JP5130249B2 - ハイブリッド車両の充電制御装置 - Google Patents
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Description
X=Fidl*(ta−tb) …(1)
で燃料量Xが求められる(304)。ta,tb,Fidlの求め方について図5と図7で説明する。
Fe:エンジンによる駆動力
Fm:モータジェネレータによる駆動力または充電負荷
Fr:車両の前方への走行を妨げる抵抗力
Te:エンジントルク
Tcom:エンジン燃焼圧トルク
Tfric:エンジン内摩擦損失トルク
Tm:モータジェネレータトルク
Tmot:モータジェネレータ力行時のトルク
Tgen:モータジェネレータ充電時の負荷トルク
Rr:転がり抵抗
Rl:空気抵抗
Rs:登坂抵抗
M:車両重量
V:車両速度
V0:車両速度初期値
α:車両加速度
r:タイヤ半径
Nd:駆動軸回転数
Ne:エンジン回転数
i:総減速比
車両の運動は運動方程式、
F=M*α …(2)
に従う。式(2)の左辺、車両駆動力Fは、
F=Fe+Fm−Fr …(3)
で表され、各駆動力または抵抗力は、
Fe=Te*i/r …(4)
Fm=Tm*i/r …(5)
Fr=Rr+Rl+Rs …(6)
である。エンジントルクTe,モータジェネレータトルクTmは、
Te=Tcomb−Tfric …(7)
Tm=Tmot−Tgen …(8)
のように表すことができる。TmotとTgenはモータジェネレータの運転状態(力行/充電)によってどちらか一方が値を持つ。また、式(2)右辺の車両加速度αは車両速度Vと、
V=∫αdt …(9)
の関係にある。(3)〜(9)式を(2)式に適用し、車両速度の初期値V0を与えることによって、車両速度の計算式が求まる。
車両速度から駆動軸回転数への変換は、
Nd=V/(2πr) …(11)
であり、エンジン回転数は、
Ne=Nd*i …(12)
で求められる。
(i)Fi=−Tfric*i/r−Fr …(13)
(ii)Fii=−(Tfric+Tgen)*i/r−Fr …(14)
であり、(13),(14)式を用いて(10)〜(12)式を積分計算することで、エンジン回転数減少の予測計算がなされる。以上で車両物理モデル402の説明を終わる。
Yf=C*Y …(15)
として求めてもよい。あるいは、エンジン走行中にトルクを上乗せして電力量Yを発電するための追加分の燃料量として、Yfを求めることもできる。たとえば、Yが1/6[kwh]であるとして、仮にYを1分で充電するためには、
(1/6)[kwh]÷(1/60)[h]=10[kw] …(16)
で発電する必要がある。上記エンジン走行の車速を50[km/h]と仮定すると、10[kw]の発電をするためには、図9の燃費・出力特性図から分かるように、エンジンの動作点を変更し、エンジン回転数を保ったまま10kw分トルクを上乗せすることになる。このときの燃料噴射量の変化は、図10の燃料噴射量特性図上で同様の動作点シフトを行うことで求めることができ、たとえばこのエンジン動作点のシフトによって、燃料噴射量が0.5[cc/sec]増加するのであれば、
0.5[cc/sec]*60[sec]=30[cc] …(17)
の燃料量が発電のために新たに必要となる。したがって、この場合のYfは30[cc]と計算できる。
・燃料カット開始時の車速が所定の値よりも大きい
・燃料カット開始時のエンジン回転速度が所定の値よりも大きい
・燃料カット開始時のバッテリSOCが所定の値よりも小さい
・燃料カット中の予想路面勾配が所定の値よりも大きな下り坂である
・燃料カット中の補機類使用量予想が所定の値よりも小さい
tb(iii)<ta(i)<tc(ii,iv) …(18)
の関係にあり、(ii)および(iv)と比較して燃料カット期間の短い(i)と(iii)では、余分にxa,xbの燃料量が必要である。回生充電を行う(iii)および(iv)では、電力量Yを獲得する。その一方で、(iii)および(iv)は、回生充電を行わない(i)および(ii)と比べて、車速の減少が早く、図示しない走行距離に不足が生じるために、(i)および(ii)と同じ地点まで走行するための追加エネルギーが必要になる。また、アイドルストップを行う(ii)および(iv)では、エンジン再始動用の電力量Yrstが必要である。以上のエネルギー収支をまとめると以下のようになる。
(i)燃料量xaを消費。
(ii)エンジン再始動用電力量Yrstを消費。
(iii)回生で電力量Yを獲得。燃料量xbおよび追加走行分エネルギーを消費。
(iv)回生で電力量Yを獲得。エンジン再始動用電力量Yrstおよび追加走行分エネルギーを消費。
(i)xa,(ii)Yrstf,(iii)xb−Yf+Z,(iv)Yrstf−Yf+Z
である。これらの中で最も小さいものを最適と判断し、対応する回生・アイドルストップの制御をステップ711で行う。
xa=Fidl*(tc−ta) …(19)
xb=Fidl*(tc−tb) …(20)
で求められる。
102 モータジェネレータ
103 バッテリ
104 電力制御装置
105 クラッチ
106 ECU
107 CVT
108 最終減速機
109 駆動輪
110 エンジン回転数検出装置
111 アクセル開度検出装置
112 車速検出装置
113 カーナビゲーションシステム
114 路車間通信
301,801 アイドル回転数維持に必要な燃料噴射量Fidl算出手段
302 回生をしなかった場合の燃料カット期間ta算出手段
303 回生をした場合の燃料カット期間tbの算出手段
304 Ta,Tb,Fidlから燃料量Xを計算する手段
401 回生の有無を仮定する手段
402 車両物理モデル
403 燃料カット期間ta,tbの算出手段
501 バッテリ温度検出手段
502 現在SOC検出手段
503 目標SOC設定手段
504 発電特性検出手段
505 回生可能時間検出手段
506 充電効率算出手段
507 目標充電量算出手段
508 獲得可能電力量算出手段
601 ISG
602 オルタネータベルト
802 回生なし、アイドルストップなしの場合の燃料カット期間ta算出手段
803 回生あり、アイドルストップなしの場合の燃料カット期間tb算出手段
804 回生あり、アイドルストップありの場合の燃料カット期間tc算出手段
805 燃料量xaの計算手段
806 燃料量xbの計算手段
901 エンジン再始動タイミングの設定手段
902 燃料カット期間tc算出手段
S201,S701 燃料カットの可否を判断するステップ
S202 燃料カットを実施するステップ
S203,S703 燃料供給を実施するステップ
S204 回生をした場合の増加燃料量Xの予測計算を行うステップ
S205,S706 回生をした場合の獲得可能電力量Yの予測計算を行うステップ
S206 獲得可能電力量Yを相当する燃料量Yfに換算するステップ
S207,S709 回生をした場合の不足距離の追加走行分燃料量Zの予測計算を行うステップ
S208 増加燃料量Xと獲得可能電力相当燃料量Yfを比較するステップ
S209 回生を実施するステップ
S702 燃料カット実施を実施するステップ
S704 アイドルストップ機会の有無を判断するステップ
S705 アイドルストップをした場合と比較して、アイドルストップしない場合に多く必要になる燃料量(xa,xb)の予測計算を行うステップ
S707 エンジン再始動に必要な電力量Yrstを予測計算するステップ
S708 獲得可能電力量Yおよびエンジン再始動に必要な電力量Yrstを相当する燃料量Yf,Yrstfに換算するステップ
S710 回生とアイドルストップ各々の実施・不実施を決定するステップ
S711 回生およびアイドルストップを実施・不実施するステップ
Claims (14)
- 駆動力源としてのエンジンと駆動力源および発電機としての機能を有するモータジェネレータとを備えるハイブリッド車両に搭載される充電制御装置であって、
前記ハイブリッド車両の燃料カット開始前に、
前記モータジェネレータで回生を行う場合と行わない場合との現在のエンジン回転数からアイドル回転数になるまでの予想燃料カット期間に基づいて、前記モータジェネレータで回生を行う場合と行わない場合との節約燃料量の差を予測する節約燃料量差予測手段と、
回生を行う場合に獲得される電力量を予測する獲得電力量予測手段と、
前記獲得電力量予測手段で予測された電力量に相当する相当燃料量を求める獲得電力燃料量変換手段と、
前記節約燃料量の差と前記相当燃料量とに基づいて、前記モータジェネレータで回生を行うか否かを決定する回生有無判定手段とを有する充電制御装置。 - 請求項1記載の節約燃料量差予測手段は、前記ハイブリッド車両のエンジンのアイドル回転数維持に必要とされる単位時間あたり燃料噴射量と、前記回生充電を行う場合、行わない場合それぞれの予想燃料カット期間と、に基づいて節約燃料量の差を算出することを特徴とする充電制御装置。
- 請求項1記載の予想燃料カット期間は、前記燃料カット開始時におけるエンジン回転数と、前記燃料カット開始時における車速と、前記燃料カット開始時における前方道路状況予測と、前記回生充電を行うことによる負荷の大きさと、を入力として、車両物理モデルにおいて予測計算されることを特徴とする充電制御装置。
- 請求項1記載の獲得電力量予測手段は、前記燃料カット開始時におけるエンジン回転数と、前記燃料カット開始時における車速と、前記燃料カット開始時におけるバッテリ温度と、前記燃料カット開始時におけるバッテリ充電状態と、前記予想燃料カット期間と、に基づいて、獲得電力量を予測することを特徴とする充電制御装置。
- 請求項1記載の獲得電力燃料量換算手段は、前記獲得電力量をエンジン走行中に充電する際に追加で必要となる燃料量をエンジン固有の燃料消費特性に基づいて算出することにより、電力量から燃料量への換算を行うことを特徴とする充電制御装置。
- 請求項1記載の回生有無判定手段は、前記燃料カット開始時の車速と、前記燃料カット開始時のエンジン回転数と、前記燃料カット開始時のバッテリ充電状態と、前記燃料カット開始時の前方道路状況予測と、前記燃料カット開始時の補機類使用量予測と、のうちいずれかもしくは複数の組み合わせが、所定の条件を満たすことによって回生の有無を判定することを特徴とする充電制御装置。
- 駆動力源としてのエンジンと、発電機としての機能および前記エンジンの始動機能を有するオルタネータを備えるアイドルストップ機能搭載車両に搭載される充電制御装置であって、
前記燃料カット開始前に、
前記モータジェネレータで回生を行いアイドルストップを行う場合と行わない場合と回生を行わずにアイドルストップを行う場合と行わない場合の4つの場合夫々について、アイドルストップを行わない場合においては、現在のエンジン回転数からアイドル回転数になるまでの予想燃料カット期間または
アイドルストップを行う場合においては、燃料カット開始から再発進までの時間に基づいて、節約燃料量の差を予測する節約燃料量差予測手段と、
回生を行う場合に獲得される電力量を予測する獲得電力量予測手段と、
前記獲得電力量予測手段で予測された電力量に相当する相当燃料量1を求める獲得電力燃料量変換手段と、
前記アイドルストップを行った場合にエンジン再始動に必要となる電力量を相当する相当燃料量2に換算する再始動電力燃料量換算手段と、
前記節約燃料量の差と前記相当燃料量1と相当燃料量2とに基づいて、前記モータジェネレータで回生を行うか否かとアイドルストップを行うか否かを決定する回生・アイドルストップ有無判定手段とを有する充電制御装置。 - 請求項7記載の節約燃料量差予測手段は、前記アイドルストップ機能搭載車両のエンジンのアイドル回転数維持に必要とされる単位時間あたり燃料噴射量と、前記回生充電を行う場合、行わない場合それぞれの予想燃料カット期間と、前記燃料カット開始から再発進までの期間と、に基づき、節約される燃料量を算出することを特徴とする充電制御装置。
- 請求項8記載の予想燃料カット期間と燃料カット開始から再発進までの時間とは、前記燃料カット開始時におけるエンジン回転数と、前記燃料カット開始時における車速と、前記燃料カット開始時における前方道路状況予測と、前記回生充電を行うことによる負荷の大きさと、を入力として、車両物理モデルにおいて予測計算されることを特徴とする充電制御装置。
- 請求項8記載の燃料カット開始から再発進までの期間は、前記アイドルストップ機能搭載車両と道路インフラとの間の路車間通信によって得られた情報を元に予測設定されることを特徴とするアイドルストップ機能搭載車両の充電制御装置。
- 請求項7記載の獲得電力量予測手段は、前記燃料カット開始時におけるエンジン回転数と、前記燃料カット開始時における車速と、前記燃料カット開始時におけるバッテリ温度と、前記燃料カット開始時におけるバッテリ充電状態と、請求項8記載の回生充電を行う場合の予想燃料カット期間と、に基づいて、獲得電力量を予測することを特徴とする充電制御装置。
- 請求項7記載の獲得電力燃料量換算手段は、前記獲得電力量をエンジン走行中に充電する際に追加で必要となる燃料量をエンジン固有の燃料消費特性に基づいて算出することにより、電力量から燃料量への換算を行うことを特徴とする充電制御装置。
- 請求項7記載の再始動電力燃料量換算手段は、前記エンジン再始動に必要となる電力量をエンジン走行中に充電する際に追加で必要となる燃料量をエンジン固有の燃料消費特性に基づいて算出することにより、電力量から燃料量への換算を行うことを特徴とするアイドルストップ機能搭載車両の充電制御装置。
- 請求項1又は7において、
回生をした場合に必要となる追加走行分の燃料量を予測し、該燃料量を回生の有無又はアイドルストップの有無の判定に用いることを特徴とする充電制御装置。
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