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JP5132562B2 - 電解質シートおよび固体酸化物燃料電池素子 - Google Patents

電解質シートおよび固体酸化物燃料電池素子 Download PDF

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Description

本発明は、概して燃料電池内で使用するのに適した無機電解質シートに関し、特に周囲環境により誘起された歪みを補償する波型パターンを備えた電解質シートに関するものである。
特許文献1には、イオン伝導性表面積を増大させるために、波型でかつ織り目加工された電解質を用いることが記載されている。上記特許文献1には、この電解質が、ナトリウム・硫黄、ナトリウム・ハロゲン、リチウム陽極形式の電池および半導体電池に使用するのに適していると明示されている。これらの形式の化学電池は、低い温度で極めて移動し易いナトリウムまたはリチウムのような陽イオンを導く固体電解質を用いている。このような固体電解質は、一般にかなり厚く(200μmを超える)、良好な機械的一体性を維持している。この特許文献1には、固体酸化物電池は開示されておらず、電解質の厚さも、織り目加工された表面における凹凸の寸法も記載されていない。
固体酸化物燃料電池のために電解質材料を使用することは、近年におけるかなり多くの研究の対象であった。固体酸化物燃料電池の一般的な構成においては、二つの電極の間に挟まれた負に帯電せしめられた酸素イオンを導く電解質を備えている。このような電池においては、例えば、電解質を通じて導かれた酸素イオンと反応する水素のような燃料物質の陽極における酸化によって電流が発生する。酸素イオンは陰極における酸素分子の還元によって形成される。
特許文献2には、薄い平滑な無機質の焼成されたシートが開示されている。ここに開示された焼成されたシートは、破壊を伴わずに曲げることが可能な強度および可撓性を有するのみでなく、広い温度範囲に亘って優れた安定性を備えている。酸化イットリウムで安定化されたジルコニアYSZ(Y−ZrO)のような開示された組成は、燃料電池のための電解質として有用であろう。ジルコニア電解質は、十分に高い温度(例えば約725℃以上)において良好なイオン伝導度および極めて低い電子伝導度を示す。特許文献3には、このような組成を用いて熱衝撃に強い固体酸化物燃料電池を形成することが開示されている。
特許文献4には、優れた電極・電解質構造を備えた固体電解質燃料電池が記載されている。この構造は、可撓性を有する薄い無機電解質シートの両面に接着された複数の陽極および陰極を備えた固体電解質シートを有する。一つの実例には、電解質シート上で電極が連続した層を形成しているのではなく、多数の独立した領域または帯域を形成していることが示されている。これらの領域は、電解質シート内を貫通するバイアホールに接触する導電体によって電子的に接続されている。バイアホールは電子的に導電性を有する材料で満たされている。
特許文献5には、粗にされた界面層を備えたほぼ平坦かつ平滑な電解質シートを用いた固体電解質燃料電池が記載されている。この特許文献には、厚さが45μm未満の電解質シートが開示されている。セラミック電解質シートはこのような厚さにおいては可撓性である。
特許文献6には、焼成された平滑な電解質シート(基板)上に配置された粗にされた多孔質ナノ結晶界面層が記載されている。この粗にされた多孔質ナノ結晶界面層は、サブミクロン表面特性(粒子サイズが1μm未満、好ましくは0.5μm未満)を備え、かつ約0.2μm未満の算術平均表面粗さによって特徴づけられる。
米国特許第4,135,040号明細書 米国特許第5,085,455号明細書 米国特許第5,273,837号明細書 米国特許出願公開第2002/0102450号明細書 米国特許出願公開第2001/0044043号明細書 米国特許第6,428,920号明細書
電解質の電気伝導度は、その材料の伝導度の厚さ倍に比例する。すなわち、電解質のオーム抵抗は、電解質の材料特性に左右され、かつ電解質の厚さに比例する。したがって、オーム抵抗を減少させ、かつ電気伝導度を改善するためには、電解質の厚さが可能な限り薄くなければならない。しかしながら、電解質の厚さを薄くすると、電解質の物理的強度が低下する。薄い電解質は、取扱いおよび処理中に破損する可能性がある。さらに、燃料電池は大きな熱サイクルおよび電解質シート中に熱応力を誘起させる大きな熱勾配に曝される。これに加えて、取り付けられた電解質シートは、そのフレームの熱膨張率とは異なる割合で膨張し、電解質シートがひび割れる原因となり得る。電解質シートに欠陥が生じると、電池全体または電解質素子を交換する必要がある。
本発明の電解質シートの一つの利点は、構造的強度を改善または維持しかつ電極接着性および一様な可撓性を維持しながら、電解質シートにおける増大された多軸歪み耐性を提供することである。
本発明の一つの様相によれば、電解質シートがほぼ非多孔質の本体を備え、この電解質シートは、電解質シートの少なくとも一部に少なくとも一つの応力除去領域を有する。この応力除去領域は、複数の襞を備えた表面を有する。複数の襞は、一つの共通中央領域の周囲に配列されかつ該共通中央領域に向かって縦に延びている。
本発明の一つの実施の形態によれば、電解質シートはほぼ非多孔質の本体を備え、この電解質シートは、電解質シートの少なくとも一部分上に多軸波型パターンを備えた一つの表面を有する。この波型パターンは、一つの共通中央領域を取り囲む複数の襞を有する。各襞は上記共通中央領域に向かって延びる縦軸線を有する。
本発明の一つの実施の形態によれば、固体酸化物電解質/電極アセンブリは、ほぼ非多孔質の本体を備えた1枚の電解質シートを備え、この電解質シートは、この電解質シートの一つの共通中央領域の周囲に配列された少なくとも一つの応力除去領域を有する。上記共通中央領域は、(1) 上記電解質シートの第1の表面上に配列された少なくとも1個の陰極、および(2) 上記電解質シートの第2の表面上に配列された少なくとも1個の陽極を含んでいる。上記応力除去領域は複数の襞を備えた表面を有する。これら複数の襞は、上記共通中央領域の周囲に配列されかつこの共通中央領域に向かって縦に延びている。
本発明のさらなる特徴および効果は、下記の詳細な記載に説明されており、その一部は、当業者であれば下記の記載から直ちに明らかであろうし、あるいは下記の詳細な説明、請求項ならびに添付図面を含んで説明された本発明の実施により認識されるであろう。
上述の一般的説明および下記の本発明の詳細な説明は、請求項に記載された本発明の性質および特徴を理解するための概観または大要を提供することを意図したものであることを理解すべきである。添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するもので、本明細書の一部に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成するものである。図面は本発明の種々の実施の形態を示し、上記記述内容とともに本発明の原理および動作の説明に資するものである。
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図面における類似の部品に対しては、可能な限り同じ符号を付してある。本発明の無機電解質シートの一つの好ましい実施の形態が、図1および図2に全体的に符号10を付されて概略的に示されている。この電解質シート10は、二つの主要面20,21および平均厚さtを備えた薄いセラミックシートである。
上記電解質シート10は、ほぼ非多孔質の本体を備え、かつ電解質シート10の少なくとも一部に少なくとも一つの応力除去領域22を有する。この応力除去領域22は複数の襞30を備えている。これら複数の襞30は、共通中央領域25の周囲に配列され、かつ共通中央領域25に向かって縦に延びている。本実施の形態においては、電解質シート10が、共通中央領域25を取り囲む複数の襞30の形態に配列された多軸波型パターンを備えた表面を有する。襞30は滑らかであることが好ましい。すなわち、鋭い皺は応力を増大させる特徴を有するので、襞は鋭い皺を含まないことが好ましい。襞30は、例えば図3に示すように、襞が波状のまたは正弦波状の位相を有するようにうねらせることができる。各襞30は、共通中央領域25に向かって延びる縦軸線31を有する。本実施の形態においては、襞30が共通中央領域25を枠取り、対向する襞がほぼ平行な縦軸線31を有する波型パターンを形成している。電解質シート10の隣接する二辺A,Bはほぼ直交する軸線31を有する。ここで、「ほぼ」という語は、襞の方向が平行または直角から±5°まで変動してもよいことを定義するのに用いられる。襞30の長さは、電解質シート10の幅の1/3 未満、より好ましくは1/4 未満、さらに好ましくは1/5 未満、最も好ましくは1/6 未満である。
図4および図5は、本発明の第2の実施の形態の電解質シート10を概略的に示す。先の実施の形態と同様に、図4に示された電解質シートの応力除去領域も複数の襞30を有する。これら複数の襞30は、共通中央領域25の周囲に配列され、かつ共通中央領域25に向かって縦に延びている。本実施の形態においては、電解質シート10が共通中央領域25を取り囲む複数の襞の形態に配列された多軸波型パターンを備えた表面を有する。各襞30は共通中央領域25に向かって延びる縦軸線31を有する。図4に示された実施の形態においては、襞30は共通中央領域25を枠取りし、襞の軸線31が互いに±5°を超える角度傾斜した波型パターンを形成している。
図6は、本発明の第3の実施の形態の電解質シート10を概略的に示す。本実施の形態の電解質シートの応力除去領域22は、共通中央領域25を取り囲む二組の波型パターンを備えている。本実施の形態においては、第1の波型パターン(すなわち、電解質シート10のエッジに最も近接したパターン)は、共通中央領域25の周囲に配列され、かつ共通中央領域25に向かって縦に延びている。電解質シートの平行二辺に隣接して配列された襞の大部分はほぼ平行な縦軸線31を有する。電解質シート10の隣接する二辺A,Bに配列された襞の大部分はほぼ直交する軸線31を有する。電解質シート10の四隅部の近傍に配置された襞30は、隅部の周りに扇状に広がっているので、それらの軸線31は共通中央領域25に向かって延びていながら互いに傾斜している。第2の波型パターンは、電解質シート10のエッジの輪郭に概略沿った複数の襞30′に相当する。さらに正確に言うと、襞30′は共通中央領域25を取り囲み、互いにかつ電解質シート10の四辺に対してほぼ平行である。本実施の形態においては、第2の波型パターンが、共通中央領域25に隣接しかつ共通中央領域25を枠取りしている3本のほぼ平行な襞30′を有する。
固体酸化物燃料電池スタックにおいては、電解質素子(すなわち、電解質シート、陽極、陰極、およびその他の燃料電池部品)は、フレーム40に取り付けられ、かつ例えばガラスフリットのような封止材42にて封止されている(図7)。図7は、本実施の形態においては電解質シート10がフレーム40よりも大分薄いことを概略的に示している。フレーム40および封止材の熱膨張係数が、電解質シート10の熱膨張係数に極めて近い場合(すなわち、CTEにおける差が約0.2×10−6以内)には、そして、もし電解質シート10とフレーム40との間の温度差が50℃よりも大きくはならないように、温度が緩慢に増減するならば、襞30′が、電極、電流コレクタ、電解質シートとフレームおよび封止材との間の膨張差を調和させることから、襞30′に相当する第2の組の波型が好ましい。
もしフレーム40および封止材の膨張係数が、電解質シートの膨張係数に一致していいない場合、および/または、もし電解質シート10とフレーム40との間の温度差が50℃を超えるように温度変化が急激である場合には、襞30が電解質シート10とフレーム40との間の大きな膨張差および/または温度差を調和させることから、第1の組の波型が好ましい。2種類の波型パターンの組合せは、それらが応力および電解質シート全体に亘る応力の空間的広がりを低減させるので、最も好ましい。より正確に言うと、燃料電池素子の温度が上昇するにつれて、薄い電解質シート10は、比較的厚いフレーム40よりも速やかに熱くなる。フレーム40は比較的冷たいのに、電解質シート10が熱くなると、応力除去領域を備えていない(すなわち、襞30を備えていない)電解質シートは、フレーム40の近傍において大量の引っ張り歪みを受ける。しかしながら、本発明による応力除去領域22を備えた電解質シート10は、例えば襞30の高さの増大を介してこの歪み/応力を解放する。同様に、燃料電池素子が急速に冷えると、電解質シート10がフレーム40よりも急速に冷えるので、フレーム40は熱いままであっても電解質シート10は比較的冷たくなる。しかしながら、応力除去領域22を備えた電解質シート10は、襞30の平坦化(すなわち高さの減少)を介してこの歪み/応力を解放する。
フレーム40、電解質シート10および封止材のCTEの一致は、温度条件が安定状態においては熱応力を軽減するのに役立つが、大きなかつ急激な温度変動時には、フレーム40と電解質シート10との温度の不一致を補償するのには不十分であることに注目すべきである。
電解質シート10の共通中央領域25は、(1) 電解質シートの第1面上に配置された少なくとも一つの陰極、および(2) 陰極と対向して電解質シートの第2面上に配置された少なくとも一つの陽極を備えている。本発明の一つの実施の形態は、電解質シート10の両面に配置された複数の陽極および陰極を備えている。
図8は本発明の第4の実施の形態の電解質シート10を示す。本実施の形態の電解質シート10もまた、2組の波型パターンを含む応力除去領域22を備えている。本発明のこの実施の形態は、第3の実施の形態と類似しているが、図6の隅領域Cに対応する襞部分が外側へ移されて、電解質シート10上に多数の陽極/陰極対を印刷するための僅かな余分の領域を備えている。
襞30,30′の波型パターンのうねり形状およびサイズおよびピッチは、電解質シートに作用する応力および種々の材料(フレーム、封止材、電極、電流コレクタ等)の熱膨張係数によって決定される。応力除去領域22内の襞の数、襞の高さ、ピッチおよび襞のうねりの曲率は、可能な歪み/応力除去量によって決定される。最大の歪み軽減は、襞の谷と直角な方向(すなわち襞の軸線に直交する方向)である。襞は、高さ(山から谷まで)が50μmと1cmとの間が好ましく、0.1cmと0.8cmの間がより好ましく、0.5cm未満の高さが最も好ましい。襞のピッチP(すなわち二つの山、または二つの谷の間隔)は50μmと5cmとの間、好ましくは0.1cmと2cmとの間、より好ましくは1cm未満である。高過ぎる(0.5cmを超える)波型パターンは、例えば電極印刷のような後工程の作業を妨害する可能性がある。しかしながら、もし波型が小さ過ぎると、応力除去領域における電解質シート10の補償伸張/収縮による適切な救済が得られずに、電解質シート10が破壊点(伸張部分において最も起こり得る)に達する可能性がある。したがって、薄い電解質シート10(例えば厚さが45μm未満)に関しては、薄い電解質シート10の厚さtに対する高さHの比は、少なくとも2であることが好ましく、少なくとも2.5がより好ましく、3以上が最も好ましい。上記応力除去領域22によって提供される引っ張り応力除去量は、応力除去領域22における電解質シート材料の強度および電解質シート10の厚さに左右される。
上述の実施の形態によれば、電解質シート10は5μmを超え100μm未満の平均厚さtを有する。平均厚さは45μm未満が好ましく、平均厚さtは25μm未満が最も好ましい。
さらに、応力除去領域を備えた電解質シート10には、細かい織り目が付されていてもよい。例えば電解質シート10は、深さが5μm以内の多数のぎざぎざを備えていてもよい。薄い電解質シートに関しては、細かい織り目のぎざぎざは、シートの厚さの1/2 未満が好ましい。例えば、もしシートの厚さが8μmであれば、ぎざぎざの深さは4μm未満が好ましい。このようなぎざぎざは、電解質シート10の表面上に周期的に配置されているのがよい。しかしながら、ぎざぎざが非周期的であってもよい。
電解質シート10の断面図が図9に示されている。襞30の幅は深さよりも広く、かつ間隔が高さよりも遥かに大きい。あるいは、間隔が高さHに等しいかまたはそれよりも小さくてもよい。このことは、例えば図9に概略的に示されている。上述のように、襞30,30′は、図9および図10に示されているように、何れか一方の面にあるいは両面に細かい織り目が付されている。例えば、襞30は50μm以上の平均高さを有し、かつ片面または両面に溝または他の構造(例えば深さが0.5μm)を備えている。最終的に、電解質シート10の厚さは、例えば電解質シートの種々の部位における種々の温度および/または燃料/酸素の種々の圧力による応力を最小にするために、電解質シートの部位に応じて変えてもよい。より明確に言うと、燃料電池に用いられる場合の電解質シートは、一般に燃料の流れに比較してより高い空気の流れを伴って作動される。これは燃料電池アセンブリに対して十分な酸素を供給するために行われる。空気流は、電解質シートの或る領域、例えば電解質シートの中間領域において、より大きい応力を生起させる。
このような環境において作動させるのに特に適した電解質シート10が図11に示されている。上述した他の電解質シートと同様に、この電解質シートは、より厚い領域と、より薄い領域とを備えている。しかしながら、この実施の形態の電解質シートにおいては、より薄い領域が、エッジに近接するほど徐々に薄くなっている。すなわち、電解質シートの或る領域(例えば中央領域)が加圧された場合に、電解質シートのこれらの領域が、より小さい応力を受ける領域よりも厚い平均厚さを有するのが効果的である。
図12は、本発明の第5の実施の形態の電解質シート10を示す。本実施の形態においては、電解質シート10のほぼ全体が多数の単位セル35でパターン化され、各単位セル35は、襞付き側面37を備えたディンプルまたはドームを有する。襞30は、個々の単位セル35のそれぞれの共通中央領域25に向かって延びている。より正確に言うと、襞30は、各ディンプルまたはドームの共通中央領域25の周囲に配列されかつ共通中央領域に向かって縦に延びている。図13Aは、この実施の形態に用いられる単位セル35の一つの実例を概略的に示す。この実例において、単位セル35は、四角形パターンに配列され、電解質シート10のほぼ全体を覆っている。したがって、本実施の形態の電解質シート10の殆ど全体の領域が応力除去領域として作用する。単位セル35は、電解質シート10を覆うために、六角形、正方形、三角形またはその他の形状をもって配列される。図13Bは六角形をもって配列された4個の単位セルの平面図である。パターン化された領域は小領域であっても電解質シート10の全体を覆うものでもよい。もし電解質シート10の大きな領域がこの態様でパターン化されている場合には、電極およびその他の要素を電解質シート10上に印刷することを可能にするために、ディンプルの深さまたはドームの高さDは3mm未満が好ましく、1mm未満がより好ましい。襞30の平均高さH(山から谷まで)は、ディンプルの深さまたはドームの高さの約半分以内で、好ましくは1/3 以内である。襞のピッチも、単位セルの長さよりも短いことが好ましく、単位セルの長さの1/2 以内がより好ましい。襞30は、単位セルの基部において最も高く、それらの共通中央領域25において高さがゼロになるように先細になっているのが好ましい。この形状は、必要に応じて、ディンプルまたはドームが平坦になりながら単位セルのエッジが広がることを可能にし、かくして温度変化時の応力除去を提供する。襞付きのディンプルとドームを組合せたパターンを用いてもよいことに注目すべきである。
図14は本発明の第6の実施の形態を示す。本実施の形態の電解質シート10は、交互配列された波型パターンを備えた応力除去領域22を有する。より正確に言うと、電解質シート10の応力除去領域22は、第1の実施の形態の襞と同様の襞30を有する。応力除去領域22はまた、第1の組の襞30に対して交互配列された第2の組の襞30″を、第1の組の襞30の山が第2の組の襞30″の谷に対応する態様で備えている。本実施の形態においては、襞30および30″の長さが、電解質シート10の幅の約1/8 である。
襞30、30″は、急速な温度サイクルおよび大きな(200℃以上)温度変化、ならびに電解質シート10に亘る熱勾配によって生じる歪みおよび応力に基づく電解質シート10の易破壊性を低減する。電解質シート10の機械的特性におけるこの改善は、電解質シート10が、より高い温度勾配において動作し、より高い、より迅速な温度変動に耐えることを可能にする効果がある。
電解質シート10は、ほぼ非多孔質(すなわち、閉塞された気泡を実質的に備えておらず、有孔率が5%未満)の本体を有する。有孔率は3%未満が好ましく、1%未満がより好ましい。電解質シート10は、4μmを超え100μm未満、好ましくは45μm未満、より好ましくは4μmと30μmの間、最も好ましくは5μmと25μmの間の平均厚さを有するのが好ましい。より薄い平均厚さも可能である。厚さの下限は単純に、破壊を伴わずに取扱いを可能にするのに必要な最小厚さである。電解質シートおよび電極を含む全体厚さは150μm未満が好ましい。電解質シート本体はモノリシック・ボディ(すなわち、一緒に焼成された種々の有孔率を有する複数の層ではなく、単一体として形成された本体)であることが好ましい。波型の電解質シートは、固体酸化物燃料電池内における電解質として、あるいは陽極または陰極の支持体として用いられることに注目すべきである。
上述のような薄い、波型の電解質シートは、固体酸化物燃料電池内で効果的に用いられる。したがって、本発明の一実施の形態によれば、燃料電池の固体酸化物電極・電解質アセンブリ50がほぼ非多孔質の本体を備えた電解質シートを備えており、電解質シート10は、この電解質シート10の共通中央領域25の周囲に配列された少なくとも一つの応力除去領域を有する。共通中央領域は、(1) 上記電解質シートの第1の表面上に配列された少なくとも1個の陰極、および(2) 上記電解質シートの第2の表面上に配列された少なくとも1個の陽極を含んでいる。上記応力除去領域は複数の襞30を備えた表面を有する。これら複数の襞30は、共通中央領域25の周囲に配列されかつこの共通中央領域25に向かって縦に延びている。このことは図14および図15に示されている。
特に、図14および図15は、電解質シート10内における小さいバイアホール56を通じて接続された複数の長方形セグメントの形態にある電極52,54を支持する自立型ジルコニア3モル%イットリア電解質シート10を示す。電極・電解質アセンブリの平面図は図14に示されている。図15は、図14に示された電極・電解質アセンブリの5セル・セクションの断面図である。本実施の形態によれば、電極・電解質アセンブリ50は、複数の陽極・陰極対52,54を備えている。陽極・陰極対52,54はギャラリ55を介して分離されている。バイアギャラリ55は、バイアホール56内に配置された複数の相互接続部(バイアコンタクトと呼ばれる)56′を備えている。これらの相互接続部56′は、一つのセルの陽極からの電子流を隣のセルの陰極へ導く。
薄い電解質シートは、成形された形態において生の状態に形成することができ、次いで焼成されて、可撓性に富んだ電解質シートを形成する。生の(未焼成)材料の調製については、米国特許第4,170,227号明細書に記載されている。より正確に言うと、この特許には、溶液から薄い可撓性を有する生の(未焼成)テープを調製することが記載され、このテープは、コーティングされ、切断され、重ねられ、焼成されて、薄い誘電体キャパシタを形成する。この形式の方法はさらに、欧州特許出願公開第0302972号および同第0317676号の各明細書に記載されている。したがって、波型の応力除去領域を備えた薄い電解質シートを製造するためには、生の(未焼成セラミック)からなる薄いシートまたは層が最初に生成される。次に、生の材料が焼成されて、印加された力により破壊されずに大きく曲げられることが可能な高い可撓性を有する織り目を有する焼成されたセラミックシートを提供する。この焼成されたセラミックシートは、20cm未満の、好ましくは5cmの、より好ましくは1cm未満の有効曲率半径をもって曲げることが可能なまたはそれと同程度の十分な可撓性を有する。
「有効曲率半径」とは、焼成された材料構造が備えている自然のまたは本質的な湾曲に加えて、焼成された本体に曲げることによって部分的に生じ得る曲率半径の意味である。したがって、得られた湾曲した焼成済みセラミック電解質シートは、破壊を伴わずにさらに曲げたり、真直ぐにしたり、反対側に曲げたりすることができる。
電解質シートの可撓性は、層の厚さおよびその襞の幾何学的構造に大部分が左右され、それ故に、特定の用途に合わせて調整可能である。一般的に、電解質シートが厚くなる程可撓性は低くなる。或る実施の形態においては、強化されかつ硬化された焼成済み電解質シート10が、破壊されることなしに10mm未満の曲率半径に曲げることが可能な点まで可撓性を有する。このような可撓性は、電解質シート10が、熱膨張係数および/または熱的質量の異なる電極および/またはフレームとともに用いられるときに効果を生じる。
電解質シート10を波型にすることは、電解質シート10の焼成に先立って種々の手段によって達成可能である。例えば、波型の応力除去領域を備えた電解質シート10は、下記の諸ステップによって、すなわち、負イオン(例えばO)を導く中実のプレ・セラミック材料(例えば、ジルコニア・3モル%イットリア、ここでは3YSZと呼ぶ)を提供し、複数の襞を形成し、これにより少なくとも一つの応力除去領域を生成させ、生のシートを焼成して、波型パターンを備えた中実のイオン導通性電解質シート10を提供することによって生産することができる。上記焼成は1000℃を超える、より好ましくは1300℃を超える温度で約1〜3時間行われることが好ましい。例えば、電解質シート10の作成方法は、(a)プレ・セラミックシートを提供し、(b)この未焼成プレ・セラミックシートを、少なくとも一つの共通中央領域の周囲に配列された多数の襞を含む波型パターンを備えるようにパターン化し、(c)波型の生のプレ・セラミックシートを焼成して、多数の襞を備えた波型表面を有するほぼ非多孔質の電解質シートを提供する諸ステップを含む。
上記波型パターン化ステップは、例えば生のシートを適当な金型またはダイに配置したときに成形またはエンボス加工によって、所望の表面襞または襞を備えたセル構造を形成することにより達成される。あるいは、十分に薄いセラミックシートを、融点未満の高い温度における超塑性変形を通じて矯正することもできる。しかしながら、生のシートの焼成に先立って室温(20℃)またはその近傍において再成形する工程を通じて、より効果的かつより経済的な電解質シートパターン化を達成することができる。しかしながら、電解質シートを、より高い温度、例えば50℃、75℃、100℃、150℃または200℃においてパターン化することも可能である。
可撓性セラミックに所望のパターンを生成させるにはいくつかの方法がある。一つの方法は、成形された、しかしながら焼成されていないシートまたはテープをエンボス加工ローラに通す方法である。これらのローラ105,105′には襞が付されている。これは図16に概略的に示されている。ローラ105,105′の山の領域が生のセラミックを伸ばしまたは押し潰し、或る領域を薄くする。厚さが15から30μmの生のプレ・セラミックシートを加工する場合、生のプレ・セラミック材料を生のシートよりも厚い基板上の二つのローラの間に通すことが好ましい。生のシートは、エンボス加工時に2枚のポリマー支持シート間に挟んでもよい。
好ましい電解質シート10は、イオン・コンダクタ、好ましくは部分安定化ジルコニアまたは安定化ジルコニアのような酸素イオン・コンダクタからなる群から選ばれた多結晶セラミックから形成されるのが好ましく、部分安定化ジルコニアまたは安定化ジルコニアは、Y,Ce,Ca,Mg,Sc,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,In,Ti,Sn,Nb,Ta,Mo,Wの酸化物およびそれらの混合物を含む群から選ばれたドーパントがドープされたものである。正方晶、単斜晶、および/または三方晶およびそれらの組合せのようなジルコニアの結晶形はすべてこの構造材料の重要な物理的パラメータである。部分安定化ジルコニアが用いられることは、その転移強化特性から最も好ましい。正方晶相は応力の下で単斜晶相に転移し、ひびの形成および伝播を効果的に防止する。より好ましい安定化ドーパントは、Y,Yb,Ca,MgまたはScである。これらドーパントのうちのSc,YbおよびYは、優れたイオン導電度を有する。当業者が周知の或る強化剤を選択することによってセラミックシートを強化することができる。特に有用かつ好ましい強化剤はタンタルおよびニオブの酸化物で、これらは上述の安定剤に効果的に添加することができる。
生の3YSZシートの調製は、適当なセラミックスリップの注型の形態で行なうことができる。このようなスリップの一つが下記の実施例に記載されている。
実施例1−セラミックスリップの調製
下記の表1に示された構成要素を用いて100グラムのジルコニア粉末を含むセラミックスリップを作成した。
Figure 0005132562
全ての原料のボトルは、水分の吸収を軽減するために、使用するまで蓋を固く閉じた状態に保っておく。250ml入りNalgene(登録商標)ポリエチレンプラスチック製容器を約10〜20mlのエタノールまたはメタノールで二度濯ぐことによって清潔にする。次に上記容器を70℃の乾燥炉内に配置してアルコールを蒸発させる。乾燥後、この蓋付きの容器を秤量する。ジルコニア粉末を秤量容器内で秤量して傍らに置く。エタノールをピペットで取り、乾燥された「Nalgene」容器内に入れる。次に1−ブタノールをこのプラスチック製容器内に入れる。それから、プロピレングリコールをピペットでこの容器内にピペットで入れる。最後に、水を、次いでEmphos PS-21A をこの容器内にピペットで入れる。約450グラムの10mm Tosoh TZP-3Y 粉砕媒体を秤量し、その重量を記録する。次にこの媒体を上記容器に入れ、容器を穏やかに揺さぶる。次にジルコニア粉末を秤量容器から加える。容器の蓋を元通り固く締める。蓋を閉めた容器を再秤量し、溶剤、粉末および分散剤の総重量を計算する。次にスリップを振動ミルで72時間混練し、その後スリップの粘度を測定する。
粗い粒子を取り除き、かつスリップ中の粒子サイズ分布を狭めるために、沈殿ステップを2回行なう。この沈殿操作を2回繰り返すことにより、許容範囲内の材料損失で良好な粒子サイズ分布が提供される。
蓋付きの第2の125ml入り「Nalgene」プラスチック製容器を上述のように洗浄しかつ乾燥させる。この蓋付きの第2の容器を秤量し、その重量を記録する。上記混練容器からのスリップを第2の容器内に注入し、粉砕媒体は最初の容器内に残す。次にスリップの入った蓋付きの第2の容器を秤量する。スリップの粗い粒子を72時間沈殿させる。蓋付きの第3の容器を洗浄し、乾燥させ、秤量し、かつその重量を記録する。如何なる沈殿物をも拾わないように注意を払って、沈殿していないスリップをピペットで第3の容器内に入れる。ピペットで入れられたスリップ入りの第3の容器を蓋とともに秤量する。次にこのスリップをさらに24時間沈殿させる。第2の容器内の残留物/沈殿物を通気された90℃の炉内で少なくとも3時間乾燥させ、乾燥された残存物および蓋付き容器を秤量する。
蓋付きの第4の125ml入りプラスチック製容器を上述のように洗浄しかつ乾燥させる。この蓋付きの第4の容器を秤量し、その重量を記録する。再び、如何なる沈殿残存物をも拾わないように注意を払って、第3の容器からの(24時間沈殿せしめられた)スリップをピペットで第4の容器内に入れる。スリップの入った第4の容器を蓋とともに秤量し、その重量を記録する。第3の容器内の残存物を上述と同様に乾燥させ、次いで秤量する。記録された重量から、どの位のセラミックが第4の容器内に残っているかを測定することができる。
残っているスリップ中に存在しているセラミック粉末に、弱い凝集剤、氷酢酸、可塑剤およびバインダを加える。凝集およびバインディングに用いられる成分は、残存しているセラミック粉末の重量に加える重量%で下記の表2に報告されている。
Figure 0005132562
イソプロピルアルコール中の氷酢酸の50/50重量%溶液を作成する。2重量%(残存するセラミック粉末の重量に加える)のこの溶液を第4の容器内のスリップにピペットで注入する。蓋を閉め容器を穏やかに揺さぶる。
次に、3.5重量%(残存するセラミック粉末の重量に加える)のフタル酸ジブチルを第4の容器内のスリップにピペットで注入する。蓋を閉め容器を穏やかに揺さぶる。秤量容器を用いて、6重量%(残存するセラミック粉末の)のポリビニルブチラールを秤量しスリップに加える。蓋を閉め容器を穏やかに揺さぶる。次にこの容器を塗料シェーカ形式の装置上に少なくとも15分間配置して、上記バインダを完全に溶かす。2個の清潔な粉砕媒体を容器内に入れ、この容器を低速のロールミルに3日間配置する。
上記スリップをテフロン(登録商標)基板またはフィルム上で注型し、次いで約5〜30分間乾燥させる。もし生フィルムをあまりにも早く(例えば1分未満)乾燥させると、焼成時にセラミックシートがカールするであろう。生のシートを乾燥させた後、生のシートと型との間の薄い「テフロン」とともに75℃〜150℃、好ましくは120℃に加熱された金型またはプラスチック型上で真空成形することができる。型のエッジには、排気通路または排気のための小さいパーフォレーションが備えられている。「テフロン」コーティングもまた型の排気通路に整合した小孔を備えている。真空ポンプが排気ピンを通じて減圧して生のシートを型上に吸引し、所望の波型パターンを形成する。
厚さ25μmの第2の「テフロン」シートを注意深く生のセラミックシート上に乗せ、下側の「テフロン」における全てのピンホールおよびその他の排気孔または排気通路を覆う。生のセラミックシートに波型を形成した後、真空ポンプを停止させ、生のセラミックシートを、最初に「テフロン」を、次にセラミックの順に注意深く剥がす。波型の挫屈および変形を避けるべく努めなければならない。次にセラミックシートを所定のサイズに切り取り、焼成する。あるいは、上側の「テフロン」をセラミックシート上に乗せた後、ポリマーガスケットを備えた第2の第2の圧力室を「テフロン」シート上に乗せる。このガスケットは、セラミックシートの波型に当たらないように波型領域の外側にある。上記圧力室を空気またはNで数秒間、105〜315kPa(15〜45psi)で加圧する。加圧を止め、上側の「テフロン」を、次にセラミックシートを剥がす。この技法は、ロール・トウ・ロール処理を用いて容易に自動化することができる。
実施例
本発明は下記の実施例によってさらに明確になるであろう。
図1の電解質シートを下記の通り作成した。すなわち、
(1)濾過された清潔な雰囲気中で厚さ125μmの「テフロン」フィルムをガラス板上に平らに伸ばし、このガラス板にテープで取り付け、
(2)50μmのギャップと15cmの幅とを備えたドクタ・ブレードを用いて、「テフロン」でコーティングされた布の上にジルコニア・3モル%イットリア粉末からなるスリップをコーティングして、生のプレ・セラミックシートを形成し、
(3)この生のシートを室温でプラスチックカバーの下で30分間乾燥させた。このプラスチックカバーは、セラミックシートの幅に沿って約2mmのギャップを有するが長いエッジに沿うギャップはなしに乾燥させている生のプレ・セラミックシートを包み、
(4)次にこの生のシートを60℃の炉内で1時間乾燥させ、
(5)この生のシートを、例えば図6の電解質シート10に対応する波型パターンを有する型により上述した真空成形法を用いて波型を付し、
(6)最後に、波型を付された生のシートを1430℃で2時間焼成した。
焼成後、電解質シート10の波型を肉眼で観察した。目視によると、襞30の最大高さは約1mmで、これら襞は図1に示された波型パターンに配列されていた。
図8のような多セルパターンを与えるために、焼成された電解質シート10の平坦部分上に(すなわち、襞30間に位置する共通中央領域上に)陽極インクをスクリーン印刷した。150℃で約数分間乾燥させた後、シート上に印刷された陽極を約1350℃と1450℃の間の温度で30分から2時間焼成した。
本発明の精神および範囲から離れることなしに種々の変形、変更が可能なことは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内で提供される本発明の変形、変更を意図するものである。
本発明の一実施の形態の電解質シートの概略的斜視図 図1の電解質シートの概略的平面図 図1の3−3線に沿った電解質シートの概略的断面図 本発明による電解質シートの第2の実施の形態の概略的斜視図 図4の電解質シートの第2の実施の形態の概略的平面図 本発明による電解質シートの第3の実施の形態の概略的平面図 フレームに取り付けられた図6の電解質シートを含む電解質素子の概略的側面図 本発明による電解質シートの第4の実施の形態の概略的平面図 種々の襞の構造を概略的に示す図 種々の襞の構造を概略的に示す図 種々の襞の構造を概略的に示す図 本発明による電解質シートの第5の実施の形態の概略的斜視図 図12の電解質シートの一つの単位セルを概略的に示す図 六角形をもって配列された4個の単位セルを概略的に示す平面図 本発明による電解質シートの第6の実施の形態を概略的に示す平面図 図14の電解質シートの断面図 波型電解質シートの作成方法を概略的に示す図
符号の説明
10 電解質シート
22 応力除去領域
25 共通中央領域
30,30′,30″ 襞
31 襞の縦軸線
35 単位セル
42 封止材
52,54 電極
56 バイアホール
105,105′ ローラ

Claims (13)

  1. 閉塞された気泡を有しておらず、有孔率が5%未満である非多孔質の本体を備えた電解質シートであって、
    該電解質シートの少なくとも一部に少なくとも一つの応力除去領域を有し、
    前記応力除去領域は、前記電解質シートの中央に設けられた共通中央領域を取り囲む少なくとも二組の襞を備え、第1組の襞は、前記共通中央領域に向かって縦に延びるように配列され、第2組の襞は、前記電解質シートのエッジの輪郭に沿って延びていることを特徴とする電解質シート。
  2. 前記電解質シートは、5μmを超え100μm未満の平均厚さを有することを特徴とする請求項1記載の電解質シート。
  3. 前記平均厚さが25μm未満であることを特徴とする請求項記載の電解質シート。
  4. 請求項1記載の電解質シートを含む固体酸化物燃料電池素子であって、少なくとも1個の陽極および少なくとも1個の陰極をさらに備え、前記電解質シートならびに陽極および陰極を含む全体の厚さが150μm未満であることを特徴とする固体酸化物燃料電池素子。
  5. 複数の陽極/陰極対を備えていることを特徴とする請求項記載の固体酸化物燃料電池素子。
  6. 前記電解質シートは、厚みが45μm未満であり、この電解質シートの厚さtに対する前記襞の高さHの比が2以上であることを特徴とする請求項1記載の電解質シート。
  7. 前記電解質シートは、この電解質シートの厚さの1/2未満の深さを有する細かい織り目のぎざぎざを有するものであることを特徴とする請求項1、2、3、6のいずれか1項記載の電解質シート。
  8. 閉塞された気泡を有しておらず、有孔率が5%未満である非多孔質の本体を備えた電解質シートであって、該電解質シートの少なくとも一部に少なくとも一つの応力除去領域を有し、
    該応力除去領域は、多数の単位セルを配してなるものであり、
    各単位セルは、ドーム形状をなすものであって、該ドームの頂上部に平坦な共通中央領域が形成されており、かつ、前記ドームの中腹部に前記共通中央領域からこのドームの麓部へ向かって延びる襞が形成されているものであることを特徴とする電解質シート。
  9. 前記単位セルが周期的な態様で配列されていることを特徴とする請求項8記載の電解質シート。
  10. 前記ドームの前記麓部から前記頂上部までの高さDが3mm未満であることを特徴とする請求項8または9記載の電解質シート。
  11. 前記襞の山から谷までの平均高さHが、前記ドームの前記麓部から前記頂上部までの高さDの1/2以下であることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載の電解質シート。
  12. 前記第1組の襞が前記第2組の襞よりも外側に配列されたものであることを特徴とする請求項1、2、3、6、7のいずれか1項記載の電解質シート。
  13. 前記電解質シートが四角形状をなすものであることを特徴とする請求項1、2、3、6、7、12のいずれか1項記載の電解質シート。
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