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JP5354277B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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JP5354277B2 JP2009135032A JP2009135032A JP5354277B2 JP 5354277 B2 JP5354277 B2 JP 5354277B2 JP 2009135032 A JP2009135032 A JP 2009135032A JP 2009135032 A JP2009135032 A JP 2009135032A JP 5354277 B2 JP5354277 B2 JP 5354277B2
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Description

本発明は、スイッチング素子からなるスイッチング回路を備えた電力変換装置に関する。
従来、スイッチング素子からなるスイッチング回路を備えた電力変換装置として、例えば特許文献1に開示されているインバータ装置がある。このインバータ装置は、主回路逆変換部と、電流検出器と、制御装置とを備えている。主回路逆変換部は、直列接続された2つのスイッチング素子を3組並列接続して構成されている。制御装置は、電流検出器の検出結果に基づいて主回路逆変換部を構成するスイッチング素子をオン、オフさせ、入力された直流電力を交流電力に変換して交流電動機に供給する。ところで、このインバータ装置は、主回路逆変換部を構成するスイッチング素子の異常を検出するため、異常判定回路を備えている。異常判定回路から信号が出力されると、制御装置は、予め設定されている異常検出のための所定の導通パターンに基づいて主回路逆変換部を構成するスイッチング素子を順次オン、オフさせる。異常判定回路は、その導通パターンに対応した電流検出器の検出結果に基づいてスイッチング素子の異常の有無を判定する。これにより、素子を特定してスイッチング素子の異常を検出することができる。
特開平8−308244号公報
前述したインバータ装置では、スイッチング素子の異常を検出する場合、異常検出のための所定の導通パターンに基づいてスイッチング素子をオン、オフさせなければならない。そのため、入力された直流電力を交流電力に変換して出力する通常の動作状態において、スイッチング素子の異常を検出することができないという問題があった。これに対し、スイッチング素子の異常に伴って二次的に発生する別の異常を検出することで、間接的にスイッチング素子の異常を検出することが考えられる。しかし、この場合、スイッチング素子以外の部分を二次的に破損させてしまう可能性があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、通常の動作状態において、スイッチング素子のオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、電流センス端子を有するスイッチング素子でスイッチング回路を構成し、電流センス端子の出力に基づいて判定することで、通常の動作状態において、スイッチング素子のオープン故障を、素子を特定して直接検出できることを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の電力変換装置は、2つのスイッチング素子を直列接続して構成され、直列接続されたスイッチング素子の両端に入力端子が、直列接続点に出力端子がそれぞれ形成され、入力端子が電源に接続されるスイッチング回路と、スイッチング素子の制御端子にそれぞれ接続され、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子と電源の負極端子に接続されたスイッチング素子を相補的にオン、オフする制御回路と、を備えた電力変換装置において、スイッチング素子は、オンして電流が流れたときに、流れた電流に応じた電流を出力する電流センス端子を有し、制御回路は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子の電流センス端子の出力と目標振幅値とに基づいて、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子のオープン故障を検出し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子の電流センス端子の出力と目標振幅値とに基づいて、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする。
この構成によれば、制御回路は、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、直列接続された2つのスイッチング素子を相補的にオン、オフする。制御回路が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子に、いずれかのタイミングで目標振幅値の電流が流れることとなる。これに対し、制御回路が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子に、いずれかのタイミングで目標振幅値の電流が流れることとなる。しかし、スイッチング素子がオープン故障していると、前述した期間中であっても、そのスイッチング素子に目標振幅値の電流が流れることはない。ここで、スイッチング素子に流れる電流は、電流センス端子の出力に基づいて求められる。そのため、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子の電流センス端子の出力と目標振幅値とに基づいて、これに対し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子の電流センス端子の出力と目標振幅値とに基づいて、スイッチング素子が故障しているか否かを直接判定することができる。しかも、従来のように、異常検出のための所定の導通パターンでオン、オフする必要がないため、通常の動作状態において、素子を特定してオープン故障を検出することができる。従って、通常の動作状態において、スイッチング素子のオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
請求項2に記載の電力変換装置は、制御回路は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間中、電流センス端子の出力から求めた、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子に流れる電流が目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子がオープン故障していると判定し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間中、電流センス端子の出力から求めた、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子に流れる電流が目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子がオープン故障していると判定することを特徴とする。この構成によれば、スイッチング素子のオープン故障を確実に検出することができる。
請求項3に記載の電力変換装置は、複数のスイッチング素子を並列してなるスイッチング素子群を2組直列接続して構成され、直列接続されたスイッチング素子群の両端に入力端子が、直列接続点に出力端子がそれぞれ形成され、入力端子が電源に接続されるスイッチング回路と、スイッチング素子の制御端子にそれぞれ接続され、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子と電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子を相補的にオン、オフする制御回路と、を備えた電力変換装置において、スイッチング素子は、オンして電流が流れたときに、流れた電流に応じた電流を出力する電流センス端子を有し、制御回路は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力と目標振幅値とに基づいて、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子のオープン故障を検出し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力と目標振幅値とに基づいて、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする。
この構成によれば、制御回路は、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、直列接続された2組のスイッチング素子群を構成するスイッチング素子を相補的にオン、オフする。制御回路が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子に、いずれかのタイミングで目標振幅値をスイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの目標振幅値の電流が流れることとなる。これに対し、制御回路が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子に、いずれかのタイミングで1素子当たりの目標振幅値の電流が流れることとなる。しかし、スイッチング素子がオープン故障していると、前述した期間中であっても、そのスイッチング素子に1素子当たりの目標振幅値の電流が流れることはない。ここで、スイッチング素子に流れる電流は、電流センス端子の出力に基づいて求められる。そのため、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力と目標振幅値とに基づいて、これに対し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力と目標振幅値とに基づいて、スイッチング素子が故障しているか否かを直接判定することができる。しかも、従来のように、異常検出のための所定の導通パターンでオン、オフする必要がないため、通常の動作状態において、素子を特定してオープン故障を検出することができる。従って、通常の動作状態において、スイッチング素子のオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
請求項4に記載の電力変換装置は、制御回路は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間中、電流センス端子の出力から求めた、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子に流れる電流が、目標振幅値をスイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子がオープン故障していると判定し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間中、電流センス端子の出力から求めた、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子に流れる電流が、目標振幅値をスイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子がオープン故障していると判定することを特徴とする。この構成によれば、スイッチング素子のオープン故障を確実に検出することができる。
請求項5に記載の電力変換装置は、複数のスイッチング素子を並列してなるスイッチング素子群を2組直列接続して構成され、直列接続されたスイッチング素子群の両端に入力端子が、直列接続点に出力端子がそれぞれ形成され、入力端子が電源に接続されるスイッチング回路と、スイッチング回路の出力端子から出力される電流を検出する電流センサと、スイッチング素子の制御端子と電流センサの出力端子にそれぞれ接続され、電流センサの検出結果に基づいて、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子と電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子を相補的にオン、オフする制御回路と、を備えた電力変換装置において、スイッチング素子は、オンして電流が流れたときに、流れた電流に応じた電流を出力する電流センス端子を有し、制御回路は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力と電流センサの検出した出力電流とに基づいて、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子のオープン故障を検出し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力と電流センサの検出した出力電流とに基づいて、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする。
この構成によれば、制御回路は、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、直列接続された2組のスイッチング素子群を構成するスイッチング素子を相補的にオン、オフする。スイッチング回路の出力端子から出力される電流は、電流センサによって検出される。制御回路が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子に、いずれかのタイミングで出力電流の振幅、つまり出力振幅値をスイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの出力振幅値の電流が流れることとなる。これに対し、制御回路が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子に、いずれかのタイミングで1素子当たりの出力振幅値の電流が流れることとなる。しかし、スイッチング素子がオープン故障していると、前述した期間中であっても、そのスイッチング素子に1素子当たりの出力振幅値の電流が流れることはない。ここで、スイッチング素子に流れる電流は、電流センス端子の出力に基づいて求められる。そのため、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力と電流センサの検出した出力電流とに基づいて、これに対し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力と電流センサの検出した出力電流とに基づいて、スイッチング素子が故障しているか否かを直接判定することができる。しかも、従来のように、異常検出のための所定の導通パターンでオン、オフする必要がないため、通常の動作状態において、素子を特定してオープン故障を検出することができる。従って、通常の動作状態において、スイッチング素子のオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
請求項6に記載の電力変換装置は、制御回路は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間中、電流センス端子の出力から求めた、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子に流れる電流が、電流センサの検出した出力電流から求めた、出力振幅値をスイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子がオープン故障していると判定し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間中、電流センス端子の出力から求めた、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子に流れる電流が、電流センサの検出した出力電流から求めた、出力振幅値をスイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子がオープン故障していると判定することを特徴とする。この構成によれば、スイッチング素子のオープン故障を確実に検出することができる。
請求項7に記載の電力変換装置は、複数のスイッチング素子を並列してなるスイッチング素子群を2組直列接続して構成され、直列接続されたスイッチング素子群の両端に入力端子が、直列接続点に出力端子がそれぞれ形成され、入力端子が電源に接続されるスイッチング回路と、スイッチング回路の出力端子から出力される電流を検出する電流センサと、スイッチング素子の制御端子と電流センサの出力端子にそれぞれ接続され、電流センサの検出結果に基づいて、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子と電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子を相補的にオン、オフする制御回路と、を備えた電力変換装置において、スイッチング素子は、オンして電流が流れたときに、流れた電流に応じた電流を出力する電流センス端子を有し、制御回路は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力に基づいて、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子のオープン故障を検出し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力に基づいて、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする。
この構成によれば、制御回路は、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、直列接続された2組のスイッチング素子群を構成するスイッチング素子を相補的にオン、オフする。制御回路が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子にそれぞれ等しい電流が流れることとなる。これに対し、制御回路が、出力端子に電流が込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子にそれぞれ等しい電流が流れることとなる。しかし、スイッチング素子群を構成するスイッチング素子の1つがオープン故障していると、そのスイッチング素子には電流が流れなくなる一方、他のスイッチング素子にはより大きな電流が流れることとなる。つまり、スイッチング素子に流れる電流が正常時とオープン故障時で異なることとなる。ここで、スイッチング素子に流れる電流は、電流センス端子の出力に基づいて求めることができる。そのため、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力に基づいて、これに対し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成するスイッチング素子の電流センス端子の出力に基づいて、スイッチング素子がオープン故障しているか否かを直接判定することができる。しかも、従来のように、異常検出のための所定の導通パターンでオン、オフする必要がないため、通常の動作状態において、素子を特定してオープン故障を検出することができる。従って、通常の動作状態において、スイッチング素子のオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
請求項8に記載の電力変換装置は、制御回路は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、電流センス端子の出力から求めた、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成する一のスイッチング素子に流れる電流が、他の全てのスイッチング素子にそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、一のスイッチング素子に流れる電流と、他の全てのスイッチング素子にそれぞれ流れる電流の差が全て判定閾値以上であるとき、電源の正極端子に接続されたスイッチング素子群を構成する一のスイッチング素子がオープン故障していると判定し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、電流センス端子の出力から求めた、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成する一のスイッチング素子に流れる電流が、他の全てのスイッチング素子にそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、一のスイッチング素子に流れる電流と、他の全てのスイッチング素子にそれぞれ流れる電流の差が全て判定閾値以上であるとき、電源の負極端子に接続されたスイッチング素子群を構成する一のスイッチング素子がオープン故障していると判定することを特徴とする。この構成によれば、スイッチング素子のオープン故障を確実に検出することができる。
請求項9に記載の電力変換装置は、制御回路は、外部装置から入力される指令、及び、スイッチング回路の出力端子に接続される負荷装置から入力される負荷装置の状態を示す物理量に基づいて目標振幅値を決定し、外部装置から入力される指令、及び、負荷装置の状態を示す物理量の少なくともいずれかに基づいてスイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする。この構成によれば、外部から入力される指令や、負荷の状態を示す物理量に基づいてスイッチング素子のオープン故障を検出することができる。
請求項10に記載の電力変換装置は、制御回路は、目標振幅値が所定値以下のとき、スイッチング素子のオープン故障の判定を行わないことを特徴とする。この構成によれば、オープン故障の誤判定を防止することができる。
請求項11に記載の電力変換装置は、判定閾値は、電流センサの出力誤差の影響を受けないように設定されていることを特徴とする。この構成によれば、電流センサの出力誤差に伴う誤判定を防止することができる。
請求項12に記載の電力変換装置は、判定閾値は、電流センス端子の出力誤差の影響を受けないように設定されていることを特徴とする。この構成によれば、電流センス端子の出力誤差に伴う誤判定を防止することができる。
請求項13に記載の電力変換装置は、車両に搭載され、直流電力を交流電力に変換することを特徴とする。この構成によれば、車両に搭載され、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置において、通常の動作状態において、スイッチング素子のオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
請求項14に記載の電力変換装置は、車両に搭載された交流モータに交流電力を供給することを特徴とする。この構成によれば、車両に搭載された交流モータに交流電力を供給する電力変換装置において、通常の動作状態において、スイッチング素子のオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
第1実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。 図1のモータ制御装置におけるIGBTのオープン故障検出動作を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。 図3のモータ制御装置におけるIGBTのオープン故障検出動作を説明するためのフローチャートである。 第3実施形態のモータ制御装置におけるIGBTのオープン故障検出動作を説明するためのフローチャートである。 第4実施形態のモータ制御装置におけるIGBTのオープン故障検出動作を説明するためのフローチャートである。
次に、実施形態を挙げ本発明をより詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係る電力変換装置を、車両に搭載され、直流電力を交流電力に変換して、同じく車両に搭載された3相交流モータに供給するモータ制御装置に適用した例を示す。
(第1実施形態)
まず、図1を参照してモータ制御装置の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
図1に示すモータ制御装置1(電力変換装置)は、バッテリB1(電源)の出力する直流電圧を3相交流電圧に変換して3相交流モータM1(負荷装置)に供給し、3相交流モータM1を駆動する装置である。つまり、直流電力を交流電力に変換して3相交流モータM1を駆動する装置である。モータ制御装置1は、平滑コンデンサ10と、電力変換回路11と、駆動回路12と、電流センサ13、14と、制御回路15とを備えている。
平滑コンデンサ10は、バッテリB1の直流電圧を平滑するための素子である。平滑コンデンサ10の正極端子及び負極端子は、バッテリB1の正極端子及び負極端子にそれぞれ接続されている。
電力変換回路11は、平滑コンデンサ10によって平滑されたバッテリB1の直流電圧を3相交流電圧に変換し、3相交流モータM1に供給する回路である。つまり、直流電力を交流電力に変換して3相交流モータM1に供給する回路である。電力変換回路11は、スイッチング回路110〜112を備えている。
スイッチング回路110は、2つのIGBT110a、110b(スイッチング素子)によって構成されている。IGBT110a、110bは、オンして電流が流れたときに、流れた電流に比例した、流れた電流よりも小さい電流を出力する電流センス端子Sを備えている。IGBT110a、110bは直列接続されている。具体的には、IGBT110aのエミッタ端子Eが、IGBT110bのコレクタ端子Cに接続されている。直列接続されたIGBT110a、110bの両端には入力端子が形成され、直列接続点には出力端子が形成されている。一方の入力端子であるIGBT110aのコレクタ端子Cは、バッテリB1の正極端子に接続されている。他方の入力端子であるIGBT110bのエミッタ端子Eは、バッテリB1の負極端子に接続されている。出力端子は、3相交流モータM1のU相端子に接続されている。また、IGBT110a、110bのゲート端子G(制御端子)は、駆動回路12にそれぞれ接続されている。さらに、電流センス端子Sは、制御回路15にそれぞれ接続されている。
スイッチング回路111は、IGBT110a、110bを備えている。また、スイッチング回路112は、IGBT112a、112bを備えている。スイッチング回路111、112もスイッチング回路110と同様の構成である。
駆動回路12は、制御回路15から入力される駆動指令信号に基づいて駆動信号を出力し、IGBT110a、110b、111a、111b、112a、112bを駆動する回路である。駆動回路12は、制御回路15に接続されている。また、IGBT110a、110b、111a、111b、112a、112bのゲート端子Gにそれぞれ接続されている。
電流センサ13、14は、電力変換回路11から3相交流モータM1に供給される
U相電流及びW相電流をそれぞれ検出する素子である。電流センサ13、14は、U相電流及びW相電流に応じた信号をそれぞれ出力する。電流センサ13は、スイッチング回路110の出力端子と3相交流モータM1のU相端子の間に設けられている。また、電流センサ14は、スイッチング回路112の出力端子と3相交流モータM1のW相端子の間に設けられている。
制御回路15は、コントローラC1(外部装置)から入力される指令信号、回転角センサR1の検出した3相交流モータM1の回転角度(負荷装置の状態を示す物理量)、電流センサ13、14の検出した3相交流モータM1のU相電流及びW相電流に基づいてスイッチング回路110〜112を制御する回路である。また、電流センス端子Sの出力、及び、目標振幅値に基づいて、スイッチング回路110〜112を構成するIGBT110a、110b、111a、111b、112a、112bのオープン故障を検出する回路でもある。ここで、目標振幅値は、スイッチング回路110〜112から出力されるべき交流電流の振幅を指示するものである。制御回路15が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路110〜112を制御している期間には、バッテリB1の正極端子に接続されたIGBT110a、111a、112aに、いずれかのタイミングで目標振幅値の電流が流れることとなる。これに対し、制御回路15が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路110〜112を制御している期間には、バッテリB1の負極端子に接続されたIGBT110b、111b、112bに、いずれかのタイミングで目標振幅値の電流が流れることとなる。目標振幅値は、指令信号、回転角度、U相電流及びW相電流に基づいて決定される。
制御回路15は、コントローラC1から入力される指令信号、回転角センサR1の検出結果である回転角度、電流センサ13、14の検出結果であるU相電流及びW相電流に基づいて、スイッチング回路110〜112に対する目標振幅値を決定する。そして、スイッチング回路110〜112の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、IGBT110a、110b、111a、111b、112a、112bをオン、オフするための駆動指令信号を出力する。具体的には、IGBT110a、110b、IGBT111a、111b及びIGBT112a、112bをそれぞれ相補的にオン、オフするための駆動指令信号を出力する。また、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路110〜112を制御している期間には、IGBT110a、111a、112aの電流センス端子Sの出力と目標振幅値とに基づいて、これらのIGBTのオープン故障を検出する。これに対し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路110〜112を制御している期間には、IGBT110b、111b、112bの電流センス端子Sの出力と目標振幅値とに基づいて、これらのIGBTのオープン故障を検出する。
制御回路15は、コントローラC1に接続されている。また、回転角センサR1及び電流センサ13、14にそれぞれ接続されている。さらに、IGBT110a、110b、111a、111b、112a、112bの電流センス端子Sにそれぞれ接続されている。
次に、図1を参照してモータ制御装置の動作について説明する。図1において、制御回路15は、コントローラC1から入力される指令信号、回転角センサR1の検出した3相交流モータM1の回転角度、電流センサ13、14の検出した3相交流モータM1のU相電流及びW相電流に基づいて、スイッチング回路110〜112がそれぞれ出力すべき目標振幅値を決定する。そして、スイッチング回路110〜112の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、IGBT110a、110b、111a、111b、112a、112bをオン、オフするための駆動指令信号を出力する。具体的には、IGBT110a、110b、IGBT111a、111b及びIGBT112a、112bをそれぞれ相補的にオン、オフするための駆動指令信号を出力する。駆動回路12は、制御回路15から入力される駆動指令信号に基づいて駆動信号を出力し、IGBT110a、110b、111a、111b、112a、112bを駆動する。これにより、IGBT110a、110b、111a、111b、112a、112bがオン、オフし、平滑コンデンサ10によって平滑されたバッテリB1の直流電圧が3相交流電圧に変換され、3相交流モータM1に供給される。つまり、直流電力が交流電力に変換され、3相交流モータM1に供給される。
次に、図1及び図2を参照してIGBTのオープン故障検出動作について詳細に説明する。ここで、図2は、図1のモータ制御装置におけるIGBTのオープン故障検出動作を説明するためのフローチャートである。
図1に示す制御回路15は、図2に示すように、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間であるか否かを判断する(ステップS100)。ステップS100において、当該期間であるとき、バッテリB1の正極端子に接続されたIGBTの電流センス端子Sの出力から当該IGBTに流れる電流を求める(ステップS101)。その後、制御回路15は、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS102)。ここで、判定閾値は、電流センス端子Sの出力から求めたIGBTに流れる電流が、目標振幅値であるか否かを、それらの電流の差に基づいて判定するための閾値である。判定閾値は、電流センス端子Sの出力誤差の影響によって誤判定することがないよう、電流センス端子Sの出力誤差の影響を受けないような値に設定されている。
ステップS102において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、目標振幅値の電流が流れていないと考えられることから、当該IGBTがオープン故障していると判定する(ステップS103)。これに対し、ステップS102において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上でないとき、当該期間中のいずれかのタイミングで、目標振幅値の電流が流れたと考えられることから、当該IGBTはオープン故障していないと判定する(ステップS104)。
一方、ステップS100において、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間でないとき、制御回路15は、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間であるか否かを判断する(ステップS105)。ステップS105において、当該期間であるとき、バッテリB1の負極端子に接続されたIGBTの電流センス端子Sの出力から当該IGBTに流れる電流を求める(ステップS106)。その後、制御回路15は、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS107)。ここで、判定閾値は、ステップS102の判定閾値と同一である。
ステップS107において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、目標振幅値の電流が流れていないと考えられることから、当該IGBTがオープン故障していると判定する(ステップS103)。これに対し、ステップS107において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上でないとき、当該期間中のいずれかのタイミングで、目標振幅値の電流が流れていると考えられることから、当該IGBTはオープン故障していないと判定する(ステップS104)。
なお、ステップS105において、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間でないときには、ステップS100に戻る。
例えば、制御回路15が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路110を制御している期間には、バッテリB1の正極端子に接続されたIGBT110aの電流センス端子Sの出力からIGBT110aに流れる電流を求める。その後、当該期間中、IGBT110aに流れる電流が、目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する。そして、当該期間中、IGBT110aに流れる電流が、目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上のときには、IGBT110aがオープン故障していると判定し、それ以外のときには、IGBT110aはオープン故障していないと判定する。
一方、制御回路15が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路110を制御している期間には、バッテリB1の負極端子に接続されたIGBT110bの電流センス端子Sの出力からIGBT110bに流れる電流を求める。その後、当該期間中、IGBT110bに流れる電流が、目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する。そして、当該期間中、IGBT110bに流れる電流が、目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上のときには、IGBT110bがオープン故障していると判定し、それ以外のときには、IGBT110bはオープン故障していないと判定する。
図1に示す制御回路15は、同様の処理を繰り返し、通常の動作状態において、全てのIGBTに対してオープン故障の有無を判定する。
最後に、効果について説明する。第1実施形態によれば、制御回路15は、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、直列接続された2つのIGBTを相補的にオン、オフする。制御回路15が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB1の正極端子に接続されたIGBTに、いずれかのタイミングで目標振幅値の電流が流れることとなる。これに対し、制御回路15が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB1の負極端子に接続されたIGBTに、いずれかのタイミングで目標振幅値の電流が流れることとなる。しかし、IGBTがオープン故障していると、前述した期間中であっても、そのIGBTに目標振幅値の電流が流れることはない。ここで、IGBTに流れる電流は、電流センス端子Sの出力に基づいて求められる。そのため、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB1の正極端子に接続されたIGBTの電流センス端子Sの出力と目標振幅値とに基づいて、これに対し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB1の負極端子に接続されたIGBTの電流センス端子Sの出力と目標振幅値とに基づいて、IGBTが故障しているか否かを直接判定することができる。しかも、従来のように、異常検出のための所定の導通パターンでオン、オフする必要がないため、通常の動作状態において、素子を特定してオープン故障を検出することができる。従って、車両に搭載され、車両に搭載された3相交流モータM1に直流電力を交流電力に変換するモータ制御装置1において、通常の動作状態において、IGBTのオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
また、第1実施形態によれば、制御回路15は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間中、バッテリB1の正極端子に接続されたIGBTに流れる電流が目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、そのIGBTがオープン故障していると判定し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間中、バッテリB1の負極端子に接続されたIGBTに流れる電流が目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、そのIGBTがオープン故障していると判定する。そのため、IGBTのオープン故障を確実に検出することができる。
さらに、第1実施形態によれば、判定閾値は、電流センス端子Sの出力誤差の影響によって誤判定することがないよう、電流センス端子の出力誤差の影響を受けないような値に設定されている。そのため、電流センス端子の出力誤差に伴う誤判定を防止することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のモータ制御装置について説明する。第2実施形態のモータ制御装置は、第1実施形態のモータ制御装置が、2つのIGBTを直列接続してスイッチング回路を構成していたのに対して、2つのIGBTを並列接続してなるIGBT群を2組直列接続してスイッチング回路を構成するようにしたものである。
まず、図3を参照してモータ制御装置の構成について説明する。ここで、図3は、第2実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。ここでは、第1実施形態のモータ制御装置との相違部分であるスイッチング回路の構成のみについて説明し、共通する部分につては説明を省略する。
図3示すように、モータ制御装置2は、平滑コンデンサ20と、電力変換回路21と、駆動回路22と、電流センサ23、24と、制御回路25とを備えている。
電力変換回路21は、スイッチング回路210〜212を備えている。スイッチング回路210は、2組のIGBT群2100、2101(スイッチング素子群)によって構成されている。IGBT群2100は、並列接続された2つのIGBT2100a、2100bによって構成されている。IGBT群2101は、並列接続された2つのIGBT2101a、2101bによって構成されている。IGBT2100a、2100b、2101a、2101bは、オンして電流が流れたときに、流れた電流に比例した、流れた電流よりも小さい電流を出力する電流センス端子Sを備えている。IGBT群2100、2101は直列接続されている。具体的には、IGBT2100a、2100bのエミッタ端子Eが、IGBT2101a、2101bのコレクタ端子Cに接続されている。直列接続されたIGBT群2100、2101の両端には入力端子が形成され、直列接続点には出力端子が形成されている。一方の入力端子であるIGBT2100a、2100bのコレクタ端子Cは、バッテリB2の正極端子に接続されている。他方の入力端子であるIGBT2101a、2101bのエミッタ端子Eは、バッテリB2の負極端子に接続されている。出力端子は、3相交流モータM2のU相端子に接続されている。また、IGBT2100a、2100b、2101a,2101bのゲート端子Gは、駆動回路22にそれぞれ接続されている。さらに、電流センス端子Sは、制御回路15にそれぞれ接続されている。
スイッチング回路211は、IGBT2110a、2110bからなるIGBT群2110と、IGBT2111a、2111bからなるIGBT群2111とを備えている。スイッチング回路212は、IGBT2120a、2120bからなるIGBT群2120と、IGBT2121a、2121bからなるIGBT群2121とを備えている。スイッチング回路211、212もスイッチング回路210と同様の構成である。
次に、図3及び図4を参照してモータ制御装置の動作について説明する。第2実施形態のモータ制御装置の動作は、IGBTのオープン故障検出動作を除いて第1実施形態のモータ制御装置の動作と同一である。そのため、モータ制御装置におけるIGBTのオープン故障検出動作について説明する。ここで、図4は、図3のモータ制御装置におけるIGBTのオープン故障検出動作を説明するためのフローチャートである。
図3に示す制御回路25は、図4に示すように、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間であるか否かを判断する(ステップS200)。ステップS200において、当該期間であるとき、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力から当該IGBTに流れる電流を求める(ステップS201)。その後、制御回路25は、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、目標振幅値を、IGBT群を構成するIGBTの並列接続数で割った、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS202)。ここで、判定閾値は、電流センス端子Sの出力から求めたIGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値であるか否かを、それらの電流の差に基づいて判定するための閾値である。判定閾値は、電流センス端子Sの出力誤差の影響によって誤判定することがないよう、電流センス端子Sの出力誤差の影響を受けないような値に設定されている。
ステップS202において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、IGBTの1素子当たりの目標振幅値の電流が流れていないと考えられることから、当該IGBTがオープン故障していると判定する(ステップS203)。これに対し、ステップS202において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上でないとき、当該期間中のいずれかのタイミングで、IGBTの1素子当たりの目標振幅値の電流が流れたと考えられることから、当該IGBTはオープン故障していないと判定する(ステップS204)。
一方、ステップS200において、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間でないとき、制御回路25は、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間であるか否かを判断する(ステップS205)。ステップS205において、当該期間であるとき、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力から当該IGBTに流れる電流を求める(ステップS206)。その後、制御回路25は、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が目標振幅値を、IGBT群を構成するIGBTの並列接続数で割った、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS207)。ここで、判定閾値は、ステップS202の判定閾値と同一である。
ステップS207において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、目標振幅値の電流が流れていないと考えられることから、当該IGBTがオープン故障していると判定する(ステップS203)。これに対し、ステップS207において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上でないとき、当該期間中のいずれかのタイミングで、IGBTの1素子当たりの目標振幅値の電流が流れていると考えられることから、当該IGBTはオープン故障していないと判定する(ステップS204)。
なお、ステップS205において、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間でないときには、ステップS200に戻る。
例えば、制御回路25が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路210を制御している期間には、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群2100を構成するIGBT2100aの電流センス端子Sの出力からIGBT2100aに流れる電流を求める。その後、当該期間中、IGBT2100aに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する。ここで、IGBTの1素子当たりの目標振幅値は、目標振幅値を、IGBT群2100を構成するIGBTの並列接続数2で割った値である。そして、当該期間中、IGBT2100aに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上のときには、IGBT2100aがオープン故障していると判定し、それ以外のときには、IGBT2100aはオープン故障していないと判定する。
一方、制御回路25が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路210を制御している期間には、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群2101を構成するIGBT2101aの電流センス端子Sの出力からIGBT2101aに流れる電流を求める。その後、当該期間中、IGBT2101aに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する。ここで、IGBTの1素子当たりの目標振幅値は、目標振幅値を、IGBT群2101を構成するIGBTの並列接続数2で割った値である。そして、当該期間中、IGBT2101aに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上のときには、IGBT2101aがオープン故障していると判定し、それ以外のときには、IGBT2101aはオープン故障していないと判定する。
図3に示す制御回路25は、同様の処理を繰り返し、通常の動作状態において、全てのIGBTに対してオープン故障の有無を判定する。
最後に、効果について説明する。第2実施形態によれば、制御回路25は、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、直列接続された2組のIGBT群を構成するIGBTを相補的にオン、オフする。制御回路25が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTに、いずれかのタイミングで、目標振幅値をIGBTの並列接続数で割った、IGBTの1素子当たりの目標振幅値の電流が流れることとなる。これに対し、制御回路25が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTに、いずれかのタイミングでIGBTの1素子当たりの目標振幅値の電流が流れることとなる。しかし、IGBTがオープン故障していると、前述した期間中であっても、そのIGBTにIGBTの1素子当たりの目標振幅値の電流が流れることはない。ここで、IGBTに流れる電流は、電流センス端子Sの出力に基づいて求められる。そのため、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力と目標振幅値とに基づいて、これに対し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力と目標振幅値とに基づいて、IGBTが故障しているか否かを直接判定することができる。しかも、従来のように、異常検出のための所定の導通パターンでオン、オフする必要がないため、通常の動作状態において、素子を特定してオープン故障を検出することができる。従って、車両に搭載され、車両に搭載された3相交流モータM2に直流電力を交流電力に変換するモータ制御装置2において、通常の動作状態において、IGBTのオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
また、第2実施形態によれば、 制御回路25は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間中、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、そのIGBTがオープン故障していると判定し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間中、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTに流れ電流が、IGBTの1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、そのIGBTがオープン故障していると判定する。そのため、IGBTのオープン故障を確実に検出することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のモータ制御装置について説明する。第3実施形態のモータ制御装置は、第2実施形態のモータ制御装置が、電流センス端子の出力と目標電流とに基づいてオープン故障を検出していたのに対して、電流センス端子の出力と電流センサの検出した出力電流とに基づいてオープン故障を検出するようにしたものである。
ここで、第3実施形態のモータ制御装置の構成は、第2実施形態のモータ制御装置の構成と同一であるため説明を省略する。
まず、図3及び図5を参照してモータ制御装置の動作について説明する。第3実施形態のモータ制御装置の動作は、IGBTのオープン故障検出動作を除いて第2実施形態のモータ制御装置の動作と同一である。そのため、IGBTのオープン故障検出動作について説明する。ここで、図5は、第3実施形態のモータ制御装置におけるIGBTのオープン故障検出動作を説明するためのフローチャートである。
図3に示す制御回路25は、図5に示すように、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間であるか否かを判断する(ステップS300)。ステップS300において、当該期間であるとき、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力から当該IGBTに流れる電流を求める(ステップS301)。その後、電流センサの検出した出力電流から、当該IGBTを含むスイッチング回路の出力振幅値を求める(ステップS302)。なお、スイッチング回路211の出力電流を直接検出する電流センサが設けられていないが、他の電流センサ23、24から求めることができる。そして、制御回路25は、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、出力振幅値を、IGBT群を構成するIGBTの並列接続数で割った、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS303)。ここで、判定閾値は、電流センス端子Sの出力から求めたIGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力電流であるか否かを、それらの電流の差に基づいて判定するための閾値である。判定閾値は、電流センス端子S及び電流センサ23、24の出力誤差の影響によって誤判定することがないよう、電流センス端子S及び電流センサ23、24の出力誤差の影響を受けないような値に設定されている。
ステップS303において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、IGBTの1素子当たりの出力振幅値の電流が流れていないと考えられることから、
当該IGBTがオープン故障していると判定する(ステップS304)。これに対し、ステップS303において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上でないとき、当該期間中のいずれかのタイミングで、IGBTの1素子当たりの出力振幅値の電流が流れたと考えられることから、当該IGBTはオープン故障していないと判定する(ステップS305)。
一方、ステップS300において、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間でないとき、制御回路25は、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間であるか否かを判断する(ステップS306)。ステップS306において、当該期間であるとき、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力から当該IGBTに流れる電流を求める(ステップS307)。その後、電流センサの検出した出力電流から当該IGBTを含む、スイッチング回路の出力振幅値を求める(ステップS308)。そして、制御回路25は、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が出力振幅値を、IGBT群を構成するIGBTの並列接続数で割った、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS309)。
ステップS309において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、IGBTの1素子当たりの出力振幅値の電流が流れていないと考えられることから、当該IGBTがオープン故障していると判定する(ステップS304)。これに対し、ステップS309において、当該期間中、当該IGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上でないとき、当該期間中のいずれかのタイミングで、IGBTの1素子当たりの出力振幅値の電流が流れたと考えられることから、当該IGBTはオープン故障していないと判定する(ステップS305)。
なお、ステップS306において、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間でないときには、ステップS300に戻る。
例えば、制御回路25が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路210を制御している期間には、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群2100を構成するIGBT2100aの電流センス端子Sの出力からIGBT2100aに流れる電流を求める。その後、電流センサ23の検出した出力電流からIGBT2100aを含むスイッチング回路210の出力振幅値を求める。そして、当該期間中、IGBT2100aに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する。ここで、IGBTの1素子当たりの出力振幅値は、出力振幅値を、IGBT群2100を構成するIGBTの並列接続数2で割った値である。そして、当該期間中、IGBT2100aに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上のときには、IGBT2100aがオープン故障していると判定し、それ以外のときには、IGBT2100aはオープン故障していないと判定する。
一方、制御回路25が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路210を制御している期間には、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群2101を構成するIGBT2101aの電流センス端子Sの出力からIGBT2101aに流れる電流を求める。その後、電流センサ23の検出した出力電流からIGBT2101aを含むスイッチング回路210の出力振幅値を求める。そして、当該期間中、IGBT2101aに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する。ここで、IGBTの1素子当たりの出力振幅値は、出力振幅値を、IGBT群2101を構成するIGBTの並列接続数2で割った値である。そして、当該期間中、IGBT2101aに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上のときには、IGBT2101aがオープン故障していると判定し、それ以外のときには、IGBT2101aはオープン故障していないと判定する。
図3に示す制御回路25は、同様の処理を繰り返し、通常の動作状態において、全てのIGBTに対してオープン故障の有無を判定する。
最後に、効果について説明する。第3実施形態によれば、制御回路は、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、直列接続された2組のIGBT群を構成するIGBTを相補的にオン、オフする。スイッチング回路の出力端子から出力される電流は、電流センサによって検出される。制御回路25が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTに、いずれかのタイミングで、出力振幅値をIGBTの並列接続数で割った、IGBTの1素子当たりの出力振幅値の電流が流れることとなる。これに対し、制御回路25が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTに、いずれかのタイミングでIGBTの1素子当たりの出力振幅値の電流が流れることとなる。しかし、IGBTがオープン故障していると、前述した期間中であっても、そのIGBTにIGBTの1素子当たりの出力振幅値の電流が流れることはない。ここで、IGBTに流れる電流は、電流センス端子Sの出力に基づいて求められる。そのため、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力と電流センサの検出した出力電流とに基づいて、これに対し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力と電流センサの検出した出力電流とに基づいて、IGBTが故障しているか否かを直接判定することができる。しかも、従来のように、異常検出のための所定の導通パターンでオン、オフする必要がないため、通常の動作状態において、素子を特定してオープン故障を検出することができる。従って、車両に搭載され、車両に搭載された3相交流モータM2に直流電力を交流電力に変換するモータ制御装置2において、通常の動作状態において、IGBTのオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
また、第3実施形態によれば、 制御回路25は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間中、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTに流れる電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、そのIGBTがオープン故障していると判定し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間中、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTに流れ電流が、IGBTの1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、そのIGBTがオープン故障していると判定する。そのため、IGBTのオープン故障を確実に検出することができる。
さらに、第3実施形態によれば、判定閾値は、電流センサ23、24の出力誤差の影響によって誤判定することがないよう、電流センサ23、24の出力誤差の影響を受けないような値に設定されている。そのため、電流センサ23、24の出力誤差に伴う誤判定を防止することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態のモータ制御装置について説明する。第4実施形態のモータ制御装置は、第2実施形態のモータ制御装置が、電流センス端子の出力と目標電流とに基づいて、第3実施形態のモータ制御装置が、電流センス端子の出力と電流センサの検出した出力電流とに基づいて、それぞれオープン故障を検出していたのに対して、IGBT群を構成するIGBTの電流センス端子の出力に基づいて、オープン故障を検出するようにしたものである。
ここで、第4実施形態のモータ制御装置の構成は、第2実施形態のモータ制御装置の構成と同一であるため説明を省略する。
まず、図3及び図6を参照してモータ制御装置の動作について説明する。第4実施形態のモータ制御装置の動作は、IGBTのオープン故障検出動作を除いて第2実施形態のモータ制御装置の動作と同一である。そのため、IGBTのオープン故障検出動作について説明する。ここで、図6は、第4実施形態のモータ制御装置におけるIGBTのオープン故障検出動作を説明するためのフローチャートである。
図3に示す制御回路25は、図6に示すように、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間であるか否かを判断する(ステップS400)。ステップS400において、当該期間であるとき、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力からIGBTにそれぞれ流れる電流を求める(ステップS401)。その後、制御回路25は、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成する一のIGBTに流れる電流が、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、当該一のIGBTに流れる電流と他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流の差が、全て判定閾値以上であるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、判定閾値は、電流センス端子Sの出力から求めた当該一のIGBTに流れる電流と、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流とを、それらの電流の差に基づいて判定するための閾値である。判定閾値は、電流センス端子Sの出力誤差の影響によって誤判定することがないよう、電流センス端子Sの出力誤差の影響を受けないような値に設定されている。
ステップS402において、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成する一のIGBTに流れる電流が、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、当該一のIGBTに流れる電流と他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流の差が、全て判定閾値以上であるとき、当該一のIGBTがオープン故障していると判定する(ステップS403)。これに対し、ステップS402において、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成する一のIGBTに流れる電流が、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、当該一のIGBTに流れる電流と他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流の差が、全て判定閾値以上でないとき、当該一のIGBTはオープン故障していないと判定する(ステップS404)。
一方、ステップS400において、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間でないとき、制御回路25は、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間であるか否かを判断する(ステップS405)。ステップS405において、当該期間であるとき、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子Sの出力からIGBTにそれぞれ流れる電流を求める(ステップS406)。その後、制御回路25は、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成する一のIGBTに流れる電流が、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、当該一のIGBTに流れる電流と、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流の差が、全て判定閾値以上であるか否かを判定する(ステップS407)。ここで、判定閾値は、ステップS402の判定閾値と同一である。
ステップS404において、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成する一のIGBTに流れる電流が、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、当該一のIGBTに流れる電流と他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流の差が、全て判定閾値以上であるとき、当該一のIGBTがオープン故障していると判定する(ステップS403)。これに対し、ステップS407において、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成する一のIGBTに流れる電流が、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、当該一のIGBTに流れる電流と他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流の差が、全て判定閾値以上でないとき、当該一のIGBTはオープン故障していないと判定する(ステップS404)。
なお、ステップS405において、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間でないときには、ステップS400に戻る。
例えば、制御回路25が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路210を制御している期間には、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群2100を構成するIGBT2100a、2100bの電流センス端子Sの出力からIGBT2100a、2100bに流れる電流を求める。その後、IGBT2100aに流れる電流が、IGBT2100bに流れる電流より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する。そして、IGBT2100aに流れる電流が、IGBT2100bに流れる電流より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上のときには、IGBT2100aがオープン故障していると判定し、それ以外のときには、IGBT2100aはオープン故障していないと判定する。
一方、制御回路25が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路210を制御している期間には、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群2101を構成するIGBT2101a、2101bの電流センス端子Sの出力からIGBT2101a、2101bに流れる電流を求める。その後、IGBT2101aに流れる電流が、IGBT2101bに流れる電流より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるか否かを判断する。そして、IGBT2101aに流れる電流が、IGBT2101bに流れる電流より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上のときには、IGBT2101aがオープン故障していると判定し、それ以外のときには、IGBT2101aはオープン故障していないと判定する。
図3に示す制御回路25は、同様の処理を繰り返し、通常の動作状態において、全てのIGBTに対してオープン故障の有無を判定する。
最後に、効果について説明する。第4実施形態によれば、制御回路25は、スイッチング回路の出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、直列接続された2組のIGBT群を構成するIGBTを相補的にオン、オフする。制御回路25が、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTにそれぞれ等しい電流が流れることとなる。これに対し、制御回路25が、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTにそれぞれ等しい電流が流れることとなる。しかし、IGBT群を構成するIGBTの1つががオープン故障していると、そのIGBTには電流が流れなく一方、他のIGBTにはより大きな電流が流れることとなる。つまり、IGBTに流れる電流が正常時とオープン故障時で異なることとなる。ここで、IGBTに流れる電流は、電流センス端子の出力に基づいて求められる。そのため、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子の出力に基づいて、これに対し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間には、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成するIGBTの電流センス端子の出力に基づいて、IGBTがオープン故障しているか否かを直接判定することができる。しかも、従来のように、異常検出のための所定の導通パターンでオン、オフする必要がないため、通常の動作状態において、素子を特定してオープン故障を検出することができる。従って、車両に搭載され、車両に搭載された3相交流モータM2に直流電力を交流電力に変換するモータ制御装置2において、通常の動作状態において、IGBTのオープン故障を、素子を特定して直接検出することができる。
また、第4実施形態によれば、制御回路25は、出力端子から電流が流れ出すようにスイッチング回路を制御している期間に、バッテリB2の正極端子に接続されたIGBT群を構成する一のIGBTに流れる電流が、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、それらの電流の差が全て判定閾値以上であるとき、そのIGBTがオープン故障していると判定し、出力端子に電流が流れ込むようにスイッチング回路を制御している期間に、バッテリB2の負極端子に接続されたIGBT群を構成する一のIGBTに流れ電流が、他の全てのIGBTにそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、それらの電流の差が全て判定閾値以上であるとき、そのIGBTがオープン故障していると判定する。そのため、IGBTのオープン故障を確実に検出することができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、目標振幅値に基づいてIGBTのオープン故障を判定する例を挙げているが、これに限られるものではない。目標振幅値が、指令信号及び回転角度に基づいて決定されることから、少なくともこれらのいずれかに基づいてIGBTのオープン故障を判定するようにしてもよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
また、第1実施形態〜第4実施形態では、通常の動作状態において、常にオープン故障を判定する例を挙げているが、これに限られるものではない。例えば、目標振幅値が、誤判定のおそれがある所定値以下のとき、IGBTのオープン故障の判定を行わないようにしてもよい。この場合、オープン故障の誤判定を防止することができる。
さらに、第2実施形態〜第4実施形態では、スイッチング回路210〜212を構成するIGBT群2100、2101、2110、2111、2120、2121が、2つのIGBTを並列接続して構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。IGBT群は、3つ以上のIGBTを並列接続して構成してもよい。複数のIGBTを並列接続して構成されていればよい。
1、2・・・モータ制御装置(電力変換装置)、10、20・・・平滑コンデンサ、11、21・・・電力変換回路、110、111、112、210、211、212・・・スイッチング回路、110a、110b、111a、111b、112a、112b・・・IGBT(スイッチング素子)、2100、2101、2110、2111、2120、2121・・・IGBT群(スイッチング素子群)、2100a、2100b、2101a、2101b、2110a、2110b、2111a、2111b、2120a、2120b、2121a、2121b・・・IGBT(スイッチング素子)、12、22・・・駆動回路、13、14、23、24・・・電流センサ、15、25・・・制御回路、B1、B2・・・バッテリ(電源)、M1、M2・・・3相交流モータ(負荷装置)、R1、R2・・・回転角センサ、C1、C2・・・コントローラ(外部装置)

Claims (14)

  1. 2つのスイッチング素子を直列接続して構成され、直列接続された前記スイッチング素子の両端に入力端子が、直列接続点に出力端子がそれぞれ形成され、前記入力端子が電源に接続されるスイッチング回路と、
    前記スイッチング素子の制御端子にそれぞれ接続され、前記スイッチング回路の前記出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、前記電源の正極端子に接続された前記スイッチング素子と前記電源の負極端子に前記接続されたスイッチング素子を相補的にオン、オフする制御回路と、
    を備えた電力変換装置において、
    前記スイッチング素子は、オンして電流が流れたときに、流れた電流に応じた電流を出力する電流センス端子を有し、
    前記制御回路は、前記出力端子から電流が流れ出すように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子の前記電流センス端子の出力と目標振幅とに基づいて、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子のオープン故障を検出し、前記出力端子に電流が流れ込むように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子の前記電流センス端子の出力と目標振幅とに基づいて、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御回路は、前記出力端子から電流が流れ出すように前記スイッチング回路を制御している期間中、前記電流センス端子の出力から求めた、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子に流れる電流が目標振幅より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子がオープン故障していると判定し、前記出力端子に電流が流れ込むように前記スイッチング回路を制御している期間中、前記電流センス端子の出力から求めた、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子に流れる電流が目標振幅より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子がオープン故障していると判定することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 複数のスイッチング素子を並列してなるスイッチング素子群を2組直列接続して構成され、直列接続された前記スイッチング素子群の両端に入力端子が、直列接続点に出力端子がそれぞれ形成され、前記入力端子が電源に接続されるスイッチング回路と、
    前記スイッチング素子の制御端子にそれぞれ接続され、前記スイッチング回路の前記出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、前記電源の正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子と前記電源の負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子を相補的にオン、オフする制御回路と、
    を備えた電力変換装置において、
    前記スイッチング素子は、オンして電流が流れたときに、流れた電流に応じた電流を出力する電流センス端子を有し、
    前記制御回路は、前記出力端子から電流が流れ出すように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子の前記電流センス端子の出力と目標振幅とに基づいて、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子のオープン故障を検出し、前記出力端子に電流が流れ込むように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子の前記電流センス端子の出力と目標振幅とに基づいて、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする電力変換装置。
  4. 前記制御回路は、前記出力端子から電流が流れ出すように前記スイッチング回路を制御している期間中、前記電流センス端子の出力から求めた、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子に流れる電流が、目標振幅をスイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子がオープン故障していると判定し、前記出力端子に電流が流れ込むように前記スイッチング回路を制御している期間中、前記電流センス端子の出力から求めた、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子に流れる電流が、目標振幅をスイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの目標振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子がオープン故障していると判定することを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 複数のスイッチング素子を並列してなるスイッチング素子群を2組直列接続して構成され、直列接続された前記スイッチング素子群の両端に入力端子が、直列接続点に出力端子がそれぞれ形成され、入力端子が電源に接続されるスイッチング回路と、
    前記スイッチング回路の前記出力端子から出力される電流を検出する電流センサと、
    前記スイッチング素子の制御端子と前記電流センサの出力端子にそれぞれ接続され、前記電流センサの検出結果に基づいて、前記スイッチング回路の前記出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、前記電源の正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子と前記電源の負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子を相補的にオン、オフする制御回路と、
    を備えた電力変換装置において、
    前記スイッチング素子は、オンして電流が流れたときに、流れた電流に応じた電流を出力する電流センス端子を有し、
    前記制御回路は、前記出力端子から電流が流れ出すように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子の前記電流センス端子の出力と前記電流センサの検出した出力電流とに基づいて、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子のオープン故障を検出し、前記出力端子に電流が流れ込むように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子の前記電流センス端子の出力と前記電流センサの検出した出力電流とに基づいて、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする電力変換装置。
  6. 前記制御回路は、前記出力端子から電流が流れ出すように前記スイッチング回路を制御している期間中、前記電流センス端子の出力から求めた、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子に流れる電流が、前記電流センサの検出した出力電流から求めた、出力振幅値を前記スイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子がオープン故障していると判定し、前記出力端子に電流が流れ込むように前記スイッチング回路を制御している期間中、前記電流センス端子の出力から求めた、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子に流れる電流が、前記電流センサの検出した出力電流から求めた、出力振幅値をスイッチング素子の並列接続数で割った、1素子当たりの出力振幅値より小さく、かつ、それらの電流の差が判定閾値以上であるとき、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子がオープン故障していると判定することを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 複数のスイッチング素子を並列してなるスイッチング素子群を2組直列接続して構成され、直列接続された前記スイッチング素子群の両端に入力端子が、直列接続点に出力端子がそれぞれ形成され、前記入力端子が電源に接続されるスイッチング回路と、
    前記スイッチング回路の前記出力端子から出力される電流を検出する電流センサと、
    前記スイッチング素子の制御端子と前記電流センサの出力端子にそれぞれ接続され、前記電流センサの検出結果に基づいて、前記スイッチング回路の前記出力端子から目標振幅値の交流電流が出力されるように、前記電源の正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子と前記電源の負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子を相補的にオン、オフする制御回路と、
    を備えた電力変換装置において、
    前記スイッチング素子は、オンして電流が流れたときに、流れた電流に応じた電流を出力する電流センス端子を有し、
    前記制御回路は、前記出力端子から電流が流れ出すように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子の前記電流センス端子の出力に基づいて、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子のオープン故障を検出し、前記出力端子に電流が流れ込むように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子の前記電流センス端子の出力に基づいて、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する前記スイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする電力変換装置。
  8. 前記制御回路は、前記出力端子から電流が流れ出すように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電流センス端子の出力から求めた、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する一の前記スイッチング素子に流れる電流が、他の全ての前記スイッチング素子にそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、一の前記スイッチング素子に流れる電流と、他の全ての前記スイッチング素子にそれぞれ流れる電流の差が全て判定閾値以上であるとき、前記電源の前記正極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する一の前記スイッチング素子がオープン故障していると判定し、前記出力端子に電流が流れ込むように前記スイッチング回路を制御している期間には、前記電流センス端子の出力から求めた、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する一の前記スイッチング素子に流れる電流が、他の全ての前記スイッチング素子にそれぞれ流れる電流より小さく、かつ、一の前記スイッチング素子に流れる電流と、他の全ての前記スイッチング素子にそれぞれ流れる電流の差が全て判定閾値以上であるとき、前記電源の前記負極端子に接続された前記スイッチング素子群を構成する一の前記スイッチング素子がオープン故障していると判定することを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記制御回路は、外部装置から入力される指令、及び、前記スイッチング回路の前記出力端子に接続される負荷装置から入力される前記負荷装置の状態を示す物理量に基づいて目標振幅値を決定し、前記外部装置から入力される指令、及び、前記負荷装置の状態を示す物理量の少なくともいずれかに基づいて前記スイッチング素子のオープン故障を検出することを特徴とする請求項1又は3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記制御回路は、目標振幅値が所定値以下のとき、前記スイッチング素子のオープン故障の判定を行わないことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 前記判定閾値は、前記電流センサの出力誤差の影響を受けないように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の電力変換装置。
  12. 前記判定閾値は、前記電流センス端子の出力誤差の影響を受けないように設定されていることを特徴とする請求項2、4、6、8、11のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  13. 車両に搭載され、直流電力を交流電力に変換することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  14. 前記車両に搭載された交流モータに交流電力を供給することを特徴とする請求項13に記載の電力変換装置。
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