JP5164470B2 - パック電池 - Google Patents
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Description
角形電池は、扁平な四角形状の外装缶やラミネートシートに、扁平な電極体が収納されてなり、現在開発されているものは厚みが相当薄く設定されている。
これらの角形電池は、保護回路が組み込まれたパック電池の形態で機器に装着されることが多く、特許文献1,2に開示されているパック電池では、保護回路を備えた回路基板が、素電池の一辺に配置され、当該回路基板の外側に外部端子が設けられている。そして素電池の端子から回路基板にまたがって、電力を送るためのリード板が配設されている。
このようなパック電池を組み立てる時には、このリード板を、素電池の外周に沿って装着するとともに、その一端を素電池の端子にスポット溶接し、他端を回路基板の端子にスポット溶接する。
ところで、特許文献3に開示されているパック電池のように、複数の角形素電池を配列し並列接続することで、薄型で高容量なパック電池も実現されている。
例えば、図3に示すように、正極端子24a,24b同士を突き合わせた状態で素電池20a,20bを配列して、ホルダを装着して回路基板70を保持することによって、パック電池の形状を縦長にすることができる。
本発明は、上記課題を鑑み、薄型、高容量であって、且つ作製時にリード板の装着や接続が容易な電池パックを提供することを目的とする。
そして、この配線の中、上記対向する同一極性の端子と回路基板とを結ぶ配線部分を、一端が上記同一極性の端子に接続された第1リード板の他端と、一端が回路基板に接続された第2リード板の他端とを、基板ホルダ表面上で接続して構成し、さらに、基板ホルダに、第1リード板の他端及び第2リード板の他端の接続部分を挟持する挟持部を形成した。
また、回路基板が、素電池群の外周の中で、素電池配列方向に伸張する辺に沿って装着される場合、第1リード板は、対向する同一極性の端子に接続される部分を、素電池群の外周の中で、回路基板が装着される辺と対向する辺から、同一極性端子同士の間に挿入することが好ましい。
そして、配線の中、対向する同一極性の端子と回路基板とを結ぶ配線部分を、一端が同一極性の端子に接続された第1リード板の他端と、一端が回路基板に接続された第2リード板の他端とを、基板ホルダ表面上で接続することで構成としたので、1本のリード板で構成する場合と比べて、パック電池組立時にリード板を電池群に装着したり溶接したりする工程の自由度が大きい。
ここで、第1リード板の折れ曲がり数と第2リード板の折れ曲がり数の合計が、1本のリード板で構成する場合の折れ曲がり数と同じなので、各第1リード板,第2リード板の折れ曲がり数は少なくなる。従って、第1リード板,第2リード板を電池群に容易に装着することができる。
接続部分において、第1リード板の他端及び第2リード板の他端の少なくとも一方を折り返し、当該折り返し部分を他方のリード板の他端に接合すると、第1リード板及び第2リード板を装着した状態で、接続部分に曲げ対する自由度がある程度残るので、接続部分を曲げ整形することもできる。
従って、接合部分が浮き上がることを防止することができ、接続部分が基板ホルダの表面上に保持される。
このパック電池は、パック電池本体1が電池ケース3に収納され、その上面にラベル2が貼り付けられて構成されている。
(パック電池本体1の構成)
図2は、パック電池本体1の構成を示す分解斜視図である。
パック電池本体1は、平たい直方体形状である薄型の素電池20a,20bからなる素電池群20、ホルダ30、素電池群20の正極端子から外部に接続する第1リード板40及び第2リード板50、各素電池20a,20bの負極端子25a,25bから外部端子に接続する負極リード板60、回路基板70などで構成されている。
電池ケース3は、中に素電池群20を含むパック電池本体1を収納するスペースを有し、電池本体1の外周を取り囲む長方形の枠体部分3aと、電池本体1を載せる底面部3bとからなり、全体がPC(ポリカーボネート)などの絶縁性材料であるプラスチックで成形されている。
ホルダ30は、絶縁性材料であるプラスチックで成形されたものであって、素電池群20の外周の3辺を取り巻くように、縦辺21に沿って縦方向に伸張する縦延伸部31と、縦延伸部31の両端から折れ曲がって横辺23a,横辺23bに沿って横方向に伸張する横延伸部32,横延伸部33とから構成されている。
回路基板70には、素電池群20の過充電や過放電を防止する保護回路が実装されている。また、その外表面に、外部端子71,72が設けられている。この外部端子71,72は、電池ケース3に設けられた電極窓3c,3dから外部に表出される。
素電池群20の外周に沿って、素電池群20から回路基板70に送電する配線リード(正極リード及び負極リード)が設けられている。
正極リードである第1リード板40及び第2リード板50は、2個の素電池20a,20bに共通のリードであって、対向する正極端子24a,24bから、回路基板70まで延伸されている。また、負極リード板60は、凸形状である各負極端子25a,25bに接続されたPTC等である保護素子62,63から、回路基板70まで延伸されている。負極リード板60及び第2リード板50は、ホルダ30の外側に装着されている。これら配線リードについては後で詳述する。
このように配置される絶縁テープ82は、第1リード板40を素電池群20に固定し、また、素電池20aと、素電池20bとを固定している。更には、この絶縁テープ82は、第1リード板40を素電池群20に固定しているので、パック電池本体1を、電池ケース3に挿入して収納するとき、第1リード板40が電池ケース3に引っかかることを防止している。つまり、絶縁テープ82の貼り付けは、加工性と品質の向上を導くパック構造としている。
図3は、素電池群20の外周に沿って配線リードなどが設けられている状態を示す図である。
正極リードは、第1リード板40と第2リード板50とが端部同士接続されて構成されている。
負極リード板60は、直線状の金属板であって、ホルダ30の縦延伸部31に沿って伸張しており、その中央部分に接続タブ61が形成されている。この接続タブ61は、回路基板70の背面側で外部端子72と接続されている。
各リード板40,50,60と端子との接合並びにリード板同士の接合は、抵抗スポット溶接,レーザー溶接,半田付けなどでなされている。
(パック電池本体1の製造方法)
本実施形態のパック電池本体1を組み立てる際には、素電池群20に対して、ホルダ30,第1リード板40,第2リード板50,負極リード板60,回路基板70などを装着しておいて、第1リード板40の端部とリード板50の端部とを接合する。
まず、図6(a)に示すように、素電池20a,素電池20bを仮に配置して、正極端子である缶底部に、第1リード板40の挿入接続部42を溶接(スポット溶接)する。その後、図6(b)に示すように、素電池20a,素電池20bの缶底部が対向するように、第1リード板40を180度折り曲げる。その後、第1リード板40に90度ずつ折り曲げ加工することにより、縦長部41,接合部43を形成する。
一方、絶縁板81を介して、第2リード板50と、負極リード板60及び保護素子62とを重ね合せると共に、負極リード板60の接続タブ61と回路基板70(外部端子72の裏側)との溶接、負極リード板60の端部と保護素子62,63との溶接、第2リード板50の接合部53と回路基板70(外部端子71の裏)との溶接を行う。そして、これらをホルダ30に装着する。
そして、挿入接続部42と正極端子24a,24bとの溶接、保護素子62と負極端子25aとの溶接、保護素子63と負極端子25bとの溶接を行う。
(第1リード板40と第2リード板50との接合)
図4は、第1リード板40と第2リード板50との溶接部分を示す図で、(a)は平面図、(b)は、X−X線断面図(b)である。
そして、第1リード板40の接合部43が、第2リード板50の接合部54と重なり合っている。この重なり合っている接合部43と接合部54とを溶接する。
従って、第1リード板40及び第2リード板50装着した状態で、溶接部分を曲げ整形することができる。すなわち、横長部52が横延伸部32の外表面上でたるまず、縦長部41が縦辺22aの外表面上でたるまないように、且つ第1リード板40と第2リード板50を装着した状態で、図5に示すように接合部43及び接合部54を起こして、接合部43と接合部54とをスポット溶接することもできる。また、スポット溶接した後に、接合部43及び接合部54を、横延伸部32上に押し込んで、横延伸部32の外表面上に沿った形に整形することができる。
(リブ35及びリブ36)
上記のように、ホルダ30の横延伸部32において、接合部43及び接合部54をサイドから挟む位置にリブ35及びリブ36が形成されている。そして、リブ35の内壁には突起35a、リブ36の内壁には突起36aが対向して形成されている。そして、突起35aと突起36aとの間隙は、接合部43及び接合部54の幅より若干狭く設定されている。
溶接時などに第1リード板40の折曲部分40a及び第2リード板50の折り返し部分50aにひずみが形成されると、接合後に接合部43及び接合部54が跳ね上がろうとする力が働くこともあるが、上記のように接合部43及び接合部54が突起35a,36aで締め付けられていると、図4(b)のように、接合部43及び接合部54は、跳ね上がりが抑えられて、横延伸部32の表面上に保持される。
(負極配線リードに第1リード板40と第2リード板50を用いることによる効果)
第1リード板40と第2リード板50を用いているので、1つの正極リード板を用いる場合と比べて、第1リード板40と第2リード板50とを溶接する工程が必要となるので、この分だけ工程数が多くなるが、以下のように、リード板の装着工程および溶接工程に自由度が多くなるので、製造工程が容易になる。
また、第1リード板40と第2リード板50とを別々に装着することはできないので、挿入接続部42が挿入されるときに、端子25aが第2リード板50で覆われる。また、第1リード板40を装着する工程と、第2リード板50を装着する工程との間に、溶接工程などを行うことはできない。
3 電池ケース
20 素電池群
20a,20b 素電池
21,22 素電池群の縦辺
21a,21b 素電池の縦辺
23a,23b 素電池の横辺
24a,24b 正極端子
25a,25b 負極端子
30 ホルダ
31 縦延伸部
32,33 横延伸部
35,36 リブ
35a,36a 突起
40 第1リード板
40a,40b 折曲部分
42 挿入接続部
43 接合部
50 第2リード板
50a 折り返し部分
50b 折曲部分
53,54 接合部
60 負極リード板
61 接続タブ
62,63 保護素子
70 回路基板
71,72 外部端子
Claims (3)
- 2個の角型の素電池が、同一極性同士を対向させて配列された素電池群と、前記素電池群の外周に沿って配された基板ホルダと、当該基板ホルダで保持された回路基板とを備え、前記素電池群から前記回路基板に送電する配線が前記素電池群の外周に沿って設けられた電池パックであって、
前記配線の中、前記対向する同一極性の端子と前記回路基板とを結ぶ配線部分は、
一端が前記同一極性の端子に接続された第1リード板の他端と、一端が前記回路基板に接続された第2リード板の他端とが、前記基板ホルダ表面上で接続されて構成され、
前記基板ホルダには、前記第1リード板の他端及び第2リード板の他端の接続部分を挟持する挟持部が形成されていることを特徴とするパック電池。 - 前記接続部分において、
前記第1リード板の他端及び前記第2リード板の少なくとも一方が折り返され、
当該折り返し部分が他方のリード板の他端と接合されていることを特徴とする請求項1記載のパック電池。 - 前記回路基板は、前記素電池群の外周の中で、素電池配列方向に伸張する辺に沿って装着され、
前記第1リード板は、前記対向する同一極性の端子に接続される部分が、
前記素電池群の外周の中で、前記回路基板が装着される辺と対向する辺から、前記同一極性端子同士の間に挿入されていることを特徴とする請求項1または2記載のパック電池。
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