JP5115785B2 - サスペンション装置 - Google Patents
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Description
(第1の実施形態)
第1の実施形態のサスペンション装置1を図1及び図2に基いて説明する。第1の実施形態のサスペンション装置1は、ステアバイワイヤシステムが構築される車両のサスペンション装置1であって、車体側部材と車輪側部材とからなるシリンダ装置2と、車輪側部材と車輪19との間に配設される操向装置3とによって構成される。車体側部材は、基端部がアッパーマウント4を介して車体5に固定されると共に先端部にピストンが固定されるロッド6からなる。また、車輪側部材は、内周面にピストンが摺接されると共に外周面にブラケット7が設けられるシリンダ8からなる。ブラケット7は、ナックル9の内側(図1における左側)上部に接続され、ナックル9の内側下部には、ロアアーム10が連結ピン11を介して接続される。なお、サスペンション装置1には、シリンダ装置2、懸架部材22(スプリング)、並びにアッパーマウント4からなるサスペンションアッシ23が構成される。
サスペンション装置1によれば、操向装置のトルクモータ13(アクチュエータ)によって操向部の操向軸12が軸線回りに回転されることにより、フランジ部16及びハブ17がサスペンションアッシ23に対して操向軸12の軸線回りに回転して車輪19が操向される。これにより、サスペンション装置1は、運転者の操作に応じて、車両の前後左右の車輪19をそれぞれ単独で操向させることが可能になり、車両の挙動をより細かくコントロールすることで走行安定性を向上させることができる。
例えば、車両の走行速度に応じた操向制御を行うことができ、高速度領域では、ステアリングホイールの操作量に対する車輪19の操向量を減少させることにより、車両の操向安定性能を向上させることが可能になる。また、低速度領域では、ステアリングホイールの操作量に対する車輪19の操向量を増加させることにより、狭い場所での車庫入れ等を容易に行うことが可能になり、運転者の負担を軽減させることができる。
また、サスペンション装置1によれば、各車輪19のトーの調整を各トルクモータ13によって車輪19を操向させることで実施することが可能になり、アライメントの調整を容易に行うことができる。
また、サスペンション装置1によれば、トルクモータ13(アクチュエータ)及び減速機18がホイール19bの内側の空間に収容されるので、従来、車両の床下に配設されていたステアリングロッドが不要になり、車室の足元スペースが拡大することで快適性を向上させることができる。さらに、トルクモータ13を含む操向装置をサスペンション装置1に一体で組み込むことが可能になり、ステアバイワイヤシステム、延いてはサスペンション装置1を省スペース化することができると共にステアバイワイヤシステムの車体5への組付け作業を効率化することができる。
なお、第1の実施形態では、ストラットサスペンションの場合を説明したが、ショックアブソーバを用いたサスペンションに適用することもできる。
第2の実施形態のサスペンション装置21を図3に基いて説明する。なお、第1の実施形態のサスペンション装置1と同一又は相当する構成には、同一の名称及び符号を付与すると共にその詳細な説明を省略する。操向装置3は、シリンダ8(車輪側部材)の下端部に設けられてシリンダ装置2に対して同一軸線L0上に配置されるトルクモータ13(アクチュエータ)と、該トルクモータ13の出力軸に減速機18を介して接続される操向軸12とを備える。操向軸12は、トルクモータ13及び減速機18と一体に形成されたケーシング24(支持部材)の内部に収容されるベアリングによって軸線L0の回りに回転可能支持される。また、操向軸12には、所定間隔をあけて対向配置される一対のブラケット25が設けられ、該ブラケット25は、ハブを介して車輪に接続される。なお、シリンダ8の外周面にはブラケット26が設けられ、該ブラケット26が連結ピンを介してロアアームに接続されることにより、シリンダ8(車輪側部材)は、ロッド6(車体側部材)に対する軸線L0の回りの相対移動(回転)が阻止される。
第3の実施形態のサスペンション装置31を図4に基いて説明する。なお、第1及び第2の実施形態のサスペンション装置1,21と同一又は相当する構成には、同一の名称及び符号を付与すると共にその詳細な説明を省略する。操向装置3は、基部32aがシリンダ8(車輪側部材)の下端部に軸線L0の回りに回転可能に設けられると共に先端部にハブ17を介して車輪19が接続される操向部材32と、基部33aがシリンダ8に軸線L0の回りに回転可能に設けられる第1のリンク部材33と、基部34aがシリンダ8に軸線L0の回りに回転可能に設けられて該基部34aから延びる第1のアーム35の先端部35aが第1のリンク部材33の先端部33bに回転可能に接続されると共に該基部34aから延びる第2のアーム36の先端部36aが操向部材32の基部32aに接続される第2のリンク部材34とからなる操向部と、シリンダ8に同軸に設けられて出力軸が第1のリンク部材33の基部33aに接続されるトルクモータ13(アクチュエータ)と、によって構成される。
第3の実施形態のサスペンション装置31によれば、第1の実施形態のサスペンション装置1と同等の効果を得ることができる。
第4の実施形態のサスペンション装置41を図5及び図6に基いて説明する。なお、第1〜第3の実施形態のサスペンション装置1,21,31と同一又は相当する構成には、同一の名称及び符号を付与すると共にその詳細な説明を省略する。車体側部材42は、断面が多角形(第4の実施形態では8角形)の中空軸(中空部の断面は円形)からなり、一端部がアッパーマウント4を介して車体5に固定される。また、車体側部材42は、シリンダ43(車輪側部材)の内部に軸方向(図6における上下方向)へ相対変位可能に挿入され、シリンダ43とともにシリンダ装置を構成する。なお、車体側部材42並びにシリンダ43(車輪側部材)は断面が多角形であるため、当該車体側部材42とシリンダ43との軸線L0の回りの相対移動(回転)が阻止される。そして、車体側部材42は、中空部にシリンダ室44が形成されており、該シリンダ室44には、下端部がシリンダ43の底部に固定されたロッド45の上端部に取付けられたピストン46が収容される。
第4の実施形態のサスペンション装置41によれば、第1の実施形態のサスペンション装置1と同等の効果を得ることができる。
第5の実施形態のサスペンション装置51を図7に基いて説明する。なお、第1〜第4の実施形態のサスペンション装置1,21,31,41と同一又は相当する構成には、同一の名称及び符号を付与すると共にその詳細な説明を省略する。ロッド6(車体側部材)は、アッパーマウント4を介して車体5に固定される。シリンダ8(車輪側部材)は、断面がコ字状に形成されたロアブラケット52を介してロアアーム10の中間部に接続される。ロアアーム10は、車体5内側(図7における右側)の端部が車体5に接続されると共に車体5外側(図7における左側)の端部がボールジョイント53を介してハブ17の下端部に回転可能に接続される。また、シリンダ8にはブラケットアーム54が固定され、該ブラケットアーム54の先端部は、ボールジョイント55を介してハブ17の上端部に回転可能に接続される。
第5の実施形態のサスペンション装置51によれば、第1の実施形態のサスペンション装置1と同等の効果を得ることができる。
第6の実施形態のサスペンション装置61を図8及び図9に基いて説明する。なお、第1〜第5の実施形態のサスペンション装置1,21,31,41,51と同一又は相当する構成には、同一の名称及び符号を付与すると共にその詳細な説明を省略する。ロッド6(車体側部材)は、アッパーマウント4を介して車体5に固定される。シリンダ8(車輪側部材)の外周面にはブラケット7が設けられ、該ブラケット7はボールジョイント62を介してハブ17に回転可能に接続される。また、シリンダ8の下端部にはアクチュエータ63が設けられる。該アクチュエータ63は、ケーシング64に収容されるトルクモータ13と、該トルクモータ13の出力軸に接続されると共にケーシング64にベアリング65を介して回転可能に支持されるナット66と、外周面に形成されたねじ部がナット66の内周面に螺設された溝に螺合されると共に先端部がボールジョイント68を介してハブ17に回転可能に接続されるリンク部材67とによって構成される。なお、ハブ17の下端部には、ロアアーム10の車体5外側の端部がボールジョイント69を介して回転可能に接続され、ハブ17及びボールジョイント62、69が操向部を構成する。
第6の実施形態のサスペンション装置61によれば、第1の実施形態のサスペンション装置1と同等の効果を得ることができる。
Claims (1)
- ステアバイワイヤシステムが採用される車両のサスペンション装置であって、
車体と車輪との間に設けられて車輪の上下動に応じて軸方向へ相対変位される車体側部材と車輪側部材とから構成されるシリンダ装置と、車輪を操向させる操向装置と、を具備し、
前記操向装置は、
前記車輪側部材と車輪との間に設けられて車輪を操向可能に支持する操向部と、前記操向部を操向軸の回りに回動させて車輪を操向させるアクチュエータと、を具備し、
前記操向部は、前記車輪が取り付けられるハブに固定される操向部材と、基部が前記車輪側部材の外周囲に回転可能に設けられた第1のリンク部材と、基部が前記車輪側部材の外周囲に回転可能に設けられて先端が前記第1のリンク部材に回転可能に接続された第1のアームと、該第1のアームの基部から延びて先端部が前記操向部材に接続された第2のリンク部材と、からなり、
前記アクチュエータは、前記第1のアームを回転駆動することを特徴とするサスペンション装置。
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