以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明を用いた一対の積層された偏光子を含む層を設けた表示装置の概念について説明する。
図1(A)には、一対の互いに吸収軸の消衰係数が異なる積層された偏光子を含む層を有し、少なくとも一方の積層された偏光子を含む層においてパラレルニコルからずらして配置された構成を有する表示装置の断面図、図1(B)には当該表示装置の斜視図を示す。本実施の形態では、表示素子として液晶素子を有する液晶表示装置を例にして説明する。
図1(A)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板101及び第2の基板102に、液晶素子を有する層100が挟持されている。
本実施の形態では、基板の外側、つまり液晶素子を有する層と接しない側には、積層された偏光子を含む層が設けられている。具体的には、図1(A)に示すように、第1の基板101側には、第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104が設けられている。また、第2の基板102側には、第3の偏光子を含む層105、第4の偏光子を含む層106が設けられている。本実施の形態において、一対の吸収軸の消衰係数が異なる積層された偏光子を含む層において、少なくとも一方の積層された偏光子を含む層をパラレルニコルからずらすことを特徴とする。具体的には、図1(B)に示すように、吸収軸の消衰係数が異なる第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)同士を平行状態からずらして積層する。そして、吸収軸の消衰係数が異なる第3の偏光子を含む層105の吸収軸(C)と、第4の偏光子を含む層106の吸収軸(D)同士とを平行状態となるように、つまりパラレルニコルとなるように積層する。
偏光子は吸収特性の波長依存性が一定ではなく、ある特定の波長領域における吸収特性が他の波長領域の吸収特性に比べて低い、すなわちその波長領域だけ吸収しにくい特性を有している。よって同一種の複数の偏光子を使用してコントラスト比の向上を試みても、光を吸収しにくい波長領域がそのまま存在することになる。よって、本発明を用いて、吸収軸に対する消衰係数が異なる偏光子を積層して組み合わせることで、光を吸収しにくい波長領域を無くす、または減少させることができる。従って、わずかな光漏れも防止することができ、さらなるコントラスト比の向上を可能にする。
当該基板は、透光性を有する絶縁性基板(以下、透光性基板とも記す)とする。特に可視光の波長領域において透光性を有する。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。また、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができる。また、フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム等)などを用いることもできる。
また図1には図示しないが、バックライト等の照射手段は、第4の偏光子を含む層106の下方に配置される。
なお本実施の形態において、第1の偏光子を含む層103と第3の偏光子を含む層105はクロスニコルとなるように配置されている。所定の黒表示を得る範囲内で、第1の偏光子を含む層103と第3の偏光子を含む層105はクロスニコルの状態から、ずれることがあっても構わない。
図5には、第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)と、第3の偏光子を含む層105の吸収軸(C)と、第4の偏光子を含む層106の吸収軸(D)とのなす角を上面から見た図を示す。第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)とは、ずれ角θで積層される。なお、本実施の形態において、吸収軸(C)と吸収軸(D)はパラレルニコルとなるように配置される。
なお、偏光子の特性上、吸収軸と直交方向には透過軸がある。そのため、透過軸同士が平行となる場合もパラレルニコルと呼ぶことができ、透過軸が直交状態となる場合もクロスニコルと呼ぶことができる。
なお、図1では消衰係数の異なる偏光子を含む層の積層は2層であったが、本発明はこれに限定されずより多層構造でもよい。消衰係数の異なる第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の上にさらに第5の偏光子を含む層121を積層した例を図7に示す。図7において、第5の偏光子を含む層121の偏光子は吸収軸(G)を有しており、その吸収軸(G)は第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)と平行であり、第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)とずれている。つまり、図6(A)で示すように、第5の偏光子を含む層121は、第2の偏光子を含む層104とお互いの吸収軸がパラレルニコルとなるように積層される。
また、第5の偏光子を含む層121の吸収軸に対する消衰係数は、積層する第1の偏光子を含む層103、または第2の偏光子を含む層104と同じでもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態においては、第5の偏光子を含む層121の吸収軸に対する消衰係数は、第1の偏光子を含む層103、及び第2の偏光子を含む層104と異なるものとする。このように積層する偏光子の吸収軸に対する消衰係数を異ならせると、より吸収する波長範囲を広げることができるため、わずかな光漏れも防止できる。本発明では、複数の積層する偏光子を含む層において、偏光子の吸収軸がパラレルニコルよりずれた積層を有すればよい。同様に、複数の積層する偏光子を含む層において、少なくとも2つ以上の異なる消衰係数を有する偏光子を有すればよい。
また、第1の偏光子を含む層103とパラレルニコルとなるように第5の偏光子を含む層を第2の偏光子を含む層104との間に設けてもよい。第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の間にさらに第5の偏光子を含む層122を積層した例を図8に示す。図8において、第5の偏光子を含む層122の偏光子は吸収軸(H)を有しており、その吸収軸(H)は第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と平行であり、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)とずれている。つまり、図6(B)で示すように、第5の偏光子を含む層122は、第1の偏光子を含む層103とお互いの吸収軸がパラレルニコルとなるように積層され、第2の偏光子を含む層104とお互いの吸収軸がずれ角θずれるように積層される。
また、光源側のパラレルニコルで積層する第3の偏光子を含む層105と第4の偏光子を含む層106との積層は、一層でもよい(図31参照。)。この場合視認側に消衰係数の異なる第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の積層を配置し、液晶素子を有する層を介して、光源側に第3の偏光子を含む層105を配置する構成となる。図31のような構成は、光源よりの光の光量を特に低下させたくない場合に用いるとよい。
本実施の形態のように、一対の積層された偏光子を含む層は、基板の両側から光を取り出すことができる表示装置に適用することができる。
このように一対の積層された偏光子を含む層において、少なくとも一方、好ましくは視認側における積層された消衰係数の異なる偏光子同士の吸収軸がパラレルニコルからずれるように積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なり、一対の積層された吸収軸の消衰係数が異なる偏光子を含む層に加えて位相差板を設けた表示装置の概念について説明する。
図2(A)には、一対の積層された吸収軸の消衰係数が異なる偏光子を含む層のうち一方は、パラレルニコルからずらして積層され、該一対の偏光子を含む層と基板との間にそれぞれ位相差板が設けられた表示装置の断面図、図2(B)には該表示装置の斜視図を示す。本実施の形態では、表示素子として液晶素子を有する液晶表示装置を例にして説明する。
図2(A)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板101及び第2の基板102に、液晶素子を有する層100が挟持されている。
図2(A)に示すように、第1の基板101側には、第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104が設けられている。第2の基板102側には、第3の偏光子を含む層105、第4の偏光子を含む層106が設けられている。
図2(B)に示すように、吸収軸の消衰係数が異なる第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104同士がパラレルニコルからずらして配置される。さらにこれら積層された吸収軸の消衰係数が異なる偏光子を含む層と、第1の基板101との間には、位相差板113が設けられている。
また図2(B)に示すように、第2の基板102側には、第3の偏光子を含む層105、第4の偏光子を含む層106が設けられている。第3の偏光子を含む層105と、第4の偏光子を含む層106とはパラレルニコルとなるように配置される。さらにこれら積層された偏光子を含む層と、第2の基板102との間には、位相差板114が設けられている。
また図2には図示しないが、バックライト等の照射手段は、第4の偏光子を含む層106の下方に配置される。
位相差板は、液晶をハイブリット配向させたフィルム、液晶を捻れ配向させたフィルム、1軸性位相差板、又は2軸性位相差板が挙げられる。このような位相差板は表示装置の広視野角化を図ることができる。液晶をハイブリット配向させたフィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを支持体とし、負の1軸性をもつディスコティック液晶をハイブリット配向させ光学異方性をもうけた複合フィルムである。
1軸性位相差板は、樹脂を一方向に延伸させて形成される。また2軸性位相差板は、樹脂を横方向に1軸延伸させた後、縦方向に弱く1軸延伸させて形成される。ここで用いられる樹脂にはシクロオレフィンポリマー(COE)やポリカーボネイト(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。
なお液晶をハイブリット配向させたフィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを支持体としディスコティック液晶、またはネマティック液晶をハイブリット配向させて形成させたフィルムである。位相差板は、偏光子を含む層と貼り合わせた状態で、透光性基板に貼り付けることができる。
位相差板と、積層された偏光子と組み合わすことによって、円偏光や楕円偏光などを行うことができる。また、位相差板は複数枚用いられる場合がある。なお、位相差板の特性上、遅相軸と直交方向には進相軸がある。そのため、遅相軸の代わりに、進相軸に基づき配置を決定することができる。
なお本実施の形態において、第1の偏光子を含む層103と第3の偏光子を含む層105はクロスニコルとなるように配置されている。所定の黒表示を得る範囲内で、第1の偏光子を含む層103と第3の偏光子を含む層105はクロスニコルの状態から、ずれることがあっても構わない。
なお、図2では偏光子を含む層の積層は2層であったが、本発明はこれに限定されずより多層構造でもよい。第1の偏光子を含む層103とパラレルニコルとなるように第5の偏光子を含む層を第2の偏光子を含む層104との間に設けてもよい。第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の上にさらに第5の偏光子を含む層122を積層した例を図11に示す。図11において、第5の偏光子を含む層122の偏光子は吸収軸(H)を有しており、その吸収軸(H)は第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と平行であり、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)とずれている。つまり、第5の偏光子を含む層122は、第1の偏光子を含む層103とお互いの吸収軸がパラレルニコルとなるように積層され、第2の偏光子を含む層104とお互いの吸収軸がずれ角θずれるように積層される。
また、第5の偏光子を含む層122の吸収軸に対する消衰係数は、積層する第1の偏光子を含む層103、または第2の偏光子を含む層104と同じでもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態においては、第5の偏光子を含む層122の吸収軸に対する消衰係数は、第1の偏光子を含む層103、及び第2の偏光子を含む層104と異なるものとする。このように積層する偏光子の吸収軸に対する消衰係数を異ならせると、より吸収する波長範囲を広げることができるため、わずかな光漏れも防止できる。
本実施の形態のように、一対の積層された偏光子を含む層は、基板の両側から光を取り出すことができる表示装置に適用することができる。
このように一対の積層された偏光子を含む層と、位相差板を有する構成において、少なくとも一方、好ましくは視認側において、積層された消衰係数の異なる偏光子同士の吸収軸がパラレルニコルからずれるように積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なり、視認側に積層された吸収軸の消衰係数が異なる偏光子を含む層を設けた表示装置の概念について説明する。同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図3(A)には、積層された偏光子を含む層であって、偏光子同士がパラレルニコルからずらして配置された構成を有する表示装置の断面図、図3(B)には該表示装置の斜視図を示す。本実施の形態では、表示素子として液晶素子を有する液晶表示装置を例にして説明する。
図3(A)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板101及び第2の基板102に、液晶素子を有する層100が挟持されている。
基板の外側、つまり液晶素子を有する層と接しない側には、積層された偏光子を含む層が設けられている。第1の基板101側には、第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104が設けられている。このとき第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の吸収軸がパラレルニコルからずらして配置される。本実施の形態において、第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の吸収軸の消衰係数は異なる。
本実施の形態において、さらに反射板を有する構成としてもよい。反射板は、第2の基板102の外側に設けたり、画素電極を反射性の高い材料から形成することにより、具備することができる。
図3(B)に示すように、第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)とはずらして積層される。このように偏光子を含む層の吸収軸をずらして積層することにより、コントラスト比を高めることができる。
また、本発明を用いて、吸収軸に対する消衰係数が異なる偏光子を積層して組み合わせることで、光を吸収しにくい波長領域を無くす、または減少させることができる。従って、わずかな光漏れも防止することができ、さらなるコントラスト比の向上を可能にする。
図3(C)には、第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)とのなす角を上面から見た図を示す。第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)とは、ずれ角θで積層される。
なお、図3では偏光子を含む層の積層は2層であったが、本発明はこれに限定されずより多層構造でもよい。第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の上にさらに第5の偏光子を含む層121を積層した例を図9に示す。図9において、第5の偏光子を含む層121の偏光子は吸収軸(G)を有しており、その吸収軸(G)は第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)と平行であり、第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)とずれている。つまり、図9(C)で示すように、第5の偏光子を含む層121は、第2の偏光子を含む層104とお互いの吸収軸がパラレルニコルとなるように積層される。
また、第1の偏光子を含む層103とパラレルニコルとなるように第5の偏光子を含む層を第2の偏光子を含む層104との間に設けてもよい。第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の上間にさらに第5の偏光子を含む層122を積層した例を図10に示す。図10において、第5の偏光子を含む層122の偏光子は吸収軸(H)を有しており、その吸収軸(H)は第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と平行であり、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)とずれている。つまり、図10(C)で示すように、第5の偏光子を含む層122は、第1の偏光子を含む層103とお互いの吸収軸がパラレルニコルとなるように積層され、第2の偏光子を含む層104とお互いの吸収軸がずれ角θずれるように積層される。
また、第5の偏光子を含む層122の吸収軸に対する消衰係数は、積層する第1の偏光子を含む層103、または第2の偏光子を含む層104と同じでもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態においては、第5の偏光子を含む層122の吸収軸に対する消衰係数は、第1の偏光子を含む層103、及び第2の偏光子を含む層104と異なるものとする。このように積層する偏光子の吸収軸に対する消衰係数を異ならせると、より吸収する波長範囲を広げることができるため、わずかな光漏れも防止できる。
本実施の形態のように、基板の一方側に積層された偏光子を含む層を有する構成は、基板の片側から光を取り出すことができる表示装置に適用することができる。
このように消衰係数の異なる偏光子同士の吸収軸がパラレルニコルからずれるように積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なり、視認側に積層された吸収軸の消衰係数が異なる偏光子に加えて位相差板を設けた表示装置の概念について説明する。同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図4(A)には、パラレルニコルからずらして積層された偏光子を含む層と、基板との間に位相差板が設けられた表示装置の断面図、図4(B)には該表示装置の斜視図を示す。本実施の形態では、表示素子として液晶素子を有する液晶表示装置を例にして説明する。
図4(A)に示すように、互いに対向するように配置された第1の基板101及び第2の基板102に、液晶素子を有する層100が挟持されている。
図4(A)に示すように、第1の基板101側には、第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104が設けられている。このとき第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104がパラレルニコルからずらして配置される。さらにこれら積層された偏光子を含む層と、第1の基板101との間には、位相差板113が設けられている。本実施の形態において、第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の吸収軸の消衰係数は異なる。
本実施の形態において、さらに反射板を有する構成としてもよい。反射板は、第2の基板102の外側に設けたり、画素電極を反射性の高い材料から形成することにより、具備することができる。
図4(B)に示すように、第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と、第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)とはずれて積層される。さらに、第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)と、位相差板113の遅相軸とは、45°ずれるように配置するとよい。このように偏光子を含む層の吸収軸をずらして積層し、且つ位相差板を設けたことにより、コントラスト比を高めることができる。
なお、図4では偏光子を含む層の積層は2層であったが、本発明はこれに限定されずより多層構造でもよい。第1の偏光子を含む層103及び第2の偏光子を含む層104の上にさらに第5の偏光子を含む層122を積層した例を図12に示す。図12において、第5の偏光子を含む層122の偏光子は吸収軸(G)を有しており、その吸収軸(G)は第2の偏光子を含む層104の吸収軸(B)と平行であり、第1の偏光子を含む層103の吸収軸(A)とずれている。つまり第5の偏光子を含む層122は、第2の偏光子を含む層104とお互いの吸収軸がパラレルニコルとなるように積層される。
また、第5の偏光子を含む層122の吸収軸に対する消衰係数は、積層する第1の偏光子を含む層103、または第2の偏光子を含む層104と同じでもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態においては、第5の偏光子を含む層122の吸収軸に対する消衰係数は、第1の偏光子を含む層103、及び第2の偏光子を含む層104と異なるものとする。このように積層する偏光子の吸収軸に対する消衰係数を異ならせると、より吸収する波長範囲を広げることができるため、わずかな光漏れも防止できる。
本実施の形態のように、基板の一方側に積層された偏光子を含む層を有する構成は、基板の片側から光を取り出すことができる表示装置に適用することができる。
このように消衰係数の異なる偏光子同士の吸収軸がパラレルニコルからずれるように積層し、さらに位相差板を設けることにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明で用いることのできる積層された吸収軸の消衰係数が異なる偏光子の構造を、図13を用いて説明する。
本発明において、偏光子を含む層とは、少なくとも固有の吸収軸を有する偏光子を含んでおればよく、偏光子単層であってもよいし、偏光子を挟むように保護層が設けられる構造であってもよい。図13に本発明における偏光子を含む層の積層構造の例を示す。図13(A)は、保護層50a、第1の偏光子51、保護層50bよりなる偏光子を含む層と、保護層50c、第2の偏光子52、保護層50dよりなる偏光子を含む層とが積層しており、積層された偏光子を含む層である。このように、本発明において、積層された偏光子とは、偏光子同士を直接接して積層せず、保護層を介して積層するものも含む。よって、積層された偏光子を含む層とは、保護層50a、第1の偏光子51、保護層50bよりなる偏光子を含む層と、保護層50c、第2の偏光子52、保護層50dよりなる偏光子を含む層との積層全体をも意味する。また、本明細書では、保護層50a、第1の偏光子51、保護層50bよりなる偏光子を含む層を偏光板ともいう。よって図13(A)は偏光板の積層とも言うことができる。図13(A)において、第1の偏光子51及び第2の偏光子52の吸収軸はお互いずらした状態で積層されている。また、第1の偏光子51と第2の偏光子52同士の吸収軸に対する消衰係数の値は異なる。
図13(B)は、保護層56a、第1の偏光子57、第2の偏光子58、及び保護層56bの積層よりなる積層された偏光子を含む層である。図13(B)の場合、第1の偏光子57及び第2の偏光子58の偏光子の積層を間に挟むように一対の保護層56a及び保護層56bが設けられているとも言えるし、保護層56a及び偏光子57よりなる偏光子を含む層と、偏光子58及び保護層56bよりなる偏光子を含む層との積層であるとも言える。図13(B)は、図13(A)において積層された偏光子同士が保護層を介さず、直接接して形成されている例であり、偏光手段である積層された偏光子を含む層を薄型化できる利点があり、また保護層の積層数が少なくてよいので低コストで工程が簡略化する。図13(B)において、第1の偏光子57及び第2の偏光子58の吸収軸はお互いずらした状態で積層されている。また、第1の偏光子57及び第2の偏光子58同士の吸収軸に対する消衰係数の値は異なる。
図13(C)は、偏光子同士が一層の保護層を介して積層する例であり、図13(A)と図13(B)の中間に位置するような構造である。図13(C)は保護層60a、第1の偏光子61、保護層60b、第2の偏光子62、及び保護層60cの積層よりなる積層された偏光子を含む層である。このように、保護層と偏光子とを互い違いに積層する構造でもよい。また本発明において偏光子は膜状であり、偏光膜、偏光層とも言える。図13(C)において、第1の偏光子61及び第2の偏光子62の吸収軸はお互いずらした状態で積層されている。また、第1の偏光子61と第2の偏光子62同士の吸収軸に対する消衰係数の値は異なる。
図13においては偏光子を2層積層する例を示すが、偏光子の積層は3層、より複数層でもよく、保護層の設け方も図13に限定されない。また、図13(A)の積層された偏光子を含む層に図13(B)の積層された偏光子を含む層を積層するといった構造でもよい。偏光子の材料によって、水分や温度変化によってより劣化しやすい偏光子の場合、図13(A)のように偏光子を保護層で覆うとより偏光子を保護することができ、信頼性を向上させることができる。図1のように、表示素子を含む層を挟んで偏光子を設ける場合、視認側の偏光子の積層構造と、表示素子を挟んで反対側の偏光子の積層構造とは同様でもよいし、異なっていても良い。このように、積層される偏光子の積層構造は、偏光子の特性や、表示装置に求められる機能によって適宜設定することができる。例えば、実施の形態1では偏光子を含む層103と104、偏光子を含む層105と106でそれぞれ積層された偏光子を含む層を構成しているが、その構造は図13(A)乃至(C)のいずれでもよく、また一方が図13(A)、他方が図13(B)というように異なった積層構造であってもよい。
また、積層された偏光子を含む層として、保護層同士、偏光子同士、及び保護層と偏光子を接着するために接着層(粘着層)を設け、接着層を介して積層する構造としてもよい。この場合、接着層は保護層同様透光性を有する必要がある。偏光子と積層して位相差板を設けても良い。位相差板も位相差膜を一対の保護層の間に設ける構造として複数または単数の保護層を介して偏光子と積層する構造としてもよいし、直接偏光子と積層し、保護層、位相差膜、偏光子、及び保護層という順に積層する構造でもよい。例えば図13(B)において透光性基板側は保護層56aとすると、保護層56aと偏光子57との間に位相差膜を設け、透光性基板と偏光子との間に位相差膜を設ける構造としてもよい。さらに保護層50dの上、例えば表面保護層としてさらにより丈夫な保護フィルム等を設けても良いし、画面表面での外光による反射を防止する反射防止膜や画面のぎらつき、眩しさを防止する防眩膜を設けてもよい。また、偏光子を含む層(偏光板)を基板に貼合する際、アクリル系接着剤などの粘着層を用いることができる。
偏光子は一定方向に振動する光のみを通し、それ以外の光は吸収する役割を担う。一軸延伸された樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させて用いることができる。樹脂はPVA(ポリビニルアルコール)を用いることができ、PVAは、透明性も強度も高く、保護層(その形状から保護フィルムと呼ぶこともある)として用いられるTAC(トリアセチルセルロース)との貼り合わせも容易である。色素としては、ヨウ素系と染料系を用いることができる。例えば、ヨウ素系色素は、PVA樹脂膜に二色性の強いヨウ素を高次のイオンとして吸着させ、ホウ酸水溶液中で延伸するとヨウ素は鎖状の重合体として配列し、偏光子は高い偏光特性を示す。一方、染料系色素は、ヨウ素の代わりに二色性の高い染料を用いており、耐熱性、耐久性に優れている。
保護層は偏光子を強度的に補強し、温度や湿度による劣化を防ぐ。保護層としては、TAC(トリアセチルセルロース)、COP(環状オレフィンポリマー系、PC(ポリカーボネート)などのフィルムを用いることができる。TACは透明性、低複屈折率であり、偏光子に用いられるPVAとの接着性も優れている。COP系は耐熱、防湿、耐久性の優れた樹脂フィルムである。また、ヨウ素系と染料系を混合して用いてもよい。
例えば、偏光子を含む層として、基板側から接着面、保護層であるTAC(トリアセチルセルロース)、偏光子であるPVA(ポリビニルアルコール)とヨウ素の混合層、保護層であるTACが順に積層された構成を用いることができる。PVA(ポリビニルアルコール)とヨウ素の混合層により、偏光度を制御することができる。また偏光子として無機材料を用いてもよい。また偏光子を含む層とは、その形状から偏光板と呼ぶこともある。
本実施の形態は、上記実施の形態とそれぞれ組み合わせて用いることができる。
このように消衰係数の異なる偏光子同士の吸収軸がパラレルニコルからずれるように偏光子同士を積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、一対の積層された吸収軸の消衰係数が異なる偏光子を含む層を有し、少なくとも一方の積層された偏光子を含む層において、吸収軸をずらして配置した構成を有する液晶表示装置の構成について説明する。
図16(A)は本発明に係る表示パネルの構成を示す上面図であり、絶縁表面を有する基板2700上に画素2702をマトリクス状に配列させた画素部2701、走査線側入力端子2703、信号線側入力端子2704が形成されている。画素数は種々の規格に従って設ければ良く、XGAであってRGBを用いたフルカラー表示であれば1024×768×3(RGB)、UXGAであってRGBを用いたフルカラー表示であれば1600×1200×3(RGB)、フルスペックハイビジョンに対応させ、RGBを用いたフルカラー表示であれば1920×1080×3(RGB)とすれば良い。
画素2702は、走査線側入力端子2703から延在する走査線と、信号線側入力端子2704から延在する信号線とが交差することで、マトリクス状に配設される。画素2702のそれぞれには、スイッチング素子とそれに接続する画素電極層が備えられている。スイッチング素子の代表的な一例はTFTであり、TFTのゲート電極層側が走査線と、ソース若しくはドレイン側が信号線と接続されることにより、個々の画素を外部から入力する信号によって独立して制御可能としている。
図16(A)は、走査線及び信号線へ入力する信号を、外付けの駆動回路により制御する表示パネルの構成を示しているが、図17(A)に示すように、COG(Chip on Glass)方式によりドライバIC2751を基板2700上に実装しても良い。また他の実装形態として、図17(B)に示すようなTAB(Tape Automated Bonding)方式を用いてもよい。ドライバICは単結晶半導体基板に形成されたものでも良いし、ガラス基板上にTFTで回路を形成したものであっても良い。図17において、ドライバIC2751は、FPC(Flexible printed circuit)2750と接続している。
また、画素に設けるTFTを結晶性を有する半導体で形成する場合には、図16(B)に示すように走査線側駆動回路3702を基板3700上に形成することもできる。図16(B)において、画素部3701は、信号線側入力端子3704と接続した図16(A)と同様に外付けの駆動回路により制御する。画素に設けるTFTを移動度の高い、多結晶(微結晶)半導体、単結晶半導体などで形成する場合は、図16(C)は、画素部4701、走査線駆動回路4702と、信号線駆動回路4704を基板4700上に一体形成することもできる。
図14(A)は、積層された偏光子を含む層を有する液晶表示装置の上面図であり、図14(B)は図14(A)線C−Dにおける断面図である。
図14(A)で示すように、画素領域606、走査線駆動回路である駆動回路領域608a、走査線駆動領域である駆動回路領域608bが、シール材692によって、基板600と対向基板695との間に封止され、基板600上にICドライバによって形成された信号線駆動回路である駆動回路領域607が設けられている。画素領域606にはトランジスタ622及び容量素子623が設けられ、駆動回路領域608bにはトランジスタ620及びトランジスタ621を有する駆動回路が設けられている。基板600には、上記実施の形態と同様の絶縁基板を適用することができる。また一般的に合成樹脂からなる基板は、他の基板と比較して耐熱温度が低いことが懸念されるが、耐熱性の高い基板を用いた作製工程の後、転置することによっても採用することが可能となる。
画素領域606には、下地膜604a、下地膜604bを介してスイッチング素子となるトランジスタ622が設けられている。本実施の形態では、トランジスタ622にマルチゲート型薄膜トランジスタ(TFT)を用い、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物領域を有する半導体層、ゲート絶縁層、2層の積層構造であるゲート電極層、ソース電極層及びドレイン電極層を有し、ソース電極層又はドレイン電極層は、半導体層の不純物領域と画素電極層630に接して電気的に接続している。薄膜トランジスタは、多くの方法で作製することができる。例えば、活性層として、結晶性半導体膜を適用する。結晶性半導体膜上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる。該ゲート電極を用いて該活性層へ不純物元素を添加することができる。このようにゲート電極を用いた不純物元素の添加により、不純物元素添加のためのマスクを形成する必要はない。ゲート電極は、単層構造、又は積層構造を有することができる。不純物領域は、その濃度を制御することにより高濃度不純物領域及び低濃度不純物領域とすることができる。このように低濃度不純物領域を有する薄膜トランジスタを、LDD(Lightly doped drain)構造と呼ぶ。また低濃度不純物領域は、ゲート電極と重なるように形成することができ、このような薄膜トランジスタを、GOLD(Gate Overlaped LDD)構造と呼ぶ。また薄膜トランジスタの極性は、不純物領域にリン(P)等を用いることによりn型とする。p型とする場合は、ボロン(B)等を添加すればよい。その後、ゲート電極等を覆う絶縁膜611及び絶縁膜612を形成する。絶縁膜611(及び絶縁膜612)に混入された水素元素により、結晶性半導体膜のダングリングボンドを終端することができる。
さらに平坦性を高めるため、層間絶縁膜として絶縁膜615、絶縁膜616を形成してもよい。絶縁膜615、絶縁膜616には、有機材料、又は無機材料、若しくはそれらの積層構造を用いることができる。例えば酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、ポリシラザン、窒素含有炭素(CN)、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ、その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、有機絶縁性材料を用いてもよく、有機材料としては、感光性、非感光性どちらでも良く、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン樹脂などを用いることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
る。
また結晶性半導体膜を用いることにより、画素領域と駆動回路領域を同一基板上に一体形成することができる。その場合、画素部のトランジスタと、駆動回路領域608bのトランジスタとは同時に形成される。駆動回路領域608bに用いるトランジスタは、CMOS回路を構成する。CMOS回路を構成する薄膜トランジスタは、GOLD構造であるが、トランジスタ622のようなLDD構造を用いることもできる。
本実施の形態に限定されず、画素領域の薄膜トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。また、周辺駆動回路領域の薄膜トランジスタも、シングルゲート構造、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲート構造であっても良い。
なお、本実施の形態で示した薄膜トランジスタの作製方法に限らず、トップゲート型(例えば順スタガ型)、ボトムゲート型(例えば、逆スタガ型)、あるいはチャネル領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート型やその他の構造においても適用できる。
次に、画素電極層630及び絶縁膜616を覆うように、印刷法やスピンコート法により、配向膜と呼ばれる絶縁層631を形成する。なお、絶縁層631は、スクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いれば、選択的に形成することができる。その後、ラビング処理を行う。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないときがある。配向膜として機能する絶縁層633も絶縁層631と同様である。続いて、シール材692を液滴吐出法により画素を形成した周辺の領域に形成する。
その後、配向膜として機能する絶縁層633、対向電極として機能する導電層634、カラーフィルタとして機能する着色層635が設けられた対向基板695と、TFT基板である基板600とをスペーサ637を介して貼り合わせ、その空隙に液晶層632を設ける。その後、対向基板695の外側に第1の偏光子を含む層641及び第2の偏光子を含む層642の積層を設け、基板600の素子を有する面と反対側にも第3の偏光子を含む層643及び第4の偏光子を含む層644が設ける。基板600の素子を有する面と反対側にも第3の偏光子を含む層643及び第4の偏光子を含む層644が設けられている。シール材にはフィラーが混入されていても良く、さらに対向基板695には、遮蔽膜(ブラックマトリクス)などが形成されていても良い。なお、カラーフィルター等は、液晶表示装置をフルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料から形成すればよく、モノカラー表示とする場合、少なくとも一つの色を呈する材料から形成すればよい。
なお、バックライトにRGBの発光ダイオード(LED)等を配置し、時分割によりカラー表示する継時加法混色法(フィールドシーケンシャル法)を採用するときには、カラーフィルターを設けない場合がある。ブラックマトリクスは、トランジスタやCMOS回路の配線による外光の反射を低減するため、トランジスタやCMOS回路と重なるように設けるとよい。なお、ブラックマトリクスは、容量素子に重なるように形成してもよい。容量素子を構成する金属膜による反射を防止することができるからである。
液晶層を形成する方法として、ディスペンサ式(滴下式)や、素子を有する基板600と対向基板695とを貼り合わせてから毛細管現象を用いて液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いることができる。滴下法は、注入法を適用しづらい大型基板を扱うときに適用するとよい。
スペーサは数μmの粒子を散布して設ける方法でも良いが、本実施の形態では基板全面に樹脂膜を形成した後これをエッチング加工して形成する方法を採用した。このようなスペーサの材料を、スピナーで塗布した後、露光と現像処理によって所定のパターンに形成する。さらにクリーンオーブンなどで150〜200℃で加熱して硬化させる。このようにして作製されるスペーサは露光と現像処理の条件によって形状を異ならせることができるが、好ましくは、スペーサの形状は柱状で頂部が平坦な形状となるようにすると、対向側の基板を合わせたときに液晶表示装置としての機械的な強度を確保することができる。形状は円錐状、角錐状などを用いることができ、特別な限定はない。
以上の工程で形成された表示装置内部と外部の配線基板を接続するために接続部を形成する。大気圧又は大気圧近傍下で、酸素ガスを用いたアッシング処理により、接続部の絶縁体層を除去する。この処理は、酸素ガスと、水素、CF4、NF3、H2O、CHF3から選択された一つ又は複数とを用いて行う。本工程では、静電気による損傷や破壊を防止するために、対向基板を用いて封止した後に、アッシング処理を行っているが、静電気による影響が少ない場合には、どのタイミングで行っても構わない。
続いて、画素領域と電気的に接続されている端子電極層678に、異方性導電体層696を介して、接続用の配線基板であるFPC694を設ける。FPC694は、外部からの信号や電位を伝達する役目を担う。上記工程を経て、表示機能を有する液晶表示装置を作製することができる。
なおトランジスタが有する配線、ゲート電極層、画素電極層630、対向電極層である導電層634は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに酸化珪素(SiO2)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、またはタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物から選ぶことができる。
また、基板600には第3の偏光子を含む層643及び第4の偏光子を含む層644が積層して設けられ、対向基板695にも第1の偏光子を含む層641及び第2の偏光子を含む層642が積層して設けられている。バックライト側に設けられた第3の偏光子を含む層643及び第4の偏光子を含む層644はパラレルニコルとなるように配置され、視認側に設けられた第1の偏光子を含む層641及び第2の偏光子を含む層642はパラレルニコルからずれるように配置される。本発明において、一対の積層された偏光子を含む層のうち、いずれか一方、好ましくは視認側における積層された偏光子の吸収軸がずれていることを特徴とする。その結果、コントラスト比を高めることができる。なお、本実施の形態において、第1の偏光子を含む層641及び第2の偏光子を含む層642の吸収軸の消衰係数は異なる。同様に第3の偏光子を含む層643及び第4の偏光子を含む層644の吸収軸の消衰係数は異なる。
積層された第3の偏光子を含む層643及び第4の偏光子を含む層644や積層された第1の偏光子を含む層641及び第2の偏光子を含む層642は、基板600、対向基板695に接着されている。また積層された偏光子を含む層と、基板との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。
このような表示装置に対して、積層された消衰係数の異なる偏光子を設け、吸収軸をずらして配置したことにより、コントラスト比を高めることができる。また本発明において複数の偏光子は、積層構造を有する偏光子とすることができ、単純に偏光子の膜厚を厚くした構造とは異なる。積層された偏光子をずらすことにより、単純に膜厚を厚くした構造に比べてコントラスト比を高くすることができる。
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、積層構造を有する吸収軸の消衰係数が異なる偏光子を含む層を有するが、上記実施の形態と異なり、非晶質半導体膜を有する薄膜トランジスタを用いた液晶表示装置について説明する。
図15に示す表示装置は、基板200上に、画素領域に逆スタガ型薄膜トランジスタであるトランジスタ220、画素電極層201、絶縁層203、液晶層204、スペーサ281、絶縁層205、対向電極層206、カラーフィルタ208、ブラックマトリクス207、対向基板210、第1の偏光子を含む層231、第2の偏光子を含む層232、第3の偏光子を含む層233、第4の偏光子を含む層234、封止領域にシール材282、端子電極層287、異方性導電層285、FPC286が設けられている。
本実施の形態で作製される逆スタガ型薄膜トランジスタであるトランジスタ220のゲート電極層、ソース電極層、及びドレイン電極層は液滴吐出法によって形成されている。液滴吐出法は、液状の導電性材料を有する組成物を吐出し、乾燥や焼成によって固化し、導電層や電極層を形成する方法である。絶縁性材料を含む組成物を吐出し、乾燥や焼成によって固化すれば絶縁層も形成することができる。選択的に導電層や絶縁層などの表示装置の構成物を形成することができるので、工程が簡略化し、材料のロスが防げるので、低コストで生産性良く表示装置を作製することができる。
本実施の形態では、半導体層として非晶質半導体を用いており、一導電性型を有する半導体層は必要に応じて形成すればよい。本実施の形態では、半導体層と一導電型を有する半導体層として非晶質n型半導体層を積層する。またn型半導体層を形成し、nチャネル型薄膜トランジスタのNMOS構造、p型半導体層を形成したpチャネル型薄膜トランジスタのPMOS構造、nチャネル型薄膜トランジスタとpチャネル型薄膜トランジスタとのCMOS構造を作製することができる。本実施の形態では、トランジスタ220はnチャネル型の逆スタガ型薄膜トランジスタとなっている。また、半導体層のチャネル領域上に保護層を設けたチャネル保護型の逆スタガ型薄膜トランジスタを用いることもできる。
また、導電性を付与するために、導電性を付与する元素をドーピングによって添加し、不純物領域を半導体層に形成することで、nチャネル型薄膜トランジスタ、Pチャネル型薄膜トランジスタを形成することもできる。n型半導体層を形成するかわりに、PH3ガスによるプラズマ処理を行うことによって、半導体層に導電性を付与してもよい。
また、半導体として、有機半導体材料を用い、印刷法、スプレー法、スピン塗布法、液滴吐出法、ディスペンサ法などで形成することができる。この場合、上記エッチング工程が必要ないため、工程数を削減することが可能である。有機半導体としては、低分子材料、高分子材料などが用いられ、有機色素、導電性高分子材料などの材料も用いることができる。本発明に用いる有機半導体材料としては、その骨格が共役二重結合から構成されるπ電子共役系の高分子材料が望ましい。代表的には、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリチオフェン誘導体、ペンタセン等の可溶性の高分子材料を用いることができる。
次いで、バックライトユニット352の構成について説明する。バックライトユニット352は、蛍光を発する光源331として冷陰極管、熱陰極管、発光ダイオード、無機EL、有機ELが、蛍光を効率よく導光板335に導くためのランプリフレクタ332、蛍光が全反射しながら表示パネルの全面に光を導くための導光板335、明度のムラを低減するための拡散板336、導光板335の下に漏れた光を再利用するための反射板334を有するように構成されている。
バックライトユニット352には、光源331の輝度を調整するための制御回路が接続されている。制御回路からの信号供給により、光源331の輝度を制御することができる。
基板200とバックライトユニット352の間には第3の偏光子を含む層233及び第4の偏光子を含む層234が積層して設けられ、対向基板210にも第1の偏光子を含む層231及び第2の偏光子を含む層232が積層して設けられている。バックライト側に設けられた第3の偏光子を含む層233及び第4の偏光子を含む層234はパラレルニコルとなるように配置され、視認側に設けられた第1の偏光子を含む層231及び第2の偏光子を含む層232はパラレルニコルからずれるように配置される本発明において、一対の積層された偏光子を含む層のうち、いずれか一方、好ましくは視認側において積層された偏光子を含む層がずれていることを特徴とする。その結果、コントラスト比を高めることができる。なお、本実施の形態において、第1の偏光子を含む層231及び第2の偏光子を含む層232の吸収軸の消衰係数は異なる。同様に第3の偏光子を含む層233及び第4の偏光子を含む層234の吸収軸の消衰係数は異なる。
積層された第3の偏光子を含む層233及び第4の偏光子を含む層234や積層された第1の偏光子を含む層231及び第2の偏光子を含む層232は、基板200、対向基板210に接着されている。また積層された偏光子を含む層と、基板との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。
このような液晶表示装置に対して、積層された消衰係数の異なる偏光子を設け、吸収軸をずらして配置したことにより、コントラスト比を高めることができる。また本発明において複数の偏光子は、積層構造を有する偏光子を含む層とすることができ、単純に偏光子の膜厚を厚くした構造とは異なる。積層された偏光子をずらすことにより、単純に膜厚を厚くした構造に比べてコントラスト比を高くすることができる。
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、表示装置が有する各回路等の動作について説明する。
図24には、表示装置の画素部505及び駆動回路部508のシステムブロック図を示す。
画素部505は、複数の画素を有し、各画素となる信号線512と、走査線510との交差領域には、スイッチング素子が設けられている。スイッチング素子により液晶分子の傾きを制御するための電圧の印加を制御することができる。このように各交差領域にスイッチング素子が設けられた構造をアクティブ型と呼ぶ。本発明の画素部は、このようなアクティブ型に限定されず、パッシブ型の構成を有してもよい。パッシブ型は、各画素にスイッチング素子がないため、工程が簡便である。
駆動回路部508は、制御回路502、信号線駆動回路503、走査線駆動回路504を有する。制御回路502は、画素部505の表示内容に応じて、階調制御を行う機能を有する。そのため、制御回路502は、生成された信号を信号線駆動回路503、及び走査線駆動回路504に入力する。そして、走査線駆動回路504に基づき、走査線510を介してスイッチング素子が選択されると、選択された交差領域の画素電極に電圧が印加される。この電圧の値は、信号線駆動回路503から信号線を介して入力される信号に基づき決定される。
さらに、制御回路502では、照明手段506へ供給する電力を制御する信号が生成され、該信号は、照明手段506の電源507に入力される。照明手段には、上記実施の形態で示したバックライトユニットを用いることができる。なお照明手段はバックライト以外にフロントライトもある。フロントライトとは、画素部の前面側に取りつけ、全体を照らす発光体および導光体で構成された板状のライトユニットである。このような照明手段により、低消費電力で、均等に画素部を照らすことができる。
図24(B)に示すように走査線駆動回路504は、シフトレジスタ541、レベルシフタ542、バッファ543として機能する回路を有する。シフトレジスタ541にはゲートスタートパルス(GSP)、ゲートクロック信号(GCK)等の信号が入力される。なお、本発明の走査線駆動回路は、図24(B)に示す構成に限定されない。
また図24(C)に示すように信号線駆動回路503は、シフトレジスタ531、第1のラッチ532、第2のラッチ533、レベルシフタ534、バッファ535として機能する回路を有する。バッファ535として機能する回路とは、弱い信号を増幅させる機能を有する回路であり、オペアンプ等を有する。レベルシフタ534には、スタートパルス(SSP)等の信号が、第1のラッチ532にはビデオ信号等のデータ(DATA)が入力される。第2のラッチ533にはラッチ(LAT)信号を一時保持することができ、一斉に画素部505へ入力させる。これを線順次駆動と呼ぶ。そのため、線順次駆動ではなく、点順次駆動を行う画素であれば、第2のラッチは不要とすることができる。このように、本発明の信号線駆動回路は図24(C)に示す構成に限定されない。
このような信号線駆動回路503、走査線駆動回路504、画素部505は、同一基板状に設けられた半導体素子によって形成することができる。半導体素子は、ガラス基板に設けられた薄膜トランジスタを用いて形成することができる。この場合、半導体素子には結晶性半導体膜を適用するとよい(上記実施の形態6参照)。結晶性半導体膜は、電気特性、特に移動度が高いため、駆動回路部が有する回路を構成することができる。また、信号線駆動回路503や走査線駆動回路504は、IC(Integrated Circuit)チップを用いて、基板上に実装することもできる。この場合、画素部の半導体素子には非晶質半導体膜を適用することができる(上記実施の形態7参照)。
このような表示装置において、積層された消衰係数の異なる偏光子を設け、吸収軸をずらして配置したことにより、コントラスト比を高めることができる。すなわち、制御回路により制御される照明手段からの光のコントラスト比を高めることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、バックライトの構成について説明する。バックライトは光源を有するバックライトユニットとして表示装置に設けられ、バックライトユニットは効率よく光を散乱させるため、光源は反射板により囲まれている。
図19(A)に示すように、バックライトユニット352は、光源として冷陰極管401を用いることができる。また、冷陰極管401からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ332を設けることができる。冷陰極管401は、大型表示装置に用いることが多い。これは冷陰極管からの輝度の強度のためである。そのため、冷陰極管を有するバックライトユニットは、パーソナルコンピュータのディスプレイに用いることができる。
図19(B)に示すように、バックライトユニット352は、光源として発光ダイオード(LED)402を用いることができる。例えば、白色に発する発光ダイオード(W)402を所定の間隔に配置する。また、発光ダイオード(W)402からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ332を設けることができる。
また図19(C)に示すように、バックライトユニット352は、光源として各色RGBの発光ダイオード(LED)403、404、405を用いることができる。各色RGBの発光ダイオード(LED)403、404、405を用いることにより、白色を発する発光ダイオード(W)402のみと比較して、色再現性を高くすることができる。また、発光ダイオード(W)402からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ332を設けることができる。
またさらに図19(D)に示すように、光源として各色RGBの発光ダイオード(LED)403、404、405を用いる場合、それらの数や配置を同じとする必要はない。例えば、発光強度の低い色(例えば緑)を複数配置してもよい。
さらに白色を発する発光ダイオード402と、各色RGBの発光ダイオード(LED)403、404、405とを組み合わせて用いてもよい。
なおRGBの発光ダイオードを有する場合、フィールドシーケンシャルモードを適用すると、時間に応じてRGBの発光ダイオードを順次点灯させることによりカラー表示を行うことができる。
発光ダイオードを用いると、輝度が高いため、大型表示装置に適する。また、RGB各色の色純度が良いため冷陰極管と比べて色再現性に優れており、配置面積を小さくすることができるため、小型表示装置に適応すると、狭額縁化を図ることができる。
また、光源を必ずしも図19に示すバックライトユニットとして配置する必要はない。例えば、大型表示装置に発光ダイオードを有するバックライトを搭載する場合、発光ダイオードは該基板の背面に配置することができる。このとき発光ダイオードは、所定の間隔を維持し、各色の発光ダイオードを順に配置させることができる。発光ダイオードの配置により、色再現性を高めることができる。
このようなバックライトを用いた表示装置に対し、積層された偏光子を含む層を設け、お互いの偏光子の吸収軸をずらして配置したことにより、コントラスト比の高い映像を提供することができる。特に、発光ダイオードを有するバックライトは、大型表示装置に適しており、大型表示装置のコントラスト比を高めることにより、暗所でも質の高い映像を提供することができる。
(実施の形態10)
液晶表示装置には、液晶の駆動方法に、基板に対して直交に電圧を印加する縦電界方式、基板に対して平行に電圧を印加する横電界方式がある。積層され、吸収軸をずらして配置した偏光子を含む層を設ける構成は、縦電界方式であっても、横電界方式であっても適用することができる。そこで、本実施の形態では、積層され、吸収軸をずらして配置した偏光子を含む層を適用しうる各種液晶モードについて説明する。
まず図27(A1)(A2)にはTNモードの液晶表示装置の模式図を示す。
上記実施の形態と同様に、互いに対向するように配置された第1の基板101及び第2の基板102に、表示素子を有する層100が挟持されている。そして第1の基板101側には、第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104がパラレルニコルからずらして配置される。また第2の基板102側には、第3の偏光子を含む層105、第4の偏光子を含む層106が、パラレルニコルとなるように配置されている。なお、第1の偏光子を含む層103と第3の偏光子を含む層105はクロスニコルとなるように配置されている。
なお図示しないが、バックライト等は、第4の偏光子を含む層の外側に配置される。第1の基板101、及び第2の基板102上には、それぞれ第1の電極108、第2の電極109が設けられている。そして、バックライトと反対側、つまり視認側の電極である第1の電極108は、少なくとも透光性を有するように形成する。
このような構成を有する液晶表示装置において、ノーマリホワイトモードの場合、第1の電極108及び第2の電極109に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)されると、図27(A1)に示すように黒色表示が行われる。このとき液晶分子は縦に並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、基板を通過することができず黒色表示となる。
そして図27(A2)に示すように、第1の電極108及び第2の電極109の間に電圧が印加されていないときは白色表示となる。このとき、液晶分子は横に並び、平面内で捩れている状態となる。その結果、バックライトからの光は、一対の積層された偏光子を含む層であって、視認側における積層された偏光子を含む層をパラレルニコルからずらして配置された基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。
このとき、カラーフィルターを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルターは、第1の基板101側、又は第2の基板102側のいずれかに設けることができる。
TNモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図27(B1)にはVAモードの液晶表示装置の模式図を示す。VAモードは、無電界の時に液晶分子が基板に垂直となるように配向されているモードである。
図27(A1)(A2)と同様に、第1の基板101、及び第2の基板102上には、それぞれ第1の電極108、第2の電極109が設けられている。そして、バックライトと反対側、つまり視認側の電極である第1の電極108は、少なくとも透光性を有するように形成する。第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104がパラレルニコルからずらして配置される。また第2の基板102側には、第3の偏光子を含む層105、第4の偏光子を含む層106が、パラレルニコルとなるように配置されている。なお、第1の偏光子を含む層103と第3の偏光子を含む層105はクロスニコルとなるように配置されている。
このような構成を有する液晶表示装置において、第1の電極108及び第2の電極109に電圧が印加される(縦電界方式)と、図27(B1)に示すように白色表示が行われるオン状態となる。このとき液晶分子は横に並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、積層され、パラレルニコルからずれた偏光子を含む層が設けられた基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルターを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルターは、第1の基板101側、又は第2の基板102側のいずれかに設けることができる。
そして図27(B2)に示すように、第1の電極108及び第2の電極109の間に電圧が印加されていないときは黒色表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子は縦に並んだ状態となる。その結果、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。
このようにオフ状態では、液晶分子が基板に対して垂直に立ち上がって、黒表示となり、オン状態では液晶分子が基板に対して水平に倒れて白表示となる。オフ状態では液晶分子が立ち上がっているため、偏光されたバックライトからの光は、液晶分子の影響を受けることなくセル内を通過し、対向基板側の偏光子を含む層で完全に遮断することができる。そのため、一対の積層された偏光子を含む層であって、少なくとも一方の積層された偏光子を含む層においてパラレルニコルからずらして配置したことにより、さらなるコントラスト比の向上が見込まれる。
また液晶の配向が分割されたMVAモードに、本発明の積層された偏光子を含む層を適用する例を図27(C1)(C2)に示す。MVAモードは一画素を複数に分割し、それぞれの部分の視野角依存性を互いに補償する方法である。図27(C1)に示すように、MVAモードでは、第1の電極108及び第2の電極109上に配向制御用に断面が三角の突起物158及び159が設けられている。第1の電極108及び第2の電極109に電圧が印加される(縦電界方式)と、図27(C1)に示すように白色表示が行われるオン状態となる。このとき液晶分子は突起物158及び159に対して倒れて並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、積層され、パラレルニコルからずれた偏光子を含む層が設けられた基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルターを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルターは、第1の基板101側、又は第2の基板102側のいずれかに設けることができる。
そして図27(C2)に示すように、第1の電極108及び第2の電極109の間に電圧が印加されていないときは黒色表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子は縦に並んだ状態となる。その結果、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。
MVAモードの他の例を上面図及び断面図を図30に示す。図30(A)において、第2の電極は、くの字型のように屈曲したパターンに形成されており、第2の電極109a、109b、109cとなっている。第2の電極109a、109b、109c上に配向膜である絶縁層162が形成されている。図30(B)で示すように第1の電極108上には突起物158が第2の電極109a、109b、109cと対応するような形状に形成されている。第2の電極109a、109b、109cの開口部が、突起物のように機能し。液晶分子を動かすことができる。
図28(A1)(A2)にはOCBモードの液晶表示装置の模式図を示す。OCBモードは、液晶層内で液晶分子の配列が光学的に補償状態を形成しており、これはベンド配向と呼ばれる。
図27と同様に、第1の基板101、及び第2の基板102上には、それぞれ第1の電極108、第2の電極109が設けられている。また図示しないが、バックライト等は第4の偏光子を含む層106の外側に配置される。そして、バックライトと反対側、つまり視認側の電極である第1の電極108は、少なくとも透光性を有するように形成する。第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104がパラレルニコルからずらして配置される。また第2の基板102側には、第3の偏光子を含む層105、第4の偏光子を含む層106が、パラレルニコルとなるように配置されている。なお、第1の偏光子を含む層103と第3の偏光子を含む層105はクロスニコルとなるように配置されている。
このような構成を有する液晶表示装置において、第1の電極108及び第2の電極109に一定のオン電圧が印加される(縦電界方式)と、図28(A1)に示すように黒色表示が行われる。このとき液晶分子は縦に並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、基板を通過することができず、黒色表示となる。
そして図28(A2)に示すように、第1の電極108及び第2の電極109の間に一定のオフ電圧が印加されているときは白色表示となる。このとき、液晶分子はベント配向の状態となる。その結果、バックライトからの光は積層された偏光子を含む層が設けられた基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルターを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルターは、第1の基板101側、又は第2の基板102側のいずれかに設けることができる。
このようなOCBモードでは、液晶層で生じる複屈折を、一対の積層された偏光子を含む層であって、視認側において、積層された偏光子を含む層をパラレルニコルからずれて配置したことにより、補償することができる。その結果、広視野角化に加えて、コントラスト比を高めることができる。
図28(B1)(B2)には、FLCモード及びAFLCモードの液晶の模式図を示す。
図27と同様に、第1の基板101、及び第2の基板102上には、それぞれ第1の電極108、第2の電極109が設けられている。そして、バックライトと反対側、つまり視認側の電極である第1の電極108は、少なくとも透光性を有するように形成する。第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104がパラレルニコルからずらして配置される。また第2の基板102側には、第3の偏光子を含む層105、第4の偏光子を含む層106が、パラレルニコルとなるように配置されている。なお、第1の偏光子を含む層103と第3の偏光子を含む層105はクロスニコルとなるように配置されている。
このような構成を有する液晶表示装置において、第1の電極108及び第2の電極109に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)されると、図28(B1)に示すように、白色表示となる。このとき、液晶分子は横に並び、平面内で回転している状態となる。その結果、バックライトからの光は、一対の積層された偏光子を含む層であって、視認側において積層された偏光子を含む層をパラレルニコルからずれて配置された基板を、通過することができ、所定の映像表示が行われる。
そして図28(B2)に示すように、第1の電極108及び第2の電極109の間に電圧が印加されていないときは、黒色表示が行われる。このとき液晶分子は横に並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、基板を通過することができず黒色表示となる。
このとき、カラーフィルターを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルターは、第1の基板101側、又は第2の基板102側のいずれかに設けることができる。
FLCモード及びAFLCモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図29(A1)(A2)にはIPSモードの液晶表示装置の模式図を示す。IPSモードは、液晶分子を基板に対して常に平面内で回転させるモードであり、電極は一方の基板側のみに設けた横電界方式をとる。
IPSモードは一方の基板に設けられた一対の電極により液晶を制御することを特徴とする。そのため、第2の基板102上に一対の電極150、151が設けられている。一対の電極150、151は、それぞれ透光性を有するとよい。第1の偏光子を含む層103、第2の偏光子を含む層104がパラレルニコルからずらして配置される。また第2の基板102側には、第3の偏光子を含む層105、第4の偏光子を含む層106が、パラレルニコルとなるように配置されている。なお、第1の偏光子を含む層103と第3の偏光子を含む層105はクロスニコルとなるように配置されている。また図示しないが、バックライト等は第4の偏光子を含む層106の外側に配置される。
このような構成を有する液晶表示装置において、一対の電極150、151に電圧が印加されると、図29(A1)に示すように白色表示が行われるオン状態となる。すると、バックライトからの光は、一対の積層された偏光子を含む層であって、視認側において積層された偏光子を含む層をパラレルニコルからずれて配置した基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。
このとき、カラーフィルターを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルターは、第1の基板101側、又は第2の基板102側のいずれかに設けることができる。
そして図29(A2)に示すように、一対の電極150、151の間に電圧が印加されていないとき黒表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子は、横に並び、且つ平面内で回転した状態となる。その結果、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。
IPSモードで用いることできる一対の電極150及び151の例を図25に示す。図25(A)乃至(D)の上面図に示すように、一対の電極150及び151が互い違いとなるように形成されており、図25(A)では電極150a及び電極151aはうねりを有する波状形状であり、図25(B)では電極150b及び電極151bは同心円状の開口部を有する形状であり、図25(C)では電極150c及び電極151cは櫛歯状であり一部重なっている形状であり、図25(D)では電極150d及び電極151dは櫛歯状であり電極同士がかみ合うような形状である。
IPSモードのほかにFFSモードも用いることができる。FFSモードはIPSモードにおいて、一対の電極が同一面に形成されているのに対し、一対の電極を同レイヤーに形成せず、図29(B1)(B2)に示すように電極152上に絶縁膜を介して電極153が形成される構造である。
このような構成を有する液晶表示装置において、一対の電極152、153に電圧が印加されると、図29(B1)に示すように白色表示が行われるオン状態となる。すると、バックライトからの光は、一対の積層された偏光子を含む層であって、視認側において積層された偏光子を含む層をパラレルニコルからずれて配置した基板を通過することができ、所定の映像表示が行われる。
このとき、カラーフィルターを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルターは、第1の基板101側、又は第2の基板102側のいずれかに設けることができる。
そして図29(B2)に示すように、一対の電極152、153の間に電圧が印加されていないとき黒表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子は、横に並び、且つ平面内で回転した状態となる。その結果、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。
FFSモードで用いることできる一対の電極152及び153の例を図26に示す。図26(A)乃至(D)の上面図に示すように、電極152上に様々なパターンに形成された電極153が形成されており、図26(A)では電極152a上の電極153aは屈曲したくの字形状であり、図26(B)では電極152b上の電極153bは同心円状の形状であり、図26(C)では電極150c上の電極151cは櫛歯状で電極同士がかみ合うような形状であり、図26(D)では電極152d上の電極153dは櫛歯状の形状である。
IPSモード及びFFSモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
本発明の一対の積層された偏光子を含む層であって、視認側において積層された偏光子を含む層をパラレルニコルからずれて配置した構成を、縦電界方式の液晶表示装置に適用すると、さらなる高コントラスト比の表示を行うことができる。このような縦電界方式は、室内で用いるコンピュータ用表示装置や大型テレビとして好適である。
また本発明を横電界方式の液晶表示装置に適用すると、広視野角に加えて、高コントラスト比の表示とすることができる。このような横電界方式は、携帯用の表示装置に好適である。
その他、本発明は旋光モード、散乱モード、複屈折モードの液晶表示装置、偏光子を含む層を基板の両側に配置する表示装置において適用できる。
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態11)
本実施の形態を図18(A)及び図18(B)を用いて説明する。図18(A)、図18(B)は、本発明を適用して作製されるTFT基板2600を用いて表示装置(液晶表示モジュール)を構成する一例を示している。
図18(A)は液晶表示モジュールの一例であり、TFT基板2600と対向基板2601がシール材2602により固着され、その間にTFT等を含む画素部2603と液晶層2604が設けられ表示領域を形成している。着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられている。TFT基板2600と対向基板2601の外側には第1の偏光子を含む層2606、第2の偏光子を含む層2626、第3の偏光子を含む層2607、第4の偏光子を含む層2627、レンズフィルム2613が配設されている。光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成され、回路基板2612は、フレキシブル配線基板2609によりTFT基板2600と接続され、コントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。
TFT基板2600と光源であるバックライトの間には互いに吸収軸の消衰係数が異なる第3の偏光子を含む層2607及び第4の偏光子を含む層2627が積層して設けられ、対向基板2601にも互いに吸収軸の消衰係数が異なる第1の偏光子を含む層2606及び第2の偏光子を含む層2626が積層して設けられている。バックライト側に設けられた第3の偏光子を含む層2607及び第4の偏光子を含む層2627はパラレルニコルとなるように配置され、視認側に設けられた第1の偏光子を含む層2606及び第2の偏光子を含む層2626はパラレルニコルからずれるように配置される本発明において、一対の積層された互いに吸収軸の消衰係数が異なる偏光子を含む層のうち、いずれか一方、好ましくは視認側において積層された偏光子を含む層がずれていることを特徴とする。その結果、コントラスト比を高めることができる。
積層された第3の偏光子を含む層2607及び第4の偏光子を含む層2627や積層された第1の偏光子を含む層2606及び第2の偏光子を含む層2626は、TFT基板2600、対向基板2601に接着されている。また積層された偏光子を含む層と、基板との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。
液晶表示モジュールには、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence、あるいはOptically Compensated Bendともいう)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
図18(B)は図18(A)の液晶表示モジュールにOCBモードを適用した一例であり、FS−LCD(Field sequential−LCD)となっている。FS−LCDは、1フレーム期間に赤色発光と緑色発光と青色発光をそれぞれ行うものであり、時間分割を用いて画像を合成しカラー表示を行うことが可能である。また、各発光を発光ダイオードまたは冷陰極管等で行うので、カラーフィルタが不要である。よって、3原色のカラーフィルタを並べ、各色の表示領域を限定する必要がなく、どの領域でも3色全ての表示を行うことができるため、同じ面積で9倍の画素を表示できる。一方、1フレーム期間に3色の発光を行うため、液晶の高速な応答が求められる。本発明の表示装置に、FS方式、FLCモード、及びOCBモードを適用し、高性能で高画質な表示装置、また液晶テレビジョン装置を完成させることができる。
OCBモードの液晶層は、いわゆるπセル構造を有している。πセル構造とは、液晶分子のプレチルト角がアクティブマトリクス基板と対向基板との基板間の中心面に対して面対称の関係で配向された構造である。πセル構造の配向状態は、基板間に電圧が印加されていない時はスプレイ配向となり、電圧を印加するとベンド配向に移行する。さらに電圧を印加するとベンド配向の液晶分子が両基板と垂直に配向し、光が透過しない状態となる。なお、OCBモードにすると、従来のTNモードより約10倍速い高速応答性を実現できる。
また、FS方式に対応するモードとして、高速動作が可能な強誘電性液晶(FLC:Ferroelectric Liquid Crystal)を用いたHV−FLC、SS−FLCなども用いることができる。OCBモードは粘度の比較的低いネマチック液晶が用いられ、HV−FLC、SS−FLCには、スメクチック液晶が用いられるが、液晶材料としては、FLC、ネマチック液晶、スメクチック液晶などの材料を用いることができる。
また、液晶表示モジュールの高速光学応答速度は、液晶表示モジュールのセルギャップを狭くすることで高速化する。また液晶材料の粘度を下げることでも高速化できる。上記高速化は、TNモードの液晶表示モジュールの画素領域の画素、またはドットピッチが30μm以下の場合に、より効果的である。
図18(B)の液晶表示モジュールは透過型の液晶表示モジュールを示しており、光源として赤色光源2910a、緑色光源2910b、青色光源2910cが設けられている。光源は赤色光源2910a、緑色光源2910b、青色光源2910cのそれぞれオンオフを制御するために、制御部2912が設置されている。制御部2912によって、各色の発光は制御され、液晶に光は入射し、時間分割を用いて画像を合成し、カラー表示が行われる。
このように消衰係数の異なる偏光子同士の吸収軸がパラレルニコルからずれるように偏光子を含む層を積層することにより、吸収軸方向の光漏れを低減することができる。このため表示装置のコントラスト比を高めることができる。よって、高性能及び高画質の表示装置を作製することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態とそれぞれ組み合わせて用いることが可能である。
(実施の形態12)
本実施の形態を図23を用いて説明する。図23、本発明を適用して作製されるTFT基板である基板813を用いて表示装置を構成する一例を示している。
図23は、基板813、TFT等を含む画素部814、液晶層815、対向基板816、第1の偏光子を含む層817、第2の偏光子を含む層818、第3の偏光子を含む層811、第4の偏光子を含む層812、スリット(格子)850、駆動回路819、及びFPC837を含む表示装置部801と、光源831、ランプリフレクタ832、反射板834、導光板835、拡散板836を含むバックライトユニット802を示す。
図23に示す本発明の表示装置は、眼鏡など特別な装備を使わずに3次元表示を行うことができる。バックライトユニット側に配置された開口部を有するスリット850は、光源より入射された光をストライプ状にして透過し、表示装置部801へ入射させる。このスリット850によって、視認側にいる視認者の両目に視差を作ることができ、視認者は右目では右目用の画素だけを、左目では左目用の画素だけを同時に見ることになる。よって、視認者は、3次元表示を見ることができる。つまり、表示装置部801において、スリット850によって特定の視野角を与えられた光が右目用画像及び左目用画像のそれぞれに対応する画素を通過することで、右目用画像と左目用画像とが異なる視野角に分離され、3次元表示が行われる。
基板813と光源であるバックライトの間には第3の偏光子を含む層811及び第4の偏光子を含む層812が積層して設けられ、対向基板816にも第1の偏光子を含む層817及び第2の偏光子を含む層818が積層して設けられている。バックライト側に設けられた互いに吸収軸の消衰係数が異なる第3の偏光子を含む層811及び第4の偏光子を含む層812はパラレルニコルとなるように配置され、視認側に設けられた互いに吸収軸の消衰係数が異なる第1の偏光子を含む層817及び第2の偏光子を含む層818はパラレルニコルからずれるように配置される本発明において、一対の積層された消衰係数の異なる偏光子を含む層のうち、いずれか一方、好ましくは視認側において積層された偏光子がずれていることを特徴とする。その結果、わずかな光漏れも防止でき、コントラスト比を高めることができる。
本発明の表示装置を用いて、テレビジョン装置、携帯電話などの電子機器を作製すれば、3次元表示を行うことができる高機能でかつ高画質の電子機器を提供することができる。
(実施の形態13)
本発明によって形成される表示装置によって、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)を完成させることができる。図20はテレビジョン装置の主要な構成を示すブロック図を示している。表示パネルには、図16(A)で示すような構成として画素部701のみが形成されて走査線側駆動回路703と信号線側駆動回路702とが、図17(B)のようなTAB方式により実装される場合と、図17(A)のようなCOG方式により実装される場合と、図16(B)に示すようにTFTを形成し、画素部701と走査線側駆動回路703を基板上に一体形成し信号線側駆動回路702を別途ドライバICとして実装する場合、また図17(C)で示すように画素部701と信号線側駆動回路702と走査線側駆動回路703を基板上に一体形成する場合などがあるが、どのような形態としても良い。
その他の外部回路の構成として、映像信号の入力側では、チューナ704で受信した信号のうち、映像信号を増幅する映像信号増幅回路705と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路706と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路707などからなっている。コントロール回路707は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路708を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ704で受信した信号のうち、音声信号は、音声信号増幅回路709に送られ、その出力は音声信号処理回路710を経てスピーカー713に供給される。制御回路711は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部712から受け、チューナ704や音声信号処理回路710に信号を送出する。
これらの液晶表示モジュールを、図21(A)、(B)、(C)に示すように、筐体に組みこんで、テレビジョン装置を完成させることができる。図18(A)、図18(B)のような液晶表示モジュールを用いると、液晶テレビジョン装置を完成することができる。また、実施の形態11のような3次元表示機能を有する表示装置を用いると、3次元表示を行うことができるテレビジョン装置を作製することができる。表示モジュールにより主画面2003が形成され、その他付属設備としてスピーカー部2009、操作スイッチなどが備えられている。このように、本発明によりテレビジョン装置を完成させることができる。
筐体2001に表示用パネル2002が組みこまれ、受信機2005により一般のテレビ放送の受信をはじめ、モデム2004を介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、又は受信者間同士)の情報通信をすることもできる。テレビジョン装置の操作は、筐体に組みこまれたスイッチ又は別体のリモコン装置2006により行うことが可能であり、このリモコン装置にも出力する情報を表示する表示部2007が設けられていても良い。
また、テレビジョン装置にも、主画面2003の他にサブ画面2008を第2の表示用パネルで形成し、チャネルや音量などを表示する構成が付加されていても良い。この構成において、主画面2003及びサブ画面2008を本発明の液晶表示用パネルで形成することができし、主画面2003を視野角の優れたEL表示用パネルで形成し、サブ画面を低消費電力で表示可能な液晶表示用パネルで形成しても良い。また、低消費電力化を優先させるためには、主画面2003を液晶表示用パネルで形成し、サブ画面をEL表示用パネルで形成し、サブ画面は点滅可能とする構成としても良い。本発明を用いると、このような大型基板を用いて、多くのTFTや電子部品を用いても、信頼性の高い表示装置とすることができる。
図21(B)は例えば20〜80インチの大型の表示部を有するテレビジョン装置であり、筐体2010、操作部であるキーボード部2012、表示部2011、スピーカー部2013等を含む。本発明は、表示部2011の作製に適用される。図21(B)の表示部は、わん曲可能な物質を用いているので、表示部がわん曲したテレビジョン装置となっている。このように表示部の形状を自由に設計することができるので、所望な形状のテレビジョン装置を作製することができる。
図21(C)は例えば20〜80インチの大型の表示部を有するテレビジョン装置であり、筐体2030、表示部2031、操作部であるリモコン装置2032、スピーカー部2033等を含む。本発明は、表示部2031の作製に適用される。図21(B)のテレビジョン装置は、壁かけ型となっており、設置するスペースを広く必要としない。
また、液晶の複屈折は温度によって変化するため、液晶を通過する光の偏光状態が変わり、視認側偏光子からの光漏れ具合が変わる。その結果、液晶の温度に依存して、コントラスト比に変動が生じる。よって、一定のコントラスト比を保つように駆動電圧を制御することが望ましい。駆動電圧を制御するためには、表示装置において、透過率を検出する素子を配置し、検出結果に基づき、駆動電圧を制御すればよい。透過率を検出する素子としては、ICチップから構成されたフォトセンサを用いることができる。また表示装置において、温度を検出する素子を配置し、検出結果、及び液晶素子の温度に対するコントラスト比の変動に基づき、駆動電圧を制御すればよい。温度を検出する素子としては、ICチップから構成された温度センサを用いることができる。このとき、透過率を検出する素子や温度を検出する素子は、表示装置の筐体部に隠れるように配置するとよい。
例えば、図21(A)乃至(C)で示すテレビジョン装置に搭載する本発明の表示装置の液晶表示素子近くに温度を検出する素子を配置し、液晶の温度変化の情報を駆動電圧を制御する回路にフィードバックすればよい。透過率を検出する素子は視認側により近い方がよいため、表示画面の表面に配置し、筐体に覆われるようにすればよい。そして検出される透過率の変化の情報を温度と同様に、駆動電圧を制御する回路にフィードバックすればよい。
本発明は、積層する消衰係数の異なる偏光子の吸収軸をずらすことによって、微細なコントラスト比の調整を行うことができるため、液晶の温度に対するわずかなコントラスト比のずれにも対応でき、最適なコントラスト比とすることができる。よって、本発明の表示装置の使用される状況下(室内、室外、気候など)によって、あらかじめ最適なコントラスト比になるように、消衰係数の異なる偏光子同士をずらして積層し、高性能及び高画質な表示を行うテレビジョン装置や電子機器を提供することができる。
勿論、本発明はテレビジョン装置に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
(実施の形態14)
本発明に係る電子機器として、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話装置(単に携帯電話機、携帯電話ともよぶ)、PDA等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コンピュータ用のモニター、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その具体例について、図22を参照して説明する。
図22(A)に示す携帯情報端末機器は、本体9201、表示部9202等を含んでいる。表示部9202は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高い携帯情報端末機器を提供することができる。
図22(B)に示すデジタルビデオカメラは、表示部9701、表示部9702等を含んでいる。表示部9701は本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高いデジタルビデオカメラを提供することができる。
図22(C)に示す携帯電話機は、本体9101、表示部9102等を含んでいる。表示部9102は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高い携帯電話機を提供することができる。
図22(D)に示す携帯型のテレビジョン装置は、本体9301、表示部9302等を含んでいる。表示部9302は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高い携帯型のテレビジョン装置を提供することができる。またテレビジョン装置としては、携帯電話機などの携帯端末に搭載する小型のものから、持ち運びをすることができる中型のもの、また、大型のもの(例えば40インチ以上)まで、幅広いものに、本発明の表示装置を適用することができる。
図22(E)に示す携帯型のコンピュータは、本体9401、表示部9402等を含んでいる。表示部9402は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、コントラスト比の高い携帯型のコンピュータを提供することができる。
このように、本発明の表示装置により、コントラスト比の高い電子機器を提供することができる。