以下、本発明を実施するための最良の形態であるカプセル誘導システムについて説明する。なお、以下では、本発明にかかるカプセル誘導システムのカプセル型医療装置の一例として、被検体の体内画像を撮像するカプセル型医療装置を例示するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるカプセル誘導システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、この実施の形態1にかかるカプセル誘導システム1は、患者等の被検体15の消化管内部に導入されるカプセル型医療装置2と、被検体15の体内におけるカプセル型医療装置2の位置等を検出する位置検出装置3と、カプセル型医療装置2が撮像した被検体15の体内画像を受信する受信装置4と、ベッド等の患者テーブル16上に位置する被検体15の体位を検出する体位検出部5とを備える。また、カプセル誘導システム1は、被検体15内部のカプセル型医療装置2を磁力によって誘導する磁気誘導装置6と、この磁気誘導装置6に電力を供給する磁気誘導電源部7と、この磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気的な誘導(以下、磁気誘導という場合がある)を操作する操作部8とを備える。さらに、カプセル誘導システム1は、各種情報を入力する入力部9と、被検体15の体内画像等の各種情報を表示する表示装置10と、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向を検出する方向検出部11と、被検体15の体内画像群等の各種情報を記憶する記憶部12と、かかるカプセル誘導システム1の各構成部を制御する制御部13とを備える。
カプセル型医療装置2は、被検体の体内画像(被検体内情報の一例)を取得するカプセル型の医療装置であり、撮像機能および無線通信機能を有する。具体的には、カプセル型医療装置2は、患者等の被検体15の体内に導入され、この被検体15の消化管内部を移動しつつ体内画像を順次撮像する。カプセル型医療装置2は、被検体15の体内画像を撮像する都度、撮像した体内画像を含む画像信号を被検体15外部の受信装置4に順次無線送信する。また、カプセル型医療装置2は、永久磁石等の磁性体または電磁石(以下、これらを総称して単に磁石という)を内蔵し、磁気誘導装置6が形成した磁界に追従して動作するとともに磁気誘導される。
位置検出装置3は、被検体15の体内におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を検出するためのものであり、カプセル型医療装置2の位置および方向を検出するための磁界を発生させる駆動磁界発生部3aと、駆動磁界発生部3aに電力を供給する駆動電源部3bと、カプセル型医療装置2からの磁界を検出する磁界検出部3cと、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を算出する位置方向算出部3dとを備える。
駆動磁界発生部3aは、後述する磁気誘導装置6の絶対座標系の各軸方向の磁界を発生するコイル等を用いて実現される。駆動磁界発生部3aは、駆動電源部3bによって供給された電力(具体的には交流電流)を用いて絶対座標系の各軸方向の磁界を発生させ、この発生したカプセル型医療装置2に印加する。駆動磁界発生部3aは、このカプセル型医療装置2に印加した磁界の作用によって、このカプセル型医療装置2から誘導磁界を発生させる。
駆動電源部3bは、制御部13の制御に基づいて、カプセル型医療装置2に印加する磁界を発生させるために必要な交流電流を駆動磁界発生部3aに供給する。なお、上述した駆動磁界発生部3aが発生させる磁界の方向および強度は、この駆動電源部3bから供給される交流電流(駆動電源部3bからの通電量)によって制御される。
磁界検出部3cは、例えば格子状に配列された複数の検出コイルを用いて実現され、上述した駆動磁界発生部3aが放出した磁界の作用によってカプセル型医療装置2が放出した誘導磁界を検出する。磁界検出部3cは、かかるカプセル型医療装置2からの誘導磁界の検出結果を位置方向算出部3dに送信する。
位置方向算出部3dは、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を算出する。具体的には、位置方向算出部3dは、カプセル型医療装置2からの誘導磁界の検出結果を磁界検出部3cから取得する都度、この取得した誘導磁界の検出結果をもとに、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるカプセル型医療装置2の空間座標と方向ベクトル(カプセル型医療装置2の長手軸方向および径方向の各方向ベクトル)とを算出する。位置方向算出部3dは、かかる絶対座標系におけるカプセル型医療装置2の空間座標および方向ベクトルに基づいて、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の3次元的な現在位置および現在方向を算出する。位置方向算出部3dは、このように算出したカプセル型医療装置2の現在位置情報および現在方向情報を制御部13に送信する。
なお、かかる位置方向算出部3によって算出されるカプセル型医療装置2の方向は、カプセル型医療装置2が有するカプセル型筐体の長手軸方向と、このカプセル型筐体の径方向(カプセル型筐体の長手軸方向に対して垂直な直交2軸方向)によって規定されるカプセル型医療装置2の長手軸中心の回転状態とによって決定される。
受信装置4は、カプセル型医療装置2からの無線信号を捕捉する複数の受信アンテナ4aを有し、これら複数の受信アンテナ4aを介してカプセル型医療装置2からの無線信号を受信する。具体的には、複数の受信アンテナ4aは、被検体15の体表上に分散配置され、この被検体15の消化管内部を移動するカプセル型医療装置2からの無線信号を捕捉する。受信装置4は、これら複数の受信アンテナ4aのうちの最も受信電界強度の高い受信アンテナを選択し、この選択した受信アンテナを介してカプセル型医療装置2からの無線信号を受信する。受信装置4は、この受信したカプセル型医療装置2からの無線信号に対して復調処理等を行って、この無線信号に対応する画像信号(すなわちカプセル型医療装置2が撮像した被検体15の体内画像を含む画像信号)を復調し、得られた画像信号を制御部13に送信する。
体位検出部5は、体内にカプセル型医療装置2を含む被検体15の体位を検出する。具体的には、体位検出部5は、被検体15の体表上に配置される3つの検出コイル5a〜5cを有する。検出コイル5a〜5cは、被検体15の両脇部近傍および下腹部近傍に各々配置され、駆動磁界発生部3aまたは磁気誘導装置6が発生させた磁界を検出する。体位検出部5は、かかる検出コイル5a〜5cの磁界検出結果を取得し、この取得した磁界検出結果をもとに、磁気誘導装置6の絶対座標系における検出コイル5a〜5cの各位置座標および各方向ベクトル(例えば各検出コイル5a〜5cの法線ベクトル)を算出する。
ここで、かかる体位検出部5によって算出された検出コイル5a〜5cの各位置座標および各方向ベクトルは、被検体15に対して相対的に固定され、この被検体15の体位変換に対応して変化する。この場合、磁気誘導装置6の絶対座標系における被検体15の上体の位置および方向(すなわち被検体15の体位)は、かかる検出コイル5a〜5cの各位置座標によって特定される。体位検出部5は、かかる検出コイル5a〜5cの各位置座標を、被検体15の体位を示す情報として検出し、この体位検出結果を制御部13に送信する。
なお、かかる体位検出部5の検出コイル5a〜5cの配置箇所は、両脇部近傍および下腹部近傍に限らず、一直線上に配置されなければ被検体15の体表面上の任意の位置であってもよいが、被検体15の体位変換に伴って位置または方向が変化し易い体表面上の位置(例えば上体の側部近傍)であることが望ましく、さらには、検出コイル間距離が可能な限り離れていることが望ましい。また、かかる被検体の体表上に配置される検出コイルの配置数は、特に3つに限定されず、3以上であればよい。
磁気誘導装置6は、ヘルムホルツコイル等の電磁石を複数組み合わせて実現され、被検体15内部のカプセル型医療装置2を磁気誘導する。具体的には、磁気誘導装置6は、直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)による3軸直交座標系である絶対座標系が規定され、この絶対座標系の各軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に所望強度の磁界をそれぞれ発生する。磁気誘導装置6は、この絶対座標系の空間内部(すなわち磁気誘導装置6の複数の電磁石によって囲まれた空間内部)に患者テーブル16上の被検体15を位置させ、この絶対座標系の各軸方向の磁界によって形成される3次元の回転磁界または3次元の勾配磁界を被検体15内部のカプセル型医療装置2に印加し、これによって、このカプセル型医療装置2を動作させるとともに磁気誘導する。かかる磁気誘導装置6が発生する絶対座標系の各軸方向の磁界(すなわち回転磁界および勾配磁界)は、磁気誘導電源部7から供給される交流電流(磁気誘導電源部7からの通電量)によって制御される。一方、患者テーブル16は、この絶対座標系のZ軸方向の移動を可能にする駆動部(図示せず)を有し、この絶対座標系のZ軸方向に移動することによって、この絶対座標系の空間内部に対して被検体15を出し入れする。
なお、かかる絶対座標系は、上述したように磁気誘導装置6に対して規定した(すなわち磁気誘導装置6に固定された)3軸直交座標系であってもよいが、カプセル型医療装置2を消化管内部に含む被検体15に対して固定される3軸直交座標系であってもよいし、この被検体15を載置する患者テーブル16に対して固定される3軸直交座標系であってもよい。
磁気誘導電源部7は、制御部13の制御に基づいて、磁気誘導装置6の電磁石に交流電流を供給し、これによって、被検体15内部のカプセル型医療装置2の磁気誘導に必要な磁界(磁気誘導装置6の絶対座標系の各軸方向の磁界)を磁気誘導装置6に放出させる。
操作部8は、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作するためのものである。具体的には、操作部8は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるカプセル型医療装置2の磁気誘導を3次元的に操作するための2つのジョイスティック8a,8bと、後述する表示装置10の表示画面の中からカプセル型医療装置2の磁気誘導の操作画面を選択する選択ボタン群8cとを備える。操作部8は、医師または看護師等のユーザ(操作者)によるジョイスティック8a,8bの入力操作に応じて、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導の操作情報を制御部13に入力する。かかる操作部8によって入力される磁気誘導の操作情報は、磁気誘導装置6による磁気誘導の際のカプセル型医療装置2の動作方向および動作速度を指定するものである。
入力部9は、キーボードおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、医師または看護師等のユーザによる入力操作に応じて、制御部13に各種情報を入力する。かかる入力部9が制御部13に入力する各種情報は、例えば、制御部13に対して指示する指示情報、被検体の患者情報、被検体の検査情報等である。なお、被検体の患者情報は、被検体を特定する特定情報であり、例えば、被検体の患者名、患者ID、生年月日、性別、年齢等である。また、被検体の検査情報は、被検体に対して実施されるカプセル型内視鏡検査(消化管内部にカプセル型医療装置2を導入して消化管内部を観察するための検査)を特定する特定情報であり、例えば、検査ID、検査日等である。
表示装置10は、CRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイを用いて実現され、制御部13によって表示指示された各種情報を表示する。具体的には、表示装置10は、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を表示する位置方向表示部10a〜10cと、カプセル型医療装置2が撮像した被検体15の体内画像を表示する画像表示部10dとを有する。位置方向表示部10a〜10cは、互いに異なる視点(例えば磁気誘導装置6の絶対座標系のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の各視点)から見た被検体15内部のカプセル型医療装置2の位置および方向を模式的に表示する。一方、画像表示部10dは、カプセル型医療装置2によって順次撮像された被検体15の体内画像をリアルタイムに順次表示する。かかる表示装置10の位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dは、上述した操作部8の選択ボタン群8cによって選択される操作画面としても機能する。なお、かかる表示装置10が表示する情報としては、上述した被検体15の体内画像等の他に、被検体15の患者情報および検査情報等のカプセル型内視鏡検査に有用な情報が挙げられる。
方向検出部11は、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対的な方向を検出する。具体的には、方向検出部11は、表示装置10に対する相対方向が固定された複数のコイル等を用いて実現される。方向検出部11は、上述した磁気誘導装置6が放出した磁界を検出し、この磁界検出結果をもとに、磁気誘導装置6の絶対座標系に対する表示装置10の相対方向を検出する。方向検出部11は、かかる表示装置10の相対方向の検出結果を制御部13に送信する。なお、かかる磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系に対する表示装置10の相対的な座標系を決定する際に用いられる。
記憶部12は、RAM、EEPROM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の書き換え可能に情報を保存する各種記憶メディアを用いて実現される。記憶部12は、制御部13が記憶指示した各種情報を記憶し、記憶した各種情報の中から制御部13が読み出し指示した情報を制御部13に送出する。かかる記憶部12は、制御部13の制御に基づいて、被検体15の体内画像群、被検体15の患者情報および検査情報、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報等を記憶する。
制御部13は、カプセル誘導システム1の各構成部(位置検出装置3、受信装置4、体位検出部5、磁気誘導装置6、磁気誘導電源部7、操作部8、入力部9、表示装置10、方向検出部11、および記憶部12)の動作を制御し、かかる各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部13は、入力部9によって入力された指示情報に基づいて、上述した受信装置4、表示装置10、方向検出部11および記憶部12の各動作を制御する。また、制御部13は、所定の時間間隔で駆動磁界発生部3aに対する駆動電源部3bの通電量を制御し、この駆動電源部3bの制御を通して駆動磁界発生部3aの磁界発生動作を制御する。制御部13は、かかる駆動磁界発生部3aが磁界を発生させる都度(すなわち磁界検出部3cがカプセル型医療装置2からの誘導磁界を検出する都度)、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を算出するように位置方向算出部3dを制御する。一方、制御部13は、所定の時間間隔で被検体15の体位を検出するように体位検出部5を制御する。かかる制御部13は、位置方向算出部3dによるカプセル型医療装置2の位置および方向の算出結果を順次取得し、受信装置4から被検体15の体内画像を含む画像信号を順次取得し、体位検出部5から被検体15の体位検出結果を順次取得する。
また、制御部13は、表示装置10を制御する表示制御部13aと、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する誘導制御部13bと、操作部8によって入力された操作情報を座標変換する座標変換処理部13cと、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の軌跡を算出する軌跡生成部13dと、被検体15の体内画像等の画像情報を生成する画像処理部13eとを有する。
表示制御部13aは、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対的な座標系と表示装置10の表示動作とを制御する。具体的には、表示制御部13aは、方向検出部11の検出結果、すなわち磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向情報を取得し、この取得した相対方向情報をもとに、磁気誘導装置6の絶対座標系に対する表示装置10の相対的な座標系を決定する。表示制御部13aは、かかる表示装置10の相対的な座標系に基づいて、表示装置10の各位置方向表示部10a〜10cの座標系を各々設定する。なお、かかる表示装置10の相対方向として、例えば、磁気誘導装置6に対する表示装置10の表示画面の相対方向が挙げられる。
また、表示制御部13aは、位置方向算出部3dによって算出されたカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報を取得し、この取得したカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報を表示装置10の位置方向表示部10a〜10cに各々表示させる。この場合、表示制御部13aは、画像処理部13eによる画像情報(後述するカプセル画像および被検体画像)を用いて示されるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報と、軌跡生成部13dによるカプセル型医療装置2の軌跡情報とを位置方向表示部10a〜10cに表示させる。かかる表示制御部13aは、位置方向算出部3dからカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報を取得する都度、位置方向表示部10a〜10cに表示させるカプセル型医療装置2の位置情報、姿勢情報および軌跡情報を最新の情報に更新する。また、表示制御部13aは、体位検出部5の検出結果に基づいて被検体15の体位変換の有無を判断し、被検体15の体位が変化した場合、この被検体15の体位変換に対応して位置方向表示部10a〜10cの表示情報を変化させる。一方、表示制御部13aは、受信装置4から画像信号を順次取得し、その都度、画像処理部13eが生成した体内画像(すなわちカプセル型医療装置2が撮像した被検体15の体内画像)を画像表示部10dに表示させる。
誘導制御部13bは、操作部8によって入力された操作情報に基づいて、磁気誘導装置6に対する磁気誘導電源部7の通電量を制御し、この磁気誘導電源部7の制御を通して、上述した磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する。この場合、誘導制御部13bは、表示装置10の表示画面の座標系と操作部8の入力操作方向の座標系とを合致させるとともに、座標変換処理部13cによって磁気操作装置6の絶対座標系に変換された操作情報をもとに、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する。すなわち、かかる磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向および動作速度は、誘導制御部13bによって制御される。また、誘導制御部13bは、方向検出部11の検出結果、すなわち、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向をもとに、操作部8の入力操作方向(具体的にはジョイスティック8a,8bの入力操作方向)と磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係を決定し、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向の変化に追従して、この入力操作方向とカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係を変化させる。
なお、かかる表示装置10の表示画面の座標系は、上述した表示制御部13aが方向検出部11の検出結果に基づいて設定した位置方向表示部10a〜10cの座標系である。また、かかる操作部8の入力操作方向の座標系は、操作部8のジョイスティック8a,8bの傾動方向に規定される座標系である。一方、かかる操作部8によって入力される操作情報は、カプセル型医療装置2の磁気誘導を指示する指示情報であり、磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向を指定する座標情報と、この磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作速度を指定する速度情報とを含む。
座標変換処理部13cは、操作部8によって入力された座標情報を磁気誘導装置6の絶対座標系に変換する。具体的には、座標変換処理部13cは、方向検出部11の検出結果、すなわち、磁気誘導装置6の絶対座標系に対する表示装置10の相対方向情報をもとに、操作部8からの操作情報に含まれる座標情報(詳細には、磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向を指定する座標情報)を磁気誘導装置6の絶対座標系の座標情報に座標変換する。かかる座標変換処理部13cによって座標変換された座標情報を含む操作情報は、上述した誘導制御部13bによるカプセル型医療装置2の磁気誘導の制御に用いられる。
軌跡生成部13dは、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の移動軌跡を示す軌跡情報を生成する。具体的には、軌跡生成部13dは、位置方向算出部3dによって算出されたカプセル型医療装置2の位置情報を順次取得し、取得したカプセル型医療装置2の位置情報群をもとにカプセル型医療装置2の軌跡情報を生成する。かかる軌跡生成部13dによって生成された軌跡情報は、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報群(複数の位置座標情報)を線分等によって連結した態様のものであり、表示制御部13aの制御に基づいて表示装置10の位置方向表示部10a〜10cに表示される。
画像処理部13eは、表示装置10に表示させる各種画像情報を生成する。具体的には、画像処理部13eは、受信装置4から画像信号を取得し、この取得した画像信号に対して所定の画像処理を行って、被検体15の体内画像(すなわちカプセル型医療装置2が撮像した体内画像)を生成する。かかる画像処理部13eは、受信装置4から画像信号を取得する都度、取得した画像信号に基づく体内画像を順次生成する。なお、かかる画像処理部13eによって生成された体内画像は、表示制御部13aの制御に基づいて画像表示部10dに順次表示される。
また、画像処理部13eは、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を表示するための画像情報として、被検体15を模式的に示す模式画像(以下、被検体画像という)と、カプセル型医療装置2を模式的に示す模式画像(以下、カプセル画像という)とを生成する。かかる画像処理部13eによって生成された被検体画像およびカプセル画像は、表示制御部13aの制御に基づいて、位置方向表示部10a〜10cに各々表示(詳細には重畳表示)される。
つぎに、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システム1の表示装置10について詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システムの表示装置の一構成例を示す模式図である。表示装置10は、上述した表示制御部13aの制御に基づいて、カプセル型医療装置2が撮像した被検体15の体内画像、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報等を表示する。
具体的には、図2に示すように、表示装置10は、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報等を表示する位置方向表示部10a〜10cと、カプセル型医療装置2が撮像した被検体15の体内画像Pを表示する画像表示部10dとを有する。
位置方向表示部10a〜10cは、互いに異なる視点から見た被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報を三面表示する異視点表示部として機能する。具体的には、位置方向表示部10aは、上述した磁気誘導装置6の絶対座標系(図1参照)のY軸の負方向を視点方向として、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報等を表示する。すなわち、位置方向表示部10aは、表示装置10の表示画面の座標系の一つであるxz座標系が設定され、この絶対座標系のY軸の負方向を視点方向として見た被検体15の模式画像である被検体画像K1と、これと同じ視点方向(Y軸の負方向)から見たカプセル型医療装置2の模式画像であるカプセル画像D1とを重畳表示する。位置方向表示部10aは、かかる重畳表示によって、このY軸の正方向を視点方向とした場合の被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報(絶対座標系のXZ平面におけるカプセル型医療装置2の位置座標および方向ベクトル)を表示する。なお、かかるXZ平面におけるカプセル型医療装置2の方向ベクトルは、カプセル画像D1の長手軸方向によって示される。また、位置方向表示部10aは、かかる被検体画像K1およびカプセル画像D1に加えて、このY軸の負方向を視点方向として見たカプセル型医療装置2の軌跡情報L1と患者テーブル16の模式画像であるテーブル画像B1とを表示する。
かかる位置方向表示部10aは、表示制御部13aの制御に基づき、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導に伴って被検体画像K1とカプセル画像D1との相対位置または相対方向を変化させる。また、位置方向表示部10aは、表示制御部13aの制御に基づき、被検体15の体位変換に追従して被検体画像K1、カプセル画像D1および軌跡情報L1の各位置または各方向を変化させる。この場合、位置方向表示部10aは、かかる被検体画像K1とカプセル画像D1と軌跡情報L1との相対位置および相対方向を固定する。また、位置方向表示部10aは、表示制御部13aの制御に基づき、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向の変化に追従して、被検体画像K1、カプセル画像D1、軌跡情報L1およびテーブル画像B1の方向を変化させる。
位置方向表示部10bは、磁気誘導装置6の絶対座標系のZ軸の負方向を視点方向として、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報等を表示する。すなわち、位置方向表示部10bは、表示装置10の表示画面の座標系の一つであるxy座標系が設定され、この絶対座標系のZ軸の負方向を視点方向として見た被検体15の模式画像である被検体画像K2と、これと同じ視点方向(Z軸の負方向)から見たカプセル型医療装置2の模式画像であるカプセル画像D2とを重畳表示する。位置方向表示部10bは、かかる重畳表示によって、このZ軸の負方向を視点方向とした場合の被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報(絶対座標系のXY平面におけるカプセル型医療装置2の位置座標および方向ベクトル)を表示する。なお、かかるXY平面におけるカプセル型医療装置2の方向ベクトルは、カプセル画像D2の長手軸方向によって示される。また、位置方向表示部10bは、かかる被検体画像K2およびカプセル画像D2に加えて、このZ軸の負方向を視点方向として見たカプセル型医療装置2の軌跡情報L2と患者テーブル16の模式画像であるテーブル画像B2とを表示する。
かかる位置方向表示部10bは、表示制御部13aの制御に基づき、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導に伴って被検体画像K2とカプセル画像D2との相対位置または相対方向を変化させる。また、位置方向表示部10bは、表示制御部13aの制御に基づき、被検体15の体位変換に追従して被検体画像K2、カプセル画像D2および軌跡情報L2の各位置または各方向を変化させる。この場合、位置方向表示部10bは、かかる被検体画像K2とカプセル画像D2と軌跡情報L2との相対位置および相対方向を固定する。また、位置方向表示部10bは、表示制御部13aの制御に基づき、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向の変化に追従して、被検体画像K2、カプセル画像D2、軌跡情報L2およびテーブル画像B2の方向を変化させる。
位置方向表示部10cは、磁気誘導装置6の絶対座標系のX軸の正方向を視点方向として、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報等を表示する。すなわち、位置方向表示部10cは、表示装置10の表示画面の座標系の一つであるyz座標系が設定され、この絶対座標系のX軸の正方向を視点方向として見た被検体15の模式画像である被検体画像K3と、これと同じ視点方向(X軸の正方向)から見たカプセル型医療装置2の模式画像であるカプセル画像D3とを重畳表示する。位置方向表示部10cは、かかる重畳表示によって、このX軸の正方向を視点方向とした場合の被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報(絶対座標系のYZ平面におけるカプセル型医療装置2の位置座標および方向ベクトル)を表示する。なお、かかるYZ平面におけるカプセル型医療装置2の方向ベクトルは、カプセル画像D3の長手軸方向によって示される。また、位置方向表示部10cは、かかる被検体画像K3およびカプセル画像D3に加えて、このX軸の正方向を視点方向として見たカプセル型医療装置2の軌跡情報L3と患者テーブル16の模式画像であるテーブル画像B3とを表示する。
かかる位置方向表示部10cは、表示制御部13aの制御に基づき、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導に伴って被検体画像K3とカプセル画像D3との相対位置または相対方向を変化させる。また、位置方向表示部10cは、表示制御部13aの制御に基づき、被検体15の体位変換に追従して被検体画像K3、カプセル画像D3および軌跡情報L3の各位置または各方向を変化させる。この場合、位置方向表示部10cは、かかる被検体画像K3とカプセル画像D3と軌跡情報L3との相対位置および相対方向を固定する。また、位置方向表示部10cは、表示制御部13aの制御に基づき、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向の変化に追従して、被検体画像K3、カプセル画像D3、軌跡情報L3およびテーブル画像B3の方向を変化させる。
ここで、表示装置10が磁気誘導装置6に対して絶対座標系のX軸の負方向に位置する場合、表示装置10側から磁気誘導装置6内の患者テーブル16上の被検体15を見る視点方向は、この磁気誘導装置6の絶対座標系におけるX軸の正方向と略一致する。この表示装置10側からの視点方向(X軸の正方向)を標準視点方向と定義すると、図2に示す位置方向表示部10a〜10cは、この標準視点方向から見た被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報および方向情報等を三面表示している。この場合、位置方向表示部10aに設定された2軸直交座標系であるxz座標系のx軸方向およびz軸方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系のX軸方向およびZ軸方向に各々一致する。これと同様に、位置方向表示部10bに設定された2軸直交座標系であるxy座標系のx軸方向およびy軸方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系のX軸方向およびY軸方向に各々一致し、位置方向表示部10cに設定された2軸直交座標系であるyz座標系のy軸方向およびz軸方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系のY軸方向およびZ軸方向に各々一致する。
かかる位置方向表示部10a〜10cは、上述したように、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向の変化または被検体15の体位変換に追従して、少なくとも被検体画像K1〜K3およびカプセル画像D1〜D3の方向を変化させるので、表示装置10側からの視点方向に見た患者テーブル16上の被検体15の体方向と表示画面上の被検体15の体方向(例えば被検体画像K1,K3)とを略一致させることができる。
なお、かかる位置方向表示部10a〜10cの各座標系の軸方向(x軸方向、y軸方向、z軸方向)は、上述したように表示装置10側から被検体15への視点方向が標準視点方向である場合、磁気誘導装置6の絶対座標系の軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)と各々一致する。これに対し、この表示装置10側からの視点方向が標準視点方向からずれている場合、かかる位置方向表示部10a〜10cの各座標系のx軸方向、y軸方向、z軸方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系に対する表示装置10の相対方向と標準視点方向とのなす角度分、この絶対座標系のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向から各々回転した軸方向となる。
画像表示部10dは、上述した表示制御部13aの制御に基づいて、カプセル型医療装置2が撮像した被検体15の体内画像Pを表示する。かかる画像表示部10dは、制御部13が受信装置4から体内画像Pの画像信号を取得する都度(すなわち、画像処理部13eが体内画像Pを生成する都度)、被検体15の体内画像Pを最新の体内画像に順次切り替えて表示する。
つぎに、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システム1の操作部8について詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システムの操作部の一構成例を示す模式図である。図3に示すように、操作部8は、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作するためのジョイスティック8a,8bと、表示装置10の表示画面の中からカプセル型医療装置2の磁気誘導の操作画面を選択するための選択ボタン群8cを有する。
ジョイスティック8a,8bは、磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向および動作速度を指定する操作情報を入力する二つの入力部として機能する。具体的には、ジョイスティック8aは、直交する2軸(a1軸、b1軸)による2軸直交座標系が入力操作方向の座標系として予め設定され、この2軸直交座標系における左右方向(a1軸方向)、上下方向(b1軸方向)または斜め方向に傾動操作されることによって、カプセル型医療装置2の磁気誘導の操作情報を制御部13に入力する。これと同様に、ジョイスティック8bは、直交する2軸(a2軸、b2軸)による2軸直交座標系が入力操作方向の座標系として予め設定され、この2軸直交座標系における左右方向(a2軸方向)、上下方向(b2軸方向)または斜め方向に傾動操作されることによって、カプセル型医療装置2の磁気誘導の操作情報を制御部13に入力する。かかる二つのジョイスティック8a,8bの傾動操作によって入力される二つの座標情報の合成値は、磁気誘導時のカプセル型医療装置2の3次元的な動作方向を指定する情報である。すなわち、操作部8は、かかる二つのジョイスティック8a,8bの傾動操作によって、磁気誘導時のカプセル型医療装置2の3次元的な動作方向を指定可能な操作情報を制御部13に入力する。
なお、かかるジョイスティック8aによって入力される操作情報のうちの座標情報は、上述したように磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向を指定する情報であり、このジョイスティック8aの入力操作方向(傾動方向)に対応して決定する。また、かかるジョイスティック8aによる操作情報のうちの傾動量は、磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作速度を指定する情報である。これと同様に、かかるジョイスティック8bによって入力される操作情報のうちの座標情報は、磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向を指定する情報であり、このジョイスティック8bの入力操作方向(傾動方向)に対応して決定する。また、かかるジョイスティック8bによる操作情報のうちの傾動量は、磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作速度を指定する情報である。
選択ボタン群8cは、上述したように、表示装置10の表示画面の中からカプセル型医療装置2の磁気誘導の操作画面を選択する選択部として機能し、表示装置10の表示画面、すなわち位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dに対応して4つの選択ボタン8c1,8c2,8c3,8c4を含む。
選択ボタン8c1は、表示装置10の表示画面の中から位置方向表示部10aを操作画面として選択するための入力ボタンであり、押下げ操作によって、位置方向表示部10aの選択情報を制御部13に入力する。上述した誘導制御部13bは、かかる選択ボタン8c1によって入力された選択情報に基づいて、位置方向表示部10aを操作画面として選択し、この選択した位置方向表示部10aのxz座標系とジョイスティック8a,8bの2軸直交座標系とを合致させる。この場合、ジョイスティック8aの2軸直交座標系のa1軸の正方向は、位置方向表示部10aのz軸の正方向と一致し、b1軸の正方向は、位置方向表示部10aのx軸の正方向と一致する。さらに、ジョイスティック8bの2軸直交座標系のa2軸の正方向またはb2軸の正方向は、位置方向表示部10aのx軸およびz軸に対して垂直方向であるy軸の負方向と一致する。
選択ボタン8c2は、表示装置10の表示画面の中から位置方向表示部10bを操作画面として選択するための入力ボタンであり、押下げ操作によって、位置方向表示部10bの選択情報を制御部13に入力する。上述した誘導制御部13bは、かかる選択ボタン8c2によって入力された選択情報に基づいて、位置方向表示部10bを操作画面として選択し、この選択した位置方向表示部10bのxy座標系とジョイスティック8a,8bの2軸直交座標系とを合致させる。この場合、ジョイスティック8aの2軸直交座標系のa1軸の正方向は、位置方向表示部10bのy軸の負方向と一致し、b1軸の正方向は、位置方向表示部10bのx軸の正方向と一致する。さらに、ジョイスティック8bの2軸直交座標系のa2軸の正方向またはb2軸の正方向は、位置方向表示部10bのx軸およびy軸に対して垂直方向であるz軸の負方向と一致する。
選択ボタン8c3は、表示装置10の表示画面の中から位置方向表示部10cを操作画面として選択するための入力ボタンであり、押下げ操作によって、位置方向表示部10cの選択情報を制御部13に入力する。上述した誘導制御部13bは、かかる選択ボタン8c3によって入力された選択情報に基づいて、位置方向表示部10cを操作画面として選択し、この選択した位置方向表示部10cのyz座標系とジョイスティック8a,8bの2軸直交座標系とを合致させる。この場合、ジョイスティック8aの2軸直交座標系のa1軸の正方向は、位置方向表示部10cのz軸の正方向と一致し、b1軸の正方向は、位置方向表示部10cのy軸の正方向と一致する。さらに、ジョイスティック8bの2軸直交座標系のa2軸の正方向またはb2軸の正方向は、位置方向表示部10cのy軸およびz軸に対して垂直方向であるx軸の正方向と一致する。
選択ボタン8c4は、表示装置10の表示画面の中から画像表示部10dを操作画面として選択するための入力ボタンであり、押下げ操作によって、画像表示部10dの選択情報を制御部13に入力する。上述した誘導制御部13bは、かかる選択ボタン8c4によって入力された選択情報に基づいて、画像表示部10dを操作画面として選択し、この選択した画像表示部10dの2軸直交座標系とジョイスティック8a,8bの2軸直交座標系とを合致させる。ここで、この画像表示部10dの2軸直交座標系は、カプセル型医療装置2が内蔵する撮像素子(後述する)の受光面の上下方向の座標軸と左右方向の座標軸とによって規定される座標系と一致する。この場合、ジョイスティック8aの2軸直交座標系のa1軸方向は、画像表示部10dの左右方向と一致し、b1軸方向は、画像表示部10dの上下方向と一致する。さらに、ジョイスティック8bの2軸直交座標系のa2軸の正方向またはb2軸の正方向は、画像表示部10dに垂直な方向であって画面の表側から裏側に貫く方向と一致する。
ここで、かかる選択ボタン8c1,8c2,8c3,8c4の操作によって表示装置10の表示画面の中から操作画面が選択された場合、上述した表示制御部13aは、操作画面に選択された表示画面(位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dのうちのいずれか)を強調表示するように表示装置10を制御する。具体的には、表示装置10は、例えば位置方向表示部10aが操作画面に選択された場合、図2に示すマークE1のように、この選択された位置方向表示部10aを強調表示して、この位置方向表示部10aが操作画面に選択された旨を外部に表示する。
つぎに、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システム1のカプセル型医療装置2について詳細に説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システムのカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図4に示すように、カプセル型医療装置2は、少なくとも一部分が所定波長帯域の光(例えば赤外線)を透過可能であって可視光に対して不透明な筒状筐体20aと可視光に対して透明なドーム形状筐体20bとによって形成されるカプセル型筐体を有する。このカプセル型筐体は、一端がドーム形状をなす筒状筐体20aの他端(開口端)をドーム形状筐体20bによって塞いで形成される。
かかる筒状筐体20aとドーム形状筐体20bとによって形成されるカプセル型筐体の内部には、ドーム形状筐体20b側に、LEDなどによって実現される照明部21、集光レンズ22および撮像素子23が備えられ、ドーム形状筐体20b側の周囲の被写体が撮像される。かかる撮像素子23は、このカプセル型筐体の前方を撮像方向とし、ドーム形状筐体20b越しに被検体15の体内画像を撮像する。撮像素子23から出力された撮像信号は、信号処理部24によって処理され、被検体15の体内画像を含む画像信号として送信部26から上述した受信装置4に無線送信される。
また、かかるカプセル型筐体内部の筒状筐体20a側には、赤外線等の所定波長帯域の光に感度を有する光スイッチ27と電池25とが配置される。光スイッチ27は、例えば、筒状筐体20aのドーム形状部を透過した赤外線を受光した場合、電源オン状態に切り替わって、電池25からカプセル型医療装置2の各構成部に対する電力供給を開始する。かかる光スイッチ27は、一度赤外線を受光した場合、かかる電源オン状態を維持する。なお、光スイッチ27は、かかる電源オン状態において、再度赤外線を受光した場合、かかる電力供給を停止する電源オフ状態に切り替わってもよい。
さらに、かかるカプセル型筐体内部の筒状筐体20a側には、上述した駆動磁界発生部3aの磁界の作用によって誘導磁界を発生させる磁界発生部29が配置される。磁界発生部29は、例えば、カプセル型筐体の長手軸方向に開口方向を有するコイルを用いて実現される。磁界発生部29は、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を検出するために駆動磁界発生部3aが放出した磁界の作用によって誘導磁界を発生させ、この発生した誘導磁界を上述した磁界検出部3cに対して出力する。
また、かかるカプセル型筐体内部の筒状筐体20a側(例えばカプセル型医療装置2の中央部近傍)には、磁石28が配置される。磁石28の磁極は、図4に示すように、カプセル型医療装置2の長手軸方向に対して垂直な方向、すなわちカプセル型筐体の径方向に配置される。かかる磁石28は、カプセル型医療装置2に対して回転磁界が印加されることによって、この回転磁界に追従してモータの回転子のように回転する。かかる磁石28の回転動作によって、カプセル型医療装置2は、長手軸中心または長手軸中心に対して垂直な径方向の軸を中心に3次元的に回転する。また、かかる磁石28は、カプセル型医療装置2に対して勾配磁界が印加されることによって、この勾配磁界に追従して3次元的に移動する。かかる磁石28の変位動作によって、カプセル型医療装置2は、上述した磁気誘導装置6の絶対座標系の座標空間内を3次元的に移動する。
なお、かかる構成を有するカプセル型医療装置2の前方は、上述したカプセル型筐体の長手軸方向のうちの撮像素子23の撮像方向側であり、このカプセル型医療装置2の後方は、この撮像素子23の撮像方向と反対の方向である。すなわち、カプセル型医療装置2の前進とは、カプセル型医療装置2が撮像素子23の撮像方向に向かって移動することであり、カプセル型医療装置2の後進とは、カプセル型医療装置2が撮像素子23の撮像方向の反対側に向かって移動することである。また、カプセル型医療装置2の上下方向は、上述したカプセル型筐体の径方向であって撮像素子23の受光面の上下方向と一致する方向であり、カプセル型医療装置2の左右方向は、上述したカプセル型筐体の径方向であって撮像素子23の受光面の左右方向と一致する方向である。
つぎに、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する制御部13の処理手順について説明する。図5は、磁気誘導装置によるカプセル型医療装置の磁気誘導を制御する際の制御部の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、制御部13は、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する際、まず、表示装置10の表示画面の座標系と操作部8の入力操作方向の座標系とを合致させる(ステップS101)。
このステップS101において、誘導制御部13bは、磁気誘導装置6の絶対座標系に対する表示装置10の相対方向の検出結果を方向検出部11から取得し、この取得した方向検出部11の検出結果をもとに、磁気誘導装置6の絶対座標系に対する位置方向表示部10a〜10cの相対的な座標系を決定する。具体的には、誘導制御部13bは、この絶対座標系のXZ座標系と位置方向表示部10aのxz座標系との相対関係を決定し、この絶対座標系のXY座標系と位置方向表示部10bのxy座標系との相対関係を決定し、この絶対座標系のYZ座標系と位置方向表示部10aのyz座標系との相対関係を決定する。その後、誘導制御部13bは、選択ボタン群8cによって入力された選択情報を取得し、かかる位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dの中から選択情報によって指定される表示部を操作画面として選択し、この選択した表示部の座標系(すなわち位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dのうちのいずれかの座標系)とジョイスティック8a,8bの入力操作方向の座標系とを合致させる。
つぎに、制御部13は、カプセル型医療装置2の磁気誘導指示の有無を判断し(ステップS102)、磁気誘導指示がない場合(ステップS102,No)、このステップS102を繰り返す。なお、このステップS102において、誘導制御部13bは、操作部8によって入力されたカプセル型医療装置2の磁気誘導の操作情報を取得した場合に磁気誘導指示ありと判断し、この磁気誘導の操作情報を取得していなければ磁気誘導指示なしと判断する。
制御部13は、ステップS102において磁気誘導指示ありと判断した場合(ステップS102,Yes)、操作部8から取得した磁気誘導の操作情報を、磁気誘導装置6の座標系、すなわち上述した絶対座標系に座標変換する(ステップS103)。
ここで、かかるカプセル型医療装置2の磁気誘導の操作情報は、上述したように、ジョイスティック8a,8bの入力操作方向(傾動操作方向)によって決定する座標情報と、ジョイスティック8a,8bの入力量(傾動量)によって決定する速度情報とを含む。この入力操作方向に対応する座標情報は、ステップS101において操作入力方向の座標系と合致させた表示部の座標系(すなわち位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dのうちのいずれかの座標系)の座標情報であって、磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向を指定するものである。ステップS103において、座標変換処理部13cは、かかるカプセル型医療装置2の動作方向を指定する座標情報を磁気誘導装置6の絶対座標系に座標変換し、誘導制御部13bは、この絶対座標系に座標変換された座標情報と速度情報とを含む操作情報(以下、座標変換後の操作情報という)を取得する。
続いて、制御部13は、ステップS103において取得した座標変換後の操作情報に基づいてカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する(ステップS104)。このステップS104において、誘導制御部13bは、この座標変換後の操作情報のうち、ジョイスティック8aからの座標情報とジョイスティック8bからの座標情報とを合成処理して、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるカプセル型医療装置2の3次元的な動作方向を決定する。また、誘導制御部13bは、この座標変換後の操作情報のうちの速度情報をもとに、このカプセル型医療装置2の動作速度を決定する。誘導制御部13bは、このように決定した3次元的な動作方向および動作速度に合う3次元的な動作をカプセル型医療装置2に行わせつつ、このカプセル型医療装置2を磁気誘導するように磁気誘導装置6を制御する。かかる誘導制御部13bの制御によって、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるカプセル型医療装置2の実際の動作方向(磁気誘導方向)は、表示装置10における表示上のカプセル型医療装置2の動作方向(すなわち位置方向表示部10a〜10cにおけるカプセル画像D1〜D3の移動方向または回転方向)と略合致する。
その後、制御部13は、上述したステップS102に戻り、このステップS102以降の処理手順を繰り返す。なお、制御部13は、操作部8または入力部9によって入力された磁気誘導終了の指示情報を取得した場合、上述したステップS101〜S104の処理手順によるカプセル型医療装置2の磁気誘導の制御を終了する。また、制御部13は、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向の検出を指示する指示情報を入力部9から取得した場合、その都度、方向検出部11に表示装置10の相対方向を検出させて方向検出部11の検出結果を取得し、この取得した検出結果に基づいて、上述したステップS101を繰り返し実行する。
つぎに、表示装置10に表示されたカプセル型医療装置2の位置情報等を被検体15の体位変換に追従して変化させる際の制御部13の処理手順について説明する。図6は、被検体の体位変換に追従して表示装置の表示情報を変化させる際の制御部の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、制御部13は、まず、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置軌跡情報を表示装置10に表示させる(ステップS201)。なお、このカプセル型医療装置2の位置軌跡情報とは、被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報、方向情報および軌跡情報を総称したものであり、具体的には、上述した被検体画像K1〜K3、カプセル画像D1〜D3および軌跡情報L1〜L3である。
このステップS201において、表示制御部13aは、磁気誘導装置6の絶対座標系に対する表示装置10の相対方向の検出結果を方向検出部11から取得し、この取得した方向検出部11の検出結果をもとに、位置方向表示部10a〜10cの各座標系におけるテーブル画像B1〜B3の方向を決定する。表示制御部13aは、この決定した方向のテーブル画像B1〜B3を位置方向表示部10a〜10cに各々表示させる。
また、表示制御部13aは、このステップS201において、患者テーブル16上の被検体15の体位検出結果を体位検出部5から取得し、この取得した体位検出結果をもとに、位置方向表示部10a〜10cの各座標系における被検体画像K1〜K3の方向および体位を決定する。表示制御部13aは、この決定した方向および体位の被検体画像K1〜K3を位置方向表示部10a〜10cに各々表示させる。
さらに、表示制御部13aは、このステップS201において、カプセル型医療装置2の位置情報および方向情報を位置方向算出部3dから取得し、この取得した位置情報および方向情報をもとに、被検体画像K1に対するカプセル画像D1の相対位置および相対方向と、被検体画像K2に対するカプセル画像D2の相対位置および相対方向と、被検体画像K3に対するカプセル画像D3の相対位置および相対方向とを決定する。表示制御部13aは、かかる被検体画像K1〜K3とカプセル画像D1〜D3との各相対関係(相対位置および相対方向)が実際の被検体15とカプセル型医療装置2との相対位置および相対方向に合致するように、位置方向表示部10a〜10cにカプセル画像D1〜D3を各々表示させる。
また、表示制御部13aは、このステップS201において、上述した軌跡生成部13dが生成したカプセル型医療装置2の軌跡情報を位置方向表示部10a〜10cに三面表示させる。この場合、表示制御部13aは、xz座標系におけるカプセル型医療装置2の軌跡情報L1を位置方向表示部10aに表示させ、xy座標系におけるカプセル型医療装置2の軌跡情報L2を位置方向表示部10bに表示させ、yz座標系におけるカプセル型医療装置2の軌跡情報L3を位置方向表示部10cに表示させる。
つぎに、制御部13は、現在の被検体15の体位検出結果を体位検出部5から取得し(ステップS202)、この取得した体位検出結果を用いて被検体15の体位が変換されたか否かを判断する(ステップS203)。このステップS202,S203において、表示制御部13aは、患者テーブル16上の被検体15がとる現在の体位の検出結果を体位検出部5から取得し、この取得した現在の体位検出結果と前回の体位検出結果との変化量をもとに、被検体15の体位変換の有無を判断する。詳細には、表示制御部13aは、現在の体位検出結果である検出コイル5a〜5cの各位置座標と前回の体位検出結果である検出コイル5a〜5cの各位置座標との座標変化量を算出し、この算出した座標変化量と予め設定された閾値とを比較する。表示制御部13aは、この比較処理の結果、この座標変化量が閾値以上である場合、被検体15の体位変換ありと判断し、この座標変化量が閾値未満である場合、被検体15の体位変換なしと判断する。
制御部13は、このステップS203において、被検体15の体位が変換されていないと判断した場合(ステップS203,No)、上述したステップS201に戻り、このステップS201以降の処理手順を繰り返す。一方、制御部13は、被検体15の体位が変換されたと判断した場合(ステップS203,Yes)、この被検体15の体位変換に対応してカプセル型医療装置2の位置軌跡情報を座標変換し(ステップS204)、この座標変換後の位置軌跡情報を表示装置10に表示させる(ステップS205)。
このステップS204,S205において、座標変換処理部13cは、ステップS203における現在の体位検出結果と前回の体位検出結果との座標変化量および座標変化方向を算出し、この算出した座標変化量および座標変化方向に合った座標変換処理をカプセル型医療装置2の位置軌跡情報に対して実行する。表示制御部13aは、この座標変換処理が行われたカプセル型医療装置2の位置軌跡情報、すなわち、座標変換後の被検体画像K1〜K3と座標変換後のカプセル画像D1〜D3と座標変換後の軌跡情報L1〜L3とを位置方向表示部10a〜10cに各々表示させる。この結果、被検体画像K1〜K3、カプセル画像D1〜D3および軌跡情報L1〜L3は、互いの相対位置および相対方向を固定しつつ、この座標変換処理の座標変化方向に、この座標変換処理の座標変化量だけ変位または回転する。このようにして、表示制御部13aは、被検体15の体位変換に追従して、被検体画像K1〜K3とカプセル画像D1〜D3と軌跡情報L1〜L3の各表示位置または各表示方向を変化させることができる。
その後、制御部13は、上述したステップS202に戻り、このステップS202以降の処理手順を繰り返す。なお、制御部13は、入力部9によって入力された表示終了の指示情報を取得した場合、上述したステップS201〜S205の処理手順によるカプセル型医療装置2の位置軌跡情報表示の制御を終了する。また、制御部13は、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向の検出を指示する指示情報を入力部9から取得した場合、その都度、方向検出部11に表示装置10の相対方向を検出させて方向検出部11の検出結果を取得し、この取得した検出結果に基づいて、上述したステップS201を繰り返し実行する。
つぎに、表示装置10の表示画面の中から位置方向表示部10aが操作画面に選択され、この位置方向表示部10aの表示情報を参考にジョイスティック8aを操作して、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作する場合を例示して、被検体15内部のカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作する際のカプセル誘導システムの動作について具体的に説明する。図7は、被検体内部のカプセル型医療装置の磁気誘導操作時のカプセル誘導システムの動作を具体的に説明するための模式図である。なお、説明を簡潔にするために、図7に示す表示装置10において、操作画面として選択された位置方向表示部10aのみが図示され、図7に示す操作部8において、操作されるジョイスティック8aのみが図示されている。
図7に示すように、表示装置10が磁気誘導装置6に対して絶対座標系のX軸の負方向に位置する場合、この表示装置10側から磁気誘導装置6への視点方向、すなわち表示装置10側から患者テーブル16上の被検体15への視点方向A1は、上述した標準視点方向(X軸の正方向)となる。
かかる磁気誘導装置6と表示装置10との相対方向状態において、位置方向表示部10aは、上述した表示制御部13aの制御に基づき、この視点方向A1に見る被検体15の体方向と表示上の被検体15の体方向とが略一致する態様で被検体画像K1を表示するとともに、この被検体画像K1内に、実際の被検体15とカプセル型医療装置2との相対位置および相対方向と合致する態様でカプセル画像D1を重畳表示する。この場合、位置方向表示部10aのxz座標系は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるXZ座標系と合致する。すなわち、位置方向表示部10aのz軸の正負方向は、この絶対座標系のZ軸の正負方向と合致し、位置方向表示部10aのx軸の正負方向は、この絶対座標系のX軸の正負方向と合致する。
また、操作部8のジョイスティック8aの座標系(a1軸とb1軸とによる2軸直交座標系)は、上述した誘導制御部13bの制御に基づいて、かかる操作画面である位置方向表示部10aのxz座標系と合致している。すなわち、このジョイスティック8aのa1軸方向(左右の入力操作方向)は、位置方向表示部10aのz軸方向(表示画面の左右方向)と合致し、このジョイスティック8aのb1軸方向(上下の入力操作方向)は、位置方向表示部10aのx軸方向(表示画面の上下方向)と合致している。
ここで、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導によって、被検体15内部のカプセル型医療装置2を絶対座標系のZ軸の正方向(図7に示す方向F1)に移動させる場合、医師または看護師等のユーザ(操作者)は、操作画面である位置方向表示部10aのz軸の正方向と合致する入力操作方向、すなわちa1軸の正方向にジョイスティック8aを傾動操作する。この場合、ジョイスティック8aは、a1軸の正方向である傾動方向に対応する操作情報(詳細には、位置方向表示部10aのz軸の正方向をカプセル型医療装置2の動作方向として指定する座標情報を含む操作情報)を上述した制御部13に入力する。
かかる操作情報を取得した制御部13において、座標変換処理部13cは、この操作情報に含まれる座標情報、すなわち、位置方向表示部10aのz軸の正方向をカプセル型医療装置2の動作方向として指定する座標情報を磁気誘導装置6の絶対座標系に座標変換する。これによって、このz軸の正方向を指定する座標情報は、この絶対座標系におけるZ軸の正方向(図7に示す方向F1)を指定する座標情報に変換される。誘導制御部13bは、かかる座標変換後の座標情報を含む操作情報をもとに磁気誘導装置6を制御し、これによって、被検体15内部のカプセル型医療装置2を方向F1に磁気誘導させる。
このような磁気誘導状態において、被検体15内部のカプセル型医療装置2は、磁気誘導装置6の磁界に追従して方向F1に移動し、位置方向表示部10aは、このカプセル型医療装置2の方向F1への移動に追従して被検体画像K1とカプセル画像D1との相対関係を変化させる。具体的には、位置方向表示部10aは、被検体画像K1に対して相対的に、カプセル画像D1をz軸の正方向(すなわち図7に示す方向F1)に移動させる。このようにして、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システム1は、表示装置10の表示画面(操作画面)の座標系と操作部8の入力操作方向の座標系とを合致させるとともに、この操作部8の入力操作方向に対応する動作方向にカプセル型医療装置2を磁気誘導する。
一方、表示装置10が図7に示すように磁気誘導装置6に対して斜め方向(例えば絶対座標系のZ軸の斜め方向)に位置する場合、この表示装置10側から磁気誘導装置6への視点方向、すなわち表示装置10側から患者テーブル16上の被検体15への視点方向A10は、絶対座標系におけるX軸の正方向またはZ軸の負方向に対して鋭角をなす斜めの視点方向となる。
かかる磁気誘導装置6と表示装置10との相対方向状態において、位置方向表示部10aは、上述した表示制御部13aの制御に基づき、この視点方向A10に見る被検体15の体方向と表示上の被検体15の体方向とが略一致する態様で被検体画像K1を表示するとともに、この被検体画像K1内に、実際の被検体15とカプセル型医療装置2との相対位置および相対方向と合致する態様でカプセル画像D1を重畳表示する。この場合、表示装置10側からの視点方向A10は、上述した標準視点方向(すなわち図7に示す視点方向A1)に対して所定の角度(以下、視点方向角度という)を成し、位置方向表示部10aのxz座標系は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるXZ座標系をこの視点方向角度だけY軸中心に回転したものと合致する。すなわち、位置方向表示部10aのz軸の正負方向は、この絶対座標系のZ軸の正負方向をこの視点方向角度だけY軸中心に回転したものと合致し、位置方向表示部10aのx軸の正負方向は、この絶対座標系のX軸の正負方向をこの視点方向角度だけY軸中心に回転したものと合致する。
なお、操作部8のジョイスティック8aの座標系は、上述した標準視点方向(視点方向A1)の場合と同様に、操作画面である位置方向表示部10aのxz座標系と合致している。すなわち、このジョイスティック8aのa1軸方向(左右の入力操作方向)は、位置方向表示部10aのz軸方向(表示画面の左右方向)と合致し、このジョイスティック8aのb1軸方向(上下の入力操作方向)は、位置方向表示部10aのx軸方向(表示画面の上下方向)と合致している。
ここで、磁気誘導装置6によるカプセル型医療装置2の磁気誘導によって、被検体15内部のカプセル型医療装置2を絶対座標系の方向F2に移動させる場合、医師または看護師等のユーザ(操作者)は、操作画面である位置方向表示部10aのz軸の正方向(すなわち図7に示す方向F2)と合致する入力操作方向、すなわちa1軸の正方向にジョイスティック8aを傾動操作する。この場合、ジョイスティック8aは、a1軸の正方向である傾動方向に対応する操作情報(詳細には、位置方向表示部10aのz軸の正方向をカプセル型医療装置2の動作方向として指定する座標情報を含む操作情報)を上述した制御部13に入力する。
かかる操作情報を取得した制御部13において、座標変換処理部13cは、この操作情報に含まれる座標情報、すなわち、位置方向表示部10aのz軸の正方向をカプセル型医療装置2の動作方向として指定する座標情報を磁気誘導装置6の絶対座標系に座標変換する。これによって、このz軸の正方向を指定する座標情報は、この絶対座標系における方向F2を指定する座標情報に変換される。誘導制御部13bは、かかる座標変換後の座標情報を含む操作情報をもとに磁気誘導装置6を制御し、これによって、被検体15内部のカプセル型医療装置2を方向F2に磁気誘導させる。
このような磁気誘導状態において、被検体15内部のカプセル型医療装置2は、磁気誘導装置6の磁界に追従して方向F2に移動し、位置方向表示部10aは、このカプセル型医療装置2の方向F2への移動に追従して被検体画像K1とカプセル画像D1との相対関係を変化させる。具体的には、位置方向表示部10aは、被検体画像K1に対して相対的に、カプセル画像D1をz軸の正方向(すなわち図7に示す方向F2)に移動させる。
このようにして、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システム1は、表示装置10側から患者テーブル16上の被検体15への視点方向が標準視点方向と異なる場合であっても、表示装置10の表示画面(操作画面)の座標系と操作部8の入力操作方向の座標系とを合致させるとともに、この操作部8の入力操作方向に対応する動作方向にカプセル型医療装置2を磁気誘導する。この場合、誘導制御部13bは、上述した標準視点方向に対する表示装置10側からの視点方向の相対的な変化、すなわち磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向の変化に追従して、操作部8の入力操作方向と絶対座標系におけるカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係を変化させる。
なお、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システム1は、表示装置10の表示画面の中から位置方向表示部10bまたは位置方向表示部10cが操作画面として選択された場合、上述した位置方向表示部10aの場合と同様に、表示装置10の表示画面(操作画面)の座標系と操作部8の入力操作方向の座標系とを合致させるとともに、この操作部8の入力操作方向に対応する動作方向にカプセル型医療装置2を磁気誘導する。
つぎに、操作部8のジョイスティック8aの入力操作によってカプセル型医療装置2の変位動作(前進、後進等)を操作し、ジョイスティック8bの入力操作によってカプセル型医療装置2の回転動作(旋回等)を操作する場合を例示して、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向の変化に追従して変化する操作部8の入力操作方向と磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係について説明する。図8は、磁気誘導装置に対する表示装置の相対方向の変化に追従して変化する磁気誘導装置の座標系と表示装置の表示画面の座標系との対応関係を例示する模式図である。図9は、磁気誘導装置に対する表示装置の相対方向の変化に追従して変化する操作部の入力操作方向とカプセル型医療装置の動作方向との対応関係を例示する模式図である。なお、図8には、説明を簡潔にするために、画像表示部10dを図示せず、位置方向表示部10a〜10cの表示情報としてカプセル画像D1〜D3のみを図示する。
まず、表示装置10が磁気誘導装置6に対して絶対座標系のX軸の負方向に位置し、この表示装置10側から患者テーブル16上の被検体15への視点方向が標準視点方向(図7に示す視点方向A1)である場合、表示装置10は、図8の表示態様G1に示すように、視点方向A1に見る被検体15内部のカプセル型医療装置2を三面表示する態様で位置方向表示部10a〜10cにカプセル画像D1〜D3を各々表示する。この表示態様G1において、位置方向表示部10aのxz座標系におけるx軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるX軸の正方向と合致し、このxz座標系におけるz軸の正方向は、この絶対座標系におけるZ軸の正方向と合致する。位置方向表示部10bのxy座標系におけるx軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるX軸の正方向と合致し、このxy座標系におけるy軸の正方向は、この絶対座標系におけるY軸の正方向と合致する。位置方向表示部10cのyz座標系におけるy軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるY軸の正方向と合致し、このyz座標系におけるz軸の正方向は、この絶対座標系におけるZ軸の正方向と合致する。
ここで、カプセル型医療装置2の磁気誘導の操作画面として位置方向表示部10aが選択された場合、誘導制御部13bは、かかる位置方向表示部10aのxz座標系と操作部8のジョイスティック8a,8bの各座標系とを合致させる。具体的には、誘導制御部13bは、位置方向表示部10aのx軸の正方向とジョイスティック8a,8bのb1軸およびb2軸の各正方向とを合致させ、位置方向表示部10aのz軸の正方向とジョイスティック8a,8bのa1軸およびa2軸の各正方向とを合致させる。この場合、誘導制御部13bは、図9の操作態様H1に示すように、操作部8のジョイスティック8a,8bの入力操作方向と磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係を決定する。
具体的には、誘導制御部13bは、b1軸の正方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸の正方向にカプセル型医療装置2を移動させ、b1軸の負方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸の負方向にカプセル型医療装置2を移動させる。一方、誘導制御部13bは、a1軸の正方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸の正方向にカプセル型医療装置2を移動させ、a1軸の負方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸の負方向にカプセル型医療装置2を移動させる。
また、誘導制御部13bは、b2軸の正方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸回り(Y軸の正方向からX軸の正方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させ、b2軸の負方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸回り(Y軸の正方向からX軸の負方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させる。一方、誘導制御部13bは、a2軸の正方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸回り(Y軸の正方向からZ軸の正方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させ、a2軸の負方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸回り(Y軸の正方向からZ軸の負方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させる。
一方、表示装置10が磁気誘導装置6に対して絶対座標系のX軸の正方向に位置し、この表示装置10側から患者テーブル16上の被検体15への視点方向がX軸の負方向(視点方向A2)である場合、表示装置10は、図8の表示態様G2に示すように、視点方向A2に見る被検体15内部のカプセル型医療装置2を三面表示する態様で位置方向表示部10a〜10cにカプセル画像D1〜D3を各々表示する。この表示態様G2において、位置方向表示部10aのxz座標系におけるx軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるX軸の負方向と合致し、このxz座標系におけるz軸の正方向は、この絶対座標系におけるZ軸の負方向と合致する。位置方向表示部10bのxy座標系におけるx軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるX軸の負方向と合致し、このxy座標系におけるy軸の正方向は、この絶対座標系におけるY軸の正方向と合致する。位置方向表示部10cのyz座標系におけるy軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるY軸の正方向と合致し、このyz座標系におけるz軸の正方向は、この絶対座標系におけるZ軸の負方向と合致する。
ここで、カプセル型医療装置2の磁気誘導の操作画面として位置方向表示部10aが選択された場合、誘導制御部13bは、かかる位置方向表示部10aのxz座標系と操作部8のジョイスティック8a,8bの各座標系とを合致させる。具体的には、誘導制御部13bは、位置方向表示部10aのx軸の正方向とジョイスティック8a,8bのb1軸およびb2軸の各正方向とを合致させ、位置方向表示部10aのz軸の正方向とジョイスティック8a,8bのa1軸およびa2軸の各正方向とを合致させる。この場合、誘導制御部13bは、図9の操作態様H2に示すように、操作部8のジョイスティック8a,8bの入力操作方向と磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係を決定する。
具体的には、誘導制御部13bは、b1軸の正方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸の負方向にカプセル型医療装置2を移動させ、b1軸の負方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸の正方向にカプセル型医療装置2を移動させる。一方、誘導制御部13bは、a1軸の正方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸の負方向にカプセル型医療装置2を移動させ、a1軸の負方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸の正方向にカプセル型医療装置2を移動させる。
また、誘導制御部13bは、b2軸の正方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸回り(Y軸の正方向からX軸の負方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させ、b2軸の負方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸回り(Y軸の正方向からX軸の正方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させる。一方、誘導制御部13bは、a2軸の正方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸回り(Y軸の正方向からZ軸の負方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させ、a2軸の負方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸回り(Y軸の正方向からZ軸の正方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させる。
一方、表示装置10が磁気誘導装置6に対して絶対座標系のZ軸の負方向に位置し、この表示装置10側から患者テーブル16上の被検体15への視点方向がZ軸の正方向(視点方向A3)である場合、表示装置10は、図8の表示態様G3に示すように、視点方向A3に見る被検体15内部のカプセル型医療装置2を三面表示する態様で位置方向表示部10a〜10cにカプセル画像D1〜D3を各々表示する。この表示態様G3において、位置方向表示部10aのxz座標系におけるx軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるZ軸の正方向と合致し、このxz座標系におけるz軸の正方向は、この絶対座標系におけるX軸の負方向と合致する。位置方向表示部10bのxy座標系におけるx軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるZ軸の正方向と合致し、このxy座標系におけるy軸の正方向は、この絶対座標系におけるY軸の正方向と合致する。位置方向表示部10cのyz座標系におけるy軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるY軸の正方向と合致し、このyz座標系におけるz軸の正方向は、この絶対座標系におけるX軸の負方向と合致する。
ここで、カプセル型医療装置2の磁気誘導の操作画面として位置方向表示部10aが選択された場合、誘導制御部13bは、かかる位置方向表示部10aのxz座標系と操作部8のジョイスティック8a,8bの各座標系とを合致させる。具体的には、誘導制御部13bは、位置方向表示部10aのx軸の正方向とジョイスティック8a,8bのb1軸およびb2軸の各正方向とを合致させ、位置方向表示部10aのz軸の正方向とジョイスティック8a,8bのa1軸およびa2軸の各正方向とを合致させる。この場合、誘導制御部13bは、図9の操作態様H3に示すように、操作部8のジョイスティック8a,8bの入力操作方向と磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係を決定する。
具体的には、誘導制御部13bは、b1軸の正方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸の正方向にカプセル型医療装置2を移動させ、b1軸の負方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸の負方向にカプセル型医療装置2を移動させる。一方、誘導制御部13bは、a1軸の正方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸の負方向にカプセル型医療装置2を移動させ、a1軸の負方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸の正方向にカプセル型医療装置2を移動させる。
また、誘導制御部13bは、b2軸の正方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸回り(Y軸の正方向からZ軸の正方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させ、b2軸の負方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸回り(Y軸の正方向からZ軸の負方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させる。一方、誘導制御部13bは、a2軸の正方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸回り(Y軸の正方向からX軸の負方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させ、a2軸の負方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸回り(Y軸の正方向からX軸の正方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させる。
一方、表示装置10が磁気誘導装置6に対して絶対座標系のZ軸の正方向に位置し、この表示装置10側から患者テーブル16上の被検体15への視点方向がZ軸の負方向(視点方向A4)である場合、表示装置10は、図8の表示態様G4に示すように、視点方向A4に見る被検体15内部のカプセル型医療装置2を三面表示する態様で位置方向表示部10a〜10cにカプセル画像D1〜D3を各々表示する。この表示態様G4において、位置方向表示部10aのxz座標系におけるx軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるZ軸の負方向と合致し、このxz座標系におけるz軸の正方向は、この絶対座標系におけるX軸の正方向と合致する。位置方向表示部10bのxy座標系におけるx軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるZ軸の負方向と合致し、このxy座標系におけるy軸の正方向は、この絶対座標系におけるY軸の正方向と合致する。位置方向表示部10cのyz座標系におけるy軸の正方向は、磁気誘導装置6の絶対座標系におけるY軸の正方向と合致し、このyz座標系におけるz軸の正方向は、この絶対座標系におけるX軸の正方向と合致する。
ここで、カプセル型医療装置2の磁気誘導の操作画面として位置方向表示部10aが選択された場合、誘導制御部13bは、かかる位置方向表示部10aのxz座標系と操作部8のジョイスティック8a,8bの各座標系とを合致させる。具体的には、誘導制御部13bは、位置方向表示部10aのx軸の正方向とジョイスティック8a,8bのb1軸およびb2軸の各正方向とを合致させ、位置方向表示部10aのz軸の正方向とジョイスティック8a,8bのa1軸およびa2軸の各正方向とを合致させる。この場合、誘導制御部13bは、図9の操作態様H4に示すように、操作部8のジョイスティック8a,8bの入力操作方向と磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係を決定する。
具体的には、誘導制御部13bは、b1軸の正方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸の負方向にカプセル型医療装置2を移動させ、b1軸の負方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸の正方向にカプセル型医療装置2を移動させる。一方、誘導制御部13bは、a1軸の正方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸の正方向にカプセル型医療装置2を移動させ、a1軸の負方向へのジョイスティック8aの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸の負方向にカプセル型医療装置2を移動させる。
また、誘導制御部13bは、b2軸の正方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸回り(Y軸の正方向からZ軸の負方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させ、b2軸の負方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のX軸回り(Y軸の正方向からZ軸の正方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させる。一方、誘導制御部13bは、a2軸の正方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸回り(Y軸の正方向からX軸の正方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させ、a2軸の負方向へのジョイスティック8bの傾動操作によって入力される操作情報をもとに、絶対座標系のZ軸回り(Y軸の正方向からX軸の負方向に向かう方向)にカプセル型医療装置2を回転させる。
なお、本発明の実施の形態にかかるカプセル誘導システム1は、表示装置10の表示画面(位置方向表示部10a〜10c、画像表示部10d)の中から磁気誘導の操作画面を適宜選択し、上述した位置方向表示部10aの場合と同様に、この操作画面として選択された表示部(位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dのうちのいずれか)の座標系とジョイスティック8a,8bの入力操作方向の座標系とを合致させるとともに、このジョイスティック8a,8bの入力操作方向と磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係を決定する。これによって、カプセル誘導システム1は、磁気誘導装置6の絶対座標系における3次元的な動作(移動または回転)をカプセル型医療装置2に行わせつつ、カプセル型医療装置2を磁気誘導することができる。
つぎに、体内にカプセル型医療装置2を含んだ被検体15が患者テーブル16上において仰臥位から右側臥位に体位変換する場合を例示して、被検体15の体位変換に追従する表示装置10の表示情報の変化について説明する。図10は、被検体の体位変換に追従する表示装置の表示情報の変化を具体的に説明するための模式図である。
表示装置10側から患者テーブル16上の被検体15への視点方向が上述した標準視点方向(図7に示す視点方向A1参照)である場合、表示装置10は、図10の表示態様G10に示すように、この標準視点方向に見る被検体15内部のカプセル型医療装置2の位置軌跡情報を三面表示する。すなわち、位置方向表示部10aは、患者テーブル16上において仰臥位の姿勢をとる被検体15を絶対座標系のY軸方向から見た被検体画像K1と、Y軸方向から見たカプセル型医療装置2のカプセル画像D1および軌跡情報L1と、Y軸方向から見た患者テーブル16のテーブル画像B1とを重畳表示する。位置方向表示部10bは、仰臥位の被検体15を絶対座標系のZ軸方向から見た被検体画像K2と、Z軸方向から見たカプセル型医療装置2のカプセル画像D2および軌跡情報L2と、Z軸方向から見た患者テーブル16のテーブル画像B2とを重畳表示する。位置方向表示部10cは、仰臥位の被検体15を絶対座標系のX軸方向から見た被検体画像K3と、X軸方向から見たカプセル型医療装置2のカプセル画像D3および軌跡情報L3と、X軸方向から見た患者テーブル16のテーブル画像B3とを重畳表示する。
なお、画像表示部10dは、かかる被検体15の体位および表示装置10側からの視点方向に関らず、カプセル型医療装置2が撮像した被検体15の体内画像Pを表示する。この場合、画像表示部10dは、表示装置10の表示画面の上下左右方向と体内画像Pの上下左右方向とを各々合致させる態様で体内画像Pを順次表示する。
ここで、患者テーブル16上の被検体15が図10に示すように仰臥位から右側臥位に体位変換した場合、表示制御部13aは、上述したように体位検出部5の体位検出結果に基づいて、位置方向表示部10a〜10cの表示情報を変換する。具体的には、座標変換処理部13cは、この被検体15の仰臥位から右側臥位への体位変換に伴って変化する体位検出結果の座標変化量および座標変化方向を算出し、この算出した座標変化量および座標変化方向に合った座標変換処理を被検体画像K1〜K3、カプセル画像D1〜D3および軌跡情報L1〜L3の各座標情報に対して実行する。表示制御部13aは、かかる座標変換処理部13cによって座標変換された被検体画像K1〜K3、カプセル画像D1〜D3および軌跡情報L1〜L3を位置方向表示部10a〜10cに各々表示させる。
かかる表示制御部13aの制御によって、表示装置10は、図10に示すように、この被検体15の体位変換に追従して被検体画像K1〜K3、カプセル画像D1〜D3および軌跡情報L1〜L3の表示を画像回転または画像移動等によって変換する。すなわち、図10の表示態様G11に示すように、位置方向表示部10aは、被検体画像K1とカプセル画像D1と軌跡情報L1との相対位置および相対方向を固定しつつ、この被検体15の体位変換に追従して被検体画像K1、カプセル画像D1および軌跡情報L1を変位または回転させる。位置方向表示部10bは、被検体画像K2とカプセル画像D2と軌跡情報L2との相対位置および相対方向を固定しつつ、この被検体15の体位変換に追従して被検体画像K2、カプセル画像D2および軌跡情報L2を変位または回転させる。位置方向表示部10cは、被検体画像K3とカプセル画像D3と軌跡情報L3との相対位置および相対方向を固定しつつ、この被検体15の体位変換に追従して被検体画像K3、カプセル画像D3および軌跡情報L3を変位または回転させる。
表示装置10は、このように被検体15の体位変換に追従して被検体画像K1〜K3とカプセル画像D1〜D3と軌跡情報L1〜L3とを変化させることによって、被検体15が体位を変換する場合であっても、表示装置10側からの視点方向に見る実際の被検体15の体方向と表示上の被検体15(すなわち被検体画像)の体方向とを合致させることができる。これによって、実際の被検体15の体方向と表示上の被検体15の体方向とが異なる場合に生じる磁気誘導操作時の違和感を解消でき、この結果、被検体15内部のカプセル型医療装置2(すなわち直接視認することが困難なカプセル型医療装置2)の磁気誘導を直感的且つ容易に操作することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、被検体の体方向を示す被検体画像と被検体内部におけるカプセル型医療装置の位置および方向を示すカプセル画像とを表示装置に重畳表示させ、この被検体内部のカプセル型医療装置を磁気誘導する磁気誘導部を操作する際、この磁気誘導部を操作する操作部の入力操作方向の座標系と表示装置の表示画面の座標系とを合致させるとともに、この入力操作方向に対応して操作部が入力する動作方向の座標情報を磁気誘導部の座標系に座標変換し、この座標変換した座標情報によって指定される動作方向に被検体内部のカプセル型医療装置を磁気誘導するように構成した。このため、表示装置の表示画面においてカプセル型医療装置の磁気誘導に合わせて変位または回転するカプセル画像の動作方向(移動方向または回転方向)と、このカプセル型医療装置の磁気誘導を操作する操作部の入力操作方向とを合致させることができる。これによって、かかるカプセル画像の動作方向と操作部の入力操作方向とが異なる場合に生じる操作上の違和感を解消でき、この結果、ユーザに操作上の違和感を与えることなく、被検体内部のカプセル型医療装置(直接視認することが困難なカプセル型医療装置)の磁気誘導を直感的且つ容易に操作できるカプセル誘導システムを実現することができる。
また、磁気誘導部に対する表示装置の相対方向をもとに、磁気誘導時のカプセル型医療装置の動作方向と操作部の入力操作方向との対応関係を決定している。このため、磁気誘導部に対して表示装置が如何なる方向に位置していても、表示装置に表示されるカプセル画像の動作方向と操作部の入力操作方向とを合致させることができ、この結果、磁気誘導部に対する表示装置の相対方向によらず、常に操作上の違和感を解消できる。
さらに、この磁気誘導部に対する表示装置の相対方向を方向検出部によって検出し、この検出した表示装置の相対方向の変化に追従して、表示装置の表示情報(カプセル型医療装置の位置軌跡情報)を変化させるとともに、磁気誘導時のカプセル型医療装置の動作方向と操作部の入力操作方向との対応関係を変化させている。このため、磁気誘導部に対する表示装置の相対方向が変化した場合であっても、表示装置に表示されるカプセル画像の動作方向と操作部の入力操作方向とを合致させることができ、この結果、操作上の違和感の解消を損なうことなく、磁気誘導部に対して所望の相対方向に表示装置を配置することができる。
また、被検体の体位を体位検出部によって検出し、この検出した被検体の体位の変化に追従して、表示装置の被検体画像およびカプセル画像の位置または方向を変化させるとともに、磁気誘導時のカプセル型医療装置の動作方向と操作部の入力操作方向との対応関係を変化させている。このため、体内にカプセル型医療装置を含む検査中の被検体が体位変換を行った場合であっても、表示装置に表示されるカプセル画像の動作方向と操作部の入力操作方向とを合致させることができ、この結果、被検体の体位によらず、常に操作上の違和感を解消できる。
さらに、被検体内部におけるカプセル型医療装置の軌跡を示す軌跡情報を表示装置に追加表示し、被検体の体位の変化に追従して、被検体画像およびカプセル画像とともに軌跡情報の位置または方向を変化させている。このため、検査中の被検体が体位変換を行った場合であっても、被検体内部におけるカプセル型医療装置の軌跡を正しく表示することができ、この結果、カプセル型医療装置の磁気誘導の操作を容易に支援することができる。
なお、本発明の実施の形態では、体内にカプセル型医療装置2を含む被検体15の体位を変換させていたが、これに限らず、被検体15の体位を変化させず一定にしてもよい。この場合、カプセル誘導システム1は、体位検出部5および検出コイル5a〜5cを備えていなくてもよい。
また、本発明の実施の形態では、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向を変化させていたが、これに限らず、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向(すなわち、磁気誘導装置6に対する相対的な表示装置10の配置方向)を所望の方向に固定してもよい。この場合、カプセル誘導システム1は、かかる表示装置10の相対方向を検出する方向検出部11を備えていなくてもよい。
さらに、本発明の実施の形態では、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向を方向検出部11によって検出していたが、これに限らず、磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向を示す情報を入力部9によって制御部13に入力してもよい。この場合、誘導制御部13bは、この入力部9の入力情報(磁気誘導装置6に対する表示装置10の相対方向を示す情報)をもとに、表示装置10の表示画面の座標系と磁気誘導装置6の絶対座標系との対応関係と、操作部8の入力操作方向と磁気誘導時のカプセル型医療装置2の動作方向との対応関係とを決定すればよい。
また、本発明の実施の形態では、表示装置10の位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dの中から択一的に操作画面を選択し、この選択した操作画面の座標系とジョイスティック8a,8bの各入力操作方向の座標系とを合致させていたが、これに限らず、位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dの中から二つの操作画面を選択し、これら二つの操作画面(すなわち位置方向表示部10a〜10cおよび画像表示部10dのうちのいずれか二つ)の各座標系とジョイスティック8a,8bの各入力操作方向の座標系とを各々合致させてもよい。この場合、ジョイスティック8aは、二つの操作画面のうちの第1の操作画面の座標系と合致する入力操作方向に対応して磁気誘導の操作情報を入力し、ジョイスティック8bは、第2の操作画面の座標系と合致する入力操作方向に対応して磁気誘導の操作情報を入力する。座標変換処理部13cは、かかるジョイスティック8a,8bによって入力された二つの操作情報の各座標情報(カプセル型医療装置2の動作方向を示す座標情報)を磁気誘導装置6の絶対座標系に座標変換する。誘導制御部13bは、この座標変換後の二つの座標情報を合成処理して、絶対座標系における3次元的なカプセル型医療装置2の動作方向を決定し、この決定した3次元的な動作方向にカプセル型医療装置2を動作させる磁気誘導を制御する。
さらに、本発明の実施の形態では、画像表示部10dに表示される体内画像Pの左右方向とカプセル型医療装置2の左右方向とを合致させていたが、これに限らず、カプセル型医療装置2が前進する場合に画像表示部10dに表示される体内画像Pの左右方向とカプセル型医療装置2の左右方向とを合致させ、カプセル型医療装置2が後進する場合に画像表示部10dに表示される体内画像Pの左右方向をカプセル型医療装置2の左右方向に対して反転させてもよい。これによって、カプセル型医療装置2が回転(特に旋回)する場合に画像表示部10dに表示される体内画像Pの変化方向とカプセル型医療装置2の回転方向とを合わせることができ、この結果、かかる体内画像Pの変化方向と操作部8の入力操作方向との不一致を防止でき、画像表示部10dを操作画面に選択した場合に生じる可能性のある操作上の違和感を解消できる。
また、本発明の実施の形態では、磁界検出によって被検体15の体位を検出していたが、これに限らず、検出コイル5a〜5cの代わりに、少なくとも2方向から被検体15の外観画像を撮像する撮像装置を磁気誘導装置6内部に配置し、体位検出部6は、この撮像装置によって撮像された被検体15の2方向の外観画像をもとに被検体15の体位を検出してもよい。
さらに、本発明の実施の形態では、被検体の外形(体形)を模式的に示す被検体画像K1〜K3を位置方向表示部10a〜10cに各々表示させていたが、これに限らず、位置方向表示部10a〜10cに表示させる被検体画像は、カプセル型医療装置2が通過する被検体15内部の消化管を模式的に示す画像であってもよいし、被検体15の外形を示す模式画像と消化管の模式画像とを組み合わせたものであってもよい。
また、本発明の実施の形態では、カプセル型医療装置2の磁気誘導に合わせて被検体画像K1〜K3およびカプセル画像D1〜D3を変位または回転させていたが、これに限らず、表示装置10の表示画面の所定方向(例えば表示画面の上下方向または左右方向等)に対してカプセル画像D1〜D3の長手軸方向を固定し、かかるカプセル画像D1〜D3に対して被検体画像K1〜K3の相対位置または相対方向を変化させてもよいし、表示装置10の表示画面の所定方向に対して被検体画像K1〜K3の体方向(長手軸方向)を固定し、かかる被検体画像K1〜K3に対してカプセル画像D1〜D3の相対位置または相対方向を変化させてもよい。
さらに、本発明の実施の形態では、位置方向表示部10a〜10cに被検体画像K1〜K3およびカプセル画像D1〜D3を各々表示させることによって、被検体15および被検体15内部のカプセル型医療装置2を表示装置10の三面表示していたが、これに限らず、表示装置10側からの視点方向に見る被検体15および被検体15内部のカプセル型医療装置2の各立体画像を表示装置10に重畳表示させてもよい。
また、本発明の実施の形態では、被検体15の体内画像を撮像するカプセル型医療装置2を例示したが、これに限らず、本発明にかかるカプセル誘導システムのカプセル型医療装置は、磁気誘導が可能なものであれば、生体内のpH値(体内情報の一例)を計測するカプセル型pH計測装置であってもよいし、生体内に薬剤を散布または注射する機能を備えたカプセル型薬剤投与装置であってもよいし、生体内の物質(体内情報の一例)を採取するカプセル型採取装置であってもよい。
さらに、本発明の実施の形態では、二つのジョイスティック8a,8bの入力操作によってカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作していたが、これに限らず、ジョイスティック8a,8bに代えて十字型の入力ボタンを操作部8に二つ設け、かかる二つの入力ボタンの入力操作によってカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作してもよい。
また、本発明の実施の形態では、磁気誘導装置6の磁界の引力または斥力によってカプセル型医療装置2を移動させていたが、これに限らず、カプセル型医療装置2の長手軸を中心に螺旋形状を形成する螺旋状突起を筒状筐体20aの外壁面に設け、回転磁界によってカプセル型医療装置2を長手軸回りに回転させることによって、カプセル型医療装置2を前進または後進させてもよい。
さらに、本発明の実施の形態では、カプセル型医療装置2からの誘導磁界の検出結果をもとに被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を検出していたが、これに限らず、被検体15内部のカプセル型医療装置2に対して音波(望ましくは超音波)を送受波してカプセル型医療装置2からのエコー信号を検出し、この検出したエコー信号をもとに被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を検出してもよいし、被検体15内部のX線画像データをもとに被検体15内部におけるカプセル型医療装置2の位置および方向を検出してもよい。
(付記1)被検体に導入される医療装置と、
前記医療装置を誘導する誘導装置と、
前記誘導装置に対する前記医療装置の位置および方向を検出する位置方向検出装置と、
前記誘導装置に送る指示情報を発生する入力装置と、少なくとも前記位置方向検出装置の検出結果を表示する表示装置を備えたマンマシンインターフェース部とを有し、
前記誘導装置の向きと、マンマシンインターフェースの位置関係を選択する位置関係選択部と、
前記位置関係選択部の選択結果をもとに、前記入力装置の操作方向または前記表示装置の表示を変化させることを特徴とする医療装置誘導システム。
(付記2)被検体に導入される医療装置と、
前記医療装置を誘導する誘導装置と、
前記誘導装置に対する前記医療装置の位置および方向を検出する位置方向検出装置と、
前記誘導装置に送る指示情報を発生する入力装置と、少なくとも前記位置方向検出装置の検出結果を表示する表示装置を備えたマンマシンインターフェース部とを有し、
前記誘導装置の向きと、マンマシンインターフェースの向きの位置関係を決定する位置関係決定装置と、
前記位置関係決定装置の出力をもとに、前記入力装置の操作方向または前記表示装置の表示を変化させることを特徴とする医療装置誘導システム。
(付記3)被検体に導入される医療装置と、
前記医療装置を誘導する誘導装置と、
前記誘導装置に対する前記医療装置の位置および方向を検出する位置方向検出装置と、
前記誘導装置に送る指示情報を発生する入力装置と、少なくとも前記位置方向検出装置の検出結果を表示する表示装置を備えたマンマシンインターフェース部とを有し、
前記位置方向検出装置で検出された前記医療装置の向きと、マンマシンインターフェースの向きにより前記入力装置の操作方向または前記表示装置の表示を変化させることを特徴とする医療装置誘導システム。
(付記4)被検体に配置され、前記被検体の体位を測定する位置センサと、
前記被検体内に導入する導入装置と、
前記導入装置の位置を検出する導入装置位置検出手段と、
前記位置センサの検出結果および前記導入装置位置検出手段の検出結果を表示する表示手段と、
前記位置センサの測定結果に基づいて、前記被検体の表示手段への表示状態を変化させる表示状態変化手段と、
前記導入装置位置検出手段で検出した前記導入装置の位置情報を連続的に保持する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記導入装置の位置情報を、前記表示状態変化手段の出力に基づき、前記表示装置に表示する
を有することを特徴とする表示システム。
(付記5)被検体の体位モデルを有し、前記表示状態変化手段の出力に基づき体位モデルを表示することを特徴とする付記4に記載の表示システム。
(付記6)前記体位モデルが、前記被検体の消化管の配置モデルであることを特徴とする付記5に記載の表示システム。
(付記7)前記記憶手段に記憶された前記導入装置の位置情報を、滑らかに接続した軌跡として表示することを特徴とする付記4に記載の表示システム。
(付記8)被検体内に導入される導入装置と、
前記導入装置を誘導する誘導装置と、
前記誘導装置に対する被検体の体位を測定する体位センサと、
前記誘導装置に対する導入装置の位置を測定する導入装置位置検出手段と、
前記誘導装置に対する被検体の体位と、前記導入装置の位置を表示する表示手段と、
前記導入装置位置検出手段で検出した前記導入装置の位置情報を連続的に保持する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記導入装置の位置情報を、前記表示状態変化手段の出力に基づき、前記表示装置に表示することを特徴とする誘導装置の表示システム。