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JP5035480B1 - データ中継装置、データ送信装置、ネットワークシステム - Google Patents

データ中継装置、データ送信装置、ネットワークシステム Download PDF

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Abstract

【課題】ネットワークシステムにおけるルーティングおよびゲートウェイ(プロトコル変換)に関して、送信元ノードが全プロトコルのフォーマット仕様を理解していなくても簡単にフレームデータを生成でき、ヘッダ情報の肥大化による通信効率の低下を可及的に防ぎ、且つ、新規のプロトコルへの対応を簡単化するための技術を提供する。
【解決手段】送信元ノード(データ送信装置)が自ノードから宛先ノードに至るまでに経由するすべてのノードを特定する経路情報を含む「共通ルーティング情報」をメッセージフレームに含めて送信し、各中継ノード(データ中継装置)が共通ルーティング情報を参照して送信先の特定とヘッダの生成・共通ルーティング情報の更新を行いながらメッセージフレームを順に転送する。
【選択図】図7

Description

本発明は、プロトコルの異なるネットワーク間の中継を行うための技術に関する。
FA(Factory Automation)においては、生産ラインに設置される生産設備(モータ、ロボット、センサなど)のデータ収集及び制御を行う各種のスレーブ装置と、複数のスレーブ装置を集中管理するマスター装置(PLC:Programmable Logic Controller)など
から構成される産業用ネットワークシステムにより生産設備の制御が行われる。また、各生産ラインあるいは生産拠点に設置された産業用ネットワークシステムは情報系ネットワークを介して上位のコンピュータに接続されており、システム管理者やエンジニアはこのコンピュータを用いて各々の産業用ネットワークシステムの状態監視やメンテナンスなどを行うことが可能になっている。
PLCとスレーブ装置の間を接続する制御系ネットワーク(フィールドネットワーク)としては、DeviceNet、CompoNet、EtherCAT(登録商標)などの規格が知られている。また機器同士を内部バスでダイレクトに接続する場合もネットワークとみなし、BackplaneBusと定義する。一方、PLCと上位のコンピュータの間を接続する情報系ネットワークとしては、EtherNet/IPなどの規格が知られている。このように産業用ネットワークとして知られているネットワークやプロトコルの規格は複数存在している。そのため、1つのネットワークシステムの中に、プロトコルの異なる複数種類のネットワークが混在する場合がある。そのようなシステムにおいては、異種のネットワークの間を中継するためのデータ中継装置(ルータ、通信カプラ、中継器などとも呼ばれる)を配置し、ゲートウェイ(プロトコル変換)やルーティングを行う必要がある。
産業用ネットワークシステムにおける一般的なゲートウェイ(プロトコル変換)の方法を説明する。図1は、複数種類の産業用ネットワークで構成されたネットワークシステムの構成例を示している。最上位のコンピュータ10とPLC20の間はEtherNet/IPで接続され、PLC20にはBackplaneBusで3台のスレーブ装置21,22,23が接続されている。そして、スレーブ装置23と通信カプラ30の間がEtherCAT(登録商標)で接続され、通信カプラ30にはBackplaneBusで3台のスレーブ装置31,32,33が接続されている。さらに、スレーブ装置33がDeviceNetで通信カプラ40に接続され、通信カプラ40にBackplaneBusで3台のスレーブ装置41,42,43が接続されている。
この構成において、コンピュータ10が最下流のスレーブ装置43に対してメッセージを送信する場合、以下のとおり、のべ6種類のネットワークを経由することになる。
(1)コンピュータ10→(EtherNet/IP)→PLC20
(2)PLC20→(BackplaneBus)→スレーブ装置23
(3)スレーブ装置23→(EtherCAT)→通信カプラ30
(4)通信カプラ30→(BackplaneBus)→スレーブ装置33
(5)スレーブ装置33→(DeviceNet)→通信カプラ40
(6)通信カプラ40→(BackplaneBus)→スレーブ装置43
このときコンピュータ10は、図9の(1)に示すように、送信元ノードであるコンピュータ10から宛先ノードであるスレーブ装置43に至るまでに経由する全てのネットワークプロトコルのヘッダ情報H1〜H6をメッセージ情報Mに対して順に付加したフレー
ムを作成して、送信する。そして、図9の(2)〜(6)に示すように、ネットワークの中継を行うPLC20、スレーブ装置23、通信カプラ30、スレーブ装置33、通信カプラ40が、受け取ったフレームを順次デカプセル化していくことで、プロトコルの違いに対応することができる。
上記方法は、フレームのデカプセル化だけでゲートウェイが実現できるため、ネットワークを中継する通信カプラ等の仕組みをシンプルにできるというメリットがある。しかしながら、その一方で、この従来方法には以下に述べるような課題がある。
第一に、メッセージを発信する送信元ノードが、全てのネットワークプロトコルのヘッダ情報を生成しなければならないので、送信元ノードのフレーム生成機能において技術的に高度な処理および全プロトコルのフォーマット仕様の理解が必要とされる。また、送信元ノードで発信したメッセージがルーティング異常を受信した場合、どこでどんな異常が発生したかを解析するために、メンテナンス担当者は、全プロトコルのフォーマット仕様の理解が求められる。第二に、経由するネットワークの種類が増えるに従って(何重にもカプセル化するため)ヘッダ情報が肥大化し、ユーザが実質的に利用できるデータ領域(パケットで言うところのペイロードのサイズ)が小さくなってしまう。ネットワークが混在した環境では、MTU(Maximum Transmission Unit)が最も小さいネットワークに合
わせたフレームサイズに制限される。例えばフレームサイズが約500バイトである場合、上記のように6個のヘッダ情報を重ねなければならないと、1つのヘッダ情報が30バイトとしても、フレームサイズの約1/3にあたる180バイトをヘッダ情報で占めることとなり、通信効率の低下を招く。第三に、新規のプロトコルへの対応が困難であるという点が挙げられる。すなわち、新規のプロトコルが登場するたびに送信先ノードのフレーム生成機能を改変し、新規のプロトコルのヘッダ情報を生成する機能とこれをカプセル化する機能を追加しなければならないため、開発工数がかかるとともに、影響範囲(改変を要する機器やプログラムの範囲)も大きい。
なお、一般的なIPネットワークにおけるゲートウェイやルーティング機能に関する先行技術としては、例えば特許文献1〜3のものが知られている。しかしながら、たとえこれらの技術を産業用ネットワークに転用したとしても、上述した課題は解決することができない。
特許第4330520号公報 特表2004−503122号公報 欧州特許出願公開第95201792号明細書
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、ネットワークシステムにおけるルーティング機能およびゲートウェイ(プロトコル変換)に関して、送信元ノードが全プロトコルのフォーマット仕様を理解していなくても簡単にフレームデータを生成でき、ヘッダ情報の肥大化による通信効率の低下を可及的に防ぎ、且つ、新規のプロトコルへの対応を簡単化するための技術を提供することを目的とする。
本発明は、送信元ノード(データ送信装置)が自ノードから宛先ノードに至るまでに経由するすべてのノードを特定する経路情報を含む「共通ルーティング情報」をメッセージフレームに含めて送信し各中継ノード(データ中継装置)が共通ルーティング情報を参照
してルーティング先の特定とヘッダの生成・共通ルーティング情報の更新を行いながらメッセージフレームを順に転送する、という構成を採用することを要旨とする。
具体的には、本発明に係るデータ送信装置は、プロトコルの異なる複数種類のネットワークから構成されているネットワークシステムに接続され、宛先ノードに対してメッセージを発信するデータ送信装置であって、前記ネットワークシステムを構成するすべてのネットワークおよびノードが定義されたネットワーク構成情報を記憶する記憶手段と、前記ネットワーク構成情報を参照することにより、自ノードから宛先ノードに至るまでに経由するすべてのノードを特定する経路情報を含む共通ルーティング情報を生成する共通ルーティング情報生成手段と、前記共通ルーティング情報と宛先ノードに対して送信するメッセージを含むデータ部に対し、自ノードと最初の中継ノードの間のネットワークのプロトコルに従ったヘッダ部が付加されたデータ構造を有するフレームを生成するフレーム生成手段と、前記フレームを前記中継ノードに対して送信する送信手段と、を有する。
また、本発明に係るデータ中継装置は、プロトコルの異なる複数種類のネットワークから構成されているネットワークシステムにおいて送信元ノードから発信されたメッセージを宛先ノードへと転送する経路の途中で、第1のネットワークと第2のネットワークの間を中継するデータ中継装置であって、前記第1のネットワークが接続される第1のポートと、前記第2のネットワークが接続される第2のポートと、前記第1のネットワーク上の第1のノードから前記第1のポートを介して受信した第1のフレームに対し、前記第2のネットワークのプロトコルに従ったデータ形式への変換を行った後、変換後の第2のフレームを前記第2のポートを介して前記第2のネットワーク上の第2のノードに対して送信する中継手段と、を有している。ここで、前記第1のフレームは、共通ルーティング情報と前記メッセージとを含むデータ部に対し、前記第1のネットワークのプロトコルに従った第1のヘッダ部が付加されたデータ構造を有しており、前記共通ルーティング情報は、前記送信元ノードから前記宛先ノードに至るまでに経由するすべてのノードを特定する経路情報を含んでいる。そして、前記中継手段は、前記第1のフレームのデータ部から取得した前記共通ルーティング情報を参照することによって次の送信先が前記第2のネットワーク上の前記第2のノードであることを認識し、前記第2のネットワークのプロトコルに従った第2のヘッダ部を生成し、前記共通ルーティング情報と前記メッセージとを含むデータ部に対し、生成した前記第2のヘッダ部を付加することによって、前記第2のフレームを生成する。
この構成によれば、送信元ノードは、全てのヘッダ情報を生成したり、全てのプロトコルのフォーマット仕様を理解したりする必要はなく、単に、送信元ノードから宛先ノードまでに経由するノードを特定できさえすればよい。
また上記構成によれば、従来のような多重のカプセル化は必要なく、フレームのデータ部に共通ルーティング情報を含めるだけでよい。共通ルーティング情報のデータサイズは(もちろんそのフォーマットにも依るが)ヘッダ情報を中継回数分並べるよりも大幅に小さくできるため、ユーザが利用できるデータ領域を十分に確保し、実質的な通信効率を高めることができる。なおこの効果は、中継回数が増えるほど顕著になる。
さらに上記構成によれば、送信元ノードを新規のプロトコルに対応させるために必要な作業は、その新規のプロトコルで通信するノードの経路情報を共通ルーティング情報の中でどのように記述するか、という共通ルーティング情報の記述ルールを決定し、送信元ノードのフレーム生成機能をこの記述ルールに対応させるだけでよい。
データ送信装置における前記送信手段が、前記共通ルーティング情報に含まれている経路情報のうち次の送信先としての前記中継ノードを特定する情報を、返信先としての自ノ
ードを特定する情報に置き換えた後、前記フレームを前記中継ノードに対して送信することが好ましい。また、データ中継装置における前記中継手段が、前記共通ルーティング情報に含まれている経路情報のうち次の送信先としての前記第2のノードを特定する情報を、返信先としての自ノードを特定する情報に置き換えた後、前記共通ルーティング情報を前記第2のフレームのデータ部に含めることも好ましい。
この構成によれば、各ノードが経路情報の置き換えを行っていくことで、宛先ノードにフレームが到達したときには、その共通ルーティング情報に、宛先ノードから送信元ノードに対しレスポンスメッセージを送る際の返信経路が自動的に構築されている。したがって、この共通ルーティング情報を利用することで、レスポンスメッセージの転送を簡単に実現できる。
前記共通ルーティング情報は、エラー情報を記録する領域を含んでおり、前記中継手段は、前記第2のノードに対する送信が失敗した場合に、前記共通ルーティング情報にエラー情報を記録した後、前記共通ルーティング情報をデータ部に含めたフレームを生成して前記第1のノードに対して送信することが好ましい。
この構成によれば、メッセージの転送途中で異常が発生した場合に、共通ルーティング情報のエラー情報を参照することにより、経路中のどこの部分で異常が発生したのかを容易に特定できる。
前記共通ルーティング情報に含まれる経路情報は、経由する各ノードのネットワークの種類とネットワークアドレスとを特定する情報から構成されていることが好ましい。このように経路情報を必要最小限の情報に限定することで、共通ルーティング情報のデータサイズをできる限り小さくすることができる。
前記複数種類のネットワークは、産業用ネットワークであることが好ましい。産業用ネットワークはフレームサイズの上限(MTU)が小さいので、本発明の効果が特に顕著となる。
なお、本発明は、上記手段の少なくとも一部を含むデータ中継装置もしくはデータ送信装置として特定することもできるし、データ送信装置(送信元ノード)と宛先ノードと1又は複数のデータ中継装置(中継ノード)とを有するネットワークシステムとして特定することもできるし、上記処理の少なくとも一部を含むデータ中継方法もしくはデータ送信方法として特定することもできる。また、上記処理の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムや、そのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体として特定することもできる。上記処理や手段の各々は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせることが可能である。
本発明によれば、ネットワークシステムにおけるルーティング機能およびゲートウェイ(プロトコル変換)に関して、送信元ノードが全プロトコルのフォーマット仕様を理解していなくても簡単にフレームデータを生成でき、ヘッダ情報の肥大化による通信効率の低下を可及的に防ぎ、且つ、新規のプロトコルへの対応を簡単化することができる。
産業用ネットワークシステムの構成例を示す図。 データ送信装置の機能構成を模式的に示すブロック図。 フレームフォーマットの一例。 データ中継装置の機能構成を模式的に示すブロック図。 データ中継装置の動作を示すフローチャート。 実施例におけるネットワークシステムの構成例を示す図。 CPUユニットからメッセージフレームを送信した場合の、各ノードにおける共通ルーティング情報の遷移を示す図。 スレーブユニットからレスポンスメッセージフレームを送信した場合の、各ノードにおける共通ルーティング情報の遷移を示す図。 従来のゲートウェイ(プロトコル変換)およびルーティングの手法を説明する図。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を説明する。以下の実施形態では、FAにおける産業用ネットワークに本発明を適用した例を挙げるが、本発明の適用範囲はこれに限られない。本発明は、プロトコルの異なる複数種類のネットワークが混在するネットワークシステムであれば、一般的なOAネットワークなど、産業用ネットワーク以外のものにも適用することができる。ただし、産業用ネットワークのような特殊分野のネットワークは、送信可能なフレームサイズの上限(MTU)が小さいことから、本発明の効果が顕著となるため、本発明を特に好ましく適用できる対象といえる。
(システムの構成)
まず、図1を用いて、産業用ネットワークシステムの構成例を説明する。図1は、複数種類の産業用ネットワークで構成されたネットワークシステムの構成例を示している。最上位のコンピュータ10とPLC20の間はEtherNet/IPで接続され、PLC20にはBackplaneBusで3台のスレーブ装置21,22,23が接続されている。そして、スレーブ装置23と通信カプラ30の間がEtherCAT(登録商標)で接続され、通信カプラ30にはBackplaneBusで3台のスレーブ装置31,32,33が接続されている。さらに、スレーブ装置33がDeviceNetで通信カプラ40に接続され、通信カプラ40にBackplaneBusで3台のスレーブ装置41,42,43が接続されている。
スレーブ装置は、工場の生産ラインで用いられる各種の生産設備(モータ、ロボット、センサなど)の制御やデータ収集などを行う機器であり、例えば、モータユニット、カウンタユニット、画像ユニット、通信ユニット、I/Oユニットなどがある。また通信カプラは、異種のネットワークを中継するための中継器である。最上位にあるコンピュータ10は、例えばシステム管理者が産業用ネットワークシステムの状態を監視したり、エンジニアが産業用ネットワークシステムを構成する各機器のメンテナンスを行うためなどに用いられる。コンピュータ10としては、表示装置、入力装置などを具備する汎用のパーソナルコンピュータを用いることができる。
この構成において、コンピュータ10が最下流のスレーブ装置43に対してメッセージを送信するケースを考える。すなわち、コンピュータ10が「送信元ノード」、スレーブ装置43が「宛先ノード」となり、異種ネットワーク間の中継を担うPLC20、スレーブ装置23、通信カプラ30、スレーブ装置33、通信カプラ40がそれぞれ「中継ノード」となる。この場合、コンピュータ10が本発明のデータ送信装置として機能し、PLC20、スレーブ装置23、通信カプラ30、スレーブ装置33、通信カプラ40のそれぞれが本発明のデータ中継装置として機能することになる。なお、送信元ノード(データ送信装置)、中継ノード(データ中継装置)、宛先ノードは上記の例に限られない。例えば、PLC20がスレーブ装置31に対してメッセージ送信を行う場合には、PLC20が送信元ノード(データ送信装置)として機能し、スレーブ装置23と通信カプラ30が中継ノード(データ中継装置)として機能する。
(データ送信装置)
図2は、データ送信装置の機能構成を模式的に示すブロック図である。データ送信装置は、その機能として、ネットワーク構成情報を記憶する記憶部200、メッセージ情報を生成するメッセージ情報生成部210、共通ルーティング情報を生成する共通ルーティング情報生成部220、ヘッダ情報を生成するヘッダ情報生成部230、メッセージフレームを生成するフレーム生成部240、データの送信を行うデータ送信部250などを有している。これらの機能は、データ送信装置の記憶装置(ROM、フラッシュメモリ、磁気ディスクなど)に格納されたプログラムをデータ送信装置のCPUが実行することにより実現されるものである。
記憶部200には、図1に示したネットワークシステムを構成するすべてのネットワークおよびノードが定義されたネットワーク構成情報が格納されている。ネットワーク構成情報には、例えば、各ノードの機器(PLC、スレーブ装置、通信カプラなど)のプロファイル情報(メーカ名、機器名、リビジョン番号など)、各ノードが接続されているネットワーク(ネットワークプロトコル)の種類、各ノードのネットワークアドレスなどが記述されている。このネットワーク構成情報については、ネットワークシステムの設計時や構築時にユーザが作成しておくこともできるし、データ送信装置あるいは他のコンピュータがネットワークシステムから自動的に収集した情報から動的に作成することもできる。
図2および図3を参照して、データ送信装置がメッセージフレームを生成・送信する際の動作について説明する。図3は、本実施形態のネットワークシステムで用いるフレームのフォーマットの一例を示している。
フレームとは、データの伝送単位であり、パケットと呼ばれることもある。図3に示すように、1つのフレームは、ヘッダ部300とデータ部310とから構成される。ヘッダ部300は、データ伝送に関わる情報が記述される領域であり、例えば、ネットワークプロトコルの種類、送信元ノードのネットワークアドレス、宛先ノードのネットワークアドレスなどが含まれている。ヘッダ部300の具体的なフォーマットはネットワークプロトコル毎に決められている。データ部310は、任意の情報を記述することが可能な領域である。
フレームのデータサイズの上限(MTU)はネットワークプロトコル毎に予め決まっており、例えば、DeviceNetやCompoNetでは542バイト、EtherCAT(登録商標)では1500バイトである。またEtherNet/IPでは仕様上の制限はないが、対応機器を製造しているベンダごとに数百バイト〜数kバイトの上限を設けている場合がある。図1のように複数種類のネットワークが混在している場合には、MTUが最も小さいネットワークに合わせてフレームサイズを設定する必要がある。
データ送信装置では、メッセージ情報生成部210で生成したメッセージ情報312と共通ルーティング情報生成部220で生成した共通ルーティング情報311とが、データ部310に記述される。メッセージ情報312は、送信元ノードが宛先ノードに対して与える情報であり、任意の情報を含めることができる。一例として、宛先ノードの装置が有するアプリケーションに対するコマンドやパラメタなどをメッセージ情報312として送ることができる。
共通ルーティング情報311とは、送信元ノードから宛先ノードに至るまでの経路が記述されたデータである。図3の例では、共通ルーティング情報311は、「Status
Code」、「SzRP」、「OfRP」、「RP」のフィールドから構成されている。
「Status Code」は、メッセージの転送途中で異常が発生した場合にエラー情報を記録する領域である。「RP」は、送信元ノードから宛先ノードに至るまでに経由するノードを特定する経路情報である。経由するノードごとに「RP」フィールドが設けられる。「SzRP」は、全てのノードの経路情報RPの合計サイズを表す情報である。また「OfRP」は、経路情報RPの読み出し位置を表す情報であり、初期値は0(先頭のRP(1)の位置を指す)である。
本実施形態では、経路情報RPとして、送信元ノードから近い順に、
1番目のノードの「ネットワークポート番号,ノードアドレス」+2番目のノードの「ネットワークポート番号,ノードアドレス」+・・・+宛先ノードの「ネットワークポート番号,ノードアドレス」+「アプリケーションポート番号」
を記述したものを用いる。ネットワークポート番号とは、各ノードが接続されたネットワークの種類を識別するための情報であり、例えば、EtherNet/IPは「0」、DeviceNetは「1」、USBは「2」・・・のように、ネットワークの種類毎に一意に割り当てられた番号である。ノードアドレスとは、ネットワークに接続された各ノードを識別するための情報である。ノードアドレスの仕様は当該ノードが接続されているネットワークに依存し、例えばEtherNet/IPの場合はIPアドレスが用いられる。経路情報RPの最後に付加されたアプリケーションポートは、宛先ノードの装置が有するアプリケーション(サーバ処理)毎に割り当てられている番号である。メッセージ情報を処理するアプリケーションを識別するために用いられる。このような形式であれば、各ノードの情報を数バイトで記述できるので、共通ルーティング情報のデータサイズを極めてコンパクトにできる。例えば図1のように5つの中継ノードを経由して宛先ノードに到達する場合でも、共通ルーティング情報のサイズは40〜50バイト程度に収まる。
図2に戻り、データ送信装置の動作を説明する。宛先ノードと処理内容とが指定されると、共通ルーティング情報生成部220が、記憶部200のネットワーク構成情報を参照して、自ノードから宛先ノードに至るまでに経由する中継ノードの情報を取得し、共通ルーティング情報を生成する。またメッセージ情報生成部210は、指定された処理内容に応じて宛先ノードに与えるメッセージ情報を生成する。またヘッダ情報生成部230は、記憶部200のネットワーク構成情報から宛先ノードの情報を取得し、ヘッダ部を生成する。そして、フレーム生成部240が、共通ルーティング情報とメッセージ情報から生成したデータ部に対し、ヘッダ部を付加することによって、フレームデータを生成する。その後、データ送信部250がフレームデータを最初の中継ノードに対して送信する。
なお、データ送信部250は、生成されたフレームデータをそのまま送信するのではなく、共通ルーティング情報の経路情報のうち最初の中継ノードを示す情報(つまり先頭の経路情報)を、返信先としての自ノードの情報に置き換える処理を行った後に、フレームデータの送信を行う。この置き換え処理はデータ中継装置のものと同じであるので、後ほど図5を参照して詳しく説明する。
(データ中継装置)
図4は、データ中継装置の機能構成を模式的に示すブロック図である。データ中継装置は、プロトコルの異なる異種のネットワークNW1、NW2の間を中継するための装置であり、ネットワークNW1からポートP1を介して受信したフレームに対し、ネットワークNW2のプロトコルに従ったデータ形式への変換を行った後、変換後のフレームをポートP2を介してネットワークNW2上の次の送信先ノードに対して送信する機能をもつものである。データ中継装置は、その機能として、共通ルーティング情報の解析及び更新を行う共通ルーティング情報解析処理部400、ネットワークNW2用のヘッダ情報を生成するヘッダ情報生成部410、フレーム生成部420、データ送信部430などを有している。これらの機能は、データ中継装置の記憶装置(ROM、フラッシュメモリ、磁気デ
ィスクなど)に格納されたプログラムをデータ中継装置のCPUが実行することにより実現されるものである。
図5のフローチャートに沿って、データ中継装置の各部の動作を説明する。
ネットワークNW1からフレームを受信すると、そのフレームに含まれているヘッダ情報、共通ルーティング情報、メッセージ情報がそれぞれヘッダ情報生成部410、共通ルーティング情報解析処理部400、フレーム生成部420に引き渡される(ステップS500)。まず、共通ルーティング情報解析処理部400は、共通ルーティング情報の「OfRP」で指定された位置のデータを読み取り、ポート番号を確認する(ステップS501)。ポート番号がネットワークポートを指す値である場合はステップS503に分岐し、アプリケーションポートを指す値である場合はステップS509に分岐する(ステップS502)。
ステップS503では、共通ルーティング情報解析処理部400は、ポート番号に続くデータ(つまりノードアドレス)を共通ルーティング情報から読み取る。ステップS501とS503で読み込んだポート番号およびノードアドレスは、次の送信先を示す情報として、ヘッダ情報生成部410に引き渡される。そして、共通ルーティング情報解析処理部400は、ステップS501とS503で読み込んだ情報を共通ルーティング情報から削除し(ステップS504)、代わりに返信先として自ノードのポート番号とノードアドレスを共通ルーティング情報に追加する(ステップS505)。その後、共通ルーティング情報解析処理部400は、共通ルーティング情報の「OfRP」を次の読み出し位置に変更し、変更した共通ルーティング情報をフレーム生成部420に引き渡す(ステップS506)。また、ヘッダ情報生成部410は、共通ルーティング情報解析処理部400から次の送信先を示す情報を受け取ると、その情報に基づきヘッダ情報を生成する(ステップS507)。そして、フレーム生成部420が、共通ルーティング情報、メッセージ情報、およびヘッダ情報からフレームデータを生成し、データ送信部430が当該フレームデータを次の送信先ノードに対して送信する(ステップS508)。
一方、ステップS501で読み込んだポート番号がアプリケーションポートを指す値であった場合は、共通ルーティング情報解析処理部400は、そのポート番号を共通ルーティング情報から削除し(ステップS509)、そのポート番号で指定されたアプリケーションにメッセージ情報を引き渡して処理を実行させる(ステップS510)。
図5の処理を、それぞれの中継ノードと宛先ノードが実行することにより、送信元ノードから発信されたメッセージフレームが宛先ノードの該当アプリケーションへと転送される。ところで、ステップS504、S505、S509の処理は、共通ルーティング情報を戻りの経路情報に書き換えていく処理に該当する。このように各ノードが順次経路情報の置き換えを行っていくことで、宛先ノードにフレームが到達したときには、その共通ルーティング情報に、宛先ノードから送信元ノードに対しレスポンスメッセージを送る際の返信経路が自動的に構築されている。したがって、この共通ルーティング情報を利用することで、図5とまったく同じ処理で、レスポンスメッセージの転送を行うことができる。
(実施例)
図6〜図8に、本実施形態のゲートウェイ(プロトコル変換)およびルーティングの具体例を示す。
図6は、ネットワークシステムの構成例であり、送信元ノード(データ送信装置)としてのCPUユニット600、中継ノード(データ中継装置)としての通信カプラユニット610、宛先ノードとしてのスレーブユニット620から構成されている。CPUユニット600と通信カプラユニット610の間はEtherCAT(登録商標)で接続され、
各々のノードアドレスは「10」と「5」に設定されている。また、通信カプラユニット610とスレーブユニット620の間はバス接続されており、各々のノードアドレスは「1」と「10」に設定されている。
図7は、CPUユニット600からメッセージフレームを送信した場合の、各ノードにおける共通ルーティング情報の遷移を示している。図中、「Dst」は送信元ノードから宛先ノードへ向かう行きの経路情報であることを示しており、「Src」は宛先ノードから送信元ノードへ向かう帰りの経路情報であることを示している。
まずCPUユニット600で最初に生成されたフレームでは、経路情報に「ECATポート,5」+「バスポート,10」+「アプリケーションポート」と記述され、読み出し位置OfRPが「0x00」に設定されている。CPUユニット600のデータ送信部は、先頭の経路情報「ECATポート,5」を読み取ると、これを削除して代わりに「ECATポート,10」+「クライアントポート」を経路情報の先頭に追加し、読み出し位置OfRPを「0x08」に更新した後に、このフレームを通信カプラユニット610へ送信する。通信カプラユニット610は、このフレームを受け取ると、「0x08」で示される経路情報「バスポート,10」を読み取り、これを削除して代わりに「バスポート,1」を経路情報の先頭に追加し、読み出し位置OfRPを「0x0E」に更新した後に、このフレームをスレーブユニット620へ送信する。スレーブユニット620は、このフレームを受け取ると、「0x0E」で示される経路情報「アプリケーションポート」を読み取り、これを削除する。そしてスレーブユニット620は「アプリケーションポート」で指定されたアプリケーション処理を実行する。
図8は、スレーブユニット620からレスポンスメッセージフレームを送信した場合の、各ノードにおける共通ルーティング情報の遷移を示している。スレーブユニット620は、先の処理で取得した共通ルーティング情報をそのまま用いて、レスポンスメッセージフレームを生成する。図7の最後のフレームとの相違点は、読み出し位置OfRPが「0x00」にリセットされている点と、メッセージ情報の内容がレスポンスメッセージに差し替えられている点である。スレーブユニット620は、先頭の経路情報「バスポート,1」を読み取ると、これを削除して代わりに「バスポート,10」を経路情報の先頭に追加し、読み出し位置OfRPを「0x06」に更新した後に、このフレームを通信カプラユニット610へ送信する。以降、各ノードが行きの場合と同様の処理を繰り返すことで、レスポンスメッセージがCPUユニット600に到達する。
なお、あるノードにおいてフレーム送信に失敗した場合には、当該ノードが共通ルーティング情報のStatusCodeに所定のエラーコードを書き込んだ後、共通ルーティング情報に記述された帰りの経路情報(Src)を用いて、送信元ノードへフレームを返送する。返送の手順は図8に示したものと同様である。送信元ノードであるCPUユニット600は受信したフレームのStatusCodeの値を確認することにより、どこでどのようなエラーが発生したのかを簡単に把握することができる。
(本実施形態の利点)
以上述べた本実施形態の構成によれば、データ送信装置(送信元ノード)は、全てのヘッダ情報を生成したり、全てのプロトコルのフォーマットを理解したりする必要はなく、単に、送信元ノードから宛先ノードまでに経由するノードを特定できさえすればよい。よって、データ送信装置の機能を簡素化でき、開発工数を短縮することができる。
また上記構成によれば、従来のような多重のカプセル化は必要なく、フレームのデータ部に共通ルーティング情報を含めるだけでよい。共通ルーティング情報のデータサイズはヘッダ情報を中継回数分並べるよりも大幅に小さくできるため、ユーザが利用できるデー
タ領域を十分に確保し、実質的な通信効率を高めることができる。なおこの効果は、中継回数が増えるほど顕著になる。
さらに上記構成によれば、データ送信装置(送信元ノード)を新規のプロトコルに対応させるために必要な作業は、その新規のプロトコルで通信するノードの経路情報を共通ルーティング情報の中でどのように記述するか、という共通ルーティング情報の記述ルールを決定し、各ノードの機能をこの記述ルールに対応させるだけでよい。例えば記述ルールがハードコーディングされておらず、設定ファイルのような形で与えられるものであれば、各ノードのプログラム自体を修正する必要がないので、新規のプロトコル対応のための開発工数はほとんどかからない。
10:コンピュータ
20:PLC
21,22,23,31,32,33,41,42,43:スレーブ装置
30,40:通信カプラ
200:記憶部
210:メッセージ情報生成部
220:共通ルーティング情報生成部
230:ヘッダ情報生成部
240:フレーム生成部
250:データ送信部
300:ヘッダ部
310:データ部
311:共通ルーティング情報
312:メッセージ情報
400:共通ルーティング情報解析処理部
410:ヘッダ情報生成部
420:フレーム生成部
430:データ送信部
600:CPUユニット
610:通信カプラユニット
620:スレーブユニット
H1〜H6:ヘッダ情報
M:メッセージ情報
NW1,NW2:ネットワーク
P1,P2:ポート

Claims (11)

  1. プロトコルの異なる複数種類のネットワークから構成されているネットワークシステムにおいて送信元ノードから発信されたメッセージを宛先ノードへと転送する経路の途中で、第1のネットワークと第2のネットワークの間を中継するデータ中継装置であって、
    前記第1のネットワークが接続される第1のポートと、
    前記第2のネットワークが接続される第2のポートと、
    前記第1のネットワーク上の第1のノードから前記第1のポートを介して受信した第1のフレームに対し、前記第2のネットワークのプロトコルに従ったデータ形式への変換を行った後、変換後の第2のフレームを前記第2のポートを介して前記第2のネットワーク上の第2のノードに対して送信する中継手段と、
    を有しており、
    前記第1のフレームは、共通ルーティング情報と前記メッセージとを含むデータ部に対し、前記第1のネットワークのプロトコルに従った第1のヘッダ部が付加されたデータ構造を有しており、
    前記共通ルーティング情報は、前記送信元ノードから前記宛先ノードに至るまでに経由するすべてのノードを特定する経路情報を含んでおり、
    前記中継手段は、
    前記第1のフレームのデータ部から取得した前記共通ルーティング情報を参照することによって次の送信先が前記第2のネットワーク上の前記第2のノードであることを認識し、
    前記第2のネットワークのプロトコルに従った第2のヘッダ部を生成し、
    前記共通ルーティング情報に含まれている経路情報のうち次の送信先としての前記第2のノードを特定する情報を、返信先としての自ノードを特定する情報に置き換えるとともに、前記共通ルーティング情報と前記メッセージとを含むデータ部に対し、生成した前記第2のヘッダ部を付加することによって、前記第2のフレームを生成する
    ことを特徴とするデータ中継装置。
  2. 前記共通ルーティング情報は、エラー情報を記録する領域を含んでおり、
    前記中継手段は、前記第2のノードに対する送信が失敗した場合に、前記共通ルーティング情報にエラー情報を記録した後、前記共通ルーティング情報をデータ部に含めたフレ
    ームを生成して前記第1のノードに対して送信する
    ことを特徴とする請求項に記載のデータ中継装置。
  3. 前記共通ルーティング情報に含まれる経路情報は、経由する各ノードのネットワークの種類とネットワークアドレスとを特定する情報から構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ中継装置。
  4. 前記複数種類のネットワークは、産業用ネットワークである
    ことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載のデータ中継装置。
  5. プロトコルの異なる複数種類のネットワークから構成されているネットワークシステムに接続され、宛先ノードに対してメッセージを発信するデータ送信装置であって、
    前記ネットワークシステムを構成するすべてのネットワークおよびノードが定義されたネットワーク構成情報を記憶する記憶手段と、
    前記ネットワーク構成情報を参照することにより、自ノードから宛先ノードに至るまでに経由するすべてのノードを特定する経路情報を含む共通ルーティング情報を生成する共通ルーティング情報生成手段と、
    前記共通ルーティング情報と宛先ノードに対して送信するメッセージを含むデータ部に対し、自ノードと最初の中継ノードの間のネットワークのプロトコルに従ったヘッダ部が付加されたデータ構造を有するフレームを生成するフレーム生成手段と、
    前記共通ルーティング情報に含まれている経路情報のうち次の送信先としての前記中継ノードを特定する情報を、返信先としての自ノードを特定する情報に置き換えた後、前記フレームを前記中継ノードに対して送信する送信手段と、
    を有することを特徴とするデータ送信装置。
  6. 前記共通ルーティング情報に含まれる経路情報は、当該ノードが接続されているネットワークの種類を特定する情報と、当該ノードのネットワークアドレスを特定する情報とから構成されている
    ことを特徴とする請求項に記載のデータ送信装置。
  7. 前記複数種類のネットワークは、産業用ネットワークである
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のデータ送信装置。
  8. プロトコルの異なる複数種類のネットワークから構成されているネットワークシステムであって、
    メッセージを発信する送信元ノードと、
    前記送信元ノードから発信された前記メッセージの宛先である宛先ノードと、
    前記送信元ノードから前記宛先ノードへと前記メッセージを転送する経路の途中で、プロトコルの異なるネットワークの間を中継する1又は複数の中継ノードと、
    を有しており、
    前記送信元ノードが請求項5〜7のうちいずれか1項に記載のデータ送信装置であり、
    前記中継ノードが請求項1〜のうちいずれか1項に記載のデータ中継装置である
    ことを特徴とするネットワークシステム。
  9. プロトコルの異なる複数種類のネットワークから構成されているネットワークシステムにおいて送信元ノードから発信されたメッセージを宛先ノードへと転送する経路の途中に配置され、第1のネットワークが接続される第1のポートと第2のネットワークが接続される第2のポートを有するデータ中継装置に、
    前記第1のネットワーク上の第1のノードから前記第1のポートを介して受信した第1のフレームに対し、前記第2のネットワークのプロトコルに従ったデータ形式への変換を
    行った後、変換後の第2のフレームを前記第2のポートを介して前記第2のネットワーク上の第2のノードに対して送信する中継処理
    を実行させるプログラムであって、
    前記第1のフレームは、共通ルーティング情報と前記メッセージとを含むデータ部に対し、前記第1のネットワークのプロトコルに従った第1のヘッダ部が付加されたデータ構造を有しており、
    前記共通ルーティング情報は、前記送信元ノードから前記宛先ノードに至るまでに経由するすべてのノードを特定する情報であり、
    前記中継処理は、
    前記第1のフレームのデータ部から取得した前記共通ルーティング情報を参照することによって次の送信先が前記第2のネットワーク上の前記第2のノードであることを認識する処理と、
    前記第2のネットワークのプロトコルに従った第2のヘッダ部を生成する処理と、
    前記共通ルーティング情報に含まれている経路情報のうち次の送信先としての前記第2のノードを特定する情報を、返信先としての自ノードを特定する情報に置き換えるとともに、前記共通ルーティング情報と前記メッセージとを含むデータ部に対し、生成した前記第2のヘッダ部を付加することによって、前記第2のフレームを生成する処理と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
  10. プロトコルの異なる複数種類のネットワークから構成されているネットワークシステムに接続され、宛先ノードに対してメッセージを発信するデータ送信装置を、
    前記ネットワークシステムを構成するすべてのネットワークおよびノードが定義されたネットワーク構成情報を記憶する記憶手段、
    前記ネットワーク構成情報を参照することにより、自ノードから宛先ノードに至るまでに経由するすべてのノードを特定する経路情報を含む共通ルーティング情報を生成する共通ルーティング情報生成手段、
    前記共通ルーティング情報と宛先ノードに対して送信するメッセージを含むデータ部に対し、自ノードと最初の中継ノードの間のネットワークのプロトコルに従ったヘッダ部が付加されたデータ構造を有するフレームを生成するフレーム生成手段、
    前記共通ルーティング情報に含まれている経路情報のうち次の送信先としての前記中継ノードを特定する情報を、返信先としての自ノードを特定する情報に置き換えた後、前記フレームを前記中継ノードに対して送信する送信手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  11. 請求項9または10に記載のプログラムを記憶していることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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