JP5116884B1 - 容器詰トマト含有飲料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トマト含有飲料のBrixと、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率とを所定の数値範囲内に調整することにより、トマト独特の青臭みが抑制され且つトマト本来の呈味を保持し、さらに容器充填性が向上した容器詰トマト含有飲料を提供する。
【選択図】なし
Description
1. Brixが7.3以上であり、且つアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率が0.65以下であることを特徴とする容器詰トマト含有飲料、
2. クエン酸量が400mg/100mL以上であることを特徴とする上記1記載の容器詰トマト含有飲料、
3. 粘度が300〜1000cPであることを特徴とする上記1又は2に記載の容器詰トマト含有飲料、
4. pHが4.2〜4.8であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
5.果汁を実質的に含まないことを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
6. トマト以外の野菜を原料として使用しないことを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
7. 非アルコール性であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
8. RTDであることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
9. 内溶液が非透明であることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料、
10. Brixが7.3以上であり、且つアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率が0.65以下に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰トマト含有飲料の製造方法、
11. Brixが7.3以上であり、且つアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率が0.65以下に調整することを特徴とする容器詰トマト含有飲料の充填性向上方法、
12.Brixが7.3以上であり、且つアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率が0.65以下に調整することを特徴とする容器詰トマト含有飲料の経時的な色調劣化抑制方法、
に関する。
トマト搾汁液とは、トマト果実を破砕して搾汁し、又は裏ごしし、皮、種子等を除去したもの(トマト搾汁)を利用することができる。トマト搾汁は、そのまま用いてもよいが、酵素処理など公知の方法で処理してもよい。また、トマト搾汁の原料となるトマト果実は、その品種、産地、熟度、大きさなどを適宜選択することができる。また、品種、産地、熟度、大きさ等が異なる二種類以上のトマト果実を原料としてブレンドすることもできる。
また、必要に応じて、トマト由来の酵素活性を失活させる処理を施してもよい。例えば70℃以上に加熱処理を行えばよい。
上述のとおり、本トマト含有飲料は、消費者の嗜好に合せてトマト以外の野菜搾汁液を含むことができる。
この場合、野菜の搾汁とは、野菜を加熱処理や、十分な水洗い、水にさらす、薬品処理する等の非加熱処理を搾汁前後に施すなどして得られた野菜搾汁を用いることができる。さらに、前記野菜搾汁を特定の樹脂に通液するなどして野菜搾汁に含まれる特定の成分を除去した野菜搾汁も原料として用いることができる。また、これらの工程で得られた野菜搾汁を単独で用いることができるが、2種類以上を適宜用いることもできる。
なお、これらの野菜のいずれか1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上述のとおり、本トマト含有飲料は、消費者の嗜好に合せて果汁を含むことができる。この場合、果汁は単独で配合することもできるが、野菜搾汁と果汁を混合して配合してもよい。
使用する果実の種類は1種類でもよいが、2種以上の果実から得た搾汁液を混合して用いてもよい。
本トマト含有飲料は、マスキング剤などの余分な添加物を極力配合しなくてもトマト独特の青臭みが抑制され且つトマト本来の呈味を保持するものである。よって、マスキング剤などの余分な添加物を極力配合しなくても本願発明の効果は発揮されるものであるが、消費者の嗜好などに合せて各種添加物などの添加を排除するものではない。特に、トマト果汁飲料やトマトミックスジュースなどが通常含有し得る成分、例えば、食塩、香辛料、酸味料、調味料、野菜や果実以外の農畜産物、着色料などを適宜加えることを排除するものではない。また、本トマト含有飲料は、各種食物繊維、各種甘味料、その他の成分を添加することもできる。
本トマト含有飲料を充填する容器は、特に限定するものではない。例えば金属缶(スチール缶、アルミニウム缶など)、PET容器、紙容器、壜等を挙げることができる。容器の形状や色彩は問わないが、市場性や簡便性を考慮すると、金属缶、PET容器、紙容器を用いるのが好ましく、さらにPET容器は透明、半透明、不透明のいずれを用いてもよい。
本発明の容器詰トマト含有飲料は、濃縮加工したものを容器詰したもの(コンク)であってもよいが、購入後にそのまま飲用することができるRTD(Ready To Drink)であることが、ユーザーの簡便性の観点から優れている。
本発明の容器詰トマト含有飲料は、上述のトマト搾汁を調製した後、必要であればホモジナイザー処理を行い、その後、必要に応じて水、食塩、香辛料、酸味料、調味料などを加えて味、濃度、成分値などを調整して、殺菌及び容器充填するなどして製造することができる。
本発明の容器詰トマト含有飲料のBrixは、トマト本来の自然な甘味やコク味を引き出す観点から、7.3以上が好ましく、7.3〜12がより好ましく、7.3〜11がさらに好ましく、9〜10が最も好ましい。Brixが7.3を下回ると、トマト含有飲料が有するトマト由来の美味しさが保ち難くなり、Brixが12を上回ると、トマト含有飲料が有するトマト由来の美味しさが崩れてしまいがちになる。
Brix値の調整方法は、青果のトマト搾汁液若しくはその処理液又はこれらの濃縮液などの原料のBrix値やこれらの配合割合などを考慮して組み合わせることにより実施できる。
また、Brix値を調整する方法としては、人口甘味料を含む各種甘味料、甘味成分を含む天然由来原料、多糖類をはじめとする各種食物繊維などを添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点から添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
Brixの測定方法は、公知の方法を用いればよく、例えば光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX5000α−Bev)を用いることができる。
本発明の容器詰トマト含有飲料のクエン酸量は、トマト本来の自然な甘味や酸味を引き出す観点から、400mg/100mL以上が好ましく、400〜1500mg/100mLがより好ましく、470〜1000mg/100mLがより好ましく、470〜950mg/100mLがさらに好ましく、470〜950mg/100mLが最も好ましい。
クエン酸量の調整方法は、青果のトマト搾汁液若しくはその処理液又はこれらの濃縮液などの原料におけるクエン酸量やこれらの配合割合などを考慮して組み合わせることにより実施できる。
また、クエン酸量を調整する方法としては、クエン酸や、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点から添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
クエン酸量の測定は、公知の方法を用いればよく、例えばLC−10ADvp(株式会社 島津製作所)を用いて、HPLC法に基づいてクエン酸の含有量を用いることができる。
なお、本願発明においてクエン酸とは、クエン酸及びその塩の両方を包含する意味で用いている。
本発明の容器詰トマト含有飲料における、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群[A]におけるグルタミン酸[G]の重量比率([G]/[A])は、トマト本来の自然な旨味やコク味を引き出す観点から、0.65以下が好ましく、0.1〜0.65がより好ましく、0.3〜0.6がさらに好ましく、0.4〜0.55が最も好ましい。
また、アミノ酸類量を調整する方法としては、各種アミノ酸類や、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
なお、各アミノ酸量の測定は、公知の方法を用いればよく、例えばAllianceシステム(Waters株式会社製)を用いて、HPLC法(蛍光検出)に基づいて各種アミノ酸の含有量を求めることができる。
本発明の容器詰トマト含有飲料におけるタンパク質量は、トマト本来の自然な旨味やコク味を引き出す観点から、0.5〜2g/100mL以上が好ましく、0.7〜1.8g/100mLがより好ましく、0.9〜1.6g/100mLがさらに好ましく、1.0〜1.5g/100mLが最も好ましい。
また、タンパク質量を調整する方法としては、各種タンパク質や、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
なお、各タンパク質量の測定は、公知の方法を用いればよく、例えば分光光度計 U−3310(日立社製)などで測定することができる。
本発明の容器詰トマト含有飲料におけるリコピン量は、5〜500mg/Lが好ましく、8〜500mg/Lがより好ましく、10〜250mg/Lがさらに好ましく、10〜180mg/Lが最も好ましい。
また、リコピン質量を調整する方法としては、リコピンや、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
なお、リコピン量の測定は、公知の方法を用いればよく、例えば社団法人 全国トマト加工品・調味料検査協会編集の「分析便覧」,トマト加工品・ソース類・食酢関係(PART1),昭和56年3月、8〜9頁に記載の方法に基づき、分光光度計 U−2100(日立社製)などで測定することができる。
本発明の容器詰トマト含有飲料は、抗酸化作用を有するといわれるビタミンAやビタミンCを多く含むことが好ましい。具体的には、ビタミンA含有量は、飲料100mLあたり200〜800μgであるのが好ましく、350〜800μgであるのが特に好ましい。ビタミンC含有量は、飲料100mLあたり200〜800mgであるのが好ましく、300〜800mgであるのがより好ましく、400〜800mgであるのが特に好ましい。
各種ビタミン類量を調整する方法としては、各種ビタミン類量や、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましい。
本発明の容器詰トマト含有飲料におけるナトリウム量は、1〜100mg/100mLが好ましく、10〜80mg/100mLがより好ましく、20〜60mg/100mLがさらに好ましく、25〜55mg/100mLが最も好ましい。
また、ナトリウム量を調整する方法としては、ナトリウムや、これを含有する天然由来原料(例えば食塩)などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
本発明の容器詰トマト含有飲料におけるカリウム量は、30〜1000mg/100mLが好ましく、50〜800mg/100mLがより好ましく、100〜700mg/100mLがさらに好ましく、300〜600mg/100mLが最も好ましい。
また、カリウム量を調整する方法としては、カリウムや、これを含有する天然由来原料などを別途添加する方法もあるが、後味への影響や製造コスト抑制の観点からトマト原料に含まれるもの以外による添加を極力控えるのが好ましく、可能であればこれらを全く添加しないのが最も好ましい。
トマト含有飲料におけるナトリウムやカリウムなどのミネラル成分は、これらの含有量や含有割合によってはトマト含有飲料のコク味や雑味となり呈味性に影響を与えることがある。トマト含有飲料におけるナトリウム[Na]とカリウム[K]との含有比率([K]/[Na])は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、2〜15がさらに好ましく、5〜15が最も好ましい。
また、本発明の容器詰トマト含有飲料におけるカルシウム量は、1〜100mg/100mLが好ましく、3〜80mg/100mLがより好ましく、5〜50mg/100mLがさらに好ましく、10〜30mg/100mLがまたさらに好ましく、15〜25mg/100mLが最も好ましい。
本発明の容器詰トマト含有飲料の粘度は、喉越し、風味の観点から、250cP以上、特に300〜1000cP、なかでも300〜600cPであるのが好ましい。粘性の調整には、多糖類を添加するなどの方法により調整することができる。
なお、容器詰トマト含有飲料の粘度は、公知の方法を用いればよく、例えば市販の粘度計により測定することができる。
本発明の容器詰トマト含有飲料のpHは、4.0〜5.0であるのが好ましく、4.2〜5.0であるのがより好ましく、4.3〜4.8であるのがさらに好ましく、4.4〜4.6であるのが最も好ましい。pHの調整はアスコルビン酸類や重炭酸ナトリウムなどを用いる方法により調整することができる。
本野菜飲料において、トマト由来の粒子の平均粒子径は70μm〜250μmであるのが好ましく、特に100μm〜230μm、その中でも特に180μm〜230μmであるのがさらに好ましい。トマト由来の粒子の平均粒子径が70μm〜250μmであれば、よりなめらかな食感を得ることができる。
容器詰トマト含有飲料の粒子径は、公知の方法を用いればよく、例えば島津製作所社製のレーザ解析式粒度分布測定装置SALD−2100によって測定することができる。
市販のトマトペースト(Brix:28)、混濁トマト汁A(Brix40)、市販のトマト汁B(Brix:60)、酸味を低減した濃縮トマト汁C(Brix15)を用意した。
本発明品1の容器詰トマト含有飲料は、トマトペースト(25.6%)、トマト汁A(5.25質量%)、トマト汁C(1.2質量%)の配合割合となるように調整し、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去し、重炭酸ナトリウムを適量添加し、95℃まで加熱殺菌後にPET容器に充填したものである。
本発明品2の容器詰トマト含有飲料は、トマトペースト(27.0質量%)、トマト汁A(3.6質量%)、トマト汁C(4.9質量%)の配合割合となるように調整し、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去し、重炭酸ナトリウムを適量添加し、缶容器に充填後にレトルト殺菌(122℃、30秒)を施し、冷却することにより容器詰トマト含有飲料を得た。
本発明品3の容器詰トマト含有飲料は、トマトペースト(28.9質量%)、トマト汁A(3.0質量%)、トマト汁C(2.1質量%)の配合割合となるように調整し、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去し、重炭酸ナトリウムを適量添加し、混合液に128℃で30秒の殺菌処理をして冷却した後、紙容器に充填した。
本発明品4の容器詰トマト含有飲料は、トマトペースト(27.0質量%)、トマト汁B(2.47質量%)、トマト汁C(3.7質量%)の配合割合となるように調整し、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去し、重炭酸ナトリウムを適量添加し、混合液に128℃で30秒の殺菌処理をして冷却した後、紙容器に充填した。
比較品1のトマト含有飲料は、表2に記載のとおり、上記のトマトペースト(168.0重量部)、透明トマト汁(25.3重量部)、脱酸トマト汁(26.7重量部)となるように調整し、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去し、重炭酸ナトリウムを適量添加し、混合液に128℃で30秒の殺菌処理をして冷却した後、紙容器に充填した。
比較品2のトマト含有飲料は、上記のトマトペースト(168.0重量部)、透明トマト汁(52.0重量部)、脱酸トマト汁(2.2重量部)となるように調整し、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去し、重炭酸ナトリウムを適量添加し、混合液に128℃で30秒の殺菌処理をして冷却した後、紙容器に充填した。
比較品3〜5のトマト含有飲料は、いずれも市販のトマト含有飲料を購入して評価したものである。比較品3には、市販の缶容器詰トマトジュース(トマト100%:JAS規格に指定された食塩添加トマトジュース)を、比較品4には、市販の小型PET容器詰トマトジュース(トマト100%:JAS規格に指定された食塩無添加トマトジュース)を、比較品5には、市販の大型PET容器詰トマトジュース(トマト100%:JAS規格に指定された食塩無添加トマトジュース)をそれぞれ用いて分析・評価した。
比較品6〜7のトマト含有飲料は、市販の青果トマト2品(比較品6:広島県産、比較品7:静岡県産)を購入し、これらを搾汁することにより搾汁液を得たものである。得られた搾汁液を、目開き0.5〜1.0mm程度のメッシュを用いて裏ごしして異物を除去し、重炭酸ナトリウムを適量添加し、缶容器に充填した後にレトルト殺菌(122℃、30秒)を施し、冷却することにより得たものである。
<Brix>
光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX5000α−Bev)を用いて、Brixを測定した。
<クエン酸>
LC−10ADvp(株式会社 島津製作所)を用いて、HPLC法に基づいてクエン酸の含有量を求めた。
サンプル調整法:
サンプルを適量はかりとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
HPLC測定条件:
検出器:紫外可視吸光光度計 SPD−20AV(株式会社 島津製作所)
カラム:Shodex RSpak KC−811×2、φ8mm×300mm(昭和電工株式会社)
カラム温度:40℃
移動相:3mmol/l過塩素酸
反応液:0.2mmol/lブロムチモールブルー含有
15mmol/lりん酸水素二ナトリウム溶液
流量:移動相0.5ml/min、反応液0.5ml/min
測定波長:445nm
<アミノ酸類>
Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて、HPLC法(蛍光検出)に基づいて各種アミノ酸の含有量を求めた。
サンプル調整法:
サンプルを適量はかりとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
HPLC測定条件:
カラム :XBridge Shield RP18 3.0×100mm
温度 :40℃
注入量 :5μL
移動相A:50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)
移動相B:アセトニトリル
検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器
検出波長:励起335nm エミッション450nm
<粘度>
TVB−10型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、回転数60rpm及び30秒の条件下で、粘度を測定した(表中の数値は、3回の平均値である)。なお、粘度の測定域を外れる場合は回転数を適宜変更し測定した。
トマト含有飲料の官能評価試験は、10人のパネラーに委託して行い、各項目を以下に示す基準で評価したものである。ここで、表中の数値は、10人のパネラーの評価の平均値である。
<トマトの自然な甘味>
5点:非常に強い
4点:やや強い
3点:感じない又はどちらでもない
2点:やや弱い
1点:非常に弱い
<トマトの自然な酸味>
5点:非常に強い
4点:やや強い
3点:感じない又はどちらでもない
2点:やや弱い
1点:非常に弱い
トマト含有飲料の充填容易性試験は、市販品を除く各トマト含有飲料の充填適性を評価したものである。
○:充填適性に優れており、円滑な充填を実施できると共に、製品の性状(呈味、香味等)にも問題が無い。
△:充填適性にやや劣っており、充填工程における困難性はあるが、製品の性状(呈味、香味等)には問題が無い。
×:充填適性に劣っており、充填工程における困難性はあるばかりでなく、製品の性状(呈味、香味等)に問題がある。
トマト含有飲料の経時変化試験は、飲料分野において通常実施される加速劣化試験、すなわち製品を過酷な条件下に置き、意図的に劣化を進めて製品寿命を検証する試験により評価したものである。本試験では、各トマト含有飲料を45℃暗所に保管し、10人のパネラーが、味の変化、香りの変化及び色調の変化の三項目について加速劣化試験前と加速劣化試験後の差を目視及び官能にて評価したものである。ここで、表中の数値は、10人のパネラーの評価の平均値である。
5:加速劣化試験前後で変化なし
4:加速劣化試験後にやや変化しているが、製品の性状には問題が無い。
3:加速劣化試験後に製品の性状がやや悪くなっている
2:加速劣化試験後に製品の性状が明らかに悪くなっている
1:加速劣化試験後に製品の性状が非常に悪くなっている
各評価項目を総合的に勘案して、商品としての適性を評価した。
○:商品としての適性に優れている
△:商品としての適性は標準的である
×:商品としての適性に劣っている
本発明品1〜4は、トマトの自然な甘味、トマトの自然な酸味、経時的な味の変化、香りの変化において、比較品1〜2と同程度に極めて高い評価を得た。また、本発明品1〜4は、さらに充填容易性と経時的な色調の変化において、比較品1〜2よりも高評価であった。このことから、Brixが高いトマト含有飲料の自然な甘味や酸味などを維持しながらも生産時における充填容易性を高め且つ色調変化を抑制するには、トマト含有飲料におけるアミノ酸量に対するグルタミン酸量とクエン酸量とを所定の数値範囲に設計すればよいことが明らかになった。なお、表3が示すように、充填容易性が単に充填液の粘性のみによるものではないことは、比較例1〜2と比較して粘性が高い本発明品1〜4の充填容易性が高いことから明らかである。
なお、本発明品1〜4や比較品1〜2は、Brixが高いトマト含有飲料であることは、市販のトマト含有飲料(比較品3〜5)や市販青果のトマト搾汁液をそのまま用いて得たトマト含有飲料(比較品6〜7)のBrix値の数値範囲と比して際立って逸脱していることがわかる(4.83〜5.81)。また、本発明品1〜4におけるアミノ酸量に対するグルタミン酸量の比率(グルタミン酸/アミノ酸)とクエン酸量の数値範囲は、市販のトマト含有飲料(比較品3〜5)や市販青果のトマト搾汁液をそのまま用いて得たトマト含有飲料(比較品6〜7)におけるアミノ酸量に対するグルタミン酸量の比率(グルタミン酸/アミノ酸)とクエン酸量の数値範囲(アミノ酸量に対するグルタミン酸量の比率(グルタミン酸/アミノ酸):0.46〜0.65,クエン酸量:330〜530)と異なっており、グルタミン酸量の比率(グルタミン酸/アミノ酸)とクエン酸量の数値範囲の両方に着目して製品設計することが重要であることが明らかになった。
Claims (12)
- Brixが6〜12であり、且つアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率が0.1〜0.65であることを特徴とする容器詰トマト含有飲料。
- クエン酸量が400mg/100mL以上であることを特徴とする請求項1記載の容器詰トマト含有飲料。
- 粘度が300〜1000cPであることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器詰トマト含有飲料。
- pHが4.2〜4.8であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
- 果汁を実質的に含まないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
- トマト以外の野菜を原料として使用しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
- 非アルコール性であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
- RTDであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
- 内溶液が非透明であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の容器詰トマト含有飲料。
- Brixを6〜12に調整する工程と、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率を0.1〜0.65に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰トマト含有飲料の製造方法。
- Brixを6〜12に調整し、且つアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率を0.1〜0.65に調整することを特徴とする容器詰トマト含有飲料の充填性向上方法。
- Brixを6〜12に調整し、且つアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、アラニンからなるアミノ酸群に対するグルタミン酸の重量比率を0.1〜0.65に調整することを特徴とする容器詰トマト含有飲料の経時的な色調劣化抑制方法。
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