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JP5297616B2 - 機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物 - Google Patents

機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、食器洗浄において、自動食器洗浄機等の機械洗浄の前洗いに適した洗浄剤組成物に関する。
従来、各種商業施設等や一般家庭における食器類の洗浄において、自動食器洗浄機が多く用いられるが、とりわけ業務用途での食器洗浄機は、家庭用のものに比べて一度に多量の食器類を洗浄することがあり、且つ洗浄時間が極端に短いことから、機械洗浄を行う前に洗浄剤を希釈した洗浄溶液を満たしたシンクなどに食器類をつけ置き洗浄することが行われている。このような機械洗浄を行う前の洗浄は食器類の洗い上がりにとって重要な要素である。特許文献1には予備洗浄工程を有する業務用の自動食器洗浄機が開示されている。
前洗い用の洗浄剤としては、コストパフォーマンスに優れ、洗浄力が高い点からアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)系のものが主流であるが、脱脂性が強く、手荒れの原因となる。一方、硫酸エステル型界面活性剤系のものは、手荒れは少ないものの洗浄力に劣る欠陥がある。また、特許文献2には、カルボン酸類に硫酸塩または塩酸塩を配合し、界面活性剤として非イオン界面活性剤と酵素を含有する予備洗浄剤組成物が開示されている。
また高濃度のイオン性界面活性剤とキレート剤を含有した液体洗浄剤組成物の低温安定性を改善する方法として、特許文献3には、ハイドロトロープ剤の配合、およびナトリウムイオン(Na+)とカリウムイオン(K+)のモル比を限定して組成物中に配合している。
特表平9−509073号公報 特開2004−196901号公報 特開2007−023210号公報
このような機械洗浄における前洗いにおいて、シンクに張った水(湯)に洗浄剤を加えた洗浄水浴中で食器等を洗浄する洗浄方法を行う場合、洗浄液が希薄であるため、処理できる枚数が限られており、頻繁に洗浄液の入れ替えを行わなければならない。また、洗浄液の入れ替え回数を減らす方法としては洗浄剤の濃度を上げることが考えられるが、残留洗剤による泡立ちが後の機械洗浄に悪影響を及ぼし、ランニングコストさらには環境にも負荷を与える。
即ち、機械洗浄による前洗いのための洗浄水において、洗浄剤の濃度が低濃度であっても洗浄持続性(処理出来る食器の枚数などが増える意味)に優れ、且つ、洗い上がりが良好である機械洗浄前洗い用食器洗浄剤が強く求められている。しかし、特許文献2の技術では、洗浄力や洗い上がりに劣る。
また、高濃度で界面活性剤を含有する組成に、無機ナトリウム塩等の無機物を配合する場合、特に低温での安定性(無機塩等の析出)が懸念される。
一方、アルカノールアミンを含有する液体の洗浄剤は高温での保存により着色することがあり、その解決も望まれる。
本発明の課題は、自動食器洗浄機、特に業務用自動食器洗浄機により食器類を洗浄する際に、低濃度に希釈された場合においても、高洗浄力および高洗浄持続性を有し、且つ低温安定性、高温安定性にも優れた機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を提供することにある。
本発明は、(a)炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸のカリウム塩〔以下、(a)成分という〕1〜10質量%、(b)炭素数8〜16のアルキル基を有する、硫酸エステル型界面活性剤〔以下、(b)成分という〕10〜30質量%、(c)下記一般式(1)で表されるアミンオキシド型界面活性剤及び下記一般式(2)で表されるベタイン型界面活性剤から選ばれる界面活性剤〔以下、(c)成分という〕1〜15質量%、(d)下記一般式(3)で表されるアルキルグリコシド型界面活性剤〔以下、(d)成分という〕10〜20質量%、(e)硫酸マグネシウム及び/又は塩化マグネシウム〔以下、(e)成分という〕無水換算として0.1〜5質量%を含有し、(c)成分/(b)成分の質量比が、0.067〜0.50である、機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物。
Figure 0005297616
〔式中、R1は炭素数8〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Aは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、aは0又は1の数である。〕
Figure 0005297616
〔式中、R5は炭素数9〜23のアルキル基又はアルケニル基であり、R6は炭素数1〜6のアルキレン基であり、R7、R8はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R9はヒドロキシ基で置換してもよい炭素数1〜5のアルキレン基である。Bは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、bは0又は1の数である。Dは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -から選ばれる基である。〕
10−(OR11cd (3)
〔式中、R10は炭素数8〜16のアルキル基、R11は炭素数2〜4のアルキレン基、Gは還元糖に由来する残基、cは平均値0〜6の数、dは平均値1〜10の数である。〕
また、本発明は、上記本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を含む洗浄水浴中にて被洗浄物を前洗浄した後、食器洗浄機を用いて本洗浄を行う洗浄方法に関する。
業務用洗浄機では連続式で洗浄時間が40〜50秒と非常に短いため、前洗浄することが好ましく、本発明の組成物は、このような業務用の洗浄機を用いる場合の前洗い用の洗浄剤として有効である。
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、希釈された洗浄剤濃度が希薄であっても高洗浄力を維持し、洗浄持続性が向上するため、シンクに張った洗浄液の入れ替え頻度が減少し、労力、ランニングコストさらには環境にも低負荷である。さらには、残留洗剤による機械洗浄工程への影響もない。このため、特に希薄洗浄方法に使用する機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物として適している。また、低温での保存安定性にも優れるため、結晶析出等の問題も著しく低減される。更に、高温安定性に優れるため、高温保存時の着色の問題も解消される。
<(a)成分>
(a)成分は、炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸カリウム塩であり、組成物中の含有量は1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%、より好ましくは4〜5質量%である。含有量が前記範囲内であると、十分な洗浄力を発現することが出来、特に組成物の濃度が低いときの洗浄力に効果が発現される。
本発明では(a)成分としてアルキルベンゼンスルホン酸カリウム塩を用いることで高温保存時での液の着色を抑制することができる。(a)成分の含有量は、組成物中5質量%以下であることが低温安定性の観点から好ましく、また洗浄性を考慮すると2質量%以上、更に4質量以上が好ましい。ただし、(b)成分やその他成分などから組成物中に持ち込まれるナトリウムイオン(Na+)もまた低温安定性に影響を与えるため、組成物中の全ナトリウムイオン(Na+)と全カリウムイオン(K+)のモル比は、Na+/K+=2.5〜10であることが好ましい。当該モル比の上限は好ましくは8以下であり、下限は好ましくは4.5以上である。ナトリウムイオンとカリウムイオン濃度は、原子吸光度法によって求めることができる。
(a)成分は、酸型で配合され組成物中で水酸化カリウムや炭酸カリウムなどのアルカリ剤で中和して得られるものであってもよい。
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、炭素数8〜16、好ましくは炭素数10〜14のアルキル基を有する硫酸エステル型界面活性剤である。(b)成分としては、炭素数8〜16、好ましくは炭素数10〜14のアルキル基と、平均付加モル数1.5〜4、好ましくは1.6〜4モル、特に好ましくは2〜3モルのオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩〔以下、(b1)成分という〕が挙げられる。(b1)成分のアルキル基は、洗浄効果の点から分岐鎖を含むものが好ましく、全ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩中のポリオキシアルキレン分岐鎖アルキルエーテル硫酸エステル塩の質量比は20〜70質量%、さらに20〜60%質量%であることが洗浄効果の点から好ましい。このような(b1)成分は直鎖1−アルケンをヒドロホルミル化して得られたアルコールを原料にして製造することが出来る。ここで、ヒドロホルミル化とは、鉄、コバルトあるいはニッケル等のカルボニル錯体を触媒として用い、直鎖1−アルケンに一酸化炭素を付加させてアルコールを得る方法であり、直鎖アルキル基とメチル分岐鎖アルキル基を含有するアルコールが得られる。(b1)成分のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、このようなアルコールにさらにエチレンオキサイド(以下、EOと表記する)を必須とするアルキレンオキシド、例えばEOの単独、EOとプロピレンオキサイド(以下、POと表記する)等、好ましくはEOの単独を付加させ、さらに三酸化イオウあるいはクロルスルホン酸で硫酸化し、アルカリ剤で中和して得ることが出来る。アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、1.5〜4、更に1.6〜4、特に2〜3が優れた洗浄性能を達成するために好ましい。中和に用いるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウムが好ましく、さらに好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムである。
(b)成分は、単独で、あるいは、2種以上の組み合わせで配合出来る。組成物中の含有量としては、10〜30質量%、好ましくは15〜30質量%、特に好ましくは20〜30質量%である。具体的にはナトリウム塩として20〜30重量%が好ましい。
<(c)成分>
(c)成分は、前記一般式(1)で表されるアミンオキシド型界面活性剤及び前記一般式(2)で表されるベタイン型界面活性剤から選ばれる界面活性剤である。一般式(1)中、R1は好ましくは炭素数10〜16、特に好ましくは10〜14のアルキル基又はアルキレン基である。R2は好ましくは炭素数2又は3のアルキレン基である。aは好ましくは1の数である。また、一般式(2)中、R5は好ましくは炭素数9〜17、特に好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基、R6は好ましくは炭素数1〜4、特に好ましくは2又は3のアルキレン基、bは好ましくは0である。また、R7、R8はメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、R9はヒドロキシ基で置換してもよい炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。Dは洗浄効果の点から−SO3 -が良好である。
(c)成分は、単独で、あるいは、2種以上の組み合わせで配合出来る。組成物中の含有量としては、1〜15質量%、好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは3〜10質量%である。
(c)成分と(b)成分の質量比は、組成物の洗浄力および安定性の観点から、(c)成分/(b)成分が0.067〜0.50であり、より好ましくは0.125〜0.25である。
<(d)成分>
(d)成分は、前記一般式(3)で表されるアルキルグリコシド型界面活性剤である。一般式(3)中、R10は好ましくは炭素数10〜16、特に好ましくは10〜14のアルキル基、R11は好ましくはエチレン基又はプロピレン基、特に好ましくはエチレン基、dは好ましくは平均値1〜5、特に好ましくは1〜2の数である。(d)成分の組成物中の含有量は、10〜20質量%であり、好ましくは10〜15質量%である。
<(e)成分>
本発明の(e)成分は硫酸マグネシウム及び/又は塩化マグネシウムであり、配合の際には、水和物が好ましく用いられる。水和物としては、室温で安定な硫酸マグネシウム7水和物、塩化マグネシウム6水和物を挙げることができる。(e)成分の組成物中の含有量は無水換算で0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜2.5質量%である。含有量が前記範囲内であると、十分な洗浄力を発現することが出来、組成物の安定性を高めることが出来る。
また本液体洗浄剤組成物は炭素数が1〜4のアルキル基を1〜3個有する低級アルキルベンゼンスルホン酸塩や、クメンスルホン酸塩などの公知の芳香族系ハイドロトロープ剤を殆ど配合せずとも優れた洗浄力と保存安定性を得ることができる。芳香族系ハイドロトロープ剤の含有量は0.5質量%以下であっても十分な安定性を得ることができる。なおナトリウム塩又はカリウム塩で配合する場合前記[Na+]/[K+](モル比)の条件を満たすことが好ましい。
<その他の成分>
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物には、本発明の課題を解決出来る範囲で、溶剤、抗菌剤、香料、顔料、染料等を添加することが出来る。
<機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物>
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、上記した(a)〜(e)成分及び必要に応じて他の成分を水と混合して得られるものであり、20℃で透明液体のものが好ましい。水は、イオン交換水又は蒸留水を用いることが出来る。また、水を殺菌又は滅菌する目的から少量の塩素を含有してもよい。
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の粘度(20℃、測定法は実施例に記載)は、100(mPa・s)以上が好ましく、より好ましくはハンドリングのため200〜500(mPa・s)である。
本発明でいう粘度は、次のようにして測定する。まずTOKIMEC.INC製B型粘度計モデルBMに、ローター番号No.3のローターを備え付けたものを準備する。試料をトールビーカーに充填し20℃の恒温槽内にて20℃に調整する。恒温に調整された試料を粘度計にセットする。ローターの回転数を60r/mに設定し、回転を始めてから60秒後の粘度を本発明の粘度とする。
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物のpH(25℃)は、組成物安定性のため、6.0〜8.0が好ましい。より好ましくは、洗浄性能をより効果的に発現するため及び安定性確保のために6.0〜7.0とする。pHの測定は、JIS Z 8802 7.2(測定方法)により行う。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、燐酸などの無機酸やクエン酸、コハク酸、りんご酸、乳酸などの有機酸を酸剤として用いることが出来、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど、またはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンをアルカリ剤として用いることが出来る。ただし、アルカノールアミンは保存安定性を損なわない範囲で使用する必要がある。
<洗浄方法>
本発明の洗浄方法は、上記した機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を低濃度で含む洗浄水浴中にて被洗浄物を前洗浄した後、本洗浄として食器洗浄機を用いて機械洗浄を行う洗浄方法である。
洗浄方法としては、具体的に次の洗浄操作を挙げることが出来る。
(I)本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を含む洗浄水浴中に食器、調理器具などの被洗浄物を適当な時間つけ置き後、洗浄水浴中で食器などを洗浄した後、機械洗浄を行う方法。
(II)つけ置きせずに本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を含む洗浄水浴中で食器、調理器具などの被洗浄物を洗浄した後、機械洗浄を行う方法。
これら洗浄方法は、機械洗浄にかける前に、本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を含む洗浄水浴中で、簡単にスポンジや布巾等で擦るなどの操作をして前洗浄することが好ましいが、つけ置き後、擦るなどの操作を行うことなく、洗浄水浴から取り出し、そのまま機械洗浄にかける方法であってもよい。本発明の洗浄方法は、特に(II)による機械洗浄の前洗いに適している。なお、いずれの洗浄方法においても、必要に応じてスポンジ等の可撓性吸収体や布巾等の布製品を使用することが出来る。
本発明の洗浄方法(希薄洗浄方法)では、洗浄水浴中における機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の濃度は、0.005〜0.5質量%が好ましく、0.01〜0.1質量%がより好ましく、0.01〜0.05質量%が更に好ましい。
実施例1
表1に示す成分を用いて、機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を調製し、それら組成物のpH、粘度、洗浄力、高温保存安定性、低温保存安定性を後述の方法で評価した。結果を表1に示す。
<pH>
pHは、機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物(原液)を、25℃にて、堀場製作所製のpHメーターF−52を用いて測定する。pHの測定は、「JIS Z 8802 7.2」のpH測定法により測定した。
<粘度>
TOKIMEC INC.製B型粘度計 モデルBMに、ローター番号No.3のローターを備え付けたものを準備する。表1の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を粘度測定用ビーカーに充填し、20℃の恒温水槽中で充分に温度調節する。組成物の入ったビーカーを粘度計にセットし、ローター回転数を60r/minにて60秒後の粘度を測定した。
<洗浄力>
プラスティック製洗い桶に、水(温度30℃、ドイツ硬度3.5°DH)を10L張り、機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の所定量(洗浄剤組成物濃度0.04質量%)を溶かし良く攪拌する。予め用意しておいたモデル汚れ付き食器〔牛脂/ナタネ油=1/1(質量比)の5gをポリプロピレン皿に塗布し、室温で24時間放置したもの〕を、洗い桶中の洗浄水浴(希釈した組成物)に浸漬した状態で、新品のスポンジ(キクロン株式会社製の商品名キクロン、115mm×75mm×35mmの可撓性吸収体)にて擦り洗いする。ヌルつきを感じなくなった時点で次の皿に移り、これを繰り返す。洗浄中、洗い桶中の洗浄水浴は、汚れが溜まってくるため洗浄力が低下する。洗浄の終点は、スポンジで洗浄するときにヌルつきが取れなくなった皿の1つ前の皿数とした。
通常、皿等の食器類を機械洗い前に大まかに前洗いした後に機械洗浄機にセットして本洗浄を行うが、本実施例では、前洗い洗浄の効果、洗浄力の持続性を明確にするために、希薄洗浄系での洗浄力評価、すなわち機械洗浄にかける前の時点での評価を行った。
<高温保存安定性>
容量5Lのボトルに、機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物(原液)5Lを充填し、50℃に調節した恒温室に20日保存した後、組成物の外観の評価を行った。評価は、殆ど着色しないものを「○」、着色するが許容範囲内であるものを「△」、大幅に着色し許容範囲外であるものを「×」とした。
<低温保存安定性>
容量5Lのボトルに、容量の約1/5(1000mL)の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物(原液)を充填し、0℃に調節した恒温室に保存する。1日に1回、充填した組成物でボトル内壁面を満遍なく濡らし、20日保存後の組成物の外観の評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 0005297616
(注)表中の記号は以下のものを表す。
・LAS−K:ドデシルベンゼンスルホン酸を水酸化カリウムで中和したもの
・AES:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム〔原料アルコールは1−デセンおよび1−ドデセン50/50(質量比)を原料にヒドロホルミル化して得られたアルコールである。このアルコールにEOを平均2モル付加させた後、三酸化イオウにより硫酸化し、水酸化ナトリウムで中和した。全ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム中の全ポリオキシエチレン分岐鎖アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムの割合は42質量%であった。〕
・両性1(注):N−ラウロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシド
・両性2(注):N−ラウリル−N−N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン
・APG:アルキル基の組成が炭素数12/炭素数14=60/40(質量比)の直鎖混合アルキル、グルコシド平均縮合度1のアルキルグルコシド
・LAS−Na:ドデシルベンゼンスルホン酸をNaOHで中和したもの
・LAS−MEA:ドデシルベンゼンスルホン酸をモノエタノールアミンで中和したもの
・ノニオン:ポリオキシエチレンラウリルエーテル〔EO平均付加モル数4〕
・防腐剤:プロキセルBDN〔アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社〕
(注)両性1及び2はいずれも塩化ナトリウムを少量含有するものを使用した。

Claims (3)

  1. (a)炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸のカリウム塩2〜5質量%、(b)炭素数8〜16のアルキル基を有する、硫酸エステル型界面活性剤10〜30質量%、(c)下記一般式(1)で表されるアミンオキシド型界面活性剤及び下記一般式(2)で表されるベタイン型界面活性剤から選ばれる界面活性剤1〜15質量%、(d)下記一般式(3)で表されるアルキルグリコシド型界面活性剤10〜20質量%、(e)硫酸マグネシウム及び/又は塩化マグネシウムを無水換算として0.1〜5質量%を含有し、
    (c)成分/(b)成分の質量比が、0.067〜0.50であり、
    ナトリウムイオン(Na + )とカリウムイオン(K + )のモル比が、Na + /K + =2.5〜10であり、
    pH(25℃)が、6.0〜8.0である、
    機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物。
    Figure 0005297616

    〔式中、R1は炭素数8〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Aは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、aは0又は1の数である。〕
    Figure 0005297616

    〔式中、R5は炭素数9〜23のアルキル基又はアルケニル基であり、R6は炭素数1〜6のアルキレン基であり、R7、R8はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R9はヒドロキシ基で置換してもよい炭素数1〜5のアルキレン基である。Bは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、bは0又は1の数である。Dは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -から選ばれる基である。〕
    10−(OR11cd (3)
    〔式中、R10は炭素数8〜16のアルキル基、R11は炭素数2〜4のアルキレン基、Gは還元糖に由来する残基、cは平均値0〜6の数、dは平均値1〜10の数である。〕
  2. 20℃における粘度が100〜500mPa・sである、請求項1記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物。
  3. 請求項1又は2記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を含む洗浄水浴中にて被洗浄物を前洗浄した後、食器洗浄機を用いて本洗浄を行う洗浄方法。
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