JP5278828B2 - ジャケットの据え付け方法 - Google Patents
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Description
上記の基礎構造体を構築した後、基礎構造体の上方に下端部が構造体と1体化されるか、又は下端部がボルト、ナット等で固着された支柱部を立設して、その上方に目的とする構造物を設置するようにしている。
また、これに加えていずれの方法も、施工時の波浪に対して非常に敏感であり、設置直後のジャケットの滑動や転倒のおそれがあるという問題がある。
海底Gに複数のジャッキ8を配置し、この上に基礎受けフレーム2を載置し、基礎受けフレーム2が水平になるようにジャッキ8の高さを調節する。次に鋼管杭1を基礎受けフレーム2に設けた孔2aを通して先端を海底Gに着地させて打設する。打設後に鋼管杭1の杭頭1aと基礎受けフレーム2とをピン2cによって固定する。次に基礎ブロック3を基礎受けフレーム2上に載置して基礎受けフレーム2と基礎ブロック3とをピン2cによって固定する。次に基礎ブロック3上に風力発電部5の支柱6を、鋼管杭1の中心線が形成する正6角形の中心に位置させて立設する。
しかしながら、この方法ではジャッキそのものが海底にもぐり込まないような工夫が必要であり、また、設置後のレベルコントロールもかなり大がかりなものとなるという問題がある。
すなわち、本発明は以下に記載するとおりのジャケットの据え付け方法に係るものである。
該ジャケットが中央レグとその周囲に配置された複数本の周囲レグと前記レグ間を結合するブレースと、中央レグ内部に設けられた傾き調整・保持装置を備えており、
前記周囲レグは筒状部材と該筒状部材内を摺動可能で筒状部材から突出可能な回転拘束部材とからなる回転拘束装置を設けており、
該ジャケットを次の(1)〜(6)の工程によって据え付け、
かつ、下記(2)と(3)の工程の間に前記筒状部材から回転拘束部材を突出させて回転拘束部材が海底に突き刺さることによりジャケットの中央杭周りの回転を防ぐ工程を設ける
ことを特徴とするジャケットの据え付け方法。
(1)水底地盤に中央杭を打設する工程
(2)打設した中央杭にジャケットの中央レグを挿通させてジャケットを水底に配置する工程、
(3)中央レグ内部の傾き調整・保持装置によって中央レグと中央杭とを仮連結する工程
(4)周囲レグに杭を挿入し打設する工程
(5)中央レグ内部の傾き調整・保持装置によってジャケットの傾きを微調整する工程
(6)レグと杭とを接合する工程
[2]水域に設置して構造物を建設するための基礎構造体となるジャケットの据え付け方法であって、該ジャケットが中央レグとその周囲に配置された複数本の周囲レグと前記レグ間を結合するブレースと、中央レグ内部に設けられた傾き調整・保持装置とを備えており、
前記中央レグに挿通される中央杭は、中央レグに挿通されたとき、中央杭の天端がジャケットの重心位置より上方に位置するような杭長さであり、
前記ジャケットを次の(1)〜(6)の工程によって据え付けることを特徴とするジャケットの据え付け方法。
(1)水底地盤に中央杭を打設する工程
(2)打設した中央杭にジャケットの中央レグを挿通させてジャケットを水底に配置する工程、
(3)中央レグ内部の傾き調整・保持装置によって中央レグと中央杭とを仮連結する工程
(4)周囲レグに杭を挿入し打設する工程
(5)中央レグ内部の傾き調整・保持装置によってジャケットの傾きを微調整する工程
(6)レグと杭とを接合する工程
[3]前記傾き調整・保持装置が、中央レグ壁面において中央レグの軸方向に二段に設けられた複数個のジャッキからなり、各段には中央レグの周方向に間隔を置いて複数個のジャッキが中央杭を中央レグの径方向に押圧するようにしたものであることを特徴とする(1)又は(2)に記載のジャケットの据え付け方法。
[4]前記ジャッキが流体作動式ジャッキであることを特徴とする(3)に記載のジャケットの据え付け方法。
[5]前記(6)の工程を周囲レグと該周囲レグ内の杭との間においてのみ行うことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のジャケットの据え付け方法。
[6]前記(6)の工程を、レグと杭との間隙にグラウト材を充填し固化することによって行うことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のジャケットの据え付け方法。
図1は本発明の据え付け方法において用いるジャケットの一例を示す図である。
ジャケットAは中央レグ1と、その周囲の4本のレグ2と、レグ同士を結合するブレース3とから構成されている。ジャケットは、ジャケット重心位置が中央レグ位置となるように、レグとブレースの部材配置及びサイズを調整しておく。なお図に示したものは周囲のレグが4本の場合を示したが、これを3本としても良く、4本より多くしても良い。
また、中央レグ内には後述する傾き調整・保持装置が装備されており、周囲レグ2には後述する回転拘束装置4が装備されている。
図2(a)は中央レグ1に杭5が挿通された状態を示している。
中央レグ1の上部内壁には傾き調整・保持装置6が上下2段に一組ずつ設けられている。
図2(b)は図2(a)のA−A断面図であり、図2(c)は図2(a)のB−B断面図である。
傾き調整・保持装置6の上段部及び下段部はそれぞれ4つの流体作動式ジャッキから構成されている。この傾き調整・保持装置には配管11によって作動流体(液体又は気体)を供給することによってジャッキが作動しジャッキストロークが中央レグの径方向に押出されるようになっている。例えば図2(b)に示す上段のジャッキαと図2(c)に示す下段のジャッキβをそれぞれ作動させると図2(d)に示すように杭5に偶力F1、F2が作用し、その反力によってジャケットの傾斜を修正することができる。そして、各ジャッキへの作動流体の供給量を調整することによってジャケットの傾斜を微調整し中央レグの正確な鉛直度を確保するようになっている。
図では各段のジャッキを4個とした例を示したが、各段のジャッキの数は4〜6個とすることが好ましい。
なお、鉛直度の確保はジャケット頂部の台座プラットフォームに設置された傾斜計で台座プラットフォームの水平度を判定することによって行うことができる。
杭5は中央レグ1の下部に設けられたテーパ状の開口を備えたガイド管7によって案内されて中心レグ1内に挿通される。ガイド管7は図2(e)に示すようにその外周面を複数本の板状のガイド管支持部材8によって支持されている。
図3(a)は回転拘束装置の作動前の状態を示し、図3(b)は回転拘束装置の作動後の状態を示す。
図に示すように回転拘束装置は筒状部材9と該筒状部材9内を摺動可能な回転拘束部材10と図示しない作動流体供給手段とからなり、流体圧によって筒状部材9から回転拘束部材10が突き出されることによって突き出された回転拘束部材が水底地盤中に貫入することによってジャケットの回転を防止するようになっている。
上記以外の方法として、流体圧にて保持しておいた回転拘束部材10を、流体圧を制御することにより開放し、自重により回転拘束部材10を水底地盤中に貫入させてジャケットの回転を防止してもよい。
図では回転拘束装置を周囲レグの個数分設ける例を示したが、1個設置するだけでもよい。
杭の天端がジャケットの重心位置より上方となるように杭長さを選定しておくことにより、中央杭にてジャケット重心位置が支持されジャケット鉛直度が保たれる。
このようにすることにより、中央の杭1本によってジャケットの重心位置を保持し傾きを防止するとともに波浪に対する初期安定性を確保することができる。
周囲杭を打設した後で、中央レグ内部の傾き調整・保持装置によってジャケットの傾きを微調整する。
この後に杭とレグとを接合する。接合方法としては、杭とレグとの間隙にレグの下方からグラウト材を注入し、水をグラウト材と置換させて排除し充填したグラウト材を固化させることによって接合する方法及びスエージ・システム(Swage System:レグ内面に窪みをつけておき、杭を塑性変形させてレグの窪みとかみ合うようにするシステム)によって行う方法をあげることができる。
上記により簡便な方法で中央レグの正確な鉛直度を確保することができ、ジャケット上部の傾き補正構造なしで、洋上風力発電などの基礎に供することができる。
<工程1>
水底地盤に中央の杭をほぼ鉛直になるように打設する。
<工程2>
中央レグを中央杭に覆いかぶせるようにして、打設した中央の杭を中央レグの孔に挿通しジャケットを水底に配置する。
<工程3>
中央レグ内の傾き調整・保持装置を流体圧(液体又は空気)で作動させて中央杭と中央レグとを仮連結する。
<工程4>
周囲のレグに杭を挿通して杭を打設する。
<工程5>
中央レグ内部の傾き調整・保持装置によってジャケットの傾きを微調整する。
<工程6>
周囲のレグと杭との間の間隙にグラウトを注入してレグと杭とを接合する。
前記の工程3を実施することによってもジャケットの回転をある程度防ぐことができるが、レグの周囲に回転拘束装置を設けておき、上記工程3と工程4との間で回転拘束装置を作動させる工程を追加することによってジャケットの中央杭回りの回転を防ぐようにしてもよい。
上記のステップによってジャケットの据え付けを行うことにより、現地施工手間を最小としながら、鉛直度を精度よく確保でき、ジャケットを洋上風力発電の基礎に供することができる。
(1)風力発電設備などジャケット上部構造を撤去する。
(2)周囲の杭を、海底面より少し下で、杭内部より切断する。
(3)ジャケットを吊り上げて撤去する。
中央レグとその内部の杭とをグラウト接合させていないので、ジャケットを鉛直方向に吊り上げれば、撤去が可能となる。
ジャケットの重心位置を中央の杭が支えているので、(2)から(3)のステップでも構造系が不安定になることが少ない。
A ジャケット
1 中央レグ
2 周囲レグ
3 ブレース
4 回転拘束装置
5 杭
6 傾き調整・保持装置
7 ガイド管
8 ガイド管支持部材
9 筒状部材
10 回転拘束部材
11 配管
12 海底面
α ジャッキ
β ジャッキ
F1,F2 偶力
(図6について)
1 鋼管杭
1a 杭頭
2 基礎受けフレーム
2a 基礎受けフレームに設けた孔
2c ピン
3 基礎ブロック
4 ワッシャー状鋼板
5 風力発電部
6 支柱
8 ジャッキ
G 海底
Claims (6)
- 水域に設置して構造物を建設するための基礎構造体となるジャケットの据え付け方法であって、
該ジャケットが中央レグとその周囲に配置された複数本の周囲レグと前記レグ間を結合するブレースと、中央レグ内部に設けられた傾き調整・保持装置を備えており、
前記周囲レグは筒状部材と該筒状部材内を摺動可能で筒状部材から突出可能な回転拘束部材とからなる回転拘束装置を設けており、
該ジャケットを次の(1)〜(6)の工程によって据え付け、
かつ、下記(2)と(3)の工程の間に前記筒状部材から回転拘束部材を突出させて回転拘束部材が海底に突き刺さることによりジャケットの中央杭周りの回転を防ぐ工程を設ける
ことを特徴とするジャケットの据え付け方法。
(1)水底地盤に中央杭を打設する工程
(2)打設した中央杭にジャケットの中央レグを挿通させてジャケットを水底に配置する工程、
(3)中央レグ内部の傾き調整・保持装置によって中央レグと中央杭とを仮連結する工程
(4)周囲レグに杭を挿入し打設する工程
(5)中央レグ内部の傾き調整・保持装置によってジャケットの傾きを微調整する工程
(6)レグと杭とを接合する工程 - 水域に設置して構造物を建設するための基礎構造体となるジャケットの据え付け方法であって、該ジャケットが中央レグとその周囲に配置された複数本の周囲レグと前記レグ間を結合するブレースと、中央レグ内部に設けられた傾き調整・保持装置とを備えており、
前記中央レグに挿通される中央杭は、中央レグに挿通されたとき、中央杭の天端がジャケットの重心位置より上方に位置するような杭長さであり、
前記ジャケットを次の(1)〜(6)の工程によって据え付けることを特徴とするジャケットの据え付け方法。
(1)水底地盤に中央杭を打設する工程
(2)打設した中央杭にジャケットの中央レグを挿通させてジャケットを水底に配置する工程、
(3)中央レグ内部の傾き調整・保持装置によって中央レグと中央杭とを仮連結する工程
(4)周囲レグに杭を挿入し打設する工程
(5)中央レグ内部の傾き調整・保持装置によってジャケットの傾きを微調整する工程
(6)レグと杭とを接合する工程 - 前記傾き調整・保持装置が、中央レグ壁面において中央レグの軸方向に二段に設けられた複数個のジャッキからなり、各段には中央レグの周方向に間隔を置いて複数個のジャッキが中央杭を中央レグの径方向に押圧するようにしたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のジャケットの据え付け方法。
- 前記ジャッキが流体作動式ジャッキであることを特徴とする請求項3に記載のジャケットの据え付け方法。
- 前記(6)の工程を周囲レグと該周囲レグ内の杭との間においてのみ行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のジャケットの据え付け方法。
- 前記(6)の工程を、レグと杭との間隙にグラウト材を充填し固化することによって行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のジャケットの据え付け方法。
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