸、4−ジメチルアミノ−2−イソアミル安息香酸、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、p−メトキシトリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン等が挙げられる。これらの中でも、オキシム系の光重合開始剤を用いることが、感度の面で特に好ましい。これらの(c)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、着色剤(以下、「(d)成分」ともいう。)を含むことができる。
着色剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知の顔料を使用することができる。例えば、本発明の感光性樹脂組成物を用いて、ブラックマトリックスやブラックストライプを形成する場合には、遮光剤を用いることが好ましい。このような、遮光剤として、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム、酸化鉄、アニリンブラック、ペリレン系顔料、C.I.ソルベントブラック123等の黒色顔料が挙げられる。また、エポキシ樹脂等で被覆されたカーボンブラック;チタン、マンガン、鉄、銅、コバルト等の複合酸化物等の無機系ブラック顔料;以下に示す有機顔料の組み合わせ;並びに、有機顔料と上述の黒色顔料との組み合わせも、適宜、採用することができる。組み合わせにより、高抵抗値化や色調の調整等を行うこともできる。なお、黒色顔料と他の着色成分を組み合わせる際は、遮光性能を低下させない範囲で他の着色成分を混合することが好ましい。
黄色顔料:C.I.20、24、83、86、93、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、180、185、195
橙色顔料:C.I.36、43、51、55、59、61
赤色顔料:C.I.9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254
紫色顔料:C.I.19、23、29、30、37、40、50
青色顔料:C.I.15、15:3、15:6、22、60、64
緑色顔料:C.I.7、36
茶色顔料:C.I.23、25、26
として表されているものが、透明性が高く、しかも耐熱性、耐候性、及び耐薬品性に優れているため、好適に用いることができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、上記(a)成分に加え、必要に応じて、エポキシ化合物と不飽和基含有カルボン酸化合物との反応物を、さらに多塩基酸無水物と反応させることにより得られるポリマー(以下、「(e)成分」ともいう。)を用いることができる。
このようなポリマーの中でも、下記式(2)で表されるポリマーが好ましい。この式(2)で表されるポリマーは、それ自体が光硬化性が高く、また、感度が高いため好ましい。
また、上記式(2)中、mは、0〜20の整数を表す。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、希釈のため又は粘度調整のために溶剤を含むことが好ましい。
溶剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができる。例えば、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメテルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、3−メトキシブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸ペンチル、乳酸ヘキシル、乳酸ヘプチル、乳酸オクチル、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、γ−ブチロラクトン、2−ヘプタノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、ジオキサン、オキセタン、フェノール、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。溶剤は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、必要に応じて添加剤を含有させることができる。添加剤としては、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散剤、分散助剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記各成分を全て撹拌機で混合することにより得られる。なお、得られた混合物が均一なものとなるようフィルターを用いて濾過してもよい。
本発明のカラーフィルターは、着色剤を含む感光性樹脂組成物から形成することができる。すなわち、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート等からなる基板に、黒色の着色剤が分散された感光性樹脂組成物をロールコータ、リバースコーター、バーコーター等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、スリットコーター、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて基板上に塗布する。
本発明の液晶表示ディスプレイは、本発明のカラーフィルターを有するものである。本発明の液晶表示ディスプレイを製造するにあたっては、基板上に、上記カラーフィルターを形成し、次いで、電極、スペーサー等を順次形成する。そして、もう一枚の基板上に電極等を形成し、両者を張り合わせて所定量の液晶を注入、封止して、常法により製造される。
[ポリマー(A−1)〜(A−4)の合成]
メチルメタクリレート、スチレン、メタクリル酸、ブロックイソシアネート化合物を下記表1に示す組成で仕込み(質量比)、ラジカル重合によりポリマー(A−1)〜(A−4)を合成した。
ポリマー(A−5)の合成方法は、以下のとおりである。
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂235g(エポキシ当量235)、テトラメチルアンモニウムクロライド110mg、2,6−ジ−tertブチル−4−メチルフェノール100mg、及びアクリル酸72.0gを、25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱して溶解させた後、120℃までゆっくりと昇温させた。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで約12時間加熱撹拌を続けた。そして室温まで冷却し、無色透明で固体状のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートを得た。
ポリマー(A−6)の合成方法は、以下のとおりである。
撹拌装置、還流器、温度計、滴下槽のついたフラスコを窒素置換した後、溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを200g仕込み、撹拌を始めた。その後、溶剤の温度を80℃まで上昇させた。滴下槽に重合溶媒として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5g、2−メトキシエチルアクリレート130g、ベンジルメタクリレート50.0g、アクリル酸20.0gを仕込み、重合開始剤(和光純薬社製、商品名V−65)が溶解するまで撹拌した後、この溶液をフラスコ内に3時間均一滴下し、引き続き80℃で5時間重合を行った。その後、室温まで冷却し、アクリル樹脂であるポリマー(A−6)を得た。
下記表2に示す各成分を配合し、有機溶剤を用いて固形分濃度20%に調整し、撹拌機で2時間混合した後、5μmメンブレンフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。なお、表2中の括弧内の数字は質量部数を表す。
C−1:CGI242(チバスペシャルティケミカル社製)
D−1:黒色顔料(御国色素社製、CFブラック:カーボンブラック25質量%、溶剤:3−メトキシブチルアセテート)
S−1:3−メトキシブチルアセテート:シクロヘキサノン:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=60:20:20(質量比)
実施例1〜6、比較例1〜3の感光性樹脂組成物を、ガラス基板上に塗布した後、100℃で2分間乾燥して、膜厚1.4μmの感光層を得た。この感光層に露光量60mJ/cm2で紫外線(g/h/i線一括露光機)を照射し、230℃で20分間ポストベークを施して、樹脂層を得た。樹脂層の膜厚は1.2μmであった。このようにして形成した樹脂層の密着性を島津小型卓上試験機EZ Test(島津製作所製)を用いて5回測定した。結果を下記表3に示す。なお、数値は5回の測定の平均値である。
実施例1〜6、比較例1〜3の感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて1737ガラス(コーニング社製)上に塗布し、100℃で2分間乾燥して感光層を得た。次いで、この感光層にマスクを介して、紫外線(g/h/i線一括露光機)を選択的に照射した。そして、アルカリ現像液を用いて現像することにより、線幅20μmのラインパターンを含む樹脂パターンを形成した。その後、230℃で20分間、循環式オーブンにてポストベークを行った。形成された樹脂パターンの膜厚は1.0μmであった。線幅20μmのラインパターンが形成された露光量について、以下の指標で感度を評価した。結果を表3に示す。
◎:100mJ/cm2未満
○:100〜150mJ/cm2未満
△:150mJ/cm2以上
Claims (6)
- ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位を有するポリマー(a)と、光重合性モノマー(b)と、光重合開始剤(c)と、着色剤とを含有し、前記着色剤が遮光剤である感光性樹脂組成物。
- 前記ブロックイソシアネート化合物は、ラクタム系、オキシム系、アルコール系、又はフェノール系ブロック基によりブロック化されている、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリマー(a)に対する前記ブロックイソシアネート化合物から誘導される構成単位の割合が5〜50質量%である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 固形分全体に対し、前記ポリマー(a)を1〜35質量%含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターンを有するカラーフィルター。
- 請求項5に記載のカラーフィルターを有する液晶表示ディスプレイ。
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