JP5251213B2 - 車輪用軸受装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
この種の車輪用軸受装置では、ハブホイールの軸芯部に形成された中空孔に、等速ジョイントの外輪に一体形成された中心軸部をスプライン嵌合させて、ハブホイールと等速ジョイントの外輪の相対的な回転を抑止している。そして、等速ジョイントの中心軸部の軸端に形成された円筒状端面をカシメ治具で径方向外向きに屈曲させて、ハブホイールのアウター側のカシメ固定部にカシメ固定して軸方向に予圧付与し、ハブホイールと等速ジョイントの外輪の軸方向での緩みを抑止して複列転がり軸受の内輪軌道面を安定化させている。
そこで、カシメパンチ72のパンチ凸端74をガイド孔66に挿入して、カシメパンチ72を等速ジョイントの外輪60の中心軸部62の軸端部の円筒状端面64に押し当てて揺動回転させることにより、円筒状端面64を径方向外向きに屈曲させてハブホイール52のアウター側端面56の中空孔54につながるカシメ固定部57にカシメ固定する。
従来は、車輪用軸受装置では、ハブホイールと等速ジョイントに一体形成された中心軸部がすき間嵌めまたは中間嵌めにより嵌合されていた。そのため、カシメによるハブホイールと等速ジョイントの外輪の固定強度が不足するとハブホイールと等速ジョイントの外輪の中心軸部の嵌合部にクリープが発生して、ハブホイールと等速ジョイントの中心軸部の間で摺動を生じうる。そこで、第3世代の車輪用軸受装置ではクリープの発生を防ぐため、カシメ加工によって軸方向に高い予圧を付与する必要があり、カシメ角が30度程度となるまでカシメられていたのである。
よって、カシメの強さは、ハブホイールと等速ジョイントの軸方向での緩みを抑止して複列転がり軸受の内輪軌道面を安定化させることができればよい。そこで、ハブホイールと等速ジョイントの軸方向での緩みを抑止するためにカシメ角をどの程度とするカシメ強さが必要となるかについて研究を行った。
まず、本発明の第1の発明は、軸芯部に中空孔が形成されたハブホイールと、円柱状の中心軸部が一体形成された等速ジョイントの外輪と、ハブホイールの外周面に一方の内輪軌道面が形成され、等速ジョイントの外周面に他方の内輪軌道面が形成された複列転がり軸受を備え、
前記ハブホイールの中空孔に前記等速ジョイントの中心軸部をスプライン嵌合させ、カシメ治具を揺動回転させて、等速ジョイントの中心軸部の軸端に形成された円筒状端面を径方向外向きに屈曲させてハブホイールのアウター側端面のカシメ固定部にカシメ固定した、車輪用軸受装置であって、
前記カシメ固定部の周囲には、円筒状の環状部が形成されており、
前記カシメ治具は、前記環状部と干渉しないように揺動回転され、
前記中心軸部の先端を屈曲させることにより形成されたカシメ部の全体の表面における車輪用軸受装置の軸に垂直な平面で軸芯側から径方向外向きを基準としたときのインナー側への傾きが、0度を超えて15度までの範囲であることを特徴とする。
この第1の発明によれば、等速ジョイントの中心軸部の先端に形成されたカシメ部の全体の表面における車輪用軸受装置の軸に垂直な平面で軸芯側から径方向外向きを基準としたときのインナー側への傾きが、0度を超えて15度までの範囲であり、従来よりも浅いカシメ角となっている。そのため、カシメ治具を揺動回転させる角度を従来よりも小さく設定できる。よって、カシメ位置の必要範囲内で、カシメ治具の揺動スペースが狭くて済むため、ハブホイールの環状部の位置や軸方向の幅は従来と同じであっても、カシメ治具のハブホイールの環状部への干渉を防止することができる。
また、カシメに必要な力が従来よりも弱くて済むため、圧痕が生じにくく、ハブホイールや等速ジョイントの外輪の変形も生じにくいという利点がある。
前記カシメ治具の中心軸を前記車輪用軸受装置の中心軸に対して揺動回転させる揺動角は5度以下とされていることを特徴とする。
この第2の発明によれば、カシメ治具の中心軸を車輪用軸受装置の中心軸に対して揺動回転させる揺動角は5度以下とされているので、カシメ位置の必要範囲内で、カシメ治具の揺動スペースが従来よりも狭くすることができる。よって、ハブホイールの環状部の位置や軸方向の幅は従来と同じであっても、カシメ治具のハブホイールの環状部への干渉を防止することができる。
まず、上述の第1の発明によれば、従来よりも浅いカシメ角となっている。そのため、カシメ治具を揺動回転させる角度を従来よりも小さく設定できる。よって、カシメ位置の必要範囲内で、カシメ治具の揺動スペースが狭くて済むため、ハブホイールの環状部の位置や軸方向の幅は従来と同じであっても、カシメ治具のハブホイールの環状部への干渉を防止することができる。また、カシメに必要な力が従来よりも弱くて済むため、圧痕が生じにくく、ハブホイールや等速ジョイントの外輪の変形も生じにくいという利点がある。
次に上述の第2の発明によれば、カシメ治具の中心軸を前記軸受装置の中心軸に対して揺動回転させる揺動角は5度以下とされているので、カシメ位置の必要範囲内で、カシメ治具の揺動スペースが従来よりも狭くすることができる。よって、ハブホイールの環状部の位置や軸方向の幅は従来と同じであっても、カシメ治具のハブホイールの環状部への干渉を防止することができる。
図1に本発明の一実施例である車輪用軸受装置10のカシメ加工時における軸平行断面図を示す。ここで、図1を用いて車輪用軸受装置10のカシメ加工を行う方法について説明する。
車輪用軸受装置10は、カシメ加工に先立って、ハブホイール12の中空孔14に等速ジョイントの外輪20に一体形成された中心軸22がスプライン嵌合され、複列転がり軸受の外輪30が外嵌めされて一体化された状態とされている。そして、等速ジョイントの外輪20の中心軸部22の軸端部には円筒状端面24が形成されており、円筒状端面24の内側には、カシメ治具をガイドするガイド孔26が設けられている。
そして、図1に示すように、ハブホイール12のアウター側端面16の中空孔14につながるカシメ固定部17の周囲には円筒状の環状部18が形成されている。
また、カシメに必要な力が従来よりも弱くて済むため、圧痕が生じにくく、ハブホイールや等速ジョイントの変形も生じにくいという利点がある。なお、カシメ加工時には、必要に応じて、等速ジョイントの外輪に拘束治具をあてがって等速ジョイントの外輪の変形を抑止する。
また、カシメ治具の中心軸を軸受装置の中心軸に対して揺動回転させる揺動角αは最大で3度としているので、カシメ治具の揺動スペースが従来よりも狭くすることができる。よって、ハブホイールの環状部の位置や軸方向の幅は従来と同じであっても、カシメ治具のハブホイールの環状部への干渉を防止することができる。
カシメ角が−5度に満たない場合は、ハブホイールと等速ジョイントの軸方向での緩みを抑止するためのカシメの強度が十分でない。また、カシメ角が15度を超える場合はカシメの強度は十分であるが、カシメ治具の揺動スペースがそれほど狭くならないので、等速ジョイントの外輪と一体形成される中心軸部の軸径のアップやカシメの外径アップ等、軸回りの設計の自由度を確保するために十分でない。よって、カシメ角の好適な範囲は−5度から15度としている。
その他、本発明はその発明の思想の範囲で、各種の形態で実施できるものである。
β カシメ角
10 車輪用軸受装置
12 ハブホイール
14 中空孔
16 アウター側端面
17 カシメ固定部
18 環状部
20 等速ジョイントの外輪
22 中心軸部
24 円筒状端面
25 カシメ部
26 ガイド孔
30 複列転がり軸受の外輪
32 カシメパンチ
34 パンチ凸端
36 押圧部
Claims (2)
- 軸芯部に中空孔が形成されたハブホイールと、中心軸部が一体形成された等速ジョイントの外輪と、ハブホイールの外周面に一方の内輪軌道面が形成され、等速ジョイントの外周面に他方の内輪軌道面が形成された複列転がり軸受を備え、
前記ハブホイールの中空孔に前記等速ジョイントの中心軸部をスプライン嵌合させ、カシメ治具を揺動回転させて、等速ジョイントの中心軸部の軸端に形成された円筒状端面を径方向外向きに屈曲させてハブホイールのアウター側端面のカシメ固定部にカシメ固定した、車輪用軸受装置であって、
前記カシメ固定部の周囲には、円筒状の環状部が形成されており、
前記カシメ治具は、前記環状部と干渉しないように揺動回転され、
前記中心軸部の先端を屈曲させることにより形成されたカシメ部の全体の表面における車輪用軸受装置の軸に垂直な平面で軸芯側から径方向外向きを基準としたときのインナー側への傾きが、0度を超えて15度までの範囲であることを特徴とする車輪用軸受装置。 - 請求項1に記載の車輪用軸受装置の製造方法であって、
前記カシメ治具の中心軸を前記車輪用軸受装置の中心軸に対して揺動回転させる揺動角は5度以下とされていることを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法。
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