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JP5108479B2 - 燃料タンクにおける溶着ジョイント - Google Patents

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JP5108479B2 JP2007306416A JP2007306416A JP5108479B2 JP 5108479 B2 JP5108479 B2 JP 5108479B2 JP 2007306416 A JP2007306416 A JP 2007306416A JP 2007306416 A JP2007306416 A JP 2007306416A JP 5108479 B2 JP5108479 B2 JP 5108479B2
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Description

この発明は樹脂製の燃料タンクにおける配管用のチューブ又はコネクタ接続のための樹脂製のジョイント、詳しくは燃料タンクに熱溶着されて接続部を構成する樹脂製の溶着ジョイントに関する。
自動車に搭載される燃料タンクには、給油口から注入された燃料を燃料タンクに導くためのチューブ或いはコネクタ等を接続するためのジョイントが一体に設けられている。
ここで例えば給油口からの燃料を燃料タンクに導くチューブの場合、従来にあってはゴム製のチューブ(ゴムホース)が用いられて来たが、近年、環境保全の観点から燃料がホースを通じて外部に透過することを規制する環境規制が厳しくなって来ており、そこで配管用のチューブとして、ゴムホースに低燃料透過性の樹脂のバリア層を複合化したゴム樹脂複合チューブ,低燃料透過性を有するフッ素ゴムから成るゴムチューブ,或いは樹脂のみの樹脂チューブが採用されるに到っている。
従来、これらチューブの燃料タンクに対する接続構造として、例えば図12に示すような接続構造が採用されている。
図12において200は樹脂製の燃料タンクで、202は同じく樹脂製の溶着ジョイントである。溶着ジョイント202は熱溶着により燃料タンク200に一体化されている。
溶着ジョイント202は、チューブ差込部としての筒状部204を有しており、その筒状部204の外周面上に突出する状態で環状の鍔状部206が設けられている。
208は給油口から注入された燃料を燃料タンク200に導くための樹脂チューブで、図12(B)に示しているように可撓性を付与するために蛇腹部210が設けられている。
図12(B)及び図13において、212はコネクタ(クイックコネクタ)で、樹脂チューブ208はこのコネクタ212を介して溶着ジョイント202に接続される。
コネクタ212は樹脂製のコネクタ本体214と、同じく樹脂製のリテーナ216とで構成されている。
コネクタ本体214は軸方向の一方の側にニップル部218を備えており、また他方の側にリテーナ216を弾性的に挿入させて保持するソケット状のリテーナ保持部230を備えている。
ニップル部218は、樹脂チューブ208を外嵌状態に圧入させてこれを固定する部分であって、外周面に環状突起232を軸方向に隔てて複数有する、断面形状が鋸歯状をなす抜止部が形成されている。また内周側には複数のOリング(シールリング)234が保持されている。
一方ソケット状のリテーナ保持部230には円弧状の窓部236が設けられており、また対応した円弧形状をなす部分リング状部238が設けられている。
リテーナ216は全体的に径方向に弾性変形可能とされており、リテーナ保持部230における部分リング状部238に弾性的に嵌り合う円弧状の溝240と、溶着ジョイント202側の鍔状部206を軸方向に挿入ガイドするとともにリテーナ216全体を弾性的に拡径させるためのテーパ状のガイド面242と、鍔状部206を係入させる円弧形状の係入凹部244とを備えている。
この接続構造では、コネクタ本体214のニップル部218に樹脂チューブ208の端部を強制的に圧入して固定しておく。
その際、樹脂チューブ208の端部はニップル部218への圧入によって図12(B)に示しているように拡径変形し、強い緊締力でニップル部218を径方向に締め付ける。
そしてその締付力と、ニップル部218に設けた環状突起232の食込作用とで、樹脂チューブ208の端部がコネクタ本体214に固定状態となる。
これと併せてリテーナ216をコネクタ本体214に装着保持させておき、その状態でコネクタ212を溶着ジョイント202の筒状部204に外挿する。
このとき、コネクタ本体214に保持されたリテーナ216が鍔状部206によって弾性的に拡径変形させられ、そして鍔状部206が係入凹部244に到ったところで再び弾性的に縮径変形して、鍔状部206と係入凹部244とが係合状態となる。
これと同時に、筒状部204の鍔状部206より先端側の部分が、コネクタ本体214の内周側のOリング234に嵌り合った状態となって、筒状部204とコネクタ本体214との間が気密にシールされる。
一方これとは別に、上記コネクタ212を介することなく樹脂チューブ208を溶着ジョイント202の筒状部204に直接に(ダイレクトに)差し込み、接続を行うことが構想されている。
かかるコネクタ(クイックコネクタ)を接続し又は燃料配管用のチューブを直接接続するための溶着ジョイントは、上記のように燃料タンクに対して熱溶着により一体に接合されるが、溶着ジョイントを燃料タンクに熱溶着により一体に接合してチューブの接続部を構成する場合、次のような問題が生ずる。
従来、燃料タンクの外層材としてはHDPE(高密度ポリエチレン)樹脂が用いられており、従ってこれに一体化される溶着ジョイントはこの燃料タンクに溶着可能であることが求められる。
その溶着のため、筒状部を含む溶着ジョイント全体を同材質のHDPE樹脂で構成することが考えられるが、HDPE樹脂の場合、燃料タンクに対する溶着性は優れているものの、耐燃料透過性(低燃料透過性)は不十分で、そこから燃料が外部に透過してしまう問題を生ずる。
この低燃料透過性についての問題の解決を目的としたものとして、下記特許文献1には、燃料タンクとの溶着性を有する外層材と、低燃料透過性(バリア性)を有する樹脂材で構成した内層材とを径方向に積層して溶着ジョイントを構成する点が開示されている。
図14はその具体例を示している。
図14において、246は樹脂製の燃料タンクでHDPE樹脂から成る外層246-1と内層246-3及び低燃料透過性に優れたEVOH(エチレン―ビニルアルコール共重合体)樹脂のバリア層246-2を積層して構成してある。
248はこの燃料タンク246に溶着一体化された樹脂製の溶着ジョイントで、この溶着ジョイント248はチューブ258の接続部(差込部)となる筒状部252と、その基端部の溶着部250とを有しており、その溶着部250において燃料タンク246に熱溶着されている。
筒状部252は外層254と内層256とが別の樹脂材から成っている。詳しくは外層254が溶着部250と同じ樹脂材で、また内層256がこれよりも低燃料透過性に優れたPA(ポリアミド)樹脂等のバリア材で構成されている。
尚260はチューブ258を嵌込状態にクランプするホースバンドである。
この構造の溶着ジョイント248において、筒状部252における外層254と溶着部250とを燃料タンク246に対して溶着性の高い、同材質のHDPE樹脂で構成すると、このHDPE樹脂は低燃料透過性が十分でなく(そのために図14に示す溶着ジョイント248では筒状部252の内層256がバリア材で構成されている)、従って筒状部252については低燃料透過性は確保できたとしても、HDPE樹脂から成る溶着部250については言わば剥き出しの状態となっており、燃料タンク246内の燃料がこの溶着部250を通じて外部に透過してしまうといった問題が内在している。
そこで本出願人は、先の特許願(下記特許文献2)において、図15に示しているように溶着ジョイント262の全体を、詳しくは筒状部264と、燃料タンク246に溶着される溶着部266とを含む溶着ジョイント262の全体を、EVOHの水酸基に対して親和性の高い官能基を導入して成る変性HDPE(高密度ポリエチレン)を単独で若しくはHDPEとともにEVOHとアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成したものを提案している。
EVOHは、従来からガスバリア性に優れた材料として知られており、かかるEVOHに対して上記の変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともにアロイ化して成る樹脂アロイ材は、そこに含有されるHDPEによって燃料タンク246に対し優れた溶着性を有しているとともに、EVOHによる極めて優れた低燃料透過性(バリア性)も併せて有しており、従って図15に示すように筒状部264及び溶着部266を含む溶着ジョイント262全体を単一の材料で構成し得て、これにより成形に要する工数を少なくでき、溶着ジョイント262を安価となし得る利点の他に、筒状部264及び溶着部266に良好な低燃料透過性を付与することができるとともに、併せて溶着部266に高い溶着性を付与することが期待できる。なお、PAもEVOHと同様にガスバリア性に優れた材料であり、PAのアミン基に対して親和性の高い官能基を導入して成る変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともにPAとアロイ化した樹脂アロイ材を用いて溶着ジョイント262を形成しても、同様の利点が期待できる。
しかしながら、このような溶着ジョイント262を燃料タンク246に対して溶着試験したところ、実際には燃料タンク246に対する溶着ジョイント262の溶着強度が、各種の溶着条件により、例えば溶着時における溶着ジョイント262や燃料タンク246の樹脂の溶融温度,溶融時間,溶融代(溶融厚み),溶着のときの加圧力,溶着時間等の条件によってばらつきを生じ、安定した溶着強度が必ずしも十分に得られないことが判明した。
上記の樹脂アロイ材を用いて構成した図15の溶着ジョイント262の溶着部266は、これをEVOH単独で構成した場合に比べて溶着性は高まっているものの、HDPE樹脂ほどには溶着性は高くなく、そのため溶着ジョイント262を溶着部266で樹脂製の燃料タンク246に溶着したとき、溶着条件の如何によって溶着が強かったり不足したりする等の溶着のばらつきを生じてしまうのである。そして、EVOHやPA以外の燃料低透過性樹脂を用いた場合も同様の事態が生じるものと考えられる。
特開2002−254938号公報 特開2006−143172号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、少なくとも溶着部を変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに、例えばEVOH又はPAとアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成した場合においても、溶着部を安定した且つ十分な溶着強度で樹脂製の燃料タンクに溶着することのできる燃料タンク用の溶着ジョイントを提供することを目的としてなされたものである。
この目的を達成するための本発明の燃料タンクにおける溶着ジョイントは、配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、少なくとも前記溶着部が、燃料低透過性のバリヤ樹脂と親和性を有する変性HDPE(高密度ポリエチレン)を単独で若しくはHDPE(高密度ポリエチレン)とともに該バリヤ樹脂とアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部に、該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層が構成してあり、該高溶着層の先端面を溶着面として前記溶着部が前記燃料タンクに溶着されるようになしてある燃料タンクにおける溶着ジョイント、あるいは、配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、少なくとも前記溶着部が、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)の水酸基又はPA(ポリアミド)のアミン基に対して親和性の高い官能基を導入して成る変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該EVOH又はPAとアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部に、該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層が構成してあり、該高溶着層の先端面を溶着面として前記溶着部が前記燃料タンクに溶着されるようになしてある燃料タンクにおける溶着ジョイントである。ここでは、少なくとも溶着部を、EVOHの水酸基に対して親和性の高い官能基を導入して成る変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該EVOHとアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成できる。また、PAのアミン基に対して親和性の高い官能基を導入して成る変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該PAとアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いても構成できる。
本発明では、配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、少なくとも前記溶着部が、燃料低透過性のバリヤ樹脂と親和性を有する変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該バリヤ樹脂とアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部の全体が全周に亘り該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層にて構成してあり、該高溶着層の先端面を溶着面として前記溶着部が前記燃料タンクに溶着されるもの、あるいは、配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、少なくとも前記溶着部が、EVOHの水酸基又はPAのアミン基に対して親和性の高い官能基を導入して成る変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該EVOH又はPAとアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部の全体が全周に亘り該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層にて構成してあり、該高溶着層の先端面を溶着面として前記溶着部が前記燃料タンクに溶着されるものとすることができる。
本発明ではまた、配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、少なくとも前記溶着部が、燃料低透過性のバリヤ樹脂と親和性を有する変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該バリヤ樹脂とアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部の外周側部分若しくは内周側部分又はそれらの間の中間部分が全周に亘り部分的に該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層として構成してあり、前記溶着部の前記樹脂アロイ材から成る部分の先端面及び該高溶着層の先端面を溶着面として該溶着部が前記燃料タンクに溶着されるもの、あるいは、配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、少なくとも前記溶着部が、EVOHの水酸基又はPAのアミン基に対して親和性の高い官能基を導入して成る変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該EVOH又はPAとアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部の外周側部分若しくは内周側部分又はそれらの間の中間部分が全周に亘り部分的に該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層として構成してあり、前記溶着部の前記樹脂アロイ材から成る部分の先端面及び該高溶着層の先端面を溶着面として該溶着部が前記燃料タンクに溶着されるものとすることができる。
請求項5のものは、請求項3において、前記高溶着層の外周面が、前記燃料タンク側の前記先端面から前記筒状部の側に離れるに従って漸次小径となるテーパ面となしてあることを特徴とする。
請求項6のものは、請求項4において、前記高溶着層には、前記樹脂アロイ材を用いて前記溶着ジョイントを成形する成形型に予め成形した該高溶着層をセットした状態で該成形型の成形面に当接し、該樹脂アロイ材を該成形型に注入して成形する際に該高溶着層を変形防止する支持部が放射状に設けてあることを特徴とする。
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかのおいて、前記高溶着層を除く前記溶着部及び前記筒状部の全体が単一の前記樹脂アロイ材を用いて構成してあることを特徴とする。
以上のように本発明は、溶着部の燃料タンク側の先端部に、該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層を構成し、例えば、溶着部の燃料タンク側の先端部の全体を全周に亘り燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層にて構成し、溶着ジョイントの溶着部を高溶着層の部分で燃料タンクに溶着するようになしたもので、本発明によれば、上記の樹脂アロイ材を用いて構成した溶着部により一層高い溶着性能を付与することができ、これにより溶着ジョイントを燃料タンクに溶着する際の溶着条件の如何に拘らず、十分に安定した且つ強い溶着強度で溶着ジョイントを燃料タンクに溶着することが可能となる。
一方、請求項4は溶着部における燃料タンク側の先端部の外周側部分若しくは内周側部分又はそれらの間の中間部分を全周に亘り部分的に上記の高溶着層にて構成し、溶着部の上記樹脂アロイ材から成る部分の先端面及び高溶着層の先端面を溶着面として、溶着部を燃料タンクに溶着するようになしたもので、この場合においても高溶着層の働きによって、溶着ジョイントの溶着部を安定した強い溶着強度で燃料タンクに溶着することが可能となる。
またこの請求項4では、溶着部の樹脂アロイ材から成る部分も燃料タンク側の先端面を溶着面として燃料タンクに全周に亘り溶着するようになしているため、請求項3に比べて燃料タンク内の燃料が高溶着層を通じて外部に透過してしまうのをより良好に抑制することができる。
次に請求項5は、請求項3における高溶着層の形状を、その外周面が燃料タンク側の先端面から筒状部の側に離れるに従って漸次小径となるテーパ面を成す形状としたものである。
請求項3において、溶着ジョイントを成形するに際しては高溶着層を予め成形しておき、これを成形型の内部にセットした状態で成形型の内部に樹脂アロイ材を注入し、溶着部を成形することとなるが、このとき成形型の内部への樹脂アロイ材の注入の圧力で成形型の内部にセットしてある高溶着層がめくれ上がりを生じ、高溶着層が予定した位置で溶着部に良好に2色成形にて一体化されないおそれがある。
しかるに請求項5に従って高溶着層の外周面を燃料タンク側の先端面から筒状部の側に離れるに従って漸次小径となるテーパ面となしておくことで、樹脂アロイ材の注入時に高溶着層が上記のようなめくり上がりを生ずるのが防止される。
従ってこの請求項5によれば、高溶着層を予定した位置で溶着部に良好に2色成形にて一体化することができる。
次に請求項6は、高溶着層を請求項4に従って構成した場合において、かかる高溶着層を成形型にセットした状態で樹脂アロイ材を成形型に注入して成形する際、成形型の成形面に当接して高溶着層を変形防止する支持部を放射状に設けたもので、この場合においても高溶着層を溶着部に良好に2色成形にて一体化することができる。
本発明では、上記高溶着層を除く溶着部及び上記筒状部の全体を単一の上記樹脂アロイ材を用いて構成することができる(請求項7)。
このようにすれば、溶着ジョイント全体を実質的に単一の樹脂材で構成でき、成形のための工数を少なくでき、溶着ジョイントのコストを安価となすことができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は樹脂製の燃料タンクで、HDPE樹脂から成る外層10-1と内層10-3とで、EVOH樹脂から成る低燃料透過性に優れるバリア層10-2をサンドイッチ状に挟んだ積層構造をなしている。
12は樹脂製の溶着ジョイントで、配管用のチューブ(以下単にチューブ)の接続部となる筒状部14と、その基端部の溶着部16とを有している。
配管用のチューブはこの筒状部14に外嵌状態に圧入され、かかる溶着ジョイント12を介して燃料タンク10に接続される。
筒状部14の外周面には、環状突起18を軸方向に間隔を隔てて複数有する、断面形状が鋸刃形状の抜止部19が設けられている。
この抜止部19は、先端が鋭角を成す各環状突起18をチューブの内面に食い込ませてチューブの抜止作用をなす。
筒状部14にはまた、その先端側に環状のOリング溝20が形成されていて、そこにシール材としての弾性を有するOリングが嵌め込まれるようになっている。
また筒状部14には、抜止部19の図中左側の位置に略環状を成すストッパ部22が形成されている。
このストッパ部22はチューブを筒状部14に挿し込んだときに、チューブの先端に当接してその挿込量を規定する働きをなす。
上記溶着部16は、略円盤状のフランジ部24と、その外周端から燃料タンク10側に向って立ち下がり、燃料タンク10の開口部28周りに環状を成す立下り部26とを有しており、その立下り部26において燃料タンク10の開口部28の周縁部、具体的には外層10-1に対し熱溶着により一体化されている。
溶着ジョイント12にはまた、立下り部26の内側において燃料タンク10側に突出する円環状の突出部30が一体に形成されている。ここで突出部30は、燃料タンク10内に配置されるバルブ等の樹脂製のハウジング32との連結用に用いられる。
図2及び図3に、溶着ジョイント12の燃料タンク10に対する溶着前の形状が示してある。
図2に示しているようにこの実施形態では溶着部16、詳しくは立下り部26の、燃料タンク10側の先端部の全体が、開口部28周りに全周に亘って、燃料タンク10への溶着性の高い高溶着層34にて構成してあり、かかる高溶着層34が、立下り部26の主部36の先端面に全面に亘って2色成形により一体に積層成形されている。
尚この実施形態において、高溶着層34はその厚みが2mmとされている(尚溶着時の溶着代は2mmである)。
溶着部16は、この高溶着層34の先端面を溶着面38として燃料タンク10に熱溶着される。
本実施形態では、この高溶着層34を除く溶着ジョイント12の全体、詳しくは溶着部16における立下り部26の主部36及びフランジ部24、更に筒状部14を含む全体が以下の材料、即ちEVOH(エチレンビニルアルコール)の水酸基に対して親和性の高い官能基を導入した変性HDPE(高密度ポリエチレン)を単独で若しくは通常のHDPEとともにEVOHとアロイ化して成る樹脂アロイ材、あるいは、PAのアミン基に対して親和性の高い官能基を導入した変性HDPEを単独で若しくは通常のHDPEとともにPAとアロイ化して成る樹脂アロイ材にて構成されている。
一方高溶着層34は、かかる樹脂アロイ材よりも燃料タンク10に対し溶着性の高い、詳しくは外層10-1に対し溶着性の高いHDPE樹脂が用いられている。
尚この高溶着層34として上記の変性HDPE樹脂又は通常のHDPE樹脂と変性HDPE樹脂との混合材を用いても良い。
ここで高溶着層34は、図2(B)に示しているようにこの実施形態では図中下面と上面、即ち燃料タンク10側の溶着面38と反対側の面とが燃料タンク10の外面と平行な面をなしており、またその外周面が主部36の外周面を下方に延長した面、詳しくは燃料タンク10の外面に対しほぼ直角の面とされ、更に内周面が主部36の内周面を燃料タンク10側に延長した面、詳しくはここでは図中上下方向に対し僅かに傾斜した面とされている。
本実施形態において、EVOH又はPAとアロイ化するための材料として通常のHDPEではなく変性HDPEを用いているが、これは次の理由による。
通常のHDPEはEVOH又はPAに対して親和性に乏しく、従って単にこれをEVOH又はPAとアロイ化しようとしても、それらの非親和性によってEVOH又はPAやHDPEが大きな塊となって部分的に偏在した状態となってしまう。
この場合、EVOH又はPA自体は低燃料透過性に優れてはいるものの、それが大きな塊となって互いに離れてHDPEのマトリックス中に偏在するため(但しHDPEがマトリックスとなる場合)、燃料ガスは容易にそれらEVOH又はPAの塊の間を通って外部へと抜けてしまう。
これはEVOHやPAとHDPEとが非相溶材の組合せであることから、これを物理的に混合してみても両者が相分離してしまって親和性の乏しい界面を形成することによる。
この結果、この混合材(ブレンド材)は大きなEVOH又はPAの塊をあたかも異物として含んだような状態となって強度的にも弱くなり(ボロボロの状態となる)、また両者の界面で剥離を生じ易くなったりする。
これに対して本実施形態では、EVOH又はPAとのアロイ化材として、EVOHの水酸基に対して化学反応性(主として水素結合、共有結合)を有する官能基を導入して成る変性HDPE樹脂、又はPAのアミン基に対して化学反応性(主として水素結合、共有結合)を有する官能基を導入して成る変性HDPE樹脂、を用いているため、EVOH又はPAとHDPEとが均一に混合分散し、両者が互いに融合した状態となる。
これにより良好な溶着性(燃料タンク10への溶着性)と低燃料透過性(バリア性)がともに実現される。
このようにEVOH又はPAとHDPEとが均一に混合分散して互いに融合した均質の相を形成するのは、HDPEが官能基の導入による変性によってEVOH又はPAに対し高い親和性を有するに到ったことによる。
またEVOH又はPAと変性HDPEとをアロイ化して成る樹脂アロイ材は、両者が均一に混合分散して均質の相を形成することから、材料の強度と併せて耐衝撃性も高くなる。
ここで上記の変成基、即ちHDPEに導入する官能基としてはカルボン酸基,カルボン酸無水物,エポキシ基,アクリレート基,メタクリレート基,酢酸ビニル基,アミノ基等を例示することができる。
またHDPEの比率を上げることにより溶着強度を強くし、EVOH又PAの比率を上げることにより低燃料透過性を向上させることができる。このように比率を調整して、溶着強度と低燃料透過性の向上の何れにでも対応することができる。比率としてはEVOH又はPA/変性HDPEを容量比率で80/20〜15/85とすることができる。
なお、EVOH、PA及び変性HDPEはそれぞれ、MFR(メルトマスフローレイト)値が10(g/10分)以下(JIS K7210)であり、溶着ジョイント12の成形時に樹脂アロイ材の流れ性が良好で、成形性にも優れている。
また、上記配合に相溶化材を含有させなくて良いことも低燃料透過性を高められる要因となる。尤も必要に応じて樹脂アロイ材中に相溶化材,無機系充填材等を配合しても良い。但し相溶化材は入れ過ぎると基材の結晶性を低下させ、透過性が増加(バリア性が落ちる)するため、要求されるバリア性能が確保できる範囲内で添加する。
また変性HDPEを単独でEVOH又はPAとアロイ化する外、通常のHDPEと変性HDPEとの両者を用いてEVOH又はPAとアロイ化しても良い。通常のHDPEもMFR値が10(g/10分)以下(JIS K7210)であり、このHDPEを含んだ樹脂アロイ材も流れ性が良好で、成形性にも優れている。
本実施形態において、上記樹脂アロイ材はEVOH又はPA,変性HDPEの何れか一方を海,他方を島とする海島構造とすることができる。
図4は、図2及び図3に示す溶着ジョイント12を燃料タンク10に対し溶着する際の手順を示している。
溶着ジョイント12を燃料タンク10に熱溶着し一体化するには、図4(I)及び(II)に示すように燃料タンク10とは別体に成形された溶着ジョイント12と燃料タンク10との間に熱板40を挟み込んで、溶着ジョイント12における立下り部26の先端面、詳しくはここでは高溶着層34の溶着面38と、燃料タンク10の外層10-1の被溶着面とを加熱溶融する。
そして図4(III)に示しているように熱板40を取り除いて、溶着ジョイント12の溶着面38を燃料タンク10に重ね合わせ、図中下向きに力を加えて、溶着ジョイント12を燃料タンク10に熱溶着し一体化する(図4(IV))。
図5は本発明の他の実施形態を示している。
具体的にはここでは高溶着層34の形状が、上記実施形態とは異なった形状とされている。
詳しくはこの実施形態では高溶着層34の外周面が、燃料タンク10側の先端面から図中上向き、即ち筒状部14側に離れるに従って漸次小径となるテーパ面42となしてある。尚、他の部分については上記実施形態と同様の形状である。
図6〜図8は図5に示す高溶着層34の形状的な効果を、溶着ジョイント12の成形方法とともに示したものである。
これらの図において44は溶着ジョイント12の成形型で、46はその成形型44に備えられた成形キャビティであり、48は溶着部16における立下り部36の成形部である。
また48-1は立下り部26の外周面の成形面を、48-2は内周面の成形面を、48-3はその先端面即ち立下り部26における溶着面38の成形面を表している。
図6(B)は図2に示す溶着ジョイント12を成形する場合を表しており、ここでは先ず全体として板状且つリング状を成す高溶着層34を予め成形しておき、これを成形キャビティ46内部、詳しくは立下り部26の成形部48にセットする。このとき成形面48-1と48-2と48-3とに、高溶着層34の外周面と内周面及び図中下面即ち溶着面38となる下面を接するように配置する。
但し予め成形した高溶着層34は、成形部48内部に確実にこれを挿入しセットできるように、図中の左右寸法を成形部48における高溶着層34の挿入箇所よりも若干小寸法としておく。
従って、厳密には高溶着層34を成形部48に挿入セットした状態で、その外周面と成形面48-1との間には僅かな隙間が生じる。
この状態で横向の注入口50から、溶着ジョイント12の材料である樹脂アロイ材を図中右向きに注入し、そしてこれを成形キャビティ46に充填して高溶着層34と、それ以外の部分とを一体に2色成形する。
このとき、図2(B)に示す形状の高溶着層34の場合、注入口50から注入された樹脂アロイ材の圧力によって、図7(A)に示すように高溶着層34がめくれ上がりを生じてしまう可能性がある。
このような現象が生じると高溶着層34は、図2(B)に示す予定した正規の位置に形成されなくなってしまう。
これに対して図5に示す高溶着層34の場合、その外周面がテーパ面42とされているため、これを成形部48にセットした状態で注入口50から上記の樹脂アロイ材を注入したとき、図7(B)に示すようにその圧力によってテーパ面42が下向きに押され、その結果として成形部48にセットされた高溶着層34が、図7(A)に示すようなめくれ上がりを生じず、成形面48-3に密着せしめられる。
そしてその状態で溶着ジョイント12全体が樹脂アロイ材にて成形され且つ同時に高溶着層34が2色成形により一体化される。
従って図5に示す形状で高溶着層34を形成した場合、高溶着層34を含む溶着ジョイント12を2色成形にて成形したとき、高溶着層34を予定した位置に且つ正しい向き及び形状でこれを形成することができる。
以上のような本実施形態によれば、樹脂アロイ材を用いて構成した溶着部16により一層高い溶着性能を付与することができ、これにより溶着ジョイント12を燃料タンク10に溶着したとき、その溶着条件の如何に拘らず十分に安定した強い溶着強度で溶着ジョイント12を燃料タンク10に溶着することが可能となる。
図8及び図9は本発明の更に他の実施形態を示している。
図9に示しているようにこの例は、溶着部16における立下り部26の燃料タンク10側の先端部のうち、略半分の内周側部分のみを上記と同じ材料の高溶着層34にて構成した例である。
この実施形態の場合、溶着ジョイント12を燃料タンク10に溶着したとき、立下り部26の先端部で内周側の高溶着層34が溶着面38で燃料タンク10に溶着し、また外周側部分、つまり樹脂アロイ材で構成した主部36が溶着面38で燃料タンク10に溶着する。
この場合においても高溶着層34の働きによって、燃料タンク10に対する溶着ジョイント12の溶着強度を樹脂アロイ材単独から成る場合に比べて高強度となすことができる。
また外周側部分では樹脂アロイ材が燃料タンク10に溶着されて燃料ガスの透過に対して耐透過性の壁を形成するため、図2及び図5に示すものに比べて立下り部26の先端部における低燃料透過性をより一層高くすることができる。
立下り部26の先端部の外周側部分は、内周側部分の高溶着層34に比べてより優れた低燃料透過性を有する樹脂アロイ材にて構成されているため、たとえ高溶着層34を燃料ガスが外周側に透過して来ることがあっても燃料ガスを外周側部分で透過遮断でき、燃料タンク10内部からの燃料ガスが先端部を通じて外部に漏れるのを効果的に抑制することができる。
図10は、図9(B)の高溶着層34を予め成形しておいて、これをインサート材として成形部48内に挿入セットしたときの状態を表している。
この状態で溶着部16を(つまり溶着ジョイント12全体を)樹脂アロイ材で成形するに際し、注入口50から樹脂アロイ材を図中右向きに注入すると、環状の成形部48を図中左側から右向きに周り込んだ樹脂アロイ材が、注入圧力によってリング状を成す高溶着層34の内側に潜り込み、更にその圧力で高溶着層34の図中右側部分を成形面48-3から引き離すように押し広げ、そして高溶着層34と成形面48-3との間に樹脂アロイ材が入り込んだまま高溶着層34が変形状態で溶着部16に一体化されてしまうおそれがある。
図11はこのような問題に対する高溶着層34の対策形状を示している。
図示のようにここでは高溶着層34を成形部48にセットした状態で外周面の成形面48-1に当接する支持部54が、リング状をなす高溶着層34に放射状に突出する形状で周方向に沿って所定間隔ごとに複数設けてある。
このようにしておけば、注入口50から樹脂アロイ材を注入したとき、その注入圧力によって高溶着層34が図10(B)に示すような変形を生じるのを防止でき、従ってこの図11に示す形状の高溶着層34を用いることで、かかる高溶着層34を目的とする位置に良好に溶着部16に一体化することができる。成形された溶着ジョイント12では、支持部54の先端は、立下り部26又は立下り部26の先端部の外周まで達している。
以上では立下り部26の先端部のうち、内周側の略半分のみを高溶着層34にて構成しているが、場合によって立下り部36の外周側の略半分を高溶着層34にて構成すること、或いは外周側の部分と内周側の部分との間の中間部分を高溶着層34にて構成するといったことも可能であり、これらの場合においても上記と同様の効果を奏することができる。
また場合によってリング状をなす高溶着層34を外周面と内周面との間の複数箇所に分割して配置しておくといったことも可能である。
尚、高溶着層34を立下り部36における先端部の外周側に設ける場合には、支持部54を内周側の成形面48-3側に向って放射状に突出せしめ、それらを成形面48-3に対して当接させる。ここでは、成形された溶着ジョイント12では、支持部54の先端は、立下り部26又は立下り部26の先端部の内周まで達している。
また外周側と内周側との中間部分に高溶着層34を部分的に設ける場合には、内周側と外周側との両方に上記のような支持部54を放射状に突出形成しておき、それらを成形面48-1と48-3とのそれぞれに当接させるようになしておくことができる。ここでは、成形された溶着ジョイント12では、支持部54の先端は、立下り部26又は立下り部26の先端部の内周及び外周まで達している。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示である。例えば本発明は高溶着層を除く溶着ジョイント12の全体を単一の上記の樹脂アロイ材で構成しておくことが望ましいが、場合によって筒状部の内面や外面に別の材料を一体成形しておくといったことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態の溶着ジョイントを燃料タンクへの溶着状態で示す図である。 図1の溶着ジョイントを溶着前の状態で示す図である。 図2の溶着ジョイントの斜視図である。 同実施形態における溶着工程の説明図である。 本発明の他の実施形態を示す要部拡大図である。 溶着ジョイントの成形方法の説明図である。 図5の実施形態の利点の説明図である。 本発明の更に他の実施形態を示す図である。 図8の溶着ジョイントの溶着前の状態を示す図である。 同実施形態における成形の際の問題点の説明図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示す図である。 樹脂チューブの燃料タンクに対する従来の接続方式を示す説明図である。 図12の接続構造を各部材に分解して示す図である。 従来公知の溶着ジョイントの構成例を示す図である。 図14とは異なる従来の溶着ジョイントの例を示す図である。
符号の説明
10 燃料タンク
12 溶着ジョイント
14 筒状部
16 溶着部
34 高溶着層
38 溶着面
42 テーパ面
44 成形型
48 成形部
54 支持部

Claims (6)

  1. 配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、
    少なくとも前記溶着部が、燃料低透過性のバリヤ樹脂と親和性を有する変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該バリヤ樹脂とアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部に、該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層が構成してあり、該高溶着層の先端面を溶着面として前記溶着部が前記燃料タンクに溶着されるようになしてあり、
    該溶着部における前記燃料タンク側の先端部の全体が全周に亘り前記高溶着層にて構成され、
    前記高溶着層の外周面全体が、前記燃料タンク側の前記先端面から前記筒状部の側に離れるに従って漸次小径となるテーパ面となしてあることを特徴とする燃料タンクにおける溶着ジョイント。
  2. 配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、
    少なくとも前記溶着部が、EVOHの水酸基又はPAのアミン基に対して親和性の高い官能基を導入して成る変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該EVOH又はPAとアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部に、該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層が構成してあり、該高溶着層の先端面を溶着面として前記溶着部が前記燃料タンクに溶着されるようになしてあり、
    該溶着部における前記燃料タンク側の先端部の全体が全周に亘り前記高溶着層にて構成され、
    前記高溶着層の外周面全体が、前記燃料タンク側の前記先端面から前記筒状部の側に離れるに従って漸次小径となるテーパ面となしてあることを特徴とする燃料タンクにおける溶着ジョイント。
  3. 配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、
    少なくとも前記溶着部が、燃料低透過性のバリヤ樹脂と親和性を有する変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該バリヤ樹脂とアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部に、該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層が構成してあり、該高溶着層の先端面を溶着面として前記溶着部が前記燃料タンクに溶着されるようになしてあり、
    該溶着部における前記燃料タンク側の先端部の外周側部分若しくは内周側部分又はそれらの間の中間部分が全周に亘り部分的に前記高溶着層として構成してあり、前記溶着部の前記樹脂アロイ材から成る部分の先端面及び該高溶着層の先端面を溶着面として該溶着部が前記燃料タンクに溶着されるようになしてあることを特徴とする燃料タンクにおける溶着ジョイント。
  4. 配管用のチューブ又はコネクタの接続部としての筒状部と基端部の溶着部とを有し、該溶着部において樹脂製の燃料タンクの開口部の周縁部に熱溶着されて一体化される溶着ジョイントであって、
    少なくとも前記溶着部が、EVOHの水酸基又はPAのアミン基に対して親和性の高い官能基を導入して成る変性HDPEを単独で若しくはHDPEとともに該EVOH又はPAとアロイ化して成る樹脂アロイ材を用いて構成してあるとともに、該溶着部における前記燃料タンク側の先端部に、該燃料タンクへの溶着性の高いHDPE樹脂又は/及び変性HDPE樹脂から成る高溶着層が構成してあり、該高溶着層の先端面を溶着面として前記溶着部が前記燃料タンクに溶着されるようになしてあり、
    該溶着部における前記燃料タンク側の先端部の外周側部分若しくは内周側部分又はそれらの間の中間部分が全周に亘り部分的に前記高溶着層として構成してあり、前記溶着部の前記樹脂アロイ材から成る部分の先端面及び該高溶着層の先端面を溶着面として該溶着部が前記燃料タンクに溶着されるようになしてあることを特徴とする燃料タンクにおける溶着ジョイント。
  5. 請求項3又は請求項4において、前記高溶着層には、前記樹脂アロイ材を用いて前記溶着ジョイントを成形する成形型に予め成形した該高溶着層をセットした状態で該成形型の成形面に当接し、該樹脂アロイ材を該成形型に注入して成形する際に該高溶着層を変形防止する支持部が放射状に設けてあることを特徴とする燃料タンクにおける溶着ジョイント。
  6. 請求項1〜何れかにおいて、前記高溶着層を除く前記溶着部及び前記筒状部の全体が単一の前記樹脂アロイ材を用いて構成してあることを特徴とする燃料タンクにおける溶着ジョイント。
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