JP5200373B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に、サージ電圧を抑制するIGBTが開示されている。このIGBTは、本明細書に添付した図16に示すように、p型のコレクタ領域400とバッファ領域302を備えている。このIGBT100では、n−型のドリフト領域の中間位置に、n+型のバッファ領域301が追加されており、そのn+型のバッファ領域301によって、表面側の第1ドリフト領域201と裏面側の第2ドリフト領域202とに分離されている。この構成により、コレクタ領域400から放出されるホールを、第2ドリフト領域202に蓄積することができる。
IGBT100がオン状態の時、p−型のボディ領域500のうち、ゲート電極114とゲート絶縁膜112を介して対向している部分にチャネル領域が形成される。すると、n+型のエミッタ領域600から放出された電子が、チャネル領域を介して、第1ドリフト領域201とバッファ領域301と第2ドリフト領域202とバッファ領域302に移動する。そこで、コレクタ領域400からバッファ領域302と第2ドリフト領域202とバッファ領域301と第1ドリフト領域201にホールが注入される。第1ドリフト領域201とバッファ領域301と第2ドリフト領域202とバッファ領域302に注入された電子とホールにより、伝導度変調現象が発生し、エミッタ領域600とコレクタ領域400の間に電流が流れる。
IGBT100がオン状態からオフ状態に移行する時(ターンオフ時)には、p−型のボディ領域500とn−型の第1ドリフト領域201の間のpn接合面から、空乏層が広がる。既存のIGBTでは、ターンオフ時に、空乏層が一気にバッファ領域302にまで広がることにより、ピーク値の高いサージ電圧が発生していた。IGBT100では、バッファ領域301が追加されているために、空乏層はpn接合から下方に広がるものの、バッファ領域301でその広がりが停止する。その結果、ターンオフが終了するまで、第2ドリフト領域202に多くのホールを残しておくことができる。IGBT100を用いれば、ターンオフ時に空乏層が一気にバッファ領域302まで広がることがなく、サージ電圧を抑制することができる。
1つの方法としては、n−型半導体層を準備する。そして、n−型半導体層の裏面から特定の位置にn型不純物をインプラントし、バッファ領域301を形成する。先行技術文献のIGBT100では、バッファ領域301を、裏面から約10μnの位置に形成している。この位置に裏面から不純物をインプラントするためには高エネルギーが必要となり、製造コストが増大する。
他の方法としては、n−型の第2ドリフト領域202の上にn+型のバッファ領域301をエピタキシャル成長させる。そして、その上にn−型の第1ドリフト領域201をエピタキシャル成長させる。順次にエピタキシャル成長させてこれらの領域を形成するには時間がかかり、半導体装置の製造コストが上昇する。
本発明は、上記の問題点を解決するために創案された。本発明では、比較的に簡単に製造でき、しかもターンオフ時のサージ電圧を抑制できる半導体装置を実現する。なお、上記ではIGBTを例にして説明したが、本発明の技術はIGBTに限定されるものでない。
IGBTの場合には、、第1半導体領域がエミッタ領域となり、第2半導体領域がボディ領域となり、第3半導体領域がドリフト領域となる。MOSFETの場合には、第1半導体領域がソース領域となり、第2半導体領域がボディ領域となり、第3半導体領域がドリフト領域となる。
なお、以下の「底部」という記載は、トレンチを断面図で見たときに、半導体層の深さ方向(下方向)に直線状に伸びている側面の下端部を意味する。トレンチの内面は、その「底部」を境に互いに向かって伸び、トレンチを閉じている。また、以下の「底面」という記載は、トレンチを閉じている面を意味する。「底面」は、平面でもよいし曲面でもよい。
(1)埋め込み絶縁体が、第2半導体領域内に形成されている構成として、
(a)埋め込み絶縁体が、第2半導体領域と第3半導体領域の界面よりも上の位置(あるいはその界面の位置)から、トレンチの側面に沿って第1半導体領域の方向に伸びている構成。
(2)埋め込み絶縁体が、第3半導体領域内に形成されている構成として、
(b)埋め込み絶縁体が、トレンチの底部よりも上の位置から、トレンチの側面に沿って第3半導体領域に留まる範囲(第2半導体領域と第3半導体領域の界面も含む。)で伸びている構成。
(c)埋め込み絶縁体が、トレンチの底部の位置から、トレンチの側面に沿って第3半導体領域に留まる範囲(第2半導体領域と第3半導体領域の界面も含む。)で伸びている構成。
(d)埋め込み絶縁体がトレンチの底面を覆っているとともに、トレンチの底部の位置から、トレンチの側面に沿って第3半導体領域に留まる範囲(第2半導体領域と第3半導体領域の界面も含む。)で伸びている構成。
(3)埋め込み絶縁体が、第2半導体領域内と第3半導体領域内に亘って形成されている構成として、
(e)埋め込み絶縁体が、トレンチの底部よりも上の位置から、トレンチの側面に沿って第2半導体領域に至るまで伸びている構成。
(f)埋め込み絶縁体が、トレンチの底部の位置から、トレンチの側面に沿って第2半導体領域に至るまで伸びている構成。
(g)埋め込み絶縁体がトレンチの底面を覆っているとともに、トレンチの底部の位置から、トレンチの側面に沿って第2半導体領域内に至るまで伸びている構成。
したがって、サージ電圧は、電流Iceのターンオフ時の立下り速度(dIce/dt)が減少すれば、そのピーク値が低減する。立下り速度(dIce/dt)は、ゲートとエミッタの間の容量Cgeを増加させるとともに、ゲートとコレクタの間の容量Cgcを減少させると、その値が減少する。
以下の説明において、容量Cgeは、バイポーラ型ではゲートとエミッタの間の容量をいい、ユニポーラ型ではゲートとソースの間の容量をいう。容量Cgcは、バイポーラ型ではゲートとコレクタの間の容量をいい、ユニポーラ型ではゲートとドレインの間の容量をいう。電流Iceは、バイポーラ型ではコレクタとエミッタの間の電流をいい、ユニポーラ型ではドレインとソースの間の電流をいう。
サージ電圧を抑制するために容量Cgeを増加させる場合、チャネル領域の長さL1とエミッタ領域の深さL3の和の値(L1+L3)を大きくするとよい。そのために、エミッタ領域の深さL3の値を大きくすると、ラッチアップ耐量の低下が懸念される。そこで、図18に示すように、エミッタ領域の深さL3の値は変更せずにボディ領域の深さを深くすることがある。長さL1の値が大きくなることにより上記した和の値(L1+L3)が大きくなるとともに、長さL2の値は小さくなる。容量Cgeが増加するとともに容量Cgcが減少し、これにより電流Iceのターンオフ時の立下り速度(dIce/dt)は小さくなる。ラッチアップ耐量を低下させることなく、ターンオフ時のサージ電圧を抑制することができる。
なお、ボディ領域の深さを深くしても、さらに深いトレンチを形成することができれば、トレンチよりも下方のドリフト領域に充分な量のホールを蓄積することはできる。しかしながら、トレンチを深く形成することには、トレンチの製造方法に基づく限界がある。
埋め込み絶縁体は、トレンチの深さ方向と交差する方向に突出している。半導体装置がIGBTの場合には、コレクタ領域から放出されたホールが、ドリフト領域からボディ領域を通って半導体装置外に抜ける。したがって、埋め込み絶縁体は、このホールの通路に突出していることとなる。埋め込み絶縁体は、ホールの通路を狭くしている。これにより、ホールが抜けにくくなり、トレンチよりも下方の第3半導体領域内に多くのホールを残留させておくことができる。上記長さL1を長くするとともに上記長さL2を短くし、ボディ領域を深い位置まで形成しても、トレンチよりも下方部のドリフト領域に多数のホールを残存させておくことができる。
これにより、容量Cgeを増加させるとともに、容量Cgcを減少させ、電流Iceのターンオフ時の立下り速度(dIce/dt)を減少させ、ターンオフ時のサージ電圧を抑制することができる。また、半導体装置がIGBTの場合には、ドリフト領域にホールを蓄積しておくことができるので、オン電圧の上昇を抑制することができる。
さらに、埋め込み絶縁体は、半導体基板の露出表面から浅い位置に形成されている。したがって、埋め込み絶縁体は、n型の半導体基板の表面にボディ領域やトレンチ等を形成する過程で、容易に形成することができる。
埋め込み絶縁体は、その製造方法上の制約により、上面にエッジ部(角部)ができる場合が多い。埋め込み絶縁体が第2半導体領域内に至るまで伸びている構成であれば、埋め込み絶縁体の上面は第2半導体領域内に配置される。これにより、主電極間(例えば、コレクタとエミッタ間)に逆方向の電圧が印加される際、上面のエッジ部にかかる電界を軽減することができる。したがって、コレクタとエミッタ間の耐圧が高い。
トレンチの側面のみに埋め込み絶縁体を確実に形成することは、製造する上で難しい。上記した構成であれば、容易に製造することができる。
また、容量Cgcの値は、第3半導体領域に突出している部分のトレンチに沿って形成されている絶縁物の厚みが厚いほど小さくなる。トレンチの底面を覆う埋め込み絶縁体が形成されているということは、この絶縁物の厚みが、トレンチ内面に形成されているゲート絶縁層の厚みに、埋め込み絶縁体の厚みを加えたものとなる。したがって、絶縁物の厚みが厚く、容量Cgcの値が小さい。これにより、容量Cgcを充電する(あるいは放電する)ミラー領域が小さくなり、スイッチング損失を低減することができる。
上記第3半導体領域と上記第4半導体領域に挟まれて形成されている第1導電型の第5半導体領域を備えていてもよい。この場合、パンチスルー型のIGBTが得られる。
(第1特徴) 半導体装置は、IGBTである。
(第2特徴) 半導体装置は、パワーMOSFETである。
図1は、本実施例の半導体装置10の断面図である、図2〜図5は、半導体装置10のターンオフ時のサージ電圧が抑制される現象を説明する図である。図6〜図11は、半導体装置10の製造工程を説明する図である。
図1に示すように、半導体装置10は、n−型のドリフト領域40(第3半導体領域)を備えている。ドリフト領域40の裏面側(図1に示す下側)には、n+型のバッファ領域30(第5半導体領域)が設けられている。バッファ領域30の裏面側には、p+型のコレクタ領域20(第4半導体領域)が設けられている。
またドリフト領域40の表面側(図1に示す上側)には、p−型のボディ領域(第2半導体領域)50が設けられている。ボディ領域50の表面の一部には、n+型のエミッタ領域60,60(第1半導体領域)が形成されている。一対のエミッタ領域60,60の間には、エミッタ領域60,60に隣接するトレンチ14が形成されている。トレンチ14は、半導体装置10の表面からボディ領域50を貫通してドリフト領域40に突出している。トレンチ14は、紙面の垂直方向に長く伸びている。
トレンチ14は、幅を隔てて向かい合っている一対の側面を備えている。
各側面は、半導体層の深さ方向(図1に示す下方向)に直線状に伸びている。側面の下端部を底部15という。トレンチ14の内面は、その底部15を境に互いに向かって伸び、トレンチ14を閉じている。このようにトレンチを閉じている面を底面16という。トレンチ14の内面は、ゲート絶縁膜12で覆われている。その内部にポリシリコンが充填されている。そのポリシリコンがトレンチゲート電極13を構成している。トレンチゲート電極13は、ゲート絶縁膜12で取り囲まれた状態で、トレンチ14内に収容されている。
トレンチゲート電極14に印加している電圧がしきい値未満になると、チャネル領域が形成されなくなる。そして、ボディ領域50とドリフト領域40間等のpn接合面から広く空乏層が形成され、半導体装置10はオフ状態となる。
半導体装置10の埋め込み絶縁体70は、トレンチ14の深さ方向と交差する方向(図1の左右方向)に突出している。コレクタ領域20から放出されたホールは、前述したようにドリフト領域40に移動するが、いずれは、ドリフト領域40からボディ領域50を通って半導体装置10の外に抜ける。したがって、埋め込み絶縁体70は、ホールの通路に突出していることとなる。埋め込み絶縁体70は、ホールの通路を狭くしている。これにより、ホールが抜けにくくなり、トレンチ14よりも下方のドリフト領域40内に多くのホールを残留させておくことができる。埋め込み絶縁体70を形成しない場合と比較して、ボディ領域50を深く形成してもオン電圧が上昇しない。したがって、埋め込み絶縁体70を形成しない場合と比較して、ボディ領域50を深く形成することができる。これにより、容量Cgeを増加させるとともに容量Cgcを減少させ、電流Iceのターンオフ時の立下り速度(dIce/dt)を減少させることができる。オン電圧の上昇を抑制しながら、ターンオフ時のサージ電圧を抑制することができる。
まず、図2に実線で示す従来の半導体装置について説明する。
時刻t0で、ゲート電極にオン電圧が印加される。時刻t0から時刻t1では、電圧Vgeは時間に比例して増加する。そして、時刻t1から時刻t2では、ゲートとコレクタ間の容量Cgcが充電されており、電圧Vgeはほぼ一定の値を保っている。この期間は、ミラー領域と呼ばれている。そして、時刻t2で容量Cgcの充電が終わり、時刻t2から時刻t3では、再び、電圧Vgeが時間に比例して増加している。そして、時刻t3で、電圧Vgeがオン状態の定常値Vgesに達し、半導体装置10が完全にオン状態となる。
時刻t4でゲート電極に電圧が印加されなくなると、時刻t4から時刻t5までは、時間に比例して電圧Vgeが減少する。そして、時刻t5から時刻t6では、容量Cgcに蓄積された電荷が放電され、電圧Vgeはほぼ一定の値を保っている。そして、時刻t6で容量Cgcの放電が終わり、時刻t6から時刻t7では、再び、電圧Vgeが時間に比例して減少する。そして、時刻t7で、電圧Vgeが0に達し、これにより、半導体装置10が完全にオフ状態となる。
半導体装置10は、トレンチ14の深さと比較し、ボディ領域50の相対的な深さを、従前の半導体装置よりも深く形成することができる。これにより、従前の半導体装置よりも容量Cgcが減少している。したがって、容量Cgcが充電又は放電するミラー領域(時刻t1a〜時刻t2aと、時刻t5a〜時刻t6a)が短くなり、時間に比例して増減する部分の傾き(d(Vge)/dt)が緩やかになっている。
図3では、実線により、従来の半導体装置によるときの電流Iceの変化を示している。
時刻t0で、ゲート電極にオン電圧が印加されると、少し遅れてから電流Iceが流れ始める。この半導体装置10の出力側にはL負荷が接続されており、電流Iceは時間経過とともに増加する。時刻t4(併せて図2参照)でゲート電極に電圧が印加されなくなると、電流Iceは、少し遅れてから急激に減少した後、流れなくなる。
また、図3では、破線により、本実施例の半導体装置10によるときの電流Iceの変化を示している。半導体装置10は、ボディ領域50を深く形成することにより、容量Cgcが減少するとともに容量Cgeが増加している。ゲート電極に電圧を印加しなくなった時から電流Iceが0となるまでの応答時間は、容量Cgeとゲート電極に接続されているゲート抵抗(特に図示していない。)の積と比例するので、容量Cgeが増加することにより長くなる。したがって、電流Iceのターンオフ時の立下り速度(dIce/dt)が減少する。
図4では、実線により、従来の半導体装置によるときの電圧Vceの変化を示している。オフ時の半導体装置の電圧VceをVce0(V)とする。コレクタとエミッタ間の電流Iceが流れ始めると(併せて図3参照)、電圧Vceは急激に減少した後、0になる。時刻t4(併せて図2参照)でゲート電極に電圧が印加されなくなると、電圧Vceは、少し遅れてから急激に増加し、オフ時のVce0(V)を超え、時刻t6付近でピーク値に達している。その後、Vce0V)に戻っている。このVce0(V)を超えた部分が、半導体装置のターンオフ時に発生するサージ電圧である。図4では、従来の半導体装置によるときのサージ電圧Vsurge1のピーク値が、V1(V)であることを示している。サージ電圧のピーク値がどこまで達するかは、図3に示したターンオフ時のコレクタとエミッタ間に流れる電流Iceの立下り速度(d(Ice)/dt)と関連している。電流Iceの立下り速度(d(Ice)/dt)が大きい程、サージ電圧のピーク値は大きくなる。
図4では、破線により、本実施例の半導体装置10によるときの電圧Vceの変化を示している。半導体装置10では、ボディ領域50を深く形成することにより、容量Cgeを増加するとともに容量Cgcが減少している。これにより電流Iceのターンオフ時の立下り速度(d(Ice)/dt)が減少している。したがって、ターンオフ時に発生するサージ電圧のピーク値が抑制される。図4では、半導体装置10のサージ電圧Vsurge2のピーク値が、V1(V)よりも小さいV2(V)であることを示している。
一点鎖線のグラフは、左側に示す縦軸に対するものであり、サージ電圧のピーク値Vsurgeのデフォルト値(0%のところ)からの変化量(%)を示す。サージ電圧のピーク値Vsurgeのデフォルト値とは、ボディ領域50の深さがデフォルト値の場合の値を意味する。実線のグラフは、右側の縦軸に対するものであり、従来の半導体装置の、オン電圧Vonのデフォルト値(0%のところ)からの変化量(%)を示す。オン電圧Vonのデフォルト値とは、ボディ領域50の深さがデフォルト値の場合であり、ゲート電極にオン電圧を加えたときのコレクタとエミッタ間の電圧を意味する。
一般的には、オン電圧Vonはドリフト領域の容積によって影響を受ける。ボディ領域を深く形成することでドリフト領域の容積が減少すると、ホールの蓄積量が減少する。これにより、オン電圧が高くなる。しかしながら、半導体装置10は、ボディ領域を深く形成しても、ホールの通路が狭く、ホールの蓄積量の減少が抑制される。この結果、本実施例の半導体装置10では、実線のグラフでなく、破線のグラフが得られる。ボディ領域50を深くしても、オン電圧Vonの上昇率が小さいことがわかる。
半導体装置10を用いれば、オン電圧Vonの上昇を抑制しながら、サージ電圧のピーク値を効果的に低減することができることが確認される。
まず、図6に示すように、n−型のSi基板で構成されるドリフト領域40の裏面から不純物イオンを注入し、n+型のバッファ領域30とp+型のコレクタ領域20をそれぞれ形成する。なお、この工程は、MOS構造を実現するための各半導体領域を形成した後に実施してもよい。また、p+型のコレクタ領域20とn+型のバッファ領域30とn−型のドリフト領域40の積層構造が既に形成されているパンチスルー型IGBT用のSi基板を準備してもよい。
次に、図7に示すように、ドリフト領域40の上に、厚い酸化膜71を形成する。酸化膜71は、埋め込み絶縁体70(併せて図1参照)の深さ方向の寸法と同じ厚みで形成する。
そして、埋め込み絶縁体70を形成する位置の酸化膜71表面にレジストでマスクを形成する。そして、エッチングを行いマスクを除去する。これにより、図8に示すように、マスクを形成した部分に埋め込み絶縁体70が形成される。
次に、図9に示すように、エピタキシャル成長により、ドリフト領域40の表面と埋め込み絶縁体70を覆うn−型半導体領域51を形成する。n−型半導体領域51は、表面が平らではない状態となっているので、表面を研磨する。
図10に示すように、n−型半導体領域51の表面からp型不純物のボロンをインプラントする。埋め込み絶縁体70の横のn−型半導体領域51が、埋め込み絶縁体70の厚みよりも薄い状態で残るように、ボロンの打ち込みエネルギーを設定する。これにより、ボディ領域50を形成する半導体領域にp型不純物がインプラントされる。次いで、熱拡散によりp−型のボディ領域50を形成する。埋め込み絶縁体70の横のn−型半導体領域51は、ドリフト領域40と連続していると見ることができる。
図11に示すように、ボディ領域50の表面の一部に、n型不純物のリンを高濃度にインプラントする。次いで、熱拡散によりn+型のエミッタ領域60を形成する。
そして、トレンチ14を形成する位置以外の表面にレジストでマスクを形成し、ドライエッチングを行なう。エミッタ領域60を貫通して埋め込み絶縁体70内に至るまでトレンチ14を形成する。
次に、熱酸化により、トレンチ14の内面にゲート絶縁膜12となる酸化膜を形成する。その後、トレンチ14内にポリシリコン等の導電性部材を充填し、トレンチゲート電極13を形成する。この時点では、ゲート酸化膜12が形成されるのと同時に、半導体層の表面にも酸化膜が形成されている。そこで、半導体層の表面の酸化膜を除去する。
後は、特に図示していないが、従来のIGBTと同様に、エミッタ電極やコレクタ電極等を形成する。
埋め込み絶縁体70は、半導体層の露出表面から浅い位置に形成されている。したがって、埋め込み絶縁体70は、n型の半導体基板の表面にボディ領域50やトレンチ14等を形成する過程で、容易に形成することができる。
また、埋め込み絶縁体70の上面が第2半導体領域内に配置されている。したがって、コレクタとエミッタ間に逆方向の電圧が印加される際、埋め込み絶縁体70の上面のエッジ部にかかる電界を軽減することができる。したがって、コレクタとエミッタ間の耐圧が高い。
また、トレンチ14の底面16を覆うように埋め込み絶縁体70が形成されていることから、底面16を覆っていない場合と比較して容量Cgcの値が小さい。したがって、スイッチング時のミラー領域が小さくなり、スイッチング損失を低減することができる。また、埋め込み絶縁体は、トレンチ14の側面にのみ形成するよりも、底面16も覆うように形成した方が、埋め込み絶縁体70の厚みの精度とトレンチ14の深さの精度が厳密ではなくてもよく、簡単に製造をすることができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
図12に示す半導体装置10aでは、埋め込み絶縁体70aが、トレンチ14の底部15からトレンチ14の側面に沿って形成されている。埋め込み絶縁体70aは、ドリフト領域40に留まる範囲(ドリフト領域40とボディ領域50の界面よりも下)に、形成されている。半導体装置10aがオン状態のときには、トレンチゲート電極13がゲート絶縁膜12を介して対向しているボディ領域50に、チャネル領域(図12にバツ印で示している。)が形成される。この構成によれば、トレンチ14の深さと比較し、ボディ領域50の相対的な深さが浅いので、サージ電圧の抑制効果は劣るが、チャネル直列抵抗は小さくなる。埋め込み絶縁体70aは、底部15よりも上から形成されていてもよい。
12 ゲート酸化膜
13 トレンチゲート電極
14 トレンチ
15 底部
16 底面
20 コレクタ領域
30 バッファ領域
40 ドリフト領域
50 ボディ領域
51 n−型半導体領域
60 エミッタ領域
70,70a,70b,70c,70d 埋め込み絶縁体
71 酸化膜
Claims (4)
- 半導体層の表面に臨んで形成されている第1導電型の第1半導体領域と、
第1半導体領域を取り囲んで形成されている第2導電型の第2半導体領域と、
第2半導体領域の下部に形成されており、第2半導体領域によって第1半導体領域から分離されている第1導電型の第3半導体領域と、
第1半導体領域の表面から第2半導体領域を貫通しているトレンチであって、第3半導体領域に突出している底面、及び、一定の幅を隔てて向かい合っている一対の側面を備えているトレンチと、
トレンチの内面を覆っている絶縁層と、
絶縁層で取り囲まれた状態でトレンチ内に収容されているトレンチゲート電極と、
トレンチの側面に沿って形成されているとともに、トレンチの前記側面に接する第2半導体領域を残存させている埋め込み絶縁体、
を備えており、
前記埋め込み絶縁体が、少なくとも、前記トレンチの底面から前記第2半導体領域内に至るまで伸びており、さらに、トレンチの深さ方向と交差する方向において、トレンチの内側に向けて突出することなく、トレンチの外側に向けて突出している、ことを特徴とする半導体装置。 - 前記埋め込み絶縁体が、前記トレンチの底面を覆っていることを特徴とする請求項1の半導体装置。
- 前記第3半導体領域の裏面側に第2導電型の第4半導体領域を備えていることを特徴とする請求項1又は2の半導体装置。
- 前記第3半導体領域と前記第4半導体領域に挟まれて形成されている第1導電型の第5半導体領域を備えていることを特徴とする請求項3の半導体装置。
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