図1〜18を参照して、本発明によるカメラの一実施の形態を説明する。図1(a)は、本発明によるカメラである一眼レフタイプのカメラボディ1を上面から見た断面図であり、図1(b)は、カメラボディ1を側面から見た断面図である。カメラボディ1には、ミラーボックス10と、シーケンスシャッタ駆動ユニット100と、遮光幕機構400と、撮像素子3と、シーケンスモータ4と、ファインダー光学系20と、測光ユニット5と、AFユニット6と、背面表示モニタ7と、制御基板30とが設けられている。8は、カメラボディ1内に装着された電池である。カメラボディ1の前面には、撮影レンズ2が取り付けられている。説明の便宜上、カメラボディ1の上下方向、左右方向、および前後方向を各図に記載したように規定する。
ミラーボックス10は、メインミラー11およびサブミラー12を収容し、撮影光路を形成する。ミラーボックス10は、カメラボディ1に取り付けられている。シーケンスシャッタ駆動ユニット100は、絞り機構や、ミラー回動機構、遮光幕機構400の後述する先幕遮光羽根群および後幕遮光羽根群を駆動する駆動機構である。シーケンスシャッタ駆動ユニット100の詳細については後述する。遮光幕機構400は、先幕遮光羽根群および後幕遮光羽根群を有し、所定時間だけ撮影開口を開放および遮光する装置である。遮光装置400の詳細については後述する。
撮像素子3は、CCDやCMOS等の固体撮像素子で構成され、撮影レンズ2により結像された被写体像を電気信号に変換する。シーケンスモータ4は、シーケンスシャッタ駆動ユニット100の駆動力を発生する駆動源である。ファインダー光学系20は、ペンタプリズム21や接眼レンズ22を有し、メインミラー11で反射された被写体光による像(被写体像)を観察するためのものである。測光ユニット5は、ペンタプリズム21から射出される被写体光を利用して測光するCCDユニットである。AFユニット6は、メインミラー11およびサブミラー12を介して入射される被写体光を利用して焦点検出を行う。
背面表示モニタ7は、たとえば液晶表装置などが用いられ、撮影時の各種情報や、撮像して得られた被写体像の画像や、スルー画像(ライブビュー画像またはライブプレビュー画像ともいう)などを表示する。なお、スルー画像は、本撮影の前段階として撮像素子3で繰り返し取得される予備撮影画像である。本撮影は、不図示のレリーズボタンが全押し操作されたことによる操作信号(撮影指示)に応じて行われる撮影である。制御基板30は、カメラボディ1の全体を制御する制御回路31が搭載された基板である。
図2は、シーケンスシャッタ駆動ユニット100および遮光幕機構400を左斜め前方から見た斜視図であり、図3は、シーケンスシャッタ駆動ユニット100および遮光幕機構400を右斜め後方から見た斜視図である。図4,5は、シーケンスシャッタ駆動ユニット100の一部分についての分解図である。また、図6は、シーケンスシャッタ駆動ユニット100を右斜め後方から見た図である。以下に述べる各部の構成については、撮影開始前(レリーズ動作開始前)の状態を前提として説明する。
−−−シーケンスシャッタ駆動ユニット100−−−
シーケンスシャッタ駆動ユニット100は、シーケンス地板110上に各カムや各レバー、各ギヤなどが設けられている。シーケンス地板110は、互いに略直交する第1地板111と第2地板112とを有し、第1地板111と第2地板112とによって上方から見たときに略L字形状に形成されている。
第1地板111は、カメラボディ1の前後方向および上下方向に延在している。第1地板111の左側側面には、先幕チャージカム121と、後幕チャージカム122と、先幕チャージカムレバー123と、後幕チャージカムレバー124と、絞り制御レバー125と、絞り制御ギヤ126と、エンコーダギヤ127と、ラチェットギヤ128と、減速ギヤユニット130と、カムコード基板161とが取り付けられている。第1地板111の右側側面には、ミラー駆動カム151と、絞り制御レバー駆動カム152と、ミラー駆動カムレバー153と、絞り制御レバー駆動カムレバー154とが取り付けられている。
第2地板112は、カメラボディ1の左右方向および上下方向に延在している。第2地板112の前面には、先幕駆動レバー141と、後幕駆動レバー142と、先幕マグネット143と、後幕マグネット144とが取り付けられている。第2地板112の後面には、先幕従動アーム支持ピン183と、後幕従動アーム支持ピン184とが植設されている(図6)。第2地板112には、後述する遮光幕機構400の前ケース460や後カバー470をビスによって固定するためのねじ穴112e,112fが設けられている。なお、第2地板112は、第1地板111の後側端部から左側に向かって延在する。
シーケンス地板110では、第1地板111および第2地板112に取り付けられる各構成要素の配設位置の精度や、たとえば動作する部品の移動軌跡や停止位置といった動作の精度を必要かつ十分に確保するために、その製作精度や剛性等が必要かつ十分に確保されている。シーケンス地板110は、第1地板111の右側側面でミラーボックス10の左側側面に取り付けられている。また、シーケンス地板110には、第2地板112の後面に遮光機構400が取り付けられている。なお、シーケンス地板110は、ミラーボックス10に固定されて、メインミラー11の駆動機構が配設されるプレートであると言える。
先幕チャージカム121は、後述する先幕駆動レバー141を駆動して、後述する先幕遮光羽根群をチャージする(先幕遮光羽根群の駆動力をチャージする)ためのカムであり、後幕チャージカム122は、後述する後幕駆動レバー142を駆動して、後述する後幕遮光羽根群をチャージする(後幕遮光羽根群の駆動力をチャージする)ためのカムである。先幕チャージカム121および後幕チャージカム122は、カムギヤ171と一体的に形成されており、回転軸(カム軸172)が取り付けられている(図4,5)。カム軸172が第1地板111に設けられた軸支穴111aに挿通されて回動可能に軸支されることで、先幕チャージカム121および後幕チャージカム122は、第1地板111に対して回動可能に支持される。また、カムギヤ171が後述する減速ギヤユニット130の減速ギヤ列131の低速側のギヤと噛合しているので、先幕チャージカム121および後幕チャージカム122は、減速ギヤユニット130を介して伝達されるシーケンスモータ4の駆動力によって回動される。
なお、各チャージカム121,122のカム面の形状は、カム軸172の回動方向にかかわらず各駆動レバー141,142を駆動できるように形成されている。また、各チャージカム121,122のカム面の形状は、各駆動レバー141,142が慣性力によってカムの押出量以上に動いてしまうことを抑止するように形成されている。
先幕チャージカムレバー123は、先幕チャージカム121によって駆動されるレバーであり、カム当接部123aと、先幕駆動レバー当接部123bとを有している(図4,5)。先幕チャージカムレバー123は、先幕遮光羽根群の駆動力をチャージするためのチャージ部材である。カム当接部123aは、先幕チャージカム121のカム面に当接する部位である。先幕駆動レバー当接部123bは、後述する先幕駆動レバー141に当接する部位である。先幕チャージカムレバー123は、第1地板111の左側側面に植設された軸111cに回動可能に軸支されており、カム当接部123aが先幕チャージカム121のカム面に当接して追従するように不図示の軽荷重のバネによって付勢されている。
後幕チャージカムレバー124は、後幕チャージカム122によって駆動されるレバーであり、カム当接部124aと、後幕駆動レバー当接部124bとを有している(図4,5)。後幕チャージカムレバー124は、後幕遮光羽根群の駆動力をチャージするためのチャージ部材である。カム当接部124aは、後幕チャージカム122のカム面に当接する部位である。後幕駆動レバー当接部124bは、後述する後幕駆動レバー142に当接する部位である。後幕チャージカムレバー124は、第1地板111の左側側面に植設された軸111dに回動可能に軸支されており、カム当接部124aが後幕チャージカム122のカム面に当接して追従するように不図示の軽荷重のバネによって付勢されている。
絞り制御レバー125は、第1地板111に設けられた軸支穴111aと同軸の軸111bを中心に回動可能に軸支されたレバーであり、撮影レンズ2の絞りを駆動する部材である。絞り制御レバー125は、前方に延在する腕125aと、当接部125bと、上方に延在する腕125cと、扇形ギヤ部125dとを備えている(図4,5)。絞り制御レバー125は、後述するように絞り制御レバー駆動カムレバー154と不図示のバネを介して連結されて、腕125aの下端が絞り制御レバー駆動カムレバー154と当接するように、この不図示のバネによって腕125aが下方向に付勢されている。絞り制御レバー125は、腕125aの下端が絞り制御レバー駆動カムレバー154と当接することで、腕125aの下方向への回動が規制されている。腕125aの先端には、当接部125bが設けられ、カメラボディ1に装着した撮影レンズ2の不図示のレンズ側絞りレバーと当接する。
扇形ギヤ部125dは、軸111bを中心とした円弧に沿って腕125cの先端に設けられた扇状のギヤ部分であり、後述する絞り制御ギヤ126の入力側(低速側)のギヤと噛合している。
絞り制御ギヤ126は、絞り制御レバー125の回転量を拡大するギヤ列である。絞り制御ギヤ126の入力側(低速側)のギヤは、上述したように絞り制御レバー125の扇形ギヤ部125dと噛合する。絞り制御ギヤ126の出力側(高速側)のギヤには、エンコーダギヤ127およびラチェットギヤ128が取り付けられている。エンコーダギヤ127には、スリット(小穴)が円周方向に沿って等間隔で複数設けられ、このエンコーダギヤ127を挟み込むように不図示のフォトインタラプタが設けられている。絞り制御レバー125が絞り込み方向に回動されると、絞り制御ギヤ126で回動量が拡大されて、エンコーダギヤ127の小穴の位置に応じてオンオフ信号(パルス信号)がフォトインタラプタから制御回路31に出力される。すなわち、絞り制御レバー125の回動量は、フォトインタラプタから出力されるパルス信号のパルス数に基づいて検出できる。
ラチェットギヤ128は、不図示の係止レバーの爪と係合可能なラチェット部を外周部に有する。
減速ギヤユニット130は、上述した減速ギヤ列131とエンコーダギヤ132とを有し、シーケンスモータ4の駆動力を減速してカムギヤ171に伝達する(図4)。減速ギヤユニット130は、第1地板111にビス止めによって固定されている。エンコーダギヤ132は、減速ギヤ列131の入力側(低速側)のギヤに取り付けられている。エンコーダギヤ132には、上述したエンコーダギヤ127と同様にスリットが円周方向に沿って等間隔で複数設けられ、このエンコーダギヤ132を挟み込むように不図示のフォトインタラプタが設けられている。シーケンスモータ4が駆動されると、エンコーダギヤ132の小穴の位置に応じてオンオフ信号(パルス信号)がフォトインタラプタから制御回路31に出力される。シーケンスモータ4の回動量は、フォトインタラプタから出力されるパルス信号のパルス数に基づいて検出できる。
カムコード基板161は、カム軸172に取り付けられて、先幕チャージカム121、後幕チャージカム122、および後述するミラー駆動カム151や絞り制御レバー駆動カム152と一体的に回動する基板である。カムコード基板161の左側の表面には電極パターンが設けられており、不図示のブラシが接触している。このブラシが接触する電極パターン間の導通の有無がカムコード基板161の回動に伴って変化するので、電極パターン間の導通の有無を検出することで、各カムの位相を検出できる。
具体的には、カムコード基板161では、電極パターンと不図示のブラシによって、3つのスイッチが構成されている。この3つのスイッチはそれぞれオンされると不図示の接地線と検出端子とを接続し、オフされると不図示の接地線と検出端子とを切断する。各スイッチのオンオフ状態は、カム軸172の回動位相によってそれぞれ変化する。したがって、3つのスイッチのオンオフ状態の組み合わせ、すなわち不図示の検出端子の接地状態の組み合わせから各カムの位相を判断できる。カム軸172の回動位相(すなわち各カムの位相)と3つのスイッチのオンオフ状態との関係については後述する。
先幕駆動レバー141は、後述する遮光幕機構400の先幕遮光羽根群411を駆動するためのレバーであり、中空軸部141aと、先幕駆動レバー突部141bと、当接部141dと、マグネット吸着部141eとを有し(図4,5,6)、第2地板112に対して回動可能に取り付けられる。
中空軸部141aは、先幕駆動レバー141の前面の一端側に前方に向かって植設された中空軸である。先幕駆動レバー突部141bは、先幕駆動レバー141の後面の他端側に後方に向かって植設された軸状の部位であり、その先端部分が、後述する先幕遮光羽根群411の先幕主アーム421に設けられた係合穴421bと係合する。なお、先幕駆動レバー突部141bが第2地板112の後面に突出して先幕主アーム421の係合穴421bと係合できるように、そして、先幕駆動レバー141の回動による先幕駆動レバー突部141bの動きを妨げないように、第2地板112には長穴112cが設けられている。
当接部141dは、先幕駆動レバー141の前面の他端側に設けられて、先幕チャージカムレバー123の先幕駆動レバー当接部123bと当接する部位である。マグネット吸着部141eは、先幕駆動レバー141の前面に設けられて、後述する先幕マグネット143によって吸着される部位である。
先幕駆動レバー141には、中空軸部141aの前端面から後端面にかけて貫通孔141fが設けられている(図4,5)。この貫通孔141fには、第2地板112に固定された先幕駆動レバー係止ピン181が挿入される。これにより、先幕駆動レバー141は、先幕駆動レバー係止ピン181に回動可能に軸支されるとともに、上下左右方向への移動が規制される。また、先幕駆動レバー141は、第2地板112によって後方への移動が規制され、先幕駆動レバー係止ピン181からの抜け止めがなされることで前方への移動が規制される。先幕駆動レバー141は、バネ145の付勢力によって、先幕駆動レバー141を前方から見たときに中空軸部141aの中心軸を中心として時計方向に付勢されている。
後幕駆動レバー142は、後述する遮光幕機構400の後幕遮光羽根群431を駆動するためのレバーであり、中空軸部142aと、後幕駆動レバー突部142bと、当接部142dと、マグネット吸着部142eとを有し(図4,5,6)、第2地板112に対して回動可能に取り付けられる。
中空軸部142aは、後幕駆動レバー142の前面の一端側に前方に向かって植設された中空軸である。後幕駆動レバー突部142bは、後幕駆動レバー142の後面の他端側に後方に向かって植設された軸状の部位であり、その先端部分が、後述する後幕遮光羽根群431の後幕主アーム441に設けられた係合穴441bと係合する。なお、後幕駆動レバー突部142bが第2地板112の後面に突出して後幕主アーム441の係合穴441bと係合できるように、そして、後幕駆動レバー142の回動による後幕駆動レバー突部142bの動きを妨げないように、第2地板112には長穴112dが設けられている。
当接部142dは、後幕駆動レバー142の前面に設けられて、後幕チャージカムレバー124の後幕駆動レバー当接部124bと当接する部位である。マグネット吸着部142eは、後幕駆動レバー142の前面に設けられて、後述する後幕マグネット144によって吸着される部位である。
後幕駆動レバー142には、中空軸部142aの前端面から後端面にかけて貫通孔142fが設けられている(図4,5)。この貫通孔142fには、第2地板112に固定された後幕駆動レバー係止ピン182が挿入される。これにより、後幕駆動レバー142は、後幕駆動レバー係止ピン182に回動可能に軸支されるとともに、上下左右方向への移動が規制される。また、後幕駆動レバー142は、第2地板112によって後方への移動が規制され、後幕駆動レバー係止ピン182からの抜け止めがなされることで前方への移動が規制される。後幕駆動レバー142は、バネ146の付勢力によって、後幕駆動レバー142を前方から見たときに中空軸部142aの中心軸を中心として時計方向に付勢されている。
先幕駆動レバー141、後幕駆動レバー142、およびバネ145,146によって、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431、すなわちシャッタ羽根を駆動するシャッタ羽根駆動機構が構成されている。
先幕マグネット143は、励磁コイルに通電されることによって当接している先幕駆動レバー141のマグネット吸着部141eを吸着して保持するマグネットである。なお、先幕マグネット143は、励磁コイルへの通電が停止されると、マグネット吸着部141eを離脱可能に釈放する。
後幕マグネット144は、励磁コイルに通電されることによって当接している後幕駆動レバー142のマグネット吸着部142eを吸着して保持するマグネットである。なお、後幕マグネット144は、励磁コイルへの通電が停止されると、マグネット吸着部142eを離脱可能に釈放する。
先幕従動アーム支持ピン183は、第2地板112の後面に植設された段付きの軸状部材であり、後側で径が小さい小径部183aと、前側で径が大きい大径部183bとを有する。先幕従動アーム支持ピン183は、後述するように、遮光幕機構400の先幕従動アーム422を回動可能に支持する。後幕従動アーム支持ピン184は、第2地板112の後面に植設された段付きの軸状部材であり、後側で径が小さい小径部184aと、前側で径が大きい大径部184bとを有する。後幕従動アーム支持ピン184は、後述するように、遮光幕機構400の後幕従動アーム442を回動可能に支持する。
ミラー駆動カム151は、後述するミラー駆動カムレバー153を駆動するためのカムであり、絞り制御レバー駆動カム152は、後述する絞り制御レバー駆動カムレバー154を駆動するためのカムである。ミラー駆動カム151および絞り制御レバー駆動カム152は、一体的に形成されており、カム軸172に取り付けられている(図4,5,6)。カム軸172が上述したように第1地板111に設けられた軸支穴111aに挿通されて回動可能に軸支されているので、ミラー駆動カム151および絞り制御レバー駆動カム152は、第1地板111に対して回動可能に支持される。また、カムギヤ171が減速ギヤユニット130の減速ギヤ列131の低速側のギヤと噛合するので、ミラー駆動カム151および絞り制御レバー駆動カム152は、上述した先幕チャージカム121および後幕チャージカム122とともに、減速ギヤユニット130を介して伝達されるシーケンスモータ4の駆動力によって一体的に回動される。
なお、各チャージカム121,122と同様に、各駆動カム151,152のカム面の形状は、カム軸172の回動方向にかかわらず各駆動カムレバー153,154を駆動できるように形成されている。また、各駆動カム151,152のカム面の形状は、各駆動カムレバー153,154が慣性力によってカムの押出量以上に動いてしまうことを抑止するように形成されている。
ミラー駆動カムレバー153は、ミラー駆動カム151によって駆動されるレバーであり、カム当接部153aと、ミラー駆動軸当接部153bと、バネ係止部153cとを有している(図4,5,6)。カム当接部153aは、ミラー駆動カム151のカム面に当接する部位である。ミラー駆動軸当接部153bは、図7に示すように、メインミラー11を保持するメインミラー保持枠13の左方に延在するピン13aに当接してこれを押し上げるための部位である。バネ係止部153cは、不図示のメインミラー駆動バネの一端が係止される部位である。なお、不図示のメインミラー駆動バネの他端は、第1地板111の右側側面に係止されている。
ミラー駆動カムレバー153は、第1地板111の右側側面に植設された軸111eに回動可能に軸支されている(図6,7)。なお、ミラー駆動カムレバー153は、カメラボディ1の右側から見たときに不図示のメインミラー駆動バネの付勢力によって軸111eを中心として反時計方向に付勢されている。すなわち、ミラー駆動カムレバー153は、カム当接部153aがミラー駆動カム151のカム面に当接して追従するように不図示のメインミラー駆動バネによって付勢されている。なお、ミラー駆動カムレバー153は、メインミラー11を揺動駆動させるためのメインミラー駆動レバーであるとも言える。
絞り制御レバー駆動カムレバー154は、絞り制御レバー駆動カム152によって駆動されるレバーであり、カム当接部154aと、絞り制御レバー当接部154bと、バネ係止部154cとを有する(図4〜7)。絞り制御レバー駆動カムレバー154は、第1地板111の右側側面に植設された軸111fに対して、一端側で回動可能に軸支されている(図6,7)。
カム当接部154aは、絞り制御レバー駆動カムレバー154の他端側で、絞り制御レバー駆動カム152のカム面に当接する部位である。
絞り制御レバー当接部154bは、絞り制御レバー駆動カムレバー154の他端側の左側面に植設された軸状の部位であり、絞り制御レバー125の腕125aの下端に当接してこれを押し上げるための部位である。絞り制御レバー当接部154bは、絞り制御レバー125の腕125aと不図示のバネを介して連結されている。なお、絞り制御レバー当接部154bが第1地板111の左側面に突出して絞り制御レバー125の腕125aの下端に当接できるように、そして、絞り制御レバー駆動カムレバー154の回動による絞り制御レバー当接部154bの動きを妨げないように、第1地板111には長穴111gが設けられている。
バネ係止部154cは、バネ(絞り開放バネ)173の一端が係止される部位である(図2)。なお、絞り開放バネ173の他端は、第1地板111の右側側面に係止されている。絞り制御レバー駆動カムレバー154は、絞り開放バネ173の付勢力によってカメラボディ1の右側から見たときに軸111fを中心として時計方向に付勢されている。すなわち、絞り制御レバー駆動カムレバー154は、カム当接部154aが絞り制御レバー駆動カム152のカム面に当接して追従するように、また、絞り制御レバー当接部154bが絞り制御レバー125の腕125aの下端に当接してこれを押し上げるように絞り開放バネ173によって付勢されている。
−−−遮光幕機構400−−−
図8は、シーケンスシャッタ駆動ユニット100と遮光幕機構400とを分離した状態で左斜め前方から見た斜視図であり、図9は、シーケンスシャッタ駆動ユニット100と遮光幕機構400とを分離した状態で左斜め後方から見た斜視図である。図10は、遮光幕機構400の分解図である。遮光幕機構400は、先幕遮光羽根群411と、先幕主アーム421と、先幕従動アーム422と、後幕遮光羽根群431と、後幕主アーム441と、後幕従動アーム442と、仕切板451と、前ケース460と、後カバー470とを備えている(図10)。
先幕遮光羽根群411は、後述する前ケース460の撮影開口461を開放および遮光するための遮光羽根群(シャッタ羽根群)であり、3枚の羽根から成る。先幕主アーム421および先幕従動アーム422は、先幕遮光羽根群411を駆動するためのアームであり、かしめピンによって先幕遮光羽根群411の各羽根がそれぞれ回動可能に取り付けられている。先幕主アーム421は、回動軸穴421aと、係合穴421bとを有し、先幕従動アーム422は、回動軸穴422aを有する。
後幕遮光羽根群431は、先幕遮光羽根群411と同様に撮影開口461を開放および遮光するための遮光羽根群(シャッタ羽根群)であり、3枚の羽根から成る。後幕主アーム441および後幕従動アーム442は、後幕遮光羽根群431を駆動するためのアームであり、かしめピンによって後幕遮光羽根群431の各羽根がそれぞれ回動可能に取り付けられている。後幕主アーム441は、回動軸穴441aと、係合穴441bとを有し、後幕従動アーム442は、回動軸穴442aを有する。
仕切板451は、先幕遮光羽根群411と後幕遮光羽根群431とが干渉するのを防止する機能を有する部材であり、撮影開口461に対応する開口451aが設けられている。
前ケース460は、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431が収容されるケースであり、ミラーボックス10側の被写体光から撮像素子3側を遮光する機能も有する。前ケース460には、撮影開口461と、長穴462,463と、主アーム回動軸貫通孔464,465と、従動アーム回動軸貫通孔466,467と、ビス穴468,469とが設けられている。
撮影開口461は、撮像素子3に被写体光を導くための開口である。長穴462は、先幕駆動レバー141の先幕駆動レバー突部141bが挿通される穴であり、先幕駆動レバー141の回動による先幕駆動レバー突部141bの動きを妨げないように長穴形状を呈している。同様に、長穴463は、後幕駆動レバー142の後幕駆動レバー突部142bが挿通される穴であり、後幕駆動レバー142の回動による後幕駆動レバー突部142bの動きを妨げないように長穴形状を呈している。
主アーム回動軸貫通孔464,465は、それぞれ先幕駆動レバー係止ピン181の後方端部181aおよび後幕駆動レバー係止ピン182の後方端部182aが挿通される穴である。従動アーム回動軸貫通孔466,467は、それぞれ先幕従動アーム支持ピン183および後幕従動アーム支持ピン184が挿通される穴である。なお、先幕駆動レバー係止ピン181および後幕駆動レバー係止ピン182は、上述したように第2地板112に固定されているが、その後方端部181a,182aは、第2地板112の後方に突出している(図6,9)。すなわち、先幕駆動レバー係止ピン181および後幕駆動レバー係止ピン182は、第2地板112に設けられた穴112a、112b(図4〜6,9)を貫通した状態で第2地板112に固定されている。
ビス穴468,469は、前ケース460を第2地板112に取り付けるために設けられた貫通孔である。なお、前ケース460は、後幕遮光羽根群431や各アーム441,442が直接触れることで、または、仕切板451や後カバー470を介して、走行する遮光羽根群411,431や回動する各アーム421,422,441,442の力の影響を受ける。そのため、第2地板112に対する前ケース460の固定は、遮光幕機構400へ入力される遮光羽根群411,431の駆動力の作用点近傍である、各アーム421,422,441,442の近傍で行うようにすることが望ましい。そこで、ビス穴468,469は、各アーム421,422,441,442の近傍に設けられている。なお、第2地板112のねじ穴112e,112fは、このビス穴468,469の位置に合わせて設けられている。
後カバー470は、前ケース460の後方から取り付けられて、前ケース460の後方を閉じるための板状部材である。後カバー470は、前ケース460の撮影開口461に対応する開口471と、前ケース460の長穴462,463に対応する長穴472,473と、ビス穴474と、前ケースビス取り付け穴475とを有する。
なお、ビス穴474は、前ケース460のビス穴468に対応する位置に設けられており、図9に示すように、ビス191によって第2地板112のねじ穴112eに対して、後カバー470が前ケース460とともに共締めされるように構成されている。また、前ケースビス取り付け穴475は、前ケース460に対して後カバー470を装着した後に、ビス192によって第2地板112のねじ穴112fに対して、前ケース460を固定できるように、ビス192が貫通可能に構成されている。
なお、遮光幕機構400では、前ケース460と仕切板451との間に後幕遮光羽根群431が配設され、仕切板451と後カバー470との間に先幕遮光羽根群411が配設される。前ケース460と後カバー470とによって、遮光羽根群の収納部、すなわちシャッタ羽根収納部が構成されている。
遮光幕機構400がシーケンスシャッタ駆動ユニット100に取り付けられる前には、すなわち、遮光幕機構400が組み立てられると、先幕主アーム421の回動軸穴421aおよび係合穴421bがそれぞれ前ケース460の主アーム回動軸貫通孔464および長穴462の後方に位置するように構成されている(図8,9)。また、遮光幕機構400が組み立てられると、先幕従動アーム422の回動軸穴422aが前ケース460の従動アーム回動軸貫通孔466の後方に位置するように構成されている。同様に、遮光幕機構400が組み立てられると、後幕主アーム441の回動軸穴441aおよび係合穴441bがそれぞれ前ケース460の主アーム回動軸貫通孔465および長穴463の後方に位置するように、後幕従動アーム442の回動軸穴442aが前ケース460の従動アーム回動軸貫通孔467の後方に位置するように構成されている。
このように構成される遮光幕機構400がシーケンスシャッタ駆動ユニット100に取り付けられると、遮光幕機構400の各部は、シーケンスシャッタ駆動ユニット100の各部と以下の(a)〜(f)のような関係となる。
(a) 先幕駆動レバー係止ピン181の後方端部181aが前ケース460の主アーム回動軸貫通孔464および先幕主アーム421の回動軸穴421aに挿通される。これにより、先幕主アーム421は、先幕駆動レバー係止ピン181で回動可能に軸支される。
(b) 先幕駆動レバー141の先幕駆動レバー突部141bが前ケース460の長穴462および先幕主アーム421の係合穴421bに挿通される。これにより、先幕駆動レバー141の先幕駆動レバー突部141bが先幕主アーム421の係合穴421bと係合する。
(c) 先幕従動アーム支持ピン183の大径部183bが従動アーム回動軸貫通孔466に挿通され、先幕従動アーム支持ピン183の小径部183aが先幕従動アーム422の回動軸穴422aに挿通される。これにより、先幕従動アーム422は、先幕従動アーム支持ピン183で回動可能に軸支される。
(d) 後幕駆動レバー係止ピン182の後方端部182aが主アーム回動軸貫通孔465および後幕主アーム441の回動軸穴441aに挿通される。これにより、後幕主アーム441は、後幕駆動レバー係止ピン182で回動可能に軸支される。
(e) 後幕駆動レバー142の後幕駆動レバー突部142bが前ケース460の長穴463および後幕主アーム441の係合穴441bに挿通される。これにより、後幕駆動レバー142の後幕駆動レバー突部142bが後幕主アーム441の係合穴441bと係合する。
(f) 後幕従動アーム支持ピン184の大径部184bが従動アーム回動軸貫通孔467に挿通され、後幕従動アーム支持ピン184の小径部184aが後幕従動アーム442の回動軸穴442aに挿通される。これにより、後幕従動アーム442は、後幕従動アーム支持ピン184で回動可能に軸支される。
なお、上述したように、前ケース460および後カバー470がビス191,192で第2地板112に取り付けられることで、遮光幕機構400がシーケンスシャッタ駆動ユニット100に対して取り付けられて固定される(図9)。
このように、遮光幕機構400がシーケンスシャッタ駆動ユニット100に対して取り付けられると、上述したように、先幕主アーム421が先幕駆動レバー係止ピン181で回動可能に軸支され、先幕従動アーム422が先幕従動アーム支持ピン183で回動可能に軸支される。先幕主アーム421および先幕従動アーム422が先幕駆動レバー係止ピン181および先幕従動アーム支持ピン183を中心に回転駆動されると、先幕遮光羽根群411が連動して駆動される。すなわち、先幕主アーム421と先幕従動アーム422とによって構成される周知のリンク機構によって先幕遮光羽根群411の3枚の羽根が連動して駆動されて、前ケース460の撮影開口461を上下方向に移動するように構成されている。
同様に、遮光幕機構400がシーケンスシャッタ駆動ユニット100に対して取り付けられると、上述したように、後幕主アーム441が後幕駆動レバー係止ピン182で回動可能に軸支され、後幕従動アーム442が後幕従動アーム支持ピン184で回動可能に軸支される。後幕主アーム441および後幕従動アーム442が後幕駆動レバー係止ピン182および後幕従動アーム支持ピン184を中心に回転駆動されると、後幕遮光羽根群431が連動して駆動される。すなわち、後幕主アーム441と後幕従動アーム442とによって構成される周知のリンク機構によって後幕遮光羽根群431の3枚の羽根が連動して駆動されて、前ケース460の撮影開口461を上下方向に移動するように構成されている。
−−−各カムの位相およびカムコード基板161のスイッチの状態について−−−
カム軸172の回動位相の変化(すなわち各カムの位相の変化)と、カムコード基板161の3つのスイッチのオンオフ状態との関係について、図11を参照して説明する。図11は、カム軸172の回動位相を横軸に、各カムのリフト量および3つのスイッチのオンオフ状態を縦軸にとったグラフである。ここで、リフト量とは、各カムのカム面に当接する相手側の部材押し出す距離(押出量)を指す。説明の便宜上、後述するライブビューモードでの本撮影などではなく、従来の一眼レフカメラと同様の通常の本撮影を行う際の露光時点におけるカム軸172の回動位相(回動角度)を0度とし、図示右側が正の値となるように回動角度を規定する。なお、カム軸172の回動方向については、回動角度が減少する方向(図示左側)に向かって回転する場合を正転とし、回動角度が増加する方向(図示右側)に向かって回転する場合を逆転とする。
カム軸172の回動角度が0度付近となる、図中のCの領域(C領域)にある場合には、先幕チャージカム121および後幕チャージカム122は、先幕チャージカムレバー123および後幕チャージカムレバー124のカム当接部123a,124aの押出量(すなわちリフト量)が最も少ない状態となる。ミラー駆動カム151は、ミラー駆動カムレバー153のカム当接部153aの前方への押出量(すなわちリフト量)が最も少ない状態となる。絞り制御レバー駆動カム152は、絞り制御レバー駆動カムレバー154のカム当接部154aの下方への押出量(すなわちリフト量)が最も多い状態となる。カムコード基板161の3つのスイッチ(SW1,SW2,SW3)はいずれもオンとなる。したがって、各スイッチにそれぞれ接続された不図示の検出端子は接地される。
カム軸172がC領域から逆転すると、回動角度が図中のBの領域(B領域)内ではカム軸172の回動角度が増えるにつれて(逆転するにつれて)、先幕チャージカム121および後幕チャージカム122のリフト量は徐々に増える。同様に、カム軸172の回動角度が増えるにつれて、ミラー駆動カム151のリフト量は徐々に増える。カム軸172の回動角度が増えるにつれて、絞り制御レバー駆動カム152のリフト量は徐々に減る。カムコード基板161の3つのスイッチは、SW1がオフとなり、SW2,SW3がオンとなる。したがって、SW2,SW3にそれぞれ接続された不図示の検出端子は接地される。
カム軸172の回動角度が図中のAの領域(A領域)内にある場合には、先幕チャージカム121および後幕チャージカム122のリフト量は最も多い状態となる。同様に、ミラー駆動カム151のリフト量は最も多い状態となる。絞り制御レバー駆動カム152のリフト量は最も少ない状態となる。カムコード基板161の3つのスイッチはいずれもオフとなる。したがって、各スイッチにそれぞれ接続された不図示の検出端子は接地されない。
カム軸172がA領域から逆転すると、回動角度が図中のDの領域(D領域)内ではカム軸172の回動角度に関わらず、先幕チャージカム121および後幕チャージカム122のリフト量は最も多い状態となる。ミラー駆動カム151では、カム軸172の回動角度が増えるにつれてリフト量は徐々に減る。絞り制御レバー駆動カム152では、カム軸172の回動角度が増えるにつれてリフト量は徐々に増える。カムコード基板161の3つのスイッチは、SW1,SW2がオフとなり、SW3がオンとなる。したがって、SW3に接続された不図示の検出端子は接地される。
カム軸172の回動角度が図中のEの領域(E領域)内にある場合には、先幕チャージカム121および後幕チャージカム122のリフト量は最も多い状態となる。ミラー駆動カム151のリフト量は最も少ない状態となる。絞り制御レバー駆動カム152のリフト量は最も多い状態となる。カムコード基板161の3つのスイッチは、SW1がオンとなり、SW2,SW3がオフとなる。したがって、SW1に接続された不図示の検出端子は接地される。
カム軸172がE領域から逆転すると、回動角度が図中のFの領域(F領域)内では、カム軸172の回動角度が増えるにつれて、先幕チャージカム121のリフト量は徐々に減る。後幕チャージカム122では、カム軸172の回動角度に関わらず、リフト量は最も多い状態となる。ミラー駆動カム151では、カム軸172の回動角度に関わらず、リフト量は最も少ない状態となる。絞り制御レバー駆動カム152では、カム軸172の回動角度に関わらず、リフト量は最も多い状態となる。カムコード基板161の3つのスイッチは、SW1,SW2がオンとなり、SW3がオフとなる。したがって、SW1,SW2にそれぞれ接続された不図示の検出端子は接地される。
カム軸172の回動角度が図中のGの領域(G領域)内にある場合には、先幕チャージカム121のリフト量は最も少ない状態となる。後幕チャージカム122のリフト量は最も多い状態となる。ミラー駆動カム151のリフト量は最も少ない状態となる。絞り制御レバー駆動カム152のリフト量は最も多い状態となる。カムコード基板161の3つのスイッチは、SW1,SW3がオフとなり、SW2がオンとなる。したがって、SW2に接続された不図示の検出端子は接地される。
カム軸172がG領域から逆転すると、回動角度が図中のHの領域(H領域)内では、カム軸172の回動角度に関わらず、先幕チャージカム121は、リフト量が最も少ない状態となる。後幕チャージカム122では、カム軸172の回動角度が増えるにつれて、リフト量は徐々に減る。ミラー駆動カム151では、カム軸172の回動角度に関わらず、リフト量が最も少ない状態となる。絞り制御レバー駆動カム152では、カム軸172の回動角度に関わらず、リフト量が最も多い状態となる。カムコード基板161の3つのスイッチは、SW1,SW3がオンとなり、SW2がオフとなる。したがって、SW1,SW3にそれぞれ接続された不図示の検出端子は接地される。
カム軸172の回動角度が360度付近となる、図中のIの領域(I領域)は、カム軸172の回動角度が0度付近となる、上述したC領域と同じ領域である。したがって、カム軸172の回動角度がI領域内にある場合には、先幕チャージカム121および後幕チャージカム122のリフト量は最も少ない状態となる。ミラー駆動カム151のリフト量は最も少ない状態となる。絞り制御レバー駆動カム152のリフト量は最も多い状態となる。カムコード基板161の3つのスイッチ(SW1,SW2,SW3)はいずれもオンとなる。したがって、各スイッチにそれぞれ接続された不図示の検出端子は接地される。
なお、カム軸172が正転した場合には、各カムのリフト量の変化は、上述した変化とは逆となる。また、カム軸172の正転および逆転の回転量に上限はなく、カム軸172は何回転でも正転および逆転できる。
−−−撮影時の動作説明−−−
本実施の形態のシャッタ装置を備えたカメラで撮影する際の各部の動作について、シーケンスシャッタ駆動ユニット100および遮光幕機構400を中心に、上述した図11の他、図12〜18に示すシーケンスチャートを参照して説明する。
なお、図12以降の各図において、Mirrorと記載されたチャートはメインミラー11の回動位置を示し、Motorと記載されたチャートはシーケンスモータ4への印加電圧を示し、Motor PIと記載されたチャートはシーケンスモータ4の回動量を検出するためのフォトインタラプタから出力されるパルス信号を示す。A PIと記載されたチャートは絞り制御レバー125の回動量を検出するためのフォトインタラプタから出力されるパルス信号を示し、A leverと記載されたチャートは絞り制御レバー125の回動位置を示し、A Mgと記載されたチャートはA Mgへの印加電圧を示す。なお、A Mgはラチェットギヤ128を係止する不図示の係止レバーを釈放するマグネットであり、通電されると保持している不図示の係止レバーを釈放する。F MgおよびE Mgと記載されたチャートは先幕マグネット143および後幕マグネット144への印加電圧を示し、F bladeおよびE bladeと記載されたチャートは先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431の位置を示す。
図12以降の各図では、シーケンスチャート上の各区間とカム軸172の回動角度との関係を、カム軸172の回動角度の各領域A〜IのアルファベットA〜Iによって示している。
(1) 通常の撮影時の動作(通常撮影モード)
通常の撮影とは、従来の一眼レフカメラと同様に、撮影前にはメインミラー11で反射された被写体像をファインダー光学系20で観察可能とし、本撮影時にはメインミラー11を撮影光路から退避させるという撮影シーケンスによる撮影である。不図示の操作スイッチの操作によって、撮影モードが通常撮影モードに設定されると、制御回路31が次のようにカメラボディ1の各部を制御する。以下、図11〜13を参照して説明する。
撮影開始前(レリーズ開始前)、撮影レンズ2の絞りは開放状態であり、メインミラー11は、ミラーダウン位置(観察位置)となっている。シーケンスシャッタ駆動ユニット100および遮光幕機構400の各部は、図2,3,6〜9に示す状態となっている。なお、観察位置にあるメインミラー11の姿勢をダウン姿勢と呼ぶ。
撮影開始前、先幕マグネット143および後幕マグネット144の励磁コイルには通電されておらず、励磁コイルは消磁されている。また、撮影開始前、シーケンスモータ4は停止しており、カム軸172の回動角度は上述したA領域内にある(図11〜13)。シーケンスモータ4によって駆動される各カム121,122,151,152も以下に説明する位相で停止している。
先幕チャージカム121は、上述したようにリフト量が最も多い状態で停止している(図2,8,11)。これにより、先幕チャージカムレバー123がカメラボディ1の左側から見たときに軸111cを中心に時計方向に回動した状態で停止し、先幕駆動レバー当接部123bが先幕駆動レバー141の当接部141dを上方に押し上げている(図2,4,5,8)。したがって、先幕駆動レバー141は、バネ145の付勢力に抗してカメラボディ1の前方から見たときに反時計方向に回動されて停止している。
このとき、先幕駆動レバー141の先幕駆動レバー突部141bが上方に移動されているので(図3,6,9)、遮光幕機構400の先幕主アーム421がカメラボディ1の後方から見たときに回動軸穴421aを中心に時計方向に回動された状態で停止している(図3,9,10)。そのため、先幕遮光羽根群411は、上方に引き上げられて、撮影開口461を遮光した状態で停止している(図13)。
後幕チャージカム122は、上述したようにリフト量が最も多い状態で停止している(図2,8,11)。これにより、後幕チャージカムレバー124がカメラボディ1の左側から見たときに軸111dを中心に時計方向に回動した状態で停止し、後幕駆動レバー当接部124bが後幕駆動レバー142の当接部142dを上方に押し上げている(図2,4,5,8)。したがって、後幕駆動レバー142は、バネ146の付勢力に抗してカメラボディ1の前方から見たときに反時計方向に回動されて停止している。
このとき、後幕駆動レバー142の後幕駆動レバー突部142bは上方に移動されているので(図3,6,9)、遮光幕機構400の後幕主アーム441がカメラボディ1の後方から見たときに回動軸穴441aを中心に時計方向に回動された状態で停止している(図3,9,10)。そのため、後幕遮光羽根群431は、上方に引き上げられて、撮影開口461の上方に退避した状態で停止している(図13)。
ミラー駆動カム151は、上述したようにリフト量が最も多い状態で停止している(図6,7,11)。これにより、ミラー駆動カムレバー153が不図示のメインミラー駆動バネの付勢力に抗して、カメラボディ1の右側から見たときに軸111eを中心に時計方向に回動した状態で停止し、ミラー駆動軸当接部153bが下方へ逃げて、メインミラー保持枠13のピン13aの下方への移動を許可している。そのため、メインミラー11は不図示のバネの付勢力によって下方へ回動されて、ファインダー光学系20へ被写体光を導く観察位置(撮影光路中の光路位置)で停止している(図11〜13)。
絞り制御レバー駆動カム152は、上述したようにリフト量が最も少ない状態で停止している(図6)。そのため、絞り制御レバー駆動カムレバー154は、絞り開放バネ173の付勢力によってカメラボディ1の右側から見たときに軸111fを中心として時計方向に回動されている。これにより、絞り制御レバー駆動カムレバー154の絞り制御レバー当接部154bが絞り制御レバー125の腕125aを押し上げ、絞り制御レバー125の当接部125bが上方に移動して、撮影レンズ2の絞りを開放状態としている(図8,11,12)。
なお、レリーズ開始前の状態では、たとえば撮影レンズ2の取り付け時のように、絞り制御レバー125の当接部125bが外力によって下方に押圧されると、絞り制御レバー125および絞り制御レバー駆動カムレバー154が、絞り開放バネ173の付勢力に抗して回動して、当接部125bが外力に応じて下方に移動する。
不図示のレリーズボタンが半押し操作されて不図示の半押しスイッチから半押し操作信号が入力されると、測光および測距動作が行われる。制御回路31は、測光ユニット5で検出された被写体の明るさに基づいて公知の測光演算を行い、制御絞り値およびシャッタ秒時を演算する。また、制御回路31は、AFユニット6の焦点検出結果に基づいて公知の測距演算を行い、撮影レンズ2のフォーカス調整を行う。
不図示のレリーズボタンが全押し操作されて不図示の全押しスイッチから全押し操作信号が入力されると、以下に説明するレリーズ動作が行われる。制御回路31は先幕マグネット143および後幕マグネット144を励磁する(図13)。これにより、先幕マグネット143および後幕マグネット144は、当接している先幕駆動レバー141のマグネット吸着部141eおよび後幕駆動レバー142のマグネット吸着部142eを吸着保持する。また、全押し操作信号が入力されると、制御回路31は、シーケンスモータ4の回動(正転)を開始させて、各カム121,122,151,152を所定の回動角度だけ回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる。これにより、カム軸172の回動角度は上述したA領域からB領域を経てC領域に到達する。
なお、シーケンスモータ4の停止タイミングは、上述したようにSW1〜SW3の状態に基づいてカムコード基板161の位相(すなわちカム軸172の回動角度)を検出することで制御回路31が制御している。具体的には、制御回路31は、SW1〜SW3の状態が切り替わったことを検出してから、Motor PIの所定のパルス数が経過または所定の時間を経過した後にシーケンスモータ4に対して、それまで印加していた電圧とは極性を反転させた電圧を所定時間だけ印加してシーケンスモータ4にブレーキを掛ける。このようにすることで、カム軸172は、SW1〜SW3の状態が切り替わる回動角度から少し先まで回動したところで停止する。
このシーケンスモータ4の回動により、先幕チャージカム121は、リフト量が最も少ない位相(C領域)まで回動して停止する(図11)。これにより、不図示のバネの付勢力によって先幕チャージカムレバー123がカメラボディ1の左側から見たときに軸111cを中心に反時計方向に回動し、先幕駆動レバー当接部123bが下方に引き下げられる。しかし、先幕マグネット143が先幕駆動レバー141のマグネット吸着部141eを吸着保持しているため、先幕駆動レバー141は、バネ145の付勢力に抗してカメラボディ1の前方から見たときに反時計方向に回動されたまま停止している。すなわち、先幕遮光羽根群411は、撮影開口461を遮光した状態で停止している(図13)。
後幕チャージカム122も同様に、リフト量が最も少ない位相(C領域)まで回動して停止する(図11)。これにより、不図示のバネの付勢力によって後幕チャージカムレバー124がカメラボディ1の左側から見たときに軸111dを中心に反時計方向に回動し、後幕駆動レバー当接部124bが下方に引き下げられる。しかし、後幕マグネット144が後幕駆動レバー142のマグネット吸着部142eを吸着保持しているため、後幕駆動レバー142は、バネ146の付勢力に抗してカメラボディ1の前方から見たときに反時計方向に回動されたまま停止している。すなわち、後幕遮光羽根群431は、撮影開口461の上方に退避した状態で停止している(図13)。
ミラー駆動カム151は、リフト量が最も少ない位相(C領域)まで回動して停止する(図11)。これにより、ミラー駆動カムレバー153が不図示のメインミラー駆動バネの付勢力によってカメラボディ1の右側から見たときに軸111eを中心に反時計方向に回動される。このミラー駆動カムレバー153の回動によって、ミラー駆動軸当接部153bがメインミラー保持枠13のピン13aを押し上げる。そのため、メインミラー11は不図示のバネの付勢力に抗して上方へ回動されて、撮影光路から退避する退避位置(ミラーアップ位置)へ移動されて(ミラーアップされて)停止する(図12,13)。なお、退避位置にあるメインミラー11の姿勢をアップ姿勢と呼ぶ。
絞り制御レバー駆動カム152は、リフト量が最も多い位相(C領域)まで回動して停止する(図11)。そのため、絞り制御レバー駆動カムレバー154は、絞り開放バネ173の付勢力に抗してカメラボディ1の右側から見たときに軸111fを中心として反時計方向に回動される。したがって、絞り制御レバー駆動カムレバー154の絞り制御レバー当接部154bが下方へ移動する。上述したように、絞り制御レバー当接部154bが絞り制御レバー125の腕125aと不図示のバネを介して連結されているため、絞り制御レバー当接部154bが下方へ移動すると、絞り制御レバー125の腕125aが下方に引き下げられる(図12)。これにより、絞り制御レバー125の当接部125bが下方に移動するので、撮影レンズ2の絞りが絞り込まれる。
このように、絞り制御レバー125が撮影レンズ2の絞りが絞り込まれるように回動すると、上述したように、絞り制御レバー125の回動量がフォトインタラプタ(A PI)から出力されるパルス信号の数(パルス数)として検出される(図12)。制御回路31は、フォトインタラプタから出力されるパルス信号のパルス数が、所定のパルス数に達したと判断すると、上述したA Mgに通電して不図示の係止レバーの爪をラチェットギヤ128に係合させてラチェットギヤ128の回動を停止させる(図12)。
ラチェットギヤ128の回動が停止されると、ラチェットギヤ128が取り付けられた絞り制御ギヤ126の入力側のギヤ、および、このギヤと噛合する扇形ギヤ部125d(すなわち絞り制御レバー125)の回動が停止する。これにより、絞り制御レバー125の当接部125bに追従して撮影レンズ2の不図示のレバーが駆動されて、撮影レンズ2の絞りが制御絞り値となるように絞り込まれる。
ラチェットギヤ128の回動停止後(すなわち絞り制御レバー125の回動停止後)も、絞り制御レバー駆動カムレバー154は、回動し続けるが、絞り制御レバー駆動カム152が停止すると、絞り制御レバー駆動カムレバー154の回動も停止する。なお、図12では、撮影レンズ2の絞りを最も絞り込むように制御絞り値が算出された場合のものであり、算出された制御絞り値がもっと小さな値であれば、図12に示したものよりももっと早い段階でA PIからパルス信号が出力されなくなる。
撮影レンズ2の絞りが制御絞り値となるように絞り込まれた後、図13に示すように、制御回路31は、先幕マグネット143の励磁コイルへの通電を停止する。これにより、先幕駆動レバー141のマグネット吸着部141eが離脱可能に釈放されるので、先幕駆動レバー141は、バネ145の付勢力によってカメラボディ1の前方から見たときに時計方向に回動する。この先幕駆動レバー141の回動によって先幕駆動レバー突部141bが下方に移動されると、遮光幕機構400の先幕主アーム421がカメラボディ1の後方から見たときに回動軸穴421aを中心に反時計方向に回動される。これにより、先幕遮光羽根群411は、前ケース460の撮影開口461を下方向に移動して撮影開口461を開放する。すなわち、先幕遮光羽根群411はバネ145の付勢力によって駆動される。この段階では、後幕遮光羽根群431は、撮影開口461の上方に退避した状態で停止している。
撮影開口461が開放されている間に撮像素子3へ電荷の蓄積が制御されることで撮像が行われる。上述したように演算されたシャッタ秒時に対応する時間の電荷蓄積が終了すると、制御回路31は、後幕マグネット144の励磁コイルへの通電を停止する。これにより、後幕駆動レバー142のマグネット吸着部142eが離脱可能に釈放されるので、後幕駆動レバー142は、バネ146の付勢力によってカメラボディ1の前方から見たときに時計方向に回動する。この先後幕駆動レバー142の回動によって後幕駆動レバー突部142bが下方に移動されると、遮光幕機構400の後幕主アーム441がカメラボディ1の後方から見たときに回動軸穴441aを中心に反時計方向に回動される。これにより、後幕遮光羽根群431は、前ケース460の撮影開口461を下方向に移動して撮影開口461を遮光する。すなわち、後幕遮光羽根群431はバネ146の付勢力によって駆動される。このように、通常撮影モードでは、撮像素子3への電荷蓄積時間をメカニカルシャッタで制御する。以上でレリーズ動作および撮影動作が終了する。
上述のレリーズ動作および撮影動作が終了すると、これに引き続き、以下のリセット動作が行われる。制御回路31は、シーケンスモータ4の逆転を開始させて、各カム121,122,151,152をレリーズ開始前の回動位相まで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる。これにより、カム軸172の回動角度は上述したC領域からB領域を経てA領域に到達する。
先幕チャージカム121は、リフト量が最も多い位相(A領域)まで回動した後、停止する(図2,8,11)。これにより、先幕チャージカムレバー123がカメラボディ1の左側から見たときに軸111cを中心に時計方向に回動され、先幕駆動レバー当接部123bが先幕駆動レバー141の当接部141dを上方に押し上げる(図2,4,5,8)。したがって、先幕駆動レバー141は、バネ145の付勢力に抗してカメラボディ1の前方から見たときに反時計方向に回動される。
これにより、先幕駆動レバー141の先幕駆動レバー突部141bが上方に移動して、カメラボディ1の後方から見たときに遮光幕機構400の先幕主アーム421を回動軸穴421aを中心に時計方向に回動させる(図3,9,10)。そのため、先幕遮光羽根群411は上方に向かって走行し、撮影開口461を遮光する。このようにして先幕遮光羽根群411がリセット(シャッタチャージ)される(図13)。
後幕チャージカム122は、リフト量が最も多い位相(A領域)まで回動した後、停止する(図2,8,11)。これにより、後幕チャージカムレバー124がカメラボディ1の左側から見たときに軸111dを中心に時計方向に回動され、後幕駆動レバー当接部124bが後幕駆動レバー142の当接部142dを上方に押し上げる(図2,4,5,8)。したがって、後幕駆動レバー142は、バネ146の付勢力に抗してカメラボディ1の前方から見たときに反時計方向に回動される。
これにより、後幕駆動レバー142の後幕駆動レバー突部142bが上方に移動して、カメラボディ1の後方から見たときに遮光幕機構400の後幕主アーム441を回動軸穴441aを中心に時計方向に回動させる(図3,9,10)。そのため、後幕遮光羽根群431は上方に向かって走行し、撮影開口461の上方に退避する。このようにして後幕遮光羽根群431がリセット(シャッタチャージ)される(図13)。
ミラー駆動カム151は、リフト量が最も多い位相(A領域)まで回動した後、停止する(図6,7,11)。これにより、ミラー駆動カムレバー153が不図示のメインミラー駆動バネの付勢力に抗して、カメラボディ1の右側から見たときに軸111eを中心に時計方向に回動され、ミラー駆動軸当接部153bが下方へ逃げて、メインミラー保持枠13のピン13aの下方への移動を許可する。そのため、メインミラー11は不図示のバネの付勢力によって下方へ回動されて(ミラーダウンされて)、観察位置(撮影光路中の光路位置)で停止する(図12,13)。
絞り制御レバー駆動カム152は、リフト量が最も少ない位相(A領域)まで回動した後、停止する(図6,11)。そのため、絞り制御レバー駆動カムレバー154は、絞り開放バネ173の付勢力によってカメラボディ1の右側から見たときに軸111fを中心として時計方向に回動される。これにより、絞り制御レバー駆動カムレバー154の絞り制御レバー当接部154bが絞り制御レバー125の腕125aを押し上げ、絞り制御レバー125の当接部125bが上方に移動して、撮影レンズ2の絞りを開放状態とする(図8,12)。
以上のリセット動作によって、本実施の形態のシャッタ装置を備えたカメラは、撮影開始前(レリーズ開始前)に復帰する。このように、通常撮影モードでは、カム軸172はレリーズボタンが全押し操作されると正転されて回動角度が上述したA領域からB領域を経てC領域に達すると停止し、リセット動作時に逆転されてB領域を経てA領域に達すると停止する。
(2) スルー画像表示時の動作(ライブビューモード)
(2−1) ライブビューモード設定時
ライブビューモードでは、スルー画像が背面表示モニタ7に表示される。不図示の操作スイッチの操作によって、撮影モードがライブビューモードに設定されると、制御回路31が次のようにカメラボディ1の各部を制御する。以下、図11,14,15を参照して説明する。
制御回路31は、シーケンスモータ4を逆転させて、カム軸172の回動角度が上述したA領域からD〜F領域を経てG領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図11,14)。
ミラー駆動カム151は、リフト量が最も少なくなるように回動して停止する(図11)。カム軸172の回動角度がD領域内にある間は、上述したように、カム軸172の逆転が進行するにつれてミラー駆動カム151のリフト量が徐々に減る。したがって、上述したように、メインミラー11は退避位置へ移動する(図14)。
絞り制御レバー駆動カム152は、リフト量が最も多くなるように回動して停止する(図11)。カム軸172の回動角度がD領域内にある間は、上述したように、カム軸172の逆転が進行するにつれて絞り制御レバー駆動カム152のリフト量が徐々に増える。したがって、上述したように、絞り制御レバー125の腕125aが下方に引き下げられて、撮影レンズ2の絞りが絞り込まれる(図14)。
このように、絞り制御レバー125が撮影レンズ2の絞りが絞り込まれるように回動すると、上述したように、制御回路31は、測光ユニット5で検出された被写体の明るさに基づいて公知の測光演算を行い、制御絞り値を演算する。そして、制御回路31は、フォトインタラプタ(A PI)から出力されるパルス信号のパルス数が、所定のパルス数に達したと判断すると、上述したA Mgに通電して不図示の係止レバーの爪をラチェットギヤ128に係合させてラチェットギヤ128の回動を停止させる。その結果、撮影レンズ2の絞りが制御絞り値となるように絞り込まれる。
先幕チャージカム121は、リフト量が最も少なくなるように回動して停止する(図11)。カム軸172の回動角度がF領域内にある間は、上述したように、カム軸172の逆転が進行するにつれて先幕チャージカム121のリフト量が徐々に減るので、不図示のバネの付勢力によって先幕チャージカムレバー123がカメラボディ1の左側から見たときに軸111cを中心に反時計方向に回動し、先幕駆動レバー当接部123bが下方に引き下げられる。また、先幕マグネット143が先幕駆動レバー141のマグネット吸着部141eを吸着保持していないため、先幕駆動レバー141は、バネ145の付勢力によって先幕駆動レバー当接部123bに追従するようにカメラボディ1の前方から見たときに時計方向に回動される。すなわち、先幕遮光羽根群411は、前ケース460の撮影開口461を下方向に移動して撮影開口461を開放する(図14)。
なお、後幕チャージカム122は、リフト量が最も多い状態を維持する(図11)。これにより、後幕遮光羽根群431は、撮影開口461の上方に退避した状態で停止している(図14)。以上の動作により、メインミラー11が退避位置に移動し、先幕遮光羽根群411が撮影開口461の下方に移動し、後幕遮光羽根群431が撮影開口461の上方に退避するので、被写体光が撮像素子3に到達する。
制御回路31は、シーケンスモータ4を停止させた後、スルー画像が背面表示モニタ7に表示されるよう各部を制御する。これにより、スルー画像が背面表示モニタ7に表示される。なお、制御回路31は、スルー画像表示中は、撮像素子3で撮像して得られたスルー画像に基づいて、公知のコントラスト法による測距(像面AF)を繰り返し、撮影レンズ2のフォーカス調整を繰り返し行う。また、制御回路31は、スルー画像表示中は、撮像素子3で撮像して得られたスルー画像の明るさに基づいて、電子シャッタのシャッタ秒時(撮像素子3への電荷蓄積時間)を繰り返し演算する。
(2−2) ライブビューモード解除時(通常撮影モードへ設定した場合)
不図示の操作スイッチの操作によって、撮影モードがライブビューモードから通常撮影モードに設定されると、制御回路31が次のようにカメラボディ1の各部を制御する。
制御回路31は、スルー画像の背面表示モニタ7への表示を中止させるとともに、シーケンスモータ4を正転させて、カム軸172の回動角度が上述したG領域からF〜D領域を経てA領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図11,14)。
先幕チャージカム121は、リフト量が最も多くなるように回動して停止する(図11)。カム軸172の回動角度がF領域内にある間は、カム軸172の正転が進行するにつれて先幕チャージカム121のリフト量が徐々に増えるので、先幕チャージカムレバー123がカメラボディ1の左側から見たときに軸111cを中心に時計方向に回動される。これにより、先幕遮光羽根群411がリセット(シャッタチャージ)される(図14)。
ミラー駆動カム151は、リフト量が最も多い位相(A領域)まで回動した後、停止する(図11,14)。カム軸172の回動角度がD領域内にある間は、上述したように、カム軸172の正転が進行するにつれてミラー駆動カム151のリフト量が徐々に増える。したがって、上述したように、メインミラー11は観察位置へ移動する。
絞り制御レバー駆動カム152は、リフト量が最も少ない位相(A領域)まで回動した後、停止する(図11,14)。カム軸172の回動角度がD領域内にある間は、上述したように、カム軸172の正転が進行するにつれて絞り制御レバー駆動カム152のリフト量が徐々に減る。したがって、上述したように、撮影レンズ2の絞りが開放状態とされる。
以上の動作によって、カメラボディ1および撮影レンズ2は、通常撮影モードの撮影開始前(レリーズ開始前)の状態に復帰する。このように、通常撮影モードからライブビューモードに設定されると、カム軸172は逆転されて回動角度が上述したA領域からD〜F領域を経てG領域に達すると停止する。また、ライブビューモードから通常撮影モードに設定されると、カム軸172は正転されて回動角度が上述したG領域からF〜D領域を経てA領域に達すると停止する。
(2−3) ライブビューモード設定時にレリーズボタンが押圧された場合
図15は、ライブビューモード設定時にレリーズボタンが押圧された場合のシーケンスチャートである。不図示のレリーズボタンが全押し操作されて不図示の全押しスイッチから全押し操作信号が入力されると、制御回路31は、像面AFおよびシャッタ秒時の演算を終了すると共に、後幕マグネット144を励磁する(図15)。これにより、撮影レンズ2のフォーカス調整が終了し、シャッタ秒時が決定される。後幕マグネット144は、当接している後幕駆動レバー142のマグネット吸着部142eを吸着保持する。また、全押し操作信号が入力されると、制御回路31は、所定時間(図15のTup dly)経過後にシーケンスモータ4を逆転させて、カム軸172の回動角度が上述したG領域からH領域を経てI領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図15)。
後幕チャージカム122は、リフト量が最も少なくなるように回動して停止する(図11,15)。カム軸172の回動角度がH領域内にある間は、上述したように、カム軸172の逆転が進行するにつれて後幕チャージカム122のリフト量が徐々に減るので、不図示のバネの付勢力によって後幕チャージカムレバー124がカメラボディ1の左側から見たときに軸111dを中心に反時計方向に回動し、後幕駆動レバー当接部124bが下方に引き下げられる。しかし、後幕マグネット144が後幕駆動レバー142のマグネット吸着部142eを吸着保持しているため、後幕駆動レバー142は、バネ146の付勢力に抗してカメラボディ1の前方から見たときに反時計方向に回動されたまま停止している。すなわち、後幕遮光羽根群431は、撮影開口461の上方に退避した状態で停止している(図15)。
なお、先幕チャージカム121、およびミラー駆動カム151のリフト量には変化がないので、先幕遮光羽根群411がリセットされることはなく、メインミラー11が退避位置から移動することはない。また、絞り制御レバー駆動カム152のリフト量には変化がないので、撮影レンズ2の絞りが開放状態とされることはない。なお、撮影レンズ2の絞りは、上述したようにライブビューモードが解除されるまでは、ライブビューモード設定時に絞り込まれたままの状態を維持する。
制御回路31は、シーケンスモータ4を停止させた後、上述のように決定された電子シャッタのシャッタ秒時(図15においてCCD expと記載した部分に相当する期間)だけ、電子シャッタによる撮像素子3への電荷の蓄積を行い、その後、後幕マグネット144の励磁コイルへの通電を停止する。これにより、後幕駆動レバー142のマグネット吸着部142eが離脱可能に釈放されるので、上述したように、後幕遮光羽根群431は、前ケース460の撮影開口461を下方向に移動して撮影開口461を遮光する。以上でライブビューモードにおける撮影動作が終了する。なお、ライブビューモードにおける撮影動作では、上述したように、撮影レンズ2の絞りがライブビューモード設定時に絞り込まれたままの状態を維持しているため、電子シャッタのシャッタ秒時によって露光量が適宜調整される。
上述の撮影動作が終了すると、これに引き続き、再びスルー画像が背面表示モニタ7に表示されるように以下の動作が行われる。制御回路31は、シーケンスモータ4を正転させて、カム軸172の回動角度が上述したI領域からH領域を経てG領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図11,15)。
後幕チャージカム122は、リフト量が最も多くなるように回動して停止する(図11)。カム軸172の回動角度がH領域内にある間は、上述したように、カム軸172の正転が進行するにつれて後幕チャージカム122のリフト量が徐々に増えので、不図示のバネの付勢力に抗して後幕チャージカムレバー124がカメラボディ1の左側から見たときに軸111dを中心に時計方向に回動し、後幕駆動レバー当接部124bが上方に引き上げられる。これにより、上述したように、後幕遮光羽根群431は上方に向かって走行し、撮影開口461の上方に退避する。このようにして後幕遮光羽根群431がリセット(シャッタチャージ)される(図15)。
なお、先幕チャージカム121、およびミラー駆動カム151のリフト量には変化がないので、上述したように、先幕遮光羽根群411がリセットされることはなく、メインミラー11が退避位置から移動することはない。また、絞り制御レバー駆動カム152のリフト量には変化がないので、上述したように、撮影レンズ2の絞りが開放状態とされることはなく、ライブビューモードが解除されるまでは、ライブビューモード設定時に絞り込まれたままの状態を維持する。
制御回路31は、カム軸172の回動角度がG領域に到達して、シーケンスモータ4を停止させた後、スルー画像が背面表示モニタ7に表示されるよう各部を制御する。これにより、スルー画像が背面表示モニタ7に再び表示される。また、制御回路31は、上述した撮影レンズ2のフォーカス調整、および、電子シャッタのシャッタ秒時の演算を再開する。
(3) スルー画像表示時に撮像素子3への電荷蓄積時間をメカニカルシャッタで制御して撮像する際の動作(ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モード)
本実施の形態のカメラでは、撮影モードがライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モードに設定されると、スルー画像表示時に一旦先幕遮光羽根群411をチャージして撮影開口461を遮光し、その後、メカニカルシャッタを作動させることで、撮像素子3への電荷蓄積時間をメカニカルシャッタで制御して撮像することができる。不図示の操作スイッチの操作によって、撮影モードがライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モードに設定されると、制御回路31が次のようにカメラボディ1の各部を制御する。以下、図11,14,16を参照して説明する。
たとえば、撮影モードが通常撮影モードから、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モードに設定されると、上述した「(2−1) ライブビューモード設定時」と同様に、制御回路31は、シーケンスモータ4を逆転させて、カム軸172の回動角度がA領域からD〜F領域を経てG領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図11,14)。これにより、メインミラー11は退避位置へ移動し(図14,16)、撮影レンズ2の絞りは制御絞り値となるように絞り込まれ、先幕遮光羽根群411は、前ケース460の撮影開口461を下方向に移動して撮影開口461を開放する(図14,16)。
制御回路31は、シーケンスモータ4を停止させた後、スルー画像が背面表示モニタ7に表示されるよう各部を制御する。これにより、スルー画像が背面表示モニタ7に表示される。なお、制御回路31は、上述した「(2−1) ライブビューモード設定時」と同様に、スルー画像表示中は、像面AFによって撮影レンズ2のフォーカス調整を繰り返し行い、撮像素子3で撮像して得られたスルー画像の明るさに基づいて、電子シャッタのシャッタ秒時を繰り返し演算する。
不図示のレリーズボタンが全押し操作されて不図示の全押しスイッチから全押し操作信号が入力されると、制御回路31は、像面AFおよびシャッタ秒時の演算を終了すると共に、スルー画像の背面表示モニタ7への表示を中止させる。これにより、撮影レンズ2のフォーカス調整が終了し、シャッタ秒時が決定される。その後、制御回路31は、シーケンスモータ4を正転させて、カム軸172の回動角度が上述したG領域からF領域を経てE領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を一時停止させる(図16)。
先幕チャージカム121は、リフト量が最も多くなるように回動して停止する(図11,16)。カム軸172の回動角度がF領域内にある間は、カム軸172の正転が進行するにつれて先幕チャージカム121のリフト量が徐々に増えるので、先幕チャージカムレバー123がカメラボディ1の左側から見たときに軸111cを中心に時計方向に回動される。これにより、先幕遮光羽根群411がリセット(シャッタチャージ)される(図16)。
なお、後幕チャージカム122、およびミラー駆動カム151のリフト量には変化がないので、後幕遮光羽根群431はリセットされたままとなり、メインミラー11は退避位置から移動しない。また、絞り制御レバー駆動カム152のリフト量には変化がないので、上述したように、撮影レンズ2の絞りが開放状態とされることはなく、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モードが解除されるまでは、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モード設定時に絞り込まれたままの状態を維持する。
制御回路31は、カム軸172の回動角度がE領域に到達して、シーケンスモータ4を一時停止させた後、先幕マグネット143および後幕マグネット144を励磁する。これにより、先幕マグネット143および後幕マグネット144は、当接している先幕駆動レバー141のマグネット吸着部141eおよび後幕駆動レバー142のマグネット吸着部142eを吸着保持する。その後、制御回路31は、シーケンスモータ4を逆転させて、カム軸172の回動角度がE領域からF〜H領域を経てI領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図16)。
先幕チャージカム121は、リフト量が最も少なくなるように回動して停止する(図11,16)。カム軸172の回動角度がF領域内にある間は、上述したように、カム軸172の逆転が進行するにつれて先幕チャージカム121のリフト量が徐々に減るので、不図示のバネの付勢力によって先幕チャージカムレバー123がカメラボディ1の左側から見たときに軸111cを中心に反時計方向に回動し、先幕駆動レバー当接部123bが下方に引き下げられる。しかし、先幕マグネット143が先幕駆動レバー141のマグネット吸着部141eを吸着保持しているため、先幕駆動レバー141は、バネ145の付勢力に抗してカメラボディ1の前方から見たときに反時計方向に回動されたまま停止している。すなわち、先幕遮光羽根群411は、撮影開口461を遮光した状態で停止している(図16)。
後幕チャージカム122は、リフト量が最も少なくなるように回動して停止する(図11)。カム軸172の回動角度がH領域内にある間は、上述したように、カム軸172の逆転が進行するにつれて後幕チャージカム122のリフト量が徐々に減るので、不図示のバネの付勢力によって後幕チャージカムレバー124がカメラボディ1の左側から見たときに軸111dを中心に反時計方向に回動し、後幕駆動レバー当接部124bが下方に引き下げられる。しかし、後幕マグネット144が後幕駆動レバー142のマグネット吸着部142eを吸着保持しているため、後幕駆動レバー142は、バネ146の付勢力に抗してカメラボディ1の前方から見たときに反時計方向に回動されたまま停止している。すなわち、後幕遮光羽根群431は、撮影開口461の上方に退避した状態で停止している(図16)。
なお、ミラー駆動カム151のリフト量には変化がないので、メインミラー11は退避位置から移動しない。また、絞り制御レバー駆動カム152のリフト量には変化がないので、上述したように、撮影レンズ2の絞りが開放状態とされることはなく、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モードが解除されるまでは、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モード設定時に絞り込まれたままの状態を維持する。
制御回路31は、カム軸172の回動角度がI領域して、シーケンスモータ4を停止させた後、先幕マグネット143の励磁コイルへの通電を停止する。これにより、先幕遮光羽根群411は、前ケース460の撮影開口461を下方向に移動して撮影開口461を開放する。この段階では、後幕遮光羽根群431は、撮影開口461の上方に退避した状態で停止している。
撮影開口461が開放されている間に撮像素子3へ電荷の蓄積が制御されることで撮像が行われる。上述したように決定されたシャッタ秒時に対応する時間の電荷蓄積が終了すると、制御回路31は、後幕マグネット144の励磁コイルへの通電を停止する。これにより、これにより、後幕遮光羽根群431は、前ケース460の撮影開口461を下方向に移動して撮影開口461を遮光する。このように、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モードでは、撮像素子3への電荷蓄積時間をメカニカルシャッタで制御する。なお、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モードにおける撮影動作では、上述したように、撮影レンズ2の絞りがライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モード設定時に絞り込まれたままの状態を維持しているため、シャッタ秒時によって露光量が適宜調整される。
上述の撮影動作が終了すると、これに引き続き、再びスルー画像が背面表示モニタ7に表示されるように以下の動作が行われる。制御回路31は、シーケンスモータ4を正転させて、カム軸172の回動角度が上述したI領域からH領域を経てG領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図16)。このときの各部動作は上述した「(2−3) ライブビューモード設定時にレリーズボタンが押圧された場合」と同様であるので、説明を省略する。
制御回路31は、カム軸172の回動角度がG領域に到達して、シーケンスモータ4を停止させた後、スルー画像が背面表示モニタ7に表示されるよう各部を制御する。これにより、スルー画像が背面表示モニタ7に再び表示される。また、制御回路31は、上述した撮影レンズ2のフォーカス調整、および、シャッタ秒時の演算を再開する。
(4) スルー画像表示後に一旦、通常撮影モードと同様の撮影動作を行い、再びスルー画像を表示する際の動作(ライブビュー中通常撮影モード)
本実施の形態のカメラでは、撮影モードがライブビュー中通常撮影モードに設定されると、スルー画像表示時に一旦通常撮影モードにおける撮影と同様の撮影を行い、通常撮影モードにおけるリセット動作を行うことなく、再びスルー画像を表示させることができる。
ライブビュー中通常撮影モードにおけるカメラボディ1の動作の概要は次のようなものである。撮影モードがライブビュー中通常撮影モードに設定されると、上述した「(2−1) ライブビューモード設定時」と同様の動作が行われ、スルー画像が背面表示モニタ7に表示される。ここで、レリーズボタンが全押し操作されると、上述した「(2−2) ライブビューモード解除時(通常撮影モードへ設定した場合)」と同様の動作が行われ、カメラボディ1は、一旦、通常撮影モードにおける撮影待機状態と同じ状態となる。引き続き、カメラボディ1では上述した「(1) 通常の撮影時の動作(通常撮影モード)」における、レリーズ動作および撮影動作が実行されるが、その後、通常撮影モードにおけるリセット動作は行われず、代わりに、上述した「(2−3) ライブビューモード設定時にレリーズボタンが押圧された場合」における撮影動作が終了した後の動作と同様の動作が行われる。以下、図11,14,17を参照して説明する。
たとえば、撮影モードが通常撮影モードから、ライブビュー中通常撮影モードに設定されると、上述した「(2−1) ライブビューモード設定時」と同様に、制御回路31は、シーケンスモータ4を逆転させて、カム軸172の回動角度がA領域からD〜F領域を経てG領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図11,14)。また、制御回路31は、シーケンスモータ4を停止させた後、スルー画像が背面表示モニタ7に表示されるよう各部を制御する。これにより、スルー画像が背面表示モニタ7に表示される。なお、制御回路31は、上述した「(2−1) ライブビューモード設定時」と同様に、スルー画像表示中は、スルー画像のピント調節のため、像面AFによって撮影レンズ2のフォーカス調整を繰り返し行うが、この時点ではシャッタ秒時の演算は行わない。
不図示のレリーズボタンが全押し操作されて不図示の全押しスイッチから全押し操作信号が入力されると、制御回路31は、像面AFを終了すると共に、スルー画像の背面表示モニタ7への表示を中止させる。また、制御回路31は、上述した「(2−2) ライブビューモード解除時(通常撮影モードへ設定した場合)」と同様に、制御回路31は、シーケンスモータ4を正転させて、カム軸172の回動角度が上述したG領域からF〜D領域を経てA領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を一時停止させる(図11,17)。この時点で、カメラボディ1は、通常撮影モードにおけるレリーズ開始前の状態と同じ状態となる。
カム軸172の回動角度がA領域に到達して、シーケンスモータ4を一時停止させている間に、制御回路31は、通常撮影モードにおける半押し操作信号が入力された場合と同様に、制御絞り値およびシャッタ秒時を演算するとともに、測距演算を行う。これらの演算は図17に示したA領域におけるAE/AFと記載した区間で実行される。すなわち、制御回路31は、シーケンスモータ4の一時停止中に、測光ユニット5で検出された被写体の明るさに基づいて公知の測光演算を行い、制御絞り値およびシャッタ秒時を演算する。また、制御回路31は、AFユニット6の焦点検出結果に基づいて公知の測距演算を行い、撮影レンズ2のフォーカス調整を行う。測光・測距演算後、制御回路31は、通常撮影モードにおける全押し操作信号が入力された場合と同様に、通常撮影モードにおける、レリーズ動作および撮影動作(本撮影)が実行されるよう、カメラボディ1の各部を制御する。
上述のレリーズ動作および撮影動作が終了した時点では、カム軸172の回動角度がC領域、すなわちI領域に到達している。上述のレリーズ動作および撮影動作が終了すると、これに引き続き、制御回路31は、シーケンスモータ4を正転させて、カム軸172の回動角度がI領域からH領域を経てG領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図11,17)。このとき、上述した「(2−3) ライブビューモード設定時にレリーズボタンが押圧された場合」における撮影動作が終了した後の動作と同様の動作が行われる。
なお、カム軸172の回動角度がI領域からG領域に到達するまでの間に、絞り制御レバー駆動カム152のリフト量には変化がないので、撮影レンズ2の絞りが開放状態とされることはなく、ライブビュー中通常撮影モードが解除されるまで、または、再び不図示のレリーズボタンが全押し操作されるまでは、上述した本撮影時に絞り込まれたままの状態を維持する。また、先幕チャージカム121、およびミラー駆動カム151のリフト量には変化がないので、上述したように、先幕遮光羽根群411がリセットされることはなく、メインミラー11が退避位置から移動することはない。すなわち、撮影動作が終了した後、スルー画の表示が再開されるまで、先幕遮光羽根群411は、撮影開口461を開放したままとなり、メインミラー11はミラーアップしたままとなる。
制御回路31は、カム軸172の回動角度がG領域に到達して、シーケンスモータ4を停止させた後、スルー画像が背面表示モニタ7に表示されるよう各部を制御する。これにより、スルー画像が背面表示モニタ7に再び表示される。また、制御回路31は、上述した撮影レンズ2のフォーカス調整を再開する。
このように、ライブビュー中通常撮影モードでは、カム軸172は逆転することなく、上述した撮影シーケンスを実行する。なお、撮影動作終了時点では、カム軸172の回動角度はC(I)領域にあるが、ライブビュー中通常撮影モードにおける撮影開始前の状態では、カム軸172の回動角度はG領域にある。C領域からG領域に至るカム軸172の回動量は、逆転時よりも正転時の方が少ない。したがって、ライブビュー中通常撮影モードでは、撮影動作終了後、撮影開始前の状態に復帰する際に、カム軸172を正転させた方が、短時間で撮影開始前の状態に復帰する。
また、カム軸172を逆転させた場合には、一旦先幕遮光羽根群411をリセットした後、スルー画表示のために先幕遮光羽根群411を再び走行させる必要があり、一旦メインミラー11をミラーダウンさせた後、スルー画表示のために再びミラーアップする必要がある。これに対して、カム軸172を正転させた場合には、上述したように先幕遮光羽根群411がリセットされず、メインミラー11がミラーダウンされないので、無駄な動作がない。
(5) スルー画像表示後に一旦、通常撮影モードと同様の撮影動作を行い、通常撮影モードの撮影待機状態に移行する際の動作(ライブビュー後通常撮影モード)
本実施の形態のカメラでは、撮影モードがライブビュー後通常撮影モードに設定されると、スルー画像表示時に一旦通常撮影モードにおける撮影と同様の撮影を行い、その後、通常撮影モードにおけるリセット動作を行うことができる。
ライブビュー後通常撮影モードにおけるカメラボディ1の動作の概要は次のようなものである。撮影モードがライブビュー後通常撮影モードに設定されると、上述した「(2−1) ライブビューモード設定時」と同様の動作が行われ、スルー画像が背面表示モニタ7に表示される。ここで、レリーズボタンが全押し操作されると、上述した「(2−2) ライブビューモード解除時(通常撮影モードへ設定した場合)」と同様の動作が行われ、カメラボディ1は、通常撮影モードにおける撮影待機状態と同じ状態となる。引き続き、カメラボディ1では上述した「(1) 通常の撮影時の動作(通常撮影モード)」における、レリーズ動作および撮影動作(本撮影)が実行される。
すなわち、ライブビュー後通常撮影モードに設定されると、上述したライブビュー中通常撮影モードにおける撮影動作が終了する時点までの動作と同様の動作が行われる。その後、上述したライブビュー中通常撮影モードの場合とは異なり、通常撮影モードにおけるリセット動作が行われる。以下、図11,14,18を参照して説明する。
たとえば、撮影モードが通常撮影モードから、ライブビュー後通常撮影モードに設定されると、上述した「(2−1) ライブビューモード設定時」と同様に、制御回路31は、シーケンスモータ4を逆転させて、カム軸172の回動角度がA領域からD〜F領域を経てG領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図11,14)。また、制御回路31は、シーケンスモータ4を停止させた後、スルー画像が背面表示モニタ7に表示されるよう各部を制御する。これにより、スルー画像が背面表示モニタ7に表示される。なお、制御回路31は、上述したライブビュー中通常撮影モードに設定された場合と同様に、スルー画像表示中は、スルー画像のピント調節のため、像面AFによって撮影レンズ2のフォーカス調整を繰り返し行うが、この時点ではシャッタ秒時の演算は行わない。
不図示のレリーズボタンが全押し操作されて不図示の全押しスイッチから全押し操作信号が入力されると、制御回路31は、像面AFを終了するとともに、スルー画像の背面表示モニタ7への表示を中止させる。また、制御回路31は、上述した「(2−2) ライブビューモード解除時(通常撮影モードへ設定した場合)」と同様に、制御回路31は、シーケンスモータ4を正転させて、カム軸172の回動角度が上述したG領域からF〜D領域を経てA領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を一時停止させる(図18)。この時点で、カメラボディ1は、通常撮影モードにおけるレリーズ開始前の状態と同じ状態となる。
カム軸172の回動角度がA領域に到達して、シーケンスモータ4を一時停止させている間に、制御回路31は、通常撮影モードにおける半押し操作信号が入力された場合と同様に、制御絞り値およびシャッタ秒時を演算するとともに、測距演算を行う。これらの演算は図18に示したA領域におけるAE/AFと記載した区間で実行される。すなわち、制御回路31は、シーケンスモータ4の一時停止中に、測光ユニット5で検出された被写体の明るさに基づいて公知の測光演算を行い、制御絞り値およびシャッタ秒時を演算する。また、制御回路31は、AFユニット6の焦点検出結果に基づいて公知の測距演算を行い、撮影レンズ2のフォーカス調整を行う。測光・測距演算後、制御回路31は、通常撮影モードにおける全押し操作信号が入力された場合と同様に、通常撮影モードにおける、レリーズ動作および撮影動作が実行されるよう、カメラボディ1の各部を制御する。
上述のレリーズ動作および撮影動作が終了した時点では、カム軸172の回動角度がC領域に到達している。上述のレリーズ動作および撮影動作が終了すると、これに引き続き、制御回路31は、シーケンスモータ4を逆転させて、カム軸172の回動角度がC領域からB領域を経てA領域に到達するまで回動させた後、シーケンスモータ4を停止させる(図18)。このとき、上述した「(1) 通常の撮影時の動作(通常撮影モード)」におけるリセット動作と同様の動作が行われる。
制御回路31は、カム軸172の回動角度がA領域に到達すると、シーケンスモータ4を停止させる。また、制御回路31は、撮影モードを通常撮影モードに設定する。このように、ライブビュー後通常撮影モードでは、1回本撮影される度に撮影モードが通常撮影モードに戻される。なお、撮影動作終了時点では、カム軸172の回動角度はC(I)領域にあるが、ライブビュー後通常撮影モードにおける一連の撮影シーケンスが終了した時点では、カム軸172の回動角度はA領域にある。C領域からA領域に至るカム軸172の回動量は、正転時よりも逆転時の方が少ない。したがって、ライブビュー後通常撮影モードでは、撮影動作終了後、カム軸172を逆転させた方が、短時間で一連の撮影シーケンスが終了する。
このように、本実施の形態のカメラでは、次の作用効果を奏する。
(1) 先幕チャージカム121および後幕チャージカム122がカム軸172とともに一体的に回動されるように構成するとともに、カム軸172の回動角度に応じて、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431が個別にリセットできるように構成した。したがって、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431の動作制御を多様化できる。
たとえば、ライブビューモード設定時には、カム軸172の回動角度をA領域からG領域へ変更することで、後幕遮光羽根群431をチャージした状態(すなわち、後幕チャージカム122のリフト量が最も多い状態)を保ちつつ、先幕遮光羽根群411が走行可能な状態(すなわち、先幕チャージカム121のリフト量が最も少なくなる状態)へ移行できる。また、ライブビューモード解除時には、カム軸172の回動角度をG領域からA領域へ変更することで、後幕遮光羽根群431をチャージした状態(すなわち、後幕チャージカム122のリフト量が最も多い状態)を保ちつつ、先幕遮光羽根群411をチャージする状態(すなわち、先幕チャージカム121のリフト量が最も多くなる状態)へ移行できる。
これにより、後幕遮光羽根群431を走行させなくても、先幕遮光羽根群411だけを走行、またはチャージできるので、ライブビューモードの設定時および解除時に、動かす必要のない後幕遮光羽根群431を動かさなくてもよく、ライブビューモードの設定時や解除時の所要時間を短くでき、操作レスポンスに優れたカメラを提供できる。また、ライブビューモードの設定時および解除時に、動かす必要のない後幕遮光羽根群431を動かさないので、後幕遮光羽根群431およびその駆動機構やチャージ機構の寿命を延命化できるほか、駆動動力を抑制して消費電力を抑制でき、また、可動部からのダストの発生を抑制でき、ダストに起因する画質の劣化を抑制できる。
(2) ライブビューモード設定時にレリーズボタンが押圧されると、カム軸172の回動角度がG領域からH領域を経てI領域へ到達し、撮像後は逆にI領域からH領域を経てG領域へ到達するように構成した。すなわち、各カム121,122のリフト量が先幕遮光羽根群411を走行可能とし、かつ、後幕遮光羽根群431をチャージする状態(G領域)から、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431を走行可能とする状態(I領域)へと移行する。また、各カム121,122のリフト量が先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431を走行可能とする状態(I領域)から、先幕遮光羽根群411をチャージする状態(A,D,E領域)を経由することなく、先幕遮光羽根群411を走行可能とし、かつ、後幕遮光羽根群431をチャージする状態(G領域)へ移行する。したがって、ライブビューモード設定時の撮影において、チャージする必要のない先幕遮光羽根群411をチャージしなくても、後幕遮光羽根群431だけを走行、またはチャージできる。これにより、ライブビューモード設定時の撮影において、撮影のサイクルタイムを短くでき、連写性能の高いカメラを提供できる。また、ライブビューモード設定時の撮影において、動かす必要のない先幕遮光羽根群411を動かさないので、先幕遮光羽根群411およびその駆動機構やチャージ機構の寿命を延命化できるほか、駆動動力を抑制して消費電力を抑制でき、また、可動部からのダストの発生を抑制でき、ダストに起因する画質の劣化を抑制できる。
(3) 通常撮影モード設定時や、ライブビュー後通常撮影モード設定時には、本撮影時にカム軸172の回動角度がA領域からB領域を経てC領域へ到達し、本撮影後は逆にC領域からB領域を経てA領域へ到達するように構成した。すなわち、各カム121,122が先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431をチャージする状態(A領域)から、カム面の当接部分が各チャージカムレバー123,124から離間する方向へ徐々に移動し(B領域)、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431を走行可能とする状態(C領域)へと移行する。また、本撮影後には、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431を走行可能とする状態(C領域)から、カム面の当接部分が各チャージカムレバー123,124を徐々にチャージ方向に押圧し、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431をチャージする状態(A領域)へと移行する。したがって、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431を一括して走行可能とし、または、チャージする。これにより、従来のカメラと同様の撮影シーケンスを実現でき、従来のカメラと同様の撮影機能、使い勝手を確保できる。
(4) カム軸172が正転しても逆転しても、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431がともに走行可能となるC(I)領域に到達できるように構成した。また、カム軸172の回動角度がC(I)領域にあるときに被写体像を撮像するように構成した。これにより、設定された撮影モードに応じて、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431をともに走行可能とする際に、無駄な動作が少なくなるので、撮影のサイクルタイムを短くでき、連写性能の高いカメラを提供できる。また、動かす必要のない部材を動かさないので、各可動部分の寿命を延命化できるほか、駆動動力を抑制して消費電力を抑制でき、また、可動部からのダストの発生を抑制でき、ダストに起因する画質の劣化を抑制できる。
(5) カム軸172の回動角度がD領域内にある間は、カム軸172の逆転が進行するにつれてミラー駆動カム151のリフト量が徐々に減って、上メインミラー11が退避位置へ移動するように構成した。カム軸172の回動角度がD領域内にある間は、カム軸172の正転が進行するにつれてミラー駆動カム151のリフト量が徐々に増えて、メインミラー11が観察位置へ移動するように構成した。また、カム軸172の回動角度がA,D,E領域内にある間は、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431がチャージされるように構成した。したがって、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モード設定時にレリーズボタンが全押し操作された際、先幕遮光羽根群411がチャージされても、メインミラー11は退避位置から移動しない。そのため、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モードにおける本撮影開始時に、ミラーダウンの必要のないメインミラー11をミラーダウン(およびその後のミラーアップ)させなくても、先幕遮光羽根群411をチャージできる。また、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モードにおける本撮影後のリセット時に、ミラーダウンの必要のないメインミラー11をミラーダウン(およびその後のミラーアップ)させなくても、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431をチャージできる。これにより、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モード設定時の撮影において、撮影のサイクルタイムを短くでき、連写性能の高いカメラを提供できる。また、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モード設定時の撮影において、動かす必要のないメインミラー11を動かさないので、メインミラー11およびその駆動機構やチャージ機構の寿命を延命化できるほか、駆動動力を抑制して消費電力を抑制でき、また、可動部からのダストの発生を抑制でき、ダストに起因する画質の劣化を抑制できる。
(6) 通常撮影モード設定時や、ライブビュー後通常撮影モード設定時には、撮影時にカム軸172の回動角度がA領域からB領域を経てC領域へ到達する際に、各マグネット143,144を励磁して、当接している各マグネット吸着部141e,142eを吸着保持するように構成した。そして、撮像素子3で撮像する際には、各マグネット143,144の励磁コイルへの通電を順次停止するように構成した。これにより、シャッタ秒時を正確に制御できるので、所望の明るさの画像を得ることができる。
(7) スルー画像の表示時には、カム軸172の回動角度がG領域へ移動して、後幕遮光羽根群431をチャージした状態を保ちつつ、先幕遮光羽根群411を走行可能な状態とし、各マグネット143,144の励磁コイルへの通電を行わないように構成した。したがって、先幕遮光羽根群411は撮影開口461を開放し、後幕遮光羽根群431は撮影開口461の上方に退避する。これにより、各マグネット143,144の励磁コイルへ通電しなくてもスルー画像を表示できるので、消費電力を抑制し、撮像可能枚数の減少を抑制できる。
(8) 遮光羽根群411,431を遮光幕機構400に設け、遮光羽根群411,431を駆動する駆動機構をシーケンスシャッタ駆動ユニット100側に設けることで、遮光羽根群411,431と、遮光羽根群411,431を駆動する駆動機構とを分離した。このように構成することで、シーケンスシャッタ駆動ユニット100側だけの仕様変更や、遮光幕機構400だけの仕様変更が容易となるため、すなわちシャッタ装置の一部だけの仕様変更(設計変更)が容易となるため、上述したシーケンスシャッタ駆動ユニット100および遮光幕機構400を様々なカメラに容易に搭載できる。これにより、上述したシーケンスシャッタ駆動ユニット100および遮光幕機構400を様々なカメラに搭載する際の設計変更などが容易となり、設計期間および製造準備期間の短縮化が図れる。また、設計時および製造時のコストダウンを図れる。
(9) 本実施の形態のシーケンスシャッタ駆動ユニット100および遮光幕機構400では、遮光羽根群411,431の走行軌跡や停止位置といった遮光羽根群411,431の動作の精度を左右する、各アーム421,422,441,442の回動軸である先幕駆動レバー係止ピン181、後幕駆動レバー係止ピン182、先幕従動アーム支持ピン183、および後幕従動アーム支持ピン184が第2地板112に対して取り付けられている。すなわち、遮光羽根群411,431の動作の精度に影響を与える各ピン181〜184がシーケンス地板110で位置決めされるように構成した。したがって、遮光羽根群411,431の動作の精度をシーケンスシャッタ駆動ユニット100で確保できる。すなわち、従来のシャッタ装置のような、遮光羽根群の回動アームの回動軸が取り付けられるために相応の剛性を持たされた基板が遮光幕機構400では不要となる。そのため、前ケース460や後カバー470については、従来のシャッタ装置のように高い剛性や製作精度が必要ではなくなるので、遮光幕機構400を前後方向に薄くすることができる。これにより、カメラ(カメラボディ1)の小型化に資する。
なお、前ケース460や後カバー470については、遮光性能が十分であれば、第2地板112に対する取り付け精度は、従来のシャッタ装置のミラーボックスへの取り付け精度のような高い精度が必要ではない。したがって、前ケース460や後カバー470の製造コスト・組み立てコストを低減できる。
(10) 本実施の形態のシーケンスシャッタ駆動ユニット100および遮光幕機構400では、先幕主アーム421および後幕主アーム441の回動中心が、先幕主アーム421および後幕主アーム441を駆動する先幕駆動レバー141および後幕駆動レバー142の回動中心と一致している。したがって、先幕主アーム421および後幕主アーム441の回動が円滑となり、かつ、先幕駆動レバー141および後幕駆動レバー142から先幕主アーム421および後幕主アーム441への動力の伝達効率も向上する。先幕主アーム421および後幕主アーム441の寿命を長くすることができるほか、静音化や消費電力の削減に資する。
(11) 互いに直交する第1地板111および第2地板112に、メインミラー11や撮影レンズ2の絞り、遮光羽根群411,431などを駆動するための各構成要素を配設するように構成した。したがって、その動作方向から回動軸がカメラボディ1の左右方向に延在することとなる各レバー123〜125,153,154や各ギヤ126,131、各カム121,122,151,152などと、回動軸がカメラボディ1の前後方向に延在することとなる各駆動レバー141,142とをコンパクトに配設できる。これにより、カメラ(カメラボディ1)の小型化に資する。
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、ライブビューモード、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モード、およびライブビュー中通常撮影モードに設定されている場合には、本撮影が行われても設定されたモードが変更されることはないが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ライブビューモード、ライブビュー・メカニカルシャッタ撮影モード、およびライブビュー中通常撮影モードに設定されている場合に本撮影が行われると、通常撮影モードに自動的に復帰するように構成してもよい。
(2) 上述の説明では、カム軸172の回動角度に関して、C領域とI領域とが同じ角度範囲の領域であるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、C領域とI領域とが異なる角度範囲の領域であってもよい。また、上述の説明では、カム軸172の回動範囲に特に制限はなかったが、たとえば0度から360度までというように、カム軸172の回動範囲が制限されていてもよい。
(3) 上述の説明では、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431は、それぞれ3枚の羽根から構成されているが、枚数は3枚には限定されない。2枚以下であってもよく、4枚以上であってもよい。また、上述の説明では、遮光幕機構400の遮光羽根群は、先幕遮光羽根群411および後幕遮光羽根群431の2組あるが、遮光羽根群は1組であってもよい。なお、上述の説明における構成は、基本構成を示すものであり、シーケンスシャッタ駆動ユニット100や遮光幕機構400に周知のブレーキ機構や、Xスイッチ、シャッタモニタ等を設けてもよい。
(4) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、被写体像を撮像する撮像素子と、撮像素子を遮光する閉状態と撮像素子に被写体像を導く開状態との間で開閉動作を行う第1および第2のシャッタ羽根群と、第1のシャッタ羽根群を駆動する第1の駆動力をチャージするための第1のチャージ部材と、第2のシャッタ羽根群を駆動する第2の駆動力をチャージするための第2のチャージ部材と、第1のチャージ部材と当接して第1のチャージ部材をチャージ方向に移動させることで第1の駆動力をチャージする第1駆動力チャージカム面が形成された第1のカムと、第2のチャージ部材と当接して第2のチャージ部材をチャージ方向に移動させることで第2の駆動力をチャージする第2駆動力チャージカム面が形成された第2のカムと、撮影光路中にあってファインダーに被写体像を導くダウン姿勢と、撮影光路から退避して撮像素子に被写体像を導くアップ姿勢との2姿勢の間でミラーを駆動するようにカム面が形成された第3のカムと、第1〜第3のカムが固定される軸であって、第1〜第3のカムを一体的に回動させる回動軸とを備え、回動軸が第1の回動位相に回動されると、第1のカムは第1の駆動力で第1のシャッタ羽根群が駆動されることを妨げない回動位相に回動され、かつ、第2駆動力チャージカム面は第2のチャージ部材に当接して第2の駆動力をチャージし、回動軸が第1の回動位相から第2の回動位相に回動される過程では、第2駆動力チャージカム面は第2のチャージ部材に当接して第2の駆動力をチャージする状態を維持し、回動軸が第1の回動位相から第2の回動位相に回動されると、第1駆動力チャージカム面は第1のチャージ部材に当接して第1の駆動力をチャージし、かつ、第2駆動力チャージカム面は第2のチャージ部材に当接して第2の駆動力をチャージすることを特徴とする各種構造のカメラを含むものである。