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JP5187597B2 - 弾性波素子 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性波素子に関し、詳しくは、隣接して配置された共振子同士が互いに結合して共振する共振子構造を備えた弾性波素子に関する。
フィルタやデュプレクサについて、アンバランス-バランス変換機能を有する製品が求められている。
BAW(bulk acoustic wave;バルク波)共振子が積層された共振子構造を備える積層型BAWフィルタは、複数の振動モードを利用することで、バランス-アンバランス変換ができる。しかし、帯域近傍の急峻性が良くないという欠点がある。
そのため、積層型BAWフィルタに、急峻性の確保がしやすい単一の共振モードを用いる単層型BAW共振子を接続する構成が、提案されている。具体例として、ラダーフィルタと積層型BAWフィルタを直列接続した回路構成が提案されている。
例えば、非特許文献1には、積層型BAWフィルタと単層型BAW共振子とを、回路的に接続したフィルタが開示されている。特許文献1には、積層型BAWフィルタと単層型BAW共振子を回路的に接続したフィルタとデュプレクサが開示されている。
特開平11−88111号公報
K. M. Lakin, C. W. Andrus, J. R. Belsick, K. T. McCarron, and W. H. Thornhill、「Wide Bandwidth Thin Film BAW Filters」、Proceedings 2004 IEEE Ultrasonics Symposium
例えば、ラダーフィルタと積層型BAWフィルタを直列接続した回路構成を持つフィルタを製造するには、厚さ方向に構造が異なった積層型BAWフィルタと単層型BAW共振子の両方を作製し接続することが必要である。そのため、図1及び図2に示す比較例1のような構成が考えられる。図1は、フィルタの回路図である。図2は、断面構成を模式的に示す構造図である。
図1及び図2に示すように、平衡信号が入力又は出力される端子2a,2bと、平衡信号が出力又は入力される端子4の間に、積層型BAWフィルタ10xと、単層型BAW共振子6,7,8とが接続される。積層型BAWフィルタ10xは、電極12a,12b;14a,14b間に圧電体13,15が挟まれたBAW共振子11a,11b同士が、音響結合層16を介して互いに結合して共振可能である共振子構造である。単層型BAW共振子6,7,8は、電極6a,6b;7a,7b;8a,8b間に圧電体6x,7x,8xが挟まれており、単独で共振可能である。
図1及び図2に示した構成は、通常、同一基板上に形成される。その場合、積層型BAWフィルタ10xと、単層型BAW共振子6,7,8の周波数や構造を変えるための追加工程が必要となり、コストアップにつながる。
一方、積層型BAWフィルタだけを用いてフィルタを実現する場合、図3及び図4に示す比較例2のような構成が考えられる。図3は、フィルタの回路図である。図4は、断面構成を模式的に示す構造図である。
図3及び図4に示すように、端子2a,2bと端子4の間に、積層型BAWフィルタ10x,20xが接続される。積層型BAWフィルタ20xは、積層型BAWフィルタ10xと同じ構造であり、電極22a,22b;24a,24b間に圧電体23,25が挟まれたBAW共振子21a,21bが、音響結合層26を介して互いに結合して一体となって共振可能である共振子構造である。
図3及び図4のように構成すると、積層型BAWフィルタ10x,20xの各層を同時に形成することにより、工程を少なくすることができる。
しかし、積層型BAWフィルタ10x,20xは帯域近傍の急峻性が良くないため、急峻性が劣化する。
本発明は、かかる実情に鑑み、共振子同士が互いに結合して共振可能である共振子構造だけを用いて構成しても、急峻性を改善できる弾性波素子を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した弾性波素子を提供する。
弾性波素子は、隣接して配置された複数の共振子を含み、該共振子同士が互いに結合して共振することにより少なくとも2つ以上の振動モードで励振できる、複数の共振子構造を備える。前記共振子構造のうち少なくとも一つは、フィルタ帯域内において一つの振動モードの共振特性が他の振動モードの共振特性よりも強く表れるように電気的に接続されている。
上記構成によれば、フィルタ帯域内において一つの振動モードの共振特性が他の振動モードの共振特性よりも強く表れる共振子構造により、帯域近傍での急峻性を改善できる。例えば、フィルタ帯域内において一つの振動モードの共振特性が他の振動モードの共振特性よりも強く表れる共振子構造を、単一モード共振子として、他の共振子構造による多重モードフィルタに接続することにより、帯域近傍での急峻性を改善できる。
記共振子構造の前記共振子は、一対の電極膜と該一対の電極膜間に挟まれた圧電薄膜とが積層された圧電薄膜共振子である。前記共振子構造は、前記圧電薄膜共振子同士が、前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜及び前記圧電薄膜が積層された積層方向に、互いに積層された積層型BAW素子である。
この場合、積層型BAW素子だけで、帯域近傍での急峻性が改善された弾性波素子を構成できる。
好ましくは、一つの前記積層型BAW素子と、他の前記積層型BAW素子の前記共振子とが電気的に接続される。
この場合、積層型BAW素子だけで、一つの積層型BAW素子による多重モードを用いた積層型BAWフィルタと、他の積層型BAW素子の共振子による積層型BAW共振子とを接続した回路を構成し、急峻性を改善できる。
好ましくは、一つの前記積層型BAW素子に、他の前記積層型BAW素子の前記共振子が直列に縦続接続される。
この場合、直列に縦続接続された他の積層型BAW素子の共振子を、一つの積層型BAW素子に対して直列共振子として用い、フィルタ帯域の高域側の急峻性を改善できる。
好ましくは、一つの前記積層型BAW素子に、他の前記積層型BAW素子の前記共振子が並列に接続される。
この場合、他の積層型BAW素子の共振子を、一つの積層型BAW素子に対して並列共振子として用い、フィルタ帯域の低域側の急峻性を改善できる。
好ましくは、前記積層型BAW素子がラダー型に接続されている。
この場合、ラダーフィルタを構成し、フィルタ帯域の低域側と高域側の急峻性を改善できる。
好ましくは、前記積層型BAW素子がラティス型に接続されている。
この場合、ラティスフィルタを構成して、減衰量を改善できる。
好ましくは、一つの前記積層型BAW素子に対して入力又は出力のいずれか一方に直列に、他方に並列に、他の二つの前記積層型BAW素子がそれぞれ接続される。
この場合、フィルタ帯域の低域側と高域側の急峻性を改善できる。
好ましくは、前記積層型BAW素子は、少なくとも一つの層の材料及び膜厚が実質的に同一である。
この場合、工程を簡略化できる。
好ましくは、前記積層型BAW素子の各層は、一つの層を除いて、それぞれ、材料及び膜厚が実質的に同一である。
この場合、一つの層を除いて、各層を同一工程で同時に形成できる。一つの層についてだけ、膜厚や材料などを調整して周波数を合わせることで、工程を簡略化できる。
好ましくは、前記積層型BAW素子のうち一部のみが、少なくとも一つの追加層を含む。前記追加層を含む前記共振子構造の前記追加層以外の各層と他の前記共振子構造の各層とは、それぞれ、材料及び膜厚が実質的に同一である。
この場合、追加層以外の各層は、同一工程で同時に形成できる。追加層を付加するだけで、追加層により周波数を合わせることができ、工程を簡略化できる。
好ましくは、前記積層型BAW素子の各層は、それぞれ、材料及び膜厚が実質的に同一である。
この場合、第1及び第2の共振子構造の各層を同一工程で同時に形成でき、工程を簡略化できる。
好ましくは、前記積層型BAW素子に含まれる互いに積層された前記圧電薄膜共振子は、2つである。
この場合、2層の圧電薄膜を有する最も層数の少ない積層型BAW素子であり、工程を短くすることができる。
好ましくは、前記積層型BAW素子の少なくとも一つは、(a)一方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち他方の前記圧電薄膜共振子に近い一方の前記電極膜と、他方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち一方の前記圧電薄膜共振子から遠い一方の前記電極膜とが電気的に短絡され、(b)一方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち他方の前記圧電薄膜共振子から遠い他方の前記電極膜と、他方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち一方の前記圧電薄膜共振子に近い他方の前記電極膜とが電気的に短絡されている。
この場合、積層型BAW素子の少なくとも一つについて、非対称モードに対応する共振特性を得ることができる。
好ましくは、前記積層型BAW素子の少なくとも一つは、(a)一方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち他方の前記圧電薄膜共振子から遠い一方の前記電極膜と、他方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち一方の前記圧電薄膜共振子から遠い一方の前記電極膜とが電気的に短絡され、(b)一方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち他方の前記圧電薄膜共振子に近い他方の前記電極膜と、他方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち一方の前記圧電薄膜共振子に近い他方の前記電極膜とが電気的に短絡されている。
この場合、積層型BAW素子の少なくとも一つについて、対称モードに対応する共振特性を得ることができる。
好ましくは、上記各構成において、前記共振子構造が、同一の基板上に形成される。
この場合、工程を簡略化できる。
好ましくは、上記各構成において、入力端子と出力端子のいずれか一方がバランス構成であり、他方がアンバランス構成である。
この場合、バランスーアンバランス変換の機能を付加できる。
また、本発明は、上記各構成の弾性波素子が、送信フィルタと受信フィルタのいずれか一方又は両方に含まれるデュプレクサを提供する。
例えば、バランスーアンバランス変換の機能を付加し、かつBAWを用いることで、良好な特性のデュプレクサを提供できる。
本発明によれば、共振子同士が互いに結合して共振可能である共振子構造だけを用いて弾性波素子を構成しても、急峻性を改善できる。
フィルタの回路図である。(比較例1) 断面構成を模式的に示す構造図である。(比較例1) フィルタの回路図である。(比較例2) 断面構成を模式的に示す構造図である。(比較例2) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(実施例1) 積層型BAW素子の断面構成を模式的に示す構造図である。(実施例1) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(実施例1) 積層型BAW素子の断面構成を模式的に示す構造図である。(実施例1) 非対称モードを励振する接続方法のときの(a)インピーダンス特性、(b)変位分布を示すグラフである。(実施例1) 対称モードを励振する接続方法のときの(a)インピーダンス特性、(b)変位分布を示すグラフである。(実施例1) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(実施例1) 積層型BAW素子の断面構成を模式的に示す構造図である。(実施例1) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例1) 積層型BAW素子の断面構成を模式的に示す構造図である。(変形例1) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例2) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例3) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例4) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例5) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例6) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例7) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例8) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例9) 積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。(変形例10) 積層型BAW素子の特性を示すグラフである。(比較例2、実施例1) 平面型BAW素子の基本構成図である。(参考例 平面型BAW素子の要部断面図である。(参考例 平面型BAW素子の接続方法を示す説明図である。(参考例
以下、本発明の実施の形態について、図5〜図27を参照しながら説明する。
<実施例1> 実施例1のフィルタ(弾性波素子)について、図5〜図11を参照しながら説明する。
まず、実施例1のフィルタが備える積層型BAW素子について、説明する。
図5及び図7は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。図6及び図8は、積層型BAW素子の断面構成を模式的に示す構造図である。
図5〜図8に示すように、積層型BAW素子10は、第1及び第2の共振子11a,11bと、音響結合層16とを含む。
第1及び第2の共振子11a,11bは、電極12a,12b;14a,14bと、電極12a,12b;14a,14b間に挟まれた圧電体13,15とを含む。第1及び第2の共振子11a,11bは、音響結合層16を介して、電極12a,12b;14a,14b及び圧電体13,15が積層された積層方向に、互いに積層されている。電極12a,12b;14a,14bは金属膜であり、圧電体13,15は圧電薄膜である。音響結合層16は、絶縁材料、例えば樹脂で形成する。
積層型BAW素子10は、共振子11a,11b同士が互いに結合して共振することにより少なくとも2つ以上の振動モードで励振できる。
図5〜図8に示すように、積層型BAW素子10は、第1及び第2の共振子11a,11bの電極12a,12b;14a,14bの接続方法によって、非対称モード又は対称モードのいずれか一方を励振することができる。
すなわち、図5及び図6に示す接続方法により、矢印11p,11qで示すように非対称モードで励振できる。この場合、第1の共振子11aの外側電極12aと、第2の共振子11bの内側電極14bとは、電気的に短絡される。また、第1の共振子11aの内側電極12bと、第2の共振子11bの外側電極14aは、電気的に短絡される。例えば、端子2に、第1の共振子11aの外側電極12aと、第2の共振子11bの内側電極14bとを接続する。また、第1の共振子11aの内側電極12bと、第2の共振子11bの外側電極14aは、接地する。
一方、図7及び図8に示すように接続すると、矢印11s,11tで示すように対称モードで励振できる。この場合、第1の共振子11aの外側電極12aと、第2の共振子11bの外側電極14aとは、電気的に短絡される。また、第1の共振子11aの内側電極12bと、第2の共振子11bの内側電極14bは、電気的に短絡される。例えば、端子2に、第1の共振子11aの外側電極12aと、第2の共振子11bの外側電極14aとを接続する。また、第1の共振子11aの内側電極12bと、第2の共振子11bの内側電極14bとは、接地する。
図9は、図5及び図6のように非対称モードを励振する接続方法のときの特性の一例(共振周波数;1835MHz)を示すグラフである。図9(a)は、インピーダンス特性を示す。図9(b)は、膜厚方向の変位分布を示す。
図10は、図7及び図8のように対称モードを励振する接続方法のときの特性の一例(共振周波数;1900MHz)を示すグラフである。図10(a)は、インピーダンス特性を示す。図10(b)は、膜厚方向の変位分布を示す。
図9及び図10に示すように、非対称モード又は対称モードで励振するように配線を接続すると、積層型BAW素子10に含まれる個々の共振子11a,11bは、他の共振子と結合せず、単独で共振する単層型BAW共振子と同じような特性を示すので、積層型BAW素子10の共振子11a,11bを、単層型BAW共振子の代わりに用いることができる。そこで、実施例1のフィルタでは、積層型BAW素子の共振子を単層型BAW共振子の代わりに用いている。
次に、実施例1のフィルタの構成について、図11及び図12を参照しながら説明する。図11は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。図12は、積層型BAW素子の断面構成を模式的に示す構造図である。
図11及び図12に示すように、第2の積層型BAW素子20によるフィルタに対し、第1の積層型BAW素子10の共振子11a,11bが並列共振子として、グランドに対してシャントに接続される。
詳しくは、平衡信号が入力又は出力される一方の端子2aは、第1の積層型BAW素子10の第1の共振子11aの外側電極12a及び第2の共振子11bの内側電極14bと、第2の積層型BAW素子20の第1の共振子21aの外側電極22aとに接続されている。平衡信号が入力又は出力される他方の端子2bは、第1の積層型BAW素子10の第1の共振子11aの内側電極12b及び第2の共振子11bの外側電極14aと、第2の積層型BAW素子20の第1の共振子21aの内側電極22bとに接続されている。平衡信号が出力又は入力される端子4は、第2の積層型BAW素子20の第2の共振子21bの外側電極24aに接続されている。第2の積層型BAW素子20の第2の共振子21bの内側電極24bは、接地されている。
第1の積層型BAW素子10は、フィルタ帯域内において一つの振動モードの共振特性が他の振動モードの共振特性よりも強く表れるように配線が接続されている。すなわち、非対称モードで励振できるように配線が接続されている。これにより、第1の積層型BAW素子10の第1及び第2の共振子11a,11bを並列共振子として用い、フィルタ帯域の低域側の急峻性を改善できる。
積層型BAW素子は、非対称モードの方が、対称モードよりも共振周波数が低いため、図11及び図12に示すように、並列共振子として用いる第1の積層型BAW素子10は、非対称モードを用いるように配線を接続することが望ましい。
第1及び第2の積層型BAW素子10,20の各層は、同一基板上に同一工程で同時に形成する。第1及び第2の積層型BAW素子10,20の各層は、それぞれ、材料及び膜厚が実質的に同じになり、部品を小型化できる。
図12に示すように、第1及び第2の積層型BAW素子10,20の各層、すなわち、下層下部の電極12aと22a、下層の圧電体13と23、下層上部の電極12bと22b、音響結合層16と26、上層下部の電極14bと24b、上層の圧電体15と25、上層上部の電極14aと24aを、それぞれ、同一基板上に同一工程で同時に形成する。
積層型BAW素子10,20は、少なくとも一つの層の材料及び膜厚が実質的に同一となるように構成することで、工程を簡略化できるので、以下のように構成してもよい。
例えば、積層型BAW素子10,20の各層が、一つの層を除いて、それぞれ、材料及び膜厚が実質的に同一であるように構成する。この場合、一つの層を除いて、各層を同一工程で同時に形成できる。一つの層についてだけ、膜厚や材料などを調整して周波数を合わせることで、工程を簡略化できる。
あるいは、積層型BAW素子10,20のいずれか一方のみが、少なくとも一つの追加層を含み、追加層以外の各層の材料及び膜厚が実質的に同一であるように構成する。この場合、追加層以外の各層は、同一工程で同時に形成できる。追加層を付加するだけで、追加層により周波数を合わせることができ、工程を簡略化できる。
例えば、フィルタとして用いる第2の積層型BAW素子20と、共振子として用いる第1の積層型BAW素子10との周波数差を調整するための周波数差調整層を1層追加することよって、積層型BAW共振子とフィルタとの周波数差を微調整する。細かい特性調整ができるため、設計自由度が向上する。
積層型BAW素子10,20は、それぞれ2つの共振子11a,11b;21a,21bを含み、2層の圧電薄膜16,26を有する最も層数の少ない積層型BAW素子であるため、工程を短くすることができる。
実施例1のフィルタは、単層型BAW共振子が不要となるため、厚さ方向に構造が異なった積層型BAWフィルタと単層型BAW共振子の両方を同時に作製するための追加工程が不要となり、コストダウンできる。
なお、積層型BAW素子の入出力のインピーダンスを変えることにより、インピーダンス変換の機能を付加してもよい。
実施例1では、入端子と出力端子の一方、すなわち端子4がアンバランス構成であり、他方、すなわち端子2a,2bがバランス構成の場合を例示しているが、バランス-バランス、アンバランス-アンバランスの構成としてもよい。
実施例1のフィルタをデュプレクサの送信又は受信用のフィルタに用いると、BAWでアンバランス-バランス変換機能を備えた良好な特性のデュプレクサを提供することができる。共振子として用いる積層型BAW素子の共振子が、送信フィルタと受信フィルタのインピーダンス整合素子の機能を兼ねていてもよい。
以下、実施例1の変形例1〜10について、図13〜図22を参照しながら説明する。
<変形例1> 変形例1について、図13及び図14を参照しながら説明する。図13は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。図14は、積層型BAW素子の断面構成を模式的に示す構造図である。
変形例1は、実施例1と略同様に構成される。以下では、実施例1と同じ構成部分には同じ符号を用い、相違点を中心に説明する。
図13及び図14に示すように、第1の積層型BAW素子10に、第2の積層型BAW素子20が直列に接続されている。第2の積層型BAW素子20の共振子21a,21bは、第1の積層型BAW素子10によるフィルタに対し、直列共振子として接続されている。すなわち、第1の積層型BAW素子10によるフィルタに、第2の積層型BAW素子20の共振子21a,21bが直列に縦続接続されている。
積層型BAW素子は、非対称モードの方が、対称モードよりも共振周波数が低いので、図13及び図14に示すように、直列共振子として用いる第2の積層型BAW素子20は、対称モードを用いるように配線が接続されることが望ましい。
図13及び図14の構成を用いることで、フィルタ帯域の高域側の急峻性を改善できる。
<変形例2> 変形例2について、図15を参照しながら説明する。図15は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。
図15に示すように、第1の積層型BAW素子10の後段に、第2の積層型BAW素子20が並列に接続されている。第2の積層型BAW素子20の共振子21a,21bは、第1の積層型BAW素子10によるフィルタに対し、並列共振子として用いる。
図15のように構成すると、積層型BAW素子によるフィルタの前段に、並列共振子として積層型BAW素子が接続されている実施例1と同様に、フィルタ帯域の低域側の急峻性を改善できる。
<変形例3> 変形例3について、図16を参照しながら説明する。図16は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。
図16に示すように、第1の積層型BAW素子10の前段に、第2及び第3の積層型BAW素子20,30が直列に接続されている。第2及び第3の積層型BAW素子20,30の共振子21a,21b;31a,31bは、第1の積層型BAW素子10のフィルタに対し、直列共振子として接続されている。
図16のように構成すると、積層型BAW素子によるフィルタの後段に、積層型BAW素子が直列に接続されている変形例1と同様に、フィルタ帯域の高域側の急峻性を改善できる。
<変形例4> 変形例4について、図17を参照しながら説明する。図17は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。
図17に示すように、第1の積層型BAW素子10の後段に第2の積層型BAW素子20が直列に接続され、第1の積層型BAW素子10の前段に第3の積層型BAW素子30が並列に接続されている。第2の積層型BAW素子20の共振子21a,21bは、第1の積層型BAW素子10によるフィルタに対し、直列共振子として接続されている。第3の積層型BAW素子30の共振子31a,31bは、第1の積層型BAW素子10によるフィルタに対し、並列共振子として接続されている。
図17のように、第1の積層型BAW素子10の入力と出力の一方には直列に、他方には並列に、それぞれ積層型BAW素子20,30を接続するように構成すると、フィルタ帯域の低域と高域の両方の急峻性を改善できる。
<変形例5> 変形例5について、図18を参照しながら説明する。図18は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。
図18に示すように、第1の積層型BAW素子10の後段に、第2及び第3の積層型BAW素子20,30がラダー型に接続されている。すなわち、第1の積層型BAW素子10によるフィルタに対し、第2の積層型BAW素子20の共振子21a,21bが直列共振子として接続され、第3の積層型BAW素子30の共振子31a,31bが並列共振子として接続されている。
図18のように構成すると、フィルタ帯域の低域と高域の両方の急峻性を改善できる。
<変形例6> 変形例6について、図19を参照しながら説明する。図19は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。
図19に示すように、第1の積層型BAW素子10の後段に、第2乃至第4の積層型BAW素子20,30,40がラダー型に接続されている。すなわち、第1の積層型BAW素子10によるフィルタに対し、第2及び第3の積層型BAW素子20,30の共振子21a,21b;31a,31bが直列共振子として接続され、第4の積層型BAW素子40の共振子41a,41bが並列共振子として接続されている。
図19のように構成すると、フィルタ帯域の低域と高域の両方の急峻性を改善できる。
<変形例7> 変形例7について、図20を参照しながら説明する。図20は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。
図20に示すように、第1の積層型BAW素子10の前段に、第2乃至第5の積層型BAW素子20,30,40,50がラティス型に接続されている。直列腕の第2及び第5の積層型BAW素子20,50は対称モードで励振され、格子腕の第3及び第4の積層型BAW素子30,40は非対称モードで励振されるように、配線が接続されている。
図20のように構成を用いることで、フィルタの減衰量を改善できる。
<変形例8> 変形例8について、図21を参照しながら説明する。図21は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。
図21に示すように、第1乃至第4の積層型BAW素子10,20,30,40がラダー型に接続されている。直列腕の第1及び第2の積層型BAW素子10,20は対称モードで励振され、並列腕の第3及び第4の積層型BAW素子30,40は非対称モードで励振されるように、配線が接続されている。
図21のように構成すると、第1乃至第4の積層型BAW素子10,20,30,40を共振子として用い、単層型BAW共振子で構成される回路を積層型BAW素子だけを用いて実現することが可能である。
<変形例9> 変形例9について、図22を参照しながら説明する。図22は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。
図22に示すように、第1乃至第4の積層型BAW素子10,20,30,40がラダー型に接続され、バランス型ラダーフィルタが構成されている。直列腕の第1及び第4の積層型BAW素子10,40は対称モードで励振され、並列腕の第2及び第3の積層型BAW素子20,30は非対称モードで励振されるように、配線が接続されている。
図22のように構成すると、第1乃至第4の積層型BAW素子10,20,30,40を共振子として用い、単層型BAW共振子で構成される回路を積層型BAW素子だけを用いて実現することが可能である。
<変形例10> 変形例10について、図23を参照しながら説明する。図23は、積層型BAW素子の接続方法を示す回路図である。
図23に示すように、第1乃至第4の積層型BAW素子10,20,30,40がラティス型に接続されている。直列腕の第1及び第4の積層型BAW素子10,40は対称モードで励振され、格子腕の第2及び第3の積層型BAW素子20,30は非対称モードで励振されるように、配線が接続されている。
図23のように構成すると、第1乃至第4の積層型BAW素子10,20,30,40を共振子として用い、単層BAW共振子で構成される回路を積層型BAW素子だけを用いて実現することも可能である。
<作製例> 図11及び図12のように構成した実施例1のフィルタと、図3及び図4のように構成した比較例2のフィルタとを作製した。
それぞれの積層型BAW素子の膜構成は、次の表1の通りである。
Figure 0005187597
いずれのフィルタの作製例も、2つの積層型BAW素子を含むが、フィルタを構成する2つの積層型BAW素子は、同一工程で同時に形成するため、共通の膜厚である。2つの積層型BAW素子間で膜厚を変えると、設計自由度は向上するが、工程数が増えるので、作製例では採用していない。
図24は、作製例のフィルタの通過伝送特性(S21)を示すグラフである。実線は、実施例1のフィルタの作製例である。破線は、比較例2のフィルタの作製例である。
図24から、実施例1のフィルタは、積層型BAW素子を2段縦続接続した比較例2のフィルタと比べると、フィルタ帯域の低域側の急峻性が大幅に改善していることが分かる。
参考例参考例のフィルタ(弾性波素子)について、図25〜図27を参照しながら説明する。
まず、参考例のフィルタが備える平面型BAW素子について、説明する。
図25は、平面型BAW素子の基本構成を示す構成図である。図25に示すように、基板101上に設けた支持構造部102により、中空空間104を介してダイヤフラム103が支持され、ダイヤフラム103上に圧電薄膜106が配置されている。圧電薄膜106の両主面には、それぞれ圧電薄膜106を介して対向するように、第1電極対の複数の電極指105a,107aと、第2の電極対の複数の電極指105b,107bとが、間隔を設けて交互に配置されている。
例えば、第1電極対の電極指105a,107aは入力端子に接続され、第2電極対の電極指105b,107bは出力端子に接続され、第1電極対の電極指105a,107aと圧電薄膜106とで形成される一つの共振子で発生した振動が、隣接する第2電極対の電極指105b,107bと圧電薄膜106とで形成される他の共振子に伝搬され、電気信号を出力するようになっている。
図26は、参考例のフィルタが備える平面型BAW素子110の基本構成を示す要部断面図である。図26では、1周期の基本単位を含む部分を図示しているが、実際には、複数周期を繰り返す構成になっている。
図26に示すように、圧電薄膜114の両主面114a,114bに、一つの共振子を形成する第1電極対120の第1電極指124及び第2電極指122と、他の共振子を形成する第2電極対130の第3電極指134及び第4電極指132とが、間隔を設けて交互に配置されている。
圧電薄膜114の一方の主面(上面)114a上には、隣接する第1電極指124と第3電極指134との間に、質量付加のための絶縁膜116が配置されている。
また、圧電薄膜114の両方の主面114a,114b全体に、第2の絶縁膜118a,118bが配置されている。すなわち、一方の主面114aにおいて、第2の絶縁膜118aは、第1電極指124及び第3電極指134と絶縁膜116とを覆う。他方の主面114bにおいて、第2の絶縁膜118bは、第2電極指122及び第4電極指132を覆う。第2の絶縁膜118a,118bは、いずれか一方のみを形成してもよい。また、第2の絶縁膜118a,118bの両方を形成しない構成としてもよい。第2の絶縁膜118a,118bは、第1電極指124と第3電極指134との間に配置される絶縁膜116と同一材質であっても異なる材質であってもよい。
第2の絶縁膜118a,118bは、素子完成後にエッチングすることにより、素子の周波数調整を行うことが可能である。また、第2の絶縁膜118a,118bは、電極指122,124,132,134の酸化や腐食を防ぐ効果もある。
絶縁膜116を介して交互に配置された電極指124,134間の中心間距離Wa+Wm、Wf+Wmは、圧電薄膜114の厚さTの2倍よりも大きい。好ましくは、各電極指122,124,132,134の幅Wmは、圧電薄膜114の厚さTの2倍よりも大きい。これにより、複数の振動モードが発生するようにする。
なお、隣接する電極指124,134間の間隔、すなわち無電極部の幅Wa,Wfは、同じであっても、異なってもよい。
例えば、第1電極指124及び第2電極指122を入力端子に接続し、第3電極指134及び第4電極指132を出力端子に接続すると、2重モードフィルタとして動作する。この場合、平衡入出力フィルタとしても使用でき、いずれかの電極指124,122,134,132を接地して不平衡端子として、バランス型フィルタとしても使用できる。
平面型BAW素子は、積層型BAW素子と同様に接続することができる。基本的な原理は、モノリシック・クリスタル・フィルタ(MCF)や2重モードSAWフィルタについても、同じである。
図27は、平面型BAW素子の接続方法を示す説明図である。図27(a)に示すように、2つの共振子111a,111bが同一の圧電薄膜111上に形成されている場合、共振子111a,111bが十分に離れて形成されていると、それらは独立の共振子として動作する。2つの共振子111a,111bを互いに近づけて配置すると、隣接する共振子111a,111b同士が互いに結合し、対称モードと非対称モードの振動が発生する。
図27(b)には、2つの共振子111a,111bが結合した結果生じる対称モードを利用する場合の平面型BAW素子の1周期分の基本単位111sを模式的に示している。図27(c)には、2つの共振子111a,111bが結合した結果生じる非対称モードを利用する場合の平面型BAW素子の1周期分の基本単位111tを示している。
平面型BAW素子は、図27(b)又は(c)のように接続し、対称モード又は非対称モードで励振すると、積層型BAW素子の場合と同様に、単層型BAW共振子の代わりに用いることができる。
そこで、参考例のフィルタでは、積層型BAW素子の代わりに平面型BAW素子を用い、図11、図13、図15〜図23の回路図のように配線を接続し、実施例1と同様に構成する。これによって、平面型BAW素子だけでフィルタを構成し、帯域近傍での急峻性を改善できる。
また、参考例で用いる平面型BAW素子は、同一基板上に形成し、工程を簡略化できる。
参考例のフィルタは、デュプレクサの送信又は受信用のフィルタに用いることができる。この場合、BAWでアンバランス-バランス変換機能を備えた良好な特性のデュプレクサを提供することができる。共振子として用いる平面型BAW素子の共振子が、送信フィルタと受信フィルタのインピーダンス整合素子の機能を兼ねていてもよい。
<まとめ> 以上に説明したように、共振子同士が互いに結合して共振可能である共振子構造だけを用いてフィルタを構成すると、帯域近傍の急峻性を改善できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
共振子同士が互いに結合して共振する多重モードを用いる共振子構造のフィルタでは、圧電薄膜を用いたBAWに限らず、フィルタ波形を構成する振動モードの一部を励振させる配線接続方法が存在し得る。したがって、本発明は、BAWに限らず、弾性表面波フィルタ、弾性境界波フィルタ、圧電セラミックスを用いたバルク振動子、圧電単結晶を用いたバルク振動子などの共振子構造を用い、上述した実施の形態と同様の回路構成にすることで、フィルタやデュプレクサなどの弾性波素子を実現可能である。
2,2a,2b 端子
4,4a,4b 端子
10 積層型BAW素子
11a,11b 共振子
12a,12b 電極
13 圧電体
14a,14b 電極
15 圧電体
16 音響結合層
20 積層型BAW素子
21a,21b 共振子
22a,22b 電極
23 圧電体
24a,24b 電極
25 圧電体
26 音響結合層
30 積層型BAW素子
31a,31b 共振子
40 積層型BAW素子
41a,41b 共振子
110 平面型BAW素子
111 圧電薄膜
111a,111b 共振子
114 圧電薄膜
114a,114b 主面
120 電極対
122 電極指
124 電極指
130 電極対
132 電極指
134 電極指

Claims (17)

  1. 隣接して配置された複数の共振子を含み、該共振子同士が互いに結合して共振することにより少なくとも2つ以上の振動モードで励振できる、複数の共振子構造を備え、
    前記共振子構造のうち少なくとも一つは、フィルタ帯域内において一つの振動モードの共振特性が他の振動モードの共振特性よりも強く表れるように電気的に接続され、
    前記共振子構造の前記共振子は、
    一対の電極膜と該一対の電極膜間に挟まれた圧電薄膜とが積層された圧電薄膜共振子であり、
    前記共振子構造は、
    前記圧電薄膜共振子同士が、前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜及び前記圧電薄膜が積層された積層方向に、互いに積層された積層型BAW素子であることを特徴とすることを特徴とする、弾性波素子。
  2. 一つの前記積層型BAW素子と、他の前記積層型BAW素子の前記共振子とが電気的に接続されたことを特徴とする、請求項に記載の弾性波素子。
  3. 一つの前記積層型BAW素子に、他の前記積層型BAW素子の前記共振子が直列に縦続接続されたことを特徴とする、請求項に記載の弾性波素子。
  4. 一つの前記積層型BAW素子に、他の前記積層型BAW素子の前記共振子が並列に接続されたことを特徴とする、請求項に記載の弾性波素子。
  5. 前記積層型BAW素子がラダー型に接続されたことを特徴とする、請求項又はに記載の弾性波素子。
  6. 前記積層型BAW素子がラティス型に接続されたことを特徴とする、請求項又はに記載の弾性波素子。
  7. 一つの前記積層型BAW素子に対して入力又は出力のいずれか一方に直列に、他方に並列に、他の二つの前記積層型BAW素子がそれぞれ接続されたことを特徴とする、請求項又はに記載の弾性波素子。
  8. 前記積層型BAW素子は、少なくとも一つの層の材料及び膜厚が実質的に同一であることを特徴とする、請求項乃至のいずれか一つに記載の弾性波素子。
  9. 前記積層型BAW素子の各層は、一つの層を除いて、それぞれ、材料及び膜厚が実質的に同一であることを特徴とする、請求項乃至のいずれか一つに記載の弾性波素子。
  10. 前記積層型BAW素子のうち一部のみが、少なくとも一つの追加層を含み、
    前記追加層を含む前記共振子構造の前記追加層以外の各層と他の前記共振子構造の各層とは、それぞれ、材料及び膜厚が実質的に同一であることを特徴とする、請求項乃至のいずれか一つに記載の弾性波素子。
  11. 前記積層型BAW素子の各層は、それぞれ、材料及び膜厚が実質的に同一であることを特徴とする、請求項乃至のいずれか一つに記載の弾性波素子。
  12. 前記積層型BAW素子に含まれる互いに積層された前記圧電薄膜共振子は、2つであることを特徴とする、請求項乃至11のいずれか一つに記載の弾性波素子。
  13. 前記積層型BAW素子のうち少なくとも一つは、
    一方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち他方の前記圧電薄膜共振子に近い一方の前記電極膜と、他方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち一方の前記圧電薄膜共振子から遠い一方の前記電極膜とが電気的に短絡され、
    一方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち他方の前記圧電薄膜共振子から遠い他方の前記電極膜と、他方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち一方の前記圧電薄膜共振子に近い他方の前記電極膜とが電気的に短絡されたことを特徴とする、請求項12に記載の弾性波素子。
  14. 前記積層型BAW素子のうち少なくとも一つは、
    一方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち他方の前記圧電薄膜共振子から遠い一方の前記電極膜と、他方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち一方の前記圧電薄膜共振子から遠い一方の前記電極膜とが電気的に短絡され、
    一方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち他方の前記圧電薄膜共振子に近い他方の前記電極膜と、他方の前記圧電薄膜共振子の前記一対の電極膜のうち一方の前記圧電薄膜共振子に近い他方の前記電極膜とが電気的に短絡されたことを特徴とする、請求項12に記載の弾性波素子。
  15. 前記共振子構造が同一の基板上に形成されたことを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか一つに記載の弾性波素子。
  16. 入力端子と出力端子のいずれか一方がバランス構成であり、他方がアンバランス構成であることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一つに記載の弾性波素子。
  17. 請求項1乃至16のいずれか一つに記載の弾性波素子が、送信フィルタと受信フィルタのいずれか一方又は両方に含まれることを特徴とする、デュプレクサ。
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