以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例においては、第1の装置に対するソフトウェアのセットアップ時に発生したエラーが、第2の装置に対するセットアップ時に再度発生するのを防ぐことができる装置の構成及びシステムの構成と、これらの構成に基づいてソフトウェアのセットアップ時のエラーを事前に防止する方法について説明する。尚、第1の装置は既にソフトウェアのセットアップ作業が実施された情報処理装置であり、第2の装置はソフトウェアのセットアップ作業が実施されていない又は実施されている最中の情報処理装置である。また、本実施例において、ソフトウェアのセットアップとは、ソフトウェアを情報処理装置にインストールし、試運転を行うことをいう。
図1は、本発明の分析装置118〜122を含むセットアップ支援システム1の構成と、同システム内におけるデータフローを示す。
セットアップ支援システム1は、管理システム2と、水質分析用の複数の分析装置118〜122とを含んで構成される。本実施例において、管理システム2から各分析装置118〜122に共通してセットアップするために提供されるソフトウェア(以下「共通ソフトウェア」という。)には、例えば、GUIソフトウェア、データ解析ソフトウェア、シーケンス制御ソフトウェア、及びドライバソフトウェアなどが含まれる。
管理システム2は、1又は複数の共通ソフトウェア156、及び各共通ソフトウェア156と分析装置118〜122の各々との対応関係を表すセットアップ管理テーブル(以下「シナリオ」という。)108を記憶媒体114に格納するように構成されている。記憶媒体114としては、フラッシュメモリを内蔵している記憶媒体(メモリスティックなど)やCD−RW(Compact Disk ReWritable)など、データの読み出し及び書き込みが可能な任意の記憶媒体を採用することができる。本実施例では、フラッシュメモリを内蔵し、USB端子に接続することでデータの読み出し及び書き込みが可能となる記憶媒体を採用するものとする。シナリオ108の内容については後述する。
また、管理システム2は、分析装置118〜122を備える分析室内に設けられている中継クライアント109と、ネットワーク(例えば、インターネットなど)を介して中継クライアント109と通信可能に接続されるサービスサーバ101とで構成される。
中継クライアント109は、例えば、記憶媒体114が接続されたときに、サービスサーバ101で管理されている分析装置118〜122のグループを特定する識別子(分析室識別子)104をサービスサーバ101に対して送信するとともに、記憶媒体114に格納するための登録装置情報107、シナリオ108、ソフトウェア関連情報124、及びセットアップ対象装置台数128の送信を要求し、受信したデータを記憶媒体114に格納する。また、分析室識別子104、記憶媒体114に格納されているシナリオ108の実行状況を表すシナリオ実行情報105、及び記憶媒体114に格納されている分析装置118〜122の最新の構成情報(最新構成情報)106を、サービスサーバ101に対して送信する。
なお、分析室識別子104は、分析装置118〜122を提供する装置メーカが記憶媒体114に格納してもよいし、ユーザが記憶媒体114に書き込むようにしてもよい。サービスサーバ101では、各分析装置118〜122の構成情報は、分析室識別子104に対応付けて、登録装置情報107として管理されているものとする。
登録装置情報107は、サービスサーバ101で管理されている各分析装置118〜122の構成に関する情報である。ソフトウェア関連情報124は、サービスサーバ101が管理している各分析装置118〜122に応じた共通ソフトウェア156と、該共通ソフトウェアが分析装置118〜122にインストールされた場合に行われる試運転のプログラム(試運転スクリプト)157と、該試運転の際に動作する分析装置118〜122内のハードウェア及びソフトウェアの組合せが記述されている試運転管理テーブル158とを含む情報である。セットアップ対象装置台数128は、サービスサーバ101から提供される共通ソフトウェア156に対応している分析装置の数であり、具体的にはシナリオ108に格納される装置ごとのレコードの数と同じ値である。登録装置情報107及び試運転管理テーブル158の詳細については後述する。
サービスサーバ101は、中継クライアント109からの要求に応じて、共通ソフトウェアのセットアップの経過情報及び最新装置情報106を登録したり、中継クライアント109からの要求に応じて、中継クライアント109から受信した分析室識別子104で特定される分析装置に応じたシナリオ108を作成し、該分析装置に関する登録装置情報107と、該シナリオ108に対応するソフトウェア関連情報124及びセットアップ対象装置台数128と併せて中継クライアント109に対して送信する。
中継クライアント109は、サービスサーバ101から登録装置情報107、シナリオ108、ソフトウェア関連情報124、及びセットアップ対象装置台数128を受信すると、これらのデータを記憶媒体114に格納する。これらのデータが格納された記憶媒体114は、分析室の研究者等によって各分析装置118〜122に接続される。
例えば、分析装置122に記憶媒体114が接続されると、共通ソフトウェア156のセットアップの過程で、分析装置122からは、シナリオ108のうち自装置に対応するシナリオ(自己シナリオ)127の実行情報(自己シナリオ実行情報)111と、セットアップ未実行装置台数129と、場合によっては最新の自装置の構成情報(最新自装置情報)117が、記憶媒体114に書き込まれる。自己シナリオ実行情報111には、自装置に対する共通ソフトウェア156のセットアップの結果情報が含まれる。セットアップ未実行装置台数129は、共通ソフトウェア156のセットアップ作業が行われていない分析装置の数であり、具体的には、各分析装置に対する共通ソフトウェア156のセットアップ作業が開始されるたびに、セットアップ対象装置台数128から1がデクリメントされた値である。
一方、記憶媒体114からは、他装置に対する共通ソフトウェア156のセットアップの結果情報(他装置セットアップ結果情報)115、他装置の構成に関する情報(他装置情報)125、登録装置情報107のうち自装置に関する情報(登録自装置情報)116、自己シナリオ127、ソフトウェア関連情報124のうち自装置に対応する情報(自己ソフトウェア関連情報)126、及びセットアップ対象装置台数128が、分析装置122へ読み込まれる。
その後、記憶媒体114が中継クライアント109に接続されると、共通ソフトウェア156のセットアップ作業が実施された分析装置118〜122に関するシナリオ実行情報105、いずれかの分析装置118〜122に関する最新の構成情報が記憶媒体114に格納されている場合は該最新装置情報106、セットアップ対象装置台数128、及びセットアップ未実行装置台数129が記憶媒体114から中継クライアント109へ読み込まれる。
以下、分析装置122を第2の装置とし、1又は複数の他装置118〜121を第1の装置として、分析装置122の構成、記憶媒体114が分析装置122に接続された場合に実行される処理の手順、及び記憶媒体114が中継クライアント109に接続された場合に実行される処理の手順を説明するが、他装置118〜121の構成及び記憶媒体114が接続された場合に実行される処理の内容は同様である。
図2は、分析装置122に関する登録装置情報107のテーブル構成の一例を示す。
登録装置情報107は、分析装置122に備えられているハードウェア及びソフトウェアを表す情報である。具体的には、登録装置情報107は、装置を特定する識別子200と、装置の種類を特定するシリーズ識別子201と、装置に備えられているコントローラの識別子202と、装置に備えられているユニットの数203と、ユニット識別子204と、ユニットごとに備えられている付属品の数205と、付属品識別子206と、装置にインストール済みの共通ソフトウェアの分類数208と、インストール済みのGUIソフトウェアの数209と、各GUIソフトウェアの識別子210と、インストール済みのデータ解析ソフトウェアの数212と、各データ解析ソフトウェアの識別子213と、インストール済みのシーケンス制御ソフトウェアの数215と、各シーケンス制御ソフトウェアの識別子216と、インストール済みのドライバソフトウェアの数218と、各ドライバソフトウェアの識別子219とから構成される。サービスサーバ101では、管理対象の装置ごとに登録装置情報107が保持されているものとする。なお、他の分析装置118〜121に関する登録装置情報108の構成、及び各分析装置118〜122に保持されており、所定のタイミングで記憶媒体114に格納される各装置の構成情報(図1の最新自装置情報117)の構成についても図2のテーブル構成と同様である。
図3は、(A)シナリオ108のテーブル構成と、(B)シナリオ実行情報105のテーブル構成を示す。
シナリオ108は、サービスサーバ101の管理対象である分析装置118〜122ごとに、該装置に対応する共通ソフトウェア156を特定する情報と、該共通ソフトウェア156がインストールされた場合に実行される試運転に関する試運転管理テーブル158を特定する情報と、試運転を実行するための試運転スクリプト157を特定する情報とを対応付けて管理するテーブルである。具体的には、このテーブルは、共通ソフトウェア156がセットアップされる装置ごとの識別子1703と、各装置にセットアップされる共通ソフトウェア156の数1713と、各共通ソフトウェア156の識別子1704と、共通ソフトウェア156がインストールされた場合に行われる試運転に対応する試運転管理テーブル158の識別子1705と、試運転スクリプト157の識別子1706とから構成される。
シナリオ実行情報105は、各装置118〜122ごとに、シナリオ108によって特定される共通ソフトウェア156のセットアップ作業が実施されたかどうかを表す情報と、セットアップ作業が実施されている場合にはセットアップの結果情報を保持するテーブルである。
具体的には、このテーブルは、装置識別子1709と、装置識別子1709に対応する分析装置に対して共通ソフトウェア156のセットアップ作業が実施されたどうかを表すセットアップ実行フラグ1710と、共通ソフトウェア156のインストール結果1711と、試運転の総合結果1712と、試運転に含まれる1又は複数の動作テストを識別するテスト項目識別子1714と、各動作テストの結果を表す個別結果1716とから構成される。
図4は、ソフトウェア関連情報124に含まれる試運転管理テーブル158の構成を示す。試運転管理テーブル158は、各試運転に含まれる動作テストごとに、該動作テストの際に動作する分析装置118〜122内のハードウェア及びソフトウェアの組合せが記述されている。なお、試運転管理テーブル158は、1又は複数の動作テストで構成される試運転ごとに作成されており、必要に応じてサービスサーバ101から記憶媒体114に格納される。
具体的には、このテーブルは、試運転を構成する各動作テストを識別するテスト項目識別子602と、テスト項目識別子602に対応する動作テストの際に動作するユニット(関連ユニット)の数603と、各関連ユニットの識別子604と、テスト項目識別子602に対応する動作テストの際に動作する付属品(関連付属品)の数605と、各関連付属品の識別子606と、テスト項目識別子602に対応する動作テストの際に動作するソフトウェア(関連ソフトウェア)の数608と、各関連ソフトウェアの識別子609とから構成される。
図5は、記憶媒体114の構造を示す。記憶媒体114は、分析室識別子104を格納する領域501と、最新装置情報106を格納する領域502と、登録装置情報107を格納する領域503と、シナリオ108を格納する領域504と、シナリオ実行情報105を格納する領域505と、共通ソフトウェア156を格納する領域506と、試運転管理テーブル158を格納する領域507と、試運転スクリプト157を格納する領域508と、セットアップ対象装置台数を格納する領域509と、セットアップ未実行装置台数を格納する領域510とを含んで構成される。
図6は、中継クライアント109の構成を示す。
中継クライアント109は、例えば、記憶媒体114が接続されたときに、サービスサーバ101で管理されている分析装置118〜122のグループを特定する識別子(分析室識別子)104をサービスサーバ101に対して送信するとともに、記憶媒体114に格納するための登録装置情報107、シナリオ108、ソフトウェア関連情報124、及びセットアップ対象装置台数128の送信を要求し、受信したデータを記憶媒体114に格納する送信要求手段151を有する。また、分析室識別子104、記憶媒体114に格納されているシナリオ108の実行状況を表すシナリオ実行情報105、及び記憶媒体114に格納されている分析装置118〜122の最新装置情報106を、サービスサーバ101に対して送信し、共通ソフトウェア156のセットアップの経過情報及び最新構成情報106の登録を要求する登録要求手段152を有する。送信要求手段151及び登録要求手段152は、中継クライアント109の中央処理装置(CPU)が所定のプログラムを実行することにより実現される機能的手段であり、これらの手段による処理の具体的な手順については、図17を参照して後述する。
なお、本実施例で採用される中継クライアント109は、中央処理装置(CPU)、記憶装置(RAMとHDDなど)、入力装置(マウスとキーボードなど)、出力装置(ディスプレイとスピーカなど)、及び通信装置(イーサネットアダプタ及びUSB端子など)を備える一般的な構成の情報処理装置によって実現される。また、サービスサーバ101及び各分析装置118〜122に関しても同様である。
図7は、サービスサーバ101の構成を示す。
サービスサーバ101は、登録装置情報107、ソフトウェア関連情報124、及びシナリオ管理テーブル159を格納する記憶手段102と、中継クライアント109からの要求に応じてシナリオ108等のデータを作成して中継クライアント109へ送信するシナリオ作成手段153と、中継クライアント109からの要求に応じてセットアップの経過情報及び最新装置情報106を記憶手段102に格納するデータ格納手段154とを備える。シナリオ管理テーブル159は、サービスサーバ101が管理している装置が具備し得るハードウェア及びソフトウェアの組合せ、共通ソフトウェア156、試運転管理テーブル158、及び試運転スクリプト157のそれぞれの対応関係を表すテーブル(図示省略)である。なお、記憶手段102は、メモリ(RAMなど)やHDD等の記憶装置によって実現される。シナリオ作成手段153及びデータ格納手段154は、サービスサーバ101の中央処理装置(CPU)が所定のプログラムを実行することにより実現される機能的手段であり、これらの手段による処理の具体的な手順については、図17を参照して後述する。
図8は、実施例の分析装置122の構成を示す。分析装置122は、記憶媒体114のデータを読み取るための記憶媒体IF(本実施例ではUSB端子)302を備えたホスト計算機303と、付属品325,326,327をそれぞれ備えた複数(例えば3つ)のユニット322〜324と、各ユニット322〜324の動作を制御するコントローラ320とを含んで構成される。ホスト計算機303とコントローラ320は例えばRS-232CケーブルやUSBケーブルやLANケーブル等の通信ケーブル319で接続される。また、コントローラ320と各ユニット322〜324についても、上記と同様に通信ケーブル321で接続される。
本実施例では、分析装置122は、水質データをサンプリングして水質を分析するための装置であり、例えば、ユニット322は水(試料)を汲み上げるポンプであり、ユニット323は試料中の特定の成分を抽出する機能を有するとともに、水質データをサンプリングするセンサを備えたカラムであり、ユニット324はカラムに試料を注入するインジェクションである。また、付属品325〜327は、各ユニット322〜324の機能を向上させる機能を有する部品であり、各ユニット322〜324に応じて備えられる。コントローラ320は、ホスト計算機303からの指示に応じて各ユニット322〜324を制御し、例えばユニット323が取得した水質データをホスト計算機303へ渡す機能を有する。
ホスト計算機303は、記憶媒体IF302のほかに、記憶手段123、ソフトウェア決定手段351、同一・類似判定手段352、成否情報出力手段353、インストール手段354、テスト手段355、及び補助演算手段356を備える。
記憶手段123は、自装置情報テーブル305、同一構成装置判定ポリシ408、類似構成装置判定ポリシ409、セットアップ関連装置管理テーブル330、関連装置台数361、自装置変動情報362、事前検証ソフトウェア328、インストーラソフトウェア307、試運転ソフトウェア308、汎用GUIソフトウェア309、ルーチンGUIソフトウェア310、複数(例えば3つ)のデータ解析ソフトウェア311a〜311c、複数(例えば2つ)のシーケンス制御ソフトウェア314a、14b、及び複数(例えば3つ)のドライバソフトウェア316a〜316cを保持する。なお、記憶手段123は、メモリ(RAMなど)やHDD等の記憶装置によって実現される。
自装置情報テーブル305は、分析装置122(自装置)の最新の構成に関する情報(自装置情報)を保持するテーブルであり、その構成は図2に示すテーブル構成と同様である。
同一構成装置判定ポリシ408は、自装置122と他装置118〜121との同一性を判定するための基準とするハードウェア又はソフトウェアを指定するテーブル(同一基準テーブル)であり、そのテーブル構成を図9(A)に示す。ユーザは、同一性の判断の基準となる構成要素を定めて、同一構成装置判定ポリシ408のテーブルにおいて、その構成要素に対応するフラグ欄に"1"を格納することで、その構成要素が同一性の判断の基準となる。本実施例では、ユニットとシーケンス制御ソフトウェアが同一性の基準となる構成要素として定められている。同一性の判断の具体的な内容については後述する。
類似構成装置判定ポリシ409は、他装置118〜121のうち自装置122と類似の構成を有する類似構成装置を判定するための基準を定めるテーブルであり、そのテーブル構成を図9(b)に示す。本実施例では、類似構成装置判定ポリシ409として、自装置122に対応する試運転管理テーブル158(図4)と、他装置118〜121のうち共通ソフトウェア156のセットアップ作業が実施済みの装置に対応する試運転管理テーブル158(図4)とを比較し、セットアップ作業実施済み装置のうち、ハードウェア及びソフトウェアの組合せが一致する動作テストの数が規定値(例えば3つ)以上となるセットアップ作業実施済み装置を類似構成装置とすることが定められている。類似構成装置判定ポリシ409は、管理者又は共通ソフトウェアの製造者のどちらが決定してもよい。類似性の判断の具体的な内容については後述する。
セットアップ関連装置管理テーブル330は、自装置122にセットアップされる共通ソフトウェア156に対応付けられている他装置のうち、該共通ソフトウェア156のセットアップ作業が実施済みの他装置(セットアップ関連装置)に関する情報を保持するテーブルであり、自装置122に対して共通ソフトウェア156がセットアップされる際に作成され、記憶手段123に格納される。セットアップ関連装置管理テーブル330の詳細については後述する。関連装置台数361は、上記セットアップ関連装置の数である。
自装置変動情報362は、サービスサーバ101の記憶手段102で管理されている登録装置情報107に含まれる登録自装置情報116と、自装置122の記憶手段123で保持している最新自装置情報117との間で相違する構成を表す情報である。
事前検証ソフトウェア328は、自装置にセットアップされる共通ソフトウェア156の決定、自装置と他装置が同一又は類似の構成を有するかどうかの判定、同一構成装置と類似構成装置における共通ソフトウェア156のセットアップの結果情報の出力等の処理手順を定めたソフトウェアである。
インストーラソフトウェア307は、記憶媒体114に格納されている共通ソフトウェア156の自装置122に対するインストールの処理手順を定めたソフトウェアである。
試運転ソフトウェア308は、自装置122に共通ソフトウェア156がインストールされた場合に、記憶媒体114に格納されている試運転スクリプト157を読み出し、該読み出した試運転スクリプト157と連動して試運転を実行するための処理手順を定めたソフトウェアである。
ソフトウェア決定手段351は、記憶媒体IF302を介して記憶媒体114から自己シナリオ127を読み出し、共通ソフトウェア156のうち、読み出した自己シナリオ127において自装置122に対応している共通ソフトウェア156を特定し、特定した共通ソフトウェア156を自装置122にセットアップする共通ソフトウェア156として決定する。なお、記憶媒体114に格納されているシナリオ108が、同じ分析室内にある分析装置118〜122に対する共通ソフトウェア156のセットアップに関する情報であれば、記憶媒体114に格納されている1又は複数の共通ソフトウェア156のすべてが、自装置にセットアップする共通ソフトウェア156として決定されることとなる。一方、記憶媒体114に格納されているシナリオ108が、他の分析装置にある装置に対する共通ソフトウェア156のセットアップに関する情報であれば、記憶媒体114に格納されている共通ソフトウェア156の一部だけが、自装置にセットアップする共通ソフトウェア156として決定される場合もあり得る。
同一・類似判定手段352は、記憶媒体IF302を介して記憶媒体114から、ソフトウェア決定手段351が決定した共通ソフトウェア156に対応するセットアップ作業実施済み装置の構成情報(セットアップ作業実施済み装置情報)を読み出し、読み出したセットアップ作業実施済み装置情報と自装置情報テーブル305に保持されている自装置情報とを比較し、セットアップ作業実施済み装置のうち、自装置122の構成と同一の構成を有する同一構成装置又は自装置122の構成と類似の構成を有する類似構成装置を所定の基準に従って決定する。セットアップ作業実施済み装置情報は、自装置122にセットアップされる共通ソフトウェア156と同じ共通ソフトウェア156のセットアップ作業が実施済みの他装置の構成に関する情報である。また、本実施例では、同一構成装置は同一構成装置判定ポリシ408に従って決定され、類似構成装置は類似構成装置判定ポリシ409に従って決定される。同一構成装置及び類似構成装置の決定方法の詳細については後述する。
成否情報出力手段353は、記憶媒体IF302を介して記憶媒体114から、同一・類似判定手段352が決定した同一構成装置又は類似構成装置に関する他装置セットアップ結果情報115を読み出し、読み出した他装置セットアップ結果情報115を、ソフトウェア決定手段351が決定した共通ソフトウェア156のセットアップ成否情報として出力する。出力されたセットアップ成否情報は、例えば、分析装置122に備えられているディスプレイ上に表示される。
インストール手段354は、成否情報出力手段353がセットアップ成否情報を出力した後、自装置122に対して共通ソフトウェア156をインストールし、該インストールの結果情報を、自装置122に対する共通ソフトウェア156のセットアップ結果情報として、この共通ソフトウェア156に対応付けて記憶媒体114に書き込む。具体的には、自装置122におけるセットアップ結果情報は、記憶媒体114のシナリオ実行情報格納領域505(図5)に保持されているシナリオ実行情報105(図3(B))内に格納される。なお、シナリオ実行情報105内にインストール結果情報が格納されると、該インストール結果が格納されたレコード内にある装置識別子1709の値に基づき、シナリオ108(図3(A))内に保持されている共通ソフトウェア識別子1704が特定されるため、上記セットアップ結果情報は共通ソフトウェア156に対応することになる。
テスト手段355は、自装置122において共通ソフトウェア156がインストールされた場合に試運転を行い、該試運転の結果を、自装置122に対する共通ソフトウェア156のセットアップ結果情報として、共通ソフトウェア156に対応付けて記憶媒体114に書き込む。具体的には、試運転の結果は、記憶媒体114のシナリオ実行情報格納領域505に保持されているシナリオ実行情報105内に格納される。なお、試運転の結果が共通ソフトウェア156に対応することとなる理由は前述と同様である。
補助演算手段356は、分析装置122において実行される上述の各種の処理のうち、ソフトウェア決定手段351、同一・類似判定手段352、成否情報出力手段353、インストール手段354、及びテスト手段355が実行する処理以外の処理を実行する。
なお、ソフトウェア決定手段351、同一・類似判定手段352、及び成否情報出力手段353は、分析装置122の中央処理装置(CPU)が記憶手段123から読み出した事前検証ソフトウェア328を実行することで機能的に実現される。インストール手段354は、分析装置122のCPUが記憶手段123から読み出したインストーラソフトウェア307を実行することで機能的に実現される。テスト手段355は、分析装置122のCPUが記憶手段123から読み出した試運転ソフトウェア308及び記憶媒体114から読み出した試運転スクリプトを実行することで機能的に実現される。補助演算手段356は、分析装置122のCPUが必要に応じて、事前検証ソフトウェア328、インストーラソフトウェア307、試運転ソフトウェア308、又は試運転スクリプトを実行することで機能的に実現される。
図10は、分析装置122の記憶手段123に保持されるセットアップ関連装置管理テーブル330のテーブル構成を示す。このテーブルは、自装置122に共通ソフトウェア156がセットアップされる過程で同一・類似判定手段352によって作成され、記憶手段123に格納される。
セットアップ関連装置管理テーブル330は、セットアップ関連装置の識別子1602、同一装置装置フラグ1603、インストール結果1609、試運転総合結果1610、類似構成装置フラグ1604、関連テスト項目数1611、関連テスト項目識別子1606、及び結果1612とから構成される。
同一構成装置フラグ1603は、セットアップ関連装置が同一構成装置かどうかを表す情報であり、類似構成装置フラグ1604は、セットアップ関連装置が類似構成装置かどうかを表す情報である。
インストール結果1609及び試運転総合結果1610は、セットアップ関連装置が同一構成装置である場合にのみ格納される情報である。また、インストール結果1609は、記憶媒体114のシナリオ実行情報格納領域505に保持されているシナリオ実行情報105(図3(B))のインストール結果1711の内容と同じである。試運転総合結果1610は、記憶媒体114のシナリオ実行情報格納領域505に保持されているシナリオ実行情報105(図3(B))の試運転総合結果1712の内容と同じである。
関連テスト項目数1611、関連テスト項目識別子1606及び結果1612は、セットアップ関連装置が類似構成装置である場合にのみ格納される情報である。関連テスト項目識別子1606は、各セットアップ関連装置のうちの類似構成装置に対応する試運転管理テーブル158(図4)に格納されているテスト項目識別子602の内容と同じであり、関連テスト項目数1611は、関連テスト項目識別子1606の数である。また、結果1612は、試運転を構成する1又は複数の動作テストのうち各関連テスト項目識別子1606に対応する動作テストごとの結果であり、具体的には、各セットアップ関連装置のうちの類似構成装置に対応するシナリオ実行情報(図3)に格納されている個別結果1716の内容と同じである。
図11は、分析装置122に記憶媒体114が接続された場合に実行される処理の手順を示す。
まず、分析装置122の補助演算手段356は、記憶媒体IF302に記憶媒体114が接続されると、シナリオ108の実行が完了したかどうか、即ちシナリオ108に記述されている装置識別子1703に対応する全ての分析装置に対する共通ソフトウェア156のセットアップ作業が完了しているかどうかを判定する(ステップ801)。
具体的には、記憶媒体114のセットアップ未実行装置台数格納領域510に格納されている値を参照し、値が0であればシナリオ108の実行が完了していると判定し、0よりも大きい値であればシナリオ108の実行が完了していないと判定する。
ステップ801において、シナリオ108の実行が完了していると判定した場合には、補助演算手段356は、シナリオ108が完了した旨のメッセージ(例えば、「共通ソフトウェアのセットアップは完了しています。中継クライアントに記憶媒体を接続してください。」といったメッセージなど)をディスプレイの画面に表示し(ステップ802)、処理を終了する。
一方、ステップ801において、シナリオ108の実行が完了していないと判定した場合には、補助演算手段356は、自己シナリオ127が完了しているかどうか、即ち自装置122に対する共通ソフトウェア156のセットアップ作業が完了しているかどうかを判定する(ステップ803)。
具体的には、自装置情報テーブル305(図2)の装置識別子200を検索キーとして、記憶媒体114のシナリオ実行情報格納領域505に格納されているシナリオ実行情報105(図3(B))から同じ値の装置識別子1709を検索し、検索により見つかった装置識別子1709に対応するレコードのセットアップ実行フラグ1710が0であれば自己シナリオ127の実行が完了していないと判定し、1であれば自己シナリオの実行が完了していると判定する。
ステップ803において、自己シナリオ127の実行が完了していると判定した場合には、その旨を表すメッセージ(例えば、「この分析装置に対する共通ソフトウェアのセットアップ作業は完了しています。」といったメッセージなど)をディスプレイの画面に表示し(ステップ804)、処理を終了する。或いは、記憶媒体114に格納されているシナリオ実行情報105(図3(B))の装置識別子1709に基づいて、他装置118〜122に関するレコードを特定し、導入実行フラグ1710の値が0である他装置を選定し、他装置に対して共通ソフトウェア156のセットアップを行うことを促すメッセージ(例えば、「分析装置Aと分析装置Cに記憶媒体を挿入して下さい。」といったメッセージなど)をディスプレイの画面に表示することで、次に行うべき操作を提示してもよい。
一方、ステップ803において、自己シナリオ127の実行が完了していないと判定した場合には、同一・類似判定手段353は、事前検証を実行する(ステップ805)。
事前検証が実行されると、セットアップ関連装置に対する共通ソフトウェアのセットアップ結果情報が、分析装置122の記憶手段123に保持されているセットアップ関連装置管理テーブル330(図10)に格納される。事前検証処理(ステップ805)の手順については、図12〜16を参照して後述する。
ステップ805を完了した後、成否情報出力手段353は、事前検証結果を提示する(ステップ806)。
具体的には、セットアップ関連装置管理テーブル330を参照し、上記セットアップ関連装置に関するセットアップ結果情報を、共通ソフトウェア156のセットアップ成否情報として出力する。出力されるセットアップ成否情報の例としては、「セットアップしようとしている共通ソフトウェアαと共通ソフトウェアβは、構成が同じである他の装置に対するインストール時にエラーが発生しています。」といったメッセージや、「セットアップしようとしている共通ソフトウェアαと共通ソフトウェアβは、構成が同じである他の装置に対して正常にセットアップされています。」といったメッセージや、「セットアップしようとしている共通ソフトウェアβは、構成が類似する他の装置においてセットアップ作業が実施された際に、試運転でエラーが発生しています。」といったメッセージが考えられる。なお、セットアップ関連装置管理テーブル330に情報が格納されていない場合には、セットアップしようとしている共通ソフトウェア156が分析室内の装置にはじめてセットアップされるソフトウェアである旨のメッセージ(例えば、「セットアップしようとしている共通ソフトウェアαに関する他の装置のセットアップ結果情報がありません。セットアップ過程でエラーが発生した場合は、管理者へ連絡してください。」といったメッセージ)を提示することが考えられる。
ユーザは、分析装置122に対して共通ソフトウェア156のセットアップを行う前に、上記のような事前検証結果が提示されることで、分析装置122における共通ソフトウェア156のセットアップ時において発生し得るエラーを事前に認識することができ、セットアップ作業を継続すべきかどうかを判断することができる。例えば、事前検証結果として否定的な内容のセットアップ成否情報が提示された場合には、ユーザはセットアップを行わずに管理者や共通ソフトウェア156の製造者へ問い合わせるなどの対応をとることにより、他装置で生じたエラーと同じエラーが分析装置122において再度生ずるのを予防することができる。
次に、成否情報出力手段353は、「共通ソフトウェアのセットアップを継続しますか?」といったメッセージをディスプレイの画面に表示し、ユーザからのセットアップ作業の継続意思の有無に関する情報の入力を受け付け、セットアップ作業を継続するか否かを判定する(ステップ807)。ユーザは、事前検証結果を理解したうえで、セットアップ作業を継続するかどうかを決定し、入力装置を介して継続意思の有無に関する情報を入力することができる。
ステップ807において、成否情報出力手段353がセットアップ作業を継続しないと判定した場合、即ちユーザからセットアップ作業を中止する旨の情報の入力を受け付けた場合には、成否情報出力手段353は処理を終了する。
一方、ステップ807において、成否情報出力手段353がセットアップ作業を継続すると判定した場合、即ちユーザからセットアップ作業を継続する旨の情報の入力を受け付けた場合には、補助演算手段356は、記憶媒体114に格納されているシナリオ実行情報105の自装置122の識別子に対応するレコードを特定し、該レコード中のセットアップ実行フラグ1710に1を書き込む(ステップ808)。
次に、補助演算手段356は、記憶媒体114のセットアップ未実行装置台数格納領域510の値から1をデクリメントする(ステップ809)。具体的には、同領域510のデータを一旦読み込み、読み込んだ値から1をデクリメントした後に、記憶媒体114上のセットアップ未実行装置台数格納領域510にデータを書き戻す。
そして、ソフトウェア決定手段351は、自装置122に対してインストールする1又は複数の共通ソフトウェア156を決定する(ステップ810)。
具体的には、シナリオ108のレコードのうち、自装置122の識別子1703に対応するレコード(自己シナリオ127)を特定し、特定したレコード内のソフトウェア識別子1704に基づいて、自装置122にインストールする共通ソフトウェア156を決定する。
次に、インストール手段355は、ソフトウェア決定手段351が決定した共通ソフトウェア156を自装置122にインストールする(ステップ811)。
具体的には、上記決定した共通ソフトウェアのソフトウェア識別子1704を用いて、記憶媒体114のソフトウェア格納領域506からインストールすべき共通ソフトウェア156を読み出し、自装置122に対してインストールを実行する。
インストール手段355は、上記インストールの結果情報を記憶媒体114に格納する(ステップ812)。
具体的には、共通ソフトウェア156のインストールに成功した場合、記憶媒体114のシナリオ実行情報格納領域505に保持されているシナリオ実行情報105(図3(B))において自装置122に対応するレコードを特定し、該レコード中のインストール結果1711に1を格納する。一方、インストールに失敗した場合、インストール結果1711に−1を格納する。
次に、インストール手段354は、上記インストールが成功したかどうかを判定し(ステップ813)、インストールが失敗していれば、処理を終了する。一方、インストールが成功していれば、次の処理へ移行する。
インストール手段354によってインストールが成功したと判定された場合、テスト手段355は、試運転を実行する(ステップ814)。
具体的には、シナリオ108中の自己シナリオ127の試運転スクリプト識別子1706を用いて、記憶媒体114内の試運転スクリプト格納領域508から実行すべき試運転スクリプト157を読み出す。なお、読み出された試運転スクリプト157は、自装置122のCPUによって実行される。
次に、テスト手段355は、試運転の結果情報を記憶媒体114に格納する(ステップ815)。
具体的には、記憶媒体114のシナリオ実行情報格納領域505に保持されているシナリオ実行情報105(図3(B))において自装置122に対応するレコードを特定し、該レコード中の試運転総合結果1711、テスト項目識別子1714、及び個別結果1716に試運転の結果情報を格納する。本実施例では、試運転を構成する動作テストごとの結果情報(成功は1、失敗は0)は個別結果1716に格納され、総合結果(全てのテスト項目の結果が成功であれば1、1つでも失敗があれば−1)は試運転総合結果1712に格納される。
そして、前補助演算手段356は、再びステップ801を実行する。
図12は、同一・類似判定手段353による事前検証処理(図11のステップ805)の手順を示す。
まず、同一・類似判定手段353は、分析装置122の自己装置情報テーブル305の変動状況を検証する(ステップ1801)。変動状況検証処理(ステップ1801)の手順については、図13を参照して後述する。
次に、同一・類似判定手段353は、自己装置情報テーブル305の変動の有無を判定する(ステップ1802)。
ステップ1802において、自装置情報テーブル305に変動が無いと判定した場合には、同一・類似判定手段353は、記憶手段123に格納されている自装置変動情報362の内容(内容の有無を問わない)を0クリアする(ステップ1803)。
次に、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置を特定する(ステップ1804)。セットアップ関連装置の特定処理(ステップ1804)の手順については、図14を参照して後述する。
セットアップ関連装置を特定した後、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置のうちの同一構成装置のセットアップ関連装置のセットアップ結果情報を取得する(ステップ1805)。ステップ1805の処理手順については、図15を参照して後述する。
そして、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置のうちの類似構成装置のセットアップ結果情報を取得する(ステップ1806)。ステップ1806の処理手順については、図16を参照して後述する。
一方、ステップ1802において、自己装置情報テーブル305に変動が有ると判定した場合には、同一・類似判定手段353は、分析装置122の記憶手段123に自装置変動情報362を格納する(ステップ1807)。
具体的には、記憶媒体114に格納されている登録自装置情報116と、自装置122の記憶手段123に格納されている自装置情報テーブル305の内容の差分を表す情報を自装置変動情報362に格納する。例えば、登録自装置情報116と自装置情報テーブル305のいずれか一方にのみ含まれる構成情報や、自装置情報テーブル305にのみ含まれる構成情報を格納することが考えられる。なお、自装置情報テーブル305の内容の変動の有無を表す情報(例えば、変動有りの場合は1、変動無しの場合は0)を、分析装置122の記憶手段123内の所定の領域(例えば、自装置情報テーブル305内など)に格納するように構成してもよい。
次に、同一・類似判定手段353は、分析装置122の記憶手段123に格納されている自装置情報テーブル305の情報を記憶媒体114の最新装置情報格納領域502に格納する(ステップ1808)。
そして、同一・類似判定手段353は、自装置122に対応する最新の共通ソフトウェアの入手を促すメッセージ(例えば、「装置構成が更新されています。現在の装置構成に応じた共通ソフトウェアを入手するため、記憶媒体を中継クライアントに接続してください。」といったメッセージなど)をディスプレイの画面に表示し(ステップ1809)、処理を終了する。自装置情報テーブル305の内容が登録自装置情報116から更新されている場合には、現在の自装置情報に応じた共通ソフトウェア156をセットアップするのが好ましいからである。
図13は、変動状況検証処理(図12のステップ1801)の手順を示す。
まず、同一・類似判定手段353は、自装置情報テーブル305に保持されている自装置122の装置識別子200を検索キーとして、記憶媒体114の登録装置情報格納領域503に格納されている登録自装置情報116を検索し、検索により見つかった登録自装置情報116を読み込む(ステップ901)。
次に、同一・類似判定手段353は、最新自装置情報を自装置122の記憶手段123から読み込む(ステップ902)。具体的には、記憶手段123に保持されている自装置情報テーブル305の内容を読み込む。
そして、同一・類似判定手段353は、記憶媒体から読み込んだ登録自装置情報116と、記憶手段123から読み込んだ最新自装置情報とを比較して、差分を表す情報を抽出し(ステップ903)、図12のステップ1802の処理へ移行する。
図14は、セットアップ関連装置の特定処理(図12のステップ1804)の手順を示す。
まず、同一・類似判定手段353は、自装置に対応する共通ソフトウェア156の識別子を取得する(ステップ1501)。
具体的には、自装置122の記憶手段123内の自装置情報テーブル305に保持されている自装置122の装置識別子221を検索キーとして、記憶媒体114のシナリオ格納領域504内で自己シナリオ127を検索し、検索により見つかった自己シナリオ127に記述されているソフトウェア識別子1704の値を取得する。
次に、同一・類似判定手段353は、自装置122と同じ共通ソフトウェア156に関連付けられている他装置を特定する(ステップ1502)。
具体的には、ステップ1501で取得したソフトウェア識別子1704の値を用いて、記憶媒体114のシナリオ格納領域504から、同じ値のソフトウェア識別子1704を含む1又は複数のレコードを検出し、検出したレコードに記述されている装置識別子1703の値を取得する。なお、本実施例では、自己シナリオ127にソフトウェア識別子1704が複数記述されている場合には、その識別子の組み合わせが完全に一致するレコードを検出するものとするが、組み合わせ数の閾値を予め定義しておき、一致する組み合わせの数が閾値以上であるレコードを検出するように構成してもよい。
そして、同一・類似判定手段353は、ステップ1502で特定した他装置のうち、共通ソフトウェア156のセットアップ作業が実施済みの他装置を検出し、セットアップ関連装置として決定する(ステップ1503)。
具体的には、記憶媒体114に格納されているシナリオ実行情報105を読み出し、ステップ1502で取得した他装置の装置識別子1703の値を検索キーとして、該当するレコードを検索し、検索により見つかった各装置に関するレコードを順に参照し、セットアップ実行フラグ1710に1が格納されているレコードに記述されている装置識別子1709の値を取得し、この装置識別子1709の値に対応する他装置をセットアップ関連装置として決定する。
ステップ1503の後、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置が存在するうかどうかを判定する(ステップ1504)。
ステップ1503において、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置の識別子の値が取得されていなければ、セットアップ関連装置が存在しないと判定し、図11のステップ806の処理へ移行する。
一方、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置の識別子の値が取得されていれば、セットアップ関連装置が存在すると判定し、セットアップ関連装置の数及び識別子を記憶手段123に格納する(ステップ1505)。
具体的には、ステップ1503で取得したセットアップ関連装置の識別子の数を、関連装置台数361として自装置122の記憶手段123に格納し、セットアップ関連装置の識別子を、記憶手段123内のセットアップ関連装置管理テーブル330(図10)のセットアップ関連装置識別子1602の欄に格納する。
ステップ1505の後、同一・類似判定手段353は、図12のステップ1805へ移行する。
図15は、図12のステップ1805の処理手順を示す。
本処理では、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置のうち、同一構成装置判定ポリシ408(図9(A))で指定されたハードウェア又はソフトウェア(実施例では、ユニットとシーケンス制御ソフトウェア)に関して自装置の構成(自装置情報テーブル330の内容)と一致するセットアップ関連装置を、同一構成装置として決定する。以下、詳細に説明する。
まず、同一・類似判定手段353は、同一構成装置判定ポリシ408を自装置122の記憶手段123から読み込む(ステップ1001)。
次に、同一・類似判定手段353は、自装置情報テーブル305の内容を自装置122の記憶手段123から読み込む(ステップ1002)。
そして、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置ごとに構成情報を記憶媒体114から読み込む(ステップ1003)。
具体的には、自装置122の記憶手段123に保持されているセットアップ関連装置管理テーブル330からセットアップ関連装置識別子1602の値を1つ読み出し、読み出したセットアップ関連装置識別子1602の値を検索キーとして、記憶媒体114に格納されている登録装置構成格納領域503から該当するセットアップ関連装置の構成情報を検索して読み込む。
次に、同一・類似判定手段353は、ステップ1002で読み込んだ自装置情報と、ステップ1003で読み込んだセットアップ関連装置の構成情報が同一かどうかを判定する(ステップ1004)。
具体的には、セットアップ関連装置の構成情報のうち、ステップ1001で読み込んだ同一構成装置判定ポリシ408において指定されているハードウェア又はソフトウェアが、自装置122の構成と一致していれば、同一であると判定する。本実施例では、セットアップ関連装置の構成情報(図2)に格納されているユニット識別子204の値が、自装置122のユニット322〜324の識別子204の値と一致し、かつ、セットアップ関連装置の構成情報に格納されているシーケンス制御ソフトウェア識別子216の値が、自装置122のシーケンス制御ソフトウェア314a,314bの識別子216の値と一致していれば同一と判定する。なお、セットアップ関連装置の構成情報と自装置122の構成情報は同じテーブル構成であるため、いずれも図2を参照して説明した。なお、自装置122の構成と同一であると判定されたセットアップ関連装置は、以下の処理において同一構成装置として扱われる。
ステップ1004において、自装置情報とセットアップ関連装置の構成情報が同一であると判定した場合には、同一・類似判定手段353は、自装置122の記憶手段123に保持されているセットアップ関連装置管理テーブル330(図10)の同一構成装置フラグ1603をONにする(ステップ1005)。具体的には、同一構成装置フラグ1603に1を格納する。
次に、同一・類似判定手段353は、同一構成装置のセットアップ結果情報を記憶媒体114から読み込む(ステップ1007)、
具体的には、セットアップ関連装置管理テーブル330のセットアップ関連装置識別子1602の値を検索キーとして、記憶媒体114のシナリオ実行情報格納領域505において該当するレコードを検索し、検索により見つかったレコードに格納されているインストール結果1711の値及び試運転結果1712の値を読み込む。
そして、同一・類似判定手段353は、ステップ1007で記憶媒体114から読み込んだセットアップ結果情報を、記憶手段123内のセットアップ関連装置管理テーブル330に登録する(ステップ1008)。
具体的には、読み込んだセットアップ結果情報のうち、インストール結果1711の値を、セットアップ関連装置管理テーブル330のインストール結果1609の欄に書き込み、試運転結果1712の値を、セットアップ関連装置管理テーブル330の試運転結果1610の欄に書き込む。
一方、ステップ1004において、自装置情報とセットアップ関連装置の構成情報が同一でないと判定した場合には、同一・類似判定手段353は、自装置122の記憶手段123に保持されているセットアップ関連装置管理テーブル330の同一構成装置フラグ1603をOFFにする(ステップ1006)。具体的には、同一構成装置フラグ1603に−1を格納する。
次に、同一・類似判定手段353は、全てのセットアップ関連装置についてステップ1003〜1008の処理が完了したかどうかを判定する(ステップ1009)。
具体的には、セットアップ関連装置管理テーブル330に格納されている全てのセットアップ関連装置識別子1602に対応する他装置を対象として、ステップ1003〜1008の処理を完了したか否かを判定する。
ステップ1009において、処理が完了していないと判定した場合には、同一・類似判定手段353は、ステップ1003へ移行し、次のセットアップ関連装置を対象として前述の処理(ステップ1003〜1008)を実行する。
一方、ステップ1009において、処理が完了したと判定した場合には、同一・類似判定手段353は、ステップ1806へ移行する。
図16は、図12ステップ1806の処理手順を示す。
本処理では、同一・類似判定手段353は、自装置122に対応する試運転管理テーブル158(図4)に記述されているハードウェア及びソフトウェアの組合せと、セットアップ関連装置(ここでは同一構成装置以外のセットアップ関連装置)に対応する試運転管理テーブル158に記述されているハードウェア及びソフトウェアの組合せとを比較し、セットアップ関連装置のうち、ハードウェア及びソフトウェアの組合せが一致する動作テストの数が規定値以上である試運転管理テーブル158に対応するセットアップ関連装置を、類似構成装置として決定する。以下、詳細に説明する。
まず、同一・類似判定手段353は、自装置122の記憶手段123に格納されている類似構成装置判定ポリシ409を読み込む(ステップ1101)。
次に、同一・類似判定手段353は、自装置122に対応する試運転管理テーブルを記憶媒体114から読み込む(ステップ1102)。
具体的には、自装置情報テーブル305に格納されている自装置122の装置識別子200を検索キーとして、記憶媒体114のシナリオ格納領域504から自装置122に対応するレコード(自己シナリオ127。図3(A)を参照。)を検索し、検索により見つかった自己シナリオ127に記述されている試運転管理テーブル識別子1705の値を取得する。そして、取得した試運転管理テーブル識別子1705の値を検索キーとして、記憶媒体114の試運転管理テーブル格納領域507から自装置122に対応する試運転管理テーブル158を検索し、検索により見つかった試運転管理テーブル158のデータを読み込む。
そして、同一・類似判定手段353は、自装置122の記憶手段123に保持されているセットアップ関連装置管理テーブル330(図10)からセットアップ関連装置識別子1602の値を1つ読み込む(ステップ1103)。
同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置管理テーブル330において、読み込んだ識別子1602の値に対応するレコード内の同一構成装置フラグ1603がOFF(−1)かどうかを判定する(ステップ1104)。即ち、処理対象のセットアップ関連装置が同一装置ではないかどうかを判定する。
ステップ1104において、同一構成装置フラグ1603がONであると判定した場合、即ち処理対象のセットアップ関連装置が同一構成装置である場合には、同一・類似判定手段353は、ステップ1103へ移行し、次の処理対象となるセットアップ関連装置に対してステップ1103以降の処理を実行する。
一方、ステップ1104において、同一構成装置フラグ1603がOFFであると判定した場合、即ち処理対象のセットアップ関連装置が同一構成装置ではない場合には、同一・類似判定手段353は、処理対処のセットアップ関連装置に対応する試運転管理テーブル158(図4)を記憶媒体114から読み込む(ステップ1105)。
具体的には、ステップ1103で読み込んだセットアップ関連装置識別子1602を検索キーとして、記憶媒体114のシナリオ格納領域504に格納されているシナリオ108内で該当するレコードを検索し、検索により見つかったレコードに記述されている試運転管理テーブル識別子1705の値を取得する。そして、取得した試運転管理テーブル識別子1705の値を検索キーとして、記憶媒体114の試運転管理テーブル格納領域507から処理対象のセットアップ関連装置に対応する試運転管理テーブル158を検索し、検索により見つかった試運転管理テーブル158のデータを読み込む。
次に、同一・類似判定手段353は、ステップ1102で読み込んだ自装置122に対応する試運転管理テーブルに記述されているハードウェア及びソフトウェアの組合せと、ステップ1105で読み込んだセットアップ関連装置に対応する試運転管理テーブルに記述されているハードウェア及びソフトウェアの組合せとを比較し、ハードウェア及びソフトウェアの組合せが一致する動作テストの数が規定値以上かどうかを判定する(ステップ1106)。
本実施例では、ステップ1101で読み込んだ類似構成装置判定ポリシ409において、類似構成装置の判定基準として、ハードウェア及びソフトウェアの組合せが一致する動作テストの数が3以上であることが指定されているため、これに従って判定が行われる。また、組合せが一致する動作テストの数が上記規定値以上である試運転管理テーブル158に対応するセットアップ関連装置は、以下の処理において、類似構成装置として扱われる。
具体的には、同一・類似判定手段353は、ステップ1102で読み込んだ自装置122に対応する試運転管理テーブルと、ステップ1105で読み込んだセットアップ関連装置に対応する試運転管理テーブルとを比較し、テスト項目、ハードウェア(図では、ユニット、付属品、コントローラ)、及びソフトウェアの組み合わせが一致する動作テストの数が3以上である場合に判定結果をYesとし、処理対象のセットアップ関連装置を類似構成装置として決定する。
ステップ1106において、ハードウェア及びソフトウェアの組合せが一致する動作テストの数が規定値に満たないと判定した場合、即ち処理対象のセットアップ関連装置が類似構成装置ではないと判定した場合には、同一・類似判定手段353は、ステップ1103へ移行し、次の処理対象となるセットアップ関連装置に対してステップ1103以降の処理を実行する。
一方、ステップ1106において、ハードウェア及びソフトウェアの組合せが一致する動作テストの数が規定値以上であると判定した場合、即ち処理対象のセットアップ関連装置が類似構成装置であると判定した場合には、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置管理テーブル330の類似構成装置フラグをONにする(ステップ1107)。
具体的には、自装置122の記憶手段123に保持されているセットアップ関連装置管理テーブル330のうち処理対象のセットアップ関連装置(ステップ1103で読み込んだセットアップ関連装置識別子1602の値)に対応するレコードにおいて、類似構成装置フラグ1604に1を格納する。
次に、同一・類似判定手段353は、処理対象の類似構成装置に関するセットアップ結果情報等を記憶媒体114から読み込み(ステップ1108)、セットアップ関連装置管理テーブル330に格納する(ステップ1109)。
具体的には、記憶媒体114の試運転管理テーブル格納領域507に格納されている試運転管理テーブル158のうち、当該類似構成装置(処理対象のセットアップ関連装置の識別子1602の値)に対応するレコードのデータを読み出し、ステップ1106において、ハードウェア及びソフトウェアの組合せが一致した動作テストに関するレコードに格納されているテスト項目識別子602の値を読み出し、セットアップ関連装置管理テーブル330の関連テスト項目識別子1606に格納する。
また、処理対象の類似構成装置に関するセットアップ関連装置識別子1602の値を検索キーとして、記憶媒体114のシナリオ実行情報格納領域505に格納されているシナリオ実行情報105から該当するレコードを検索し、検索により見つかったレコードから、前述の読み出したテスト項目識別子602の値を検索キーとしてテスト項目識別子1714のフィールドを検索し、検索により見つかったテスト項目識別子1714に対応する動作テストの個別結果1716のデータを読み込み、セットアップ関連装置管理テーブル330のテスト結果1612に格納する。
次に、同一・類似判定手段353は、セットアップ関連装置管理テーブル330に格納されている全てのセットアップ関連装置識別子1602に対応する装置を対象として、ステップ1103以降の処理を完了したかどうかを判定する(ステップ1110)。
ステップ1109において、処理が完了していないと判定した場合には、同一・類似判定手段353は、ステップ1103へ移行し、次の処理対象となるセットアップ関連装置に対してステップ1103以降の処理を実行する。
一方、ステップ1109において、処理が完了したと判定した場合には、同一・類似判定手段353は、図11のステップ806へ移行する。
図17は、記憶媒体114を中継クライアント109に接続した際に中継クライアント109が実行する処理の手順を示す。
まず、中継クライアント109は、記憶媒体114のセットアップ対象装置台数格納領域509に格納されている値を参照することで、記憶媒体114内に共通ソフトウェア156のセットアップに関するシナリオ108が存在するかどうかを判定する(ステップ1201)。
本実施例では、セットアップ対象装置台数格納領域509に格納されている値が1以上であれば、シナリオ108が存在すると判定し、セットアップ対象装置台数格納領域509に格納されている値が0であれば、シナリオ108が存在しないと判定する。
ステップ1201において、シナリオ108が存在すると判定した場合には、中継クライアント109は、記憶媒体114のセットアップ未実行装置台数格納領域510の値を参照し、記憶媒体114のシナリオ格納領域504に格納されているシナリオ108の実行が完了済みかどうかを判定する(ステップ1202)。
本実施例では、記憶媒体114のセットアップ未実行装置台数格納領域510の値が0であれば、シナリオ108の実行が完了したと判定し、セットアップ未実行装置台数格納領域510の値が1以上であれば、シナリオ108の実行が完了していないと判定する。
ステップ1202において、シナリオ108の実行が完了していないと判定した場合には、中継クライアント109は、シナリオ108を中断するかどうかを判定する(ステップ1203)。本実施例では、ユーザからの入力を受け付けることで判定する。
ステップ1203でシナリオ108を中断すると判定した場合、又はステップ1202でシナリオが完了済みであると判定した場合には、中継クライアント109の登録要求手段152は、記憶媒体114の分析室識別子格納領域501に格納されている分析室識別子、最新装置情報格納領域502に格納されている最新装置情報106、及びシナリオ実行情報格納領域505に格納されているシナリオ実行情報105をサービスサーバ101へ送信し、セットアップの経過情報の登録及び最新装置情報106の登録を要求する(ステップ1204)。
次に、登録要求手段152は、サービスサーバ101から前記要求に対する応答(経過情報を登録した旨のメッセージ)を受信することで、セットアップの経過情報が登録されたことを確認する(1205)。
そして、登録要求手段152は、記憶媒体114の情報を初期化する(ステップ1206)。
具体的には、記憶媒体114内の最新装置情報格納領域502、シナリオ格納領域504、シナリオ実行情報格納領域505、ソフトウェア格納領域506、試運転関連テーブル格納領域507、試運転スクリプト格納領域508、セットアップ対象装置台数格納領域509、及びセットアップ未実行装置台数格納領域510の値を0クリアする。
次に、中継クライアント109は、ステップ1201を再度実行する。
ステップ1201において、記憶媒体114内にシナリオ108が存在しないと判定した場合には、中継クライアント109の送信要求手段154は、記憶媒体114の分析室識別子格納領域501に格納されている分析室識別子を読み出し、読み出した分析室識別子を添付してサービスサーバ101に対してシナリオ108の送信を要求する(ステップ1207)。
次に、送信要求手段154は、サービスサーバ101からシナリオ108等のデータを受信する(ステップ1208)。
具体的には、登録装置情報107、シナリオ108、ソフトウェア関連情報124、及びセットアップ対象装置台数128を受信する。
そして、送信要求手段154は、サービスサーバ101から受信したデータを記憶媒体114に格納する(ステップ1209)。
具体的には、登録装置情報107を記憶媒体114の登録装置情報格納領域503に格納し、シナリオ108を記憶場体114のシナリオ格納領域504に格納し、ソフトウェア関連情報124のうちの共通ソフトウェアをソフトウェア格納領域506に格納し、ソフトウェア関連情報124のうちの試運転管理テーブルを試運転管理テーブル格納領域507に格納し、ソフトウェア関連情報124のうちの試運転スクリプトを試運転スクリプト格納領域508に格納し、セットアップ対象装置台数128の値を記憶媒体114のセットアップ対象装置台数格納領域509に格納する。
中継クライアント109は、サービスサーバ101から受信したデータを記憶媒体114に格納した後、処理を終了する。
一方、ステップ1203において、シナリオを中断すると判定した場合には、中継クライアント109は、セットアップ作業の継続を促すメッセージ(例えば、「分析装置Aと分析装置Cに記憶媒体を接続して下さい。」などのメッセージ)をディスプレイの画面に表示する(ステップ1210)。
これにより、どの分析装置に対して共通ソフトウェア156をセットアップすべきなのかという判断をユーザが行う必要がなく、共通ソフトウェア156のセットアップが必要な分析装置に対して確実にセットアップ作業を行うことができる。
図18は、サービスサーバ101が中継クライアント109からの要求に応じて実行する処理の手順を示す。
まず、サービスサーバ101は、中継クライアント109から要求を受信し、その要求の内容に応じて処理を切り替える(ステップ1301)。
ステップ1301において、シナリオ108の送信要求を受信した場合には、サービスサーバ101のシナリオ作成手段153は、シナリオ108の送信要求に添付されている分析室識別子を参照する(ステップ1302)。
次に、シナリオ作成手段153は、記憶手段102から上記参照した分析室識別子に対応する複数の装置に関する登録装置情報107を選定する(ステップ1303)。
次に、シナリオ作成手段153は、記憶手段102から上記選定した登録装置情報107に対応する共通ソフトウェアを選定する(ステップ1304)。
具体的には、シナリオ作成手段153は、記憶手段102に保持されている、管理対象の装置が具備し得るハードウェア及びソフトウェアの組合せと、共通ソフトウェア156と、試運転管理テーブル158と、試運転スクリプト157とを対応付けたシナリオ管理テーブル159から、上記選定した登録装置情報107に含まれるハードウェア及びソフトウェアの組合せに対応する共通ソフトウェアを選定する。
次に、シナリオ作成手段153は、記憶手段102からステップ1304で選定した共通ソフトウェアに対応する試運転スクリプトを選定し(ステップ1305)、記憶手段102からステップ1304で選定した共通ソフトウェアに対応する試運転管理テーブルを選定する(1306)。
具体的には、シナリオ作成手段153は、シナリオ管理テーブル159から、ステップ1304で選定した共通ソフトウェア156に対応する試運転スクリプト157及び試運転管理テーブル158を選定する。
そして、シナリオ作成手段153は、ステップ1302で参照した分析室識別子に対応する複数の装置に関する装置識別子と、ステップ1304で選定した共通ソフトウェア156の識別子と、ステップ1305で選定した試運転スクリプト157の識別子と、ステップ1306で選定した試運転管理テーブル158の識別子とを用いて、シナリオ108(図3(A)))を作成する(ステップ1307)。
シナリオ作成手段153は、シナリオ108を作成すると、ステップ1303で選定した登録装置情報107と、ステップ1307で作成したシナリオ108と、ステップ1304で選定した共通ソフトウェア156、ステップ1305で選定した試運転スクリプト、157及びステップ1306で選定した試運転管理テーブル158から構成されるソフトウェア関連情報124と、セットアップ対象装置台数(例えば、ステップ1303で選定した登録装置情報の数)を中継クライアント109に対して送信し(ステップ1308)、処理を終了する。
一方、ステップ1301において、経過情報の登録要求を受信した場合には、データ格納手段154は、セットアップの経過情報を記憶手段102に格納する(ステップ1309)とともに、中継クライアント109から受信した最新装置情報106を記憶手段102の登録装置情報107内に格納し、経過情報を登録した旨のメッセージを中継クライアント109に対して送信し(ステップ1310)、処理を終了する。なお、最新装置情報106は、登録装置情報107において該当する装置に対応するレコードに上書きされることにより、記憶手段102内に格納される。また、セットアップの経過情報をサービスサーバ101で管理することにより、管理者は、分析室ごとに共通ソフトウェア156のセットアップ作業の進捗状況を把握することができる。
以上、上記実施例に示したように、管理システム2と分析装置118〜122の間に、記録媒体114を介在させることで、操作案やセットアップ成否情報の提示を受けながら、分析装置118〜122の構成に応じた最新の共通ソフトウェア156のセットアップ作業を進めることができる。
なお、本発明は上記実施例で説明した構成に限定されず、以下のような変形例を採用することができる。
例えば、実施例では、管理システム2は、分析室内に設置される中継クライアント109とネットワーク上に設置されるサービスサーバ101で構成されているが、両者の構成を具備する一つの装置として構成されてもよい。この場合、管理システム2は、分析室内に設置する態様や、分析室の運営会社内になるシステム管理室などに設置する態様が考えられる。
また、実施例の分析装置122は、説明の便宜上複数の機能手段351〜356を備えているが、これらの手段を任意に組み合わせて構成される態様や、これらの手段を一纏めにして構成される態様が考えられる。或いは、各手段351〜356の機能を細分化し、さらに多くの機能手段を具備するように構成されてもよい。
また、実施例では、フラッシュメモリを内蔵し、USB端子に接続することでデータの読み出し及び書き込みが可能となる記憶媒体114を採用し、これに対応するUSB端子を記憶媒体IF302として採用しているが、CD-RWやDVD-RW等の読み書き可能な光ディスク、フローッピーディスク等の読み書き可能な磁気ディスク、又はMO等の読み書き可能な光磁気ディスクを記憶媒体114として採用する場合には、これらの記憶媒体114に対してデータの読み出し及び書き込みを行える装置を記憶媒体IF302として採用すればよい。
さらに、実施例では、図11のステップ806において、セットアップ関連装置のうちの同一構成装置及び類似構成装置に関するセットアップ結果情報を、共通ソフトウェア156のセットアップ成否情報として出力しているが、この際、記憶媒体114に格納されている登録装置情報107から、共通ソフトウェア156のセットアップ作業が実施されていない他装置を特定し、該特定した他装置のうち、同一構成装置及び類似構成装置を表す情報を併せて出力してもよい。この場合、例えば、「セットアップしようとしているソフトウェアは、同一又は類似の他装置において正常にセットアップされています。従って、この装置Aと同一構成である装置Bに対してもセットアップが成功すると思われます。」といったメッセージを提示するのが好ましい。
101…サービスサーバ、102,123…記憶手段、104…分析室識別子、105…シナリオ実行情報、108…シナリオ、109…中継クライアント、114…記憶媒体、118,119,120,121,122…分析装置、156…共通ソフトウェア、157…試運転スクリプト、158…試運転管理テーブル、302…記憶媒体IF、305…自装置情報テーブル、307…インストーラソフトウェア、308…試運転ソフトウェア、328…事前検証型ソフトウェア、330…セットアップ関連装置管理テーブル、408…同一構成装置判定ポリシ、409…類似構成装置判定ポリシ