以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施の形態の撮像装置は、光電変換によって画像信号を得る撮像素子を含む撮像ユニットの手ぶれ補正を行うための駆動装置を搭載したものであり、ここでは、一例としてレンズ交換可能な一眼レフレックス式電子カメラ(デジタルカメラ)への適用例として説明する。
まず、図1を参照して本実施の形態のデジタルカメラ(以下、カメラと記載する)のシステム構成例について説明する。なお、図1は、本実施の形態のカメラのシステム構成を概略的に示すブロック図である。
本実施の形態のカメラは、撮像装置としてカメラ本体を有するボディユニット100と、アクセサリ装置の一つである交換レンズとしてのレンズユニット10とによりカメラシステムを構成している。
レンズユニット10は、ボディユニット100の前面に設けられた図示しないレンズマウントを介して着脱自在である。レンズユニット10の制御は、自身が有するレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lμcomと記載する)5が行う。ボディユニット100の制御は、ボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bμcomと記載する)50が行う。これらLμcom5とBμcom50とは、ボディユニット100にレンズユニット10を装着した状態において、通信コネクタ6を介して通信可能に電気的に接続される。そして、カメラシステムとして、Lμcom5がBμcom50に従属的に協働しながら稼動するように構成されている。
レンズユニット10は、撮影レンズ光軸OL 上に配される撮影レンズ1と絞り3とを備えている。撮影レンズ1は、レンズ駆動機構2内に設けられた図示しないDCモータによって駆動される。絞り3は、絞り駆動機構4内に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動される。Lμcom5は、Bμcom50の指令に基づいてこれら各モータを制御する。
ボディユニット100内には、以下のような構成部材が図1の如く配設されている。例えば、光学系としての一眼レフ方式の構成部材(ペンタプリズム12、クイックリターンミラー11、接眼レンズ13、サブミラー11aからなる)と、撮影レンズ光軸OL 上のフォーカルプレーン式のシャッター15と、サブミラー11aからの反射光束を受けてデフォーカス量を検出するためのAFセンサユニット16が設けられている。
また、AFセンサユニット16を駆動制御するAFセンサ駆動回路17と、クイックリターンミラー11を駆動制御するミラー駆動機構18と、シャッター15の先幕と後幕を駆動するばねをチャージするシャッターチャージ機構19と、これら先幕と後幕の動きを制御するシャッター制御回路20と、ペンタプリズム12からの光束を検出する測光センサ21aに基づき測光処理を行う測光回路21が設けられている。
撮影レンズ光軸OL 上には、上述の光学系を通過した被写体像を光電変換するための撮像ユニット30が設けられている。撮像ユニット30は、撮像光軸OC を有する撮像素子であるCCD31やその前面に配設された光学ローパスフィルタ(LPF)32、防塵フィルタ33をユニットとして一体化してなるものである。防塵フィルタ33の周縁部には、圧電素子34が取り付けられている(図2)。圧電素子34は、2つの電極を有しており、防塵フィルタ制御回路48によって圧電素子34を所定の周波数で振動させることで防塵フィルタ33を振動させ、フィルタ表面に付着した塵を除去し得るように構成されている。この撮像ユニット30は、後述する手ぶれ補正用駆動装置である防振ユニット300に搭載される(図7)。
また、本実施の形態のカメラシステムは、CCD31に接続したCCDインターフェース回路23と、液晶モニタ24、記憶領域として機能するSDRAM25、FlashROM26などを利用して画像処理する画像処理コントローラ28とを備え、電子撮像機能とともに電子記録表示機能を提供できるように構成されている。ここで、記録メディア27は、各種のメモリカードや外付けのHDD等の外部記録媒体であり、通信コネクタを介してカメラ本体と通信可能かつ交換可能に装着される。そして、この記録メディア27に撮影により得られた画像データが記録される。その他の記憶領域としては、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する、例えば、EEPROMからなる不揮発性メモリ29がBμcom50からアクセス可能に設けられている。
Bμcom50には、当該カメラの動作状態を表示出力によってユーザヘ告知するための動作表示用LCD51および動作表示用LED51aと、カメラ操作スイッチ(以下、スイッチは、SWと記載する)52とが設けられている。カメラ操作SW52は、例えばレリーズSW、モード変更SWおよびパワーSWなど、当該カメラを操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群である。さらに、電源としての電池54と、電池54の電圧を、当該カメラシステムを構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路53が設けられ、外部電源からジャックを介して電流が供給されたときの電圧変化を検知する電圧検出回路も設けられている。
上述のように構成されたカメラシステムの各部は、概略的には以下のように稼動する。まず、画像処理コントローラ28は、Bμcom50の指令に従ってCCDインターフェース回路23を制御してCCD31から画像データを取り込む。この画像データは画像処理コントローラ28でビデオ信号に変換され、液晶モニタ24で出力表示される。ユーザは、この液晶モニタ24の表示画像から、撮影した画像イメージを確認できる。
SDRAM25は、画像データの一時的保管用メモリであり、画像データが変換される際のワークエリアなどに使用される。また、画像データは、JPEGデータに変換された後、記録メディア27に保管される。
ミラー駆動機構18は、クイックリターンミラー11をアップ位置とダウン位置へ駆動するための機構であり、このクイックリターンミラー11がダウン位置にある時、撮影レンズ1からの光束は、AFセンサユニット16側とペンタプリズム12側へと分割されて導かれる。AFセンサユニット16内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路17を介してBμcom50へ送信されて周知の測距処理が行われる。一方、ペンタプリズム12を通過した光束の一部は測光回路21内の測光センサ21aへ導かれ、ここで検知された光量に基づき周知の測光処理が行われる。
次に、防振ユニット300に搭載されるCCD31を含む撮像ユニット30について、図2を参照して説明する。なお、図2は、撮像ユニット30の構成例を示す縦断側面図である。
撮像ユニット30は、撮影光学系を透過し自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子としてのCCD31と、CCD31の光電変換面側に配設され、撮影光学系を透過して照射される被写体光束から高周波成分を取り除く光学ローパスフィルタ(LPF)32と、この光学LPF32の前面側において所定間隔をあけて対向配置された防塵フィルタ33と、この防塵フィルタ33の周縁部に配設されて防塵フィルタ33に対して所定の振動を与えるための圧電素子34とを備える。なお、CCD31の光電変換面上の光軸を撮像光軸OC とする。勿論、撮像光軸OC は、撮影レンズ光軸OL (Z方向)と平行である。
CCD31のCCDチップ31aは、固定板35上に配設されたFPC(フレキシブル基板)31bに直接、実装され、FPC31bの両端から出た接続部31c,31dが主回路基板36に設けられたコネクタ36a,36bを介して主回路基板36側と接続されている。また、CCD31が有する保護ガラス31eは、スペーサ31fを介してFPC31b上に固着されている。
CCD31と光学LPF32との間には、弾性部材等からなるフィルタ受け部材37が配設されている。このフィルタ受け部材37は、CCD31の前面側周縁部で光電変換面の有効範囲を避ける位置に配設され、かつ、光学LPF32の背面側周縁部の近傍に当接することで、CCD31と光学LPF32との間を略気密性が保持されるように構成されている。そして、CCD31と光学LPF32とを気密的に覆うホルダ38が配設されている。ホルダ38は、撮像光軸OC 周りの略中央部分に矩形状の開口38kを有し、この開口38kの防塵フィルタ33側の内周縁部には断面が略L宇形状の段部38mが形成され、開口38kに対してその後方側から光学LPF32およびCCD31が配設されている。光学LPF32の前面側周縁部を段部38mに対して略気密的に接触させるように配置することで、光学LPF32は、段部38mによって撮像光軸OC 方向(Z方向)の位置規制がなされ、ホルダ38の内部から前面側に対する抜け止めがなされる。
一方、ホルダ38の前面側の周縁部には、防塵フィルタ33を光学LPF32の前面に所定間隔あけて保持するために段部38m周りで段部38mよりも前面側に突出させた防塵フィルタ受け部38nが全周に亘って形成されている。全体として円形ないしは多角形の板状に形成された防塵フィルタ33は、板ばね等の弾性体で形成される部材であって、ビス39で防塵フィルタ受け部38nに固定された押圧部材40により押圧状態で防塵フィルタ受け部38nに支持される。防塵フィルタ33の背面側の外周縁部に配設された圧電素子34部分には、防塵フィルタ受け部38nとの間に環状のシール41が介在され、気密状態が確保されている。撮像ユニット30は、このようにしてCCD31を搭載する所望の大きさに形成されたホルダ38を備えた気密構造を有している。
本実施の形態のカメラは、ボディユニット100の撮影時に生じた手ぶれを補償するように撮像素子であるCCD31を上記手ぶれに応じて移動させ、手ぶれのない撮影画像を得る手ぶれ補正機能を有している。そこで、上記カメラにおいては、撮影レンズ光軸OL (または、撮像光軸OC )の方向をZ方向として、該Z方向と直交する平面(XY平面)内にて互いに直交する第一の方向をX方向とし、第二の方向をY方向とした場合、撮像ユニット30のCCD31を、上記X方向およびY方向にぶれを補償するように変位移動させるための手ぶれ補正用駆動装置である防振ユニット300(図3)が適用される。そして、防振ユニット300においては、所定の周波電圧を上記駆動装置の駆動源となる振動子に印加することにより振動子の駆動子に楕円振動を発生させることによって、撮像ユニット30のCCD31を搭載する移動対象物としてのホルダ38が変位駆動される。
ここで、本実施の形態のカメラの手ぶれ補正用の駆動装置で駆動源として用いる上記振動子の動作原理について図3〜6を用いて説明する。なお、図3は、振動子の模式図である。図4(A)〜(C)は、上記振動子の動作原理を示す模式図である。図5(A)〜(D)および図6(A)〜(D)は、上記振動子の振動過程を示す模式図である。
図3に示すように振動子200は、所定の大きさで直方体に形成された圧電体201と、この圧電体201の片面側に片寄らせて分極により中心対称に形成された一対の駆動領域202,203と、駆動領域202,203に対応する圧電体201の表面位置に設けられた駆動部としての駆動子204,205とを備える。
駆動領域に電圧を印加しない図4(B)の状態(振動子長さL)から駆動領域202に+の電圧を印加すると、図4(A)に示すように、分極された駆動領域202部分が伸びるように変形する一方、その背面側の圧電体201部分は伸びるように変形しないので全体として円弧状に変形する。逆に、駆動領域202に−の電圧を印加すると、図4(C)に示すように、分極構造の駆動領域202部分が縮むように変形する一方、その背面側の圧電体201部分は縮まないので全体として、図4(A)とは逆向きの円弧状に変形する。駆動領域203側でも同様である。
駆動子204,205の表面に楕円振動を発生させるには、圧電体201の分極された一方の駆動領域202に所定周波数の正弦波による周波電圧を印加するととともに、他方の駆動領域203に対して駆動領域202に印加する周波電圧の周波数と同じ周波数で位相のずれた正弦波による周波電圧を印加する。印加する周波電圧の周波数は、圧電体201の中央が屈曲振動の節N0 となり、駆動子204,205部分が屈曲振動の腹となり、かつ、圧電体201の縦振動の節が屈曲振動の節と一致するような所定の数値に設定する。
印加する周波電圧の+,−の変化に伴い、振動子200は、図5(A)〜(D)と図6(A)〜(D)に示す屈曲振動と縦振動が合成された振動を繰り返し、駆動子204,205の表面にはそれぞれ楕円振動E1 ,E2 が発生する。よって、ホルダ206を介して振動子200の駆動子204,205側を駆動対象となる移動体207に押圧接触させて配設することで、移動体207は、駆動子204,205の表面に生ずる楕円振動E1 ,E2 の向きに従い移動することとなる。
この際、駆動領域202,203に印加する周波電圧の位相差を変えることで、駆動子204,205の表面に発生する楕円振動E1 ,E2 の形状を変えることが可能であり、これにより振動子200に駆動されて移動する移動体の移動速度を変えることができる。例えば、周波電圧の位相差が0°であれば、速度は0であるが、位相差を増やすと速度は次第に上がり、位相差90°で最大速度となる。また、位相差90°を超えて大きくすると逆に速度は次第に下がり、位相差180°では再び速度0となる。位相差を負の値にすると、駆動子204,205に発生する楕円振動E1 ,E2 の回転方向が逆転し、移動体を逆方向に駆動することが可能となる。この場合も、位相差−90°のときに最大速度となる。
本実施形態のカメラに組み込まれ、上述した振動子を駆動源とする手ぶれ補正用駆動装置である防振ユニット300の構成、作用について、図7〜17を参照して説明する。
なお、図7は、本実施形態の防振ユニットの構成例を示す正面図である。図8は、防振ユニットの駆動源を含むX軸駆動機構部の分解斜視図である。図9は、図7のA−A断面図である。但し、上ケースの一部は、非断面状態とする。図10は、図9のH−H断面図である。図11は、図9のI−I断面図である。図12は、図9のJ−J断面図である。図13は、図7のB−B断面図である。図14は、図7のC−C断面図である。図15は、図7のD−D断面、または、E−E断面を示す図である。図16は、図7のF−F断面図である。図17は、図7のG−G断面図である。更に、図18は、図9のJ−J断面で示されるロッドの回転変位状態を示 す図である。図19は、ロッドの共振状態(屈曲振動)の振幅を拡大して示した概念図である。
防振ユニット300は、前述した光学LPF32、防塵フィルタ33等ともに撮像素子であるCCD31等からなる撮像ユニット30(図2)を搭載した移動枠(第二のフレーム)としてのホルダ38をX方向およびY方向に移動させる最終的な移動対象物とするものである。
ホルダ38は、固定枠(第一のフレーム)であるフレーム302に対して後述するX軸駆動機構部310xおよびY軸駆動機構部310yによりX方向及びY方向に移動可能に支持され、かつ、フレーム302との間に設けた転動体であるボール(A)381、ボール(B)382、ボール(C)383を挟み込むことでZ方向の位置規制がなされている(図14,15)。
防振ユニット300は、ホルダ38をフレーム302に対してX方向に変位移動させるX軸駆動機構部310xと、ホルダ38をY方向に変位移動させるY軸駆動機構部310yとを備え、X方向、Y方向に独立に動作させることにより、ホルダ38に搭載されたCCD31はXY平面内でX方向およびY方向にぶれを補償するように変位駆動される。
ここで、X方向の単軸駆動機構(第一の振動ユニット)を形成するX軸駆動機構部310xの構成について詳細に説明するが、Y方向の単軸駆動機構(第二の振動ユニット)を形成するY軸駆動機構部310yも基本構造はX軸駆動機構部310xと同様であり、以下、X軸駆動機構部310xについて詳しく説明する。なお、各図中、X軸駆動機構部310xの各構成部材には各符号に添え字xを付して示し、Y軸駆動機構部310yの対応する各構成部材には同一符号に添え字yを付して示す。
X軸駆動機構部310xは、上ケース360xと、圧電体323xおよび駆動子321x,322xからなる第一の振動子であるX軸振動子320xと、ロッド本体331xおよび摺動板336xからなるX方向に移動可能な移動体(第一の軸部材)であるロッド330xと、X軸振動子320xを摺動板336x側に付勢する付勢手段である押圧機構350xと、下ケース340xとを備えている。
X軸振動子320xにおいては、図4〜6で説明した振動子200の動作原理に従い、振動子駆動回路64(図1)で発生される所定の周波電圧が接続用FPC(フレキシブルケーブル基板)326xを通して圧電体323xに印加され、矩形状の圧電体323xの片面に配される駆動部である駆動子321x,322xに楕円振動が発生する。駆動子321x,322xに生じる楕円振動により、X方向の駆動力が得られる。
X軸振動子320xには圧電体323xの駆動子321x,322xと相反する側の中央位置にコの字形状の振動子ホルダ324xが固着されている。このX軸振動子320xは、図8,10に示すように振動子ホルダ324xに形成された両側突起324xcが下ケース340xの保持部である溝340xcに嵌合することで、X方向の移動が規制され、更に、振動子ホルダ324xの側面が下ケース340xの内壁340xaに嵌合することで、Y方向の移動が規制されて下ケース340xに保持されている。
また、ロッド330xは、全体が略円柱形状をなし、厳密にはDカット円形断面をもつ被ガイド部であるロッド本体331x上に形成された平面部331xaに摺動部である摺動板336xが固着されている。X軸振動子320xの駆動子321x,322xがロッド330x側に押圧され、摺動板336xに接触している。なお、摺動板336xとロッド本体331xの固着は接着によるとするが、ビス等で締結してもよく、さらには高剛性と耐摩耗性とを合わせ持つ材料であればロッド本体と一体の材料で形成しても良く、固定方式は、特に問わない。ロッド本体331xは、剛性の高いステンレスやフェライト系ステンレスの焼入れ材が好ましく、摺動板336xは耐磨耗性を有して剛性の高いセラミックス等の材質で形成され、ロッド330xの剛性を高めてある。このように剛性を高めることで、小型で高い出力を発生することが可能な移動体であるロッド330xを実現でき、また、後で述べるように構造体としても機能し、さらに精度を上げると同時に、枠部材をより小型にすることが可能となる。
また、ロッド本体331xは、摺動板336xが固着された平面部331xaとは反対の側の外周に円弧状の2列の溝331xbに転動体であるボール335xを2つずつ、計4つで保持し、ボール335xは下ケース340xに設けたX方向に沿わせたU字溝340xfの側面と底面で支持され、X振動子320xを摺動板336xに押圧することにより、X方向にロッド本体331xが下ケース340xと相対移動可能に位置決めされている。一方、下ケース340xは、フレーム302の上面302dにビス344xで固定されているのでロッド330xとフレーム302はX方向に相対移動が可能である(図9)。
なお、転動体としてのボール335xは、これに限らず、ローラであってもよい。但し、ローラの場合は、下ケース340xに設けるX軸に沿ったU字溝340xfに替えて角部2箇所に該ローラを受ける斜面を形成し、該斜面とロッド330xとの間に上記ローラを配置する必要がある。
押圧機構350xは、上ケース360xの内部上方に挿入される板バネ352xと、板バネ352xの端部を押圧する調節ビス354xと、調節ビス押圧量を調節するための調節ワッシャ353xと、上ケース360xに配されるビス穴(ビス螺合用ネジ穴)360xdとからなる。
板バネ352xは、図8,10に示すようにX方向に延びる弾性変形可能な略真直な板バネであり、両端に幅方向の凸部352xbと、中央幅方向に突出する位置決め凸部352xcとを有している。この板バネ352xは、上ケース360xの内部上方に挿入され、両端の凸部352xbが上ケース360xの内壁360xaに嵌合し、Y方向の位置決めと回転が規制される。更に、位置決め凸部352xcを上ケース360xの上部切り欠き360xcに嵌入させてX方向の位置決めがなされる。
上ケース360xのビス穴360xdに対して調節ワッシャ353xを挿入した状態で2本の調節ビス354xを螺合し、該ビスの先端でX方向対称な板バネ352xの両端部を下方に押圧する。板バネ352xの両端部の押圧変位により、板バネ中央下面押圧部にてゴム等の振動吸収材で形成された防振シート351xを介してX軸振動子320x側の振動子ホルダ324xの凸状押圧部324xbを押圧し、振動子ホルダ324xによりX軸振動子320xが押圧される。その押圧力によってX軸振動子320xの駆動子321x,322xが摺動板336xに当接する。
板バネ352xの押圧変位量は、調節ワッシャ353xの厚みを変えることで変化し、該振動子押圧力の調整ができる。この押圧機構350xによる振動子押圧力量は、15N(ニュートン)程度の非常に大きな力に設定される。
なお、上ケース360xは逆U宇形状で、X方向両端立下り部に両側面に2つずつ、4箇所に矩形穴360xbを設けている。一方、下ケース340xには上記矩形穴360xbに対応した位置に各々突起340xbが設けられている(図8,9)。上ケース360xと下ケース340xとは、板バネ352xやX軸振動子320x等を組み込んだ状態で内壁面と外面を嵌合させて組み付け、上ケース矩形穴360xbと突起340xbとを係合させると(図11)、下ケース340xに対する上ケース360xの相対組み付け位置が決まる。
また、上ケース360xおよび下ケース340xには、それぞれ一方の側面部に切り欠き360xeおよび340xeが設けられている(図8)。これらの切り欠き部は、上述した上、下ケースの組み付け状態でX軸振動子320xの上面に接続される接続用FPC326xを挿通させるための切り欠きとなる。
Y軸駆動機構部310yも前述したように基本構造は、X軸駆動機構部310xと同様であり(図13参照)、その詳細な説明は省略するが、X軸駆動機構部310x側の上、下ケース360x,340xやX軸振動子320xは、フレーム302に対する固定部材となり、X軸振動子320xの駆動力によって移動体であるロッド330xがX方向に移動する。それに対してY軸駆動機構部310yでは、移動体(第二の軸部材)であるロッド330yがフレーム302に対してY軸移動方向での固定側となり、第二の振動子であるY軸振動子320y、下ケース340y、押圧機構350y、上ケース360yが移動部材となる。従って、下ケース340yに固定されているホルダ38も移動部材となる。
なお、ロツド330xとロッド330yは、端部が軸結合体であるロッド結合体370の嵌合穴370a,370bに嵌入し、接着固定され、互いの中心軸が直交するように支持されている。従って、X軸駆動機構部310xによってロッド330xがX方向に駆動された場合は、ロッド330xに結合体370で結合されたロッド330yはロッド330xと一体的にX方向に移動し、ロッド330yに押圧支持されている上、下ケース360y,340y、更に、下ケース340yが固定されているホルダ38もX方向に移動する。更に、Y軸駆動機構部310yによってロッド330yが相対的に駆動された場合、ホルダ38は、Y方向に移動する。
ロッド330xは、図18の破線(摺動板336x′の位置)で示すように下ケース360xに対して溝331xbの円筒面中心(ロッド330xの回転の軸心330xO)に回転可能である。ロッド330xにロッド結合体370で結合されているロッド330yも一体に回転可能である。ロッド330yは、下ケース340yにボール335yを介して押圧支持されており、下ケース340yは、ホルダ38にビス344yで固定されている。ホルダ38は、ロッド330yと一体の状態でロッド330xの軸心に周りに回転可能である。
一方、図7,14に示すようにロッド330yの軸心とフレーム302のボール受け302aに配置されたボール(A)381の中心とが一致する状態でホルダ38が支持されており、ボール(A)381によってロッド330yのロッド330xの軸心まわりの回転が止められた状態で、ロッド330yの軸心は、フレーム302のボール受け302aの平面と平行に保たれる。
また、Y軸駆動機構部310yではロッド330yの軸心に対して回転可能であるが、ロッド330yは下ケース340yにボール335yを介して押圧支持されており、下ケース340yはホルダ38にビス344yで固定されているので、ホルダ38は、ロッド330yの軸心まわりに回転可能な状態にある。そこで、ロッド330yの中心軸から離れた位置、例えば、ロッド結合体370と該係合体近傍にあるボール(C)383との延長線上であって、CCD31の中心を超えた位置にフレーム302のボール受け302bを設け、ホルダ38を受けるボール(B)382を配して、ホルダ38のロッド330yの中心軸回りの回転を規制している(図7,15)。
そして、ロッド330xを位置決めしている下ケース340xがフレーム302に固定されているので、フレーム302に対するロッド330xのZ方向位置が決り、フレーム302に配置されたボール(A)381、ボール(B)382でホルダ38を支持することで、ホルダ38は、Z方向の正確な位置でCCD31の装着面がXY平面に平行な状態を保ってスライド可能に支持される。
また、フレーム302のボール受け302cとホルダ38の間に配されるボール(C)383は、ロッド330x,330yの軸心の交点(ロッド結合体370の位置)により近い位置に配されており、ホルダ38をX方向、Y方向に移動させたときに異常な負荷等の発生でホルダ38に異常な回転力が加わった場合、ホルダ38を傾かせないための補助的な支持を行うようにしている(図7,15)。但し、このボール(C)383は、ホルダ38の支持上、必ず必要とするものではない。
なお、ボール(A),(B),(B)381,382,383は、同一の直径を有しており、それぞれの3箇所のボール受け302a,302b,302cの受け面は同一平面上にあり、対向するホルダ38の3箇所の凹状受け面38aも同一平面上にあるのでホルダ38は、フレーム302とは平行に保たれる。
図16に示すようにホルダ38とフレーム302には外周部の対向した位置に腕が形成され、各々の腕の先端部にはV字形状の切欠であるバネフック38e,302eが形成されて付勢手段であるバネ384が懸架されている。バネ384の付勢力は、ホルダ38をロッド330x周りのモーメントとして作用し、ボール(A)381、ボール(B)382を挟み込む側に力が作用し、ホルダ38とフレーム302は、安定して平行に保たれる。ここで、付勢バネ384の力量は、駆動動作時に負荷となるのでX軸振動子320x、Y軸振動子320yの押圧力よりも充分小さく設定されているが、力の作用する位置は、ロッド330x、ロッド330yの中心軸から離れた位置にあるので作用するモーメントとしては充分に大きなものとなる。
なお、防振ユニット300におけるフレーム302とホルダ38の間に挟持される3つのボールのうち、ボール(B)382をロッド330xの延長線上の位置、あるいは、ロッド330yからCCD31側に所定距離離間した位置に配置するようなホルダ支持構造を採用することも可能である。この場合もボール(C)383は設けてもよいが、必ずしも必要ではない。この支持構造によれば、ロッド330x、および、330yの回転をともに効率よく規制し、フレーム302に対してホルダ38を安定して支持することができる。
次に、ロッド330xとロッド330yの結合状態について説明する。ロッド330xとロッド330yには、X軸振動子320x、Y軸振動子320yの動作により直接的に超音波の楕円振動が伝達する。ロッド330x、ロッド330yに伝達した振動は、各ロッドの中で共振し、図19に示すような振動(振動は固有屈曲振動を示したが、これ以外にもねじり振動、縦振動等色々な振動がある)を発生する。このとき、ロッド結合体370を振幅が一番大きな振動の腹付近で結合するとX軸駆動機構部310xあるいはY軸駆動機構部310yの系全体の振動を阻害することになり、出力が低下してしまうことになる。また、一方の軸駆動機構部から不要な振動が他方の軸駆動機構部に伝達し、他方の軸駆動機構部の出力が低下してしまうことが発生する。
そこで、本実施形態においては振動子を駆動周波数で動作させたときに各ロッドに発生する共振振動の節付近であるロッド結合体370の穴370a内部の部位330xcにて接着剤で結合した。図19では振動振幅が非常に拡大して描いており、接着剤による結合部の変形量は、1μmより小さいレベルであり、振動エネルギーの損失が大きなものとはならない。
なお、図19では振動の振幅が拡大して描かれているが、実際の接着剤による結合部の変位量は、1μmよりも小さい。また、接着剤自体は、樹脂あるいは、ゴム材であるため、振動を伝達しにくく、振動エネルギの損失は、大きなものとならないので、結合部の変位量に影響を与えない。
一方、ロッド330x、330yのそれぞれの端部には、各ロッドを支持している下ケース340x、または、340yから外れてしまうことがないようにストッパ334x、または、334yが固着されている(図7)。このストッパ334x、または、334yのロッド本体331x,331yとの固着位置もロッド330x、330yに発生する共振振動の節付近の部位330xdとし、各駆動機構部の出力低下を抑えている。
次に、防振ユニット300における各制御要素とその制御動作について説明する。カメラのボディユニット100には該ボディユニット100のX軸周りのぶれ(ピッチ方向のぶれ)を検出するX軸ジャイロ62xおよびボディユニット100のY軸周りのぶれ(ヨ一方向のぶれ)を検出するY軸ジャイロ62yが内蔵されている(図1)。また、ボディユニット100にはフレーム302に配設されたフレキ391上に設置したホール素子392とホール素子392に対向するようにホルダ38の一部に配設させた磁石393とからなる位置検出センサ390が配されている(図1,7)。更に、これらX軸ジャイロ62x、Y軸ジャイロ62yおよび位置検出センサ390からの信号に基づきX軸振動子320x、Y軸振動子320yを駆動する振動子駆動回路64を制御するための防振制御回路61を備えている。防振制御回路61は、Bμcom50からの指示に従い制御動作を実行する。
X軸駆動機構部310xにてX軸振動子320xに所定の周波電圧を印加して駆動子321x,322xに楕円振動を発生させると、X軸振動子320xの駆動子321x,322xが押圧機構350xによる強い付勢力で摺動板336xに押圧接触しているので、ロッド330xは、駆動子321x,322xの楕円振動の回転方向に駆動される。
この際、X軸振動子320xに加える押圧力は強いため、仮に、ロッド330xを構成する摺動板336xやロッド本体331xの剛性が弱いと、付与する押圧力により摺動板336xやロッド本体331xが撓んでしまい、駆動子321x,322xと摺動板336xとが片当りして動作が不安定になったり、動作を停止することがある。
しかし、本実施の形態における防振ユニット300では、ロッド330xを構成する摺動板336xおよびロッド本体331xの剛性が高いため、駆動子321x,322xと摺動板336xとの押圧接触状態が安定し、楕円振動に伴う駆動力が摺動板336xに確実に伝達され、高効率で楕円振動の回転方向に駆動することができる。また、摺動板336xを有するロッド330xは、下ケース340xに対して面接触ではなく、ロッド本体331xの溝331xb部分に保持されたボール335xによる転勤方式で接触しているので、押圧力が強くてもロッド330xは下ケース340xに対して摩擦の少ない状態となり、確実に移動する。
更に、ロッド本体331xは、x方向に沿った2列のボールベアリング軸受構造からなるので、ロッド330xはX軸振動子320xによる駆動を受けた場合にX方向にのみ移動する。このようにロッド330xが移動すると、ロッド330xの一端に結合体370で直交して固定されたロッド330yも、一体となってX方向に移動する。ロッド330yにはY方向に2列に並んだボール335yを介して下ケース340yが、Y振動子320yを押圧機構350yで押圧することで押圧位置決めされ、下ケース340yにはホルダ38がビス344yで固定されているので、ロッド330xがX方向へ移動すると、ホルダ38はロッド330xと一体となってX方向に移動する。すなわち、ホルダ38の移動方向も、X方向に沿った2列のボールベアリング軸受構造からなるロッド本体331x,下ケース340x同士の係合によりガイドされる。このような構造を採用することによって装置の小型化や構造単純化が実現できる。
さらに、上述したようにロッド330xは、下ケース340xに対して微小角回転可能であるが(図18)、図のようにロッド330xが回転した状態では、X軸振動子320xの駆動子321x,322xが摺動板336xに対して片当たりして、駆動力の伝達効率が低下する可能性がある。しかし、本実施形態では、X軸振動子側の振動子ホルダ324xの板バネ352x側が当接面の狭い突起324xbとなっていることでX軸振動子320xが傾く自由度があり、上記片当たりが防止できる。
次に、防振ユニット300における手ぶれ補正動作について説明する。カメラ操作SW(スイッチ)52中の図示しない手ぶれ補正SWがオン状態のもとで図示しないメインSWがオンされると、Bμcom50から防振制御回路61に対して、振動子駆動回路64が初期動作を実行する信号が伝達され、振動子駆動回路64からX軸振動子320xおよびY軸振動子320yに所定の周波電圧が印加され、ホルダ38をCCD31の中心である撮像光軸OC が撮影レンズ光軸OL に一致する中立位置に移動するようにX方向およびY方向に駆動される。
そして、撮影持、X軸ジャイロ62x、Y軸ジャイロ62yによって検出されるボディユニット100のぶれ信号が処理回路で信号増幅後、A/D変換されて防振制御回路61に入力される。
防振制御回路61では、X軸ジャイロ62x、Y軸ジャイロ62yの出力信号に基づきぶれ補正量を演算し、演算されたぶれ補正量に応じた信号を振動子駆動回路64に出力する。CCD31を搭載したホルダ38は、振動子駆動回路64によって生成される電気信号によって動作するY軸振動子320y、X軸振動子320xによって駆動される。CCD31を搭載するホルダ38の駆動位置は、位置検出センサ390によって検出され、防振制御回路61に送られ、フィードバック制御が行われる。
すなわち、防振制御回路61では、入力されたX軸ジャイロ62x、Y軸ジャイロ62yからの信号(以下、「ぶれ信号」、または、「ぶれ角速度信号」と記載する)に基づいて基準値を演算する。基準値の演算は、カメラの主電源を投入してから静止面撮影のための露光を行うまでの間に行われる。この演算としては、比較的長時間のぶれ信号の移動平均値を算出する方法、または、カットオフ周波数が比較的低いローパスフィルタによりDC成分を求める方法等があり、何れかの方法を用いればよい。上記の演算により求めた基準値をぶれ信号より差分することにより、ぶれ信号の低周波成分が除去された信号が得られる。そして、この信号と位置検出センサ390の出力信号とに基づいて振動子駆動回路64が制御されて、CCD31が搭載されているホルダ38の位置をぶれを補償するように移動させる。
ここで、上述した手ぶれ補正動作を含む静止画撮影時の撮影処理動作について、図20のフローチャートを参照して説明する。なお、図20は、静止画撮影時のぶれ補正動作を含む概略フローチャートである。なお、本処理動作は、Bμcom50による制御のもとで実行される処理であって、レリーズSWにより撮影準備開始が指示される以前(レリーズ一段目オン操作である1R−ONの前)には行われず、レリーズSWにより撮影準備開始が指示されると(1R−ONの後)に開始される。
レリーズSWによる1R−ONの操作で本処理動作が開始されると、上述の基準値を用いて補正量を演算し、算出された補正量に従ってぶれ補正駆動を開始する(ステップS11)。続いて、レリーズSWによる撮影準備開始指示が解除されたか(1R−OFFになったか)否かを判定し(ステップS12)、解除された場合には(ステップS12でYES)、ステップS11で開始されたぶれ補正駆動を停止するとともにCCD31をセンタリングし(ステップS17)、撮影準備開始の指示待ち状態(1R待ち状態)となる。
一方、レリーズSWによる撮影準備開始指示が解除されない場合には(ステップS12でNO)、続いて、レリーズSWにより撮影開始が指示されたか(2R−ONになったか)否かを判定する(ステップS13)。撮影開始が指示されない場合には(ステップS13でNO)、ステップS12に戻り、指示待ち状態で待機する。
一方、レリーズSWにより撮影開始が指示された場合には(ステップS13でYES)、ステップS11で開始されたぶれ補正駆動を停止するとともにCCD31をセンタリングする(ステップS14)。続いて、保持された基準値を用いて補正量を演算し、その補正量に従ってぶれ補正駆動を開始する(ステップS15)。
そして、露光を行い(ステップS16)、露光が終了すると、ぶれ補正駆動を停止するとともにCCD31をセンタリングし(ステップS17)、撮影準備開始の指示待ち状態(1R待ち状態)となる。
上述したように本実施の形態のカメラの防振ユニット300によれば、効率が高く大きな駆動力を得やすい楕円振動を生ずる振動子320x,320yを駆動源として用いる一方、移動体として高剛性のロッド330x,330yを夫々有しているX軸駆動機構部とY軸駆動機構部を該ロッド330xとロッド330yをロッド結合体で各々直交するように結合して、簡単な構成でX・Y方向に駆動可能な2次元駆動装置を構成し、全体として駆動力が大きくて高効率で小型・軽量化を図ることができる。また、上述したX軸駆動機構部とY軸駆動機構部を適用することから自己保特性があり、かつ、高精度で高い応答性が得られ、更には、CCD31を保持するホルダ38を上記直交するロッドを介して移動させる機構を採用しているのでリンク機構を適用するものに比較してユニットのZ方向の占有スペースが少なく、薄型化が実現できる。
次に、上述した実施形態における防振ユニット300の駆動機構に適用する下ケースの変形例について図21〜23を用いて説明する。なお、図21は、本変形例の下ケースを適用した場合の図9に対応するX軸駆動機構部の断面図である。図22は、図21のL−L断面図である。図23は、図21のM矢視図である。
本変形例の下ケース340Axは、駆動方向であるX方向の両端部に壁部340Axfが設けられている。該壁部340Axfには、ロッド330xのロッド本体331xが貫通する該ロッド本体よりわずかに大きな貫通穴340Agが設けられている。
なお、下ケース340Axを適用したX軸駆動機構部310Axに組み込まれるX軸振動子320xや押圧機構部350x、さらに、上ケース360x等は、前述した実施形態に適用したものと同様であり、X軸駆動機構部310xの場合と同様に動作する。図中、それら同一構成の部材には同一符号を付している。
本変形例の下ケース340Axは、壁部340Axfを有しているので剛性がアップし、振動子の駆動力伝達がより効率よく伝達され、また、下ケース340Axの薄型化、軽量化も可能となる。
また、同様の構造を有する下ケースは、Y軸駆動機構部310yにも適用可能であり、前記実施形態と同様にロッド結合体370を適用してロッド330xと330yを連結し、効率のよい、小型の防振ユニットを実現することができる。
次に、上述した実施形態における防振ユニット300の駆動機構のロッドに対する変形例について、図24〜29を用いて説明する。なお、図24は、本変形例のロッドを適用した場合の図9に対応するX軸駆動機構の断面図である。図25は、本変形例を適用するX軸駆動機構の下ケースの底面部を図24のP−P側から見た図である。図26は、図24のQ−Q断面図である。図27は、図24のR−R断面図である。図28は、図24のS−S断面図である。図29は、図26のロッド部断面を拡大して示した図であって、ロッドに回転力が作用した状態を示す。
本変形例のロッド330Bxは、図26に示すように断面形状が略二等辺三角形であり、二等辺の面330Bxhに接するようにX方向に2列、計4つのボール335xがロッド330Bxを支持している。ボール335xは、下ケース340BxのX方向に直交して設けられた溝340Bxiに保持されている。さらに、ロッド330Bxには先に述べた実施の形態の場合とは異なり、摺動板が設けられていない。該摺動板に替わって駆動子331x,332xが接する面にはセラミックのコーティング等の耐摩耗性の処理がなされており、充分な耐久性を有している。また、下ケース340Bxに対してロッド330Bxのある範囲内での回転規制が可能である(図29)。
また、前記実施形態におけるロッド330xの場合と同様にロッド330Bxの端部330Bxjおよび330Bxkには、ロッド結合体370B、または、ストッパ334Bxが接着固定されている(図27,28)。Y軸駆動機構部に対しても同様にロッド330Bxと同形状のロッドを適用可能である。
本変形例のロッド330Bxを適用した場合、ロッドの構成が簡単で組み立ても容易であり、駆動機構の耐久性も向上する。
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。