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JP5277905B2 - 電気泳動表示装置の駆動方法、電気泳動表示装置、及び電子機器 - Google Patents

電気泳動表示装置の駆動方法、電気泳動表示装置、及び電子機器 Download PDF

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JP5277905B2 JP2008302922A JP2008302922A JP5277905B2 JP 5277905 B2 JP5277905 B2 JP 5277905B2 JP 2008302922 A JP2008302922 A JP 2008302922A JP 2008302922 A JP2008302922 A JP 2008302922A JP 5277905 B2 JP5277905 B2 JP 5277905B2
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Description

本発明は、電気泳動表示装置の駆動方法、電気泳動表示装置、及び電子機器に関するものである。
電気泳動表示装置として、一対の基板間に液相分散媒と電気泳動粒子とを有する電気泳動素子を挟持した構成のものが知られている。この種の電気泳動表示装置では、電気泳動素子を挟持する一対の電極に電圧を印加することで電気泳動粒子の分布状態を変化させて表示を行う(例えば特許文献1参照)。
さらに、特許文献1に記載の電気泳動表示装置では、電極の表面に絶縁性部材を設けた構成における電気泳動素子の自己消去を防止するために、電極への印加電圧を切断するときの波形を鈍らせることで電極に逆極性の電圧が印加されないようにしていた。
特開2003−140199号公報
特許文献1に記載の技術は、電極上に形成された絶縁性部材に起因する電気泳動素子の自己消去を防止するものであった。しかしながら、電極上に絶縁性部材が設けられていない構成であっても、電気泳動素子自体が静電容量と電気抵抗を有しているために自己消去が生じる可能性があった。
ここで図10は、電気泳動表示装置の回路構成を示す概略図である。図10(a)に示すように、電気泳動表示装置500は、電気泳動素子32と、電源Eと、スイッチ回路SWとを配線を介して接続した構成である。電気泳動素子32は、静電容量Cepと、電気抵抗Repとを並列接続した回路として表すことができる。
電気泳動表示装置500において、電気泳動素子32を駆動するには、図10(a)に示すように、スイッチ回路SWをオン状態とし、電気泳動素子32に電源Eから駆動電圧Vを印加する。これにより電気泳動素子32を所望の表示状態とし、その後、図10(b)に示すように、スイッチ回路SWをオフ状態とする。
すると、駆動電圧Vの印加により電気泳動素子32の静電容量Cepに蓄積されていた電荷が、電源Eの切断後に電気泳動素子32の電気抵抗Repに流れる電流iとなって開放される。このとき、電荷解放時の電流iが大きいと、図10(c)に示すように、電気泳動粒子pが電荷とともに移動してしまう。つまり、相対的に高電位側の電極に引き寄せられている負帯電の電気泳動粒子が、電圧切断後に低電位側の電極の方へ移動し、正帯電の電気泳動素子は負帯電の電気泳動粒子とは逆の動きをする。
ここで、図11は、図4に示す画素40における従来の駆動方法を示すタイミングチャートである。画素40は、選択トランジスタ41と画素電極35と共通電極37と電気泳動素子32とを備える。なお、図4の各部の詳細については、後述する実施の形態において説明している。
図11の時刻t0において、選択トランジスタ41のゲート電極41eの電位Gateはハイレベル(H;例えば40V)であり、ソース電極41cの電位DATAはローレベル(L;例えば0V)である。また、共通電極37の電位COMはハイレベル(H;例えば40V)である。このとき、画素40は高反射率(H)の状態であり、白表示されている。
画像表示動作が開始されると、時刻t1において共通電極37の電位COMがローレベル(L;例えば0V)とされ、時刻t2において選択トランジスタ41のソース電極41cの電位DATAがハイレベル(H;例えば40V)とされる。そして、時刻t3において選択トランジスタ41のゲート電極41eの電位Gateがローレベル(L;例えば0V)に設定され、選択トランジスタ41がオン状態とされる。これにより、画素電極35に電位DATA(ハイレベル)が入力され、画素電極35と共通電極37との間に形成される電界により電気泳動素子32が駆動されて画素40が低反射率(L)の状態(黒表示)となる。
その後、時刻t5において、選択トランジスタ41のゲート電極41eの電位Gateがハイレベルに設定されて選択トランジスタ41がオフ状態とされ、続く時刻t6において、ソース電極41cの電位DATAがローレベルとされる。
以上の従来の駆動方法では、ソース電極41cの電位DATAがハイレベル、共通電極37の電位COMがローレベルである期間に、選択トランジスタ41をオフ状態に移行させることで、画素電極35への電位入力を停止する。したがって、電気泳動素子32の静電容量Cepに蓄積された電荷は、図10(b)に示したように、電気泳動素子32の電気抵抗Repを介して画素電極35、共通電極37間を移動することとなる。そうすると、先に記載のように、電気抵抗Repに流れる電流iの大きさによっては、電極間を移動する電荷とともに電気泳動粒子(黒色粒子26、白色粒子27)が移動してしまう。これにより、図11に示すように、時刻t5から反射率が上昇し始め、黒表示のコントラストが損なわれてしまう。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、電気泳動素子の静電容量及び電気抵抗に起因する自己消去を防止し、優れた画像保持特性を得られる電気泳動表示装置の駆動方法を提供することを目的の一つとする。また本発明は、画像保持特性に優れた電気泳動表示装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法は、上記課題を解決するために、第1の基板と第2の基板との間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟持してなり、前記第1の基板の前記電気泳動素子側に形成された第1の電極と、前記第2の基板の前記電気泳動素子側に形成された第2の電極とを有し、前記第1の基板に、前記第1の電極と電気的に接続されたドレイン端子を有するトランジスタが形成された電気泳動表示装置の駆動方法であって、前記電気泳動素子に電圧を印加する画像表示ステップが、前記第1の電極に第1の電位を入力する一方、前記第2の電極に第2の電位を入力することで前記電気泳動素子を駆動する素子駆動ステップと、前記第1の電極の電位を前記素子駆動ステップの開始時における電位の変化速度よりも遅い一定速度で変化させ、前記第1の電位から前記第2の電位に移行させる蓄積電荷除去ステップと、を有しており、前記素子駆動ステップでは、前記トランジスタのゲート端子に選択信号を入力して前記トランジスタをオン状態とすることで前記第1の電極に前記第1の電位を入力し、前記蓄積電荷除去ステップでは、前記トランジスタのソース端子に前記第1の電位が入力されている期間に、オン状態の前記トランジスタの前記ゲート端子の電位を一定速度で変化させて前記第1の電極の蓄積電荷を除去しつつオフ状態に移行させることを特徴とする。
この駆動方法によれば、蓄積電荷除去ステップにおいて、素子駆動ステップで電気泳動素子の静電容量に蓄積された電荷を、第1の電極の電位制御によって解放するので、静電容量に蓄積された電荷が解放される際に電気泳動素子に流れる電流を低減することができる。これにより、上記電流とともに電気泳動粒子が移動してしまう自己消去を効果的に防止することができる。よって、本発明によれば、優れた画像保持性を得ることができる。
前記蓄積電荷除去ステップにおいて、前記第1の電極の電位変化速度を、前記電気泳動素子の自己消去が生じない範囲で最大の速度とすることが好ましい。
このような駆動方法とすることで、自己消去によるコントラスト低下を抑制しつつ、画像表示動作後の第1の電極の電位を短時間で安定させることができる。
前記蓄積電荷除去ステップにおいて、前記第1の電極の電位変化速度vを、以下の式(1)に示す範囲とすることが好ましい。ただし、V1は前記第1の電位、V2は前記第2の電位、τは前記電気泳動素子の時定数である。
≦|V1−V2|/τ …(1)
通常、電気泳動素子は、駆動電圧を瞬間的に遮断した後に電極の電荷が自然放電されても自己消去が生じないように設計される。しかし、環境温度や電気泳動素子の水分含有量などが変動すると、それに伴って電気泳動素子の電気抵抗が変動するため、常温条件で自己消去が生じないような電気泳動素子であっても温度条件の変化により自己消去が生じてしまうおそれがある。
そこで本発明の駆動方法では、上記のように、電位変化速度vの範囲を設定することが好ましい。これにより、電気泳動素子に流れる電流を、電極の電荷を自然放電させたときの最大電流以下に抑えることができるので、温度条件が変化しても自己消去によるコントラスト低下を生じにくくすることができる。
前記蓄積電荷除去ステップにおいて、前記第1の電極の電位を一定速度で変化させる波形の駆動信号を前記第1の電極に入力することが好ましい。
このような駆動方法とすることで、蓄積電荷除去ステップにおいて、第1の電極の電位を、最短の時間で第1の電位から第2の電位に移行させることができる。
前記第1の基板に、前記第1の電極と接続されたドレイン端子を有するトランジスタが形成されており、前記蓄積電荷除去ステップにおいて、前記第1の電極の電位を一定速度で変化させる波形の選択信号を前記トランジスタのゲート端子に入力することが好ましい。
このような駆動方法としても、蓄積電荷除去ステップにおいて、第1の電極の電位を、最短の時間で第1の電位から第2の電位に移行させることができる。
前記蓄積電荷除去ステップに先立って、前記蓄積電荷除去ステップにおける前記第1の電極の電位変化速度を、環境温度に基づいて補正する温度補正ステップを有することが好ましい。
このような駆動方法とすれば、環境温度の変化により自己消去が生じやすくなったとしても、自己消去の発生を確実に防止でき、さらに優れた画像保持特性を得ることができる。
次に、本発明の電気泳動表示装置は、第1の基板と第2の基板との間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟持してなり、前記第1の基板の前記電気泳動素子側に形成された第1の電極と、前記第2の基板の前記電気泳動素子側に形成された第2の電極と、前記電気泳動素子に駆動電圧を印加する電圧制御部と、を有し、前記第1の基板に、前記第1の電極と電気的に接続されたドレイン端子を有するトランジスタが形成された電気泳動表示装置であって、前記電圧制御部は、前記電気泳動素子を駆動して画像を表示させるに際して、前記第1の電極に第1の電位を入力し、前記第2の電極に第2の電位を入力することで前記電気泳動素子を駆動する素子駆動動作と、前記第1の電極の電位を、前記素子駆動動作の開始時における電位の変化速度よりも遅い一定速度で変化させ、前記第1の電位から前記第2の電位に移行させる蓄積電荷除去動作と、を実行し、前記素子駆動動作では、前記トランジスタのゲート端子に選択信号を入力して前記トランジスタをオン状態とすることで前記第1の電極に前記第1の電位を入力し、前記蓄積電荷除去動作では、前記トランジスタのソース端子に前記第1の電位が入力されている期間に、オン状態の前記トランジスタの前記ゲート端子の電位を一定速度で変化させて前記第1の電極の蓄積電荷を除去しつつオフ状態に移行させることを特徴とする。
この構成によれば、素子駆動動作の後に、素子駆動動作によって電気泳動素子の静電容量に蓄積された電荷を第1の電極の電位制御によって解放する蓄積電荷除去動作を実行するので、静電容量に蓄積された電荷が解放される際に電気泳動素子に流れる電流を低減することができる。これにより、上記電流とともに電気泳動粒子が移動してしまう自己消去を効果的に防止することができる。よって、本発明によれば、優れた画像保持性を得ることができる。
次に、本発明の電子機器は、先に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、画像保持特性に優れ、表示品位に優れた表示手段を具備した電子機器を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明における電気泳動表示装置について説明する。なお本実施形態では、アクティブマトリクス方式により駆動される電気泳動表示装置について説明する。
なお、本実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、図面を見やすくするために実際の構成とは適宜異ならせて表示している。
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置100の概略構成図である。
電気泳動表示装置100は、複数の画素40がマトリクス状に配列された表示部5を備えている。表示部5の周辺には、走査線駆動回路61、データ線駆動回路62が配置されている。また表示部5には、走査線駆動回路61から延びる複数の走査線36と、データ線駆動回路62から延びる複数のデータ線38とが形成されており、これらの交差位置に対応して画素40が設けられている。画素40は、走査線36及びデータ線38と接続された選択トランジスタ41と、選択トランジスタ41と接続された画素電極35(第1の電極)とを有する。
走査線駆動回路61は、m本の走査線36(G1、G2、…、Gm)を介して各々の画素40に接続されており、これら1行目からm行目までの走査線36を順次選択し、画素40に設けられた選択トランジスタ41のオンタイミングを規定する選択信号を、選択した走査線36を介して供給する。
データ線駆動回路62は、n本のデータ線38(S1、S2、…、Sn)を介して各々の画素40に接続されており、画素40の各々に対して画素データを規定する画像信号を供給する。
次に、図2(a)は、表示部5に設けられた1つの画素40における電気泳動表示装置100の部分断面図である。電気泳動表示装置100は、素子基板(第1の基板)30と対向基板(第2の基板)31との間に、複数のマイクロカプセル20を配列してなる電気泳動素子32を挟持した構成を備えている。
表示部5において、素子基板30の電気泳動素子32側には、画素電極35(第1の電極)、走査線36、データ線38、及び選択トランジスタ41が形成されている。
素子基板30は、ガラスやプラスチック等からなる基板であり、画像表示面とは反対側に配置されるため透明なものでなくてもよい。特に本実施形態の場合、選択トランジスタ41が後述する有機トランジスタであるため、安価で軽量、かつ柔軟性に優れたプラスチック基板を用いることができる。
画素電極35は電気泳動素子32に駆動電圧を印加する電極であり、Cu(銅)箔上にニッケルメッキと金メッキとをこの順番で積層したものや、Al、ITO(インジウム・スズ酸化物)などを用いて形成される。さらに、Cr、Ta、Mo、Nb、Ag、Pt、Pd、In、Ndやそれらの合金、InO、SnO等の導電性酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子、導電性高分子に塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF、AsF、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウムカリウム等の金属原子等のドーパントを添加したもの、カーボンブラックや金属粒子を分散した導電性の複合材料等を用いてもよい。
走査線36及びデータ線38は、上記した画素電極35と同様の材料を用いて形成することができる。
選択トランジスタ41は、半導体層41aと、ゲート絶縁膜41bと、ソース電極41cと、ドレイン電極41dと、ゲート電極41eとを有する。本実施形態の場合、ソース電極41cはデータ線38の一部を用いて形成され、ドレイン電極41dは画素電極35の一部を用いて形成され、ゲート電極41eは走査線36の一部を用いて形成されている。
半導体層41aは、有機半導体材料を含む有機半導体層である。半導体層41aは、一部をソース電極41c及びドレイン電極41dに乗り上げるようにして素子基板30上に形成されている。
有機半導体材料としては、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)(PTV)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PFO)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ビス−N,N’−(4−メトキシフェニル)−ビス−N,N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン)(PFMO)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ベンゾチアジアゾール)(BT)、フルオレン−トリアリルアミン共重合体、トリアリルアミン系ポリマー、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ジチオフェン)(F8T2)のようなフルオレン−ビチオフェン共重合体等のポリマー有機半導体材料、またC60あるいは金属フタロシアニンあるいはそれらの置換誘導体、あるいは、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン等のアセン分子材料、あるいは、α−オリゴチオフェン類、具体的にはクォーターチオフェン(4T)、セキシチオフェン(6T)、オクタチオフェンのような低分子系有機半導体のうち1種または2種以上を混合して用いることができる。
有機半導体の成膜方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、CVD法、スパッタリング法、プラズマ重合法、電解重合法、化学重合法、イオンプレーティング法、スピンコート法、キャスト法、引き上げ法、ラングミュアブロジェット法、スプレー法、インクジェット法、ロールコート法、バーコート法、ディスペンス法、シルクスクリーン法、デイップコート法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、素子基板30上にパターン状に穴の空いたマスクを合わせた後にこれらの方法を用いて成膜を行うことや、一様に成膜された有機半導体層を部分的にエッチングすることにより、部分的に膜厚の異なる半導体層13の形成が可能である。これらの方法の中でも、インクジェット法やディスペンス法を用いて溶液材料から半導体層を塗布形成する方法が、最も簡便に膜厚をコントロールすることが可能であるという点から好ましい。
ゲート絶縁膜41bは、半導体層41aを覆う平面領域に選択的に形成されている。ゲート絶縁膜41bの形成材料としては、絶縁性を有する材料であれば種類は特に限定されない。かかる絶縁材料としては、有機材料、無機材料のいずれも使用可能であるが、一般に有機絶縁膜は有機半導体層と良好な界面を形成しやすいことから、有機絶縁材料が好ましく採用される。一般的に良好な電気特性が得られるゲート絶縁膜41bとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリイミド、ポリビニルフェノール、ポリカーボネート、あるいはパラキシリレン膜が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ゲート電極41eは、ゲート絶縁膜41bを介して半導体層41aのチャネル領域(ソース電極41cとドレイン電極41dとに挟まれた領域)と対向する位置に形成されている。ゲート電極41e(走査線36)は、上述した材料の導電膜をエッチングして形成することができる。あるいは、所定形状に穴のあいたメタルスルーマスクを通して素子基板30上に導電膜の蒸着処理を行うことにより形成することができる。さらには、金属微粒子、グラファイトなどの導電性粒子を含む溶液を、インクジェット法などにより選択的に塗布して形成してもよい。
一方、対向基板31の電気泳動素子32側には複数の画素電極35と対向する平面形状の共通電極37(第2の電極)が形成されており、共通電極37上に電気泳動素子32が設けられている。
対向基板31はガラスやプラスチック等からなる基板であり、画像表示側に配置されるため透明基板とされる。共通電極37は、画素電極35とともに電気泳動素子32に電圧を印加する電極であり、MgAg(マグネシウム銀)、ITO(インジウム・スズ酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)などから形成された透明電極である。
そして、画素電極35と共通電極37との間に、電気泳動素子32が挟持されている。電気泳動素子32は、あらかじめ対向基板31側に形成され、素子基板30と接着するための接着剤までを含めた電気泳動シートとして構成されていてもよい。接着剤は、マイクロカプセル20間の間隙に充填されていてもよく、対向基板31上に形成された電気泳動素子32を覆う接着剤層として形成されていてもよい。
図2(b)は、マイクロカプセル20の模式断面図である。マイクロカプセル20は、例えば50μm程度の粒径を有しており、内部に分散媒21と、複数の白色粒子(電気泳動粒子)27と、複数の黒色粒子(電気泳動粒子)26とを封入した球状体である。マイクロカプセル20は、図2(a)に示すように共通電極37と画素電極35とに挟持され、1つの画素40内に1つ又は複数のマイクロカプセル20が配置される。
マイクロカプセル20の外殻部(壁膜)は、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルなどのアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアゴムなどの透光性を持つ高分子樹脂などを用いて形成される。
分散媒21は、白色粒子27と黒色粒子26とをマイクロカプセル20内に分散させる液体である。分散媒21としては、水、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、脂肪族炭化水素(ぺンタン、ヘキサン、オクタンなど)、脂環式炭化水素(シクロへキサン、メチルシクロへキサンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、長鎖アルキル基を有するベンゼン類(キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンなど))、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなど)、カルボン酸塩などを例示することができ、その他の油類であってもよい。これらの物質は単独又は混合物として用いることができ、さらに界面活性剤などを配合してもよい。
白色粒子27は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば負に帯電されて用いられる。黒色粒子26は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば正に帯電されて用いられる。
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンドなどの粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤などを添加することができる。
また、黒色粒子26及び白色粒子27に代えて、例えば赤色、緑色、青色などの顔料を用いてもよい。かかる構成によれば、表示部5に赤色、緑色、青色などを表示することができる。
さらに、画素40における電気泳動表示装置100の断面構造は、図2(c)に示す構成であってもよい。同図に示す構成では、素子基板30上に選択トランジスタ41が形成されており、選択トランジスタ41を覆って、シリコン酸化物やアクリル樹脂、エポキシ樹脂等からなる絶縁層34が形成されている。そして、絶縁層34上に画素電極35が形成されている。画素電極35は、絶縁層34を貫通してドレイン電極41dに達するコンタクトホール34aを介して、選択トランジスタ41のドレイン電極41dと接続されている。
図2(c)に示す構成では、素子基板30の表面に画素電極35のみが配置されるため、図2(a)に示す構成と比べて画素40の開口率を向上させることができる。また、素子基板30の表面がほぼ平坦化されているため、電気泳動素子32と素子基板30との接着性が良好になる。さらに、駆動時に選択トランジスタ41近傍に形成される電界を絶縁層34により減衰させることができ、漏れ電界による表示品質の低下を防止することができる。
図3は、電気泳動素子の動作説明図である。図3(a)は、画素40を白表示する場合、図3(b)は、画素40を黒表示する場合をそれぞれ示している。
図3(a)に示す白表示の場合には、共通電極37が相対的に高電位、画素電極35が相対的に低電位に保持される。これにより、負に帯電した白色粒子27が共通電極37に引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子26が画素電極35に引き寄せられる。その結果、表示面側となる共通電極37側からこの画素を見ると、白色(W)が認識される。
図3(b)に示す黒表示の場合、共通電極37が相対的に低電位、画素電極35が相対的に高電位に保持される。これにより、正に帯電した黒色粒子26が共通電極37に引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子27が画素電極35に引き寄せられる。その結果、共通電極37側からこの画素を見ると黒色(B)が認識される。
次に、上記の構成を備えた電気泳動表示装置100の駆動方法について図4から図6を参照して説明する。
図4は、画素40の回路構成図である。図5は、1つの画素40を黒表示させる場合のタイミングチャートである。図6は、本実施形態に係る駆動方法の作用説明図である。
図4(a)に示すように、選択トランジスタ41はPチャネルトランジスタである。また図4(b)に示すように、電気泳動素子32は、静電容量Cepと電気抵抗Repとを並列接続した回路として表される。
図5には、図4に示す選択トランジスタのゲート電極41eの電位Gate、ソース電極41c(データ線38)の電位DATA、共通電極37の電位COM、及び画素40の表示面における反射率が示されている。
表示部5に画像を表示するには、画像表示部分の画素40に属する画素電極35と共通電極37とにそれぞれ所定の電位を入力することで、電気泳動素子32(マイクロカプセル20)に駆動電圧を印加する。図5に示す画像表示動作開始時(時刻t0)において、選択トランジスタ41のゲート電極41eの電位Gateはハイレベル(H;例えば40V)であり、ソース電極41cの電位DATAはローレベル(L;例えば0V;第2の電位)である。また、共通電極37の電位COMはハイレベル(H;例えば40V)である。このとき、画素40は高反射率(H)の状態であり、白表示されている。
画像表示動作が開始されたならば、時刻t1において共通電極37の電位COMがローレベル(L;例えば0V;第2の電位)とされ、その後の時刻t2において選択トランジスタ41のソース電極41cの電位DATAがハイレベル(H;例えば40V;第1の電位)とされる。
その後、時刻t3において選択トランジスタ41のゲート電極41eの電位Gateがローレベル(L;例えば0V)に設定される(素子駆動ステップS1)。すると、選択トランジスタ41がオン状態となり、データ線38のソース電極41cの電位DATA(ハイレベル;第1の電位)が、選択トランジスタ41を介して画素電極35に入力される。これにより、画素電極35(ハイレベル;第1の電位)と共通電極37(ローレベル;第2の電位)との電位差に相当する電圧が電気泳動素子32に印加され、図3(b)に示したように、電気泳動素子32の黒色粒子26が共通電極37側に引き寄せられる。これにより、画素40が低反射率(L)の状態となり、黒表示される。
その後、時刻t4から、ソース電極41cの電位DATAをハイレベル(第1の電位)からローレベル(第2の電位)に一様な傾きで徐々に変化させる(蓄積電荷除去ステップS2)。このとき、ゲート電極41eの電位Gateはローレベルであり、選択トランジスタ41はオン状態である。したがって、電気泳動素子32の静電容量Cepは、選択トランジスタ41を介して図5に示す一定の傾き(電荷移動速度)で開放される。
その後、ソース電極41cの電位DATAがローレベルに移行した後の時刻t5において、選択トランジスタ41のゲート電極41eの電位Gateがハイレベルに設定される。これにより選択トランジスタ41がオフ状態となり、画素40における画像表示動作が終了する。
以上の本実施形態の駆動方法によれば、電気泳動素子32の静電容量Cep及び電気抵抗Repに起因する自己消去を防止し、表示画像のコントラストを良好に保持することができる。以下、かかる作用効果について詳細に説明する。
本実施形態の駆動方法では、図5に示したように、選択トランジスタ41がオン状態である期間に、ソース電極41cの電位DATAを徐々にローレベルに移行させ、選択トランジスタ41をオフする前に画素電極35の電位をローレベルとしている。すなわち、電気泳動素子32を駆動して所定の表示状態(黒表示)とした後、電気泳動素子32の電気抵抗Repではなく、オン状態の選択トランジスタ41を介して電気泳動素子32の静電容量Cepの蓄積電荷を解放する。
これにより、電気泳動素子32に対する駆動電圧の印加を停止した後に電気泳動素子32に流れる電流を抑えることができ、電気泳動素子32の自己消去が生じるのを防止することができる。その結果、図5に示したように、画像書き込み後においても画素40の反射率は変化せず、コントラストが良好に保持される。
本実施形態の駆動方法において、電位DATAを徐々に変化させる際の傾き(電位変化速度v)は、電位DATAの立ち上がり時(ローレベルからハイレベルへの移行時)における電位変化速度よりも大きい値であれば、任意の値に設定することができる。すなわち、図11に示した従来の駆動方法のように瞬間的に駆動電圧を遮断するのではなく、選択トランジスタ41を介して入力される電位DATAを徐々に変化させることが可能であれば、任意の電位変化速度vを設定することができる。
また、本実施形態では、電荷除去ステップS2において電位DATAを一定速度(電位変化速度v)で変化させることとしたが、電位DATAを段階的に変化させてもよい。ただし、電位DATAを段階的に変化させる場合であっても、電位DATAを複数の電位間で瞬間的に変化させるのではなく、徐々に変化させることが好ましい。
ところで、図10を参照して先に説明したように、電気泳動素子32の自己消去現象の発生しやすさは、静電容量Cepの電荷解放時に電気泳動素子32に流れる電流の大きさと、電気泳動素子32の特性(電気泳動粒子の動きやすさ)に左右される。そして、電位DATAを変化させる際の電位変化速度vを大きくするほど電気泳動素子32に流れる電流が大きくなり、電位変化速度vを小さくするほど電流が小さくなる。したがって、電位変化速度vを大きくするほど電気泳動素子32の自己消去が生じやすく、逆に小さくするほど自己消去が生じにくくなると考えられる。
そこで、本実施形態における電位DATAの電位変化速度vは、自己消去が生じない範囲でなるべく大きい値に設定することが好ましい。これにより、自己消去によるコントラスト変化を抑えつつ、画素電極35の電位を短時間で安定させることができ、優れた画像保持性を得ることができる。
ここで、図11に示した従来の駆動方法のように、電気泳動素子32の駆動電圧を瞬間的に遮断すると、画素電極35の電位は、図6(a)に示すように短時間で大きく電位が低下した後、時間の経過とともに電位低下量が少なくなっていく曲線を描く。この場合に、初期の電位Voが0.37×Voとなるまでの時間が時定数τと定義される。時定数τは、電気泳動素子32の静電容量Cep、及び電気抵抗Repにより決定される定数である。
通常、電気泳動素子32は、画素電極35の電位Vo(t)が図6(a)に示す曲線に沿って減衰する場合にも自己消去が生じないように設計される。しかしながら、電気泳動素子32の電気特性は、環境条件によって変動し、特に、電気抵抗Repは、環境温度の変化や、電気泳動素子32に含まれる水分量などによって大きく変動する。そのため、常温常湿では自己消去が生じない電気泳動素子32であっても、高温高湿の条件では自己消去が生じてしまうことがある。
このような場合には、先の電位DATAの電位変化速度vを、Vo(0)/τよりも大きい値に設定することが好ましい。具体的には、図6(b)に示すように、電位変化の傾き(電位変化速度v)が、自然放電時の曲線における最大の傾き(傾きD1)よりも小さい傾きD2に等しくなるように設定することが好ましい。
静電容量Cepの電荷解放時における電流は、電位変化が最も急峻である位置において最大となる。すなわち、図6(a)に示す曲線では、放電開始時(t=0)に電流が最大であり、そのときの電位変化速度は、図6(b)に示す傾きD1と等価である。したがって、電位変化速度vを、傾きD1より小さい傾きD2に対応する速度に設定することで、電気泳動素子32に流れる電流を自然放電時よりも確実に小さくすることができ、自己消去を生じにくくすることができる。
また本実施形態では、図6(b)に示すように、駆動電圧の印加後に電位DATAを直線的に変化させる。これにより、電位DATAに対する入力波形を意図的に鈍らせる駆動方法(特許文献1参照)と比べて、画素電極35の電位が安定するまでの時間を短縮できるという利点が得られる。
なお、この画素電極35の電位を安定させる効果は、電位変化速度vを傾きD1に対応する速度とした場合にも得られるものである。
さらには、上述したように電気泳動素子32の電気抵抗Repは、環境条件に応じて変動し、これにより自己消去の発生しやすさが変わってしまう。そこで、本実施形態の駆動方法においては、環境温度に応じて電位変化速度vを変化させることが好ましい。すなわち、環境温度が常温である場合には、電位変化速度vを、図6(b)に示した傾きD1に対応する速度とする一方、環境温度が自己消去に影響する程度に高い場合には、例えば傾きD2に対応する速度に変更する温度補正ステップを備えた駆動方法とすることが好ましい。この温度補正ステップは、素子駆動ステップS1を実行する前に実行してもよく、素子駆動ステップS1と蓄積電荷除去ステップS2との間、あるいは、素子駆動ステップS1中に実行してもよい。
このような駆動方法を採用することで、環境温度によらず自己消去によるコントラスト低下を防止できる電気泳動表示装置を実現することができる。
(第1変形例)
上記実施の形態では、画素40を黒表示させる場合について説明したが、本実施形態の駆動方法は、画素40を白表示させる場合にも好適に用いられる。
図7は、画素40を白表示させる場合のタイミングチャートである。
図7に示すように、画素40を白表示させる場合の時刻t0において、ゲート電極41eの電位Gateはハイレベル、ソース電極41cの電位DATAはハイレベル(第2の電位)、共通電極37の電位COMはローレベルとされている。画素40は低反射率(L)の状態であり、黒表示されている。
画像表示動作が開始されたならば、時刻t1において、共通電極37の電位COMがハイレベル(第2の電位)とされ、続く時刻t2においてソース電極41cの電位DATAがローレベル(第1の電位)とされる。
その後、時刻t3において、ゲート電極41eの電位Gateがローレベルとされ、選択トランジスタ41がオン状態とされる(素子駆動ステップS1)。そうすると、画素電極35に電位DATAが入力されてローレベル(第1の電位)とされ、ハイレベル(第2の電位)である共通電極37との間の電位差により電気泳動素子32が駆動される。これにより、画素40の反射率が上昇し、高反射率(H)の状態となって白表示される。
その後の時刻t4から、ソース電極41cの電位DATAをローレベル(第1の電位)からハイレベル(第2の電位)に一様な傾きで徐々に変化させる(蓄積電荷除去ステップS2)。このとき、ゲート電極41eの電位Gateはローレベルであり、選択トランジスタ41はオン状態である。したがって、電気泳動素子32の静電容量Cepは、選択トランジスタ41を介して一定の電荷移動速度で開放される。
その後、ソース電極41cの電位DATAがハイレベルに移行した後の時刻t5において、選択トランジスタ41のゲート電極41eの電位Gateがハイレベルに設定される。これにより選択トランジスタ41がオフ状態となり、画素40における画像表示動作が終了する。
以上の第1変形例に係る駆動方法でも、電気泳動素子32を駆動した後、蓄積電荷除去ステップS2において、電位DATAを徐々に変化させて電気泳動素子32の静電容量Cepを解放している。したがって、先の実施形態と同様の作用により、電気泳動素子32の自己消去が生じるのを防止することができる。よって、第1変形例に係る駆動方法を採用することで、表示画像のコントラストを良好に保持することができる。
(第2変形例)
上記実施の形態では、蓄積電荷除去ステップS2において、選択トランジスタ41のソース電極41cの電位DATAを徐々に変化させることとしたが、画素電極35の電位を徐々に変化させる手段としては、選択トランジスタ41のゲート電圧を利用することもできる。
図8は、ゲート電極41eの電位Gateの制御により蓄積電荷除去ステップS2を実行する場合のタイミングチャートである。
図8に示すように、画像表示動作開始時の時刻t0において、ゲート電極41eの電位Gateはハイレベル、ソース電極41cの電位DATAはローレベル、共通電極37の電位COMはハイレベルとされている。画素40は高反射率(H)の状態であり、白表示されている。
画像表示動作が開始されたならば、時刻t1において、共通電極37の電位COMがローレベル(第2の電位)とされ、続く時刻t2においてソース電極41cの電位DATAがハイレベル(第1の電位)とされる。
その後、時刻t3において、ゲート電極41eの電位Gateがローレベルとされ、選択トランジスタ41がオン状態とされる(素子駆動ステップS1)。そうすると、画素電極35に電位DATAが入力されてハイレベル(第1の電位)とされ、ローレベル(第2の電位)の共通電極37との間の電位差により電気泳動素子32が駆動される。これにより、画素40の反射率が低下し、低反射率(L)の状態となって白表示される。
その後、時刻t4から、ゲート電極41eの電位Gateをローレベルからハイレベルに一様な傾きで徐々に変化させる(蓄積電荷除去ステップS2)。このとき、ソース電極41cの電位DATAはハイレベル(第1の電位)、共通電極37の電位COMはローレベル(第2の電位)に保持されているが、選択トランジスタ41のゲート−ソース間電位(Vgs)が徐々に小さくなるため、選択トランジスタ41のドレイン電極41dの電位(すなわち画素電極35の電位)はハイレベル(第1の電位)から徐々にローレベル(第2の電位)に低下する。これにより、時刻t3からt4の間に電気泳動素子32の静電容量Cepに蓄積された電荷は、選択トランジスタ41を介して一定速度で開放される。
そして、ゲート電極41eの電位Gateがハイレベルに移行する時刻t5において、選択トランジスタ41がオフ状態となる。その後、時刻t6においてソース電極41cの電位DATAがローレベルとされ、画素40における画像表示動作が終了する。
以上の第2変形例に係る駆動方法でも、電気泳動素子32を駆動した後、蓄積電荷除去ステップS2において、画素電極35の電位を徐々に変化させて電気泳動素子32の静電容量Cepを解放している。したがって、先の実施形態と同様の作用により、電気泳動素子32の自己消去が生じるのを防止することができる。よって、第2変形例に係る駆動方法を採用することで、表示画像のコントラストを良好に保持することができる。
なお、第2変形例において、画素40を白表示させる場合には、時刻t2からt6の期間にソース電極41cの電位DATAをローレベルとし、共通電極37の電位COMをハイレベルとすればよい。この場合にも、上記した第2変形例と同様の作用効果を得ることができる。
また、第1及び第2変形例のいずれにおいても、電位変化速度vは、先の実施形態と同様に設定することが好ましい。
(電子機器)
次に、上記実施形態の電気泳動表示装置100を、電子機器に適用した場合について説明する。
図9(a)は電子ペーパー1100の構成を示す斜視図である。電子ペーパー1100は、上記実施形態の電気泳動表示装置100を表示領域1101に備えている。電子ペーパー1100は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1102を備えて構成されている。
図9(b)は、電子ノート1200の構成を示す斜視図である。電子ノート1200は、上記の電子ペーパー1100が複数枚束ねられ、カバー1201に挟まれているものである。カバー1201は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する図示は省略の表示データ入力手段を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
以上の電子ペーパー1100及び電子ノート1200によれば、本発明に係る電気泳動表示装置100が採用されているので、画像保持特性に優れ、表示品位に優れた表示部を備えた電子機器となる。
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部にも、本発明に係る電気泳動表示装置は好適に用いることができる。
実施形態に係る電気泳動表示装置100の概略構成図。 (a)1画素における電気泳動表示装置の部分断面図、(b)マイクロカプセルの断面図、(c)電気泳動表示装置の断面構造の他の例。 電気泳動素子の動作説明図。 画素の回路構成図。 実施形態に係る駆動方法を示すタイミングチャート。 実施形態に係る駆動方法の作用説明図。 第1変形例に係る駆動方法を示すタイミングチャート。 第2変形例に係る駆動方法を示すタイミングチャート。 電子機器を例示する斜視図。 従来の電気泳動表示装置を示す説明図。 従来の駆動方法を示すタイミングチャート。
符号の説明
100 電気泳動表示装置、5 表示部、20 マイクロカプセル、30 素子基板、31 対向基板、32 電気泳動素子、35 画素電極、36 走査線、37 共通電極、38 データ線、40 画素、41 選択トランジスタ

Claims (7)

  1. 第1の基板と第2の基板との間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟持してなり、前記第1の基板の前記電気泳動素子側に形成された第1の電極と、前記第2の基板の前記電気泳動素子側に形成された第2の電極とを有し、前記第1の基板に、前記第1の電極と電気的に接続されたドレイン端子を有するトランジスタが形成された電気泳動表示装置の駆動方法であって、
    前記電気泳動素子に電圧を印加する画像表示ステップが、
    前記第1の電極に第1の電位を入力する一方、前記第2の電極に第2の電位を入力することで前記電気泳動素子を駆動する素子駆動ステップと、
    前記第1の電極の電位を前記素子駆動ステップの開始時における電位の変化速度よりも遅い一定速度で変化させ、前記第1の電位から前記第2の電位に移行させる蓄積電荷除去ステップと、を有しており、
    前記素子駆動ステップでは、前記トランジスタのゲート端子に選択信号を入力して前記トランジスタをオン状態とすることで前記第1の電極に前記第1の電位を入力し、
    前記蓄積電荷除去ステップでは、前記トランジスタのソース端子に前記第1の電位が入力されている期間に、オン状態の前記トランジスタの前記ゲート端子の電位を一定速度で変化させて前記第1の電極の蓄積電荷を除去しつつオフ状態に移行させることを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
  2. 第1の基板と第2の基板との間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟持してなり、前記第1の基板の前記電気泳動素子側に形成された第1の電極と、前記第2の基板の前記電気泳動素子側に形成された第2の電極とを有し、前記第1の基板に、前記第1の電極と電気的に接続されたドレイン端子を有するトランジスタが形成された電気泳動表示装置の駆動方法であって、
    前記電気泳動素子に電圧を印加する画像表示ステップが、
    前記第1の電極に第1の電位を入力する一方、前記第2の電極に第2の電位を入力することで前記電気泳動素子を駆動する素子駆動ステップと、
    前記第1の電極の電位を前記素子駆動ステップの開始時における電位の変化速度よりも遅い一定速度で変化させ、前記第1の電位から前記第2の電位に移行させる蓄積電荷除去ステップと、を有しており、
    前記素子駆動ステップでは、前記トランジスタのゲート端子に選択信号を入力して前記トランジスタをオン状態とすることで前記第1の電極に前記第1の電位を入力し、
    前記蓄積電荷除去ステップでは、前記トランジスタのソース端子に前記第1の電位が入力されている期間に、オン状態の前記トランジスタの前記ゲート端子の電位を一定速度で変化させて前記第1の電極の蓄積電荷を除去しつつオフ状態に移行させ、
    前記蓄積電荷除去ステップにおいて、
    前記第1の電極の電位変化速度vを、以下の式(1)に示す範囲とすることを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
    ≦|V1−V2|/τ …(1)
    ただし、V1は前記第1の電位、V2は前記第2の電位、τは前記電気泳動素子の時定数である。
  3. 前記蓄積電荷除去ステップにおいて、
    前記第1の電極の電位変化速度を、前記電気泳動素子の自己消去が生じない範囲で最大の速度とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  4. 前記蓄積電荷除去ステップに先立って、
    前記蓄積電荷除去ステップにおける前記第1の電極の電位変化速度を、環境温度に基づいて補正する温度補正ステップを有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  5. 第1の基板と第2の基板との間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟持してなり、前記第1の基板の前記電気泳動素子側に形成された第1の電極と、前記第2の基板の前記電気泳動素子側に形成された第2の電極と、前記電気泳動素子に駆動電圧を印加する電圧制御部と、を有し、前記第1の基板に、前記第1の電極と電気的に接続されたドレイン端子を有するトランジスタが形成された電気泳動表示装置であって、
    前記電圧制御部は、前記電気泳動素子を駆動して画像を表示させるに際して、
    前記第1の電極に第1の電位を入力し、前記第2の電極に第2の電位を入力することで前記電気泳動素子を駆動する素子駆動動作と、
    前記第1の電極の電位を、前記素子駆動動作の開始時における電位の変化速度よりも遅い一定速度で変化させ、前記第1の電位から前記第2の電位に移行させる蓄積電荷除去動作と、を実行し、
    前記素子駆動動作では、前記トランジスタのゲート端子に選択信号を入力して前記トランジスタをオン状態とすることで前記第1の電極に前記第1の電位を入力し、
    前記蓄積電荷除去動作では、前記トランジスタのソース端子に前記第1の電位が入力されている期間に、オン状態の前記トランジスタの前記ゲート端子の電位を一定速度で変化させて前記第1の電極の蓄積電荷を除去しつつオフ状態に移行させることを特徴とする電気泳動表示装置。
  6. 第1の基板と第2の基板との間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟持してなり、前記第1の基板の前記電気泳動素子側に形成された第1の電極と、前記第2の基板の前記電気泳動素子側に形成された第2の電極と、前記電気泳動素子に駆動電圧を印加する電圧制御部と、を有し、前記第1の基板に、前記第1の電極と電気的に接続されたドレイン端子を有するトランジスタが形成された電気泳動表示装置であって、
    前記電圧制御部は、前記電気泳動素子を駆動して画像を表示させるに際して、
    前記第1の電極に第1の電位を入力し、前記第2の電極に第2の電位を入力することで前記電気泳動素子を駆動する素子駆動動作と、
    前記第1の電極の電位を、前記素子駆動動作の開始時における電位の変化速度よりも遅い一定速度で変化させ、前記第1の電位から前記第2の電位に移行させる蓄積電荷除去動作と、を実行し、
    前記素子駆動動作では、前記トランジスタのゲート端子に選択信号を入力して前記トランジスタをオン状態とすることで前記第1の電極に前記第1の電位を入力し、
    前記蓄積電荷除去動作では、前記トランジスタのソース端子に前記第1の電位が入力されている期間に、オン状態の前記トランジスタの前記ゲート端子の電位を一定速度で変化させて前記第1の電極の蓄積電荷を除去しつつオフ状態に移行させ、
    前記蓄積電荷除去動作において、
    前記第1の電極の電位変化速度v を、以下の式(1)に示す範囲とすることを特徴とする電気泳動表示装置。
    ≦|V1−V2|/τ …(1)
    ただし、V1は前記第1の電位、V2は前記第2の電位、τは前記電気泳動素子の時定数である。
  7. 請求項5又は6に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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