JP5164161B2 - インビトロ免疫法 - Google Patents
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Description
一方、インビトロ免疫法は、免疫細胞(リンパ球)を体外で抗原に感作させて抗原特異的抗体を分泌するB細胞を誘導した後、細胞融合によりハイブリドーマを作製し、抗原特異的モノクローナル抗体を産生する手法であり、インビボ免疫法に比べ必要な抗原量が少なく、免疫刺激期間が短いという利点と共に、個体にとって有害な抗原でも抗体作製が可能であるという大きな利点がある。そのため、ヒトリンパ球に適用すればキメラ抗体、ヒト化抗体などの煩雑な工程を経ることなくヒト抗体を得ることができる。ヒト末梢血リンパ球に対しても、抗原感作をL−ロイシル−L−ロイシンメチルエステル(LLME)の存在下で行うことで抗原特異的な抗体誘導が可能である(非特許文献1)。また、ムラミルジペプチド(MDP)、インターロイキン2又はインターロイキン4存在下で誘導効率を高める手法(非特許文献2)も開発され、特にヒトモノクローナル抗体産生については大きな期待が寄せられている。
したがって、インビトロ免疫法において、確実にIgG含量の高い抗原特異的抗体を高効率で産生できる技術の開発が強く望まれていた。
すなわち、本発明は、細胞の調整、培養方法および最適な免疫系刺激因子に関する基本プロトコールに係るものであり、具体的には、体外に取り出した免疫細胞を抗原感作してサイトカイン存在下で培養後、得られた抗原特異的抗体産生細胞を取得し、再度同一抗原による感作工程、及びサイトカイン存在下での培養工程を繰り返すことで、目的抗原を認識するB細胞がさらに特異的に活性化されるばかりか、特にIgGクラスの抗原特異的抗体の産生が強く誘導されることを見出した。当該抗原特異的抗体産生細胞を片親としたハイブリドーマからIgGクラスの抗原特異的モノクローナル抗体をインビトロで効率的に生産させる方法に関する本発明を完成させた。
また、免疫系の有効な活性化法について、さらに鋭意研究を重ねた結果、T細胞エピトープペプチドに着目した。
T細胞エピトープとして、従来から特定の抗原に対する特異的エピトープは、該抗原に対するT細胞の応答を誘起及び/又は増強するためには用いられていた。例えば、腫瘍に対するCTLエピトープについての報告がある(非特許文献3)が、いずれも特定抗原特異的なT細胞エピトープペプチドを当該抗原に対し、生体内で当該特異的ヘルパーT細胞及び/又はCTLが誘起されるものである。
しかし、T細胞エピトープペプチドに対して、抗体産生細胞を活性化能が期待されているとしても、それはあくまで抗原上のT細胞エピトープを認識するヘルパーT細胞を介しての活性化であって、抗原とは無縁なT細胞エピトープを添加することによる抗体産生細胞活性化ではない。すなわち、T細胞エピトープペプチドについては、それぞれが由来する抗原に基づき、本来の抗原に対して特異的な抗体産生細胞の活性化能が知られていたにとどまる。
本発明者らは、このような知見に基づき、各種T細胞エピトープが三次元的に形成する共通の立体構造そのものが、抗体産生細胞に対する活性化を引き起こしていることに思い至り、各種T細胞エピトープを認識するMHC−IIの側のエピトープ認識部位の立体構造を元に抗体産生細胞活性化ペプチドをデザインしようと着想した。すなわち、X線結晶構造が知られているMHC−IIのポケットを構成する各アミノ酸と、ポケット内に収まるT細胞エピトープ様ペプチドを構成する各アミノ酸同士の結合エネルギーを計算し、最適なエピトープ様ペプチドの設計を進めたところ、これらのペプチド類が公知T細胞エピトープペプチドと同等もしくはそれ以上に、抗体産生細胞に対する活性化能を有していることを確認した。すなわち、これら、新規なアミノ酸配列からなるT細胞エピトープ様ペプチドも含めたT細胞エピトープペプチド又はそれをコードするDNAを標的抗原特異的な抗体産生細胞活性化剤として用いる、当該標的抗原特異的抗体産生細胞の活性化方法、及び当該抗体産生細胞に由来する標的抗原特異的モノクローナル抗体(IgG)の製造方法に係る発明も完成させるに至り、本発明と同日付で別出願した。また、新規なアミノ酸配列からなるT細胞エピトープ様ペプチドについて、さらに同日付で別出願をしている。
そして、本発明者らは、本発明のインビトロ免疫方法において、サイトカインを含む培養液中に、本発明者らが同時に開発した前記T細胞エピトープペプチド類を添加することで、さらに抗原特異的IgG抗体の誘導が活性化されることも見出し、当該ペプチド類を併用することについての本発明も完成させた。
〔1〕 免疫細胞に対して、インビトロで標的となる抗原を感作する抗原感作工程、及びサイトカインを含む培養液で抗体産生細胞を培養する培養工程を設ける第1免疫工程を施した後、得られた標的抗原特異的抗体産生細胞に対して、インビトロでの同一抗原による抗原感作工程、及びサイトカインを含む培養液中での培養工程を設ける第2免疫工程を施すことを特徴とする、2段階インビトロ免疫方法。
〔2〕 前記免疫細胞は、第1免疫工程に先立ち、あらかじめT細胞除去工程が設けられたものである、前記〔1〕に記載の2段階インビトロ免疫法。
〔3〕 前記T細胞除去工程がCD8特異的抗体及びCD49特異的抗体を用いるものである、前記〔2〕に記載の2段階インビトロ免疫法。
〔4〕 前記第1免疫工程又は第2免疫工程のいずれかの工程における抗原感作工程もしくは培養工程の少なくとも1つの工程において、用いる培養液中にT細胞エピトープペプチドがさらに含まれることを特徴とする、前記〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の2段階インビトロ免疫法。
〔5〕 前記T細胞エピトープペプチドが、下記式(I)〜(VII)のいずれかで表されるペプチドである前記〔4〕に記載の2段階インビトロ免疫法;
式(I):
QYIKANSKFIGITEL
式(II):
VTYDNESLLSAHKVE
式(III):
RGIFFX1X2X3X4X5X6KEI(式中、X1はY又はQ,X2はV又はT、X3はF,H又はK、X4はA又はG、X5はA又はG、X6はY又はHである。)。
式(IV):
FQDAYNAX7X8X9X10X11AVF
(式中、X7はA又はV,X8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである。)。
式(V):
RGIYNAVX8X9X10X11AVF
(式中、X8からX11は式(IV)と同じ,すなわちX8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである。)。
式(VI):
RGIYNAVX8X9X10X11AEI
(式中、X8からX11は式(IV)と同じ,すなわちX8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである。)。
式(VII):
NNYX12X13VX14AAX15X16NN
(式中、X12がN又はGであり,X13がN又はGであり、X14がN又はGであり、X15がN又はGであり、X16がA又はKである。)。
〔6〕 前記T細胞エピトープペプチドが、
前記式(I)において、N末側の「QYI」及びC末側の「TEL」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(II)において、N末側の「V」及びC末側の「AHKVE」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(III)において、N末側の「RGI」及びC末側の「EI」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(IV)において、N末側の「FQDA」及びC末側の「VF」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(V)において、N末側の「RGI」及びC末側の「VF」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(VI)において、N末側の「RGI」及びC末側の「EI」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(VII)において、N末側の「NN」及びC末側の「NN」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
のいずれかである、前記〔5〕に記載のインビトロ免疫法。
〔7〕 前記〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の2段階インビトロ免疫法で得られた抗原特異的抗体産生細胞をミエローマ細胞と融合する工程を含む、抗原特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの製造方法。
〔8〕 前記〔7〕に記載のハイブリドーマを用いることを特徴とする、標的となる抗原特異的なモノクローナル抗体の製造方法。
この第2免疫工程以降の免疫工程で用いられる感作工程及び培養工程での具体的な手順、培地条件、培養条件などは、第1免疫工程の際に用いられた抗原感作工程及び培養工程において用いることのできる手順、条件が全て適用できる。全ての免疫工程での手順や条件は全て同一であっても、別異のものであってもよい。また、高濃度で抗原特異的抗体を産生している抗体産生細胞コロニーを検出するためには、培養上清を利用して、抗原特異性抗体を検出すればよい。
次いで、得られた抗原特異的抗体産生細胞を、常法により、ミエローマ細胞などと細胞融合させることで、抗原特異的IgGモノクローナル抗体を高産生するハイブリドーマを取得することができる。
本発明において「免疫細胞」とは、リンパ球を指し、抗体産生細胞となりB細胞を含むものであれば、どの組織由来のものであってもよく、例えば末梢血、手術の際に得られるリンパ節もしくは脾臓から得られるものを用いることができる。由来の生物種はどの哺乳動物由来であってもよいが、治療用に用いる抗原特異的モノクローナル抗体を得るためには、同じ生物種由来、例えばヒト用であればヒト由来リンパ球が好ましい。
本発明において、インビトロでの抗原感作に先立ち、あらかじめT細胞除去工程を設けることが好ましいが、設けることなく抗原感作工程に付してもよい。
本発明におけるT細胞除去工程において、好ましくはCD8陽性T細胞(ヘルパーT細胞)及び/又はNK細胞を除去するが、その際には、CD8特異的抗体、例えばCD8aやCD49特異的抗体、例えばCD49bを用いて除去する。ヒト末梢血に対してL−ロイシルロイシンメチルエステル(LLME)存在下で免疫感作する場合には、LLME作用を抑制するCD11c陽性細胞を、抗CD11c抗体を用いて除いておくことが好ましい。CD8特異的抗体、CD49特異的抗体等を用いたT細胞除去方法としては、沈降法、セルソーティング法を用いてもよいが、CD8特異的抗体、CD49特異的抗体等のそれぞれを付着させた磁気ビーズを用いてLDカラムにより磁気分離することが好ましい。(CD8a(Ly−2)マイクロビーズ(マウス)による細胞分離、CD49b(DX5)マイクロビーズ(マウス)による細胞分離−ミルテニーバイオテク株式会社)
その際の感作方法としては、まずT細胞を除去した(又は除去していない)免疫細胞を培養液中に懸濁し、マルチウェルプレートに分注し、標的となる抗原と共に免疫刺激物質を加えてインキュベートする。活性化された抗原特異的抗体を培養上清に産生しているウェルを選択して、IL−2,IL−4等のサイトカイン類またはさらにムラミルジペプチド等を存在させた培養液中での培養工程において抗原特異的免疫細胞を増殖させる。第2免疫工程においても、同様に、抗原感作工程と培養工程とを分ける方が好ましいが、複数回の免疫工程のうち、いずれかの免疫工程中では、通常の感作手法である、IL−2,IL−4等のサイトカインやムラミルジペプチド存在下で抗原感作すると同時に増殖させる手法(特許文献1,2など)を適用してもよい。
本発明で用いられる、インビトロでの感作可能な抗原としては、任意のものが標的の対象となるが、例えば、自己抗原、酵素、難溶性抗原、細胞、毒素、細菌、ウイルスなどがあげられる。ヒト用抗体作製の際はもちろんであるが、マウスなど実験動物に対しても毒性の高い毒素等に適用する場合が、よりインビトロ免疫としての効果を発揮できる。なお、低分子化学物質など分子量の小さいハプテンの場合は、適宜キャリアータンパク質と結合して用いる。
抗原と同時に添加する免疫刺激物質としては、周知のものが適宜用いられ、例えばCpGモチーフを含むDNA(ODN)とムラミルジペプチド(MDP)等アジュバントを用いることができる。典型的には市販のODN1826(Invivogen社)、MDP(Sigma社)、又は組み合わせて用いる。
本発明において免疫細胞を培養する際の培地としては、通常の細胞培養用培地、例えばRPMI培地、DMEM培地、ハム−F12培地、RDF培地、ERDF培地、又はこれらの混合培地を用いることができる。RPMI培地が特に好ましい。35〜38℃好ましくは37℃の温度条件下で培養するが、その際に1%〜10%、好ましくは約5%のCO2環境下でインキュベートすることが好ましい。培地中の免疫細胞の細胞密度は、3×106〜5×106 cells/ml範囲内に、好ましくは5×106 cells/mlで用いる。当該培地は、免疫細胞を採取後懸濁液とする際の懸濁液としても、また当該懸濁液から遠心分離により免疫細胞を濃縮分離する際の洗浄液としても用いることができ、抗原特異的細胞の培養液としても用いることができる。
本発明では、抗原特異的抗体産生細胞を培養する工程で、培地にサイトカインを添加するが、その際のサイトカインとしては、リンパ系細胞の増殖活性が周知のIL−2、IL−4、IL−6、IL−10、IL−21等のサイトカインが適宜用いられるが、特にIL−2、IL−4、IL−21などのインターロイキン類が好ましく用いられる。具体的な配合割合としては、例えば、IL−2:1〜20ng/ml、IL−4:1〜20ng/ml、好ましくは、IL−2:5〜15ng/ml、IL−4:2〜5ng/ml、IL−10:5〜15ng/mlを用いることができる。最適な数値としては、例えばIL−2:10ng/ml、IL−4:2.5ng/ml、IL−10:10ng/mlがあげられる。
本発明において「T細胞エピトープペプチド」というときは、標的となる抗原とは異なるタンパク質由来のT細胞エピトープペプチド又はMHC−IIの側のエピトープ認識部位の立体構造を元にデザインしたT細胞エピトープ様ペプチドである(両者をあわせて単に、「T細胞エピトープ」ともいう。)。典型的には、従来から公知の各種タンパク質に特異的なT細胞エピトープ、例えば前記タンパク質に対するCTLエピトープ又は前記タンパク質に対するT−ヘルパー細胞エピトープを含む12〜16残基、好ましくは14〜15残基のアミノ酸からなるペプチドであり、標的とする抗原とは無縁なT細胞エピトープ、すなわち「標的抗原に含まれるT細胞エピトープ以外のT細胞エピトープペプチド」又は「標的抗原に由来しないT細胞エピトープペプチド」である。
式(I):
QYIKANSKFIGITEL
式(II):
VTYDNESLLSAHKVE
式(III):
RGIFFX1X2X3X4X5X6KEI
(なお、式中、X1,X2、X3,X4、X5及びX6は、同一もしくは異なる任意のアミノ酸残基であってもよいが、X1がY又はQであり,X2がV又はT、X3がF,H又はKであり、X4がA又はGであり、X5がA又はGであり、X6がY又はHである場合が特に好ましい。)
式(IV):
FQDAYNAX7X8X9X10X11AVF
(なお、式中、X7,X8、X9,X10及びX11は、同一もしくは異なる任意のアミノ酸残基であってもよいが、X7はA又はV,X8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである場合が特に好ましい。)。
式(V):
RGIYNAVX8X9X10X11AVF
(なお、式中、X8、X9,X10及びX11は、同一もしくは異なる任意のアミノ酸残基であってもよいが、X8からX11は式(IV)と同じ,すなわちX8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである場合が特に好ましい。)。
式(VI):
RGIYNAVX8X9X10X11AEI
(なお、式中、X8、X9,X10及びX11は、同一もしくは異なる任意のアミノ酸残基であってもよいが、X8からX11は式(IV)と同じ,すなわちX8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである場合が特に好ましい。)。
式(VII):
NNYX12X13VX14AAX15X16NN
(なお、式中、X12、X13、X14、X15及びX16は、同一もしくは異なる任意のアミノ酸残基であってもよいが、X12がN又はGであり,X13がN又はGであり、X14がN又はGであり、X15がN又はGであり、X16がA又はKである場合が特に好ましい。)。
このようなT細胞エピトープ様ペプチドは、具体的には、以下の方法(1)〜(3)により設計される。
(2)当該配列及び他の公知の実験的に抗体産生能を誘導する能力にある配列情報からの補正を加えて、さらに配列を絞り込み、より高い結合能が推定されたペプチドを合成し、その抗体産生誘導能を測定する。実際に、オリジナルのT細胞エピトープペプチドよりも抗体産生細胞活性化能が優れている場合が多い。
(3)高い結合能が推定されるペプチドのアミノ酸配列において、N末端側のRGI及びC末端側のEIは、T細胞エピトープとしてMHC-IIが認識する位置のアミノ酸ではないことから、これら各アミノ酸残基のうち、1つ以上すべてのアミノ酸残基、好ましくは1又は2個の範囲で他の任意のアミノ酸残基と置換されても、その抗体産生細胞活性化機能は保持されている。
T細胞エピトープの提示を行なうMHC-IIとして、抗体作製が効率的に行なわれるBalb/cマウスのMHC-IIであるI-Adを用い、また公知T細胞エピトープのうちで、このI-Adとの複合体の結晶構造がすでにX線解析されている、Ovalbuminの「ペプチド323-339」を選択した。結合状態のMHC-IIとT細胞エピトープとの複合体を単離精製し、結晶化後X線解析を行い、結合エネルギーを計算し、以下の工程に従って、高い結合能が推定されるアミノ酸配列を設計すればよい。
以下、上記(1)の計算方法について、具体的に説明する。
(a) MHC-IIと、T細胞エピトープとの複合体を単離精製し、結晶化して結晶構造をX線解析し、結合エネルギーを計算する。ここでは、すでに複合体の結晶構造が解析されている、マウスのMHC-IIのI-Adと、Ovalbumin由来「ペプチド323-339」の数値を利用し(PDB,1IAO、MHC classII+ OVApeptideの立体構造(1IAO) C. A. Scott et al Immunity, Vol. 8, 319-329, 1998)、当該数値を用いた場合を典型例として説明する。
解離定数KiとLudiスコアの相関式は、Ludiスコア = 100logKiとなっており、Ludiスコアが結合の強さを表している。結合の自由エネルギーを計算することにより、Ludiスコアが求められる。結合の自由エネルギー:ΔGは次式で表される。Ludiスコアが大きくなるアミノ酸残基を探索していくことにより、結合性の高いアミノ酸配列を求めていく。
式(III):
RGIFFX1X2X3X4X5X6KEI
(式中、X1がY又はQであり,X2がV又はT、X3がF,H又はKであり、X4がA又はGであり、X5がA又はGであり、X6がY又はHである。)
すなわち、式(III)作製と同様の手順で、結核菌タンパク質中の配列由来の公知T細胞エピトープペプチド「FQDAYNAAGGHNAVF」をもとに、式(IV)のペプチドを作製した。
下記式(IV)で示されるペプチド、又は式(IV)において、N末側の「FQDA」及びC末側の「VF」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチドであって、かつ抗体産生細胞活性化能を有するペプチド;
式(IV):
FQDAYNAX7X8X9X10X11AVF
(式中、X7はA又はV,X8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである。)。
表2のR12が正電荷を持った「K」である点は、きわめて特徴的である。一方、R4、R5及びR8は「F」である点は、単にアミノ酸の大きさによる空間充填効果が反映された事も考えられるため、この部分には、小さいアミノ酸の方が抗体活性化能が高い場合傾向にあるという従来の実験的知見より、R4にはYを、R5にはN又はGを、R8にはA,N,G又はHを当てはめる事が考えられる。またR6、R11およびR12にも同様な理由で、R6にAを、R11にN又はHを、R12にAを当てはめる事が考えられる。
下記式(V)で示されるペプチド、又は式(V)において、N末側の「RGI」及びC末側の「VF」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチドであって、かつ抗体産生細胞活性化能を有するペプチド;
式(V):
RGIYNAVX8X9X10X11AVF
(式中、X8からX11は式(IV)と同じ,すなわちX8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである。)。
下記式(VI)で示されるペプチド、又は式(VI)において、N末側の「RGI」及びC末側の「EI」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチドであって、かつ抗体産生細胞活性化能を有するペプチド;
式(VI):
RGIYNAVX8X9X10X11AEI
(式中、X8からX11は式(IV)と同じ,すなわちX8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである。)。
下記式(VII)で示されるペプチド、又は式(VII)において、N末側の「NN」及びC末側の「NN」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチドであって、かつ抗体産生細胞活性化能を有するペプチド;
式(VII):
NNYX12X13VX14AAX15X16NN
(式中、X12がN又はGであり,X13がN又はGであり、X14がN又はGであり、X15がN又はGであり、X16がA又はKである。)。
前記式(I)において、N末側の「QYI」及びC末側の「TEL」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、
前記式(II)において、N末側の「V」及びC末側の「AHKVE」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、
前記式(III)において、N末側の「RGI」及びC末側の「EI」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、
前記式(IV)において、N末側の「FQDA」及びC末側の「VF」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、
前記式(V)において、N末側の「RGI」及びC末側の「VF」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、
前記式(VI)において、N末側の「RGI」及びC末側の「EI」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、
前記式(VII)において、N末側の「NN」及びC末側の「NN」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列。
本発明において、標的抗原特異的抗体産生細胞の活性化のためにT細胞エピトープペプチドを用いる場合は、1種類のペプチドでもよいが2種以上のペプチドを適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明において、上記T細胞エピトープペプチドを、前記第1免疫工程又は第2免疫工程のいずれかの工程における抗原感作工程もしくは培養工程の少なくとも1つの工程において、培養液中にさらに含ませることで、抗原特異的抗体産生細胞がさらに特異的に活性化され増殖する。通常は、第1免疫工程又は第2免疫工程中の抗原感作工程語の培養工程において、サイトカインと共に培養液中に添加する。T細胞エピトープペプチドの添加量としては、1〜10μg/ml、好ましくは2〜3μg/ml添加する。その際に、T細胞エピトープペプチドをコードするDNAを含む組換えDNAを用いて免疫細胞に、当該DNAを導入してもよい。
本発明において、活性化された抗体産生細胞は、ウェル中の培養上清に抗原特異性抗体が存在するものを検出すればよい。
常法により、抗原特異的IgGモノクローナル抗体を高産生するハイブリドーマを取得することができるが、本発明の実施態様では、以下の方法を用いた。
すなわち、HAT培地でハイブリドーマを選別し、さらに限界希釈法により得たハイブリドーマの各クローンの培養上澄みを、上記抗原を使用した酵素免疫測定法(ELISA)により測定し、KLH特異的IgG抗体の産生を測定して、高い値を示したウェル中のハイブリドーマクローンを得た。さらに得られたクローンについて、KLHに特異的に陽性反応を示すハイブリドーマクローンを得、抗体産生能力及び増殖性が良好なクローンをさらにスクリーニングし、抗KLHモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得た。
上記ハイブリドーマから得られた本発明のモノクローナル抗体は、IgGクラスであり、かつKLHを特異的に認識することができる。
(1−1) 脾臓細胞の調製
BALB/cマウス(♀)から脾臓を摘出し、脾臓細胞をリン酸緩衝液(PBS)中に分散させ、セルストレーナー(BD社)を通して、夾雑物を取り除き、RPMI液体培地(Sigma社)を用いて洗浄した。
前記(1−1)で調製した脾臓細胞を、CD8特異的抗体であるCD8a及びCD49特異的抗体であるCD49bをそれぞれコートした磁気ビーズ(CD8a(Ly−2)マイクロビーズ及びCD49b(DX5)マイクロビーズ、Miltenyi社)と混合し、CD8陽性T細胞とNK細胞を磁気ビーズで標識した。次いで、磁気分離を行い、ネガティブフラクションを回収した。(CD8a(Ly−2)マイクロビーズ(マウス)による細胞分離、CD49b(DX5)マイクロビーズ(マウス)による細胞分離−ミルテニーバイオテク株式会社)
実施例1で得られた免疫細胞を5.0×106個/mlの濃度でRPMI培地(Sigma社)に懸濁し、24ウェルプレートに1mlずつ分注した。各ウェル中には、それぞれさらに抗原としてKLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)を1μg、免疫刺激物質ODN1826(Invivogen社)を0.25μM及びMDP(Sigma社)を10μg加えた。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)内で2日間インキュべートの後、活性化された免疫細胞の存在が確認できたウェル内の免疫細胞を遠心操作により回収した。
次いで、回収した免疫細胞をRPMI培地に懸濁し、サイトカインのmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)を添加して、37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)内で2日間インキュべートし、免疫細胞を増殖させた。
抗原KLHを、炭酸バッファー(pH 9.6)を用いて96ウェルマイクロプレートに固定し、0.05%Tween−PBS溶液で洗浄後、ブロッキング溶液(ロシュ社)を用いてブロッキングを施した。前記実施例2で得られた細胞培養液を各ウェル中に100μlずつ加え、反応の後、培養液を廃棄し、洗浄した。さらにアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG抗体を添加して反応させ、次いでp-ニトロフェニルリン酸を基質とした発色系でKLH特異的IgM抗体の産生を検出した。結果を図2に示す。この時、抗原特異的IgGは、産生されていなかった。
実施例2で得られた免疫細胞を遠心操作により回収後、RPMI培地に懸濁し、24ウェルプレートに5.0×106個/mlの濃度で1mlずつ分注し、各ウェル中にはさらに抗原KLHを0.3μg、免疫刺激物質ODN1826(Invivogen社)を0.08μMおよびMDP(Sigma社)を3.3μg/mlを加えた。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)内で1晩インキュべートの後、活性化された免疫細胞を遠心操作により回収した。回収後、RPMI培地に懸濁し、サイトカインのmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)を添加して、37℃のCO2インキュベーター内で2〜4日インキュべートし、細胞を増殖させた。この期間中に、毎日40〜60%の培地を交換した。
抗原KLHを、炭酸バッファー(pH 9.6)を用いて96ウェルマイクロプレートに固定し、0.05%Tween−PBS溶液で洗浄後、ブロッキング溶液(ロシュ社)を用いてブロッキングを施した。前記実施例3で得られた細胞培養液を各ウェル中に100μlずつ加え、反応の後、培養液を廃棄し、洗浄した。さらにアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG抗体を添加して反応させ、次いでp-ニトロフェニルリン酸を基質とした発色系でKLH特異的IgG抗体産生を検出した。結果を図3に示す。
実施例1で得られた免疫細胞を5.0×106個/mlの濃度でRPMI培地に懸濁し、6ウェルプレートに5mlずつ分注した。各ウェルにはそれぞれ更に抗原としてKLHを5μg、免疫刺激物質ODN1826を1.25μM,MDPを50μg加えた。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)で2日間培養後、活性化された免疫細胞を遠心操作により、回収した。この細胞をサイトカインmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)の存在下で、2日間培養した。得られた細胞を遠心操作による回収後、RPMI培地に懸濁し、6ウェルプレートに5.0×106個/mlの濃度で5mlずつ分注した。各ウェルには抗原としてKLHを1.67μg、免疫刺激物質ODN1826を0.42μM,MDPを16.67μg加えた。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)で一晩培養後、活性化された免疫細胞を遠心操作により、回収した。この細胞をサイトカインmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)の存在下で、2日間培養した。得られた活性化免疫B細胞と等量の8-アザグアニン耐性マウスミエローマ細胞であるP3UI(P3-X63-Ag8-U1)とを混合し、遠心操作後の沈査に50%ポリエチレングリコール(ロシュ社)を添加し、37℃で2分間穏やかに反応させ、細胞融合を行った。得られたハイブリドーマ含有液を96ウェルマイクロカルチャープレートに分注し、HAT培地を用いて1週間培養を行った。ウェルの培養上清を採取して酵素免疫測定法(ELISA)によりスクリーニングを行い、細胞がコロニーを形成したウェルの数(細胞生育ウェル数)と抗原として用いたKLHに特異的に反応するIgGが含まれているウェルの数(抗原特異的ウェル数)を測定した。結果を(表3)に示す。コントロールとして、抗原を加えず免疫をした場合を同時に示す。
公知のT細胞エピトープペプチドであるQYIKANSKFIGITEL(pTT、破傷風毒素の830−844番目)やVTYDNESLLSAHKVE(Ovm100S、ニワトリオボムコイドの100番目から114番目)を抗原(KLH、Keyhole Limpet Hemocyanin)と混合し、マウス(Balb/c、♀)の皮下に投与し、免疫した。その後、20日後に同様の追加免疫を行った。免疫後、一定期間の後に10マイクロリットルの血液を採血し、1000倍にPBSで希釈後、血清中の抗原特異的IgGをELISA法により測定した(図4、5)。
抗原KLHを、炭酸バッファー(pH 9.6)を用いて96ウェルマイクロプレートに固定し、0.05%Tween−PBS溶液で洗浄後、ブロッキング溶液(ロシュ社)を用いてブロッキングを施した。血清希釈液を各ウェル中に100μlずつ加え、反応の後、培養液を廃棄し、洗浄した。さらにアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG抗体を添加し反応させ、次いでp-ニトロフェニルリン酸を基質とした発色系でKLH特異的IgG抗体の産生を検出した。
ペプチドを添加しないときには、抗体価の上昇は見られないが、ペプチドの同時添加により、抗体価の顕著な上昇が見られた。ネガティブコントロールとして、KLHのみ、KLHと非T細胞エピトープペプチドOvm52S:TNISKEHDGESKETV(ニワトリオボムコイドの52番目から66番目)を加えた場合の実験を行った。T細胞エピトープペプチドを添加しないときや非T細胞エピトープペプチドを添加したときには、抗体価の上昇は見られないが、T細胞エピトープペプチドの添加により、抗体価の顕著な上昇が見られた。
インビトロ免疫に於いてT細胞エピトープペプチドを添加(3μg/ml)した。その後の抗原特異的IgGの生産を測定した。
(7−1) 脾臓細胞の調製
BALB/cマウス(♀)から脾臓を摘出し、脾臓細胞をリン酸緩衝液(PBS)中に分散させ、セルストレーナー(BD社)を通して、夾雑物を取り除き、RPMI液体培地(Sigma社)を用いて洗浄した。
前記(7−1)で調製した脾臓細胞を、CD8特異的抗体であるCD8a及びCD49特異的抗体であるCD49bをそれぞれコートした磁気ビーズ(CD8a(Ly−2)マイクロビーズ及びCD49b(DX5)マイクロビーズ、Miltenyi社)と混合し、CD8陽性T細胞とNK細胞を磁気ビーズで標識する。次いで、LDカラム(Miltenyi社)を用いて、磁気分離を行い、ネガティブフラクションを回収した。(CD8a(Ly-2)マイクロビーズ(マウス)による細胞分離、CD49b(DX5)マイクロビーズ(マウス)による細胞分離−ミルテニーバイオテク株式会社)
実施例7で得られた免疫細胞を5.0×106個/mlの濃度でRPMI培地(Sigma社)に懸濁し、24ウェルプレートに1mlずつ分注した。各ウェル中には、それぞれさらに抗原としてKLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)を1μg、免疫刺激物質ODN1826(Invivogen社)を0.25μM及びMDP(Sigma社)を10μg、およびT細胞エピトープペプチドであるpTT(QYIKANSKFIGITEL:破傷風毒素の830−844番目)と共に、結核菌タンパク質中の配列由来の公知T細胞エピトープペプチドp25(FQDAYNAAGGHNAVF),式(IV)に対応する典型的な新規ペプチドAPL(FQDAYNAVGGHNAVF)及びCH3(FQDAYNAVGAANAVF)を加えた(3μg/ml)。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)内で2日間インキュべートの後、活性化された免疫細胞の存在が確認できたウェル内の免疫細胞を遠心操作により回収した。
次いで、回収した免疫細胞をRPMI培地に懸濁し、サイトカインのmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)を添加して、37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)内で2日間インキュべートし、免疫細胞を増殖させた。
実施例7で得られた免疫細胞を遠心操作により回収後、RPMI培地に懸濁し、24ウェルプレートに5.0×106個/mlの濃度で1mlずつ分注し、各ウェル中にはさらに抗原KLHを0.3μg、免疫刺激物質ODN1826(Invivogen社)を0.08μMおよびMDP(Sigma社)を3.3μg/mlを加えた。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)内で1晩インキュべートの後、活性化された免疫細胞を遠心操作により回収した。回収後、RPMI培地に懸濁し、サイトカインのmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)を添加して、37℃のCO2インキュベーター内で2〜4日インキュべートし、細胞を増殖させた。この期間中に、毎日40〜60%の培地を交換した。
抗原KLHを、炭酸バッファー(pH 9.6)を用いて96ウェルマイクロプレートに固定し、0.05%Tween−PBS溶液で洗浄後、ブロッキング溶液(ロシュ社)を用いてブロッキングを施した。前記実施例9で得られた細胞培養液を各ウェル中に100μlずつ加え、反応の後、培養液を廃棄し、洗浄した。さらにアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG抗体を添加し反応させ、次いでp-ニトロフェニルリン酸を基質とした発色系でKLH特異的IgG抗体を産生を検出した。結果を図6に示す。T細胞エピトープを加えた場合の方が、KLH特異的IgG抗体の産生が多いことがわかる。
実施例9で得られた免疫細胞を5.0×106個/mlの濃度でRPMI培地に懸濁し、6ウェルプレートに5mlずつ分注した。各ウェルにはそれぞれ更に抗原としてKLHを5μg、免疫刺激物質ODN1826を1.25μM,MDPを50μg加えた。同時にT細胞エピトープペプチド:pTT(QYIKANSKFIGITEL)およびCH3(FQDAYNAVGAANAVF)を3μg加えたものを用意した。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)で2日間培養後、活性化された免疫細胞を遠心操作により、回収した。この細胞をサイトカインmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)の存在下で、2日間培養した。得られた細胞を遠心操作による回収後、RPMI培地に懸濁し、6ウェルプレートに5.0×106個/mlの濃度で5mlずつ分注した。各ウェルには抗原としてKLHを1.67μg、免疫刺激物質ODN1826を0.42μM,MDPを16.67μg加えた。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)で一晩培養後、活性化された免疫細胞を遠心操作により、回収した。この細胞をサイトカインmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)の存在下で、2日間培養した。得られた活性化免疫B細胞と等量の8-アザグアニン耐性マウスミエローマ細胞であるP3UI(P3-X63-Ag8-U1)とを混合し、遠心操作後の沈査に50%ポリエチレングリコール(ロシュ社)を添加し、37℃で2分間穏やかに反応させ、細胞融合を行った。得られたハイブリドーマ含有液を96ウェルマイクロカルチャープレートに分注し、HAT培地を用いて1週間培養を行った。ウェルの培養上清を採取して酵素免疫測定法(ELISA)によりスクリーニングを行い、細胞がコロニーを形成したウェルの数(細胞生育ウェル数)と抗原として用いたKLHに特異的に反応するIgGが含まれているウェルの数(抗原特異的ウェル数)を測定した。結果を表4に示す。コントロールとして、抗原を加えず免疫をした場合を同時に示す。
このように、T細胞エピトープを添加することで、活性化免疫B細胞が増大し、得られる全グロブリン中に占めるIgGの割合も増加した。
免疫系活性化のための最適なT細胞エピトープ様ペプチドをin silico計算により探索した。MHC-IIに対する高い結合能を持つペプチドのスクリーニングをMHC-IIのX線結晶構造を用いた計算により行なった。T細胞エピトープの提示を行なうMHC-IIには、抗体作製が効率的に行なわれるBalb/cマウスのMHC-IIであるI-Adを用いた。このI-AdとOvalbuminのペプチド323-339との複合体の結晶構造(PDB,1IAO、MHC classII+ OVApeptideの立体構造(1IAO) C. A. Scott et al Immunity, Vol. 8, 319-329, 1998)をもとに、I-Adに対する最適なエピトープの設計を進めた。
Accelrys社の解析ソフトウェアCerius 2上の自動計算が可能なAutoLudiを使用して、膨大な数の候補に対してドッキング・シミュレーションを実施した。AutoLudiにおいては、結合の評価はLudiスコアで行った。Ludiスコアは、リガンド−受容体複合体における解離定数Kiと相関するスコアを提供するものである。解離定数KiとLudiスコアの相関式は、Ludiスコア = 100logKiとなっている。結合の自由エネルギー:ΔGは次式で表される。
結合の自由エネルギーを計算することにより、Ludiスコアが求められる。Ludiスコアと結合の強さを表している。
前記表1に示された候補のすべての組み合わせは、5x6x9x5x4x4x3x8x1x1x8x2x5x2 =82944000通りあるので、これのすべてのエネルギーを計算するのは不可能である。そこで、スコアの高いものを自動的に選抜するのではなく、候補残基のI-Adとの相互作用の状況(水素結合、空間充填性、アロマティック相互作用等)を検討し、オリジナル残基からの相互作用の変化を確認しながら、有望なものを選択した。またAutoLudiのプログラムにおいては、Scafoldにおいて同時に設定できるLink Siteは5残基までであり、今の場合、組み合わせ候補は9残基ある(残基4〜残基12)。そのため、14merペプチド構築作業は別プログラム作成する必要があり、ペプチド構築にPerlスクリプトを作成(それぞれの残基候補を組み合わせて網羅的に14merペプチドを構築するスクリプト)した。その後、スコアリングはAutoLudiで一括計算した。候補の絞り込みを行い、以下のような候補を得た。ここでOrigは、計算の出発点であるOvalbumin由来「ペプチド323-339」のオリジナルなアミノ酸を表している。またHitは、上記計算でLudiスコアが高かったアミノ酸を表している。
1番目アミノ酸 1通り Orig(Arg)
2番目アミノ酸 1通り Orig(Gly)
3番目アミノ酸 1通り Orig(Ile)
4番目アミノ酸 4通り Orig(Ser) + Hit(Phe-1, Leu-2, Ile-3) 1
5番目アミノ酸 3通り Orig(Gln) + Hit(Phe-1, Lys-2)
6番目アミノ酸 3通り Orig(Ala) + Hit(Tyr-2, Gln-3)
7番目アミノ酸 2通り Orig(Val) + Hit(Thr-1)
8番目アミノ酸 3通り Orig(His) + Hit(Phe-4, Lys-8)
9番目アミノ酸 2通り Orig(Ala) + Gly
10番目アミノ酸 2通り Orig(Ala) + Gly
11番目アミノ酸 2通り Orig(His) + Hit(Tyr-2)
12番目アミノ酸 2通り Orig(Ala) + Hit(Lys-1)
13番目アミノ酸 1通り Orig(Gln)
14番目アミノ酸 1通り Orig(Leu)
これら候補をすべて組合わせると、1x1x1x4x3x3x2x3x2x2x2x2x1x1=3456通りとなる。3456個あまりのペプチドをリンクライブラリーを用いて作製し、結合エネルギーを計算し、スコアリングを行った。以上の操作により、本来の計算量9614を候補の絞込みを行うことにより、3456に減らすことができた。その計算結果のうちLudiスコアが高かったアミノ酸配列は前記表2に示されるとおりである。
結晶構造作製に使われたオリジナルのペプチド(Ovalbuminのペプチド323-339)のLudiスコアの値は968で、3363番目の結合エネルギーを持っていた。MHCIIに結合すると思われる12番目の残基に正電荷を持ったリジンを持つペプチドが高いスコアを出したのが、特徴的であった。また他のMHCII結合部位のアミノ酸は、従来の実験からの知見とよくあっていた。
抗原(KLH)10μgと上記参考例2で得られたペプチドをFreund’s imcomplete adjuvantと混合し、マウス(Balb/c、♀)の皮下に投与し、免疫した。ペプチドは、計算の出発点であるOvalbuminのペプチド323-339(RGISQAVHAAHAEI)と一番結合エネルギーが大きいと計算されたペプチド(表2中のNo.1 RGIFFYVFAAYKEI)をそれぞれ10μg用いた。免疫後、20日後に10マイクロリットルの血液を採血し、1000倍にPBSで希釈後、血清中の抗原特異的IgGをELISA法により測定した(図7)。
抗原KLHを、炭酸バッファー(pH 9.6)を用いて96ウェルマイクロプレートに固定し、0.05%Tween−PBS溶液で洗浄後、ブロッキング溶液(ロシュ社)を用いてブロッキングを施した。血清希釈液を各ウェル中に100μlずつ加え、反応の後、培養液を廃棄し、洗浄した。さらにアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG抗体を添加し反応させ、次いでp-ニトロフェニルリン酸を基質とした発色系でKLH特異的IgG抗体の産生を検出した。
ペプチドを添加しないとき(peptide-)及び抗原を加えないとき(NC:Negative Control)には、抗体価の上昇は見られないが、ペプチドの同時添加により、抗体価の顕著な上昇が見られた。その上昇の度合いは、計算の出発点であるOvalbuminのペプチド323-339(RGISQAVHAAHAEI)よりも一番結合エネルギーが大きいと計算されたペプチド(表2中のNo.1 RGIFFYVFAAYKEI)の方が大きかった。
(13−1) インビトロ免疫における一次免疫刺激
実施例1で得られた免疫細胞を5.0×106個/mlの濃度でRPMI培地(Sigma社)に懸濁し、24ウェルプレートに1mlずつ分注した。各ウェル中には、それぞれさらに抗原としてKLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)を1μg、免疫刺激物質ODN1826(Invivogen社)を0.25μM及びMDP(Sigma社)を10μgと共に、本発明ペプチドであるT細胞エピトープ様ペプチドのうち、式(V)の典型的な、APL2(RGIYNAVAAANAVF)APL3(RGIYNAVGAAHAVF)、APL4(RGIYNAVAAAHAVF)APL5(RGIYNAVHAANAVF)、及び式(VII)の典型的な、P1(NNYNNVNAANANN)、P2(NNYNNVGAAGANN)、P6(NNYNNVNAANKNN)、P7(NNYNNVGAAGKNN)の、それぞれを3μg加えた。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)内で2日間インキュべートの後、活性化された免疫細胞の存在が確認できたウェル内の免疫細胞を遠心操作により回収した。
次いで、回収した免疫細胞をRPMI培地に懸濁し、サイトカインのmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)を添加して、37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)内で2日間インキュべートし、免疫細胞を増殖させた。
前記(13−1)で得られた免疫細胞を遠心操作により回収後、RPMI培地に懸濁し、24ウェルプレートに5.0×106個/mlの濃度で1mlずつ分注し、各ウェル中にはさらに抗原KLHを0.3μg、免疫刺激物質ODN1826(Invivogen社)を0.08μMおよびMDP(Sigma社)を3.3μg/mlを加えた。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)内で1晩インキュべートの後、活性化された免疫細胞を遠心操作により回収した。回収後、RPMI培地に懸濁し、サイトカインのmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)を添加して、37℃のCO2インキュベーター内で2〜4日インキュべートし、細胞を増殖させた。この期間中に、毎日40〜60%の培地を交換した。
抗原KLHを、炭酸バッファー(pH 9.6)を用いて96ウェルマイクロプレートに固定し、0.05%Tween−PBS溶液で洗浄後、ブロッキング溶液(ロシュ社)を用いてブロッキングを施した。前記実施例3で得られた細胞培養液を各ウェル中に100μlずつ加え、反応の後、培養液を廃棄し、洗浄した。さらにアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG抗体を添加し反応させ、次いでp-ニトロフェニルリン酸を基質とした発色系でKLH特異的IgG抗体を産生を検出した。結果を図8に示す。T細胞エピトープ様ペプチドを加えた場合の方が、KLH特異的IgG抗体の産生が多いことがわかる。
実施例13(13−2)で得られた免疫細胞を5.0×106個/mlの濃度でRPMI培地に懸濁し、6ウェルプレートに5mlずつ分注した。各ウェルにはそれぞれ更に抗原としてKLHを5μg、免疫刺激物質ODN1826を1.25μM,MDPを50μg加えた。同時にT細胞エピトープ様ペプチド:式(V)の典型的なAPL5(RGIYNAVHAANAVF)及び式(VII)の典型的なP7(NNYNNVGAAGKNN)を3μg加えたものを用意した。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)で2日間培養後、活性化された免疫細胞を遠心操作により、回収した。この細胞をサイトカインmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)の存在下で、2日間培養した。得られた細胞を遠心操作による回収後、RPMI培地に懸濁し、6ウェルプレートに5.0×106個/mlの濃度で5mlずつ分注した。各ウェルには抗原としてKLHを1.67μg、免疫刺激物質ODN1826を0.42μM,MDPを16.67μg加えた。37℃のCO2インキュベーター(5%CO2)で一晩培養後、活性化された免疫細胞を遠心操作により、回収した。この細胞をサイトカインmrIL−2(10ng/ml)、mrIL−4(2.5ng/ml)及びmrIL−21(10ng/ml)の存在下で、2日間培養した。得られた活性化免疫B細胞と等量の8-アザグアニン耐性マウスミエローマ細胞であるP3UI(P3-X63-Ag8-U1)とを混合し、遠心操作後の沈査に50%ポリエチレングリコール(ロシュ社)を添加し、37℃で2分間穏やかに反応させ、細胞融合を行った。得られたハイブリドーマ含有液を96ウェルマイクロカルチャープレートに分注し、HAT培地を用いて1週間培養を行った。ウェルの培養上清を採取して酵素免疫測定法(ELISA)によりスクリーニングを行い、細胞がコロニーを形成したウェルの数(細胞生育ウェル数)と抗原として用いたKLHに特異的に反応するIgGが含まれているウェルの数(抗原特異的ウェル数)を測定した。結果を表4に示す。コントロールとして、抗原を加えず免疫をした場合を同時に示す。
このように、上記T細胞エピトープ様ペプチドを添加することで、活性化免疫B細胞が増大し、得られる全グロブリン中に占めるIgGの割合も増加した。
配列番号1 QYIKANSKFIGITEL 式(I)破傷風毒素pTT(830-844)
配列番号2 VTYDNESLLSAHKVE 式(II)
配列番号3 RGIFFX1X2X3X4X5X6KEI 式(III) X1=YorQ,X2=VorT,X3=F,HorK,X4=AorG,X5=AorG,X6=YorH
配列番号4 FQDAYNAX7X8X9X10X11AVF 式(IV) X7=AorV,X8=G,AorH,X9=GorA,X10=HorA,X11=NorH
配列番号5 RGIYNAVX8X9X10X11AVF 式(V) X8=G,AorH,X9=GorA,X10=HorA,X11=NorH
配列番号6 RGIYNAVX8X9X10X11AEI 式(VI) X8=G,AorH,X9=GorA,X10=HorA,X11=NorH
配列番号7 NNYX12X13VX14AAX15X16NN 式(VII)X12=NorG,X13=NorG,X14=NorG,X15=NorG,X16=AorK
配列番号8 TNISKEHDGESKETV Ovm52S(52-66)
配列番号9 FQDAYNAAGGHNAVF 式(IV)original結核菌由来/p25
配列番号10 FQDAYNAVGAANAVF 式(IV) CH3
配列番号11 RGISQAVHAAHAEI Ovalbmin(323-339)
配列番号12 RGIFFYVFAAYKEI 式(III)-(1)
配列番号13 RGIYNAVAAANAVF 式(V) APL2
配列番号14 RGIYNAVGAAHAVF 式(V) APL3
配列番号15 RGIYNAVAAAHAVF 式(V) APL4
配列番号16 RGIYNAVHAANAVF 式(V) APL5
配列番号17 NNYNNVNAANANN 式(VII)、P1
配列番号18 NNYNNVGAAGANN 式(VII)、P2
配列番号19 NNYNNVNAANKNN 式(VII)、P6
配列番号20 NNYNNVGAAGKNN 式(VII)、P7
配列番号21 FQDAYNAVGGHNAVF 式(IV) APL
Claims (6)
- 免疫細胞に対してあらかじめT細胞除去工程を設けた後、
インビトロで標的となる抗原を感作する抗原感作工程、及びサイトカインを含む培養液で抗体産生細胞を培養する培養工程を設ける第1免疫工程を施し、
次いで得られた標的抗原特異的抗体産生細胞に対して、インビトロでの同一抗原による抗原感作工程、及びサイトカインを含む培養液中での培養工程を設ける第2免疫工程を施す2段階インビトロ免疫方法であって、
前記第1免疫工程又は第2免疫工程のいずれかの工程における抗原感作工程もしくは培養工程の少なくとも1つの工程において、用いる培養液中にT細胞エピトープペプチドがさらに含まれることを特徴とする、2段階インビトロ免疫方法。 - 前記T細胞除去工程がCD8特異的抗体及びCD49特異的抗体を用いるものである、請求項1に記載の2段階インビトロ免疫法。
- 前記T細胞エピトープペプチドが、下記式(I)〜(VII)のいずれかで表されるペプチドである請求項1又は2に記載の2段階インビトロ免疫法;
式(I):
QYIKANSKFIGITEL
式(II):
VTYDNESLLSAHKVE
式(III):
RGIFFX1X2X3X4X5X6KEI(式中、X1はY又はQ,X2はV又はT、X3はF,H又はK、X4はA又はG、X5はA又はG、X6はY又はHである。)。
式(IV):
FQDAYNAX7X8X9X10X11AVF
(式中、X7はA又はV,X8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである。)。
式(V):
RGIYNAVX8X9X10X11AVF
(式中、X8からX11は式(IV)と同じ,すなわちX8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである。)。
式(VI):
RGIYNAVX8X9X10X11AEI
(式中、X8からX11は式(IV)と同じ,すなわちX8はG,A又はH、X9はG又はA,X10はH又はA、X11はN又はHである。)。
式(VII):
NNYX12X13VX14AAX15X16NN
(式中、X12がN又はGであり,X13がN又はGであり、X14がN又はGであり、X15がN又はGであり、X16がA又はKである。)。 - 前記T細胞エピトープペプチドが、
前記式(I)において、N末側の「QYI」及びC末側の「TEL」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(II)において、N末側の「V」及びC末側の「AHKVE」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(III)において、N末側の「RGI」及びC末側の「EI」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(IV)において、N末側の「FQDA」及びC末側の「VF」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(V)において、N末側の「RGI」及びC末側の「VF」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(VI)において、N末側の「RGI」及びC末側の「EI」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
前記式(VII)において、N末側の「NN」及びC末側の「NN」からなるアミノ酸のうち、1つ以上のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換したペプチド、
のいずれかである、請求項3に記載のインビトロ免疫法。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の2段階インビトロ免疫法で得られた抗原特異的抗体産生細胞をミエローマ細胞と融合する工程を含む、抗原特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの製造方法。
- 請求項5に記載のハイブリドーマを用いることを特徴とする、標的となる抗原特異的なモノクローナル抗体の製造方法。
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