以下、添付図面を参照して、本発明に係る電圧測定装置の最良の形態について説明する。
最初に、本発明に係る電圧測定装置1について、図面を参照して説明する。
電圧測定装置1は、図1に示すように、プローブユニット2および本体ユニット3を備え、測定対象体4の電圧V1を非接触で測定可能に構成されている。
プローブユニット2は、図1に示すように、ケース11、検出電極12、可変容量回路19、電流検出器15およびプリアンプ16を備え、本発明におけるセンサ部として機能する。ケース11は、導電性材料(例えば金属材料)を用いて構成されている。検出電極12は、例えば、平板状に形成されると共に、その一方の面側がケース11の外表面に露出し、かつ他方の面側がケース11の内部に露出するようにしてケース11に固定されている。一例として、検出電極12は、ケース11に設けられている孔(図示せず)に、この孔を閉塞し、かつケース11に対して電気的に絶縁された状態で取り付けられている。また、本例では、一例として、ケース11は、その表面が樹脂材などで形成された絶縁被膜で覆われている。この場合、検出電極12は、この絶縁被膜で覆われていてもよいし、絶縁被膜から露出していてもよい。
可変容量回路19は、図1に示すように、1つの容量変化機能体13および1つの駆動回路14を備えている。また、可変容量回路19(具体的には容量変化機能体13)は、第1の構成単位31、第2の構成単位32、第3の構成単位33および第4の構成単位34がこの順に環状(ブリッジ状)に接続されて、いわゆるブリッジ回路に構成されている。具体的には、各構成単位31,32,33,34は、図2に示すように、第1電気的要素E11,E12,E13,E14(以下、特に区別しないときには「第1電気的要素E1」ともいう)をそれぞれ1つずつ含んで構成されている。
この場合、各第1電気的要素E1は、一端が他端に対して高電位のときに抵抗体として機能し、かつ他端が一端に対して高電位のときに容量体としてそれぞれ機能する一対の第1素子41a,41b(以下、特に区別しないときには第1素子41ともいう)をそれぞれ1つずつ含み、各第1素子41が互いに逆向きに直列接続されて構成されている。これにより、各第1電気的要素E1は、直流信号の通過を阻止しつつ印加電圧の絶対値の大きさに応じて容量が変化するように構成されている。本例では、一例として、各第1素子41は、互いに接合されたP型半導体およびN型半導体を有して構成され、具体的には1つのダイオード(一例として可変容量ダイオード。バリキャップやバラクタダイオードともいう。)で構成され、各第1電気的要素E1は、これら2つのダイオードが逆向きに直列接続されて(アノード端子同士が接続されて)構成されている。また、各第1素子41a,41bには同一またはほぼ同一の特性の可変容量ダイオードが使用されて、第1の構成単位31および第3の構成単位33の各インピーダンスの積と、第2の構成単位32および第4の構成単位34の各インピーダンスの積とが同一またはほぼ同一(一例として数%程度の範囲内で相違する状態)に設定されている。
なお、図2に示す容量変化機能体13では、各第1電気的要素E1は、一対の第1素子41a,41bの一端同士を接続して(一対のダイオードのアノード端子同士を接続して)構成されているが、図3に示す容量変化機能体13のように、一対の第1素子41a,41bの他端同士を接続して(一対のダイオードのカソード端子同士を接続して)、各第1電気的要素E1を構成することもできる。また、可変容量ダイオードは、電圧を逆方向に印加したときにダイオードのPN接合における空乏層の厚みが変化することによる静電容量(接合容量)の変化を利用したものであり、この静電容量の変化を大きくしたものをいう。他方、PN接合で構成される一般的なダイオード(シリコンダイオード)においても、可変容量ダイオードと比べて少ないものの、上記した静電容量(接合容量)の変化は発生する。このため、図2,3に示す各容量変化機能体13におけるすべての第1素子41a,41bを、一般的なダイオードで構成された第1素子51a,51b(以下、区別しないときには、第1素子51ともいう)に置き換えた構成(図4,5参照)であっても、容量変化機能体13を構成することができる。
また、可変容量回路19は、図1に示すように、検出電極12と参照電位Vrとなる部位(本例ではケース11)との間に、容量変化機能体13における第1の構成単位31および第4の構成単位34の接続点Aが検出電極12側に接続されると共に第2の構成単位32および第3の構成単位33の接続点Cがケース11側に接続された状態で配設されている。具体的には、可変容量回路19は、容量変化機能体13の接続点Aが検出電極12に直接接続されると共に、容量変化機能体13の接続点Cが電流検出器15を介してケース11に接続されて検出電極12とケース11との間に配設されている。また、第1の構成単位31および第2の構成単位32の接続点Bと、第3の構成単位33および第4の構成単位34の接続点Dとが駆動回路14に接続されている。また、可変容量回路19は、ケース11の外部に露出しない状態で、ケース11内部に配設されている。
駆動回路14は、例えば、トランスおよびフォトカプラなどの絶縁用電子部品を用いて構成されて、本体ユニット3から入力した駆動信号S1を、この駆動信号S1と電気的に絶縁されると共に駆動信号S1と同一の周波数f1の駆動信号S2に変換して容量変化機能体13に出力(印加)する。本例では、一例として、駆動回路14は、図1に示すように、一次巻線Tr1aおよび二次巻線Tr1bを備えた絶縁型のトランスTr1を用いて構成されている。この場合、二次巻線Tr1bの各端部が容量変化機能体13の接続点B,Dに接続されている。駆動回路14では、入力した駆動信号S1に基づいて一次巻線Tr1aが励磁されることで、トランスTr1が二次巻線Tr1bに駆動信号S2を発生させる。この構成により、駆動回路14は、駆動信号S1を低歪みで駆動信号S2に変換し、この駆動信号S2を容量変化機能体13の各接続点B,D間に印加する。本例では、後述するように一例として駆動信号S1として正弦波信号を用いているため、駆動信号S2も正弦波信号として出力される。また、上記の駆動回路14に代えて、本体ユニット3から駆動信号S1を入力することなく駆動信号S2を単独で出力するフローティング信号源(図示せず)をプローブユニット2内に配設することもできる。
電流検出器15は、一例として絶縁型のトランスTr2で構成されて本発明における検出回路として機能する。また、電流検出器15は、トランスTr2の一次巻線Tr2aの一端部が可変容量回路19(具体的には可変容量回路19における容量変化機能体13の接続点C)に接続され、かつ他端部がケース11に接続されて、可変容量回路19とケース11との間に接続されている。これにより、電流検出器15(つまりトランスTr2)は、可変容量回路19と直列に接続された状態で検出電極12とケース11との間に配設されて、可変容量回路19の容量変化機能体13に流れている電流iを検出すると共に、この電流iの電流値(振幅)に比例した振幅の電圧V2を二次巻線Tr2bに誘起(発生)させる。プリアンプ16は、トランスTr2の二次巻線Tr2bに誘起される電圧V2を増幅して、検出信号S3として出力する。この場合、電圧V2は電流iの値に比例して変化するため、この電圧V2を増幅して生成された検出信号S3も電流iの値に比例して変化する。また、上記した電流検出器15およびプリアンプ16は、可変容量回路19と共にケース11内部に配設されている。
本体ユニット3は、図1に示すように、制御部3a、電圧生成部3bおよび電圧計3cを備えて構成されている。この場合、制御部3aは、発振回路21、増幅回路22、局部発振回路23、ミキサ(乗算器)24、フィルタ回路25、検波回路26および極性判定回路27を備えている。具体的には、発振回路21は、一定の周期T1(周波数f1)の駆動信号S1を生成してプローブユニット2に出力する。また、発振回路21は、周期T1の二分の一の周期T2(周波数f2=2×f1)の判定用信号S11を駆動信号S1に同期させて生成して極性判定回路27に出力する。この場合、本例では、発振回路21は、駆動信号S1および判定用信号S11として正弦波信号を生成する。増幅回路22は、プローブユニット2から入力した検出信号S3を予め設定された電圧レベルまで増幅して、検出信号S4として出力する。局部発振回路23は、容量変化機能体13の後述する容量変調周波数f2に対して僅かな所定周波数αだけずれた(一例として高い)周波数(f2+α)の局発信号S5を生成してミキサ24に出力する。ミキサ24は、検出信号S4と局発信号S5とをミキシング(乗算)することにより、ミキシング信号S6を生成してフィルタ回路25に出力する。
フィルタ回路25は、上記の局部発振回路23およびミキサ24と共に本発明における中間周波変換部FTを構成し、ミキシング信号S6に含まれている所定周波数αの信号成分を選択的に抽出して中間周波信号S7として出力する。具体的には、ミキシング信号S6には、後述するように、所定周波数αの成分と、周波数(2×f2+α)の成分とがそれぞれ含まれており、フィルタ回路25は、所定周波数αの成分を選択的に抽出して中間周波信号S7として出力する。
この場合、ミキシング信号S6に含まれている各成分の周波数のうちの周波数(2×f2+α)に対する所定周波数αの比率(周波数f2をキャリア周波数としたときに不要側帯波信号としての上側波帯信号に対する下側波帯信号の比率)は、周波数f2の信号に対する周波数f1の信号の比率と比較して十分に小さくすることができる。例えば、周波数f2を2MHzとし、所定周波数αを10kHzとしたときには、前者の比率は、約0.0025となり、後者の比率(約0.5)と比較して十分に小さくなる。また、容量変化機能体13を構成する各電気的要素E1の特性を完全に同一に揃えるのは困難なため、容量変化機能体13に流れている電流iには、容量変化機能体13に印加される駆動信号S2の周波数成分(周波数f1の成分)も通常含まれており、したがって、検出信号S4にも周波数f1の成分が含まれている。この周波数f1の成分は、検出信号S4が局発信号S5とミキシングされたときには、周波数f2をキャリア周波数としたときに、下側波帯の周波数はf2(=2×f1)+α−f1=f1+αとなるが、この下側波帯の周波数に対する所定周波数αの比率も十分に小さいものとなる。例えば、上記の具体例で示した数値を適用した場合、周波数f1(=f2/2)が1MHzのため、所定周波数αのこの下側波帯の周波数(f1+α)に対する比率は約0.01となり、十分に小さいものとなる。このため、フィルタ回路25は、特に大きな選択度や優れた温度特性を備えた高価なフィルタ回路ではなく、一般的な特性のフィルタ回路、つまり安価なフィルタ回路で構成されている。検波回路26は、本発明における検波部を構成し、中間周波信号S7を検波することにより、検出信号S3の振幅成分を示す振幅信号S8を生成する。この場合、検波回路26は、例えば同期検波によって中間周波信号S7を検波する。したがって、振幅信号S8は、その振幅が可変容量回路19を流れる電流iの値(振幅)に比例して変化し、かつその極性が可変容量回路19を流れる電流iの向きに応じて変化する。
極性判定回路27は、判定用信号S11および検出信号S4を入力して判定用信号S11に対する検出信号S4の位相を検出する。また、極性判定回路27は、検出した位相に基づいて、測定対象体4およびケース11の各電圧V1,Vrの電位差(V1−Vr)の極性を判定すると共に、この極性を示す極性信号S12を生成して出力する。一例として、本例では、極性判定回路27は、電位差(V1−Vr)の極性と同じ極性で極性信号S12を出力する。
電圧生成部3bは、電圧生成回路28およびトランス(昇圧トランス)Tr3を備えて構成されている。電圧生成回路28は、電圧信号S9を生成して出力する。この場合、電圧生成回路28は、出力している電圧信号S9の電圧を、入力した振幅信号S8の振幅(電圧値)に比例した量だけ、入力した極性信号S12の極性が「正」のときには増加させ、逆に「負」のときには減少させる。。トランスTr3は、絶縁型のトランスであって、一次巻線Tr3a(巻数:n1)および二次巻線Tr3b(巻数:n2>n1)を備えて昇圧トランスとして構成されている。この場合、一次巻線Tr3aおよび二次巻線Tr3bは、それぞれの一端部が接地(グランドに接続)されている。また、一次巻線Tr3aの他端部は電圧生成回路28に、二次巻線Tr3bの他端部はプローブユニット2のケース11にそれぞれ接続されている。この構成により、トランスTr3は、一次巻線Tr3aに入力した電圧信号S9を昇圧して、参照電位信号S10として二次巻線Tr3bの他端部に出力すると共に、プローブユニット2のケース11に印加する。このようにしてケース11は、その電位(参照電位)Vrが参照電位信号S10の電圧に規定される。
電圧計3cは、参照電位信号S10の電圧(参照電位Vr)を測定して、その電圧値を表示する。なお、電圧計3cは、測定した参照電位Vrを表示する構成に代えて、プリンタなどの印刷装置に出力したり、外部メモリなどの記憶装置に記憶させたり、外部機器に伝送したりする構成にすることもできる。
次いで、電圧測定装置1の測定動作について説明する。なお、発明の理解を容易にするため、一例として、電圧生成回路28は、電圧測定装置1の測定動作開始時(時刻t0)は、ゼロボルトの電圧信号S9を生成し、その後、その電圧を増加または減少させるものとする。したがって、電圧生成部3bは、図7において実線で示すように、参照電位信号S10をゼロボルトから生成し始めるものとする。
まず、電圧V1の測定に際して、検出電極12が非接触な状態で測定対象体4に対向するように、プローブユニット2を測定対象体4の近傍に配設する。これにより、図1に示すように、検出電極12と測定対象体4との間に静電容量C0が形成された状態となる。この場合、静電容量C0の容量値は、検出電極12と測定対象体4の距離に反比例して変化するが、プローブユニット2を配設し終えた後は、一定の(変動しない)値となる。
次いで、電圧測定装置1の起動状態において、制御部3aでは、発振回路21が駆動信号S1および判定用信号S11の生成を開始して、駆動信号S1をプローブユニット2に、また判定用信号S11を極性判定回路27に出力する。また、局部発振回路23が局発信号S5の生成を開始して、生成した局発信号S5をミキサ24に出力する。プローブユニット2では、可変容量回路19の駆動回路14が、入力した駆動信号S1を駆動信号S2に変換して容量変化機能体13の各接続点B,D間に印加(出力)する。容量変化機能体13では、各接続点B,D間に印加された駆動信号S2が分圧されて、第1の構成単位31、第2の構成単位32、第3の構成単位33および第4の構成単位34にそれぞれ印加される。
この場合、図6に示すように、駆動信号S2の1周期T1のうちの期間Ta(接続点Dを基準として接続点Bの電位が高電位になり、かつ相互間の電位差が徐々に大きくなる期間)では、各第1電気的要素E1における逆電圧が印加されて(逆バイアスされて)コンデンサとして機能する各第1素子41の各静電容量が徐々に減少する。具体的には、各第1電気的要素E11,E14では、逆バイアスされている各第1素子41bの静電容量が、また各第1電気的要素E12,E13では、逆バイアスされている各第1素子41aの静電容量が徐々に減少する。また、駆動信号S2の1周期T1のうちの期間Tb(接続点Dを基準として接続点Bの電位が高電位になり、かつ相互間の電位差が徐々に小さくなる期間)では、逆バイアスされている各第1素子41、具体的には各第1電気的要素E11,E14では各第1素子41b、また各第1電気的要素E12,E13では各第1素子41aの各静電容量が徐々に増加する。
また、駆動信号S2の1周期T1のうちの期間Tc(接続点Dを基準として接続点Bの電位が低電位になり、かつ相互間の電位差が徐々に大きくなる期間)では、逆バイアスされてコンデンサとして機能する各第1素子41、具体的には各第1電気的要素E11,E14では各第1素子41a、また各第1電気的要素E12,E13では各第1素子41bの各静電容量が徐々に減少する。また、駆動信号S2の1周期T1のうちの期間Td(接続点Dを基準として接続点Bの電位が低電位になり、かつ相互間の電位差が徐々に小さくなる期間)では、逆バイアスされている各第1素子、具体的には各第1電気的要素E11,E14では各第1素子41a、また各第1電気的要素E12,E13では各第1素子41bの各静電容量が徐々に増加する。なお、各第1電気的要素E1に含まれている第1素子41a,41bのうちの順電圧が印加されている(順バイアスされている)第1素子41a,41bは等価的に抵抗として機能している。このため、各第1電気的要素E1の静電容量は、駆動信号S2の1周期T1内において、減少および増加を2回繰り返す。
このようにして、駆動信号S2の1周期T1内において、各構成単位31〜34に含まれている各第1電気的要素E1の静電容量が増加および減少を2回ずつ繰り返すため、これらの静電容量を合成してなる容量変化機能体13の静電容量C1(接続点A,B間の静電容量)も増加および減少を2回繰り返す。つまり、可変容量回路19は、入力した駆動信号S2(印加電圧)の周波数に応じた容量変調周波数で、特に限定されないが、例えば、駆動信号S2の周期T1に同期して、かつ周期T1の二分の一の周期T2(周波数f2=2×f1)で、その静電容量C1を連続的(本例では周期的)に変化させる動作を実行する。この場合、上記したように、可変容量回路19は電流検出器15を介在させた状態でケース11と検出電極12との間に直列に接続されているため、その静電容量C1と、測定対象体4および検出電極12の間に形成される静電容量C0とは、測定対象体4とケース11との間に直列に接続された状態になっている。このため、静電容量C1が周波数f2(容量変調周波数)で周期的に変化することにより、測定対象体4とケース11との間の静電容量C2(各静電容量C0,C1の直列合成容量)も、図6に示すように、駆動信号S2の周期T1に同期して、かつ周期T1の二分の一の周期T2(周波数f2)で変化する。
また、可変容量回路19では、上記したように、容量変化機能体13の各第1素子41には同一またはほぼ同一の特性の可変容量ダイオード(または一般的なダイオード)が使用され、この結果、第1の構成単位31および第3の構成単位33の各インピーダンスの積と、第2の構成単位32および第4の構成単位34の各インピーダンスの積とが同一またはほぼ同一に設定されている。したがって、ブリッジ回路でもある容量変化機能体13は、ブリッジ回路としての平衡条件を満足しているため、駆動信号S2の電圧成分(駆動信号S1と同じ周波数f1の電圧信号)が各接続点A,C間にほとんど発生しない状態で、その静電容量C1を周期T2で変化させている。また、接続点Aに接続されている各構成単位31,34に含まれている各第1電気的要素E11,E14の組、および接続点Cに接続されている各構成単位32,33に含まれている各第1電気的要素E12,E13の組のうちの少なくとも一方の組に含まれている2つの第1電気的要素E1が共に常時コンデンサとして機能しているため、検出電極12とケース11とは、可変容量回路19を介して交流的に接続されているものの直流的には短絡されない状態に維持されている。
このため、静電容量C1の周期T2での周期的な変化に基づいて測定対象体4とケース11との間の静電容量C2が周期T2で周期的に変化することにより、可変容量回路19には、測定対象体4およびケース11の各電圧V1,Vrの電位差(V1−Vr)に応じた振幅の電流i(周期T2)が流れる。具体的には、電流iは、電位差(V1−Vr)が大きいときにはその振幅(電流値)が大きくなり、電位差(V1−Vr)が小さいときにはその電流値が小さくなる。
したがって、図7に示すように、測定対象体4の電圧V1が正の電圧のとき(時刻t0)に、電圧測定装置1が測定動作を開始したときには、電位差(V1−Vr)は正の電圧となり、電流iは、図示はしないが、その周期がT2であって、その振幅が電位差(V1−Vr)に応じて変化する交流信号として流れる。プリアンプ16は、この電流iに起因して電流検出器15を構成するトランスTr2の二次巻線Tr2bに誘起される電圧V2を増幅して、検出信号S3として出力する。この場合、検出信号S3には、電流iの周波数f2と同一の周波数成分が主として含まれると共に、駆動信号S2の周波数f1と同一の周波数成分も含まれている。
本体ユニット3の制御部3aでは、増幅回路22が検出信号S3を検出信号S4に増幅してミキサ24に出力し、ミキサ24が検出信号S4と局発信号S5とをミキシングしてミキシング信号S6を生成してフィルタ回路25に出力し、フィルタ回路25がミキシング信号S6に含まれている所定周波数αの信号成分を選択的に抽出して中間周波信号S7として出力する。次いで、検波回路26は、中間周波信号S7を包絡線検波することにより、検出信号S3の振幅成分を示す振幅信号S8を生成する。この場合、振幅信号S8は、その振幅が電位差(V1−Vr)の値に比例して変化する信号となる。また、極性判定回路27は、判定用信号S11および検出信号S4を入力して判定用信号S11に対する検出信号S4の位相を検出することにより、電位差(V1−Vr)の極性と同じ極性となる極性信号S12を生成して電圧生成部3bに出力する。
本体ユニット3の電圧生成部3bでは、電圧生成回路28が、出力している電圧信号S9の電圧を、入力した振幅信号S8の振幅(電圧値)に比例した量だけ、入力した極性信号S12の極性が「正」のときには増加させ、逆に「負」のときには減少させる。したがって、図7に示すように、測定対象体4の電圧V1が正の電圧のとき(時刻t0)に、電圧測定装置1が測定動作を開始したときには、電圧信号S9は当初ゼロであるため、参照電位信号S10もゼロボルトである。この結果、電位差(V1−Vr)は正の電圧となり、これによって極性信号S12の極性も正となる。このため、電圧生成部3bでは、電圧生成回路28が、入力した振幅信号S8の振幅に比例した量だけ、電圧値を増加させて電圧信号S9を出力する。次いで、トランスTr3が電圧信号S9を昇圧して参照電位信号S10を発生させてケース11に印加する。この結果、電流検出器15、プリアンプ16、増幅回路22、中間周波変換部FT、検波回路26および電圧生成部3b(電圧生成回路28とトランスTr3)で構成されるフィードバックループ内で、測定対象体4とケース11との間の電位差(V1−Vr)が徐々に低下(減少)するように負のフィードバックが行われる。
したがって、電流iは、電流値(振幅)が徐々に低下(減少)していく。一般的には、電圧測定装置1では、参照電位Vrの測定対象体4の電圧V1への収束が短時間で完了するように、その過渡特性が設定される。このため、参照電位信号S10は、図7に示すように、電圧V1に対してオーバーシュートしつつ時刻t1において収束する。なお、オーバーシュートして、参照電位Vrが測定対象体4の電圧V1を上回ったときには、電位差(V1−Vr)は負の電圧となり、これによって極性信号S12の極性も負となる。このため、電圧生成部3bでは、電圧生成回路28が、入力した振幅信号S8の振幅に比例した量だけ、電圧値を減少させて電圧信号S9を出力する。その後は、電圧測定装置1は、上記のフィードバック動作を継続することにより、変化する測定対象体4の電圧V1に対して一定の偏差内に収まるように参照電位信号S10の電圧値(参照電位Vr)を変化させる。この場合、参照電位信号S10(および電圧信号S9)は、測定対象体4の電圧V1に同期して変化する交流信号となる。したがって、所定時間経過後(本例では測定開始から時間(t1−t0)だけ経過した後)において、電圧計3cで表示されている電圧値(参照電位Vr)を測定することにより、測定対象体4の電圧V1を測定することができる。
このように、この電圧測定装置1では、制御部3aにおいて、中間周波変換部FTが検出信号S3(本例ではこの検出信号S3を増幅した検出信号S4)と局発信号S5とをミキシングした後にフィルタリングすることによって中間周波信号S7を生成し、検波回路26が中間周波信号S7を検波して検出信号S3の振幅成分を示す振幅信号S8を生成し、電圧生成部3bが参照電位Vrを生成してプローブユニット2に印加すると共に振幅信号S8の振幅が減少するように参照電位Vrを変化させる。したがって、この電圧測定装置1によれば、局発信号S5の周波数を容量変調周波数f2に対して僅かな所定周波数αだけずらして設定することにより、中間周波変換部FTにおいてミキシングによって生成されるミキシング信号S6に含まれる2つの周波数成分(所定周波数αの成分(中間周波信号S7の成分)と、容量変調周波数f2の2倍の周波数に所定周波数αを加えた周波数(2×f2+α)の成分)について、高い方の周波数(2×f2+α)の成分に対する低い方の周波数(所定周波数α)の成分(中間周波信号S7の成分)の比率を十分に小さくすることができる。また、ミキシング信号S6に駆動信号(印加電圧)S2の周波数成分が含まれている場合においても、駆動信号S2の周波数f1に対する低い方の周波数(所定周波数α)の成分(中間周波信号S7の成分)の比率を十分に小さくすることができる。このため、安価なフィルタ回路(選択度および温度安定度共に一般的なフィルタ回路)をフィルタ回路25に用いたとしても、容量変調周波数f2の2倍の周波数に所定周波数αを加えた周波数(2×f2+α)の成分、および駆動信号S2の周波数成分を十分に小さなレベルまで確実に低減させ、かつこの低い周波数(所定周波数α)の成分を殆ど低減させることなく通過させることができる。したがって、この低い周波数(所定周波数α)の成分で構成される中間周波信号S7を安定して生成できる結果、フィルタ回路25を安価に構成しつつ、参照電位Vrを測定対象体4の電圧V1にリアルタイムで追従させることができるため、測定対象体4の電圧V1が交流的に変動する場合であっても、その電圧V1を正確に測定することができる。
また、この電圧測定装置1では、測定対象体4に対向可能な検出電極12と、検出電極12に接続されてその静電容量C1を変化可能に構成された可変容量回路19と、電流検出器15とを備えてプローブユニット2がセンサ部として構成されている。したがって、この電圧測定装置1によれば、検出電極12をプローブユニット2の表面に配設し、かつ可変容量回路19および電流検出器15をプローブユニット2の内部に配設した状態で測定対象体4の電圧V1を測定することができるため、可変容量回路19を測定対象体4と直接対向させるための孔を設けることなくプローブユニット2を構成することができる。したがって、この電圧測定装置1によれば、この孔を介して異物がプローブユニット2内に誤って挿入される事態、およびこの誤挿入に起因したプローブユニット2内の部品の破損を確実に回避することができるため、装置全体の信頼性を向上させることができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、上記した電圧測定装置1では、図2〜図5に示すように、第1電気的要素E11〜E14のみをそれぞれ含むようにしてすべての構成単位31〜34を構成しているが、これに限定されるものではなく、同各図に示す容量変化機能体13において、第1〜第4の構成単位31〜34のうちの第1の構成単位31と第4の構成単位34との組、および第2の構成単位32と第3の構成単位33との組のうちの一方の組の各構成単位に含まれている第1電気的要素を、交流信号の通過を許容する第2電気的要素で置き換えて、容量変化機能体を構成することもできる。この場合、第2電気的要素は、コンデンサ、コイル、抵抗および共振体のうちの少なくとも1つを含んで構成される。一例として、図8に示す容量変化機能体13Aは、図2に示す容量変化機能体13における第2の構成単位32および第3の構成単位33の各第1電気的要素E12,E13を第2電気的要素E22,E23(電気的特性の同じコンデンサ62,63)でそれぞれ置き換えて構成された第2の構成単位32Aおよび第3の構成単位33Aを含んで構成されている。なお、コンデンサ62,63に代えて、電気的特性(インダクタンス値)の同じ一対のコイル62a,63aを使用してもよいし、電気的特性(抵抗値)の同じ一対の抵抗62b,63bを使用してもよいし、または電気的特性(周波数−インピーダンス特性)の同じ一対の共振体62c,63cを使用してもよい。この場合、共振体62c,63cについては、駆動信号S2の周波数f1の2倍の周波数(容量変調周波数)f2のときにインピーダンスが最小となり、かつそれ以外の周波数のときに十分に高いインピーダンスとなる電気的特性の共振体を使用する。具体的には、セラミック共振器、水晶振動子、およびコイルとコンデンサとで構成されたLC共振回路(直列共振回路)などの各種共振体を用いることができる。また、この共振体62c,63cについては、直流電流の通過を許容する構成でもよい。
また、図2〜図5に示す容量変化機能体13において、第1〜第4の構成単位31〜34のうちの第1の構成単位31と第2の構成単位32との組、および第3の構成単位33と第4の構成単位34との組のうちの一方の組の各構成単位に含まれている第1電気的要素E1を、直流信号の通過を阻止しつつ交流信号の通過を許容する第3電気的要素で置き換えて、容量変化機能体を構成することもできる。この場合、第3電気的要素は、コンデンサおよび共振体のうちの少なくとも1つを含んで構成される。一例として、図9に示す容量変化機能体13Bは、図2に示す容量変化機能体13における第3の構成単位33および第4の構成単位34の各第1電気的要素E13,E14を第3電気的要素E33,E34(一例として電気的特性の同じコンデンサ63,64)でそれぞれ置き換えて構成された第3の構成単位33Bおよび第4の構成単位34Aを含んで構成されている。なお、コンデンサ63,64に代えて、電気的特性(周波数−インピーダンス特性)の同じ一対の共振体63d,64aを使用してもよい。この場合、共振体63d,64aについては、駆動信号S2の周波数f1の2倍の周波数(容量変調周波数)f2のときにインピーダンスが最小となり、かつそれ以外の周波数のときに十分に高いインピーダンスとなる電気的特性の共振体を使用する。具体的には、セラミック共振器、水晶振動子、およびコイルとコンデンサとで構成されたLC共振回路(直列共振回路)などの各種共振体を用いることができる。また、この共振体63d,64aについては、直流電流の通過を阻止する構成とする。
なお、図8,9に示す容量変化機能体13A,13Bについては、上記の構成に限定されるものではなく、図示はしないが、例えば、第1電気的要素E11,E12,E14を可変容量ダイオードに代えて、一般的なダイオード(シリコンダイオード)で構成してもよいし、またカソード端子同士が接続されて直列接続された一対のダイオード(可変容量ダイオードやシリコンダイオード)で構成することもできる。
また、図4に示す容量変化機能体13では、各構成単位31〜34を一対の第1素子51(具体的には一般的なダイオード)でそれぞれ構成しているが、各構成単位31〜34を構成する一対のダイオードは、アノード端子同士が接続されることにより、互いに逆向きに直列接続されている。すなわち、各構成単位31〜34は、P型半導体とN型半導体とが、N−P−P−Nというように配列されて構成されている。このため、図4に示す容量変化機能体13において各構成単位31〜34を構成する一対の第1素子51(ダイオード)を1つのNPN型バイポーラトランジスタTR1〜TR4で置き換えることにより、各構成単位31〜34に含まれている各第1電気的要素E11〜E14を1つのトランジスタでそれぞれ構成して、図10に示す容量変化機能体13Cを構成することもできる。この容量変化機能体13Cでは、各トランジスタTR1〜TR4が、各々の入力端子(コレクタ端子およびエミッタ端子の一方)および出力端子(コレクタ端子およびエミッタ端子の他方)がそれぞれ接続されて(それぞれ接続点となって)、各構成単位31〜34で構成される環状経路内に配設されている。なお、各トランジスタTR1〜TR4の制御端子(ベース端子)は未接続となる(接続点とはならない)。
また、図4に示す容量変化機能体13では、各接続点A,B,C,Dを挟んで、構成単位31,34、構成単位31,32、構成単位32,33、および構成単位33,34の各第1電気的要素E1に含まれている1つのダイオード同士が互いに隣接している(具体的には、各ダイオード同士が互いに逆向きに直列接続されている)。このように、逆向きに直列接続された一対のダイオードで第1電気的要素E1が構成され、かつ少なくとも2つの隣接する構成単位がこの第1電気的要素E1を含んでいる容量変化機能体13では、この2つの構成単位間の接続点を挟んで、各第1電気的要素E1に含まれている1つのダイオード同士が互いに逆向きに直列接続された構成となる。このため、図11に示すように、破線で囲んだ一対のダイオードを1つのPNP型バイポーラトランジスタTR5〜TR8で置き換えることにより、容量変化機能体13Dを構成することもできる。この場合、各第1電気的要素E1は、1つのトランジスタの一部と、他の1つのトランジスタの一部とで構成されることになる。この容量変化機能体13Dでも、容量変化機能体13Cと同様にして、各トランジスタTR5〜TR8が、各々の入力端子(コレクタ端子およびエミッタ端子の一方)および出力端子(コレクタ端子およびエミッタ端子の他方)がそれぞれ接続されて(それぞれ接続点となって)、各構成単位31〜34で構成される環状経路内に配設されている。他方、各トランジスタTR5〜TR8の制御端子(ベース端子)は、容量変化機能体13Cとは異なり、接続点A,B,C,Dとして使用される。
また、カソード端子同士が接続されて互いに直列に接続された一対のダイオードで各構成単位31〜34の各第1電気的要素E11〜E14が構成されている図5に示す容量変化機能体13についても、図4に示す容量変化機能体13と同様にして、各第1電気的要素E11〜E14を構成する一対のダイオードをPNP型バイポーラトランジスタTR5〜TR8で置き換えることにより、図12に示す容量変化機能体13Eを構成することができ、また、上記した各ダイオードの組(各接続点A,B,C,Dを挟んで隣接する一対のダイオードでそれぞれ構成される4つの組)をNPN型バイポーラトランジスタTR1〜TR4で置き換えることにより、図13に示す容量変化機能体13Fを構成することができる。また、トランジスタとして、バイポーラトランジスタを使用する例について説明したが、NPN型バイポーラトランジスタに代えて同型のMOSFET(電界効果型トランジスタ)を使用してもよいし、またはPNP型バイポーラトランジスタに代えて同型のMOSFET(電界効果型トランジスタ)を使用してもよいのは勿論である。この場合、MOSFETについては、その入力端子はドレイン端子およびソース端子の一方となり、出力端子はドレイン端子およびソース端子の他方となる。また、図11,13に示す構成においては、制御端子としてのゲート端子が接続点A,B,C,Dとして使用される。このようにトランジスタTR1〜TR4(またはTR5〜TR8)を用いて第1電気的要素E1を構成することにより、より少ない部品点数で、簡易、かつ安価に容量変化機能体13C〜13Fを構成することができる。
また、図14に示す電圧測定装置1Aのように、電流検出器15を配設せずに、容量変化機能体13,13A,・・,13F(特に区別しないときには、これらを容量変化機能体13ともいう)の両端間電圧V3をプリアンプ16で検出して検出信号S3としてプローブユニット2A(センサ部)を採用することもできる。ここで、容量変化機能体13の両端間電圧V3とは、容量変化機能体13における検出電極12側の端部(接続点A)と、容量変化機能体13におけるケース11側の端部(接続点C)との間に発生する電圧をいう。この場合、プリアンプ16における一対の入力端子のうちの一方の入力端子は、同図に示すように、コンデンサ17を介して容量変化機能体13における検出電極12側の端部に接続され、他方の入力端子は、容量変化機能体13におけるケース11側の端部に接続されている。なお、この構成以外の構成については、電圧測定装置1Aは電圧測定装置1と同一のため、同図では、電圧測定装置1の各構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。この電圧測定装置1Aにおいても、可変容量回路19の両端間電圧V3への駆動信号S2の影響が排除されるため、この両端間電圧V3に基づいて本体ユニット3が測定対象体4の電圧V1に参照電位信号S10を正確に追従させることができる結果、測定対象体4の電圧V1を正確に測定することができる。
また、電圧測定装置1,1Aでは、包絡線検波を用いて振幅信号S8を生成する構成を採用しているが、これに限定されるものではなく、図示はしないが、公知の同期検波方式を採用することもできる。
また、電圧測定装置1では、可変容量回路19とケース11との間に電流検出器15を配設しているが、検出電極12と可変容量回路19との間に電流検出器15を配設することもできる。また、電圧測定装置1,1Aでは、増幅回路22、ミキサ24、フィルタ回路25および検波回路26についてはアナログ信号で作動する回路構成としたが、増幅回路22、ミキサ24、フィルタ回路25および検波回路26を1つまたは複数のDSP(Digital Signal Processor)で構成することもできる。この場合、電圧生成回路28も増幅回路22等と共にDSPで構成することもできる。
また、上記した各容量変化機能体13の各構成単位については、図2〜図5、および図8〜図13に示すように、第1電気的要素E1(一例として互いに逆向きに直列接続された2つのダイオード(図10〜図13の場合には等価的に2つのダイオード))、第2電気的要素E22,E23、および第3電気的要素E33,E34のいずれかで構成した例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図2に示す第1の構成単位31を例に挙げて、第1電気的要素E11を含む構成単位に関して説明すると、1つの第1電気的要素E11と共にこの第1電気的要素E11以外の構成要素を含んで第1の構成単位31を構成することもできる。具体的には、接続点Aと第1素子41aとの間、接続点Bと第1素子41bとの間の少なくとも1つに、抵抗、コンデンサ、コイルおよび他のダイオードの少なくとも1つを配設することもできる。また、各第1素子41a,41b以外の構成要素を含んで第1電気的要素E1を構成することもできる。具体的には、各第1素子41a,41b間に、抵抗、コンデンサおよびコイルの少なくとも1つを配設して、第1電気的要素E1を構成することもできる。また、第1素子41a,41bの各々、および第1素子41a,41b全体の少なくとも1つに対してコンデンサを並列に接続することもできる。
また、例えば、図8に示す構成単位32Aを例に挙げて、第2電気的要素E22(E23)を含む構成単位に関して説明すると、接続点Bと第2電気的要素E22との間、および接続点Cと第2電気的要素E22との間の少なくとも1つに、抵抗、コンデンサ、およびコイルのうちの少なくとも1つを配設することもできる。また、第2電気的要素E22に対してコンデンサを並列に接続することもできる。また、例えば、図9に示す構成単位33Bを例に挙げて、第3電気的要素E33(E34)を含む構成単位に関して説明すると、接続点Cと第3電気的要素E33との間、および接続点Dと第3電気的要素E33との間の少なくとも1つに、抵抗、コンデンサ、およびコイルの少なくとも1つを配設することもできる。また、第3電気的要素E33に対して他のコンデンサを並列に接続することもできる。
また、可変容量ダイオードも一般的なダイオードも基本的な構成が同じであるため、例えば図2に示す容量変化機能体13において、各第1電気的要素E1を構成する第1素子41a,41bとしての可変容量ダイオードのうちの一方を一般的なダイオードを使用して構成するなど、可変容量ダイオードと一般的なダイオードとを混在して使用することもできる。ただし、可変容量ダイオードと一般的なダイオードとは、逆バイアスが印加されたときの静電容量が異なるため、ブリッジ回路の平衡条件を満足し、かつ接続点A,Cを基準としてその両側に配設されている各構成単位31,32と各構成単位34,33とが線対称となるか、または接続点B,Dを基準としてその両側に配設されている各構成単位31,34と各構成単位32,33とが線対称となるように構成する必要がある。
また、上記した電圧測定装置1,1A等では、電流検出器15としてトランスTr2を用いているが、抵抗や共振体を用いて、これらの両端間電圧を電圧V2としてプリアンプ16に入力する構成を採用することもできる。
また、上記した電圧測定装置1,1A等は、電圧測定装置単体として使用してもよいし、公知の電流測定装置と組み合わせて電力測定装置を構成することもできる。