JP5357466B2 - 液化ガス運搬船 - Google Patents
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Description
また同様に、船首前方からタンクカバーの前面に向かって流れてきた風が、タンクカバーの前面に直接当たり、タンクカバーの前面が受ける風圧抵抗が増加してしまうといった問題点もあった。
本発明に係る液化ガス運搬船は、内部に液化ガスを貯蔵するとともに、船首尾方向に沿って配置され、かつ、スカートを介して船体に固定された複数個の球形タンクと、これら球形タンクの上半部を覆うとともに、船首尾方向および船幅方向に沿って延びる一つの、または複数個のタンクカバーとを備えた液化ガス運搬船であって、前記タンクカバーの上面に沿って船首側から船尾側に向かって流れてきた風が、ハウスの前面に直接当たらないように、前記風の向きを前記ハウスの前面よりも前方で変更する風向変更手段が、前記タンクカバーの上面に設けられており、前記風向変更手段の後端における垂直方向の高さは、船底からハウスの頂面までの垂直距離と、前記船底から前記タンクカバーの頂面までの垂直距離との差の40%〜90%の範囲内に設定され、前記風向変更手段は、その後端から前記ハウスの前面までの水平距離が、前記船底から前記タンクカバーの頂面までの垂直距離の30%〜150%の範囲内に設置されており、前記風向変更手段の傾斜角度は、20度〜60度の範囲内に設定されている。
なお、タンクカバーの上面とは、タンクカバーの頂面、およびこの頂面から舷側に向かって傾斜する傾斜面を含む面のことである。
また、第2の風向変更手段により、船首前方からタンクカバーの前面に向かって流れてきた風の向きが、タンクカバーの前面よりも前方で上方に変えられ、タンクカバーの前面に直接当たる風が減少させられることとなるので、タンクカバーの前面が受ける風圧抵抗を低減させることができる。
その結果、船全体が受ける風圧抵抗を低減させることができる。
図1は本実施形態に係る液化ガス運搬船の図であって、(a)は右側面図、(b)は平面図、図2は本実施形態に係る液化ガス運搬船の正面図、図3は図1(a)のII−II矢視断面図、図4は本実施形態に係る液化ガス運搬船の図であって、(a)は図1(a)のA−A矢視断面図、(b)は図1(a)のB−B矢視断面図、図5は図1(a)のIV−IV矢視断面図である。
また、図3に示すように、これら球形タンク2はそれぞれ、その上端部が球形タンク2の赤道部に固定され、その下端部がファンデーションデッキ4上に固定された円筒形のスカート3を介して船体5に支持されている。すなわち、これら球形タンク2の重量は、スカート3を通して船体5で受けられるようになっている。
なお、図3中の符号8,9はそれぞれ、縦通隔壁、船側外板を示している。
これらバラストタンク10のうち、船首に最も近い位置に配置されたバラストタンク10以外のバラストタンク10はそれぞれ、球形タンク2の周方向に沿うとともに、球形タンク2の底部上方を取り囲むように配置された上部と、船体5の船側外板9および船底(船底外板)11に沿って、船首尾方向に配置された下部とを備えている。
また、トップフィン15は、その後端(あるいは上端)からハウス16の前面21までの水平距離dが、船底11からタンクカバー7の頂面20までの垂直距離bの30%〜150%の範囲内で、かつ、船級協会のルール等で要求される諸条件を満たす位置に設置されている。
そして、トップフィン15の傾斜角度αは、20度〜60度の範囲内(本実施形態では45度、より好ましくは30度)で、かつ、船級協会のルール等で要求される諸条件を満たす傾斜角度に設定されている。
図6および図7に示すように、トップフィン15により、図6および図7において、d/b=0.00、c/(a−b)=0.00、相対値=1.00で示すトップフィン15を備えていないものよりも抗力(「風圧抵抗」ともいう。)が減少していることが分かる。特に、d/b=0.37、c/(a−b)=0.90とした場合には、トップフィン15を備えていないものよりも抗力が11%減少していることが分かる。
図8および図9に示すように、本実施形態に係る液化ガス運搬船25は、トップフィン15の代わりに、船首部カバー26が設けられているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
また、船首部カバー26の後端における垂直方向の高さfは、上甲板6からタンクカバー7の頂面20までの垂直距離(「タンクカバー高さ」ともいう。)eの20%〜70%の範囲内に設定されている。
そして、船首部カバー26の傾斜角度θ(水平面28との成す角度)は、5度〜60度の範囲内に設定されている。
図11から図13に示すように、船首部カバー26により、図11から図13において、θ=0.00、f/e=0.00、抗力相対値=1.00で示す船首部カバー26を備えていないものよりも抗力(「風圧抵抗」ともいう。)が減少していることが分かる。特に、θ=10.40度、f/e=0.492とした場合には、船首部カバー26を備えていないものよりも抗力が5%減少していることが分かる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態に係る液化ガス運搬船31は、船首部カバー26の代わりに、船首部カバー32が設けられているという点で上述した第2実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第2実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
図11から図13に示すように、船首部カバー32により、図11から図13において、θ=0.00、f/e=0.00、抗力相対値=1.00で示す船首部カバー32を備えていないものよりも抗力(「風圧抵抗」ともいう。)が6%減少していることが分かる。
また、船首部カバー32により、船首前方からタンクカバー7の前面27に向かって流れてきた風の向きが、タンクカバー7の前面27よりも前方で上方に変えられ、タンクカバー7の前面27に直接当たる風が減少させられることとなるので、タンクカバー7の前面27が受ける風圧抵抗を低減させることができて、その結果、船全体が受ける風圧抵抗を低減させることができる。
その他の作用効果は、前述した実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
図14および図15に示すように、本実施形態に係る液化ガス運搬船41は、第2実施形態のところで説明した船首部カバー26がさらに設けられているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
また、船首部カバー26により、船首前方からタンクカバー7の前面27に向かって流れてきた風の向きが、タンクカバー7の前面27よりも前方で上方に変えられ、タンクカバー7の前面27に直接当たる風が減少させられることとなるので、タンクカバー7の前面27が受ける風圧抵抗を低減させることができる。
その結果、船全体が受ける風圧抵抗をさらに低減させることができる。
2 球形タンク
3 スカート
5 船体
7 タンクカバー
15 トップフィン(風向変更手段:第1の風向変更手段)
16 ハウス
21 前面
25 液化ガス運搬船
26 船首部カバー(風向変更手段:第2の風向変更手段)
27 前面
31 液化ガス運搬船
32 船首部カバー(風向変更手段:第2の風向変更手段)
41 液化ガス運搬船
Claims (2)
- 内部に液化ガスを貯蔵するとともに、船首尾方向に沿って配置され、かつ、スカートを介して船体に固定された複数個の球形タンクと、
これら球形タンクの上半部を覆うとともに、船首尾方向および船幅方向に沿って延びる一つの、または複数個のタンクカバーとを備えた液化ガス運搬船であって、
前記タンクカバーの上面に沿って船首側から船尾側に向かって流れてきた風が、ハウスの前面に直接当たらないように、前記風の向きを前記ハウスの前面よりも前方で変更する風向変更手段が、前記タンクカバーの上面に設けられており、
前記風向変更手段の後端における垂直方向の高さは、船底からハウスの頂面までの垂直距離と、前記船底から前記タンクカバーの頂面までの垂直距離との差の40%〜90%の範囲内に設定され、
前記風向変更手段は、その後端から前記ハウスの前面までの水平距離が、前記船底から前記タンクカバーの頂面までの垂直距離の30%〜150%の範囲内に設置されており、
前記風向変更手段の傾斜角度は、20度〜60度の範囲内に設定されていることを特徴とする液化ガス運搬船。 - 内部に液化ガスを貯蔵するとともに、船首尾方向に沿って配置され、かつ、スカートを介して船体に固定された複数個の球形タンクと、
これら球形タンクの上半部を覆うとともに、船首尾方向および船幅方向に沿って延びる一つの、または複数個のタンクカバーとを備えた液化ガス運搬船であって、
前記タンクカバーの上面に沿って船首側から船尾側に向かって流れてきた風が、ハウスの前面に直接当たらないように、前記風の向きを前記ハウスの前面よりも前方で変更する第1の風向変更手段が、前記タンクカバーの上面に設けられており、
前記第1の風向変更手段の後端における垂直方向の高さは、船底からハウスの頂面までの垂直距離と、前記船底から前記タンクカバーの頂面までの垂直距離との差の40%〜90%の範囲内に設定され、
前記第1の風向変更手段は、その後端から前記ハウスの前面までの水平距離が、前記船底から前記タンクカバーの頂面までの垂直距離の30%〜150%の範囲内に設置されており、
前記第1の風向変更手段の傾斜角度は、20度〜60度の範囲内に設定されているとともに、
船首前方から前記タンクカバーの前面に向かって流れてきた風が、前記タンクカバーの前面に直接当たらないように、前記風の向きを前記タンクカバーの前面よりも前方で変更する第2の風向変更手段が、船首甲板上に設けられており、
前記第2の風向変更手段の後端における垂直方向の高さは、上甲板から前記タンクカバーの頂面までの垂直距離の20%〜70%の範囲内に設定され、
前記第2の風向変更手段の傾斜角度は、5度〜60度の範囲内に設定されていることを特徴とする液化ガス運搬船。
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