上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による部品検査装置は、部品の端子を斜め方向から撮像する斜め撮像部と、斜め撮像部により撮像する際に部品に撮像用の光を照射する第1照明および第2照明と、斜め撮像部により撮像される部品の種類に応じて第1照明と第2照明とを切り替える切替手段とを備え、斜め撮像部は、部品の端子に第1照明または第2照明から照射され、部品の端子から斜め下方に反射された反射光を撮像するように構成され、第1照明は、撮像時において、水平方向所定の方向における一方側から部品へ光を照射するとともに、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して、部品の端子への第1入射光が部品の端子からの反射光と同じ側に傾斜するように配置されており、第2照明は、撮像時において、水平方向所定の方向における他方側から部品へ光を照射するとともに、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して、部品の端子への第2入射光が第1入射光と反対側に傾斜するように配置されており、切替手段は、斜め撮像部による撮像時に、撮像対象の部品が、略球形状の部分を有する端子が底面に設けられた球状端子部品である場合には、第1照明に切り替え、撮像対象の部品が、引出線状の端子を有するリード端子部品である場合には、第2照明に切り替えるように構成されている。
この第1の局面による部品検査装置では、上記のように、部品の端子を斜め方向から撮像する斜め撮像部を、部品の端子に第1照明から照射され、部品の端子から反射された反射光を撮像するように構成し、第1照明を、撮像時において部品の端子への第1入射光が、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して、部品の端子からの反射光と同じ側に傾斜するように配置することによって、部品の端子を、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して第1照明からの第1入射光と同じ側に反射される反射光を用いて撮像することができる。この場合、第1照明から照射され、吸着ノズルに吸着された部品の底面(基材底面)で反射される反射光は、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して端子への入射光と反対側に反射されるので、端子以外の底面(基材底面)の反射光の斜め撮像部による撮像画像への写り込みを抑制することができる。これにより、不要な反射光の写り込みが抑制された端子の撮像画像を得ることができるので、撮像画像から部品の端子を精度よく識別することができる。また、端子の形状および端子の設けられる位置が異なる複数種類の部品が存在する場合にも、第1照明と第2照明とを切り替えることにより、部品の端子の形状および配置に応じた適切な方向からの入射光を端子に照射させることができる。これにより、端子形状および配置の異なる複数種類の部品が存在する場合にも、基材底面などからの不要な反射光の写り込みを抑制しながら、端子の撮像画像を得ることができる。たとえば、BGAのような底面に球形状の端子を有する球状端子部品では、第1照明を用いて撮像することにより部品の基材底面の反射光の写り込みを抑制することができる。また、たとえばQFP(Quad Flat Package)のように、部品の外縁部から外側に突出する引出線状の端子(リード)が設けられた部品に対しては、撮像画像への基材底面からの反射光の写り込みが生じにくいので、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して第1入射光と反対側に傾斜するように配置された第2照明を用いて第2入射光を照射することにより、リード(端子)の底面側を明瞭に撮像することができる。このように、切替手段により、球状端子部品に対しては、第1照明により撮像画像への基材底面からの反射光の写り込みが抑制された撮像画像を取得できるとともに、球状端子部品以外の部品に対しては、第2照明により端子の底面側の撮像画像を取得することができる。この結果、撮像画像からの部品の端子の識別精度をより向上させることができる。
この第2の局面による部品移載装置では、上記のように、部品の端子を斜め方向から撮像する斜め撮像部を、部品の端子に第1照明から照射され、部品の端子から反射された反射光を撮像するように構成し、第1照明を、撮像時において部品の端子への第1入射光が、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して、部品の端子からの反射光と同じ側に傾斜するように配置することによって、吸着ノズルに吸着された部品の端子を、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して第1照明からの第1入射光と同じ側に反射される反射光を用いて撮像することができる。この場合、第1照明から照射され、吸着ノズルに吸着された部品の底面(基材底面)で反射される反射光は、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して端子への入射光と反対側に反射されるので、端子以外の底面(基材底面)の反射光の斜め撮像部による撮像画像への写り込みを抑制することができる。これにより、不要な反射光が写り込むのが抑制された端子の撮像画像を得ることができるので、撮像画像から部品の端子を精度よく識別することができる。また、端子の形状および端子の設けられる位置が異なる複数種類の部品が存在する場合にも、第1照明と第2照明とを切り替えることにより、部品の端子の形状および配置に応じた適切な方向からの入射光を端子に照射させることができる。これにより、端子形状および配置の異なる複数種類の部品が存在する場合にも、基材底面などからの不要な反射光の写り込みを抑制しながら、端子の撮像画像を得ることができる。たとえば、BGAのような底面に球形状の端子を有する球状端子部品では、第1照明を用いて撮像することにより部品の基材底面の反射光の写り込みを抑制することができる。また、たとえばQFP(Quad Flat Package)のように、部品の外縁部から外側に突出する引出線状の端子(リード)が設けられた部品に対しては、撮像画像への基材底面からの反射光の写り込みが生じにくいので、部品の端子の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する垂直線に対して第1入射光と反対側に傾斜するように配置された第2照明を用いて第2入射光を照射することにより、リード(端子)の底面側を明瞭に撮像することができる。このように、切替手段により、球状端子部品に対しては、第1照明により撮像画像への基材底面からの反射光の写り込みが抑制された撮像画像を取得できるとともに、球状端子部品以外の部品に対しては、第2照明により端子の底面側の撮像画像を取得することができる。この結果、撮像画像からの部品の端子の識別精度をより向上させることができる。
上記第2の局面による部品移載装置において、好ましくは、ヘッドユニットを移動可能に支持する基台と、吸着ノズルに吸着された部品の底面を撮像し、部品を認識するための部品認識撮像部とをさらに備え、部品検査装置と部品認識撮像部とは、複数の吸着ノズルの配列方向に沿った方向に並ぶように、基台上において固定的に設けられている。このように構成すれば、複数の吸着ノズルに吸着された各部品について、ヘッドユニットを吸着ノズルの配列方向へ直線移動させてそれぞれの撮像位置に配置するだけで、部品の吸着位置の認識のための底面の撮像と、コプラナリティ計測のための端子の撮像との両方を行うことができる。
上記第2の局面による部品移載装置において、好ましくは、部品検査装置は、斜め撮像部の一方側の側面に固定的に設けられるとともに、第1照明を、撮像時の上昇位置と、非撮像時の下降位置とに昇降可能に支持する昇降機構部をさらに備え、部品認識撮像部は、斜め撮像部の他方側に配置されている。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による表面実装機の全体構成を示す平面図である。図2〜図8は、図1に示した表面実装機の構造を説明するための図である。以下、図1〜図8を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装機100の構造について説明する。なお、この第1実施形態では、本発明の部品検査装置を表面実装機の部品検査部に適用した場合の例について説明する。なお、表面実装機100は、本発明の「部品移載装置」の一例である。
図1および図2に示すように、第1実施形態による表面実装機100は、プリント基板130に部品120(図2参照)を実装する装置である。図1に示すように、表面実装機100は、X方向に延びる一対の基板搬送コンベア105と、一対の基板搬送コンベア105の上方を水平面上XY方向に移動可能なヘッドユニット20とを備えている。一対の基板搬送コンベア105の両側には、部品120を供給するための複数のテープフィーダ110が配置されている。ヘッドユニット20は、テープフィーダ110から部品120を取得するとともに、基板搬送コンベア105上のプリント基板130に部品120を実装する機能を有する。基板搬送コンベア105は、基台1上に設置され、ヘッドユニット20は、基台1上方に配置されている。以下、表面実装機100の具体的な構造を説明する。
一対の基板搬送コンベア105は、プリント基板130をX方向に搬送するとともに、所定の実装作業位置でプリント基板130を停止させ、不図示の基板保持装置により保持させることが可能なように構成されている。
テープフィーダ110は、図1に示すように、基台1のY1方向側およびY2方向側に互いに向かい合うようにして、X方向に並べて配置されている。これらのテープフィーダ110は、基台1に取り付けられたフィーダプレート(図示せず)に、それぞれ取り付けられている。このテープフィーダ110は、複数の部品120(図2参照)を所定の間隔を隔てて保持したテープ(図示せず)が巻き回されたリール(図示せず)を保持している。このテープフィーダ110は、テープをリールから巻き取るようにして所定のピッチで間欠的に送り出すとともに、テープに保持された部品120をテープフィーダ110の先端に設けられた部品取出部111まで搬送することにより、部品120を供給するように構成されている。なお、部品120は、IC、トランジスタ、コンデンサや抵抗などの小型の部品である。
また、基台1上には、図1に示すように、一対の基板搬送コンベア105と、基台1のY1方向側およびY2方向側に互いに向かい合うようにして配列されたテープフィーダ110との間に、上方撮像装置2と、端子撮像装置3とがそれぞれ1つずつ配置されている。この上方撮像装置2と端子撮像装置3とは、ヘッドユニット20にX方向に直線状に並ぶように設けられた後述する6本のZ方向(上下方向)の吸着ノズル22(図2参照)の配列方向(X方向)に沿うように、X方向に並べてそれぞれ配置されている。吸着ノズル22は部品取出部111の上方に位置する状態でZ方向に下降して部品120を吸着した後、移動可能な位置まで上昇する。上方撮像装置2は、上方を撮像するものであり、上方に位置する吸着ノズル22に吸着された部品120の底面を撮像し、部品120の底面画像を出力する機能を有する。また、端子撮像装置3は、吸着ノズル22に吸着された部品120の端子121(球状の端子121a・・図3参照、リード状の端子121b・・図4参照)を撮像し、部品120の端子121の撮像画像を出力する機能を有する。なお、端子撮像装置3は、本発明の「部品検査装置」の一例である。また、2つずつ設けられた上方撮像装置2および端子撮像装置3の構成はそれぞれ同一であるので、以下では、基台1のY2方向側に配置された上方撮像装置2および端子撮像装置3について説明する。
上方撮像装置2は、図1に示すように、ヘッドユニット20と対向するように(図2参照)撮像方向を上方(Z1方向)に向けて基台1上に固定的に設置されたラインセンサを使用した上方撮像カメラ2aと、上方撮像カメラ2aの両側に設けられ、上方に撮像用の光を照射するように配置された上方照明2bとを含む。そして、ヘッドユニット20が吸着ノズル22に部品120を吸着させた状態で上方撮像装置2の上方を移動することにより、上方撮像装置2は、上方照明2bから光を照射して、部品120の底面で反射された反射光を撮像することが可能なように構成されている。これにより、上方撮像装置2は、上方撮像カメラ2aと上方照明2bとによって、吸着ノズル22に吸着された部品120の底面を撮像することができるように構成されている。この部品120の底面の画像に基づいて、吸着ノズル22による部品120の吸着位置および姿勢を認識することが可能である。なお、上方撮像カメラ2aは、本発明の「部品認識撮像部」の一例である。
また、端子撮像装置3は、図3に示すように、ラインセンサを使用した斜方撮像カメラ10と、第1照明11と、第2照明12と、ミラー13と、昇降機構14とを含む。この端子撮像装置3は、上方に開口部3aを有し、上方撮像装置2と同様に、ヘッドユニット20が吸着ノズル22に部品120を吸着させた状態で端子撮像装置3の上方(Z1方向)を移動することにより、部品120の端子121を斜め下方から撮像することが可能なように構成されている。この部品120の端子121を複数の方向から撮像することにより、撮像画像に基づいて部品120の底面からの端子121の突出高さを計測することが可能である。なお、斜方撮像カメラ10および昇降機構14は、それぞれ、本発明の「斜め撮像部」および「昇降機構部」の一例である。
端子撮像装置3の斜方撮像カメラ10は、撮像方向を鉛直方向から角度θ傾いた斜め方向からの反射光500を撮像するように、端子撮像装置3内に傾けた状態で固定的に配置されている。第1実施形態では、この斜方撮像カメラ10の撮像方向の鉛直方向からの傾斜角度θは、略40度となるように斜方撮像カメラ10が配置されている。図3は移動中の部品120の瞬間を捉えたものであり、斜方撮像カメラ10の不図示の1列の撮像素子(ラインセンサ)と、カメラ内部上方の不図示のスリットの幅方向の中心とを結ぶラインセンサの中心面500a上を入射する反射光が、斜方撮像カメラ10により撮像されるように構成されている。この中心面500aを延長し、ミラー13で光の反射のように反射させて得られる延長中心面500bが端子121の表面と交わる撮像位置P1からの反射光500が、延長中心面500bと、中心面500aとを通過して斜方撮像カメラ10のスリットを通り撮像素子に受光されることによって撮像される。このように部品120の移動に伴い、斜方撮像カメラ10の中心軸の延長上となる撮像位置P1を通過することにより、部品120の複数の端子121の撮像位置P1は、移動しつつ順次撮像される。
また、端子撮像装置3の第1照明11と第2照明12とは、複数のLEDからなる照明であり、それぞれコリメータレンズなどからなるフィルター11a、12aが設けられている。第1照明11は、斜方撮像カメラ10の中心面500aの延長中心面500bが端子121の表面と交わる撮像位置P1を通る鉛直線Z3に対してX1方向側から端子121に向けて入射光600を照射するように構成されている。なお、吸着ノズル22の下面は吸着ノズル22の中心軸に対して直交面としており、鉛直線Z3は、Z方向に配置され昇降する吸着ノズル22に吸着された、部品120の底面(水平となる)に対して直交する垂直線である。一方、第2照明12は、図4に示すように、ミラー13で反射させた斜方撮像カメラ10の中心面500aの延長中心面500bが、リード端子部品120bの移動中に端子121bの下面との交わる位置である撮像位置P2を通る鉛直線Z3に対して、X2方向側から端子121に向けて入射光700を照射するように構成されている。これらの第1照明11および第2照明12は、部品120よりも下方から部品120に対して撮像用の光を照射するように配置されるとともに、撮像される部品120(端子121)の種類に応じて切り替えられるように構成されている。具体的には、図3に示すように、撮像対象の部品が、略球形状の部分を有する端子121aが底面に設けられた球状端子部品120a(たとえば、BGAやCSPなど)である場合には、第1照明11に切り替えられ、入射光600が球状の端子121aに照射されるように構成されている。また、図4に示すように、撮像対象の部品が球状端子部品120a以外の部品120である場合には、第2照明12に切り替えられ、入射光700が端子121に照射されるように構成されている。なお、図4では、球状端子部品120a以外の部品の一例として、部品の外縁部から外側に突出する引出線状の端子121bが設けられたリード端子部品120b(たとえば、QFPなど)を撮像する場合を示している。また、入射光600および入射光700は、それぞれ、本発明の「第1入射光」および「第2入射光」の一例である。
第1実施形態では、第1照明11は、図3に示すように、球状端子部品120aの端子121aがZ方向の所定高さ位置をX方向に移動するようにされた状態で、端子121aへの入射光600が、撮像位置P1を通る鉛直線Z3に対して、端子121aから斜方撮像カメラ10への反射光500と同じ側(X1方向側)に傾斜するように配置されている。このため、第1照明11から照射される入射光600は、図3に示すように、球状端子部品120aの端子121aのX1方向側の所定の反射位置で反射される。そして、端子121aから斜方撮像カメラ10への撮像方向の反射光500が斜方撮像カメラ10により撮像されるように構成されている。
また、第1実施形態では、第1照明11は、撮像時における入射光600の、球状端子部品120aの端子121aの撮像位置P1を通る鉛直線Z3に対する傾斜角度αが、端子121aからの反射光500の傾斜角度θよりも大きくなるように配置されている。このときの端子121aへの入射光600の入射角が、角度βとなる。なお、第1照明11から照射される撮像光は、端子121a以外の球状端子部品120aの底面(基材底面)にも照射されるが、第1照明11が撮像位置P1を通る鉛直線Z3に対して撮像方向の反射光500と同じX1方向側から照射することにより、図3に示すように、球状端子部品120aの底面からの反射光(図3の破線参照)は、鉛直線に対して反射角αとなってX2方向側に反射する。また、球状端子部品120aの端子121aの撮像時には、図1〜図3に示すように、ヘッドユニット20が端子撮像装置3の上方をX方向に移動するのに伴い、球状端子部品120aの端子121aの撮像位置P1が順次移動することにより、球状端子部品120aの底面に設けられた複数の端子121aが全て撮像される。
また、第1照明11は、図3に示すように、端子撮像装置3のX1方向の側面に設けられた昇降機構14により、Z方向に昇降可能に支持されている。図3に示すように、第1照明11は、球状端子部品120aの端子121aの撮像時には、上昇位置Q1に配置されて撮像光を照射するように構成されている。これにより、入射光600の延長線上に第1照明11を配置する必要がないので、端子撮像装置3の大型化を抑制することが可能である。また、図4に示すように、端子121aの非撮像時には、下降位置Q2に配置され、吸着ノズル22に吸着された部品120の移動時に第1照明11が干渉することがないように構成されている。
また、第2照明12は、端子撮像装置3の内部において、端子121bへの入射光700が、ミラー13で反射させた斜方撮像カメラ10の中心面500aの延長中心面500bがリード端子部品120bの移動中に端子121bの下面と交わる位置である撮像位置P2を通る鉛直線Z3に対して、端子121bから斜方撮像カメラ10への反射光500と反対側(X2方向側)に傾斜するように固定的に配置されている。また、第2照明12は、リード端子部品120bの端子121bが撮像位置P2に配置された状態で、リード端子部品120bよりも下方に配置され、ヘッドユニット20による部品120(120b)の相対的な移動を妨げない高さ位置に設置されている。第2照明12から照射される入射光700は、図4に示すように、たとえばQFPなどのリード端子部品120bの端子121bを撮像する場合、端子121bの下面で反射される。そして、端子121bから斜方撮像カメラ10への撮像方向の反射光500が、延長中心面500b、中心面500aを通り、斜方撮像カメラ10により撮像されるように構成されている。このときの端子121bへの入射光700の入射角が、角度θとなる。なお、第2照明12から照射される撮像光は、端子121b以外のリード端子部品120bの底面(基材底面)にも照射されるが、QFPのようにリード端子部品120bの外周縁部から引出線状に設けられるリード端子部品の場合には、リード端子部品120bの底面に端子121bが設けられていないので、リード端子部品120bの底面(基材底面)の反射が問題とはならない。リード端子部品120bの端子121bの撮像時には、図1〜図3に示すように、ヘッドユニット20が端子撮像装置3の上方をX方向に移動するのに伴い、リード端子部品120bの端子121bの撮像位置P2が順次移動することにより、リード端子部品120bの外周縁部に設けられた複数の端子121bが全て撮像される。
また、図3および図4に示すように、端子撮像装置3のミラー13は、部品120の端子121からの反射光500を反射して、斜方撮像カメラ10へと導く機能を有する。このようにミラー13を配置することにより、撮像方向の鉛直方向からの傾斜角度θを大きくした場合にも、部品120の端子121の撮像位置の下方に斜方撮像カメラ10を配置して、端子撮像装置3を小型化することが可能である。
また、昇降機構14は、エアシリンダなどからなり、端子撮像装置3のX1方向側の側面に固定的に取り付けられるとともに、ロッド14aにより第1照明11を昇降可能に支持している。昇降機構14は、図示しない空気流通経路からの空気の流入出により、第1照明11をZ方向に昇降させるように構成されている。
また、図1に示すように、ヘッドユニット20は、X方向に延びるヘッドユニット支持部30に沿ってX方向に移動可能に構成されている。具体的には、ヘッドユニット支持部30は、ボールネジ軸31とボールネジ軸31を回転させるサーボモータ32とX方向のガイドレール(図示せず)とを有しているとともに、ヘッドユニット20は、ボールネジ軸31が螺合されるボールナット21を有している。ヘッドユニット20は、サーボモータ32によりボールネジ軸31が回転されることにより、ヘッドユニット支持部30に対してX方向に移動するように構成されている。また、ヘッドユニット支持部30は、基台1上に設けられたY方向に延びる一対の固定レール部40に沿ってY方向に移動可能に構成されている。具体的には、一方の固定レール部40は、ヘッドユニット支持部30の両端部をY方向に移動可能に支持するガイドレール41を有し、他方の固定レール部40は、ガイドレール41と、Y方向に延びるボールネジ軸42と、ボールネジ軸42を回転させるサーボモータ43とを有しているとともに、ヘッドユニット支持部30には、ボールネジ軸42が螺合されるボールナット33が設けられている。ヘッドユニット支持部30は、サーボモータ43によりボールネジ軸42が回転されることによって、ガイドレール41に沿ってY方向に移動するように構成されている。このような構成により、ヘッドユニット20は、基台1上をXY方向に移動することが可能なように構成されている。
また、ヘッドユニット20には、X方向に直線状に配置された6本の吸着ノズル22が下方に突出するように設けられている。また、各々の吸着ノズル22は、負圧発生機(図示せず)によってその先端に負圧状態を発生させることが可能に構成されている。吸着ノズル22は、この負圧によって、テープフィーダ110から供給される部品120を先端に吸着および保持することが可能である。6本の吸着ノズル22のそれぞれは、個別に、部品吸着のための負圧状態の発生と、吸着部品を切り離して装着するための負圧解除と、装着を短時間で実施するための正圧状態の発生とを切り替えることが可能に構成されている。
また、各々の吸着ノズル22は、図示しない機構(サーボモータなど)によって、ヘッドユニット20に対して上下方向(Z方向)に移動可能に構成されている。表面実装機100は、吸着ノズル22が上昇位置に位置した状態で部品120の搬送や、上方撮像装置2や端子撮像装置3による撮像などを行うとともに、吸着ノズル22が下降位置に位置した状態で部品120のテープフィーダ110からの吸着およびプリント基板130への実装を行うように構成されている。また、吸着ノズル22は、図示しない機構によって、吸着ノズル22自体がその軸を中心として回転可能に構成されている。これにより、表面実装機100では、部品120を搬送する途中に吸着ノズル22を回転させることにより、ノズルの先端に保持された部品120の姿勢(水平面内の向き)を調整することが可能である。
また、ヘッドユニット20には、吸着ノズル22に吸着された部品120の姿勢を側面側から撮像するための移動撮像装置50が取り付けられている。この移動撮像装置50は、図2に示すように、ヘッドユニット20に対してX方向(6本の吸着ノズル22が並んでいる方向)に移動可能に取り付けられている。具体的には、ヘッドユニット20には、X方向に延びるボールネジ軸23と、ボールネジ軸23を回転させるサーボモータ24とが設けられているとともに、移動撮像装置50には、ボールネジ軸23が螺合されるボールナット51が設けられている。移動撮像装置50は、サーボモータ24によりボールネジ軸23が回転されることにより、ヘッドユニット20に対してX方向に移動されるように構成されている。これにより、移動撮像装置50は、ヘッドユニット20にX方向に並んで配置された6本の吸着ノズル22に保持された部品120を順次撮像することが可能になる。また、ヘッドユニット20に移動撮像装置50が取り付けられることによって、部品120を吸着ノズル22により保持した状態で、ヘッドユニット20を部品取出部111の上方から端子撮像装置3の上方近傍へ移動させる途中、または端子撮像装置3の上方を端子撮像のために通過させた後、ヘッドユニット20をプリント基板130の上方に移動させる途中のいずれかにおいて、ヘッドユニット20を実装位置に移動させながら、移動撮像装置50をヘッドユニット20に対して相対移動させて部品120の姿勢(吸着ノズル22への吸着状態)を撮像することが可能である。
移動撮像装置50は、図5に示すように、ラインセンサからなる1つの側方撮像カメラ52と、吸着ノズル22に吸着された部品120に対して側方から照明光800を照射する側方照明53と、部品120の撮像光を側方撮像カメラ52に導くためのミラー54〜56とを含んでいる。
図5に示すように、側方照明53は、LEDからなり、移動撮像装置50が撮像対象の部品120を保持する吸着ノズル22に対して所定の位置(側面撮像位置)に移動した場合に部品120の側方に位置するように配置されている。また、ミラー54は、図7に示すように、側方照明53と対向するように配置され、側方照明53からのY2方向の撮像光800を下方(Z2方向)に反射させるように構成されている。図6に示すように、このミラー54の下方には、ミラー55が配置され、ミラー54から下方に反射された反射光801を側方(X2方向)に反射させるように構成されている。ミラー55の側方(X2方向)には、ミラー56が配置され、ミラー55から側方(X2方向)に反射された反射光802を側方撮像カメラ52に向けて反射させるように構成されている。そして、図5に示すように、ミラー56から反射された反射光803が、側方撮像カメラ52により撮像されるように構成されている。これにより、側方照明53による撮像光800が照射された部品120からの透過光(撮像光)は、ミラー54と、ミラー55と、ミラー56とを介して側方撮像カメラ52に撮像されるように構成されている。
また、表面実装機100の動作は、図8に示す制御装置60によって制御されている。制御装置60は、主制御部61、照明制御部62、記憶部63、画像処理部64および駆動制御部65を含んでいる。なお、主制御部61は、本発明の「切替手段」の一例である。
主制御部61は、論理演算を実行するCPUなどから構成されている。主制御部61は、ROMに記憶されているプログラムに従って、照明制御部62、記憶部63、画像処理部64および駆動制御部65を介して、上方撮像装置2、端子撮像装置3、移動撮像装置50および各サーボモータなどを制御するように構成されている。
また、第1実施形態では、主制御部61は、画像処理部64を介して上方撮像装置2の上方撮像カメラ2a、端子撮像装置3の斜方撮像カメラ10および移動撮像装置50の側方撮像カメラ52により撮像された部品120の撮像画像を取得し、この部品120の撮像画像に基づいて、吸着ノズル22による部品120の吸着位置、姿勢および端子121の部品120の底面からの突出高さなどを測定するように構成されている。端子121の突出高さの測定は、異なる2方向からの端子121の撮像画像を取得し、それぞれの撮像画像における端子121の位置に基づいて測定される。そして、主制御部61は、測定された端子121の突出高さが所定の基準範囲内にあるか否かを判定する端子121の平坦度(コプラナリティ)判定を行い、この平坦度判定の結果に基づき、部品120の使用可否を判断するように構成されている。なお、この平坦度判定の詳細については、後述する。
照明制御部62は、主制御部61から出力される制御信号に基づいて、上方照明2b、第1照明11、第2照明12および側方照明53を所定のタイミングで点灯させるように構成されている。また、第1照明11および第2照明12の制御に際しては、主制御部61が記憶部63に格納された部品データに基づいて吸着ノズル22に吸着された撮像対象の部品120が球状端子部品120a(図3参照)であるか球状端子部品120a以外の部品120であるかが判断される。そして、撮像対象の部品120が球状端子部品120aである場合には、主制御部61から第1照明11を点灯させるように制御信号が出力されるように構成されている。一方、図4に示すように、撮像対象の部品120が球状端子部品120a以外の部品(リード端子部品120b)である場合には、主制御部61から第2照明12を点灯させるように制御信号が出力されるように構成されている。すなわち、部品データに基づき主制御部61により出力される制御信号に基づいて、第1照明11と第2照明12とが切り替えられるように構成されている。
記憶部63は、CPUを制御するプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)および装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)から構成されている。また、記憶部63には、プリント基板130に実装される全ての部品120の種類、寸法、形状などの部品データが格納されている。部品120の端子121の形状は部品120の種類により異なるので、部品120が球状端子部品120aであるか、リード端子部品120bなどの球状端子部品120a以外の部品であるかは、この部品データにより特定される。
画像処理部64は、主制御部61から出力される制御信号に基づいて、上方撮像カメラ2a、斜方撮像カメラ10および側方撮像カメラ52から所定のタイミングで撮像信号の読み出しを行うとともに、読み出した撮像信号に所定の画像処理を行うことにより、部品120を認識するのに適した画像データを生成するように構成されている。生成された画像データは主制御部61に出力され、この画像データに基づいて、主制御部61により部品120の端子121の平坦度判定が行われる。
駆動制御部65は、主制御部61から出力される制御信号に基づいて、表面実装機100の各サーボモータ(ヘッドユニット支持部30をY方向に移動するためのサーボモータ43(図1参照)、ヘッドユニット20をX方向に移動するためのサーボモータ32(図1参照)、吸着ノズル22を上下方向に移動させるためのサーボモータ(図示せず)、吸着ノズル22を中心軸回りで回動させるためのサーボモータ(図示せず)、移動撮像装置50をX方向に移動させるためのサーボモータ24(図2参照))、および第1照明11をZ方向に昇降させるための昇降機構14などの駆動を制御するように構成されている。
図9は、部品の端子の平坦度(コプラナリティ)判定処理を説明するためのフローチャートである。次に、図1〜図4および図9を参照して、第1実施形態の表面実装機100による部品120の端子121の平坦度判定を行う際の動作について説明する。
各吸着ノズル22に吸着された複数の部品120の中に、端子121の平坦度判定の必要なものが存在しない場合は、上方撮像装置2の上方を部品120がX1方向あるいはX2方向のうち、1方向に移動するようにして部品120の底面の撮像のみを行い、平坦度判定の必要なものが存在する場合は、上方撮像装置2および端子撮像装置3の上方を部品120がX1方向およびX2方向の両方向に2回に分けて移動するようにして、部品120の底面の撮像と、端子121の2回の撮像とが実施される。
図9においては、平坦度判定の必要な部品120が存在する場合であって、複数の吸着ノズル22により順次部品120の吸着が実施され、最後に吸着ノズル22に部品120の吸着が実施された状態において、ヘッドユニット20が図1における上方撮像装置2のX2側に位置する場合を前提にしている。
図9に示すように、まず、ステップS1において、吸着ノズル22に吸着された平坦度判定のための撮像対象の部品120が、主制御部61により球状端子部品120aであるか否かが判断される。具体的には、主制御部61により吸着ノズル22に吸着された部品120の部品データが記憶部63から読み込まれ、この部品データに基づいて、部品120の種類(端子形状)が判断される。図3に示すように、吸着ノズル22に吸着された部品120がBGAやCSPのような球状端子部品120aである場合には、ステップS2に移行する。一方、部品120が球状端子部品120a以外のリード端子部品120bの場合には、ステップS11に移行する。
撮像対象の部品120が球状端子部品120aの場合には、端子撮像装置3により、異なる2方向からの端子121aの撮像を行う。まず、ステップS2において、第1照明11が、昇降機構14によりZ方向に移動され、上昇位置Q1に配置される。そして、ステップS3において、撮像対象の球状端子部品120aの部品データに基づき、主制御部61により適切な照明レベル(照射光の強さ)が選択される。なお、この照明レベルは、部品データにおいて、部品120毎に予め設定されている。
そして、ステップS4において、ヘッドユニット20がX1方向への移動を開始する。これにより、複数の吸着ノズル22に吸着された各球状端子部品120aが上方撮像装置2および端子撮像装置3の上方を移動する。ステップS5において、上方照明2bからの光が上方を通過する球状端子部品120aの底面に照射され、球状端子部品120aの底面からの反射光が上方撮像カメラ2aにより撮像される。
ステップS6において、図3に示すように、上昇位置Q1で第1照明11から端子121aに光が照射されるとともに、斜方撮像カメラ10により、端子121aの斜め方向からの画像が撮像される。すなわち、第1照明11から照射された入射光600が端子121aに反射され、この反射光500が斜方撮像カメラ10によって撮像される。この際、ヘッドユニット20がX1方向に移動することにより、球状端子部品120aの底面に設けられた複数の端子121aが全て撮像される。撮像された画像は、画像処理部64により所定の画像処理が行われて、主制御部61に出力される。なお、ステップS5は、全ての部品120がそれぞれ上方撮像装置2の上方を通過しているタイミングで実施され、ステップS6は、球状端子部品120aが端子撮像装置3の上方を通過しているタイミングで実施される。
次に、ステップS7において、球状端子部品120aを吸着した吸着ノズル22が、ノズル軸中心に略180度回動される。これにより、球状端子部品120aの向きが同一面内で略180度回動される。そして、ステップS8において、上方撮像装置2および端子撮像装置3の上方を移動し終えたヘッドユニット20が一旦停止し、その後反転してX2方向に移動を開始する。
次に、ステップS9において、図3に示すように、第1照明11により上昇位置Q1で端子121aに光が照射されるとともに、斜方撮像カメラ10により、端子121aの斜め方向からの画像が撮像される。この際、第1照明11の照明レベルは、ステップS4で選択された照明レベルが維持される。そして、ヘッドユニット20がX2方向に移動することにより、球状端子部品120aの底面に設けられた複数の端子121aが全て撮像される。そして、全ての端子121aが撮像されると、ステップS10において、第1照明11が昇降機構14によりZ2方向に下降され、下降位置Q2(図4参照)に配置されるとともに、ヘッドユニット20の全体が端子撮像装置3の上方通過を完了して、ヘッドユニット20の移動が停止される。なお、ステップS9は、球状端子部品120aに対してのみ、球状端子部品120aが端子撮像装置3の上方を通過しているタイミングで実施される。
以上のステップS2〜ステップS10により、各吸着ノズル22に吸着された全ての部品120の底面が上方撮像カメラ2aにより撮像されるとともに、球状端子部品120aの端子121aの異なる方向における2つの撮像画像が端子撮像装置3により取得される。その後、ステップS16において、主制御部61により、端子121aの2つの撮像画像におけるそれぞれの位置に基づいて、球状端子部品120aの対象となる全ての端子121aについての最小二乗平面(平均高さ平面)からの個別の端子121aの突出高さが検出される。
一方、撮像対象の部品がリード端子部品120b(図4参照)の場合には、ステップS1において、吸着ノズル22に吸着された部品120が球状端子部品120aでないと判断されることにより、ステップS11に移行する。リード端子部品120bの場合には、上方撮像装置2によるリード端子部品120bの端子121bの底面画像と、端子撮像装置3による斜め方向からの画像とに基づいて、球状端子部品120aの平坦度判定と同様に、リード端子部品120bの端子121bの平坦度判定が実施される。
ステップS11において、撮像対象のリード端子部品120bの部品データに基づき、主制御部61により適切な照明レベル(照射光の強さ)が選択される。ステップS12において、ヘッドユニット20がX1方向への移動を開始する。これにより、複数の吸着ノズル22に吸着された各部品120(リード端子部品120)が上方撮像装置2、端子撮像装置3の上方を移動する。ステップS13では、図1および図2に示すように、ヘッドユニット20の移動中に、上方照明2bからの光が上方を移動中の部品120(リード端子部品120b)の底面に照射され、吸着ノズル22に吸着された各部品120(リード端子部品120b)の底面が順次撮像される。この際、リード端子部品120bについては、図4に示すように、リード端子部品120bの外周縁部から引き出された端子121bも撮像される。撮像された画像は、画像処理部64により所定の画像処理が行われて、主制御部61に出力される。
次に、ステップS14において、ヘッドユニット20がX1方向に移動して、上方撮像装置2と隣接するように配置された端子撮像装置3の上方を通過するリード端子部品120bの端子121bに対し、図4に示すように、第2照明12から端子121bに光が照射されるとともに、斜方撮像カメラ10により、端子121bの斜め方向からの画像が撮像される。すなわち、第2照明12から照射された入射光700が端子121bの底面に反射され、この反射光500が斜方撮像カメラ10によって撮像される。この際、ヘッドユニット20がX1方向に移動することにより、リード端子部品120bの複数の端子121bが全て撮像される。撮像された画像は、画像処理部64により所定の画像処理が行われて、主制御部61に出力される。その後、ステップS15において、ヘッドユニット20の全体が端子撮像装置3の上方通過を完了して、ヘッドユニット20の移動は停止される。
以上のステップS11〜ステップS15により、複数の吸着ノズル22に吸着された全ての部品120の底面画像(リード端子部品120bについては端子121bの底面までを含んだ底面画像)と、リード端子部品120bについて端子撮像装置3による端子121bの斜め方向からの画像(斜め画像)とが取得される。その後、ステップS16において、主制御部61により、端子121bの底面画像および斜め画像におけるそれぞれの位置に基づいて、リード端子部品120bの対象となる全ての端子121aについての最小二乗平面(平均高さ平面)からの個別のリード端子121bの突出高さが検出される。
部品120(球状端子部品120aおよびリード端子部品120b)に設けられた各端子121(121a、121b)の最小二乗平面(平均高さ平面)からの突出高さが検出されると、ステップS17において、主制御部61により、各端子121(121a、121b)の突出高さが所定の基準範囲内に収まっているか否かが判定されることにより、端子121の平坦度(コプラナリティ)判定が行われる。部品120に設けられた各端子121の突出高さが基準範囲内に収まっていると判定された場合には、ステップS18に移行して、その端子部品120を吸着する吸着ノズル22に対応してフラグが0とされる。各端子121の突出高さが基準範囲内に収まっていないと判定された場合には、ステップS19に移行して、その部品120を吸着する吸着ノズル22に対応してフラグが1とされる。その後、ステップS20において、ヘッドユニット20は基板130の上方へと移動する。この移動中、各吸着ノズル22に吸着された部品120毎に、上方撮像装置3による底面画像に基づき吸着位置および吸着方向の位置ずれが算出され、その位置ずれを補正するためのX方向、Y方向、およびZ軸回りのR方向(各吸着ノズル22の中心軸回りの回転方向)の各実装位置補正値が算出される。
また、ステップS20におけるヘッドユニット20の基板130上方への移動中には、ヘッドユニット20に取り付けられた移動撮像装置50が吸着ノズル22の配列方向(X方向)に沿って移動しながら、側方撮像カメラ52による部品120の側面の撮像が行われる。この部品120の側面画像により吸着姿勢不良判断が実施され、吸着姿勢不良があれば、ステップS21の実行の前に吸着ノズル別フラグを1とし、吸着姿勢不良がなければ、フラグを0とする。これにより、端子121の平坦度不良のある部品120の実装回避に加え、実装不良を起こす吸着姿勢不良となった部品120の実装回避が可能となる。
ステップS21において、基板130の上方において、ヘッドユニット20が各部品120毎の実装位置に移動するとともに、吸着ノズル22が順次下降して部品実装を行い、部品実装後、移動可能位置まで上昇する。この際、実装しようとする吸着ノズル22に対応してフラグが0である場合には、実装位置補正をしつつ部品実装を行う一方、フラグが1である場合には、その吸着ノズル22について部品実装は中止する。
各吸着ノズル22の部品120の実装を全て終了すると、ステップS22において、ヘッドユニット20の基板130上方からテープフィーダ110の部品取出部111上方への移動を開始する。この移動中、ステップS23において各吸着ノズル22毎にフラグが1であるか否かの判別が実施される。そして、フラグが1である吸着ノズル22については、部品実装が中止された不良の部品120が吸着されたまま、移動の途中で部品120が回収部(図示せず)に回収される。
なお、最後に吸着ノズル22による部品120の吸着が実施された状態において、ヘッドユニット20が図1における上方撮像装置2のX1方向側に位置する場合は、図9のフローチャートに対し、ステップS4、S12におけるヘッドユニット20の移動方向をX1方向からX2方向に置き換えるとともに、ステップS8におけるヘッドユニット20の移動方向をX2方向からX1方向に置き換え、ステップS5とS6との順序、ステップS13とS14との順序をそれぞれ逆とすれば良い。
第1実施形態では、上記のように、端子撮像装置3の斜方撮像カメラ10を、部品120の端子121に第1照明11から照射され、部品120の端子121から反射された反射光500を撮像するように構成し、第1照明11を、撮像時において部品120の端子121への入射光600が、撮像位置P1を通り、かつ、部品の底面に対して直交する鉛直線Z3に対して、反射光500と同じ側(図3のX1方向)に傾斜するように配置することによって、吸着ノズル22に吸着された部品120の端子121を、入射光600と同じ側に反射される反射光500を用いて撮像することができる。この場合、第1照明11から照射され、球状端子部品120aの底面(基材底面)で反射される反射光は、鉛直線Z3に対して入射光600と反対側(図3のX2方向)に反射されるので、底面(基材底面)の反射光の斜方撮像カメラ10による撮像画像への写り込みを抑制することができる。これにより、不要な反射光が写り込むのが抑制された端子121aの撮像画像を得ることができるので、撮像画像から球状端子部品120aの端子121aを精度よく識別することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、部品120よりも下方から部品120に対して撮像用の光を照射するように配置された端子撮像装置3に、第1照明11を撮像時の上昇位置Q1と、非撮像時の下降位置Q2とに昇降可能に支持する昇降機構14を設けることによって、非撮像時には、ヘッドユニット20による部品120の相対的な移動の妨げとならない下降位置Q2に第1照明11を配置するとともに、撮像時には、第1照明11の高さ位置を上昇位置Q1まで上昇させて、部品120の基材底面に対する入射光600の入射角αをより大きくすることにより、基材底面からの反射光の撮像画像への写り込みを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第2照明12を、入射光700が、部品120の端子121の撮像位置を通り、かつ、部品の底面に対して直交する鉛直線Z3に対して入射光600と反対側(図4のX2方向)に傾斜するように配置し、斜方撮像カメラ10による撮像時に、吸着ノズル22に吸着された撮像対象の部品120が球状端子部品120aである場合には、主制御部61により第1照明11に切り替えることによって、第1照明11を用いて撮像することにより球状端子部品120aの基材底面の反射光の写り込みを抑制することができる。また、撮像対象の部品120が球状端子部品120aでない場合には、主制御部61により第2照明12に切り替えるように構成することによって、たとえば図4に示すリード端子部品120bに対しては、入射光700が、リード端子部品120bの端子121bの底面側を明瞭に撮像することができる。この結果、撮像画像からの部品の端子の識別精度をより向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、撮像時における第1照明11の入射光600の、撮像位置P1を通り、かつ、部品の底面に対して直交する鉛直線Z3に対する傾斜角度αが、球状端子部品120aの端子121aからの反射光500の傾斜角度θよりも大きくなるように構成することによって、第1照明11からの入射光600の、球状端子部品120aの基材底面に対する入射角αを大きくすることができるので、基材底面による反射光を鉛直線Z3に対してより大きな反射角αで入射光600と反対側(図3のX2方向)に反射させることができる。これにより、基材底面からの反射光の写り込みをさらに抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、端子撮像装置3と下面撮像装置2とを、吸着ノズル22の配列方向(X方向)に沿った方向に並ぶように、基台1上において固定的に設けることによって、6本の吸着ノズル22に吸着された各部品120について、ヘッドユニット20を吸着ノズル22の配列方向(X方向)へ直線移動させてそれぞれの撮像位置を通過させるだけで、部品120の底面の撮像と、平坦度(コプラナリティ)判定のための端子121の撮像との両方を行うことができる。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態による表面実装機の全体構成を示す平面図である。図11は、第2実施形態による表面実装機の全体構成を示す側面図である。図12および図13は、本発明の第2実施形態による表面実装機の移動撮像装置を示す模式図である。この第2実施形態では、上方撮像装置2と、端子撮像装置3と、移動撮像装置50とにより、それぞれ部品120の底面画像と、端子121の斜め方向画像と、部品120の側面画像とを撮像するように構成した上記第1実施形態と異なり、ヘッドユニット20に移動可能に設けられた移動撮像装置250により、底面画像と、斜め方向画像と、側面画像とを撮像するように構成した例について説明する。
第2実施形態の表面実装機200では、図10に示すように、ヘッドユニット20に、吸着ノズル22に吸着された部品120の端子121の斜め方向画像と、部品120の底面画像と、部品120の側面画像とを撮像するための移動撮像装置250が取り付けられている。この移動撮像装置250は、ヘッドユニット20に対してX方向(6本の吸着ノズル22が並んでいる方向)に移動可能に取り付けられている。具体的には、図11に示すように、ヘッドユニット20には、X方向に延びるボールネジ軸23と、ボールネジ軸23を回転させるサーボモータ24とが設けられているとともに、移動撮像装置250には、ボールネジ軸23が螺合されるボールナット251が設けられている。移動撮像装置250は、サーボモータ24によりボールネジ軸23が回転されることにより、ヘッドユニット20に対してX方向に移動されるように構成されている。これにより、移動撮像装置250は、ヘッドユニット20にX方向に並んで配置された6本の吸着ノズル22に保持された部品120を順次撮像することが可能になる。なお、表面実装機200および移動撮像装置250は、それぞれ、本発明の「部品移載装置」および「移動機構部」の一例である。また、ヘッドユニット20に移動撮像装置250が取り付けられることによって、部品120を吸着ノズル22により保持した状態でヘッドユニット20を実装位置に移動させながら、移動撮像装置250をヘッドユニット20に対して相対移動させて部品120を撮像することが可能である。
この第2実施形態による移動撮像装置250は、図12に示すように、1つの撮像カメラ210と、X2方向側に、吸着ノズル22に吸着された部品120の端子121を撮像するための主に照明からなる端子撮像部203を含み、X1方向側に、部品120の側面を撮像するための主に照明からなる側方撮像部251と、部品120の底面を撮像するための主に照明からなる上方撮像部202とを含んでいる。また、撮像カメラ210と対向するように、端子撮像部203と、上方撮像部202とからの照射光の部品120(端子121)における反射光、および、側方撮像部251からの照射光の部品120外周の透過光を、撮像カメラ210に導くためのミラー256が配置されている。なお、端子撮像部203は、本発明の「部品検査装置」の一例である。
端子撮像部203は、第1照明211および第2照明212と、ミラー213と、ミラー256のX2方向側の反射面256aとから構成されている。図13に示すように、第1照明211は、撮像位置P3を通り、かつ、部品120の底面に対して直交する鉛直線Z3に対してX2方向側から、球状端子部品120aの端子121aに向けて入射光600を照射するように配置されている。一方、第2照明212は、撮像位置P3を通る鉛直線Z3に対してX1方向側から、球状端子部品120a以外のリード端子部品120b(図4参照)の端子121bに向けて入射光700を照射するように構成されている。移動撮像装置250がX方向に移動して、撮像位置P3を通過する際に、吸着ノズル22に吸着された部品120(120a、120b)の端子121(121a、121b)に、第1照明211または第2照明212から撮像光が照射される。なお、撮像カメラ210の内部の不図示のスリットを通過して、撮像カメラ210の不図示の撮像面の撮像素子配列の内、端子画像を取り込むラインセンサとして機能する一列の撮像素子に到達する反射光502を、ミラー256、213と逆方向にたどり、この遡及平面が端子121(121a、121b)と交差する位置が撮像位置P3となる。この撮像位置P3を通る鉛直線Z3に対して、X2方向側に角度θ傾いた斜め方向の反射光500が、ミラー213、ミラー256で反射し、反射光502として撮像カメラ210に取り込まれ、上述した一列の撮像素子上に像を結び、この一列の撮像素子に発生する電荷が検出されることにより、端子121(121a、121b)の画像が得られるように構成されている。
また、この第1照明211と第2照明212とは、第1実施形態と同様に、主制御部61により、撮像対象の部品120が球状端子部品120aかリード端子部品120bかによって切り替えられるように構成されている。
第1照明211からの入射光600は、球状端子部品120aの端子121aのX2方向側で斜め方向に反射されるように構成されている。したがって、鉛直線Z3に対して、入射光600と同じ側(X2方向側)に反射される。なお、図13では図示を省略したが、第2照明212からの入射光700は、球状端子部品120a以外のリード端子部品120b(図4参照)などの端子121b(図4参照)の底面側で反射され、X2方向側へ斜め方向に反射されるように構成されている。したがって、鉛直線Z3に対して、入射光700と反対側(X2方向側)に反射される。
図13に示すように、この斜め方向の反射光500が、ミラー213によりX1方向に反射され、ミラー256の反射面256aに向かうように構成されている。そして、図12に示すように、ミラー213により反射された反射光501が、ミラー256の反射面256aから撮像カメラ210に向かってY1方向に反射されるように構成されている。そして、反射面256aからの反射光502が、撮像カメラ210により撮像される。これにより、撮像位置P3に配置された端子121を、角度θだけ傾斜した斜め方向から撮像することが可能である。
また、側方撮像部251は、側方照明53と、ミラー54と、ミラー55と、ミラー256の反射面256bとから構成されている。側方照明53は、移動撮像装置250が撮像対象の部品120を保持する吸着ノズル22に対して所定の位置P4(側面撮像位置)を通過する際に、部品120の側方に位置するように配置されている。ミラー54は、図12に示すように、側方照明53と対向するように配置され、側方照明53からのY2方向の撮像光800(部品120の外周を通過した透過光)を下方(Z2方向)に反射させるように構成されている。図13に示すように、このミラー54の下方(Z2方向)には、ミラー55が配置され、ミラー54から下方に反射された反射光801を側方(X2方向)に配置されたミラー256の反射面256bに向かって反射させるように構成されている。ミラー256の反射面256bは、図12に示すように、ミラー55から側方(X2方向)に反射された反射光802を撮像カメラ210に向けてY1方向に反射させるように構成されている。そして、ミラー256の反射面256bから反射された反射光803が、撮像カメラ210において、上述したスリットを通過して撮像カメラ210の撮像面の撮像素子配列の内、上述した一列の撮像素子とは別の位置の一列の撮像素子上に像を結び、この一列の撮像素子に発生する電荷が検出されて、側面画像が得られるように構成されている。
また、上方撮像部202は、互いに対向するように配置された上方照明202bと、ミラー202aと、ミラー256の反射面256bとから構成されている。上方照明202bは、図13に示すように、移動撮像装置250が撮像対象の部品120を保持する吸着ノズル22に対して底面撮像位置P5を通過する際に、それぞれ部品120のX1方向側およびX2方向側の斜め下方に位置するように配置されている。この上方照明202bは、それぞれ斜め方向から照射した撮像光900を部品120の底面に照射する。そして、部品120の底面から下方(Z2方向)に反射された反射光901がミラー202aを介して導かれ、撮像カメラ210により撮像されるように構成されている。ミラー202aは、図13に示すように、底面撮像位置P5に配置された部品120の底面と対向するように下方に配置され、部品120の底面からの下方向(Z2方向)の反射光901をミラー256の反射面256aに向かって側方(X2方向)に反射させるように構成されている。ミラー256の反射面256bは、図12に示すように、ミラー202aから側方(X2方向)に反射された反射光902を撮像カメラ210に向けてY1方向に反射させるように構成されている。そして、ミラー256の反射面256bから反射された反射光903が、撮像カメラ210において、上述したスリットを通過して撮像カメラ210の撮像面の撮像素子配列の内、上述した2つの一列の撮像素子とは別の位置の一列の撮像素子上に像を結び、この一列の撮像素子に発生する電荷が検出されて、部品120の底面撮像が得られるように構成されている。
以上の構成により、この第2実施形態による移動撮像装置250は、1つの撮像カメラ210により、部品120の端子121の斜め方向からの撮像画像(斜め画像)と、部品120の側方からの撮像画像と、部品120の底面画像とを撮像することが可能である。また、この移動撮像装置250をヘッドユニット20に移動可能に取り付けることにより、所定の撮像位置にヘッドユニット20を移動させることなく、移動撮像装置250をヘッドユニット20に対して移動させるだけで、部品120の撮像が可能である。これにより、テープフィーダ110からヘッドユニット20の吸着ノズル22により部品120が取り出されると、プリント基板130上の部品120の実装位置へ移動する間に移動撮像装置250により部品120の端子121の撮像を行い、平坦度(コプラナリティ)判定を行うことが可能である。
なお、その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第2実施形態では、移動撮像装置250に、撮像カメラ210と、第1照明211と、第2照明212と、上方照明202bと、側方照明53とを設け、複数のミラー54、55、202a、213および256により、吸着ノズル22に吸着された部品120の端子121の斜め方向の画像(斜め画像)と、部品120の底面の画像と、部品120の側面の画像とをそれぞれ撮像可能に構成することによって、6本の吸着ノズル22に吸着された各部品120について、撮像カメラ210により撮像しながら移動撮像装置250をヘッドユニット20に対して移動させるだけで、平坦度(コプラナリティ)計測のための端子121の撮像画像(斜め画像)と、部品120の下面画像と、部品120の側面画像とをそれぞれ取得することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、第1照明11を、端子撮像装置3の側面に設けられた昇降機構14により昇降可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、図14の第1変形例に示すように、第1照明311aを端子撮像装置3の内部において、固定的に設けてもよい。
図14に示すように、この第1変形例による端子撮像装置303aでは、第1照明311aが端子撮像装置303aの内部において、固定的に設置されている。この第1照明311aは、球状端子部品120aの端子121aへの入射光601が、端子121aの撮像位置P6を通り、かつ、部品120(球状端子部品120a)の底面に対して直交する鉛直線Z3に対して、端子121aから斜方撮像カメラ10への反射光500と同じ側(X1方向側)に傾斜するように配置されている。また、この入射光601の、球状端子部品120aの端子121aの撮像位置P6を通る鉛直線Z3に対する傾斜角度α1が、端子121aからの反射光500の傾斜角度θよりも大きくなるように配置されている。また、第2照明12は、第1実施形態と同様に、部品120の端子121が撮像位置P6に配置された状態で、部品120よりも下方に配置され、ヘッドユニット20による部品120の相対的な移動を妨げない高さ位置に配置されている。そして、この第1照明311aは、第2照明12と同等の高さ位置に設けられている。第1照明311aから照射される入射光601は、球状端子部品120aの端子121aのX1方向側の所定の反射位置で反射される。この結果、端子121aから斜方撮像カメラ10への撮像方向の反射光500が斜方撮像カメラ10により撮像されるように構成されている。なお、端子撮像装置303aは、本発明の「部品検査装置」の一例である。また、入射光601は、本発明の「第1入射光」の一例である。また、この他の構成は、第1実施形態と同様である。
この第1変形例では、第2照明12を、吸着ノズル22に吸着された部品120の移動を妨げない高さ位置に固定的に設けるとともに、第1照明311aを、第2照明12と同等な高さ位置に固定的に設けることによって、第1照明311aと第2照明12とを固定的に設ける場合にも、ヘッドユニット20による部品120の移載の妨げとならない高さ位置で、部品120の基材底面からの反射光の写り込みが抑制された撮像画像を取得することができる。
また、上記第1実施形態では、第1照明11を、端子撮像装置3のX1方向側から、球状端子部品120aの端子121aに直接光を照射するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、図15の第2変形例に示すように、第1照明からの第1入射光を、ミラーを介して部品の端子に照射するように構成してもよい。
図15に示す第2変形例では、第1照明311bは、端子撮像装置303bの内部において、斜方撮像カメラ10のX2方向側の近傍に配置され、ミラー13を介して球状端子部品120aの端子121aに光を照射するように構成されている。このため、第2変形例の第1照明311bでは、まず、X1方向側に照射された光がミラー13によりX2方向側に反射される。このミラー13からの反射光が端子121aへの入射光602となるように構成されている。この場合においても、入射光602は、端子121aの撮像位置P7を通り、かつ、部品120(球状端子部品120a)の底面に対して直交する鉛直線Z3に対して、端子121aから斜方撮像カメラ10への反射光500と同じ側(X1方向側)に傾斜するように構成されている。また、入射光602の、球状端子部品120aの端子121aの撮像位置P7を通る鉛直線Z3に対する傾斜角度α2が、端子121aからの反射光500の傾斜角度θよりも大きくなるように配置されている。この第2変形例では、ミラー13を介して端子121aに照射された入射光602は、端子121aのX1方向側で反射する。この端子121aからの反射光500が再度ミラー13で反射され、斜方撮像カメラ10により撮像されるように構成されている。なお、端子撮像装置303bは、本発明の「部品検査装置」の一例である。また、入射光602は、本発明の「第1入射光」の一例である。この場合、第1照明311bは吸着ノズル22に吸着された部品120の下方に配置されているので、端子121aに対して直接入射光を照射する場合と比較して、端子撮像装置3を小型化することが可能である。
また、上記第1実施形態では、図3に示すように、第1照明11は、端子撮像装置3のX1方向の側面に固定的に取り付けられた昇降機構14により支持されることにより、斜方撮像カメラ10のX1方向側に配置されている例を示したが、本発明はこれに限らず、図15の第2変形例に示したように、第1照明を、斜方撮像カメラ10のX2方向側に配置してもよい。第1照明は、部品の端子への第1入射光が撮像位置を通り、かつ、部品120(球状端子部品120a)の底面に対して直交する鉛直線Z3に対して、端子121aから斜方撮像カメラ10への反射光500と同じ側(X1方向側)に傾斜するように構成すればよく、第1照明自体の位置をX1方向側に配置する必要はない。この点、斜め撮像部についても同様である。すなわち、斜め撮像部は、部品120の端子121からの斜め方向の反射光500を撮像するように構成されていればよく、斜め撮像部自体の位置は自由に配置することができる。反射光500の延長線上に配置して、ミラー13を介することなく撮像するように構成してもよいし、第2実施形態に示したように、2個のミラー213(図13参照)およびミラー256(図13参照)を用いて撮像光を反射させ、任意の位置に配置するように構成してもよい。また、部品の端子の撮像には、2個以上のミラーを用いてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1照明11は、入射光600の、球状端子部品120aの端子121aの撮像位置P1を通り、かつ、部品120(球状端子部品120a)の底面に対して直交する鉛直線Z3に対する傾斜角度αが、球状端子部品120aの端子121aからの反射光500の傾斜角度θよりも大きくなるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、図16の第3変形例に示すように、第1照明からの第1入射光の傾斜角度と、部品の端子からの反射光の傾斜角度とが、略同一の傾斜角度となるように構成してもよい。
図16に示す第3変形例では、端子撮像装置303cの第1照明311cは、ハーフミラー315を用いることにより、端子121aの撮像位置P8を通り、かつ、部品120(球状端子部品120a)の底面に対して直交する鉛直線Z3に対する入射光603の傾斜角度が、球状端子部品120aからの反射光500の鉛直線Z3に対する傾斜角度θと略一致するように構成されている。この第3変形例においては、第1照明311cが、ハーフミラー315と、ミラー13とを介して球状端子部品120aの端子121aに光を照射するように構成されている。そして、ハーフミラー315により反射されてから、端子121aに入射するまでの入射光603の経路と、端子121aにより反射されてから、ミラー13により反射され、ハーフミラー315を通過するまでの反射光500の経路とが、一致するように構成されている。なお、端子撮像装置303bは、本発明の「部品検査装置」の一例である。また、入射光603は、本発明の「第1入射光」の一例である。このように構成した場合にも、入射光603の球状端子部品120aの底面(基材底面)で反射される反射光は、反射角θでX2方向に反射されるため、部品撮像カメラ10による撮像画像への球状端子部品120aの底面(基材底面)からの反射光の写り込みを抑制することができる。第1入射光は、端子の撮像位置を通る垂直線に対して、端子からの反射光と同じ側に傾斜するように構成されていればよい。
また、上記第1実施形態では、撮像位置P1を通り、かつ、部品120の底面に対して直交する鉛直線Z3に対する、球状端子部品120aの端子121aからの反射光500の傾斜角度θが、略40度となるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、傾斜角度θは、たとえば35度や45度などの40度とは異なる角度に設定してもよい。この傾斜角度は、第1照明により球状端子部品を撮像する場合、および、第2照明により球状端子部品以外の部品を撮像する場合のいずれの場合にも、撮像対象の端子の撮像画像が明瞭に撮像可能な角度から撮像すればよい。
また、上記第1実施形態では、昇降機構14を、エアシリンダにより構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、昇降機構部を、ボールネジおよびサーボモータや、リニアモータなどから構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の部品移載装置を表面実装機100および200に適用した例を示したが、本発明の部品移載装置は表面実装機以外の部品試験装置(ICハンドラー)などにも広く適用することが可能である。また、コプラナリティ計測のための斜め撮像部と、第1照明とを備えた単独の装置としての部品検査装置に適用してもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、表面実装機100の主制御部61により、部品120の端子121の平坦度判定が行われるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、端子撮像装置3または移動撮像装置250に別途専用の制御部を設けて、この制御部により平坦度判定が行われるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、表面実装機100の主制御部61により、第1照明11と第2照明12とが切り替えられるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、切替手段として、第1照明と第2照明とを切り替えるための専用の制御部を別途設けてもよい。また、切替手段として、第1照明および第2照明を切り替えるための切替スイッチなどを設けてもよい。
また、上記第2実施形態では、移動撮像装置250に、撮像カメラ210と、第1照明211と、第2照明212と、上方照明202bと、側方照明53とを設け、吸着ノズル22に吸着された部品120の端子121の斜め方向の画像(斜め画像)と、部品120の底面の画像と、部品120の側面の画像とをそれぞれ撮像可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、移動機構部に斜め撮像部と、第1照明とを含む部品検査部のみを設けるとともに、斜め撮像部が部品の斜め画像のみを撮像するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、上方撮像カメラ2a、斜方撮像カメラ10、側方撮像カメラ52、撮像カメラ210にラインセンサを用い、これらのカメラに対して部品120を相対的に移動しながら撮像するように構成した例を示したが、CCDエリアカメラを使用し、カメラに対して部品120を静止した状態で撮像することにより、撮像に時間は掛かるが、撮像後の画像認識処理を簡単化することができる。また、上方撮像カメラ2a、斜方撮像カメラ10、側方撮像カメラ52、撮像カメラ210にラインセンサではなく、複数段のラインセンサによって電荷を蓄積する蓄積型ラインセンサ、いわゆるTDIセンサを使用しても良い。これにより僅かな光量でも画像認識できるので、カメラと部品120との相対速度を速め、撮像時間を短くして効率化することができる。