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JP5033195B2 - アレルゲンの効力を測定するための標準化血清混合物の調製方法およびその使用 - Google Patents

アレルゲンの効力を測定するための標準化血清混合物の調製方法およびその使用 Download PDF

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Description

本発明は、バイオ医薬品の分野に関し、具体的には、アレルゲンの効力を測定するための標準化血清混合物の調製方法およびその使用に関する。
生態学的環境の変化にしたがい、人類はより多くの感作性物質に接触し、これによりアレルギー性疾患の発生率が増加している。現在、世界中の人口の約25%がアレルギー性障害に罹患している。1998年に、WHOにより発表されたアレルゲンの検出および特異的免疫療法は、高感受性疾患の自然経過に影響し、かつ新規なアレルギー性疾患の発生を予防しうる唯一の病因学的治療である。
特異的免疫療法の治療には、患者におけるアレルゲン種を同定し、その後非急性期の間に患者と該種アレルゲンを含む調製物とを繰り返し接触させ、そして投与量を段階的に最良の維持量まで増加し、該種アレルゲンに対する患者の耐性を増強して、高感受性の症状を調節または減少させることが含まれる。使用されるアレルゲン調製物は、高感受性の診断、予防、および治療に有用な生物製品である。このアレルゲン調製物は、アレルゲン成分を含有する天然物質(昆虫、ダニ、真菌、動物の鱗屑、花粉、食物など)からアレルゲンを抽出し、一定濃度のアレルゲンを有する溶液を調製することにより、あるいはさらにその調製物を吸着剤またはアジュバントで修飾することにより得られる。
過去数十年、欧州および米国の専門家、組織、および機関は、アレルゲン調製物の効果的な測定方法の開発を試みた。多くの方法が提唱されたが、いずれも欠点があり許容されなかった。例えば、アレルゲン抽出物の濃度を示すため重量体積比(W/V) が用いられた。すなわち、一定量の脱脂物質(例えば、脱脂された1 gの花粉)を一定量(例えば、100 ml)の抽出液に添加し、そのW/Vを1:100とした。これは非常に単純であるが、収集された花粉の質や抽出操作などの因子における相違により、等しいW/V値を有する製品の成分、含量およびタイターが異なることがある。換言すれば、W/V 単位は、抽出物の濃度を示すのみであり、そのタイターまたは効力と必然的な関係は有さない。さらに、アレルゲンにおける主要な活性成分はタンパク質であるので、アレルゲン抽出物におけるタンパク質含量の基準化にタンパク質窒素単位 (protein nitrogen unit, PNU) が使用された。しかしながら、全てのタンパク質が抗原性を有するわけではない; また、抗原性を有するタンパク質の含量とタイター(すなわち、全てのアレルギー性タンパク質の総効力)の間に明確な関係は存在しないので、この方法もアレルゲン製品の総効力の正確な評価に使用することができなかった。それゆえWHOは、上記2種の単位により基準化されたワクチン製品は、異なる製造元または異なるバッチの製品間でアレルゲンタイターを比較できないので、非標準化製品とみなした。
欧州および米国でそれぞれ使用される生物学的単位 (biological unit, BU) および生物学的同等アレルギー単位 (bioequivalent allergy unit, BAU) は、いずれもアレルゲン調製物の総効力のタイターを反映する指標であり、高感受性の患者に対して行われる直接的皮膚試験の結果により基準化される。欧州におけるBUは、20人の中程度に高感受性の患者に対して行われるプリックテストにおいて一定濃度の二塩化ヒスタミンと横紋を引き起こすアレルゲン抽出物の投与量に基づき決定され、このテスト結果は幾何平均により表された。BAUは、米国におけるアレルゲン調製物の製造に重要な参照基準の1つであった。15人の高度に高感受性の患者に対して皮内試験を行い、患者に直径50 mmの紅斑を引き起こす濃度の全ての患者間の算術平均に基づき、アレルゲンのタイターを決定した。BUおよびBAUはいずれも、患者におけるイン・ビボのアレルギー反応に基づいていた。すなわち、アレルゲンに対するIgE抗体のイン・ビボにおける検出は、全体的タイターをより正確に評価しうる。しかしながら、かかる方法は、アレルギー性患者の利用可能性、および患者の選択基準に依存する。
全体的なアレルゲンの効力を検出するためのイン・ビトロにおけるIgEの測定方法には、主要なアレルゲンの検出に使用される、放射性アレルゲン吸着阻害試験(RAST)、酵素免疫測定法(ELISA)が含まれる。これら方法には、放射性アレルゲン吸着阻害試験 (RAST-I) およびRAST-I に基づき開発された多くの新規なイン・ビトロアッセイ、例えば、MAST、FAST、ならびにPharma-CAPなどが含まれる。アッセイの結果は、血清プールおよび固相担体に結合するアレルゲン抽出物の組成に依存し、いずれも再現性がない。しかしながら、異なるバッチ間で安定な血清プールが存在しないので、以前としてかかる方法もアレルゲン調製物を標準化することはできない。
アレルゲン調製物は天然物質からの抽出により得られるため、原材料収集の時間、場所、および方法、増殖環境、および原材料の抽出技術などの因子により、原料の質のばらつきが増加する。さらに、アレルゲン自体が変異体の複雑な混合物であり、そのエピトープは完全に同一ではない。その上、個々の患者の免疫反応は同じではない。現在のところ、アレルゲンの効力をイン・ビトロで測定する方法にはいずれも標準化血清が関与するが、毎回収集される血清の間には大きな相違が存在する。それゆえ、アレルゲン調製物の質を調節するのは困難である。免疫療法の成功の鍵は、継続的に標準化され生産されうる質の高いアレルゲン調製物の使用にある。標準化の目的は、製品の適格性および定量化における相違を減少させ、安全性、妥当性、信頼性、および正確性を増加させ、そしてアレルギー性疾患の診断および治療を改善することである。アレルゲン調製物の効力は、その品質管理に重要な指標であり、なぜならアレルゲン調製物はその調製物の効力の測定後にのみ診断および治療に使用されるからである。しかしながら、アレルゲンの効力の測定の際に結果を示すのに用いられる単位が一貫せず、製品を互いに比較することができない。
それゆえ当業界において、アレルゲン調製物の効力を検出するための標準化血清混合物を提供することが早急に必要とされている。
上記課題を解決するため、第一の局面において本発明は、アレルゲンの効力の検出に使用される標準化血清混合物の調製方法であって、以下の段階を含む方法を提供する:
1) 該アレルゲンに対して中程度に高感受性の複数の患者由来の複数の血清サンプルを提供する;
2) 各血清サンプル中の該アレルゲン-sIgEの相対量を測定し、該血清中のsIgEの相対量の平均値、および該平均値に対する各血清のsIgEの相対量の偏差値を得る;
3) 最大および最小の偏差値を有する少なくとも5%の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清サンプルを等量ずつ混合する。
ある好ましい態様において、段階 1)における中程度に高感受性の患者は、該アレルゲンによる皮膚プリックテストを行ったときにグレード+++の反応を与える患者である。
ある好ましい態様において、血清中のsIgEの相対量は、段階 2)においてUnicap法により測定される。血清サンプル中のsIgEの相対量の平均値は75-85の範囲であり、偏差の絶対値が30未満の血清が等量ずつ混合される。
別の好ましい態様において、血清中のsIgEの相対量は、段階 2)においてELISAにより測定される。血清中のsIgEの相対量の平均は0.9-1.0の範囲であり、偏差の絶対値が0.35未満の血清が等量ずつ混合される。
別の好ましい態様において、段階 1)の複数の患者の血清の数は、少なくとも 300、より好ましくは少なくとも 500である。
別の局面において、本発明はまた、本発明の方法により調製される血清混合物を提供する。より具体的には、本発明の方法により得られる各血清混合物のsIgE値がUnicap法により測定される場合、標準誤差は3.90未満、より好ましくは3.01未満である。各血清混合物のsIgE値がELISA法により測定される場合、標準誤差は0.040未満、より好ましくは0.025未満である。
別の局面において、本発明はまた、アレルゲンの効力を検出するためのキットに関する。該キットは、本発明の方法により得られる上記標準化血清混合物を含む。
さらに別の局面において、本発明は、本発明の方法により得られる標準化血清混合物のアレルゲンの効力の検出における使用に関する。ある好ましい態様において、アレルゲンは、検出用のアレルゲン調製物におけるものである。別の好ましい態様において、アレルゲンは、治療用のアレルゲン調製物におけるものである。
本発明は、本発明の方法により比較的安定なsIgE量を有する血清混合物を得ることができ、該混合物がアレルゲン調製物の規格化された生産における信頼性ある標準として使用でき、かつアレルゲン調製物の品質管理が保証されうるという利点を有する。
図1は、本発明に記載のUnicap法により測定された血清sIgEの相対量の分布を示す。 図2は、本発明に記載のELISA法により測定された血清sIgEの相対量の分布を示す。
本発明は、アレルゲンの効力を検出するために使用する標準化血清混合物の調製方法であって、以下の段階を含む方法を提供する:
1)該アレルゲンに対して中程度に高感受性の複数の患者に由来する複数の血清サンプルを提供する;
2) 各血清サンプル中の該アレルゲン-sIgEの相対量を測定し、該血清中のsIgEの相対量の平均値、および該平均値に対する各血清のsIgEの相対量の偏差値を得る;
3)最大および最小の偏差値を有する少なくとも5%の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清サンプルを等量ずつ混合する。
第一に、複数の血清サンプルが必要である。本発明者は、多数の実験および統計理論に基づき、血清サンプルの数は300以上、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上とすべきであることを見出した。
血清サンプルは、複数の特定個体から得る。個体は、ヒトまたは他の非ヒト哺乳動物であり、家畜、非ヒト霊長類、動物園または競技用の動物、イヌまたはネコ科の動物などのペットが含まれるが、ヒトが好ましい。個体は、該アレルゲンに対してアレルギー反応、好ましくは該アレルゲンに対して中程度のアレルギー反応を示すか、あるいは中程度のアレルギー性疾患を有するべきである。
本明細書で用いる用語「アレルゲン」は、同一の起源に由来する多数の成分を含むアレルゲン混合物を意味する。アレルゲンの起源には、限定はされないが、各種花粉、イエダニ、食物、昆虫、真菌、ゴキブリ、動物の鱗屑などが含まれる。該アレルゲンは市販されているか、あるいは当業界に知られる一般的抽出方法により得ることができる。例えば、調製された標準化血清混合物がコナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)のアレルゲン調製物のアレルゲンの効力の検出に使用される場合、市販のコナヒョウヒダニアレルゲンプリックテスト試薬を段階 1)において使用することができる。同様に、段階 2)において測定されるsIgEの相対量は、コナヒョウヒダニアレルゲンに対する特異的IgEの相対量である。
用語「中程度に高感受性」は、当業者が認識する通常の意味である。患者が中程度に高感受性の患者であるかを決定する一方法は、アレルゲン皮膚プリックテストを個体に適用し、そして該個体の反応グレードが+++であるかを決定するものである。皮膚プリックテストは、患者のアレルギー反応の程度をイン・ビボで決定する一般的アッセイであり、その患者が高感受性のアレルゲンの起源を同定することができるだけでなく、そのアレルゲンに対する患者の高感受性の程度(グレード)を決定でき、各グレード判定基準は当業者に周知である。プリックテストを受けた部位の皮膚が膨疹または紅斑であった場合、陽性反応とみなされる。膨疹とは、アレルゲンとの接触に際して皮膚上に現れる紅斑により囲まれた隆起を意味する。膨疹が有意であった場合、次いで膨疹の面積を比較する; 一方、膨疹が有意でない場合、紅斑の面積を比較する。そして、アレルゲンおよびポジティブコントロールにより起こる膨疹 (紅斑)の面積の比率により、反応のグレードが以下のように決定される:比率が0-25%であるか、またはネガティブコントロールと同じである場合、グレードは (-)である; 比率が26-50%である場合、グレードは (+)である; 比率が51-100%である場合、グレードは (++)である; 比率が 101-200%である場合、グレードは (+++)である; 比率が 200%を超える場合、グレードは (++++)である。ある好ましい態様において、グレード +++ は、患者がアレルゲンに反応する程度(膨疹または紅斑の面積)がポジティブコントロール (例えば、リン酸ヒスタミン)とほぼ同じであることを意味する。
上記のアッセイを行うため、当業者は市販のアレルゲンプリックテスト試薬を使用することができる。ある好ましい態様において、生理食塩水がネガティブコントロールとして使用され、1-5 mg/ml リン酸ヒスタミン/塩酸ヒスタミン (好ましくは, 1.7 mg/ml リン酸ヒスタミン) がポジティブコントロールとして使用される。主成分が試験すべきアレルゲンの起源と同じアレルゲンプリックテスト液もまた使用される。アレルゲンプリックテスト液中のタンパク質の濃度は、アレルゲンの起源に関連し、通常0.1-20 mg/mlの範囲であり、これは具体的条件にしたがい当業者が決定することができる。例えば、好ましくは、代謝培地から抽出されたコナヒョウヒダニアレルゲンプリックテスト液のタンパク質の濃度は、約 1.0 mg/mlである;ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoids Pteronyssinus)体から抽出されたヤケヒョウヒダニアレルゲンプリックテスト液のタンパク質の濃度は、約 0.5 mg/mlである。無論、当業者は、皮膚プリックテスト反応のグレードを他のインデックスまたはパラメーターにより決定することができる。
患者の反応グレードが+++と決定されるか、あるいはアレルゲン皮膚プリックテストによる反応の程度 (膨疹または紅斑の面積)がポジティブコントロールとほぼ同じである場合、これら患者由来の血液サンプルを常套法により収集し、遠心分離し、そして血清サンプルを取得する。
次いで、上記のようにして得られた各血清サンプル中のsIgEの相対量を測定する。本発明において、用語「sIgEの相対量」、「sIgE含量」、または「sIgE 値」は、互換的に使用可能である。当業界に周知の測定方法には、限定はされないが、酵素免疫測定法 (ELISA)、放射性アレルゲン吸着試験(RAST阻害試験)、およびこれに基づき開発された多くの新規イン・ビトロアッセイ、例えば、MAST、FAST、ならびにPharma-CAPが含まれる。本発明の態様において、アレルゲンに対する血清中のsIgEの相対量はUnicap法またはELISA法により測定される。Unicap法は、イン・ビトロで自動的にアレルゲンを検出するためのImmun CAP Diagnostic System (UniCAP システム) (Pharmacia, Sweden) の説明書に基づき行う。
次に、複数の血清サンプル(例えば、少なくとも300、好ましくは500、より好ましくは1000 サンプル)についてsIgEの相対量の平均値およびその平均値に対する各血清のsIgEの相対量の偏差値を計算する。最大および最小の偏差値を有する少なくとも5% (好ましくは10%、より好ましくは20%、より一層好ましくは30%) の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清を(体積として)等量ずつ混合する。
本明細書で用いる用語「偏差値」は、各血清のsIgE値から複数の血清のsIgE値の平均値を引いた値を意味する。理解されるように、「偏差値」は、正の場合も負の場合もある。
本発明のある態様において、血清 sIgEの相対量はUnicap法により測定され、その平均値は通常75-85である。そして、偏差の絶対値が30未満 (すなわち、血清 sIgEの相対量が45-115) の血清が等量ずつ混合されうる; 好ましくは、偏差の絶対値が20未満(すなわち、血清 sIgEの相対量が55-105)の血清が等量ずつ混合されうる; より好ましくは、偏差の絶対値が15未満 (すなわち、血清 sIgEの相対量が60-100) の血清が等量ずつ混合されうる。
本発明の別の態様において、血清 sIgEの相対量はELISA法により測定され、その平均値は通常0.9-1.0である。偏差の絶対値が0.35未満(すなわち、血清 sIgEの相対量が0.55-1.35) の血清が等量ずつ混合されうる; 好ましくは、偏差の絶対値が0.25未満 (すなわち、血清 sIgEの相対量が 0.65-1.25) の血清が等量ずつ混合されうる; より好ましくは、偏差の絶対値が0.15未満 (すなわち、血清 sIgEの相対量0.75-1.15)の血清が等量ずつ混合されうる。
図1および2は、それぞれ上記Unicap法およびELISA法により測定された血清 sIgEの相対量の分布を示し(血清サンプル500の場合)、横軸はsIgEの相対量を示し、縦軸は血清サンプル数を示す。当業者は、図1および2の結果が単に具体的実験の結果を示すものであることを理解する。これらの結果は、当業者が本発明をより明確に理解しやすくするため提供されており、本発明がこれら具体的な値に限定されることを意味するものではない。
本発明の別の態様において、患者の臨床症状は、患者が中程度に高感受性の患者であるかを確認するために用いられうる。アレルギー性鼻炎の場合、中程度に高感受性の患者は、以下の臨床症状を有する: 多年生発症、3つの主な臨床兆候、例えばくしゃみ(連続して3回以上)、鼻水、および鼻粘膜の腫れを有する、一年の発症日数が6ヶ月以上、1日の発症持続時間が0.5時間以上、疾患の経過が少なくとも1年、明確な吸入感作抗原を有する、個人および/または家族性アレルギー性疾患歴を有する、など。そして、該患者の血清 sIgE反応をイン・ビトロで測定し、感作抗原(アレルゲン)を確認する。当業界で周知の測定方法には、限定はされないが、酵素免疫測定法 (ELISA)、放射性アレルゲン吸着阻害試験(RAST阻害試験)、およびこれに基づき開発された多くの新規イン・ビトロアッセイ、例えば、MAST、FAST、ならびにPharma-CAPが含まれる。
本発明のある態様において、患者の血清 sIgEの相対量はUnicap法またはELISA法により測定される。以下の基準にしたがい、複数 (例えば、少なくとも 300、好ましくは500、より好ましくは1000)の血清サンプルが選択される: Unicap アッセイによる血清 sIgE 値が 1-200 (好ましくは10-150) の範囲内、またはELISA アッセイによる 血清 sIgE 値が 0.10-2.50 (好ましくは0.20-1.60) の範囲内。複数の血清サンプルのsIgEの相対量の平均および該平均に対する各血清の偏差値が計算される。最大および最小の偏差値を有する少なくとも5% (好ましくは10%、より好ましくは20%、より一層好ましくは30%) の血清サンプルをそれぞれ除去し、そして残余の血清サンプルを等量ずつ混合する。
それゆえ、別の局面において、本発明はアレルゲンの効力を検出ために使用する血清混合物の調製方法に関し、該方法は以下の段階を含む:
1) 該アレルゲンに対するアレルギー性疾患またはアレルギー反応の臨床症状を有すると診断された患者由来の血清サンプルを提供する; 該患者の血清 sIgEの相対量をUnicap法またはELISA法により測定する; Unicap アッセイにより測定されたsIgEの相対量が 1-200 (好ましくは10-150) の範囲内、またはELISA アッセイにより測定されたsIgEの相対量が0.10-2.50 (好ましくは0.20-1.60)の範囲内である、複数 (例えば、少なくとも 300、好ましくは500、より好ましくは1000)の血清サンプルを選択する;
2) 選択した複数の血清のsIgEの相対量の平均および該平均に対する各血清のsIgEの相対量の偏差値を計算する;
3) 最大および最小の偏差値を有する少なくとも5%の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清サンプルを等量ずつ混合する。
本発明により得られた血清混合物は、アレルゲンの効力の検出のための標準化血清プールとして使用可能である。実施例で確証されるように、本発明の方法により生産される血清混合物中のsIgE含量は安定であり、つまり、各血清混合物のsIgE 値がUnicap法に測定される場合、サンプル標準偏差は3.90未満、より好ましくは3.01未満である; 各血清混合物のsIgE 値がELISA法により測定される場合、サンプル標準偏差は0.040未満、より好ましくは0.025未満である。
用語「サンプル標準偏差」は、1のサンプルの変動を測定するために統計学的に使用される。サンプル標準偏差が小さければ小さいほど、サンプルデータの変動が小さくなり、すなわちサンプルデータがより安定となる。その計算公式は以下のとおりである:
Figure 0005033195
[式中、Sはサンプル標準偏差を示し、x(上線)はサンプルの算術平均を示し、nはサンプル数を示し、xiは各サンプルの値を示す]。
無論当業者は、他の常套的な統計的指標、例えば限定はされないが、標本分散、母分散、母標準偏差などを用いて、本発明の方法により生産される血清混合物中のsIgE含量の安定性を確認することができる。
本発明はさらに、本発明の方法により得られる血清混合物、および該血清混合物のアレルゲンの効力の検出における使用、例えば検出用のアレルゲン調製物の効力を測定するための使用、治療用のアレルゲン調製物の効力を測定するための使用、特に、標準としてのアレルゲン調製物の生産中にアレルゲンの質の制御のためにアレルゲンの効力を検出するための使用、に関する。
アレルゲンの起源には、限定はされないが、花粉、イエダニ、食物、昆虫、真菌、ゴキブリ、動物の鱗屑などに由来するアレルゲンが含まれる。これらのアレルゲンは市販のものであってもよく、あるいは当業界にて既知の一般的抽出方法により得てもよい。
本発明のある態様において、アレルゲン調製物の起源は、コナヒョウヒダニである。該アレルゲンは、以下の方法により調製することができる: コナヒョウヒダニをイエダニ用の培養培地で一定密度まで増殖させる; イエダニ体を生理食塩水で洗浄する; 乾燥後、その体を液体窒素中で粉砕する; アセトンにより、アセトンが無色になるまで脱脂する; ダニ体を生理食塩水で60-80時間抽出する; 濾過する、そして生成した濾液がコナヒョウヒダニアレルゲン抽出物である。その後、該抽出物を医薬上許容される担体と混合して、コナヒョウヒダニアレルゲン調製物を得る。
本発明の別の態様において、アレルゲン調製物の起源は、ヨモギ(Artemisia)花粉である。該アレルゲンは、以下の方法により調製されうる:アセトンにより、静置時にアセトンが無色になるまでヨモギ花粉を脱脂し、アセトンを除去し、花粉を乾燥し、炭酸-生理食塩水により40-60時間抽出し、濾過し、そして回収される上清の液体がヨモギ花粉アレルゲン抽出物である。そして、該抽出物を医薬上許容される担体と混合して、ヨモギ花粉アレルゲン調製物を得る。
本発明の方法により生産される標準化血清混合物をアレルゲンの効力の検出に使用する原理は以下のとおりである: 高感受性の患者は、イン・ビボにおいてアレルゲンに対する特異的IgE (sIgE)を産生しうる。試験すべき調製物中のアレルゲン活性成分は、高感受性疾患を有する患者の血清中のsIgEに結合して複合体を形成し、血清中の遊離のsIgEの濃度が減少する。そして、血清中のアレルゲンに対するsIgE含量を検出する。試験すべき調製物中のアレルゲンの効力が大きいほど、患者の血清とその調製物の反応後により大きくsIgE濃度が減少する。患者の血清中の遊離のsIgEは、UniCAPシステムまたはELISA法により検出した場合、対応して減少する。試験すべき調製物中のアレルゲンの効力は、調製物の添加の前後の患者の血清中のsIgE 濃度を比較することにより得ることができる。血清中のsIgEが試験すべき調製物中のアレルゲンと完全に結合してしまわない条件下では、アレルゲンの濃度と、この過程における患者の血清中のsIgE 濃度の減少との間に、正の相関関係が存在する。試験すべき調製物中のアレルゲンの効力は、sIgEの阻害比率により決定することができる。sIgEの阻害比率が高いほど、試験すべき調製物中のアレルゲンの効力が高くなる。
さらなる局面において、本発明は、アレルゲンの効力の検出のために使用するキットに関し、該キットは、本発明の方法により調製される標準化血清混合物を含む。ある態様において、アレルゲンの効力の検出のための該キットはELISA法に基づく検出キットであり、sIgEの阻害比率を計算することによりアレルゲンの効力を測定する。該キットは以下を含む: 本発明の方法により生産される標準化血清混合物、ELISAマイクロプレート (該アレルゲンで事前にコートされている)、洗浄液、ブロッキング液、顕色液、停止バッファー、ヤギ抗ヒト IgG、ヤギ抗ヒト IgE-HRPなど。該キットにおいて、標準化血清混合物は本発明の方法により生産されるが、他の試薬または消耗品は市販品であってよい。
理解されるように、本発明に記載されるアレルゲンの効力の検出のためのキットの原理は、当業界にて周知である。ELISA法に加えて、限定はされないが、それには以下が含まれうる:放射性アレルゲン吸着阻害試験(RAST阻害試験)、およびこれに基づき開発された多くの新規イン・ビトロアッセイ、例えば、MAST、FAST、ならびにPharma-CAP。
以下、実施例を参照して本発明をさらに詳説する。これら実施例は説明のため提供され、本発明の範囲を限定するものでないことが理解されるべきである。
実施例1:コナヒョウヒダニに高感受性の血清の収集
アレルゲンプリックテスト試薬は、上海医科大学の生物学研究室より提供される。試薬には、生理食塩水(ネガティブコントロール)、リン酸ヒスタミン (ポジティブコントロール)、およびコナヒョウヒダニプリックテスト液が含まれる。
段階: (1) 左の掌側前腕の皮膚をプリックテストを行うために選択する。(2) プリックテスト液の名称を、左前腕の中央部分にマーカーペンで記し、紅斑の重複を避けるため、2つのプリックテスト液間の距離が5 cm未満とならないようにする; 次いで、皮膚を消毒する。 (3) プリックテスト液の液滴 (ランセットの先端より大きい) を下から上まで滴下する。 (4) 液滴を介して垂直に、滅菌ディスポーサブルプリックランセットで穏やかに(出血しないように) 皮膚を刺し、1秒後にランセットを廃棄し、5分後にすべての液滴を拭き取り、そして30分後に観察して皮膚反応を記録する。
陽性結果の決定基準: 反応グレードは、コナヒョウヒダニプリックテスト液およびリン酸ヒスタミン (ポジティブコントロール液)により起こる膨疹の面積の比率により決定する。反応なし、またはネガティブコントロールと同じサイズの反応を(-)として示す; (+) は、リン酸ヒスタミン (ポジティブコントロール)のサイズの1/4より大きい場合である; また(++) は、そのサイズの1/2より大きい場合である; ポジティブコントロールとほぼ同じサイズの膨疹反応は、(+++)のグレードとする; また(++++)は、そのサイズの2倍より大きい場合である。
反応グレードが (+++)の患者から、2 mlの血液サンプルを収集し、5000 rpm、4℃で10 分間で遠心分離し、上層の血清を穏やかにピペットで取り出す。
実施例2: 患者由来の血清中のコナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量の測定
(1) Unicap法を (アレルゲンをイン・ビトロで自動的に検出するためのImmun CAP Diagnostic System Uni CAP system(Pharmacia, Sweden)の説明にしたがい)使用して、患者由来の血清中のコナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量を検出する。
(2) ELISA法を使用して、患者由来の血清中のコナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量を検出する。
イエダニ培地中でコナヒョウヒダニを密度300-500/g (培地)まで増殖させる。次いで、得られたイエダニ体を懸濁し、生理食塩水で洗浄し、次いで風乾し、重量を測定し、液体窒素中で粉砕し、そしてアセトンに浸漬して連続して3回、各回4時間、アセトンが無色になるまで脱脂する。脱脂後の固体をアセトン臭がなくなるまで風乾し、そして重量を測定する。コナヒョウヒダニ体は、生理食塩水で 1: 25 (W/V) (25 mlの生理食塩水を1 gの脱脂コナヒョウヒダニ体に使用)にて抽出し、磁気を利用して72時間4℃で断続的に(各回8時間撹拌、一晩静置、そして磁気を利用してさらに8時間撹拌、を繰り返す) 撹拌する。濾過滅菌後、濾液をコナヒョウヒダニアレルゲン抽出物として使用する。抽出物中のタンパク質含量をBCAタンパク質アッセイキット (Pierce)で測定する。このコナヒョウヒダニアレルゲン抽出物をコーティングバッファーで希釈し、タンパク質濃度を0.3-2 mg/ml、好ましくは約0.8 mg/mlに調節する。
コーティングバッファーで希釈した100μlのコナヒョウヒダニアレルゲン抽出物をELISAプレートの各ウェルに添加し、そして1.5-2時間37℃でインキュベートし、4℃で一晩静置する。ELISAプレートを取り出し、室温で20分間静置し、室温と平衡化する。プレートを洗浄バッファーでプレートウォッシャー上にて5回洗浄し、プレートが乾燥しないようにして余分な洗浄バッファーを軽くたたいて捨てる(アッセイ中、新しい試薬を添加するまで、ELISAプレートを上下反対にして乾燥した紙タオルの上にたたきつけて置く)。ブロッキング液を添加し (200μl/ウェル) 、そして室温で2時間インキュベートする。ブロッキング反応を1時間行った後、以下のように血清を調製する: 患者から収集した血清をブロッキング液で比率 1:20で希釈する; ヤギ抗ヒト IgG (ポリクローナル抗体) をブロッキング液で5μg/μlに希釈する; 各100μlの希釈血清に、50μgのヤギ抗ヒト IgGを添加する; そして、穏やかに混合する。プレートを室温で45分インキュベートする。プレートのウェル中のブロッキング液を洗浄バッファーでプレートウォッシャー上にて洗浄除去し (5回)、軽くたたいて乾燥し、先に調製した100μlの血清(ローディング前に2-3回上下に振って混合) を添加し、そしてプレートを2時間室温でインキュベートする。プレートを洗浄バッファーで5回洗浄し、軽くたたいて乾燥し、そして100μlの1:1000 ヤギ抗ヒト IgE-HRPを添加して、プレートを1時間室温でインキュベートする。プレートのウェル中のブロッキング液を、洗浄バッファーでプレートウォッシャー上にて洗浄除去する (5回)。用時調製した100μlのTMB顕色液を各ウェルに連続的に添加する。プレートを穏やかに混合し、暗所で15分間顕色する。100μl/ウェルの2 M H2SO4を添加して反応を停止し、450 nmにおける読み取りデータを得る。
実施例3:コナヒョウヒダニ陽性血清の混合
(1)皮膚試験の反応グレードが+++である患者由来の300の血清サンプルを、実施例1の方法にしたがい収集する。コナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量を、実施例2のUnicap法により測定する。300の血清サンプルのsIgEの平均値、および該平均値に対する各血清のsIgEの相対量の偏差値を計算する。偏差の絶対値が30未満の血清サンプルを等量ずつ混合する。3つの血清混合物を同じ方法で調製し、実施例4で使用する。
(2) 皮膚試験の反応グレードが+++である患者由来の300の血清サンプルを、実施例1の方法にしたがい収集する。コナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量を実施例2のELISA法により測定する。300の血清サンプルのsIgEの平均値および該平均値に対する各血清のsIgEの相対量の偏差値を計算する。偏差の絶対値が0.35未満の血清サンプルを等量ずつ混合する。3つの血清混合物を同じ方法で調製し、実施例4で使用する。
(3) 皮膚試験の反応グレードが+++である患者由来の30、100および500の血清サンプルをそれぞれ実施例1の方法にしたがい収集する。段階 (1) および (2)の操作を繰り返す。3つの血清混合物を実施例4で使用する。
実施例4: コナヒョウヒダニ陽性血清混合物中のコナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量の測定
1. 30の血清サンプルから調製した血清混合物を得る (実施例3より)。
(1) 血清混合物中のsIgE含量をUnicap法により測定。
Figure 0005033195
(2) 血清混合物中のsIgE含量をELISA法により測定。
Figure 0005033195
2. 100の血清サンプルから調製した血清混合物を得る (実施例3より)。
(1) 血清混合物中のsIgE含量をUnicap法により測定。
Figure 0005033195
(2) 血清混合物中のsIgE含量をELISA法により測定。
Figure 0005033195
3. 300の血清サンプルから調製した血清混合物を得る (実施例3より)。
(1) 血清混合物中のsIgE含量をUnicap法により測定。
Figure 0005033195
(2) 血清混合物中のsIgE含量をELISA法により測定。
Figure 0005033195
4. 500の血清サンプルから調製した血清混合物を得る (実施例3より)。
(1) 血清混合物中のsIgE含量をUnicap法により測定。
Figure 0005033195
(2) 血清混合物中のsIgE含量をELISA法により測定。
Figure 0005033195
以上の結果から、300の患者の血清サンプルを得た場合、実施例3の2つの方法により調製された6つのコナヒョウヒダニ陽性血清混合物中のコナヒョウヒダニ特異的sIgEの含量は安定であると結論できる。すなわち、各血清混合物中のsIgE 値をUnicap法により測定する場合、サンプル標準偏差は3.90未満である。各血清混合物中のsIgE 値をELISA法により測定する場合、サンプル標準偏差は0.040未満である。500の血清サンプルから調製された血清混合物のsIgEの相対量はより安定である。
実施例5:ヨモギ花粉に高感受性の血清の収集
アレルゲンプリックテスト試薬は、上海医科大学の生物学研究室より提供される。試薬には、生理食塩水(ネガティブコントロール)、リン酸ヒスタミン (ポジティブコントロール)、およびヨモギ花粉プリックテスト液が含まれる。
段階: (1) 左の掌側前腕の皮膚をプリックテストを行うために選択する。(2) プリックテスト液の名称を、左前腕の中央部分にマーカーペンで記し、紅斑の重複を避けるため、2つのプリックテスト液間の距離が5 cm未満とならないようにする; 次いで、皮膚を消毒する。 (3) プリックテスト液の液滴 (ランセットの先端より大きい) を下から上まで滴下する。 (4) 液滴を介して垂直に、滅菌ディスポーサブルプリックランセットで穏やかに(出血しないように) 皮膚を刺し、1秒後にランセットを廃棄し、5分後にすべての液滴を拭き取り、そして30分後に観察して皮膚反応を記録する。
段階: (1) 左の掌側前腕の皮膚をプリックテストを行うために選択する。(2) プリックテスト液の名称を、左前腕の中央部分にマーカーペンで記し、紅斑の重複を避けるため、2つのプリックテスト液間の距離が5 cm未満とならないようにする; 次いで、皮膚を消毒する。 (3) プリックテスト液の液滴 (ランセットの先端より大きい) を下から上まで滴下する。 (4) 液滴を介して垂直に、滅菌1回用プリックテストランセットで穏やかに(出血しないように) 皮膚を刺し、1秒後にランセットを廃棄し、5分後にすべての液滴を拭き取り、そして30分後に観察して皮膚反応を記録する。
陽性結果の決定基準: 反応グレードは、ヨモギ花粉プリックテスト液およびリン酸ヒスタミン (ポジティブコントロール液)により起こる膨疹の面積の比率により決定する。反応なし、またはネガティブコントロールと同じサイズの反応を(-)として示す; (+) は、リン酸ヒスタミン (ポジティブコントロール)のサイズの1/4より大きい場合である; また(++) は、そのサイズの1/2より大きい場合である; ポジティブコントロールとほぼ同じサイズの膨疹反応は、(+++)のグレードとする; また(++++)は、そのサイズの2倍より大きい場合である。
反応グレードが (+++)の患者から、2 mlの血液サンプルを収集し、5000 rpm、4℃で10 分間で遠心分離し、上層の血清を穏やかにピペットで取り出す。
実施例6: 患者由来の血清中のヨモギ花粉アレルゲンに対するsIgEの相対量の測定
(1) Unicap法を (アレルゲンをイン・ビトロで自動的に検出するためのImmun CAP Diagnostic System Uni CAP system(Pharmacia, Sweden)の説明にしたがい)使用して、患者由来の血清中のヨモギ花粉アレルゲンに対するsIgEの相対量を検出する。
(2) ELISA法を使用して、患者由来の血清中のヨモギ花粉アレルゲンに対するsIgEの相対量を検出する。
ヨモギ花粉を収集し、風乾して一定重量とする。一定量の花粉をコニカルフラスコに正確にはかりとる。3-4 (W/V) 量のアセトンをフラスコに添加した後、フラスコを180 rpmで1.5時間振盪し、そして30分間静置する。上層のアセトンを穏やかにデカントし、新しいアセトンを添加し、静置時に上層のアセトンが無色になるまで、コニカルフラスコを再度振盪する。アセトンを可能な限りデカントする。花粉を大きな培養ディッシュに移し、粉末が形成されアセトン臭がなくなるまで、煙を出す棚で4時間乾燥させる。粉末を回収し、重量を測定し、4℃で保存する。一定量の脱脂花粉をコニカルフラスコに正確にはかりとる。抽出用の炭酸-生理食塩水を比率 1: 30 (W/V) で添加し、磁気撹拌装置上で48時間撹拌する。懸濁液を取り出し、10,000 rpm、4℃で20分間遠心する。上清を回収し、0.45μmのフィルターで上清を濾過滅菌して、ヨモギ花粉抽出物を得る。抽出物中のタンパク質含量をBCA法により測定する。ヨモギ花粉抽出物をコーティングバッファーで希釈し、タンパク質含量を0.05-0.3 mg/ml、好ましくは 0.1 mg/mlに調製する。
コーティングバッファーで希釈した100μlのヨモギ花粉抽出物をELISAプレートの各ウェルに添加し、そして1.5-2時間37℃でインキュベートし、4℃で一晩静置する。ELISAプレートを取り出し、室温で20分間静置し、室温と平衡化する。プレートを洗浄バッファーでプレートウォッシャー上にて5回洗浄し、プレートが乾燥しないようにして水分を軽くたたいて捨てる(アッセイ中、新しい試薬を添加するまで、ELISAプレートを上下反対にして清潔な吸収紙上に置く)。ブロッキング液を添加し (200μl/ウェル) 、そしてプレートを室温で2時間インキュベートする。ブロッキング反応を1時間行った後、以下のように血清を調製する: 患者から収集した血清をブロッキング液で比率 1:20で希釈する; ヤギ抗ヒト IgG (ポリクローナル抗体) をブロッキング液で5μg/μlに希釈する; 各100μlの希釈血清に、50μgのヤギ抗ヒト IgGを添加する; そして、混合物を穏やかに混合する。プレートを室温で45分インキュベートする。プレートのウェル中のブロッキング液を洗浄バッファーでプレートウォッシャー上にて洗浄除去し (5回)、軽くたたいて乾燥し、先に調製した100μlの血清(ローディング前に2-3回上下に振って混合) を添加する。プレートを2時間室温でインキュベートし、洗浄バッファーで5回洗浄し、軽くたたいて乾燥する。100μlの1:1000 ヤギ抗ヒト IgE-HRPを添加し、そしてプレートを1時間室温でインキュベートする。プレートのウェル中のブロッキング液を、洗浄バッファーでプレートウォッシャー上にて洗浄除去する (5回)。用時調製した100μlのTMB顕色液を各ウェルに連続的に添加し、穏やかに混合し、暗所で15分間顕色する。100μl/ウェルの2 M H2SO4を添加して反応を停止し、450 nmにおける読み取りデータを得る。
実施例7:ヨモギ花粉陽性血清の混合
(1)皮膚試験の反応グレードが+++である患者由来の300の血清サンプルを、実施例5の方法にしたがい収集する。ヨモギ花粉アレルゲンに対するsIgEの相対量を、実施例6のUnicap法により測定する。300の血清サンプルのsIgEの平均値、および該平均値に対する各血清のsIgEの相対量の偏差値を計算する。最大および最小の偏差値を有する少なくとも5%の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清サンプルを等量ずつ混合する。3つの血清混合物を同じ方法で調製し、実施例8で使用する。
(2) 皮膚試験の反応グレードが+++である患者由来の300の血清サンプルを、実施例5の方法にしたがい収集する。ヨモギ花粉アレルゲンに対するsIgEの相対量を実施例6のELISA法により測定する。300の血清サンプルのsIgEの平均値および該平均値に対する各血清のsIgEの相対量の偏差値を計算する。最大および最小の偏差値を有する少なくとも5%の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清サンプルを等量ずつ混合する。3つの血清混合物を同じ方法で調製し、実施例8で使用する。
(3) 皮膚試験の反応グレードが+++である患者由来の30、100および500の血清サンプルをそれぞれ実施例5の方法にしたがい収集する。段階 (1) および (2)の操作を繰り返す。3つの血清混合物を実施例8で使用する。
実施例8: ヨモギ花粉陽性血清混合物中のヨモギ花粉アレルゲンに対するsIgEの相対量の測定
1. 30の血清サンプルから調製した血清混合物を得る (実施例7より)。
(1) 血清混合物中のsIgE含量をUnicap法により測定。
Figure 0005033195
(2) 血清混合物中のsIgE含量をELISA法により測定。
Figure 0005033195
2. 100の血清サンプルから調製した血清混合物を得る (実施例7より)。
(1) 血清混合物中のsIgE含量をUnicap法により測定。
Figure 0005033195
(2) 血清混合物中のsIgE含量をELISA法により測定。
Figure 0005033195
3. 300の血清サンプルから調製した血清混合物を得る (実施例7より)。
(1) 血清混合物中のsIgE含量をUnicap法により測定。
Figure 0005033195
(2) 血清混合物中のsIgE含量をELISA法により測定。
Figure 0005033195
4. 500の血清サンプルから調製した血清混合物を得る (実施例7より)。
(1) 血清混合物中のsIgE含量をUnicap法により測定。
Figure 0005033195
(2) 血清混合物中のsIgE含量をELISA法により測定。
Figure 0005033195
以上の結果から、300の患者の血清サンプルを得た場合、実施例7の2つの方法により調製された6つのヨモギ花粉陽性血清混合物中のヨモギ花粉特異的sIgEの含量は安定であると結論できる。すなわち、各血清混合物中のsIgE 値をUnicap法により測定する場合、サンプル標準偏差は3.90未満である。各血清混合物中のsIgE 値をELISA法により測定する場合、サンプル標準偏差は0.040未満である。500の血清サンプルから調製された血清混合物のsIgEの相対量はより安定である。
実施例9:コナヒョウヒダニ皮膚プリックテスト液の効力の測定におけるコナヒョウヒダニ高感受性標準化血清混合物の使用
3つのバッチ由来の100 μlのコナヒョウヒダニ皮膚プリックテスト液 (商標「Spotter」、Zhejiang Wolwo Bio-Pharmaceutical Co., Ltd.) をコナヒョウヒダニ高感受性標準化血清混合物 (実施例3の方法により「500の血清サンプル」から調製) と等量ずつ混合し、コントロールとして使用する標準化血清混合物とともに使用する。すべての混合物をインキュベーター内で37℃にて1時間インキュベートし、次いで冷蔵庫に4℃で一晩 (9-12時間)置く。そして、サンプルを滅菌ガラスチューブに移し、sIgE含量をUnicap100装置により測定する。コナヒョウヒダニ陽性標準化血清についてsIgEの相対量を84.15と測定する。コナヒョウヒダニ皮膚プリックテスト液と標準化血清混合物とを等量ずつ混合した場合の測定結果は以下のとおりである:
Figure 0005033195
コナヒョウヒダニプリックテスト液中のアレルゲンの効力は、sIgEの阻害比率から得ることができる。sIgEの阻害比率が高いほど、アレルゲンの効力が高くなる。
実施例10:コナヒョウヒダニ液滴の効力の測定におけるコナヒョウヒダニ標準化血清混合物の使用
3つのバッチ由来の100 μlのナンバー5 コナヒョウヒダニ液滴(商標「Chanllergen」、Zhejiang Wolwo Bio- Pharmaceutical Co., Ltd.) を、コナヒョウヒダニ高感受性標準化血清混合物 (実施例3の方法により「300の血清サンプル」から調製) と、コントロールとして使用する標準化血清混合物とともに、それぞれ等量ずつ混合する。すべての混合物をインキュベーター内で37℃にて1時間インキュベートし、次いで冷蔵庫に4℃で一晩 (9-12時間)置く。そして、サンプルを滅菌ガラスチューブに移し、sIgE含量をUnicap100装置により測定する。コナヒョウヒダニ陽性標準化血清についてsIgEの相対量を83.72と測定する。コナヒョウヒダニ液滴と標準化血清混合物とを等量ずつ混合した場合の測定結果は以下のとおりである:
Figure 0005033195
コナヒョウヒダニ液滴中のアレルゲンの効力は、sIgEの阻害比率から得ることができる。sIgEの阻害比率が高いほど、アレルゲンの効力が高くなる。
実施例11:ヨモギ花粉皮膚プリックテスト液の効力の測定におけるヨモギ花粉標準化血清混合物の使用
ヨモギ花粉を収集し、風乾して一定重量とする。一定量の花粉をコニカルフラスコに正確にはかりとる。3-4 (W/V) 量のアセトンをフラスコに添加した後、フラスコを180 rpmで1.5時間振盪し、そして30分間静置する。上層のアセトンを穏やかにデカントし、新しいアセトンを添加し、静置時に上層のアセトンが無色になるまで、コニカルフラスコを再度振盪する。アセトンを可能な限りデカントする。花粉を大きな培養ディッシュに移し、粉末が形成されアセトン臭がなくなるまで、煙を出す棚で4時間乾燥させる。粉末を回収し、重量を測定し、4℃で保存する。一定量の脱脂花粉をコニカルフラスコに正確にはかりとる。抽出用の炭酸-生理食塩水を比率 1: 30 (W/V) で添加し、磁気撹拌装置上で48時間撹拌する。懸濁液を取り出し、10,000 rpm、4℃で20分間遠心する。上清を回収し、0.45μmのフィルターで上清を濾過滅菌して、ヨモギ花粉抽出物を得る。抽出物中のタンパク質含量をBCA法により測定する。ヨモギ花粉抽出物をコーティングバッファーで希釈し、タンパク質含量を0.05-0.3 mg/ml、好ましくは 0.1 mg/mlに調製する。
コーティングバッファーで希釈した100μlのヨモギ花粉抽出物をELISAプレートの各ウェルに添加し、そして1.5-2時間37℃でインキュベートし、4℃で一晩静置する。ELISAプレートを取り出し、室温で20分間静置し、室温と平衡化する。プレートを洗浄バッファーでプレートウォッシャー上にて5回洗浄し、プレートが乾燥しないようにして水分を軽くたたいて捨てる(アッセイ中、新しい試薬を添加するまで、ELISAプレートを上下反対にして清潔な吸収紙上に置く)。ブロッキング液を添加し (200μl/ウェル) 、そしてプレートを室温で2時間インキュベートする。ブロッキング反応を1時間行った後、以下のように血清を調製する: 収集したヨモギ花粉陽性標準化血清 (実施例7の方法により300の血清サンプルから調製)をブロッキング液で比率 1:20で希釈する; ヤギ抗ヒト IgG (ポリクローナル抗体) をブロッキング液で5μg/μlに希釈する; 各100μlの希釈血清に、50μgのヤギ抗ヒト IgGを添加する; そして、混合物を穏やかに混合する。混合物を室温で45分インキュベートする。100 μlのヨモギ花粉皮膚プリックテスト液 (Zhejiang Wolwo Bio-Pharmaceutical Co., Ltd.) を上記血清サンプルと等量ずつ混合する。希釈し、IgGを添加した血清をポジティブコントロールとして使用する。混合物およびポジティブコントロールをインキュベーターに1時間37℃でインキュベートする。プレートのウェル中のブロッキング液を洗浄バッファーでプレートウォッシャー上にて洗浄除去し (5回)、軽くたたいて乾燥し、先に調製した100μlの血清(ローディング前に2-3回上下に振って混合) を添加する。混合物を2時間室温でインキュベートする。プレートを洗浄バッファーで5回洗浄し、軽くたたいて乾燥する。100μlの1:1000 ヤギ抗ヒト IgE-HRPを添加し、そして混合物を1時間室温でインキュベートする。プレートのウェル中のブロッキング液を、洗浄バッファーでプレートウォッシャー上にて洗浄除去する (5回)。用時調製した100μlのTMB顕色液を各ウェルに連続的に添加する。混合物を穏やかに混合し、暗所で15分間顕色する。100μl/ウェルの2 M H2SO4を添加して反応を停止し、450 nmにおける読み取りデータを得る。
測定結果を以下に示す:
Figure 0005033195
ヨモギ花粉皮膚プリックテスト液中のアレルゲンの効力は、sIgEの阻害比率から得ることができる。sIgEの阻害比率が高いほど、アレルゲンの効力が高くなる。
実施例11:ヨモギ花粉抽出物の調製
1. ヨモギ花粉を収集し、風乾して一定重量とする;
2. 花粉をアセトンにより、アセトン層が無色になるまで、5回脱脂する;
3. アセトンを完全に揮発させた後、花粉を乳鉢で手作業にて6時間以上粉砕し、そして高速分散機にて粉砕し (30,000 g、30回、各回5秒)、そして最後に超音波で粉砕する (20回、各回5秒)(これらはすべて4℃で行う)。
4. 脱脂花粉1gにつき、10 mlのCoca'sバッファー (5.0 g NaCl、2.75 g NaHCO3、4 ml フェノール、1000 mlまで蒸留水を添加) を添加する。花粉をバッファー中に4℃で48時間浸漬し、その間混合物を6回、各回20分間撹拌する。
5. 浸出後、遠心分離により上清を得る。
6. 浸出液を透析チューブにおいて生理食塩水またはPBSに対して透析液が無色になるまで透析する。
7. 陽圧濾過を0.45 μmのフィルターを介して行い、溶液を分注し、凍結保存する。
8. ストック溶液中のタンパク質の全濃度をBCA 方法により測定する (具体的には、BCAタンパク質アッセイキット (Pierce) を使用する)。
9. ヨモギ花粉アレルゲン抽出物の3つのバッチを上記段階1-8により調製する。
10. 抽出物の3つのバッチのタンパク質濃度が同じになるように、抽出物中のタンパク質の濃度をCoca'sバッファーにより調節する。
実施例12:ヨモギ花粉抽出物の効力の測定におけるヨモギ花粉標準化血清混合物
3つのバッチ由来の100 μlのヨモギ花粉アレルゲン抽出物 (実施例11) を、ヨモギ花粉標準化血清混合物 (実施例7の方法により500の血清サンプルから調製) と、コントロールとして使用するヨモギ花粉標準化血清混合物とともに、それぞれ等量ずつ均一に混合する。すべての混合物をインキュベーター内で37℃にて1時間インキュベートし、次いで冷蔵庫に4℃で一晩 (9-12時間)置く。4℃で一晩置いたサンプルを滅菌ガラスチューブに移し、sIgE含量をUnicap100装置により測定する。ヨモギ花粉陽性標準化血清についてsIgEの相対量を80.53と測定する。ヨモギ花粉抽出物と標準化血清とを混合した場合の測定結果を以下に示す:
Figure 0005033195
ヨモギ花粉抽出物中のアレルゲンの効力は、sIgEの阻害比率から得ることができる。sIgEの阻害比率が高いほど、アレルゲンの効力が高くなる。
実施例13:コナヒョウヒダニ陽性血清の混合およびコナヒョウヒダニ陽性血清混合物中のコナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量の測定
1. コナヒョウヒダニ陽性血清の混合
(1) コナヒョウヒダニアレルゲンに対する高感受性疾患の臨床症状を有すると診断された患者由来の血清を提供する。該血清中のコナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量を、実施例2のUnicap法にしがたい測定する。10-150の範囲内のsIgEの相対量を有する300の血清サンプルを選択する。300の血清サンプルのsIgEの平均および該平均に対する各血清におけるsIgEの相対量の偏差値を計算する。最大および最小の偏差値を有する5%の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清サンプルを等量ずつ混合する。3つの血清混合物を同じ方法で調製する。
(2) コナヒョウヒダニアレルゲンに対する高感受性疾患の臨床症状を有すると診断された患者由来の血清を提供する。該血清中のコナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量を、実施例2のELISA法にしがたい測定する。0.20-1.60の範囲内のsIgEの相対量を有する300の血清サンプルを選択する。300の血清サンプルのsIgE の平均および該平均に対する各血清におけるsIgEの相対量の偏差値を計算する。最大および最小の偏差値を有する5%の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清サンプルを等量ずつ混合する。3つの血清混合物を同じ方法で調製する。
2. 調製したコナヒョウヒダニ陽性血清混合物中のコナヒョウヒダニアレルゲンに対するsIgEの相対量の測定
(1) 血清混合物中のsIgE含量をUnicap法により測定。
Figure 0005033195
(2) 血清混合物中のsIgE含量をELISA法により測定。
Figure 0005033195
以上の結果から、300の患者の血清サンプルを得た場合、本実施例の2つの方法により調製された6つのコナヒョウヒダニ陽性血清混合物中のコナヒョウヒダニ特異的sIgEの含量は安定であると結論できる。すなわち、各血清混合物中のsIgE 値をUnicap法により測定する場合、サンプル標準偏差は3.90未満である。各血清混合物中のsIgE 値をELISA法により測定する場合、サンプル標準偏差は0.040未満である。
上記実施例から、本発明の方法により調製した血清混合物中のsIgE含量は安定であることがわかる。それゆえ、この血清混合物がアレルゲン調製物の製造およびアレルゲン調製物の品質管理における信頼性ある標準として使用できることが保証されうる。
具体的態様を参照して本発明を説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなくこれに様々な変化および修飾を行いうることは、当業者には明らかである。それゆえ、すべての改変および修飾が、付属の請求項の範囲内に含まれる。

Claims (17)

  1. アレルゲンの効力を測定するために使用する血清混合物の調製方法であって、以下の段階を含む方法:
    1)該アレルゲンに対して中程度に高感受性の患者から採取された複数の血清サンプルを提供する;
    2)各血清サンプル中の該アレルゲン-sIgEの相対量を測定し、該複数の血清サンプルのsIgEの相対量の平均値を得て、該平均値に対する各血清のsIgEの相対量の偏差値を得る;
    3)最大および最小の偏差値を有する少なくとも5%の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清サンプルを等量ずつ混合する
    ここで、該中程度に高感受性の患者は該アレルゲンによる皮膚プリックテストを行ったときにグレード+++の反応を示す。
  2. 該アレルゲンが、花粉由来アレルゲン、イエダニ由来アレルゲン、食物由来アレルゲン、昆虫由来アレルゲン、真菌由来アレルゲン、ゴキブリ由来アレルゲン、または動物鱗屑由来アレルゲンから選択される、請求項1の方法。
  3. 該血清中のsIgEの相対量がUnicap法で測定され; 該血清中のsIgEの相対量の平均値が75-85の範囲であり、偏差の絶対値が30未満である血清サンプルが等量ずつ混合される、請求項1の方法。
  4. 該血清中のsIgEの相対量がELISA法で測定され; 該血清中のsIgEの相対量の平均値が0.9-1.0の範囲であり、偏差の絶対値が0.35未満である血清サンプルが等量ずつ混合される、請求項1の方法。
  5. 段階 1)において、該複数の血清サンプルの数が少なくとも 300である、請求項1の方法。
  6. 段階 1)において、該複数の血清サンプルの数が少なくとも 500である、請求項1の方法。
  7. アレルゲンの効力を測定するために使用する血清混合物の調製方法であって、以下の段階を含む方法:
    1)該アレルゲンに対するアレルギー疾患またはアレルギー反応の臨床徴候を有すると診断された患者から採取された血清サンプルを提供し、該血清サンプルについて血清sIgEの相対量をUnicap法またはELISA法で測定し、Unicap法で測定されたsIgEの相対量が1-200の範囲であるか、またはELISA法で測定されたsIgEの相対量が0.10-2.50の範囲である複数の血清サンプルを選択する;
    2)該複数の血清サンプルについてのsIgEの相対量の平均値および該平均値に対する各血清サンプルのsIgEの相対量の偏差値を計算する;
    3)最大および最小の偏差値を有する少なくとも5%の血清サンプルをそれぞれ除去し、残余の血清サンプルを等量ずつ混合する。
  8. 段階 1)において、Unicap法で測定されたsIgEの相対量が10-150の範囲であるか、またはELISA法で測定されたsIgEの相対量が0.2-1.60の範囲である複数の血清サンプルが選択される、請求項の方法。
  9. 該アレルゲンが、花粉由来アレルゲン、イエダニ由来アレルゲン、食物由来アレルゲン、昆虫由来アレルゲン、真菌由来アレルゲン、ゴキブリ由来アレルゲン、または動物鱗屑由来アレルゲンから選択される、請求項の方法。
  10. 段階 1)において、該複数の血清サンプルの数が少なくとも 300である、請求項の方法。
  11. 段階 1)において、該複数の血清サンプルの数が少なくとも 500である、請求項の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかの方法により調製される血清混合物。
  13. 請求項12の血清混合物であって、Unicap法により測定される各血清混合物のsIgE値のサンプル標準偏差が3.90未満であるか、ELISA法により測定される各血清混合物のsIgE値のサンプル標準偏差が0.040未満である、血清混合物。
  14. アレルゲンの効力の検出における、請求項12の血清混合物の使用。
  15. 該アレルゲンが、検出用のアレルゲン調製物におけるアレルゲンであるか、治療用のアレルゲン調製物におけるアレルゲンである、請求項14の使用。
  16. 請求項12の血清混合物を含む、アレルゲンの効力を検出するためのキット。
  17. 該アレルゲンが、検出用のアレルゲン調製物におけるアレルゲンであるか、治療用のアレルゲン調製物におけるアレルゲンである、請求項16のキット。
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