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JP5165139B1 - 免震装置の取付方法と取付構造 - Google Patents

免震装置の取付方法と取付構造 Download PDF

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JP5165139B1
JP5165139B1 JP2012182472A JP2012182472A JP5165139B1 JP 5165139 B1 JP5165139 B1 JP 5165139B1 JP 2012182472 A JP2012182472 A JP 2012182472A JP 2012182472 A JP2012182472 A JP 2012182472A JP 5165139 B1 JP5165139 B1 JP 5165139B1
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Abstract


【課題】 複数箇所にアンカー材を介して固定して取り付けられるベースプレートの高さと水平のレベルにおける取付精度を再確認しなくても、免震装置を設計上の正規位置に正確で水平に且つ強固に取り付けることができるようにすること。
【解決手段】 板材からなる連結プレートにアンカー部材と免震装置取付用の袋ナットが取り付けられ、該アンカー部材を杭頭部および基礎の上面に挿入し設計上の正規位置に位置決めして前記連結プレートを設置し、該連結プレートの中央部から杭頭部内および基礎内にコンクリートを注入して連結プレートの上面レベルまで打設して前記アンカー部材を固定し、前記連結プレートおよび打設したコンクリート上面における水平レベルの調整を行うと共に上面修正材を塗布してコンクリート上面の荒れを埋めて下部ベースプレートを設置し、前記上面修正材が硬化した後に免震装置を設置し前記袋ナットに固定用ボルトを螺着して固定するようにしたものであり、連結プレートおよび打設したコンクリート上面における水平レベルの調整を行ってから上面修正材を塗布して硬化する前に下部ベースプレートを設置するので、下部ベースプレートとの馴染みが良く、しかも、袋ナットを介して固定ボルトで固定するので、免震装置を設計上の正規位置に正確で水平に且つ強固に取り付けることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、建造物における基礎構造物に免震装置を取り付けるための取付方法および取付構造に関するものである。
この種の基礎構造物に対する免震装置の取付方法については、複数の従来例が公知になっている。例えば、従来例1としては、基礎構造物を構成する鋼管杭の杭頭部に固定部材を介して免震装置が取り付けられるものであって、前記固定部材は、前記免震装置が固定されるベースプレートと、このベースプレート下面に固定されたアンカー部材とを有して構成され、前記鋼管杭の杭頭部に前記アンカー部材を挿入し、かつ前記ベースプレートを位置決めした状態で、前記杭頭部にコンクリートを注入して前記ベースプレート下面まで充填することで、硬化したコンクリートにより前記鋼管杭と前記固定部材とが一体化される構成である(特許文献1)。
そして、免震装置を鋼管杭の杭頭部上に固定し、この免震装置上に建物本体を設けたことで、従来の基礎梁や基礎フーチングに要する施工手間や地盤の掘削量を削減することができ、基礎施工の短工期化およびコスト低減を実現することができる。また、杭頭部にアンカー部材を挿入した状態でコンクリートを注入するとともに、このコンクリートをベースプレート下面まで充填することによって、アンカー部材およびコンクリートを介してベースプレートが鋼管杭に一体化され、免震装置からベースプレートに作用する建物本体の鉛直荷重および水平荷重を適切に鋼管杭まで伝達することができるというものである。
また、従来例2としては、免震装置本体の下面を下部ベースプレートに受止させて取り付ける場合において、基礎コンクリート床面の前記免震装置本体取付部に凹所を設け、この凹所の上部に支持材を差し渡して仮固定し、この支持材の下に前記下部ベースプレートを仮固定すると共に、この下部ベースプレートの下面に複数本のアンカーボルトを吊り下げ、下部ベースプレートに形成されたコンクリート充填用孔からコンクリートを流し込んで前記凹所および下部ベースプレートの下面までコンクリートを打設することで下部ベースプレートを固定し、この後前記支持部材を除去して下部ベースプレートの上面に前記免震装置本体の下面を取り付ける構成である(特許文献2)。
そして、吊り下げ方式により下部ベースプレートを容易に取り付けることができるため、従来のベースプレート受け架台が不要になり、且つ吊り下げ用の支持部材は打設コンクリート内に埋設されず、取り外して転用、盛り替えが可能であることから、施工の効率化と取付精度の向上及びコストダウンを図ることができるというものである。
さらに、従来例3としては、所要幅の板材からなる連結プレートにアンカー部材が取り付けられ、該アンカー部材を杭頭部又は基礎の上面に挿入し設計上の正規位置に位置決めして前記テンプレートを設置し、該テンプレートの中央部から杭頭部内または基礎内にコンクリートを注入してテンプレートの上面レベルまで打設して前記アンカー部材を固定し、前記テンプレート及び打設したコンクリート上面に液状の上面修正材を塗布してコンクリート上面の荒れを埋めると共に水平レベルの調整を行い、前記塗布して水平レベルの調整を行った上面修正材が硬化した後に下部ベースプレートと免震装置とを設置し固定用のボルトを挿通して前記アンカー部材と連結して固定する構成である(特許文献3)。
そして、コンクリート打設後において、コンクリート表面が水平でなかったり凹凸があったり、また、テンプレートに歪みがあったりしても、液状の上面修正材を塗布することによって、凹凸や歪みを埋めて水平レベルの調整が必然的に行われるから、下部ベースプレートを設置することにより、上面修正材が存在することで打設したコンクリートと下部ベースプレートとの馴染みが良好で水平状態に設置されて安定すること、及び水平に設置された下部ベースプレートに取り付けられる免震装置は、設計上の正規位置に正確で水平に且つ均等な面圧が受けられるように取り付けることができるというものである。
特許第3899354号の特許公報 特開平10−292668号公報 特許第4641328号の特許公報
前記従来例1においては、鋼管杭の杭頭部に固定部材を介して免震装置が取り付けられるものであるが、その固定部材を鋼管杭の杭頭部に取り付ける手段について、固定部材は免震装置が固定されるベースプレートとその下面に固定されたアンカー部材とを有しており、鋼管杭の杭頭部にアンカー部材を挿入し、ベースプレートを位置決めした状態で杭頭部にコンクリートを注入してベースプレート下面まで充填するとし、具体的には、ベースプレートと杭頭上面との間には30〜100mmの隙間を設け、ベースプレートの中央部に設けられた注入孔からコンクリートを注入してベースプレートの下面まで充填することで隙間がコンクリートで埋められるとしている。
また、前記従来例2においては、基礎コンクリート床面に凹所を設け、その凹所の上面にアンカーボルトを吊り下げた下部ベースプレートを支持部材で仮固定し、下部ベースプレートの中心部に設けたコンクリート充填用の孔からコンクリートを流し込んで凹所および下部ベースプレートの下面までコンクリートを打設することで下部ベースプレートを固定するとしている。
ところで、前記従来例1、2においても、ベースプレートの中央部に設けられた注入孔又は充填孔からコンクリートを注入又は流し込んでベースプレートの下面まで充填するとしているが、工事現場の作業員によりベースプレートの中央部の孔から、単にコンクリートを注入しても、ベースプレートの下面に万遍なく充填されるとは限らないし、無理に強い注入圧で注入したり振動方式で締め固めたりするとベースプレートの一部が浮き上がったりするのである。ましてや、ベースプレートと杭頭上面との間に30〜100mmの隙間があると、その隙間からコンクリートが流出してベースプレート下面の隙間が大きくなってコンクリートの実質的な締め固めができないのである。
そのために、注入又は充填したコンクリートとベースプレートの下面との間に空隙部が生じたり一部が浮き上がって傾いたり、また、コンクリートのブリージング(コンクリートの沈み)現象による気泡や巣(隙間)が生じたりしてベースプレートの下面が痘痕状態になる場合がある。しかしながら、いずれの場合でも、従来例ではベースプレートの傾きや下面に生じた痘痕状態を確認したり修復したりすることはできないため、ベースプレートに取り付けられた免震装置の傾斜や沈下が避けられず、ベースプレート直下の均等な面圧を期待できないこと、打ち込んだアンカー部材の一部に軸力負担が大きくなってしまうことにより、大地震時に杭頭部に損傷を与えて、急激な水平力によるせん断力の伝達機能の低下を招き免震装置の機能が発揮できなくなるという問題点を有している。
また、前記従来例1、2においては、コンクリートを注入・打設又は硬化によって、下部ベースプレートは歪んだり変形したりすることもあるが、免震装置を取り付ける際に下部ベースプレートを補修したり、高さと水平のレベルにおける取付精度について再確認しながら微調整することができないばかりでなく、下部ベースプレートが歪んだり変形した状態のまま免震装置を載置した場合に、双方共に接触する部位が金属やコンクリートなどの硬質材料で形成されているため、接触面に部分的な隙間が生じて全面的に馴染まず、免震装置の着座が不安定になり、それによって下部ベースプレートや基礎部材に対して均一な面圧荷重が掛からなくなり。一部の軸力負担が大きくなり免震の機能が半減するという問題点も有している。
前記従来例3においては、前記従来例1、2の問題点を全面的に解決した技術であるが、支持地盤の状況によって使用される杭の種類や杭径および基礎構造の設計が種々変わってくる。つまり、地盤の状況に合わせて経済的且つ強度的に充分な設計するため、例えば、鋼管杭を使用する場合は、現場打ちコンクリート杭より杭径が小さくなる。しかし、使用される免震装置は特注品ではなく、通常は市販の既製品を使用することが多い。そうすると、杭径が免震装置よりも小さい場合には、免震装置のフランジ部や面圧を受ける下部ベースプレートが杭頭部からはみ出し、アンカー部材やテンプレートに直接連結することが困難になるし、アンカー部材を杭頭部内に納めることも困難になる。
また、液状の上面修正材が硬化した後に下部ベースプレートを設置することについて、その設置(固定)をする前に再度水平レベルの確認をすることが必要であり、手間が掛かる。さらに、上面修正材が硬化した後だと下部ベースプレートとの馴染みがよくないし、硬化するまで作業が止まってしまい、工事の作業効率が悪いという問題点がある。
従って、従来例に係る免震装置の取り付けにおいて、複数箇所にアンカー材を介して固定して取り付けられた下部ベースプレートの高さと水平のレベルにおける取付精度を再確認しながら調整できるようにすること、下部ベースプレートと基礎部材、若しくは免震装置と下部ベースプレートとの馴染みを良くし水平状態に維持して安定させること、及び免震機能を低下させないで安価に提供できるようにすることに解決すべき課題がある。
本発明は、前述の従来例の課題を解決する具体的手段として、第1の発明は、板材からなる連結プレートにアンカー部材と免震装置取付用の袋ナットが取り付けられ、該アンカー部材を杭頭部および基礎の上面に挿入し設計上の正規位置に位置決めして前記連結プレートを設置し、該連結プレートの中央部から杭頭部内および基礎内にコンクリートを注入して連結プレートの上面レベルまで打設して前記アンカー部材を固定し、前記連結プレートおよび打設したコンクリート上面における水平レベルの調整を行うと共に上面修正材を塗布してコンクリート上面の荒れを埋めて下部ベースプレートを設置し、前記上面修正材が硬化した後に免震装置を設置し前記袋ナットに固定用ボルトを螺着して固定することを特徴とする免震装置の取付方法を提供するものである。
本発明の係る第2の発明は、板材からなる連結プレートにモルタル充填式継手のスリーブを介して連結されたアンカー部材と免震装置取付用の袋ナットが取り付けられ、該アンカー部材を杭頭部および基礎の上面に挿入し設計上の正規位置に位置決めして前記連結プレートを設置し、該連結プレートの中央部から杭頭部内および基礎内にコンクリートを注入して連結プレートの上面レベルまで打設して前記アンカー部材を固定し、前記連結プレートおよび打設したコンクリート上面における水平レベルの調整を行うと共に上面修正材を塗布してコンクリート上面の荒れを埋めて、下部ベースプレートに固定された連結部材を前記スリーブに挿入しスリーブ内にグラウト材を充填し、前記上面修正材とグラウト材が硬化した後に免震装置を設置し前記袋ナットに固定用ボルトを螺着して固定することを特徴とする免震装置の取付方法を提供するものである。
これらの第1及び第2の発明において、いずれも前記上面修正材が液状の樹脂剤であること、を付加的な要件として含むものである。
本発明に係る第3の発明は、建造物の上部構造物と基礎構造物との間に設置される免震装置の取付構造において、前記基礎構造物である杭頭部および基礎のコンクリートに固定されたアンカー部材と下部ベースプレートとの連結に寄与する袋ナットとを取り付けた連結プレートと、免震装置を固定する下部ベースプレートとの間に、塗布して硬化した上面修正材を介在させ、前記袋ナットに固定ボルトを螺着して前記免震装置と下部ベースプレートとを連結プレートを介して基礎構造物に取り付けたことを特徴とする免震装置の取付構造を提供するものである。
本発明に係る第4の発明は、建造物の上部構造物と基礎構造物との間に設置される免震装置の取付構造において、前記基礎構造物である杭頭部および基礎のコンクリートにモルタル充填式継手のスリーブを介して固定されたアンカー部材と下部ベースプレートとの連結に寄与する袋ナットとを取り付けた連結プレートと、免震装置を固定する下部ベースプレートとの間に、塗布して硬化した上面修正材を介在させ、且つ前記スリーブに前記下部ベースプレートの連結部材を挿着固定して前記アンカー部材と連結させ、前記袋ナットに固定ボルトを螺着して前記免震装置を下部ベースプレートと連結プレートとを介して基礎構造物に取り付けたことを特徴とする免震装置の取付構造を提供するものである。
これら第3及び第4の発明において、前記上面修正材が液状の樹脂剤であること、を付加的な要件として含むものである。
本発明に係る第1の発明の免震構造の取付方法は、前記連結プレートおよび打設したコンクリート上面における水平レベルの調整を行うと共に上面修正材を塗布して連結プレートに発生した歪みや傾きを修正すると共にコンクリート上面の荒れを埋め、上面修正材が硬化する前に下部ベースプレートを設置するので、下部ベースプレートと上面修正材との馴染みが良好で、しかも、袋ナットを介して固定ボルトで固定するので、免震装置を設計上の正規位置に正確で水平に且つ強固に取り付けることができるという優れた効果を奏する。
また、本発明に係る第2の発明においても、連結プレートにモルタル充填式継手のスリーブを介して連結されたアンカー部材と、スリーブに挿着される連結部材を有する下部ベースプレートとが、水平レベルの調整のために塗布した上面修正材を介在させて設置したので、下部ベースプレートとの馴染みが良好で、しかも、スリーブ内で下部ベースプレートとアンカー部材とが連結された状態になり、袋ナットを介して固定ボルトで固定するので、免震装置を設計上の正規位置に正確で水平に且つ強固に取り付けることができるという優れた効果を奏する。
さらに、本発明に係る第3及び第4の発明においては、基礎構造物である杭頭部または基礎のコンクリートに固定されたアンカー部材と下部ベースプレートとの連結に寄与する袋ナットとを取り付けた連結プレートと、免震装置を固定する下部ベースプレートとの間に、塗布して硬化した上面修正材を介在させたことによって、前記第1及び第2の発明と同様に、コンクリート及び連結プレートと下部ベースプレートとの馴染みが良好で水平状態に設置されて安定すると共に、スリーブを介してまたは袋ナットを介して固定ボルトで連結プレートに固定するので、免震装置は設計上の正規位置に正確で水平に且つ均等な面圧が受けられるように取り付けることができるという優れた効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る免震装置の取付方法を略示的に示した説明図で、(a)図は連結プレートを示す平面図、(b)図は基礎構造に対する連結プレートの設置状況を示す側面図である。 同実施の形態に係る基礎構造にコンクリートを注入して構築した状態の基礎構造の要部を示す断面図である。 同実施の形態に係る構築した基礎構造の上面に液状の上面修正材を塗布して水平レベル調整を行う状況を示す要部の断面図である。 同実施の形態に係る上面修正材の水平レベル調整後に下部ベースプレートを設置する状況を示す要部の断面図である。 同実施の形態に係る上面修正材が硬化した後に免震装置を取り付けた取付構造を略示的に示した要部の断面図である。 同実施の形態に係る免震装置の取付方法において、図5のA部を拡大して示した断面図である。 前記第1の形態に係る免震装置の取付方法において、第1の他の例を示した断面図である。 前記第1の形態に係る免震装置の取付方法において、図(a)と図(b)は第2の他の例を示した断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る免震装置の取付方法を略示的に示した説明図である。 同実施の形態に係る基礎構造にコンクリートを注入して構築した状態の基礎構造の要部を示す断面図である。 同実施の形態に係る構築した基礎構造の上面に液状の上面修正材を塗布して水平レベル調整を行う状況を示す要部の断面図である。 同実施の形態に係る上面修正材の水平レベル調整後に下部ベースプレートを設置し、スリーブ内にグラウトを注入する状況を示す要部の断面図である。 同実施の形態に係る上面修正材とグラウトが硬化または固化した後に免震装置を取り付けた取付構造を略示的に示した要部の断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る免震装置の取付方法を略示的に示した断面図である。 同実施の形態に係る基礎構造にコンクリートを注入して構築した状態の基礎構造の要部を示す断面図である。 同実施の形態に係る構築した基礎構造の上面に液状の上面修正材を塗布して水平レベル調整を行う状況を示す要部の断面図である。 同実施の形態に係る上面修正材の水平レベル調整後に、スリーブ内にグラウトを充填して下部ベースプレートを設置する状況を示す要部の断面図である。 同実施の形態に係る上面修正材とグラウトが硬化または固化した後に免震装置を取り付けた取付構造を略示的に示した要部の断面図である。 前記第1の実施の形態に係る免震装置の取付方法で免震装置を取り付けた後に、上部建造物を構築した状況を示す要部のみの断面図である。 前記第2と第3の実施の形態に係る免震装置の取付方法で免震装置を取り付けた後に、上部建造物を構築した状況を示す要部のみの断面図である。 前記第1の実施の形態に係る取付構造における、免震装置からのせん断力と曲げ引張力に対応する耐力を説明するための説明図である。 前記第2と第3の実施の形態に係る取付構造または袋ナットを突出させない構造における、免震装置からのせん断力と曲げ引張力に対応する耐力を説明するための説明図である。
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳しく説明する。図1〜図6は第1の実施の形態に係る免震装置の取付方法と取付構造を示すものであり、基本的に経済面と充分な強度が得られる設計に基づき、特注品ではなく市販の免震装置の使用と比較的小径な鋼管杭とを使用するものであって、図1(a)(b)において、免震建造物が構築される地盤1に基礎構造となる複数本の比較的小径の鋼管杭2を所要間隔をもって打ち込んで設置すると共に、該鋼管杭2の頭部2aの周囲を一定の範囲で取り囲むように、頭部増し打ちコンクリートによる鉄筋コンクリート製の基礎3および基礎スラブ4が現場打ちで形成するために、所要の型枠(図示せず)が組まれる。この鋼管杭2は、設計上の建造物における柱が構築される位置に設けられるものであり、使用される免震装置は特注品ではなく市販のものであるため、免震装置の外径が鋼管杭2の外径からはみ出すことになり、鋼管杭2の頭部2aに直接取り付けることができないために、頭部増し打ちコンクリートによる基礎3が構築される。
設置された各鋼管杭2の頭部2aに免震装置を取り付けるために、各鋼管杭2の頭部2aの内側には、所定高さのコンクリートが打設できるようにそれぞれ仕切板5が設けられると共に、打設したコンクリートと鋼管杭2との一体化を高めるために、従来技術と同様の複数条のリング状の突起(図示せず)が、例えば、溶接手段などにより設けられている。
そして、免震装置を取り付けるために、各鋼管杭2の頭部2aの上面と基礎3の上面とにおいて、全ての連結プレート6が設定レベルで水平になるように予めレベル調整して型枠に支持させて設置する。この連結プレート6は、図(a)に示したように、所要幅の四角形状を呈する板材からなり、中央部にコンクリート注入孔7が設けられると共にその周辺に複数の空気抜き孔8が設けられ、更に複数のアンカー部材9がそれぞれ長ナット9aを介して取り付けられると共に、周辺寄りに複数の袋ナット10が取り付けられている。
この場合の連結プレート6は、四角形状でも円形状でもよいが、その外径は鋼管杭2の外径よりも大径であって、免震装置のフランジ部と同等か僅かに大径に形成する。特に、取り付けられた袋ナット10の上端は、免震装置の面圧を受けるために使用される下部ベースプレートの略厚み分に相当する長さを、連結プレート6の上面に突出させて取り付ける。そして、図(b)に示したように、アンカー部材9が鋼管杭2の頭部2aから内部に位置するように連結プレート6を水平レベルに支持させる。この水平レベルに支持させるというのは、基礎3を構築するための型枠に対して、高さレベルと水平レベルとが設計上の正規位置にセットされて支持されることである。なお、袋ナット10に限ることなく、長ナットとしても良い。
このように支持させてセットした連結プレート6のコンクリート注入孔7から、鋼管杭2の頭部2a内にコンクリートを注入すると共に、連結プレート6の外周空間部からも基礎3および基礎スラブ4を構築するコンクリートを、連結プレート6の上面レベルまで注入または打設する。そして、内部に注入されたコンクリートについては、例えば、内部振動方式や型枠振動方式又は表面振動方式のいずれかの振動方式を用いて振動を与えることにより締め固めを行えば良い。特に、連結プレート6には空気抜き孔8が設けられているので、連結プレート6の下面において注入したコンクリートの空気抱き込みによる痘痕がほとんど生じないのであり、図2に示したように、鋼管杭2の頭部2aと基礎3とが一体化した状態で基礎構造が形成される。なお、コンクリートの注入または打設に際して、袋ナット10に仮ボルトを螺着させて置けば、ゴミや飛散したコンクリートの入り込みを防止できる。
このように基礎構造が形成された状態で、図3に示したように、連結プレート6の上面及び設置される下部ベースプレートの水平レベルを調整する必要がある。この場合に、水平レベルというのは、面圧を受ける下部ベースプレートの高さと水平度であって、その調整の仕方については、種々のやり方があるので、その全ては開示できないが、例えば、設置される下部ベースプレートの四隅に相当する位置に、ライナープレートを用いて水平レベルの調整を行ってから、連結プレート6の上面にエポキシ樹脂等からなる液状の上面修正材11を塗布するのである。なお、使用されるライナープレートは厚さが0.2〜1.0mmの塩化ビニール製またはEP樹脂製の薄板であり、また、上面修正材11は少し多めに塗布した方が良い。
次に、図4に示したように、水平レベルの調整をして塗布した上面修正材11の上に下部ベースプレート12を設置すると、多めの上面修正材11は下部ベースプレート12の重みによって外周から押し出されるし、連結プレート6および基礎3のコンクリートと下部ベースプレート12との馴染が良好になると共に、設置した下部ベースプレート12は水平レベル調整したライナープレート上に支持されて設計上の正規位置に正確にセットされるのであるから、上面修正材11の硬化後において水平レベルを再確認する必要がないので、施工手間が省けて作業効率が良くなる。この場合に使用される下部ベースプレート12は、連結プレート6と外径が略同じであり、袋ナット10に対応する位置にそれぞれ取付孔13が設けてあり、下部ベースプレート12を設置すると袋ナット10が取付孔13に嵌まるので、角度的にずれたりすることはないのであり、袋ナット10は、連結プレート6と下部ベースプレート12との連結に大きく寄与するのである。
上面修正材11が硬化した後に、図5に示したように、下部ベースプレート12上に免震装置14を設置し、固定ボルト15を袋ナット10に挿通して締め付けることにより、該免震装置14の下部フランジ部14aと下部ベースプレート10とを一緒に連結プレート6に固定して免震装置14が取り付けられる。なお、符号16は座金である。
この取付構造についての詳細は、図6を参照して説明する。
少なくともアンカー部材9と袋ナット10とを取り付けた連結プレート6は、基礎構造を構成する鋼管杭2と基礎3とに設計上の正規位置に位置決めして取り付けられる。その取り付けは、アンカー部材9は鋼管杭2の頭部2a内に挿通して固定され、袋ナット10は基礎3の上面に突出した状態にしてある。そして、コンクリート硬化後、前記した手段で連結プレート6の水平レベルを確認して調整し、液状の上面修正材11を塗布してコンクリート表面(天端)の凹凸、連結プレート6に僅かに発生した歪みや傾きを修正し、設置した下部ベースプレート12を設計上の正規位置に適正な状態で維持し、上面修正材11の硬化後に、該下部ベースプレート12上に免震装置14を設置し、下部フランジ14aと下部ベースプレート12とを挿通して固定ボルト15を袋ナット10に螺着して締め付けることによって、連結プレート6および基礎構造に対して安定した取付構造となるのである。
この場合に、連結プレート6と基礎3の天端修正と水平レベルの調整をするために、液状の上面修正材11を用いて、連結プレート6やコンクリートの天端に発生した僅かな歪みや傾きを修正して下部ベースプレート12の水平レベルを維持させるのであるから、通常の寸法誤差を吸収させる目地とは異なり、できる限り無目地に近い状態にして、エポキシ樹脂とコンクリートとの強度差による影響を無視できるようにする。さらに、免震装置14と鋼管杭2の頭部2aとの間における力の伝達経路について、連結プレート6に溶接等の手段により強固に取り付けた一方のアンカー部材9は、杭頭部2a内に挿通して固定され、他方の袋ナット10には、下部ベースプレート12と下部フランジ14aを挿通した固定ボルト15を螺着させて締め付け固定されるのであり、免震装置14からのせん断力と曲げ引張力とが袋ナット10の存在によって軽減され、連結プレート6を介してアンカー部材9に伝達されるので、強度的に支障(途中破損等)を来さないのである。また、袋ナット10の突出部は修正材の流れ込み防止の役目をするので、施工手間を軽減できる。
前記第1の実施の形態に係る取付方法において、基礎構造の構築に関する痘痕の発生及び沈降対策として、さらに他の複数の実施方法がある。その第1の他の例を示した図7を用い、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して簡略的に説明する。
まず、免震建造物が構築される地盤1に、設計上の建造物における柱が構築される各位置に小径の鋼管杭2を打ち込んで設置し、鋼管杭2の頭部2aの周囲を一定の範囲で取り囲むように、頭部増し打ちコンクリートによる鉄筋コンクリート製の基礎3および基礎スラブ4が現場打ちで形成するために、所要の型枠(図示せず)が組まれ、その型枠に支持させて連結プレート6をレベル調整して設置する。これらの、鋼管杭2及び連結プレート6は、前記第1の実施の形態で使用したものと同一構造である。
そして、支持させた連結プレート6のコンクリート注入孔7から、まず、鋼管杭2の頭部2a内にコンクリートを注入すると共に、同じコンクリートを鋼管杭2の周辺から地盤1に沿って打設して基礎スラブ4を構築する。これらのコンクリート注入及び打設については、作業者が目視により注入及び打設レベルが確認でき、基礎スラブ4としてある程度予定した厚みの打設レベルにすることができる。
各鋼管杭2の頭部2a内へのコンクリート注入及び基礎スラブ4の打設と締め固め作業が終了した後に、コンクリート注入孔7及び連結プレート6の周囲から高流動コンクリートを注入して基礎3が構築される。この高流動コンクリートは、流動性が高いので連結プレート6の下面に効率よく流動し、連結プレート6の上面レベルまで打設し、締め固め作業によって空気抜き孔8から余剰の空気が抜けるので、連結プレート6の下面には痘痕がほとんど生じないのである。なお、作業の手順からして一般的には、先の基礎スラブ4の構築後の翌日または翌々日に半固化または固化状態において次の基礎3が構築される。つまり、基礎構造が二重のコンクリート打設で構築される構造も本発明に含まれるのである。
さらに、第2の他の例を示した図8(a)(b)を用いて、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して簡略的に説明する。
この例においては、図(a)に示したように、前記第1の実施の形態と同様に、連結プレート6のコンクリート注入孔7から、鋼管杭2の頭部2a内にコンクリートを注入すると共に、連結プレート6の外周空間部からも基礎3および基礎スラブ4を構築するコンクリートを注入または打設する。この時に、連結プレート6の外周部及び下面に所要の空間部17を残して連結プレート6の上面レベルまで注入し打設して締め固めする。形成された所要の空間部17としては、例えば、10〜100mmの範囲内である。この空間部17の形成については、例えば、連結プレート6の外周に所要高さの四角い枠を配設し、その枠の高さを目安にして、目視で確認しながらコンクリートの注入または打設量の加減を行って所要の空間部17を形成する。
そして、基礎3および基礎スラブ4のコンクリートが半固化または固化した後に、コンクリート注入孔7及び連結プレート6の外周から、空間部17内に無収縮モルタル18を充填させる。このように無収縮モルタル18を充填させることによって、連結プレート6の下面には痘痕がほとんど生じないし、コンクリート固化・収縮による沈降もないのである。要するに、水平レベルの基準ともいえるアンカー部材9を取り付けた連結プレート6に歪みや痘痕が生じないように、その周囲を別な方法で取り囲んで基礎構造を構築する技術も、本発明に含まれるのである。
次に、第2の実施の形態について、図9〜図13を用いて説明する。
この第2の実施の形態においては、ポストグラウト方式で、下部ベースプレート12とアンカー部材9とを連結させるものであり、前記第1の形態と異なる部分は、連結プレート6に対するアンカー部材9の取り付け方が異なるのみで、他の構成部分はほとんど同一であるので、その同一部分には同一符号を付してその詳細は省略する。
図9に示したように、免震建造物が構築される地盤1に比較的小径の鋼管杭2が設置されると共に、該鋼管杭2の頭部2aの上方に設計上の正規位置に位置決めした連結プレート6が配設され、該連結プレート6には、コンクリート注入孔7と複数の空気抜き孔8と袋ナット10とが取り付けられている点では同じであるが、複数のアンカー部材9がモルタル充填式継手機能を有するスリーブ19を介して取り付けられている点で異なる。
また、このスリーブ19には、注入口グラウトホース20と排出口グラウトホース21とが連結されていると共に、該スリーブ19内に挿着され実質的にアンカー部材9と連結される鉄筋等の連結部材22が下部ベースプレート12に取り付けられている点でも異なる。
この第2の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様に、図9と図10に示したように、連結プレート6に設けられたアンカー部材9を鋼管杭2の頭部2a内に挿入し、連結プレート6のコンクリート注入孔7から、鋼管杭2の頭部2a内にコンクリートを注入すると共に、連結プレート6の外周空間部からも基礎3および基礎スラブ4を構築するコンクリートを、連結プレート6の上面レベルまで注入または打設し、締め固めを行い、鋼管杭2の頭部2aと基礎3及び基礎スラブ4とが一体化して基礎構造が形成される。なお、袋ナット10は、上方に突出していると共に、注入口グラウトホース20と排出口グラウトホース21とは、コンクリート注入孔7から外部に取り出されている。
さらに、図11に示したように、連結プレート6の上面に設置される下部ベースプレート12の四隅に相当する位置に、前記第1の実施の形態と同様に、ライナープレートを用いて水平レベルの調整を行ってから、連結プレート6の上面にエポキシ樹脂等からなる液状の上面修正材11を少し多めに塗布するのである。この場合に、スリーブ19の上面開口部は栓材で蓋をする。
そして、図12に示したように、スリーブ19内に連結部材22を挿入して下部ベースプレート12が連結プレート6の上面で上面修正材11上に、袋ナット10が取付孔13に嵌まり位置決めされて取り付けられ、注入口グラウトホース20からスリーブ19内にグラウトが注入され、排出口グラウトホース21から排出されるグラウトによってスリーブ19内にグラウト23が充満したことが確認されて注入が終了する。注入されたグラウト23が固化することによって、スリーブ19内で鉄筋等の連結部材22を介して下部ベースプレート12がアンカー部材9と実質的に連結されて強固な連結構造になる。
次に、図13に示したように、レベル調整した上面修正材11が硬化しグラウト23が固化した後に、免震装置14を下部ベースプレート12上に設置し、固定ボルト15を袋ナット10に螺着することにより、設計上の正規位置に安定した状態で水平に取り付けられるのである。
さらに、本発明の第3の実施の形態について、図14〜図18を用いて説明する。
この第3の実施の形態においては、プレグラウト方式で、下部ベースプレート12とアンカー部材9とを連結させるものであり、前記第1の形態と異なる部分は、連結プレート6に対するアンカー部材9の取り付け方が異なるのみで、他の構成部分はほとんど同一であり、また、前記第2の実施の形態と異なる部分は、グラウトの注入が異なるのみですので、その他の同一部分には同一符号を付してその詳細は省略する。
まず、図14に示したように、免震建造物が構築される地盤1に比較的小径の鋼管杭2が設置されると共に、該鋼管杭2の頭部2aの上方に設計上の正規位置に位置決めした連結プレート6が配設され、該連結プレート6には、コンクリート注入孔7と複数の空気抜き孔8と袋ナット10とが取り付けられている点では同じであるが、複数のアンカー部材9がモルタル充填式継手機能を有するスリーブ19を介して取り付けられている点、及び下部ベースプレート12に鉄筋等の連結部材22が設けられている点で第1の実施の形態と異なるが、これらの点(構成)は前記第2の実施の形態と同じである。
この第3の実施の形態においても、前記第1及び第2の実施の形態と同様に、図14と図15に示したように、連結プレート6に設けられたアンカー部材9を鋼管杭2の頭部2a内に挿入し、連結プレート6のコンクリート注入孔7から、鋼管杭2の頭部2a内にコンクリートを注入すると共に、連結プレート6の外周空間部からも基礎3および基礎スラブ4を構築するコンクリートを、連結プレート6の上面レベルまで注入または打設し、締め固めを行い、鋼管杭2の頭部2aと基礎3及び基礎スラブ4とが一体化して基礎構造が形成される。なお、袋ナット10は、上方に突出している。
さらに、図16に示したように、連結プレート6の上面に設置される下部ベースプレート12の四隅に相当する位置に、前記第1の実施の形態と同様に、ライナープレートを用いて水平レベルの調整を行ってから、連結プレート6の上面にエポキシ樹脂等からなる液状の上面修正材11を少し多めに塗布するのである。この場合に、スリーブ19の上面開口部は栓材で蓋をする。
続いて、図17に示したように、スリーブ19内に所要量のグラウト23を充填させてから、連結部材22をスリーブ19内に押し込んで下部ベースプレート12を設置する。この場合に、先に充填されグラウト23の量は、連結部材22が挿入されても、スリーブ内に充満した状態になるように充分に注入および投入して置くものである。そして、グラウト23が固化することによって、スリーブ19内で鉄筋等の連結部材22を介して下部ベースプレート12がアンカー部材9と実質的に連結されて強固な連結構造になる。
次に、図18に示したように、レベル調整した上面修正材11が硬化しグラウト23が固化した後に、免震装置14を下部ベースプレート12上に設置し、固定ボルト15を袋ナット10に螺着することにより、設計上の正規位置に安定した状態で水平に取り付けられるのである。
これら第2及び第3の実施の形態においては、前記第1の実施の形態と基本的に同じであるが、さらに、下部ベースプレート12の連結部材22と連結プレート6のアンカー部材9とが、スリーブ19内においてグラウト23を介して連結された構造となるので、免震装置14からのせん断力と曲げ引張力に対して、下部ベースプレート12と連結プレート6とが共同負担してアンカー部材9に伝達されるから、連結プレート6の負担が大幅に軽減されるので、連結プレート6を薄くして経済設計することができる。
前記第1の実施の形態において、構築された基礎構造物B1上に設計上の正規位置で且つ水平状態に取り付けられた免震装置14の上部には、図19に示したように、上部フランジ14bと上部ベースプレート24を介してフーチング等の上部構造コンクリート25が載置され、該上部構造コンクリート25内に配置されるアンカー部材26のナット27に固定ボルト28を螺着させて適正な状態で取り付けられるのである。なお、上部構造コンクリート25には大梁29や柱30が取り付けられて建造物の上部構造物B2が構築されるのである。
また、前記第2及び第3の実施の形態においても、構築された基礎構造物B1上に設計上の正規位置で且つ水平状態に取り付けられた免震装置14の上部には、図20に示したように、上部フランジ14bと上部ベースプレート24を介してフーチング等の上部構造コンクリート25が載置され、該上部構造コンクリート25内に配置されるアンカー部材26のナット27に固定ボルト28を螺着させて適正な状態で取り付けられるのである。なお、上部構造コンクリート25には大梁29や柱30が取り付けられて建造物の上部構造物B2が構築される点では、前記第1の実施の形態と同じである。
免震装置14を取り付ける固定ボルト15について、通常の場合は、ボルトは純せん断の状況で使用される。ところが、下部ベースプレート12を介在させているので、その厚み分でボルトに曲げモーメントが発生する。そして、免震装置14の既製品は、通常の使用状況に基づいて設計し、固定用のボルトの太さと本数とを決めている。つまり、ボルトがせん断力と曲げモーメントを同時に受けることを想定していないのである。既製品を使用すると、所定の強度が足りなくなり、ボルトの本数追加や太さ変更をしなければならないので、通常の既製品をそのまま使用することができないため、コスト高になるばかりでなく、構造躯体との納まりも悪くなる。
そこで、本発明において袋ナット10を突出使用した効能について、図21と図22とを参照して説明する。図21は袋ナット10を突出使用した場合と、図22の突出使用しない場合において、t:下部ベースプレート12の厚み、Q:せん断力、M:曲げモーメントであって、曲げモーメントM=Q・tの式が成立する。そして、せん断力を受ける断面積Aについて見ると、A=Ab+Anと、A=Abであって、一般的にナットの断面積はボルトの断面積の略1.5倍あるから、図21で示したものは、全体としてせん断力に対して2.5倍の強さになるのである。
なお、図22のナットを突出させないで使用できるものとしては、前記第2と第3の実施の形態のような、下部ベースプレート12の連結部材22をスリーブ19内でグラウト23により固定した構成であれば、連結部材22の断面積(α)がプラスされるので、結果的に、せん断力を受ける面積がA=Ab+αとなってアップするのであり、既製品であっても使用可能である。
なお、本発明は以上に示している実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が自在に行えるのである。
本発明に係る免震装置の取付方法については、基本的に下部ベースプレートを取り付ける前に上面修正材を所要厚さに塗布することによって、免震装置が取り付けられる位置の傾きや打設したコンクリートの痘痕状態を修復した後に、下部ベースプレートを間接的または直接的にアンカー部材と連結させて強固に固定することができるため、該下部ベースプレートに取り付けられた免震装置は設計上の正しい位置に適正な状態で取り付けることができるのであり、鋼管杭頭部或いは現場打ちのコンクリート杭頭部や基礎コンクリート上にも広く利用することができるのである。
1 地盤
2 鋼管杭
2a 頭部
3 基礎
4 基礎スラブ
5 仕切板
6 連結プレート
7 注入孔
8 空気抜き孔
9 アンカー部材
9a 長ナット
10 袋ナット
11 上面修正材
12 下部ベースプレート
13 挿通孔
14 免震装置
14a 下部フランジ
14b 上部フランジ
15 固定ボルト
16 座金
17 空間部
18 無収縮モルタル
19 スリーブ
20 注入口グラウトホース
21 排出口グラウトホース
22 鉄筋等の連結部材
23 グラウト
24 上部ベースプレート
25 上部構造コンクリート
26 アンカー部材
27 ナット
28 固定ボルト
29 大梁
30 柱
B1 基礎構造物
B2 上部構造物

Claims (6)

  1. 板材からなる連結プレートにアンカー部材と免震装置取付用の袋ナットが取り付けられ、該アンカー部材を杭頭部および基礎の上面に挿入し設計上の正規位置に位置決めして前記連結プレートを設置し、
    該連結プレートの中央部から杭頭部内および基礎内にコンクリートを注入して連結プレートの上面レベルまで打設して前記アンカー部材を固定し、
    前記連結プレートおよび打設したコンクリート上面における水平レベルの調整を行うと共に上面修正材を塗布してコンクリート上面の荒れを埋めて下部ベースプレートを設置し、
    前記上面修正材が硬化した後に免震装置を設置し前記袋ナットに固定用ボルトを螺着して固定すること
    を特徴とする免震装置の取付方法。
  2. 板材からなる連結プレートにモルタル充填式継手のスリーブを介して連結されたアンカー部材と免震装置取付用の袋ナットが取り付けられ、該アンカー部材を杭頭部および基礎の上面に挿入し設計上の正規位置に位置決めして前記連結プレートを設置し、
    該連結プレートの中央部から杭頭部内および基礎内にコンクリートを注入して連結プレートの上面レベルまで打設して前記アンカー部材を固定し、
    前記連結プレートおよび打設したコンクリート上面における水平レベルの調整を行うと共に上面修正材を塗布してコンクリート上面の荒れを埋めて、下部ベースプレートに固定された連結部材を前記スリーブに挿入しスリーブ内にグラウト材を充填し、
    前記上面修正材とグラウト材が硬化した後に免震装置を設置し前記袋ナットに固定用ボルトを螺着して固定すること
    を特徴とする免震装置の取付方法。
  3. 前記上面修正材が液状の樹脂剤であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の免震装置の取付方法。
  4. 建造物の上部構造物と基礎構造物との間に設置される免震装置の取付構造において、
    前記基礎構造物である杭頭部および基礎のコンクリートに固定されたアンカー部材と下部ベースプレートとの連結に寄与する袋ナットとを取り付けた連結プレートと、免震装置を固定する下部ベースプレートとの間に、塗布して硬化した上面修正材を介在させ、
    前記袋ナットに固定ボルトを螺着して前記免震装置と下部ベースプレートとを連結プレートを介して基礎構造物に取り付けたこと
    を特徴とする免震装置の取付構造。
  5. 建造物の上部構造物と基礎構造物との間に設置される免震装置の取付構造において、
    前記基礎構造物である杭頭部および基礎のコンクリートにモルタル充填式継手のスリーブを介して固定されたアンカー部材と下部ベースプレートとの連結に寄与する袋ナットとを取り付けた連結プレートと、免震装置を固定する下部ベースプレートとの間に、塗布して硬化した上面修正材を介在させ、且つ前記スリーブに前記下部ベースプレートの連結部材を挿着固定して前記アンカー部材と連結させ、
    前記袋ナットに固定ボルトを螺着して前記免震装置を下部ベースプレートと連結プレートとを介して基礎構造物に取り付けたこと
    を特徴とする免震装置の取付構造。
  6. 前記上面修正材が液状の樹脂剤であること
    を特徴とする請求項4または5に記載の免震装置の取付構造。
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