JP5214941B2 - 単一プローブ分子素子及び単一プローブ分子素子の製造方法 - Google Patents
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Description
図1に,本発明による単一プローブ分子固定金属微粒子の一例を示す。解析対象となる生体分子を1分子だけ捕捉するための単一プローブ分子101が金属微粒子102の表面に複数個の化学結合により固定されている。図1では単一プローブ分子101が3個の化学結合により金属微粒子102の表面に固定されている。また,金属微粒子102の表面のうち,単一プローブ分子101が固定されていない部分には,様々な生体分子の非特異的な吸着を防止するために,吸着阻害分子103が化学結合により固定されている。なお,図1では金属微粒子として球形の微粒子を示したが,金属微粒子102の形状は円柱,円錐,角柱,角錐などでもよい。
(1)磁性微粒子表面への固定官能基の結合
(2)磁性微粒子表面へのDNAの結合
(3)磁性微粒子表面での二本鎖DNAの形成
(4)プローブDNAの末端官能基への金属微粒子の結合
(5)金属微粒子表面への吸着阻害分子の結合
(6)単一プローブDNA固定金属微粒子の分離・回収
(1)磁性微粒子表面への固定官能基の結合(図3(a))
微小な磁性微粒子301の表面に,プローブDNAと相補的な塩基配列を持つDNAを結合するための固定官能基302を結合する。磁性微粒子301は中心部に強い磁化を持つ磁性材料を含むポリマーブレンドのコアがあり,このコアの周囲をポリスチレン,ポリプロピレンなどのポリマーが取り囲む構造を持つ。プローブDNAと相補的なDNAを固定するための固定官能基302の例としてカルボキシル基,ストレプトアビジン,エポキシ基,アミノ基などがある。この固定官能基に結合されるDNAで起こるハイブリダイゼーションなどの化学反応が,磁性微粒子の表面上で隣接する他のDNAからの立体的な相互作用により妨げられることのないよう,磁性微粒子表面に結合する固定官能基302の密度を適切に調整し,固定官能基間の距離を十分にとる。
磁性微粒子表面の固定官能基302にプローブDNAと相補的な塩基配列を持つDNA303を結合する。反応容器中で磁性微粒子301を含む溶液及びDNA303を含む溶液を混合して反応する。このDNA303の一方の末端は,磁性微粒子表面の固定官能基302と結合可能な末端官能基304にて修飾する。例えば,磁性微粒子表面の固定官能基302がカルボキシル基の場合,プローブDNAと相補的なDNA303の末端官能基304はアミノ基が好適である。このとき,DNA303はアミド結合により磁性微粒子の表面に結合する。また,磁性微粒子表面の固定官能基302がストレプトアビジンの場合,プローブDNAと相補的なDNA303の末端官能基304はビオチンが好適である。このとき,DNA303はアビジン−ビオチン結合により磁性微粒子の表面に結合する。反応後,磁石を有する治具を反応容器に接近し,磁性微粒子を反応容器の壁面付近に集合しておき,磁性微粒子表面の固定官能基に結合しなかった余剰のDNA303を適切なバッファにより洗浄除去する。
磁性微粒子の表面に結合したDNA303とプローブDNA305をハイブリダイズし,二本鎖DNAを形成する。プローブDNAの一方の末端には,金属微粒子を結合するための末端官能基306を導入してある。プローブDNAの末端官能基306の例としてチオール基,ビオチンなどが挙げられる。反応後,磁石を有する治具を反応容器に接近し,磁性微粒子を反応容器の壁面付近に集合しておき,磁性微粒子表面で二本鎖DNAを形成しなかった余剰のプローブDNA305を適切なバッファにより洗浄除去する。
磁性微粒子に結合したDNA303とハイブリダイズしたプローブDNA305の末端官能基306に,単一の金属微粒子307を結合する。例えばプローブDNAの末端官能基がチオール基である場合,金属微粒子として金ナノ粒子が好適である。また,プローブDNAの末端官能基がビオチンである場合,金属微粒子として表面にストレプトアビジンが結合した金ナノ粒子が好適である。反応後,磁石を有する治具を反応容器に接近し,反応容器の壁面に磁性微粒子を集合しておき,プローブDNAの末端官能基306に結合しなかった金属微粒子307を適切なバッファにより洗浄除去する。以上の工程により,金属微粒子307の表面に単一のプローブDNA305が固定された単一プローブDNA固定金属微粒子を製作する。
工程(4)で製作された単一プローブDNA固定金属微粒子では,プローブ分子が固定していない金属微粒子の表面部分に生体分子などが非特異的に吸着する可能性がある。そこで,金属微粒子表面の単一プローブ分子が結合していない部分に吸着阻害分子308を結合する。金属微粒子として金ナノ粒子を用いた場合,吸着阻害分子として1−メルカプトヘキサノール,2−メルカプトエタノール,ビス−(p−(スルホナトフェニル)フェニルホスフィン(bis-(p-sulfonatophenyl)phenylphosphine)などを使用することができる。反応後,磁石を有する治具を反応容器に接近し,反応容器の壁面に磁性微粒子を集合しておき,金属微粒子の表面に結合しなかった吸着阻害分子308を適切なバッファにより洗浄除去する。なお,ここでは工程(4)に示すプローブDNAの末端官能基への金属微粒子の結合のあとに工程(5)に示す金属微粒子表面への吸着阻害分子の結合を行ったが,工程(5)のあとに工程(4)を行ってもよい。すなわち,予め表面に吸着阻害分子を結合した金属微粒子を,プローブDNAの末端官能基に結合してもよい。
加温,又はアルカリ処理などのDNAアニールの処理を行い,磁性微粒子の表面に形成された二本鎖DNAを解離し,一本鎖DNAにする。このとき,単一プローブDNA固定金属微粒子309と磁性微粒子の混合物が得られる。磁石を有する治具を反応容器に接近し,磁性微粒子を反応容器の壁面に集合しておき,上澄み液中に含まれる単一プローブDNA固定金属微粒子を分離・回収する。
工程(1)から工程(6)により調製した単一プローブDNA固定金属微粒子を含む溶液をアガロース,アクリルアミドなどで製作した電気泳動用ゲル501に注入し,ゲル電気泳動を行う。比較対照用サンプルとして,金属微粒子及びこの金属微粒子の表面に結合しうる官能基を末端に有するプローブDNAを混合・反応した溶液を調製する。このとき,金属微粒子とプローブDNAのモル比がそれぞれ1:0,1:1,1:2及び1:3となるように混合・反応した4種類の溶液を調製する。これらの比較対象用サンプルには,表面にプローブDNAが固定された金属微粒子が含まれる。
(8)担体基板表面のリンカー分子層の形成
(9)担体基板表面への単一プローブDNA固定金属微粒子の固定
(10)担体基板表面の吸着阻害分子層の形成
(8)担体基板表面のリンカー分子層の形成(図6(a)及び図6(b))
洗浄した担体基板601をリンカー分子Aの溶液に浸漬し,担体基板表面にリンカー分子Aを反応させる。基板としてガラス基板,石英基板などを使用する。また,リンカー分子Aとして,基板表面と結合する官能基及び金属微粒子と結合する官能基を併せ持つ分子を使用する。例えば,3−アミノプロピルトリメトキシシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを使用する。溶媒はメタノール,エタノール,トルエン,水などを使用する。リンカー分子Aは基板表面のシラノール基と結合するとともに,アミノ基,チオール基などの官能基が基板と反対側に露出し,次の工程にて単一プローブDNA固定金属微粒子と結合する。
担体基板表面に露出した官能基と金属微粒子の相互作用により,担体基板表面に単一プローブDNA固定金属微粒子602を固定する。担体基板表面に露出した官能基は,単一プローブDNA固定金属微粒子の金属微粒子表面に固定された吸着阻害分子と置換し金属微粒子表面に結合するか,又は吸着阻害分子と化学結合を形成することにより,担体基板表面に単一プローブDNA固定金属微粒子を固定する。具体的には単一プローブDNA固定金属微粒子を含む溶液を担体基板表面に滴下し,20〜80℃にて0.5〜50時間反応する。担体基板表面に滴下する単一プローブDNA固定金属微粒子を含む溶液の濃度を調整することにより,担体基板表面に固定される単一プローブDNA固定金属微粒子の密度を調整する。
担体基板表面のうち,単一プローブDNA固定金属微粒子が固定されていない表面には,その後のプロセスで生体分子などが非特異的に吸着する可能性がある。担体基板表面に非特異的に吸着した生体分子などは検出ノイズとなるため,これを抑制する必要がある。そこで担体基板表面で単一プローブDNA固定金属微粒子が固定されなかった領域に吸着阻害分子Bを固定する。吸着阻害分子としてはNHS(N−ヒドロスクシンイミジル)エステルを末端に持つポリエチレングリコール(NHS-PEG)などを使用することができる。
まず,工程(1)から工程(10)によって,図7に示すように単一プローブDNA固定金属微粒子701を担体基板702の表面に固定する。次に,シーケンシング対象の単一DNA分子703を基板上の金属微粒子表面に固定したプローブDNA704と1:1で反応させ,基板表面に1分子ずつ固定する。具体的には,シーケンシング対象のDNA分子を塩化ナトリウム(NaCl)などの塩を含む溶液に溶解し,この溶液を単一プローブDNA固定金属微粒子を固定した基板702の表面に滴下する。反応温度は20℃〜80℃であり,反応時間は1時間から24時間である。
本実施例では,表面に固定官能基が結合されている市販の磁性微粒子を使用した。具体的には,市販のカルボキシル基結合型磁性微粒子を使用した。この磁性微粒子の平均直径は1.05μmであった。この磁性微粒子は中心部に強い磁化をもつ磁性材料であるγFe2O3とFe3O4が一様に分布したポリマーブレンドのコアを持ち,このコアを外側のポリスチレン層で被覆した構造である。
本実施例ではプローブDNAとして,塩基配列が5’末端から,TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(PolyT20, 塩基長20)であるDNAを選択した。従って,このプローブDNAと相補的なDNAの塩基配列は,5’末端側からAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA(PolyA 20, 塩基長20)である。そこで,磁性微粒子表面にPolyT20を結合させた。
磁性微粒子の表面にプローブDNAが非特異的に吸着することを防止するため,表面にPolyA20を固定した磁性微粒子を0.1〜0.5%BSA(ウシ血清アルブミン,Bovine Serum Albumin)及び0.1%界面活性剤(Tween-20又はTriton X-100)を添加したPBSで洗浄した。次に,DNAのハイブリダイゼーション溶液である5×SSC(クエン酸バッファ,Standard Saline Citrate), 0.5%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム,Sodium Dodecyl Sulfate)にてプローブDNAであるPolyT20の溶液(濃度1nM〜1μM)を調製した。なお,PolyT20の5’末端には,次の工程(4)にて金属微粒子を結合するためにチオール基を導入した。表面にPolyA20を結合した磁性微粒子を含む溶液とPolyT20の溶液を混合し,42℃の恒温オーブン中にて20時間ハイブリダイゼーションを行った。これにより,磁性微粒子の表面にPolyA20 とPolyT20から成る二本鎖DNAが形成された。ハイブリダイゼーション終了後,磁石を有する治具を反応容器に接近し,反応容器壁面に磁性微粒子を集合し,上澄み液を除去することにより磁性微粒子表面に結合したPolyA20とハイブリダイゼーションしなかった余剰のPolyT20を除去した。さらに5×SSC, 0.5%SDSにより磁性微粒子を洗浄した。
磁性微粒子表面で二本鎖DNAを形成しているPolyT20の5’末端にあるチオール基に,金属微粒子である金ナノ粒子を固定した。本実施例では粒子径30nmの金ナノ粒子クエン酸溶液(濃度0.007% Weight/Volume)を使用した。5×SSC, 0.5%SDS溶液にて濃度を1nM〜1μMに調製した金ナノ粒子を磁性微粒子と混合し,25℃にて16〜24時間反応した。これにより,磁性微粒子表面で二本鎖DNAを形成しているPolyT20の5’末端に,チオール基を介して金ナノ粒子を固定した。反応終了後,磁石を有する治具を反応容器に接近し,反応容器の壁面に磁性微粒子を集合して上澄み液を除去することにより,PolyT20の末端チオール基に結合しなかった余剰の金ナノ粒子を除去した。
単一プローブDNA固定金ナノ粒子において,金ナノ粒子の表面のうちプローブDNAであるPolyTが固定されていない部分に,吸着阻害分子であるビス−(p−(スルホナトフェニル)フェニルホスフィン(bis-(p-sulfonatophenyl)phenylphosphine)を結合した。具体的には工程(1)から工程(4)で調製した磁気微粒子を含む溶液にビス−(p−(スルホナトフェニル)フェニルホスフィンの水溶液を添加し,反応溶液中のビス−(p−(スルホナトフェニル)フェニルホスフィンの終濃度を1mg/mlに調整したのち,25℃で16〜24時間反応した。
工程(1)から工程(5)により調製された磁性微粒子を含む溶液を70℃に加温した。このとき,工程(4)において磁性微粒子表面に形成された二本鎖DNAが解離し,磁性微粒子表面に固定したPolyA20及び金ナノ粒子表面に固定したPolyT20がそれぞれ一本鎖DNAとなった。従って反応溶液中には単一PolyT20固定金ナノ粒子,及び表面にPolyA20が固定した磁性微粒子が遊離した。磁石を含む治具を反応容器に接近し,反応容器の壁面に磁性微粒子を集合し,上澄み液を回収することにより単一PolyT20固定金ナノ粒子を回収した。
工程(6)では,表面に単一PolyT20分子が固定された粒子径30nmの金ナノ粒子が回収された。この金ナノ粒子では,金ナノ粒子が占める体積に対してPolyT20が占める体積が小さいため,表面に固定したPolyT20の数に応じて金ナノ粒子をゲル電気泳動により分離することは困難であった。そこで,金ナノ粒子の表面に固定したPolyT20に対して,さらに塩基長の長いDNAをハイブリダイズした後にゲル電気泳動を行った。本実施例では金ナノ粒子表面に固定したPolyT20に対して,3’末端にPolyA20配列を持つ70merDNAをハイブリダイズさせた。70merDNAの塩基配列は3’末端から5’末端に向かって
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAGTCGAGCGGTAGCACAGAGAGCTTGCTCTCGGGTGACGAGCGGCGGACG(70mer)
である。具体的には単一PolyT20固定金ナノ粒子と70merDNAを5×SSC, 0.5%SDS中で混合し,42℃の恒温オーブン中にて20時間ハイブリダイゼーションを行った。
洗浄した石英基板をシランカップリング剤である3−アミノプロピルトリメトキシシランのメタノール溶液に5分間浸漬した。続いて基板をメタノールで洗浄したのち,80℃で2時間アニールを行った。この工程により,石英基板表面にアミノ基が導入された。
アミノ基を導入した石英基板表面に,単一PolyT20固定金ナノ粒子の溶液を滴下し,25℃にて16時間反応した。基板に滴下する単一PolyT20固定金ナノ粒子溶液の濃度を0.01〜100nMに調整することにより,石英基板表面に固定される単一PolyT20固定金ナノ粒子の密度を調整した。
担体基板上で単一PolyT20固定金ナノ粒子が固定されなかった領域に,吸着阻害分子であるNHSエステルを末端に有するポリエチレングリコール(NHS-PEG)を結合した。具体的にはトリエタノールアミン(pH8.0)で4mMに調製したNHS-PEG溶液に担体基板を浸漬し,25℃で1時間反応させた。反応終了後,担体基板を純水で十分に洗浄した。
工程(1)から工程(10)に従って製造した基板を用いて, DNAシーケンシングを行った。石英基板1001に固定された金ナノ粒子1002表面に固定された単一PolyT20分子1003に,シーケンシング対象である単一DNA分子1004をハイブリダイズさせた。本実施例ではシーケンシング対象の単一DNA分子として3’末端からA配列を連続して持つDNAをハイブリダイズさせた。この単一DNA分子1004の塩基配列を3’末端から5’末端の方向に示す。
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAGTCGAGCGGTAGCACAGAGAGCTTGCTCTCGGGTGACGAGCGGCGGACG(70mer)
アミノデキストラン1301(平均分子量70,000)を1×PBS(リン酸バッファ,Phosphate Buffered Saline,pH7.0〜9.0)に溶解した。また,SPDP分子1304(3-(2-Pyridyldithio)propionic acid N-hydrosuccinimide ester)をジメチルスルホキシド(Dimethylsulfoxide)に溶解し,濃度を10mM〜500mMに調製した。アミノデキストランの溶液にSPDPの溶液を混合し,室温で撹拌しながら0.5〜20時間反応した。この反応により,ジスルフィド基1306が導入されたアミノデキストラン1305を得た。反応終了後,反応液の透析又はゲルろ過により,反応液に含まれる未反応のSPDP分子1304を除去した。
末端がアミノ基1307で修飾されたプローブDNA分子1308を,1×PBS(リン酸バッファ,Phosphate Buffered Saline ,pH7.0〜9.0)に溶解した。前記ジスルフィド基が導入されたアミノデキストラン1305の溶液と,前記プローブDNA分子1308の溶液を混合して反応液を調製した。ジスルフィド基が導入されたアミノデキストラン1305と末端がアミノ基で修飾されたプローブDNA分子1308の混合モル比は,1:1〜1:100の範囲とした。さらに前記反応液に1M NaOH(水酸化ナトリウム,Sodium hydroxide)に溶解したNaCNBH3(Soduim cyanoborohydride)の溶液を添加し,室温で撹拌しながら2〜20時間反応した。この反応により,ジスルフィド基が導入されたアミノデキストラン1305の還元末端にあるアルデヒド基とプローブDNA分子1308の末端アミノ基1307がアミド結合を形成し,アミノデキストランとプローブDNA分子が1:1で結合したデキストラン型プローブDNA分子1309を得た。反応終了後,反応液の透析又はゲルろ過により,反応液に含まれる未反応のプローブDNA分子1308を除去した。
(a)使用する金属微粒子の粒子径に対応してプローブ分子のポリマー部分(本実施例ではアミノデキストラン)の分子量を適正化することにより,金属微粒子とプローブ分子が1:1で結合した単一プローブ分子固定金属微粒子を高収率で得ることが可能である。
(b)プローブ分子と金属微粒子が多数の化学結合を介して強固に結合しているため,溶液の温度,イオン強度,pHなどが変化してもプローブ分子と金属微粒子が解離しにくく安定である。
(c)プローブ分子のポリマー部分が多数の親水性官能基(本実施例ではアミノデキストランのヒドロキシル基)を有する場合,単一プローブ分子固定金属微粒子の表面は多数の親水性官能基で被覆されるため,生体分子などの非特異的な吸着が抑制される。
Claims (14)
- 基板と,
前記基板の表面に固定された複数の金属微粒子と,
1個の金属微粒子に1個ずつ,表面に化学結合を介して固定されたプローブ分子とを有することを特徴とする単一プローブ分子素子において,各プローブ分子は分岐した化学構造を持ち,それぞれの分岐鎖の途中及び末端に金属微粒子と結合することのできる官能基を複数個持ち,1個の金属微粒子の表面に固定されていることを特徴とする単一プローブ分子素子。 - 請求項1に記載の単一プローブ分子素子において,前記金属微粒子の表面は,前記プローブ分子が固定された領域以外の領域が化学結合を介して固定された吸着阻害分子により被覆されていることを特徴とする単一プローブ分子素子。
- 請求項1に記載の単一プローブ分子素子において,前記基板の表面は,前記金属微粒子が固定された領域以外の領域が化学結合を介して固定された吸着阻害分子により被覆されていることを特徴とする単一プローブ分子素子。
- 請求項1に記載の単一プローブ分子素子において,前記金属微粒子は,貴金属類に属する金属,貴金属類に属する金属の合金又は貴金属類に属する金属を積層したものから成ることを特徴とする単一プローブ分子素子。
- 請求項1に記載の単一プローブ分子素子において,前記プローブ分子は核酸であることを特徴とする単一プローブ分子素子。
- 金属微粒子と,
前記金属微粒子の表面に化学結合を介して固定された1個のプローブ分子とを有することを特徴とする単一プローブ分子固定金属微粒子において,前記プローブ分子は分岐した化学構造を持ち,それぞれの分岐鎖の途中及び末端に金属微粒子と結合することのできる官能基を複数個持ち,該官能基を介して前記金属微粒子の表面に固定されていることを特徴とする単一プローブ分子固定金属微粒子。 - 請求項6に記載の単一プローブ分子固定金属微粒子において,前記金属微粒子の表面は,前記プローブ分子が固定された領域以外の領域が化学結合を介して固定された吸着阻害分子により被覆されていることを特徴とする単一プローブ分子固定金属微粒子。
- 請求項6に記載の単一プローブ分子固定金属微粒子において,前記金属微粒子は,貴金属類に属する金属,貴金属類に属する金属の合金又は貴金属類に属する金属を積層したものから成ることを特徴とする単一プローブ分子固定金属微粒子。
- 請求項6に記載の単一プローブ分子固定金属微粒子において,前記プローブ分子は核酸であることを特徴とする単一プローブ分子固定金属微粒子。
- プローブ分子と相補的に結合する相補的分子を磁性微粒子の表面に結合する工程と,
前記相補的分子に対し,金属微粒子と結合することのできる前記プローブ分子を相補的に結合する工程と,
前記相補的分子に結合した前記プローブ分子に金属微粒子を結合させる工程と,
前記磁性微粒子表面に結合した前記相補的分子と前記プローブ分子との相補的結合を解離する工程と,
表面に単一の前記プローブ分子が固定された金属微粒子を回収する工程と,
担体基板に前記回収された金属微粒子を固定する工程と,
前記担体基板の表面のうち,前記金属微粒子が固定されていない領域に吸着阻害分子を固定する工程と
を有することを特徴とする,基板表面に固定した複数の金属微粒子のそれぞれに単一のプローブ分子が固定された単一プローブ分子素子の製造方法。 - プローブ分子と相補的に結合する相補的分子を磁性微粒子の表面に結合する工程と,
金属微粒子のモル数に対するプローブ分子のモル数の比率が1以下の条件下で前記プローブ分子と金属微粒子を混合し反応させる工程と,
前記磁性微粒子の表面に結合した前記相補的分子と前記金属微粒子の表面に固定した前記プローブ分子とを相補的に結合させ,単一のプローブ分子が固定された金属微粒子を前記磁性微粒子の表面に回収する工程と,
前記磁性微粒子の表面に結合した相補的分子と前記金属微粒子の表面に固定した前記プローブ分子との相補的結合を解離する工程と,
表面に単一のプローブ分子が固定した金属微粒子を前記磁性微粒子から分離・回収する工程と,
担体基板に前記分離・回収した金属微粒子を固定する工程と,
前記担体基板の表面のうち,前記金属微粒子が固定されていない領域に吸着阻害分子を固定する工程と
を有することを特徴とする,基板表面に固定した複数の金属微粒子にそれぞれ単一のプローブ分子が固定された単一プローブ分子素子の製造方法。 - プローブ分子と相補的に結合する相補的分子を磁性微粒子の表面に結合する工程と,
前記相補的分子に対し,金属微粒子と結合することのできる前記プローブ分子を相補的に結合する工程と,
前記相補的分子に結合した前記プローブ分子に金属微粒子を結合させる工程と,
前記磁性微粒子表面に結合した前記相補的分子と前記プローブ分子との相補的結合を解離する工程と,
表面に単一の前記プローブ分子を固定した金属微粒子を回収する工程と,
を有することを特徴とする単一のプローブ分子を固定した金属微粒子の製造方法。 - プローブ分子と相補的に結合する相補的分子を磁性微粒子の表面に結合する工程と,
金属微粒子のモル数に対するプローブ分子のモル数の比率が1以下の条件下で前記プローブ分子と金属微粒子を混合し反応させる工程と,
前記磁性微粒子の表面に結合した前記相補的分子と前記金属微粒子の表面に固定した前記プローブ分子とを相補的に結合させ,単一のプローブ分子が固定された金属微粒子を前記磁性微粒子の表面に回収する工程と,
前記磁性微粒子の表面に結合した相補的分子と前記金属微粒子の表面に固定した前記プローブ分子との相補的結合を解離する工程と,
表面に単一のプローブ分子が固定した金属微粒子を前記磁性微粒子から分離・回収する工程と,
を有することを特徴とする単一のプローブ分子を固定した金属微粒子の製造方法。 - 基板表面に固定した複数の金属微粒子それぞれの表面に化学結合を介して単一のプローブ分子が固定された単一プローブ分子素子であって,各プローブ分子は分岐した化学構造を持ち,それぞれの分岐鎖の途中及び末端に金属微粒子と結合することのできる官能基を複数個持ち,1個の金属微粒子の表面に固定された前記単一プローブ分子素子における前記プローブ分子とシーケンシング対象である核酸分子とを反応させる工程と,
前記プローブ分子の一塩基伸長反応を行い,シーケンシング対象である核酸分子に蛍光標識されたヌクレオチドを反応させる工程と,
前記単一プローブ分子素子に励起光を照射する工程と,
前記蛍光標識されたヌクレオチドから発生する蛍光を検出する工程と
を有することを特徴とする核酸分子のシーケンシング方法。
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