JP5168684B2 - 時間分解分光システム,時間分解分光方法及びテラヘルツ波発生システム - Google Patents
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Description
(非特許文献2)。この時間分解分光装置は,異なる繰返し周波数を得るためのキャビティ長の制御機構が複雑であること,それぞれの光パルスレーザに独立にタイミングジッタが存在し,エネルギー分解能,精度およびSN比に難点があり,それを制御する機構が複雑であるという問題点があった。
Ultra fast Spectroscopy of Semiconductors and Semiconductor Nanostructures, 1.3節 Applied Physics Letters, vol. 87, p061101 (2005)
ΔA+Δθ=π/2 (I)
(ここで,ΔA及びΔθは,それぞれΔA≡(A1−A2)/2,及びΔθ≡(θ1−θ2)/2と定義され,A1及びA2はそれぞれ第1の変調電極及び第2の変調電極に誘導される光位相シフト振幅を示し,θ1及びθ2はそれぞれ第1の導波路及び第2の導波路内で誘導される光位相シフト量を示す)
> f1である。例えば,f1=1GHz,f2=1.001GHz(周波数差: 1MHz)で駆動した場合,100fsの時間分解能で測定できる。また,それらの光パルス発生器を,独立に駆動できるため,入力連続光の波長を変えるだけでパルス光の波長が異なるパルス列の組を生成できる。 また,本発明によれば,2つの光路長を合わせるための光学系が必要なくなる。これによりシステムをより簡素化でき,温度や振動等の外乱に強い時間分解分光システムを構築できることとなる。
ΔA+Δθ=π/2 (I)
(ここで,ΔA及びΔθは,それぞれΔA≡(A1−A2)/2,及びΔθ≡(θ1−θ2)/2と定義され,A1及びA2はそれぞれ第1の変調電極及び第2の変調電極に誘導される光位相シフト振幅を示し,θ1及びθ2はそれぞれ第1の導波路及び第2の導波路内で誘導される光位相シフト量を示す)
RF−a=Aasinωt, RF−b=Absinωt (1)
/A≡(A1+A2)/2, ΔA≡(A1−A2)/2,Δθ≡(θ1−θ2)/2 (4)
ΔA+Δθ=π/2 (5)
従って,上記の光パルス発生装置を用いれば,平坦なスペクトル特性を持ったパルス光源を得ることができ,式(5)を満たすようにマハツェンダ変調器を駆動すれば平坦なスペクトル特性を有する光パルスを得ることができることがわかる。
次にこのスペクトル平坦化条件の下で変換効率ηkが最大化される条件を求める。式(5)を式(3)に代入すると,変換効率ηkは,次式(6)のように簡単な式で表すことができる。
ΔA=Δθ=π/4 (7)
そして,式(7)を満たす時の最大変換効率ηk,maxは次式(8)で表すことができる。
図7は,実施例1における時間分解分光システムを示すブロック図である。この時間分解分光システムでは,光パルス発生器を高周波正弦波信号で駆動する。そして,直接変調を施した半導体レーザからのレーザ光を,光パルス発生器へ入射する。発生した光パルスをビームスプリッタにより分岐し,一方を可動ステージに固定したミラーにより反射させる。そして,可動ステージを連続的に掃引することにより,他方の光パルスに対して時間遅延を得る。そして,これらの光パルスを検出対象に照射して,図示しない光検出器により透過光又は反射光を検出する。このようにして,時間分解分光を行うことができる。この時間分解分光システムによれば,タイミングジッタが抑制した状態で測定できることとなる。また,時間分解分光システムによれば,光強度変調器が不要となるので,システムを簡素化できる。
図8は,実施例2における時間分解分光システムを示すブロック図である。図8に示されるように,この時間分解分光システムは,2台の光パルス光源をそれぞれ異なる周波数の正弦波信号で駆動して光パルスを発生させる。一方をポンプ光パルス,他方をプローブ光パルスとする。それぞれの光パルスは,たとえば,非線形圧縮ファイバに入射することにより,フェムト秒などのより短い時間幅の光パルスにすることができる。すなわち,光パルス発生器からの出力光をファイバに入力し,ファイバからの出力光を検出対象物に照射するものは,本発明の好ましい態様である。ポンプおよびプローブ光パルスを検出対象物に入射し,プローブ光パルスの透過光あるいは反射光を光検出器により検出する。この光検出器として,プローブ光の繰返し周波数をカバーする帯域を持つものが好ましい。光パルス発生器の駆動周波数をΔτ(タウ)に従って必要な時間分解能を満たすように設定することにより,時間分解分光計測を行うことができる。本方法を用いることにより,可動ステージや両パルス光の光路長を合わせるための光学系が必要なくなり,外乱に対して安定な測定が可能となる。また,半導体レーザおよび駆動信号周波数を変えることにより,光パルスの波長および繰返し周波数の制御性が向上した時間分解計測を行うことができることとなる。
図9は,テラヘルツ波発生・検出法を説明するための図である。すなわち,本発明の時間分解分光システムを用いることで,テラヘルツ波を検出できることを示す。図9に示されるように光パルス発生器,テラヘルツ発生器,テラヘルツ検出器およびテラヘルツ波光学系を具備する。第1の光源からの光パルスをテラヘルツ発生器に入射し,テラヘルツ波を発生させる。発生したテラヘルツ波を,テラヘルツ光学系を用いてテラヘルツ検出器に導く。第2の光源からの光パルスをテラヘルツ検出器に入射し,テラヘルツ波を検出する。光パルス発生器の駆動周波数をΔτ(タウ)に従って必要な時間分解能を満たすように設定することにより,時間分解分光計測を行うことができる。
Claims (9)
- 時間分解分光システム(1)であって,
連続光源(2)からの光が入力する光パルス発生器(3)と,
前記光パルス発生器(3)を駆動するための駆動信号発生器(4)と,
測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,
を具備し,
前記光パルス発生器(3)は,
光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;
前記駆動信号発生器(4)は,
前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と,を具備し;
前記光パルス発生器(3)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出する
ことにより分光分析を行う,
時間分解分光システム。 - さらに,前記連続光源(2)の強度を変調するための強度変調手段(7)を具備し,
前記強度変調手段(7)により強度変調された連続波光を前記光パルス発生器(3)へ入射し,強度変調された光パルスを得て,前記強度変調された光パルスを用いて分光分析を行う,
請求項1に記載のシステム。 - 前記連続光源(2)が,半導体レーザであり,
前記強度変調手段(7)が,前記半導体レーザを駆動するための変調信号発生器である,
請求項2に記載のシステム。 - 前記光パルス発生器から発生した光パルス信号を伝播する光ファイバをさらに具備する請求項1に記載のシステム。
- 前記光パルス発生器(3)を複数台含み,
それぞれの前記光パルス発生器(3)を異なる繰り返し周波数で駆動することにより,
遅延時間掃引を行う,請求項1に記載のシステム。 - 前記光パルス発生器(3)を複数台含み,
それぞれの駆動信号発生器(4)の駆動信号の周波数を制御することにより,前記光パルス発生器(3)から出力される光パルスの繰り返し周波数を制御し,これにより,遅延時間を制御できる,請求項1に記載のシステム。 - 前記駆動信号系(21)及びバイアス信号系(24)は,前記第1の駆動信号(19),前記第2の駆動信号(20)及びバイアス信号(22,23)が,下記式(I)を満たすように駆動する,請求項1に記載のシステム。
ΔA+Δθ=π/2 (I)
(ここで,ΔA及びΔθは,それぞれΔA≡(A1−A2)/2,及びΔθ≡(θ1−θ2)/2と定義され,A1及びA2はそれぞれ第1の変調電極及び第2の変調電極に誘導される光位相シフト振幅を示し,θ1及びθ2はそれぞれ第1の導波路及び第2の導波路内で誘導される光位相シフト量を示す) - 時間分解分光システム(1)を用いた時間分解分光方法であって,
前記時間分解分光システム(1)は,
連続光源(2)からの光が入力する光パルス発生器(3)と,
前記光パルス発生器(3)を駆動するための駆動信号発生器(4)と,
測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,
を具備し,
前記光パルス発生器(3)は,
光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;
前記駆動信号発生器(4)は,
前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と,を具備し;
前記光パルス発生器(3)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出することにより分光分析を行う,
時間分解分光方法。 - 時間分解分光システム(1)を用いた時間分解分光方法であって,
前記時間分解分光システム(1)は,
連続光源(2)からの光が入力する複数台の光パルス発生器(3a,3b)と,
前記光パルス発生器(3a,3b)を駆動するための駆動信号発生器(4a,4b)と,
測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,
を具備し,
前記光パルス発生器(3a,3b)は,
光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;
前記駆動信号発生器(4a,4b)は,
前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と,を具備し;
前記光パルス発生器(3a,3b)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出することにより分光分析を行うとともに,
それぞれの駆動信号発生器(4a,4b)の駆動信号の周波数を制御することにより,前記光パルス発生器(3a,3b)から出力される光パルスの繰り返し周波数を制御し,これにより,遅延時間を制御する,
時間分解分光方法。
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