以下、添付図面に従って本発明に係る複眼撮像装置、撮像方法及びプログラムを実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る複眼デジタルカメラ1の電気的な構成を示すブロック図である。複眼デジタルカメラ1は、複数(図1では二つを例示)の撮像系を備えた複眼デジタルカメラ1であって、平面画像と、視差画像(立体画像、パノラマ画像など)とが撮影可能であり、また、動画、静止画、音声の記録再生が可能である。また、動画、静止画どちらにおいても、平面画像のみでなく、視差画像の撮影も可能である。
複眼デジタルカメラ1は、主として、撮像系(1)10Aと、撮像系(2)10Bと、操作部12と、フラッシュ14と、画像表示装置16と、記録メディア18と、メインCPU110と、ROM112と、EEPROM114と、SDRAM116と、VRAM118と、画像入力コントローラ120と、画像信号処理回路122と、圧縮伸張処理回路124と、AF検出回路126と、AE/AWB検出回路128と、レンズ位置センサ130と、測光・測距CPU132と、ビデオエンコーダ136と、メディアコントローラ138とで構成される。
右目用の画像を結像する撮像系(1)10A及び左目用の画像を結像する撮像系(2)10Bは、そのレンズ光軸が平行となるように、あるいは所定角度をなすように並設されている。撮像系(1)10A及び撮像系(2)10Bの動作はそれぞれメインCPU110によって制御される。撮像系(1)10Aと撮像系(2)10Bとは、視差画像を撮影する場合は基本的に連動して動作を行うが、各々個別に動作させることも可能となっている。
撮像系(1)10Aは、主として、レンズユニット(1)20aと、撮像素子(1)24aと、タイミングジェネレータTG25aと、アナログ信号処理手段26aと、A/D変換器27aと、フォーカスモータ31aと、ズームモータ32aと、アイリスモータ33aと、フォーカスモータドライバ34aと、ズームモータドライバ35aと、アイリスモータドライバ36aとで構成される。撮像系(2)10Bは、主として、レンズユニット(2)20bと、撮像素子(2)24bと、TG25bと、アナログ信号処理手段26bと、A/D変換器27bと、フォーカスモータ31bと、ズームモータ32bと、アイリスモータ33bと、フォーカスモータドライバ34bと、ズームモータドライバ35bと、アイリスモータドライバ36bとで構成される。
レンズユニット(1)20a及びレンズユニット(2)20bは、それぞれフォーカスレンズ21a、21b及びズームレンズ22a、22bを含む撮像レンズと、絞り兼用メカシャッタ23a、23bとを含む光学ユニットである。撮像レンズのフォーカシングは、フォーカスレンズ21a、21bをフォーカスモータ31a、31bによってそれぞれ移動させることにより行われ、ズーミングは、ズームレンズ22a、22bをズームモータ32a、32bによってそれぞれ移動させることにより行われる。フォーカスモータ31a、31bとズームモータ32a、32bは、それぞれフォーカスモータドライバ34a、34bとズームモータドライバ35a、35bにより駆動制御される。測光・測距CPU132は、メインCPU110からのフォーカス指令及びズーム指令に従って、フォーカスモータドライバ34a、34bとズームモータドライバ35a、35bに制御信号を出力し、フォーカスレンズ21a、21bのフォーカス位置及びズームレンズ22a、22bのズーム位置を制御する。
絞り23a、23bは、いわゆるターレット型絞りで構成されており、例えば、F2.8からF8の絞り孔が穿孔されたターレット板を回転させて絞り値(F値)を変化させる。この絞り23a、23bの駆動はそれぞれアイリスモータ33a、33bによって行われる。アイリスモータ33a、33bはアイリスモータドライバ36a、36bにより駆動制御される。測光・測距CPU132は、メインCPU110からの指令に従って、アイリスモータドライバ36a、36bに制御信号を出力し、絞り値を制御する。
撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bは、CCD型やCMOS型のイメージセンサであり、レンズユニット(1)20a及びレンズユニット(2)20bによって結像された被写体光を受光し、受光素子に受光量に応じた光電荷を蓄積する。撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bの動作は、TG25a、25bにより制御される。
TG25a、25bは、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bの光電荷蓄積・転送動作を制御する。また、TG25a、25bから入力されるタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッター速度(光電荷蓄積時間)が決定される。撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bは、撮影モード時には、1画面分の画像信号を所定周期ごとに取得する。撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bから出力された撮像信号は、それぞれアナログ信号処理手段26a、26bに入力される。
アナログ信号処理手段(CDS/AMP)26a、26bは、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bから出力された画像信号に対してそれぞれ相関二重サンプリング処理(撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理)を行い、増幅して出力する。
A/D変換器27a、27bは、入力された画像データをアナログからデジタルに変換する。A/D変換器27a、27bを通して、撮像素子(1)24aの撮像信号は右眼用画像データとして、撮像素子(2)24bの撮像信号は左眼用画像データとして出力される。
操作部12は、モードダイヤル、レリーズスイッチ、電源ボタン、ズームボタン、BACKボタン、MENU/OKボタン、DISPボタン、BACKボタン、十字ボタン等で構成される。
モードダイヤルは、複眼デジタルカメラ1の再生モードと撮影モードとを切り替える切り替え手段として機能し、「再生位置」と「撮影位置」の間を回転自在に設けられている。複眼デジタルカメラ1は、このモードダイヤルを「再生位置」に位置させると、再生モードに設定され、「撮影位置」に位置させると、撮影モードに設定される。また、モードダイヤルは、各種モード(撮影モード、再生モード、消去モード、編集モード等)の切り替え、オート撮影やマニュアル撮影等の撮影モードの設定に用いられる。
レリーズスイッチは、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる二段ストローク式のスイッチで構成されている。複眼デジタルカメラ1は、静止画撮影時(例えば、モードダイヤルで静止画撮影モード選択時、又はメニューから静止画撮影モード選択時)、このレリーズスイッチを半押しすると撮影準備処理、すなわち、AE(Automatic Exposure:自動露出)、AF(Auto Focus:自動焦点合わせ)、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス)の各処理を行い、全押しすると、画像の撮影・記録処理を行う。また、動画撮影時(例えば、モードダイヤルで動画撮影モード選択時、又はメニューから動画撮影モード選択時)には、このレリーズスイッチを全押しすると、動画の撮影を開始し、再度全押しすると、撮影を終了する。なお、設定により、レリーズスイッチを全押している間、動画の撮影を行い、全押しを解除すると、撮影を終了するようにすることもできる。なお、静止画撮影専用のシャッタボタン及び動画撮影専用のシャッタボタンを設けるようにしてもよい。
電源ボタンは、複眼デジタルカメラ1の電源スイッチとして機能し、電源ボタンを押下することにより、電源がON/OFFされる。
ズームボタンは、レンズユニット(1)20a及びレンズユニット(2)20bのズーム操作に用いられ、望遠側へのズームを指示するズームテレボタンと、広角側へのズームを指示するズームワイドボタンとで構成されている。
MENU/OKボタンは、メニュー画面の呼び出し(MENU機能)に用いられるとともに、選択内容の確定、処理の実行指示等(OK機能)に用いられ、複眼デジタルカメラ1の設定状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。メニュー画面では、たとえば露出値、色合い、ISO感度、記録画素数などの画質調整やセルフタイマの設定、測光方式の切り替え、デジタルズームを使用するか否かなど、複眼デジタルカメラ1が持つ全ての調整項目の設定が行われる。複眼デジタルカメラ1は、このメニュー画面で設定された条件に応じて動作する。
DISPボタンは、画像表示装置16の表示内容の切り替え指示等の入力に用いられ、BACKボタンは入力操作のキャンセル等の指示の入力に用いられる。
十字ボタンは、各種のメニューの設定や選択あるいはズームを行うためのボタンであり、上下左右4方向に押圧操作可能に設けられており、各方向のボタンには、カメラの設定状態に応じた機能が割り当てられる。たとえば、撮影時には、左ボタンにマクロ機能のON/OFFを切り替える機能が割り当てられ、右ボタンにストロボモードを切り替える機能が割り当てられる。また、上ボタンに画像表示装置16の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンにセルフタイマのON/OFFを切り替える機能が割り当てられる。また、再生時には、右ボタンにコマ送りの機能が割り当てられ、左ボタンにコマ戻しの機能が割り当てられる。また、上ボタンに画像表示装置16の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンに再生中の画像を削除する機能が割り当てられる。また、各種設定時には、画像表示装置16に表示されたカーソルを各ボタンの方向に移動させる機能が割り当てられる。
フラッシュ14は、主として、発光部と、フラッシュ制御回路とで構成される。発光部は、例えば、放電管(キセノン管)により構成され、暗い被写体を撮影する場合や逆光時等に必要に応じて発光される。フラッシュ制御回路は、発光部を発光させるための電流を供給するためのメインコンデンサを含んでおり、メインCPU110又は測光・測距CPU132からのフラッシュ発光指令に従ってメインコンデンサの充電制御、フラッシュ14の放電(発光)のタイミング及び放電時間(発光時間)の制御等を行う。
画像表示装置16は、4:3の一般的なアスペクト比を有し、カラー表示が可能な液晶ディスプレイで構成されている。この画像表示装置16は、再生モード時に撮影済み画像を表示するための画像表示パネルとして利用されるとともに、各種設定操作を行なう際の撮影者インターフェース表示パネルとして利用される。また、撮影モード時には、必要に応じて撮影確認用画像が表示されて、画角確認用の電子ファインダとして利用される。複眼モードの場合には、撮像系(1)10Aにより撮影された画像が右側に、撮像系(2)10Bにより撮影された画像が左側に並べて表示される。また、画像表示装置16が立体視に対応している場合(例えば、レンチキュラー方式、パララックスバリア方式)は、その表示装置に応じた表示方法を行う。
メインCPU110は、複眼デジタルカメラ1の全体の動作を統括制御する制御手段として機能するとともに、各種の演算処理を行う演算手段として機能し、操作部12等からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って複眼デジタルカメラ1の各部を制御する。
ROM112には、メインCPU110が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されている。
EEPROM114には、CCD画素欠陥情報、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納されている
SDRAM116は、プログラムの展開領域及びメインCPU110の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。
VRAM118は、メインCPU110の作業用領域として利用されるとともに、画像データの一時記憶領域として利用される。なお、SDRAM116とVRAM24は共用することが可能である。
画像入力コントローラ120は、所定容量のラインバッファを内蔵しており、メインCPU110からの指令に従い、A/D変換器27a、27bから出力された画像信号を蓄積して、1画像分の画像をVRAM118に記録する。
画像信号処理回路122は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して各色信号の位相を合わせる処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含み、メインCPU110からの指令に従い、A/D変換器27a、27bから入力された右眼用画像データ及び左眼用画像データに所要の信号処理を施して、輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr,Cbデータ)とからなる画像データ(YCデータ)を生成し、表示用のビデオエンコーダ136に出力する。撮影モード時に電子ビューファインダとして使用される際には、生成された画像データが、ビデオエンコーダ136を介して画像表示装置16に撮影確認用画像として表示される。画像表示装置の入力仕様がデジタル信号などの場合は、ビデオエンコーダ136は不要であるが、画像表示装置の入力仕様に合わせて画像データを入力する。
また、画像信号処理回路122は、撮像素子(1)24aにより撮影された右眼用画像データ及び撮像素子(2)24bにより撮影された左眼用画像データのYC信号を、所定方式の映像信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号あるいはデジタル出力)に変換した上で、外部の立体画像表示装置等において立体表示を行うための立体画像データに合成する。
圧縮伸張処理回路124は、メインCPU110からの指令に従い、入力された画像データに所定形式の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、圧縮伸張処理回路124は、VRAM118に記憶された右眼用画像データ及び左眼用画像データに対して、例えば静止画ではJPEG、動画ではMPEG2、MPEG4、H.264方式等の所定の圧縮形式に従って圧縮処理を施す。ただし、圧縮方式はこれらに限るものではない。
圧縮伸張処理回路124は、静止画の2次元画像のデータをExifファイル等の所定のフォーマットの画像ファイル(画像ファイルについては後に詳述する)として記録メディア18に格納する。Exifファイルは、主画像のデータを格納する領域と、縮小画像(サムネイル画像)のデータを格納する領域とを有している。撮影によって取得された主画像のデータから画素の間引き処理その他の必要なデータ処理を経て、規定サイズ(例えば、160×120又は80×60ピクセルなど)のサムネイル画像が生成される。こうして生成されたサムネイル画像は、主画像とともにExifファイル内に書き込まれる。また、Exifファイルには、撮影日時、撮影条件、顔検出情報等のタグ情報が付属されている。
AF検出回路126は、主として、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面内(例えば、画面中央部)にあらかじめ設定されているフォーカス対象エリア内の信号を取り出すAFエリア抽出部及びAFエリア内の絶対値データを積算する積算部から構成され、撮影スタンバイ状態時にレリーズスイッチが半押しされると、メインCPU110からの指令に従い入力された画像信号からAF制御に必要な物理量を算出する。本実施の形態の複眼デジタルカメラ1では、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bから得られる画像信号のG信号の高周波成分が極大になるようにフォーカスモータ31a,31bを移動させるコントラストAFが行われる。AF検出回路126は、入力された画像信号から画像の鮮鋭度を示す焦点評価値を算出する。メインCPU110は、このAF検出回路126で算出される焦点評価値が極大となる位置を検出し、その位置にフォーカスレンズ群を移動させる。すなわち、フォーカスレンズ群を至近から無限遠まで所定のステップで移動させ、各位置で焦点評価値を取得し、得られた焦点評価値が最大の位置を合焦位置として、その位置にフォーカスレンズ群を移動させる。
AE/AWB検出回路128は、撮影スタンバイ状態時にレリーズスイッチが半押しされると、メインCPU110からの指令に従い、入力された画像信号からAE制御及びAWB制御に必要な物理量を算出する。たとえば、AE制御に必要な物理量として、1画面を複数のエリア(たとえば16×16)に分割し、分割したエリアごとにR、G、Bの画像信号の積算値を算出する。メインCPU110は、このAE/AWB検出回路128から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。そして、算出した撮影EV値と所定のプログラム線図から絞り値とシャッター速度を決定する。
また、AE/AWB検出回路128は、AWB制御に必要な物理量として、1画面を複数のエリア(例えば、16×16)に分割し、分割したエリアごとにR、G、Bの画像信号の色別の平均積算値を算出する。メインCPU110は、得られたRの積算値、Bの積算値、Gの積算値から分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、求めたR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行う。そして、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、たとえば各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、ホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス調整値)を決定する。
レンズ位置センサ130は、フォーカス位置センサ及びズーム位置センサを含むブロックである。フォーカスレンズ21a、21bのフォーカス位置及びズームレンズ22a、22bのズーム位置は、レンズ位置センサ130によって検出される。レンズ位置センサ130によって検出されたフォーカス位置及びズーム位置の情報は、測光・測距CPU132を経由してメインCPU110に送信され、EEPROM114に書き込まれる。
なお、上記の光学ズームに代えて、又はこれと併用して、電子ズーム(デジタルズーム)機能によるズーム操作も可能である。電子ズーム機能は、画像処理技術によって画像信号を電子的に処理することにより拡大画像を得る機能である。本実施形態のカメラ10は、選択される記録画素数モードに応じて、画質劣化が生じない範囲で電子ズームによる倍率変更が可能となっている。記録済みの画像を再生表示する場合においても、電子ズーム機能を活用することができる。再生時の電子ズーム操作では、ズーム倍率の変更のみならず、拡大表示させる表示位置を変更できる。電子ズーム機能によるズーム倍率や表示位置の情報なども、測光・測距CPU132を経由してメインCPU110に送信され、EEPROM114に記録される。
測光・測距CPU132は、メインCPU110と連携して撮像部を制御する制御部である。なお、図1では、2つのCPU(メインCPU110、測光・測距CPU132)を搭載した構成を例示したが、本発明の実施に際しては1つのCPUで実現する態様も可能である。
ビデオエンコーダ136は、画像信号処理回路122から出力されたRGB信号を画像表示装置16に出力する。
メディアコントローラ138は、圧縮伸張処理回路124によって圧縮処理された各画像データを、メディアコントローラ138経由で接続された記録メディア18やその他の記録メディアに記録させる。記録メディア18は、複眼デジタルカメラ1に着脱自在なxDピクチャカード(登録商標)、スマートメディア(登録商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、種々の記録媒体である。
また、複眼デジタルカメラ1には、電源電池(図示せず)が着脱可能に設けられている。電源電池は、充電可能な二次電池、例えばニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池で構成される。電源電池は使い切り型の一次電池、例えばリチウム電池、アルカリ電池で構成してもよい。電源電池は、図示しない電池収納室に装填することにより、複眼デジタルカメラ1の各手段と電気的に接続される。
次に、上記のように構成された複眼デジタルカメラ1の撮影及び記録の各動作について説明する。撮影及び記録の各動作の処理は、主としてメインCPU110で行われる。以下、静止画の撮影、記録を例に説明する。
電源ボタンを押下し、複眼デジタルカメラ1の電源を投入すると、複眼デジタルカメラ1は、撮影モードの下で起動し、メインCPU110は単眼モードと複眼モードとのどちらの撮影モードに設定されているかを判断する。
単眼モードに設定されている場合には、メインCPU110は、一方の撮像系、例えば撮像系(1)10Aを選択する。そして、撮像系(1)10Aの撮像素子(1)24aによって撮影確認用画像の撮影を開始する。複眼モードに設定されている場合には、メインCPU110は、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bによって撮影確認用画像の撮影を開始する。すなわち、単眼モードの場合は撮像素子(1)24a、複眼モードの場合は撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bで連続的に画像が撮像され、その画像信号が連続的に処理されて、撮影確認用画像の画像データが生成される。メインCPU110は、生成した画像データを順次ビデオエンコーダ136に加え、ビデオエンコーダ136は画像データを表示用の信号形式に変換し、画像表示装置16に出力する。なお、複眼モードの場合においては、必ずしも撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bで撮影確認用画像の撮影を行う必要はなく、所望の一方の撮像系(例えば撮像素子(1)24a)のみで撮影確認用画像の撮影を行うようにしても良い。
メインCPU110は、シャッタボタンが半押しされたか、すなわちメインCPU110にS1ON信号が入力されたかを判断する。S1ON信号が入力されると、メインCPU110は、このS1ON信号に応動して、撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する。
メインCPU110は、単眼モードの場合は撮像素子(1)24a、複眼モードの場合は撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bから出力された画像信号をA/D変換後に画像入力コントローラ120を介してAF検出回路126並びにAE/AWB検出回路128に入力する。
AE/AWB検出回路128は、1画面を複数の分割エリア(例えば、8×8又は16×16)に分割し、この分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をメインCPU110に提供する。
メインCPU110は、AE/AWB検出回路128から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮像に適した露出値(撮像EV値)を算出し、求めた露出値と所定のプログラム線図に従って、絞り値とシャッタースピードを決定する。
更に、メインCPU110は、AE演算の結果に基づいて、測光・測距CPU132にコマンドを送る。測光・測距CPU132は、上記AE演算の結果に基づいて、絞り23a、23bが適正な絞り値になるように、アイリスモータドライバ36a、36bを制御する。
また、AE/AWB検出回路128は、自動ホワイトバランス調整時に、分割エリアごとにR、G、B信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をメインCPU110に提供する。メインCPU110は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、これらR/G、B/Gの値のR/G、B/G軸座標の色空間における分布等に基づいて光源種判別を行い、判別された光源種に応じてホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランスゲイン)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。
AF検出回路126は、積算値を算出し、結果をメインCPU110に通知する。メインCPU110は、測光・測距CPU132にコマンドを送信して、フォーカスモータドライバ50Bを制御してフォーカスレンズ50を移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、メインCPU110は、AF演算の結果に基づいて、測光・測距CPU132にコマンドを送る。測光・測距CPU132は、上記AF演算の結果に基づいて、合焦位置にフォーカスレンズ50を移動させるようにフォーカスモータドライバ50Bを制御する。ここで、AF評価値の演算はG信号を利用する態様に限らず、輝度信号(Y信号)を利用してもよい。なお、AF処理後にS2オンとなる前に、レリーズボタンの押下が解除されると、AF処理後のフォーカス位置が維持される。
メインCPU110は、シャッタボタンが全押しされたか、すなわちメインCPU110にS2ON信号が入力されたかを判断する。S2ON信号が入力されると、メインCPU110は、このS2ON信号に応動して、撮影処理を実行する。
メインCPU110は測光・測距CPU132に指示を出し、測光・測距CPU132は、上記AE演算の結果に基づいてTG25a、25bを制御し、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bの電子シャッターを制御し、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bを露光する。この時、メインCPU110は、必要に応じて測光・測距CPU132を介してフラッシュ制御回路を制御し、被写体の明るさに応じた時間だけフラッシュ14を発光させる。これにより、単眼モードの場合は平面画像、複眼モードの場合は視差画像が適正な露光量で撮影される。
複眼モードに設定されている場合には、視差画像の撮影のみでなく、スローシンクロ2枚撮りが可能である。ここで、スローシンクロ2枚撮りとは、1つの撮像素子ではノーマルフラッシュ撮影を行い、他の撮像素子ではスローシンクロフラッシュ撮影を行うもので、ノーマルフラッシュ撮影とスローシンクロフラッシュ撮影の露光時間が重なるものをいう。以下、本発明のスローシンクロ2枚撮りの撮影処理について説明する。以下の実施の形態は、撮像素子(1)24aでノーマルフラッシュ撮影を行い、撮像素子(2)24bでスローシンクロフラッシュ撮影を行う場合を例に説明する。
<スローシンクロ2枚撮りの第1の形態>
スローシンクロ2枚撮りの第1の形態は、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bの露光を同時に開始する形態である。図2は、スローシンクロ2枚撮りの第1の形態の撮影処理の流れを示すフローチャートである。
メインCPU110は、シャッタボタンが半押しされたか、すなわちメインCPU110にS1ON信号が入力されたかを判断する(ステップS1)。S1ON信号が入力されない場合(ステップS1でNO)には、再度ステップS1を行う。
S1ON信号が入力された場合(ステップS1でYES)には、メインCPU110は、このS1ON信号に応動して、撮像素子(1)24aの撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する(ステップS2)。AE、AF、AWBの各処理については、通常の撮影処理の場合と同じであるため、説明を省略する。
メインCPU110は、ステップS2で求められたAEの結果を用いて撮像素子(1)24aの露出を決定する(ステップS3)。撮像素子(1)24aの撮影感度は、初期設定、メインCPU110による自動設定、撮影者が操作部を操作すること等により設定される。撮像素子(1)24aはノーマルフラッシュ撮影用であるため、本実施の形態では、メインCPU110は、ノーマルフラッシュ撮影に最適な露光時間を撮像素子(1)24aの露光時間として設定する。そして、メインCPU110は、この撮影感度及び露光時間の場合に最適な露出となるように絞り兼用メカシャッタ23aのF値を決定する。
また、S1ON信号が入力された場合(ステップS1でYES)には、メインCPU110は、このS1ON信号に応動して、ステップS2と同様の方法により撮像素子(2)24bのAE、AF、AWBの各処理を実行し(ステップS4)、撮像素子(2)24bの露出を決定する(ステップS5)。撮像素子(2)24bの撮影感度は、初期設定、メインCPU110による自動設定、撮影者が操作部を操作すること等により設定される。撮像素子(2)24bはスローシンクロ撮影用であるため、本実施の形態では、メインCPU110は、スローシンクロ撮影用として像ブレが発生する時間、すなわち一般的に言われている1/[焦点距離mm](秒)より長い時間を撮像素子(1)24aの露光時間として設定する。例えば、焦点距離が200mmのレンズである場合には、1/200秒より長い時間を撮像素子(1)24aの露光時間として設定する。
そして、メインCPU110は、この撮影感度及び露光時間の場合に最適な露出となるように絞り兼用メカシャッタ23bのF値を決定する。なお、ステップS4、S5の処理は、ステップS2、S3の処理と同時に行われる。
露光制御(ステップS2〜S5)が終了したら、メインCPU110は、シャッタボタンが全押しされたか、すなわちメインCPU110にS2ON信号が入力されたかを判断する(ステップS6)。S2ON信号が入力されない場合(ステップS6でNO)には、再度ステップS6を行う。
S2ON信号が入力された場合(ステップS6でYES)には、図3に示すフラッシュ発光(発光タイミング及び発光時間)及び露光(露光タイミング及び露光時間)のタイミングチャートに示すように、本撮影の前に赤目発光と、調光露光(フラッシュ調光用の非発光画像の露光及びプリ発光画像の露光)とを実施する(ステップS7〜S9)。ステップS7〜S9は、一方の撮像素子(本実施の形態では、撮像素子(1)24a)についてのみ行う。
まず、赤目を防止するための赤目発光を行う(ステップS7)。即ち、メインCPU110は測光・測距CPU132に指示を出し、測光・測距CPU132はフラッシュ制御回路にコマンドを送り、フラッシュ制御回路を動作させ、フラッシュ制御回路は、フラッシュ14を所定の期間発光することにより赤目発光を行う。なお、赤目発光(ステップS7)は必ず行う必要はなく、S2ON信号が入力されたら、次に説明するフラッシュ調光用の非発光画像の露光(ステップS8)を行うようにしても良い。
次に、フラッシュ14を発光させず、非発光画像を取り込む非発光露光を行う(ステップS8)。即ち、メインCPU110は、撮像素子(1)24aの感度を所定の感度に設定し、予め設定された所定の露光時間で撮像素子(1)24aを露光することで非発光画像を取り込む。これにより、外光の明るさを把握することができる。
その後、フラッシュ14をプリ発光させて発光画像を取り込むプリ発光露光を行う(ステップS9)。即ち、メインCPU110は測光・測距CPU132に指示を出し、測光・測距CPU132はフラッシュ制御回路にコマンドを送り、フラッシュ制御回路はフラッシュ14から所定の発光量のプリ発光を行わせる。メインCPU110は、プリ発光と同時に、非発光露光(ステップS8)と同じ感度、同じ露光時間で撮像素子(1)24aを撮像することでプリ発光画像を取り込む。なお、非発光画像(ステップS8)とプリ発光画像(ステップS9)の露光順序は逆でもよい。
メインCPU110は、非発光露光(ステップS8)及びプリ発光露光(ステップS9)の結果に基づいて撮像素子(1)24aの調光演算(ステップS10)を行い、フラッシュ14の適正発光量E1、本発光時間Tを算出する(ステップS11)。例えば、メインCPU110は、非発光画像とプリ発光画像とのそれぞれの輝度値の差分をとり、プリ発光時の発光量が主要被写体に与える輝度値を算出する。そして、ステップS3で決定された露光時間だけ露光することにより取り込める外光を考慮し、算出された輝度値に基づいて主要被写体を目標輝度値で撮影するために必要な発光量を適正発光量E1として算出し、この発光量が発光可能な時間を本発光時間Tとして算出する。
その後、撮像素子(1)24aでフラッシュ撮影を行うと共に、撮像素子(2)24bでスローシンクロフラッシュ撮影を行う(ステップS12〜S16)。
すなわち、メインCPU110は、測光・測距CPU132を介してフラッシュ制御回路にコマンドを送り、フラッシュ制御回路は、フラッシュをONに設定するとともに、フラッシュの発光時間T等を設定する。
メインCPU110は、所定のタイミングで測光・測距CPU132を介してフラッシュ制御回路を動作させ、フラッシュ制御回路はフラッシュ14の発光を開始する。フラッシュ制御回路は、発光開始後、設定した本発光時間Tが経過した後、フラッシュ14の発光を停止する。
メインCPU110は、フラッシュ14の発光開始と共に、予め設定された撮影感度(図3に示す本実施形態に置いてはISO400)で撮像素子(1)24aの露光を開始する(ステップS13)。メインCPU110は、露光開始後、ステップS3で決定された露光時間(図3に示す本実施形態では1/60秒)が経過したら、撮像素子(1)24aでの露光を終了する(ステップS14)。これにより、フラッシュ14の本発光時間Tがすべて撮像素子(1)24aの露光時間と重なるように、撮像素子(1)24aが露光され、撮像素子(1)24aにより取得された画像は適正な露出となる。
メインCPU110は、撮像素子(1)24aの露光開始と同時に、予め設定された撮影感度(図3に示す本実施形態に置いてはISO400)で撮像素子(2)24bの露光を開始する(ステップS15)。メインCPU110は、露光開始後、ステップS5で決定された露光時間(図3に示す本実施形態では1/10秒)が経過したら、撮像素子(2)24bでの露光を終了する(ステップS16)。
これにより、ノーマルフラッシュ撮影とスローシンクロフラッシュ撮影を同時に行うことができる。また、被写体が暗い場合(夜景を背景に人物を撮影する場合等)には、フラッシュ撮影により得られた画像のみでなく、スローシンクロフラッシュ撮影により得られた画像についても適正露光とすることができる。
なお、本実施の形態では、フラッシュ14の発光開始タイミングと、撮像素子(1)24aの露光開始タイミングと、撮像素子(2)24bの露光開始タイミングとが同時であるが、フラッシュ14の本発光時間Tがすべて撮像素子(1)24aの露光時間と重なり、撮像素子(1)24aの露光時間が撮像素子(2)24bの露光時間に全て重なるのであればこれに限らない。例えば、フラッシュ14の発光開始タイミングと撮像素子(1)24aの露光開始タイミングとを、撮像素子(2)24bの露光開始から撮像素子(2)24bの露光時間の略半分が経過したタイミングで行なってもよいし、フラッシュ14の発光終了タイミングと、撮像素子(1)24aの露光終了タイミングと、撮像素子(2)24bの露光終了タイミングとが同時となるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、ステップS3、S5において、撮影感度が予め設定されており、各撮像素子の露光時間に応じて露出を決定したが、最低限露光時間が設定されていればよく、撮影感度は予め設定されていなくてもよい。
<スローシンクロ2枚撮りの第2の形態>
スローシンクロ2枚撮りの第2の形態は、被写体の明るさに応じて撮像素子(2)24bの露光開始を撮像素子(1)24aとの露光開始より遅延させる形態である。図4は、スローシンクロ2枚撮りの第2の形態の撮影処理の流れを示すフローチャートである。スローシンクロ2枚撮りの第1の形態と同一の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
メインCPU110は、シャッタボタンが半押しされたか、すなわちメインCPU110にS1ON信号が入力されたかを判断する(ステップS1)。S1ON信号が入力されない場合(ステップS1でNO)には、再度ステップS1を行う。
S1ON信号が入力された場合(ステップS1でYES)には、メインCPU110は、このS1ON信号に応動して、撮像素子(1)24aの撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する(ステップS2)。メインCPU110は、ステップS2で求められたAEの結果を用いて撮像素子(1)24aの露出を決定する(ステップS3)。
また、S1ON信号が入力された場合(ステップS1でYES)には、メインCPU110は、このS1ON信号に応動して、ステップS2と同様の方法により撮像素子(2)24bのAE、AF、AWBの各処理を実行し(ステップS4)、撮像素子(2)24bの露出を決定する(ステップS5)。
露光制御(ステップS2〜S5)が終了したら、メインCPU110は、シャッタボタンが全押しされたか、すなわちメインCPU110にS2ON信号が入力されたかを判断する(ステップS6)。S2ON信号が入力されない場合(ステップS6でNO)には、再度ステップS6を行う。
S2ON信号が入力された場合(ステップS6でYES)には、図5に示すフラッシュ発光(発光タイミング及び発光時間)及び露光(露光タイミング及び露光時間)のタイミングチャートに示すように、撮像素子(1)24aについて、本撮影の前に赤目発光と、フラッシュ調光用の非発光画像の撮影と、プリ発光画像の撮影とを実施する(ステップS7〜S9)。
メインCPU110は、非発光露光(ステップS8)及びプリ発光露光(ステップS9)の結果に基づいて撮像素子(1)24aの調光演算(ステップS10)を行い、撮像素子(1)24aの露光を行う際の適正発光量E1、本発光時間Tを算出する(ステップS11)。
メインCPU110は、非発光露光(ステップS8)及びプリ発光露光(ステップS9)の結果に基づいて撮像素子(2)24bの調光演算(ステップS17)を行い、撮像素子(2)24bの露光を行う際の適正発光量E2を算出する(ステップS18)。例えば、メインCPU110は、非発光画像とプリ発光画像とのそれぞれの輝度値の差分をとり、プリ発光時の発光量が主要被写体に与える輝度値を算出する。そして、ステップS5で決定された露光時間だけ露光することにより取り込める外光を考慮し、算出された輝度値に基づいて主要被写体を目標輝度値で撮影するために必要な発光量を適正発光量E2として算出する。
撮像素子(1)24aの露光時間より撮像素子(2)24bの露光時間のほうが長いため、適正発光量E1に基づいて決定された本発光時間T全てが撮像素子(2)24bの露光時間に含まれるとすると、撮像素子(2)24bには適正発光量E2以上の光が入射することとなる。そのため、撮像素子(2)24bに適正発光量E2を入射させるためには、フラッシュ14による光の一部が撮像素子(2)24bに入射しないように、撮像素子(2)24bの露光開始タイミングを撮像素子(1)24aの露光開始タイミングから所定の時間だけ遅らせる必要がある。そのため、メインCPU110は、適正発光量E1、E2及び非発光露光(ステップS8)により得られた被写体の明るさに基づいて、この撮像素子(2)24bの露光開始タイミングを遅らせる所定の時間(以下、露光遅延時間dという)を決定する(ステップS19)。
図6は、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bが所定の撮影感度(例えばISO400)である場合に、撮像素子(1)24aの露光時間と、撮像素子(2)24bの露光時間と、露光遅延時間dとの関係を示すグラフである。ROM112には、図6に示すグラフが記憶されている。メインCPU110は、ステップS3及びS5の結果に基づいて、ノーマルフラッシュ撮影の露光時間T1(本実施の形態では、撮像素子(1)24aの露光時間)と、スローシンクロフラッシュ撮影の露光時間T2(本実施の形態では、撮像素子(2)24bの露光時間)との比を算出する。そして、メインCPU110は、ROM112に記憶されたグラフを参照して、算出されたT1/T2の場合における適切な露光遅延時間dを決定する。
全ての撮影条件(露出、本発光時間T、露光遅延時間d等)が決定されたら、図5のタイミングチャートに示すように、撮像素子(1)24aでフラッシュ撮影を行うと共に、撮像素子(2)24bでスローシンクロフラッシュ撮影を行う(ステップS12〜S14、S16、S20)。
すなわち、メインCPU110は、測光・測距CPU132を介してフラッシュ制御回路にコマンドを送り、フラッシュ制御回路は、フラッシュをONに設定するとともに、フラッシュの発光時間T等を設定する。
メインCPU110は、所定のタイミングで測光・測距CPU132を介してフラッシュ制御回路を動作させ、フラッシュ制御回路はフラッシュ14の発光を開始する。フラッシュ制御回路は、発光開始後、設定した本発光時間Tが経過した後、フラッシュ14の発光を停止する。
メインCPU110は、フラッシュ14の発光開始と共に、予め設定された撮影感度(図5に示す本実施形態に置いてはISO400)で撮像素子(1)24aの露光を開始する(ステップS13)。メインCPU110は、露光開始後、ステップS3で決定された露光時間(図5に示す本実施形態では1/60秒)が経過したら、撮像素子(1)24aでの露光を終了する(ステップS14)。
メインCPU110は、フラッシュ14の発光開始タイミング及び撮像素子(1)24aの露光開始タイミングから露光遅延時間dが経過したら、予め設定された撮影感度(図5に示す本実施形態に置いてはISO400)で撮像素子(2)24bの露光を開始する(ステップS20)。メインCPU110は、露光開始後、ステップS5で決定された露光時間(図5に示す本実施形態では1/10秒)が経過したら、撮像素子(2)24bでの露光を終了する(ステップS16)。
これにより、被写体が暗い場合に限らず、被写体が明るい場合においても、フラッシュ撮影により得られた画像及びスローシンクロフラッシュ撮影により得られた画像の両方を適正露出とすることができる。
なお、本実施の形態では、撮像素子(2)24bの露光開始タイミングが、撮像素子(1)24aの露光開始タイミングから露光遅延時間dだけ遅れているが、本発光時間Tは数msec以下であり、フラッシュ発光露光の露光時間(1/60秒程度)に比べて非常に短いため、ノーマルフラッシュ撮影とスローシンクロフラッシュ撮影とはほぼ同時に行われることとなる。したがって、ノーマルフラッシュ撮影で得られた画像の主要被写体とスローシンクロフラッシュ撮影で得られた被写体の主要被写体の位置のずれ等はほとんど問題とならない。
また、本実施の形態では、フラッシュ14の発光開始タイミングと、撮像素子(1)24aの露光開始タイミングとが同時で、撮像素子(2)24bの露光開始タイミングが露光遅延時間d遅れているが、フラッシュ14の本発光時間Tがすべて撮像素子(1)24aの露光時間と重なり、撮像素子(2)24bの露光時間とフラッシュ14の発光時間とが露光遅延時間dだけずれていれば、この形態には限定されない。例えば、フラッシュ14の発光終了タイミングと、撮像素子(1)24aの露光終了タイミングとを同時にし、撮像素子(2)24bの露光終了タイミングがフラッシュ14の発光終了タイミングより露光遅延時間dだけ早くなるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、フラッシュ14を本発光時間Tだけ連続発光しているが、総発光時間がTであれば、連続発光に限定されず、短い期間の発光(パルス発光)を複数回行うようにしても良い。この場合には、露光遅延時間dだけ連続発光したのと同等の発光量となる回数だけフラッシュ14がパルス発光した後で撮像素子(2)24bの露光を開始すればよい。
<スローシンクロ2枚撮りの第3の形態>
スローシンクロ2枚撮りの第3の形態は、第2の形態と同様、被写体の明るさに応じて撮像素子(2)24bの露光開始を撮像素子(1)24aとの露光開始より遅延させる形態であるが、ノーマルフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度と、スローシンクロフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度とが異なる形態である。図7は、スローシンクロ2枚撮りの第3の形態の撮影処理の流れを示すフローチャートである。スローシンクロ2枚撮りの第1の形態及び第2の形態と同一の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
メインCPU110は、シャッタボタンが半押しされたか、すなわちメインCPU110にS1ON信号が入力されたかを判断する(ステップS1)。S1ON信号が入力されない場合(ステップS1でNO)には、再度ステップS1を行う。
S1ON信号が入力された場合(ステップS1でYES)には、メインCPU110は、このS1ON信号に応動して、撮像素子(1)24aの撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する(ステップS2)。メインCPU110は、ステップS2で求められたAEの結果を用いて撮像素子(1)24aの露出を決定する(ステップS3)。
また、S1ON信号が入力された場合(ステップS1でYES)には、メインCPU110は、このS1ON信号に応動して、ステップS2と同様の方法により撮像素子(2)24bのAE、AF、AWBの各処理を実行し(ステップS4)、撮像素子(2)24bの露出を決定する(ステップS21)。本実施の形態では、撮像素子(2)24bの撮影感度は、初期設定又は撮影者が設定することにより、撮像素子(1)24aより高い感度(例えば、撮像素子(1)24aの撮影感度はISO400、撮像素子(2)24bの撮影感度はISO800)であらかじめ設定されている。撮像素子(2)24bはスローシンクロ撮影用であるため、メインCPU110は、像ブレが発生する時間(1/焦点距離(秒)より長い時間)となるように撮像素子(2)24bの露光時間を決定する。そして、メインCPU110は、この撮影感度及び露光時間の場合に最適な露出となるように絞り兼用メカシャッタ23bのF値を決定する。
露光制御(ステップS2〜S4、S21)が終了したら、メインCPU110は、シャッタボタンが全押しされたか、すなわちメインCPU110にS2ON信号が入力されたかを判断する(ステップS6)。S2ON信号が入力されない場合(ステップS6でNO)には、再度ステップS6を行う。
S2ON信号が入力された場合(ステップS6でYES)には、図8に示すフラッシュ発光(発光タイミング及び発光時間)及び露光(露光タイミング及び露光時間)のタイミングチャートに示すように、撮像素子(1)24aについて、本撮影の前に赤目発光と、フラッシュ調光用の非発光画像の撮影と、プリ発光画像の撮影とを実施する(ステップS7〜S9)。
メインCPU110は、非発光露光(ステップS8)及びプリ発光露光(ステップS9)の結果に基づいて撮像素子(1)24aの調光演算(ステップS10)を行い、撮像素子(1)24aの露光を行う際の適正発光量E1、本発光時間Tを算出する(ステップS11)。
メインCPU110は、非発光露光(ステップS8)及びプリ発光露光(ステップS9)の結果に基づいて撮像素子(2)24bの調光演算(ステップS17)を行い、撮像素子(2)24bの露光を行う際の適正発光量E2を算出する(ステップS18)。
撮像素子(1)24aの露光時間より撮像素子(2)24bの露光時間のほうが長いため、適正発光量E1に基づいて決定された本発光時間T全てが撮像素子(2)24bの露光時間に含まれるとすると、撮像素子(2)24bには適正発光量E2以上の光が入射することとなる。そのため、撮像素子(2)24bに適正発光量E2を入射させるためには、フラッシュ14による光の一部が撮像素子(2)24bに入射しないように、撮像素子(2)24bの露光開始タイミングを撮像素子(1)24aの露光開始タイミングから所定の時間だけ遅らせる必要がある。そのため、メインCPU110は、適正発光量E1及びE2と、非発光露光(ステップS8)により得られた被写体の明るさと、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bの撮影感度とに基づいて、この撮像素子(2)24bの露光開始タイミングを遅らせる所定の時間(以下、露光遅延時間d2という)を決定する(ステップS22)。
図9は、撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bの撮影感度と、撮像素子(1)24aの露光時間と、撮像素子(2)24bの露光時間と、露光遅延時間dとの関係を示すグラフである。図9中、「同一ISO感度」のグラフは、図6に示すグラフと同じである。ノーマルフラッシュ撮影の露光時間T1と、スローシンクロフラッシュ撮影の露光時間T2との比が同じ場合には、スローシンクロフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度がノーマルフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度より低い場合(例えば、撮像素子(1)24aの撮影感度がISO400、撮像素子(2)24bの撮影感度がISO100)には、撮像素子(1)24aの撮影感度と撮像素子(2)24bの撮影感度とが同じ場合と比べて露光遅延時間が長くなる。また、スローシンクロフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度がノーマルフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度より高い場合(例えば、撮像素子(1)24aの撮影感度がISO400、撮像素子(2)24bの撮影感度がISO800)には、撮像素子(1)24aの撮影感度と撮像素子(2)24bの撮影感度とが同じ場合と比べて露光遅延時間が短くなる。
ROM112には、図9に示すグラフが記憶されている。メインCPU110は、ステップS3及びS21の結果に基づいて、ノーマルフラッシュ撮影の露光時間T1と、スローシンクロフラッシュ撮影の露光時間T2との比を算出する。本実施の形態では、図8に示すように、撮像素子(1)24aの撮影感度はISO400、撮像素子(2)24bの撮影感度はISO800に設定されているため、スローシンクロフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度がノーマルフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度より高い場合である。メインCPU110は、ROM112に記憶されたグラフのうちのスローシンクロフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度がノーマルフラッシュ撮影を行う撮像素子の撮影感度より高い場合のグラフを参照して、算出されたT1/T2の場合における適切な露光遅延時間d2を決定する。
全ての撮影条件(露出、本発光時間T、露光遅延時間d等)が決定されたら、図5のタイミングチャートに示すように、撮像素子(1)24aでフラッシュ撮影を行うと共に、撮像素子(2)24bでスローシンクロフラッシュ撮影を行う(ステップS12〜S14、S23、S16)。
すなわち、メインCPU110は、測光・測距CPU132を介してフラッシュ制御回路にコマンドを送り、フラッシュ制御回路は、フラッシュをONに設定するとともに、フラッシュの発光時間T等を設定する。
メインCPU110は、所定のタイミングで測光・測距CPU132を介してフラッシュ制御回路を動作させ、フラッシュ制御回路はフラッシュ14の発光を開始する。フラッシュ制御回路は、発光開始後、設定した本発光時間Tが経過した後、フラッシュ14の発光を停止する。
メインCPU110は、フラッシュ14の発光開始と共に、予め設定された撮影感度(図8に示す本実施形態に置いてはISO400)で撮像素子(1)24aの露光を開始する(ステップS13)。メインCPU110は、露光開始後、ステップS3で決定された露光時間(図8に示す本実施形態では1/60秒)が経過したら、撮像素子(1)24aでの露光を終了する(ステップS14)。
メインCPU110は、フラッシュ14の発光開始タイミング及び撮像素子(1)24aの露光開始タイミングから露光遅延時間d2が経過したら、予め設定された撮影感度(図8に示す本実施形態に置いてはISO800)で撮像素子(2)24bの露光を開始する(ステップS23)。メインCPU110は、露光開始後、ステップS5で決定された露光時間(図8に示す本実施形態では1/15秒)が経過したら、撮像素子(2)24bでの露光を終了する(ステップS16)。
これにより、所定の撮像素子以外の撮像素従に適切な光量以上の光が入射されても、撮影感度をk適正露光とすることができる。したがって、体が明るく、複数の撮像素子の撮影感度が異なる場合においても、フラッシュ撮影により得られた画像及びスローシンクロフラッシュ撮影により得られた画像の両方を適正露出とすることができる。
なお、本実施の形態では、フラッシュ14の発光開始タイミングと、撮像素子(1)24aの露光開始タイミングとが同時で、撮像素子(2)24bの露光開始タイミングが露光遅延時間d2遅れているが、第2の形態と同様、フラッシュ14の本発光時間Tがすべて撮像素子(1)24aの露光時間と重なり、撮像素子(2)24bの露光時間とフラッシュ14の発光時間とが露光遅延時間d2だけずれていれば、この形態には限定されない。
<スローシンクロ2枚撮りの第4の形態>
スローシンクロ2枚撮りの第4の形態は、被写体の明るさに応じて撮像素子(1)24a及び撮像素子(2)24bの撮影感度を変える形態である。図10は、スローシンクロ2枚撮りの第4の形態の撮影処理の流れを示すフローチャートである。スローシンクロ2枚撮りの第1の形態及び第2の形態と同一の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
メインCPU110は、シャッタボタンが半押しされたか、すなわちメインCPU110にS1ON信号が入力されたかを判断する(ステップS1)。S1ON信号が入力されない場合(ステップS1でNO)には、再度ステップS1を行う。
S1ON信号が入力された場合(ステップS1でYES)には、メインCPU110は、このS1ON信号に応動して、撮像素子(1)24aの撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する(ステップS2)。メインCPU110は、ステップS2で求められたAEの結果を用いて撮像素子(1)24aの露出を決定する(ステップS3)。
また、S1ON信号が入力された場合(ステップS1でYES)には、メインCPU110は、このS1ON信号に応動して、ステップS2と同様の方法により撮像素子(2)24bのAE、AF、AWBの各処理を実行し(ステップS4)、撮像素子(2)24bの露出を決定する(ステップS5)。
露光制御(ステップS2〜S5)が終了したら、メインCPU110は、シャッタボタンが全押しされたか、すなわちメインCPU110にS2ON信号が入力されたかを判断する(ステップS6)。S2ON信号が入力されない場合(ステップS6でNO)には、再度ステップS6を行う。
S2ON信号が入力された場合(ステップS6でYES)には、図11に示すフラッシュ発光(発光タイミング及び発光時間)及び露光(露光タイミング及び露光時間)のタイミングチャートに示すように、撮像素子(1)24aについて、本撮影の前に赤目発光と、フラッシュ調光用の非発光画像の撮影と、プリ発光画像の撮影とを実施する(ステップS7〜S9)。
メインCPU110は、非発光露光(ステップS8)及びプリ発光露光(ステップS9)の結果に基づいて撮像素子(1)24aの調光演算(ステップS10)を行い、撮像素子(1)24aの露光を行う際の適正発光量E1、本発光時間Tを算出する(ステップS11)。
メインCPU110は、非発光露光(ステップS8)及びプリ発光露光(ステップS9)の結果に基づいて撮像素子(2)24bの調光演算(ステップS17)を行い、撮像素子(2)24bの露光を行う際の適正発光量E2を算出する(ステップS18)。
撮像素子(1)24aの露光時間より撮像素子(2)24bの露光時間のほうが長いため、適正発光量E1に基づいて決定された本発光時間T全てが撮像素子(2)24bの露光時間に含まれるとすると、撮像素子(2)24bには適正発光量E2以上の光が入射することとなる。そのため、撮像素子(2)24bに適正発光量E2を入射させるためには、撮像素子(2)24bの撮影感度を減感する必要がある。
したがって、メインCPU110は、適正発光量E1、E2及び非発光露光(ステップS8)により得られた被写体の明るさに基づいて、撮像素子(2)24bに適正発光量E2が入射され、かつ撮像素子(2)24bの露出が適切となるように、撮像素子(2)24bの撮影感度を決定する(ステップS24)。本実施の形態では、ステップS5の段階では撮像素子(2)24bの撮影感度がISO400に設定されているが、ステップS24において、撮像素子(2)24bの撮影感度を減感し、ISO320(図11参照)に決定する。
全ての撮影条件(露出、本発光時間T、撮像素子(2)24bの撮影感度等)が決定されたら、図11のタイミングチャートに示すように、撮像素子(1)24aでフラッシュ撮影を行うと共に、撮像素子(2)24bでスローシンクロフラッシュ撮影を行う(ステップS12〜S14、S25、S16)。
すなわち、メインCPU110は、測光・測距CPU132を介してフラッシュ制御回路にコマンドを送り、フラッシュ制御回路は、フラッシュをONに設定するとともに、フラッシュの発光時間T等を設定する。
メインCPU110は、所定のタイミングで測光・測距CPU132を介してフラッシュ制御回路を動作させ、フラッシュ制御回路はフラッシュ14の発光を開始する。フラッシュ制御回路は、発光開始後、設定した本発光時間Tが経過した後、フラッシュ14の発光を停止する。
メインCPU110は、フラッシュ14の発光開始と共に、予め設定された撮影感度(図11に示す本実施形態に置いてはISO400)で撮像素子(1)24aの露光を開始する(ステップS13)。メインCPU110は、露光開始後、ステップS3で決定された露光時間(図11に示す本実施形態では1/60秒)が経過したら、撮像素子(1)24aでの露光を終了する(ステップS14)。
メインCPU110は、フラッシュ14の発光開始及び撮像素子(1)24aの露光開始と共に、ステップS24で決定された撮影感度(図11に示す実施形態に置いてはISO320)で撮像素子(2)24bの露光を開始する(ステップS25)。メインCPU110は、露光開始後、ステップS5で決定された露光時間(図11に示す本実施形態では1/10秒)が経過したら、撮像素子(2)24bでの露光を終了する(ステップS16)。
これにより、被写体が暗い場合に限らず、被写体が明るい場合においても、フラッシュ撮影により得られた画像及びスローシンクロフラッシュ撮影により得られた画像の両方を適正露光とすることができる。本実施の形態では、撮像素子(1)24aの露光開始タイミングと、撮像素子(2)24bの露光開始タイミングとをずらす必要がないため、容易な処理で同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、適正発光量E1に基づいて本発光時間Tを決定し(ステップS11)、撮像素子(2)24bの撮影感度を減感した(ステップS24)が、これに限定されるものではなく、適正発光量E2に基づいて本発光時間を決定し、撮像素子(1)24aの撮影感度を上げるようにしても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、フラッシュ14の発光開始タイミングと、撮像素子(1)24aの露光開始タイミングと、撮像素子(2)24bの露光開始タイミングとが同時であるが、第1の形態と同様、フラッシュ14の本発光時間Tがすべて撮像素子(1)24aの露光時間と重なり、撮像素子(1)24aの露光時間が撮像素子(2)24bの露光時間に全て重なるのであればこれに限らない。
また、本実施形態では、調光露光(ステップS8、ステップS9)により本発光時間Tや撮像素子の撮影感度等を求めたが、調光センサを用いるようにしても良い。
以上の処理により、スローシンクロ2枚撮りによりノーマルフラッシュ画像(ノーマルフラッシュ撮影により得られた画像)とスローシンクロフラッシュ画像(スローシンクロフラッシュ撮影により得られた画像)の2枚の画像が取得される。
メインCPU110は、このようにして撮像素子(1)24a、撮像素子(2)24bで撮影された記録用の画像信号を一旦VRAM118に格納する。メインCPU110は、VRAM118に格納した画像信号は、画像信号処理回路122に入力する。画像信号処理回路122は、入力された画像信号に所定の信号処理を施して、輝度データと色差データとからなる画像データ(YCデータ)を生成する。
画像信号処理回路122で生成された画像データは、一旦VRAM118に格納されたのち、メディアコントローラ138に加えられる。メディアコントローラ138は、入力された画像データに対して所定の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。
メインCPU110は、圧縮された画像データをVRAM118に格納し、所定フォーマットの静止画像ファイル(たとえば、Exif)として、メディアコントローラ138を介して記録メディア18に記録する。
本実施の形態によれば、視差画像のみでなく、スローシンクロ2枚撮りも可能な複眼デジタルカメラを提供することができる。
また、本実施の形態では、スローシンクロ2枚撮りにおいて、1回のフラッシュ発光にもかかわらず、ノーマルフラッシュ画像とスローシンクロ画像の2枚ともを適正露光とすることができる。
なお、本発明は、ノーマルフラッシュ撮影と、スローシンクロフラッシュ撮影とを行う場合を例に説明したが、この形態に限定されるものではなく、撮像素子毎に異なる露光時間で露光を行うあらゆる場合に適用されうる。例えば、2つの撮像素子で異なる露光時間のスローシンクロフラッシュ撮影を行う場合にも適用可能である。
また、本発明は、2つの撮像系を備えた複眼デジタルカメラを例に説明したが、撮像系の数は2つに限らず、3つ以上であってもよい。例えば、撮像系が3個の場合には、1個をノーマルフラッシュ発光撮影、2個をスローシンクロフラッシュ撮影というように、全ての撮像素子の露光時間を変えるようにすればよい。
なお、本発明は、複数の撮像素子を用いてスローシンクロ2枚撮りを行えばよく、複眼デジタルカメラに限定されない。例えば、フォーカスレンズ、ズームレンズ等を共通にし、プリズム等を用いて光を複数の撮像素子に結像させる形態の撮像装置にも適用することができる。
また、複眼デジタルカメラにおける複数の撮像系の配置は特に限定されない。横1列に配置してもよいし、縦、横それぞれ複数の撮像装置を配置するようにしてもよい。
また、本発明の適用は、デジタルカメラに限定されるものではなく、ビデオカメラ等の撮像装置、カメラつき携帯電話機等の電子機器にも同様に適用することができる。