以下、図面に従って本発明を適用したデジタル一眼レフカメラを用いて好ましい一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の概略を示したブロック図である。撮影光学系1は被写体像を形成し、具体的には、後述する撮影光学系101等から構成される。撮像部2は、撮影光学系1の結像面近傍に配置された撮像素子を含み、被写体像データを繰り返し出力する。この撮像部2は、具体的には、後述する撮像素子221、撮像素子駆動回路223、前処理回路225等から構成される。
操作部4は、撮影動作の開始を指示するレリーズ釦や拡大表示を指示する拡大釦等の操作部材や、この操作部材の操作状態に変化するレリーズスイッチや拡大スイッチ等のスイッチから構成される。具体的には、後述するレリーズ釦21や拡大釦34等の各種操作部材、各種スイッチ285、スイッチ検知回路283等によって構成される。
ライブビュー表示部3は、撮像部2から繰り返し出力される被写体像データに基づいて、ライブビュー表示を行う。このライブビュー表示あたって、通常状態では撮影範囲のほぼ全領域を表示する全画面ライブビュー表示モードであるが、操作部4によって拡大表示が指示された場合には、撮影範囲の特定領域を拡大表示する。このライブビュー表示部3は、具体的には、後述する液晶モニタ26、液晶モニタ駆動回路263、ビデオ信号出力回路261、画像処理回路257等によって構成される。
手振れセンサ5は、カメラ本体に加えられた振動を検知し、手振れ信号を出力するセンサであり、公知の加速度センサ、角加速度センサ等が用いられる。この手振れセンサ5は、後述する手ぶれセンサ227に相当する。手振れ補正部6は、手振れセンサ5からの手振れ信号に基づいて、カメラ本体に加えられた振動を打ち消すように、撮像部中の撮像素子を移動させ、手振れ等の影響を除去する。この手振れ補正部6の動作は、操作部4から拡大指示や撮影動作指示がなされた場合等に実行する。また、コントラストAF部7による焦点調節動作が終了すると手振れ補正動作は停止する。
コントラストAF部7は、撮像部2から出力される最新の被写体像データに基づいて、コントラストが最大となるように撮影光学系1を駆動する。操作部4からの拡大指示に応答して、全画面ライブビュー表示モードから拡大ライブビュー表示モードに切り換えられると、コントラストAF部7による焦点調節動作が実行される。このコントラストAF部7は、具体的には、後述するコントラストAF回路253、レンズCPU111、光学系駆動機構107等によって構成される。
図1に示した本実施形態においては、撮像部2から繰り返し出力される被写体像データに基づいて、ライブビュー表示部3においてライブビュー表示が行われる。操作部4によって全画面ライブビュー表示モードから拡大ライブビュー表示モードに切り換えられると、撮影範囲の特定領域が拡大表示される。また、この拡大ライブビュー表示モードへの切り換えに応じて、手振れ補正部6による手振れ補正動作を行いつつ、コントラストAF部7による焦点調節動作が実行される。
このため、本実施形態においては、ライブビュー表示が拡大表示に切り換えられた際に、防振動作を行いながら焦点調節を行うので、正確な焦点調節が可能となる。すなわち、コントラストAFでは、同じ領域のコントラストが最大になるように調節を行うが、手振れが生じている場合には、同じ領域のコントラストを得ることができず、正確な焦点調節ができない。本実施形態においては、防振動作を行っているので、同じ領域のコントラストを得ることができ、正確な焦点調節を行うことができる。
次に、図2を用いて、本発明のより具体的な一実施形態について説明する。図2は、本実施形態に係るデジタル一眼レフカメラについて背面からみた外観斜視図である。カメラ本体200の上面にはレリーズ釦21、撮影モードダイヤル22、情報設定ダイヤル24、ストロボ200等が配置されている。
レリーズ釦21は、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。この第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンによりカメラは焦点検出、撮影レンズのピント合わせ、被写体輝度の測光等の撮影準備動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンにより撮像素子221(図3参照)の出力に基づいて被写体像の画像データの取り込みを行う撮影動作を実行する。
撮影モードダイヤル22は回転可能に構成された操作部材であり、撮影モードダイヤル22上に設けられた撮影モードを表す絵表示または記号を指標に合致させることにより、フルオート撮影モード(AUTO)、プログラム撮影モード(P)、絞り優先撮影モード(A)、シャッタ撮影優先モード(S)、マニュアル撮影モード(M)、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、マクロ撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード等の各撮影モードを選択することができる。
情報設定ダイヤル24は回転可能に構成された操作部材であり、情報表示画面等において、情報設定ダイヤル24の回転操作により所望の設定値やモード等を選択することができる。ストロボ50は、ポップアップ式の補助照明装置であり、図示しない操作釦を操作することにより、ストロボ200がポップアップし被写体に対して照射可能となる。
カメラ本体200の背面には、液晶モニタ26、連写/単写釦27、AFロック釦28、アップ用十字釦30U、ダウン用十字釦30D、右用十字釦30R、左用十字釦30L(これらの各十字釦30U、30D、30R、30Lを総称する際には、十字釦30と称する)、OK釦31、ライブビュー表示釦33、拡大釦34、メニュー釦37、再生釦38が配置されている。液晶モニタ26は、ライブビュー表示を行い、また、撮影済みの被写体像を再生表示し、撮影情報やメニューを表示するための表示装置である。これらの表示を行うことができるものであれば、液晶に限らない。
連写/単写釦27は、レリーズ釦21が全押しされている間は連続して撮影する連写モードと、レリーズ釦21が全押しされると、1駒、撮影する単写モードのモード切り替え用の操作部材である。AFロック釦28は、被写体のピント合わせを固定するための操作部材である。これによって、撮影対象の被写体にピント合わせAFロック釦28を操作し、ピント合わせを固定した後に、構図を変更しても撮影対象にピントの合った撮影を行うことができる。
十字釦30は液晶モニタ26上で、X方向とY方向の2次元方向にカーソルの移動を指示するための操作部材であり、また、記録媒体に記録された被写体像を再生表示するにあたって、被写体像の選択指示にも使用する。なお、アップ、ダウン、左、右用の4つの釦を設ける以外にも、タッチスイッチのように2次元上で操作方向を検出できるスイッチ等、2次元方向に操作できる操作部材に置き換えることも可能である。OK釦31は、十字釦30やコントロールダイヤル24等によって選択された各種項目を確定するための操作部材である。
ライブビュー表示釦33は、情報表示等の表示画面からライブビュー表示に切り換え、またはライブビュー表示から情報表示等の表示画面に切り換えるための操作釦である。なお、ライブビュー表示は、被写体像記録用の撮像素子221の出力に基づいて液晶モニタ26に被写体像を観察用に表示するモードであり、情報表示はデジタルカメラの撮影情報を表示設定するために液晶モニタ26に表示されるモードである。拡大釦34は、液晶モニタ26に被写体像の一部分を拡大表示するための操作部材であり、前述の十字釦30を操作することによって拡大位置を変更することができる。
メニュー釦37は、このデジタルカメラの各種モードを設定するためのメニューモードに切換えるための操作部材であり、このメニュー釦37の操作によってメニューモードを選択すると、液晶モニタ26にメニュー画面が表示される。メニュー画面は複数の階層構造となっており、十字釦30で各種項目を選択し、OK釦31の操作により選択を決定する。再生釦38は、撮影後に記録した被写体画像を液晶モニタ26に表示させることを指示するための操作釦である。後述するSDRAM267、記録媒体277にJPEG等の圧縮モードで記憶されている被写体の画像データを伸張して表示する。
カメラ本体200の側面には、記録媒体収納蓋40が開閉自在に取り付けられている。この記録媒体収納蓋40を開放すると、この内部に記録媒体277用の装填スロットが設けられており、記録媒体277はカメラ本体200に対して、脱着自在に装填可能となっている。
次に、図3を用いて、デジタル一眼レフカメラの電気系を主とする全体構成を説明する。本実施形態に係わるデジタル一眼レフカメラは、交換レンズ100とカメラ本体200とから構成される。本実施形態では、交換レンズ100とカメラ本体200は別体で構成され、通信接点300にて電気的に接続されているが、交換レンズ100とカメラ本体200を一体に構成することも可能である。なお、内蔵式のストロボ50の回路ブロックは図3において、省略してある。
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影光学系101と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。撮影光学系101はレンズ駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動されるよう接続されている。レンズ駆動機構107によって駆動された撮影光学系101の焦点距離および焦点位置は、光学系位置検出機構105によって検出される。
レンズ駆動機構107、絞り駆動機構109および光学系位置検出機構105は、それぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体200に接続されている。レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、レンズ駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。また、レンズCPU111は、光学系位置検出機構105によって検出された焦点距離や焦点位置情報をカメラ本体200に送信する。
カメラ本体200内には、被写体像を観察光学系に反射するためにレンズ光軸に対して45度傾いた位置(下降位置、被写体像観察位置)と、被写体像を撮像素子221に導くために跳ね上がった位置(上昇位置、退避位置)との間で、回動可能な可動ミラー201が設けられている。この可動ミラー201の上方には、被写体像を結像するためのフォーカシングスクリーン205が配置され、このフォーカシングスクリーン205の上方には、被写体像を左右反転させるためのペンタプリズム207が配置されている。
このペンタプリズム207の出射側(図3で右側)には被写体像観察用の接眼レンズ(不図示)が配置され、この脇であって被写体像の観察に邪魔にならない位置に測光センサ211が配置されている。この測光センサ211は、測光処理回路241に接続され、測光センサ211の出力は、この測光処理回路241によって増幅処理やアナログ−デジタル変換等の処理がなされる。
上述の可動ミラー201の中央付近はハーフミラーで構成されており、この可動ミラー201の背面には、ハーフミラー部で透過した被写体光をカメラ本体200の下部に反射するためのサブミラー203が設けられている。このサブミラー203は、可動ミラー201に対して回動可能であり、可動ミラー201が跳ね上がっているときには(図3において破線位置)、ハーフミラー部を覆う位置に回動し、可動ミラー201が被写体像観察位置(下降位置)にあるときには、図示する如く可動ミラー201に対して開いた位置にある。
この可動ミラー201は可動ミラー駆動機構239によって駆動されている。また、サブミラー203の下方には位相差AF(Auto focus)センサ243が配置されており、この位相差AFセンサ243の出力は位相差AF処理回路245に接続されている。位相差AFセンサ243は、撮影光学系101によって結像される被写体像の焦点ズレ量(デフォーカス量)を測定するために、撮影光学系101の周辺光束を2光束に分離する公知の位相差AF光学系と1対のセンサとから構成されている。また、位相差AFセンサ243は、撮影画面内の複数ポイントについて、それぞれ焦点検出可能である。
可動ミラー201の後方には、露光時間制御用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ213が配置されており、このシャッタ213はシャッタ駆動機構237によって駆動制御される。シャッタ213の後方には撮像素子221が配置されており、撮影光学系101によって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。なお、撮像素子211としては、CCD(Charge Coupled Devices)またはCMOS(Complementary
Metal Oxide Semiconductor)等の二次元撮像素子を使用できることは言うまでもない。
撮像素子221は撮像素子駆動回路223に接続され、この撮像素子駆動回路223によって、撮像素子221から画像信号の読出し等が行われる。撮像素子駆動回路223は、前処理回路225に接続されており、前処理回路225は、ライブビュー表示のための画素間引き処理、拡大表示の際における指示に応じた特定領域の画像データの切り出し処理等の画像処理のための前処理を行なう。
前述のシャッタ213と撮像素子221の間には、防塵フィルタ215、圧電素子216、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217が配置されている。防塵フィルタ215の周囲には圧電素子216が固定されており、この圧電素子216は防塵フィルタ駆動回路235によって、超音波で振動する。防塵フィルタ215の付着した塵埃は、圧電素子216に発生する振動波によって、除塵される。
赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217は、被写体光束から赤外光成分と、高周波成分を除去するための光学フィルタである。防塵フィルタ215、圧電素子216、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217および撮像素子221は、撮像素子ユニット219を構成し、塵埃等が侵入しないように気密に一体に構成されている。これら一体化された撮像素子223等を含む撮像素子ユニット219は、シフト機構233によって、撮像素子223の撮像面におけるX軸方向とY軸方向に沿って、それぞれ移動させることができる。
手振れセンサ227は、カメラ本体200に加えられた手振れ等による振動を検出するセンサであり、この出力は手振れ補正回路229に接続している。手振れ補正回路229は手振れ等の振動を除去するための手振れ補正信号を生成し、手振れ補正回路229の出力は、シフト機構駆動回路231に接続されている。シフト機構駆動回路231は、手振れ補正信号を入力し、この信号に基づいて、シフト機構233を駆動する。このシフト機構233によって、カメラ本体200に加えられた手振れ等の振動を打ち消すように、撮像素子221等を含む撮像素子ユニット219を移動させ、防振を行なう。
前処理回路225は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)250内のデータバス252に接続されている。このデータバス252には、シーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称す)251、画像処理回路257、圧縮伸長回路259、ビデオ信号出力回路261、SDRAM制御回路265、入出力回路271、通信回路273、記録媒体制御回路275、フラッシュメモリ制御回路279、スイッチ検知回路283が接続されている。
データバス252に接続されているボディCPU251は、このデジタル一眼レフカメラの動作を制御するものである。前述の前処理回路225とボディCPU251の間には、コントラストAF回路253と、AE回路255が並列に接続されている。コントラストAF回路253は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて高周波成分を抽出し、この高周波成分に基づくコントラスト情報をボディCPU251に出力する。AE回路255は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて、被写体輝度に応じた測光情報をボディCPU251に出力する。
データバス252に接続された画像処理回路257は、デジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成等の各種の画像処理を行なう。また、圧縮伸長回路259はSDRAM267に記憶された画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式で圧縮するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
ビデオ信号出力回路261は液晶モニタ駆動回路263を介して液晶モニタ26に接続される。ビデオ信号出力回路261は、SDRAM267、記録媒体277に記憶された画像データを、液晶モニタ26に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。液晶モニタ26は、図2に示すように、カメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。
SDRAM267は、SDRAM制御回路265を介してデータバス261に接続されており、このSDRAM267は、画像処理回路257によって画像処理された画像データまたは圧縮伸長回路259によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。
上述の撮像素子駆動回路223、前処理回路225、手振れ補正回路229、シフト機構駆動回路231、防塵フィルタ駆動回路235、シャッタ駆動機構237、可動ミラー駆動機構239、測光処理回路241、位相差AF処理回路245に接続される入出力回路271は、データバス252を介してボディCPU251等の各回路とデータの入出力を制御する。
レンズCPU111と通信接点300を介して接続された通信回路273は、データバス252に接続され、ボディCPU251等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。データバス252に接続された記録媒体制御回路275は、記録媒体277に接続され、この記録媒体277への画像データ等の記録及び画像データ等の読み出しの制御を行う。
記録媒体277は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。その他、通信接点を介してハードディスクを接続可能に構成してもよい。
フラッシュメモリ制御回路279は、フラッシュメモリ(Flash Memory)281に接続され、このフラッシュメモリ235は、デジタル一眼レフカメラの動作を制御するためのプログラムが記憶されており、ボディCPU251はこのフラッシュメモリ281に記憶されたプログラムに従ってデジタル一眼レフカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ281は、電気的に書換可能な不揮発性メモリである。
シャッタレリーズ釦21の第1ストローク(半押し)を検出する1Rスイッチや、第2ストローク(全押し)を検出する2Rスイッチ、ライブビュー表示釦33の操作によってオンするライブビュー表示スイッチを含む各種スイッチ285は、スイッチ検出回路283を介してデータバス252に接続されている。また、各種スイッチ285としては、拡大釦34に連動する拡大スイッチ、パワースイッチ、メニュー釦37に連動するメニュースイッチ、AFロック釦28に連動するAFロックスイッチ、連写/単写釦27に連動する連写/単写スイッチや、その他の操作部材に連動するその他の各種スイッチ等を含んでいる。
次に、本発明の一実施形態におけるデジタルカメラの動作について図4乃至図13に示すフローチャートを用いて説明する。図4は、カメラ本体200側のボディCPU251によるパワーオンリセットの動作である。カメラ本体200に電池が装填されると、このフローがスタートし、はじめにカメラ本体200のパワースイッチがオンであるかを判定する(#1)。
ステップ#1における判定の結果、パワースイッチがオフの場合には、低消費電力の状態であるスリープ状態となる(#3)。このスリープ状態ではパワースイッチがオンとなった場合のみに割り込み処理を行い、ステップ#5以下においてパワースイッチオンのための処理を行う。パワースイッチがオンとなるまでは、パワースイッチ割り込み処理以外の動作を停止し、電源電池の消耗を防止する。
ステップ#1において、パワースイッチがオンであった場合、またはステップ#3におけるスリープ状態を脱した場合には、電源供給を開始する(#5)。次に、防塵フィルタ215における塵埃除去動作を行う(#7)。これは防塵フィルタ215に固着された圧電素子216に防塵フィルタ駆動回路235から駆動電圧を印加し、超音波振動波によって塵埃等を除去する動作である。
次に、撮影モードダイヤル22等によって設定された撮影モードや、ISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影条件、およびレンズ情報の読み込みを行う(#9)。レンズ情報の読み込みは、レンズCPU111から通信回路273を介して交換レンズ100の開放絞り、焦点距離情報、レンズ識別番号等のレンズ特性情報の読み込みを行う。
続いて、測光・露光量演算を行なう(#11)。このステップでは、測光センサ211によって被写体輝度を測光し、露光量を演算し、この露光量を用いて撮影モード・撮影条件に従ってシャッタ速度や絞り値等の露光制御値の演算を行う。この後、撮影情報を液晶モニタ26に表示する(#13)。撮影情報としては、ステップ#9において読み込んだ撮影モード・撮影条件等と、ステップ#11において演算したシャッタ速度や絞り値の露出制御値等である。
次に、ライブビュー表示スイッチがオンか否かの判定を行なう(#15)。前述したように、撮影者がライブビュー表示で被写体像を観察する場合には、ライブビュー表示釦33を操作する。判定の結果、ライブビュー表示スイッチがオンの場合には、ライブビュー表示動作のサブルーチンを実行する(#31)。このライブビュー表示動作については、図5乃至図7を用いて後述する。
ステップ#15における判定の結果、ライブビュー表示スイッチがオンしていなかった場合には、再生スイッチがオンか否かの判定を行う(#17)。再生モードは、再生釦38が操作された際に、記録媒体277に記録された静止画データを読み出して液晶モニタ26に表示するモードである。判定の結果、再生スイッチがオンの場合には、再生動作を実行する(#33)。
ステップ#17における判定の結果、再生スイッチがオンではなかった場合には、メニュースイッチがオンか否かの判定を行なう(#19)。このステップでは、メニュー釦37が操作され、メニューモードが設定されたか否かを判定する。判定の結果、メニュースイッチがオンであった場合には、液晶モニタ26にメニュー表示し、メニュー設定動作を行う(#35)。メニュー設定動作によって、AFモード、ホワイトバランス、ISO感度設定、ドライブモードの設定等、各種の設定動作を行うことができる。
ステップ#19における判定の結果、メニュースイッチがオンでなかった場合には、レリーズ釦21が半押しされたか、すなわち、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#21)。判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、撮影準備と撮影を行う撮影動作Aのサブルーチンを実行する(#37)。このサブルーチンの詳細は図8を用いて後述する。
ステップ#21における判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合には、ステップ#1と同様に、パワースイッチがオンか否かの判定を行なう(#23)。判定の結果、パワースイッチがオンであった場合には、ステップ#9に戻り、前述の動作を繰り返す。一方、パワースイッチがオンではなかった場合には、電源供給を停止し(#25)、ステップ#3に戻り、前述のスリープ状態となる。
次に、ステップ#31のライブビュー表示動作について、図5乃至図7を用いて説明する。このサブルーチンに入ると、まず、撮影情報表示をオフする(#41)。ステップ#13において、撮影情報が液晶モニタ26に表示されるが、このステップでは、液晶モニタ26にライブビューを表示するために、この撮影情報の表示を停止する。続いて、ステップ#11と同様にして、測光・露光量演算を行なう(#43)。
次に、可動ミラー201を撮影光学系101の光軸から退避させ(#45)、シャッタ213を開放する(#47)。これらの動作によって、撮像素子221上に撮影光学系101による被写体像が結像する。続いて、ライブビュー条件初期設定を行なう(#49)。このステップでは、撮像素子221の駆動にあたっての電子シャッタスピードと感度の条件設定を行うために、ステップ#43で求めた測光・露光量の演算結果を用いて、液晶モニタ26に適切な明るさ(明度)の像を表示するための演算と設定を行う。
次に、ライブビュー表示の開始を指示する(#51)。すなわち、撮像素子221および画像処理回路257等に指示し、撮像素子221によって取得した画像データを液晶モニタ26に動画表示する。撮影者はこのライブビュー表示に基づいて撮影構図を決めることができる。なお、ライブビュー表示中に液晶モニタ26の画面輝度が一定となるように、電子シャッタ速度やISO感度等の制御を行っている。
続いて、コントラストAF制御を実行する(#52)。このサブルーチンでは、ライブビュー表示用の画像データを用い、コントラストAF回路253が出力するコントラスト情報に基づいて、撮影光学系101が合焦状態となるように焦点調節動作を制御する。このコントラスAF制御について、詳しくは、図11及び図12を用いて後述する。
ライブビュー表示を開始すると、次に、レリーズ釦21が半押しされたか、すなわち、1Rスイッチがオンであるか否かの判定を行なう(#53)。判定の結果、1Rスイッチがオンされていなかった場合には、拡大釦34が操作されたか、すなわち、拡大スイッチがオンか否かの判定を行なう(#55)。判定の結果、拡大スイッチがオンではなかった場合には、ステップ#71(図6)にジャンプし、一方、拡大スイッチがオンの場合には、拡大表示中であるか否かの判定を行なう(#57)。
拡大釦34は、前述したように、ライブビュー表示モードにおいて、被写体像を拡大して表示するための操作釦であり、一度、操作されると、拡大表示モードとなり、再度、操作されると、拡大表示モードが解除される。したがって、ステップ#57において、拡大表示モードを続行するか終了するかの判定を行なう。
ステップ#57における判定の結果、拡大表示中ではなかった場合、すなわち、撮影画面のほぼ全領域についてライブビュー表示を行う全画面ライブビュー表示モード(非拡大表示モード、通常のライブビュー表示モード)から拡大表示モードになった場合には、切り出し範囲の指示を行ない(#59)、拡大表示の開始を指示する(#61)。拡大表示は、前処理回路225に指示し、撮像素子221から読み出した画像データの中から拡大範囲に対応する画像データを切り出すことによって行う。
続いて、手振れ補正開始の指示を行う(#62)。すなわち、手振れ補正回路229に対して、手振れ補正開始を指示し、手振れセンサ227からの手振れ信号に基づいて、手振れを打ち消すように、撮像素子221を含む撮像素子ユニット219を駆動する。次に、ステップ#61において拡大表示する際に用いた画像データを用いて、コントラストAF制御を行う(#63)。このステップでは、手振れが除去された状態で、拡大表示を行っている被写体に対してピントが合うようにコントラストAF制御がなされる。詳しくは、図11及び図12を用いて後述する。
コントラストAF制御が終わり、合焦状態となると、手振れ補正停止を指示する(#64)。ステップ#62において、コントラストAF動作中は手振れ補正を行うように開始したが、コントラストAF制御が終わったことから、このステップで手振れ補正を停止している。
ステップ#57における判定の結果、拡大表示中であった場合には、拡大表示モードを終了し、全画面ライブビュー表示に戻るための処理を行なう。すなわち、前処理回路225に対して全画面出力の指示を行い(#65)、画像処理回路257に対して拡大表示停止の指示を行う(#67)。ステップ#63または#67の処理が終わると、ステップ#71に進み、十字釦30の操作がなされたか否かの判定を行なう。
ステップ#71における判定の結果、十字釦30が操作された場合には、続いて、拡大表示中か否かの判定を行なう(#73)。ステップ#71またはステップ#73における判定の結果、いずれかがNであった場合には、ステップ#77にジャンプするが、両ステップにおける判定がYであった場合には、すなわち、拡大表示中であって、かつ十字スイッチが操作されている場合には、十字釦30に応じた拡大領域の移動を指示する(#75)。
このように、本実施形態においては、ライブビュー表示モードに入ると、液晶モニタ26には、図14(A)に示すように、被写体像が全画面表示される(#51)。この状態で、拡大釦34が操作されると(#55)、図14(B)に示すように、被写体像が拡大表示される(#61)。この拡大表示は、図14(D)に示すように、全画面表示の一部である。この後、十字釦30が操作されると(#71)、その十字釦30の操作に応じた位置について拡大表示を行う(#75)。このときの拡大表示は、図14(E)に示すように、全画面表示の一部で十字釦30の操作に応じた位置に対応している。なお、ステップ#75で拡大領域を移動させた場合にも、図5のステップ#62〜#64と同様に、手振れ補正動作を実行しつつ、コントラストAF動作を実行しても良い。
なお、拡大表示の際には、ステップ#63において、コントラストAF制御がなされていることから、ピントの合った画像となる。しかも、コントラストAF制御中は、手振れ補正を行っていることから、同じ特定領域の画像データを用いることができ、正確な焦点調節を行うことができる。
次に、ライブビュー表示釦33に連動するライブビュー表示スイッチがオンか否か判定する(#77)。ライブビュー表示釦33は、一度、操作されると、ライブビュー表示モードとなり、再度、操作されると、ライブビュー表示モードが解除される。ステップ#77における判定の結果、オンであった場合には、ステップ#85以下において、ライブビュー表示モードを終了する。
ステップ#77における判定の結果、ライブビュー表示スイッチがオンではなかった場合には、再生釦38に連動する再生スイッチがオンか否かの判定を行なう(#79)。再生モードは、液晶モニタ26に記録媒体277に記録されている画像データの再生表示を行なうために、ライブビュー表示モードを終了する必要がある。ステップ#79における判定の結果、オンであった場合には、ステップ#85以下において、ライブビュー表示モードを終了する。
ステップ#79における判定の結果、再生スイッチがオンではなかった場合には、メニュー釦37に連動するメニュースイッチがオンか否かの判定を行なう(#81)。メニュー設定モードは、液晶モニタ26にメニュー表示を行なうために、ライブビュー表示モードを終了する必要がある。ステップ#81における判定の結果、オンであった場合には、ステップ#85以下において、ライブビュー表示モードを終了する。
ステップ#81における判定の結果、メニュースイッチがオンではなかった場合には、パワースイッチがオンか否かの判定を行なう(#83)。判定の結果、パワースイッチがオフであった場合には、パワーオフ処理を行なうために、まずステップ#85以下において、ライブビュー表示の終了を行なう。ステップ#83における判定の結果、オンであった場合には、ステップ#53に戻り、前述の動作を繰り返す。
ライブビュー表示の終了のために、ステップ#85に移ると、まず、合焦表示の消灯を行なう(#85)。後述するように、被写体にピントが合うと、図16(A)(B)に示すように、第1の合焦表示311や第2の合焦表示312を表示するので、この合焦表示がなされていれば、これを消灯する。続いて、前処理回路225や画像処理回路257等にライブビュー表示の停止指示を行う(#87)。この後、シャッタ213にシャッタ閉じ動作を指示し(#89)、可動ミラー201を復帰動作(下降位置へ移動)させ(#91)、元のルーチンに戻る。
ステップ#53(図5)における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、AE情報の読み込みを行う(#101、図7)。ステップ#43における測光は、可動ミラー201が下降位置にあったので、測光センサ211による測光を行うことができたが、このステップでは、可動ミラー201は退避位置(上昇位置)にあり、測光センサ211による測光はできない。そこで、AE回路255の出力に基づいて、AE情報を取得する。
続いて、位相差AFのみモードか否かの判定を行なう(#103)。ステップ#35におけるメニュー設定動作の中のAFモードの選択画面(図15参照)において、AFモードの選択を行なうことができる。すなわち、本実施形態においては、撮像素子221の出力に基づくコントラストAFのみを行なうi−AFモード、位相差AFセンサ243の出力に基づく位相差AFのみを行なうPD−AFモード、およびコントラストAFおよび位相差AFの両方を行なうi−AF+PD−AFモードのいずれかを選択することができる。
ステップ#103における判定の結果、位相差AFのみモードであれば、ステップ#107にジャンプし、一方、ステップ#103の判定の結果、位相差AFのみモードでなければ、コントラストAF制御を行う(#105)。このコントラストAF制御においては、前述したように、コントラストAF回路253からのコントラスト情報に基づいて、撮影光学系101が合焦状態となるように制御する。拡大ライブビュー表示の際には(#53→#55)、拡大表示用の画像データを用いてコントラストAF制御を行っていたが、ステップ#105においては、全画面ライブビュー表示(非拡大ライブビュー表示、通常のライブビュー表示)であることから全画面表示用の画像データを用いてコントラストAF制御を行う。このコントラスAF制御について、詳しくは、図11及び図12を用いて後述する。
次に、レリーズ釦21が全押しされたか、すなわち、2Rスイッチがオンとなったかを判定する(#107)。判定の結果、オンとなっていなければ、ステップ#53に戻り、前述のステップを繰り返す。一方、オンとなっていれば、ステップ#109以下において、撮影動作を実行する。
撮影動作に入ると、まず、ライブビュー表示を停止する(#109)。続いて、シャッタ213を閉じる(#111)。ライブビュー表示中は、シャッタ213を開放し、撮像素子221の出力に基づいて被写体像を液晶モニタ26に表示していたが、撮影動作に入るためにシャッタ213を一旦閉じる。
次に、第2の合焦表示中か否かの判定を行なう(#113)。コントラストAF制御のサブルーチンにおいては、撮影レンズを第1の合焦許容範囲内に導く第1のコントラストAF制御と、第1の合焦許容範囲よりも狭い第2の合焦許容範囲内に導く第2のコントラストAF制御を実行可能であって、第2のコントラストAF制御が終了している場合には、第2の合焦表示を行なっている(図12の#277、および図16(B))。このステップ#113においては、この高精度の第2の合焦状態か否かの判定を行なう。
ステップ#113において、第2の合焦表示中でなければ、位相差AF不要条件にあてはまるか否かを判定する(#115)。位相差AF不要条件としては、(1)撮影レンズの焦点距離が所定値よりも広角側、(2)絞り値が所定値以上(絞り口径が小さい)、(3)被写体距離が所定距離よりも遠距離側である等の理由によって、被写界深度が第1の合焦許容範囲よりも広い場合である。つまり、これらの条件を満たしている場合には、第1のコントラストAF制御だけでも十分の合焦精度が得られると考えられるので、高精度な位相差AFをさらに行う必要がない。
ステップ#115において、位相差AF不要条件を満たしていなかった場合には、AFロック釦28に連動するAFロックスイッチがオンか否かの判定を行なう(#117)。判定の結果、AFロックスイッチがオンではなかった場合には、ステップ#119以下において、位相差AFを行なう。すなわち、ステップ#113、#115、#117における判定の結果、いずれもNで通過した場合には、位相差AFによって、高精度のAFを行なうようにしている。
位相差AFを行なうために、まず、可動ミラー201を復帰させ、撮影光学系101の光路中に介挿させる(#119)。これによって、位相差AFセンサ243に位相差AF用の被写体光束が導かれる。続いて、位相差AF制御を行う(#121)。このステップでは、公知の位相差AFにより撮影光学系101の焦点ズレ方向および焦点ズレ量を検出し、この焦点ズレ方向・焦点ズレ量に基づいて光学系駆動機構107の駆動制御を行い、撮影光学系101のピント合わせを行う。詳しくは、図10を用いて後述する。
位相差AF制御が終わると、可動ミラー201を上昇位置に移動させ、すなわち、退避させる(#123)。これによって、再び、撮影光学系101を通過した被写体光束が、撮像素子221に導かれ、撮像素子221上に結像する。
前述のステップ#113、#115における判定の結果、いずれもYで通過した場合には、位相差AFによって、高精度のAFを行なう必要がなく、また、ステップ#117における判定の結果、AFロックスイッチがオンの場合には、既に合焦位置を撮影者が確定しているのであるから、位相差AFによって合焦位置が変化してしまわないように、そのまま撮影動作に入るが、その前に、合焦表示を消灯する(#127)。ステップ#123またはステップ#127が終わると、次に、被写体像に基づく画像データの取得と記録を行う撮影動作Bを行う(#125)。この撮影動作Bについては、図9を用いて後述する。撮影動作Bが終わると、ステップ#43に戻り、ライブビュー表示を再開し、前述した動作を繰り返す。
次に、図8を用いて、ステップ#37における撮影動作Aのサブルーチンについて説明する。この撮影動作Aは、通常の光学ファインダ観察状態(すなわち、非ライブビュー表示)において、レリーズ釦21が半押しされた場合に実行されるサブルーチンである。撮影動作Aのサブルーチンに入ると、まず、撮影情報表示をオフする(#131)。続いて、ステップ#121と同様に、位相差AF制御のサブルーチンを実行する(#133)。すなわち、位相差AFセンサ243の出力に基づいて焦点ズレ方向および焦点ズレ量を求め、撮影光学系101のピント合わせを行う。このサブルーチンの詳細は、図10を用いて後述する。
位相差AFが終わると、ステップ#11と同様に測光・露光量演算を行い、シャッタ速度や絞り値等の露出制御値を求める(#135)。続いて、シャッタ釦21が全押しされたか、すなわち、2Rスイッチがオンか否かを判定する(#137)。判定の結果、2Rスイッチがオンとはなっていなかった場合には、1Rスイッチがオンか否かを判定する(#157)。判定の結果、1Rスイッチがオンではなかった場合には、撮影動作Aを終了して、元のルーチンに戻る。一方、判定の結果、1Rスイッチがオンの場合には、ステップ#137に戻り、1Rスイッチと2Rスイッチの状態を検出する待機状態となる。
ステップ#137における判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、撮影を行なうためのステップに移る。まず、可動ミラー201の退避動作(上昇位置へ移動)を行う(#139)。これによって、撮影光学系101による被写体光束が撮像素子221上に導かれ、結像する。続いて、レンズCPU111に絞込み動作を指示し(#141)、併せて絞り込み量も指示する(#143)。
これで、撮像動作に入る準備ができたので、露光動作を開始する(#145)。露光は、シャッタ213の先幕の走行を開始させると共に、撮像素子221の電荷蓄積を開始する。ステップ#135で求められたシャッタ速度もしくは撮影者によって手動設定されたシャッタ速度に対応する時間が経過すると、シャッタ213の後幕の走行を開始させると共に、撮像素子221の電荷蓄積を終了する。
露光動作が終了すると、絞り開放の指示をレンズCPU111に出力する(#147)。続いて、可動ミラー201を下降位置へと復帰動作を行い(149)、撮像素子221から画像信号の読出しを行う(#151)。読み出された画像信号の画像処理を画像処理回路257等によって行ない(#153)、処理された画像データを記録媒体277に記録する(#155)。画像記録が終わると、元のルーチンに戻る。
次に、図9を用いて、ステップ#125(図7)における撮影動作Bのサブルーチンについて説明する。この撮影動作Bは、ライブビュー表示状態において、レリーズ釦21が全押しされた場合に実行されるサブルーチンである。撮影動作Bのサブルーチンに入ると、AE回路255の出力に基づいて露光量演算を行なう(#161)。
続いて、ステップ#141、#143と同様に、絞込み指示を行うと共に絞り込み量の指示を行う(#163、#165)。そして、ステップ#145と同様に、露光動作を行い(#167)、これによって、撮像素子221の出力に基づいて、被写体像の画像データを取得する。この後、ステップ#147、#151、#153、#155と同様に、絞り開放を指示し(#169)、画像信号を読出し(#171)、画像処理を行ない(#173)、記録媒体277に記録する(#175)。画像記録が終わると、元のルーチンに戻る。
次に、図10を用いて、ステップ#121(図7)およびステップ#133(図8)における位相差AF制御のサブルーチンについて説明する。この位相差AF制御は、撮影光学系101の周辺2光束を用いて、公知の位相差方式によって撮影光学系101の焦点ズレ方向と焦点ズレ量を求める。コントラストAFにおける高精度AFと同程度の精度の高いAFを行なうことができる。
位相差AF制御のサブルーチンに入ると、まず、全ポイント焦点検出を行なう(#181)。すなわち、位相差AFセンサ243および位相差AF処理回路245によって検出可能な全ポイントについて焦点ズレ方向および焦点ズレ量(デフォーカス量)を検出する。続いて、検出した全ポイントの中から最至近距離のポイントを選択する(#183)。一般に、主要被写体は、最至近の被写体であることが最も多いことから、このような選択を行なう。
次に、選択された最至近ポイントのデフォーカス量に基づいて、合焦範囲内に入っているか否かの判定を行なう(#185)。合焦範囲内か否かの判定基準は、焦点ズレ量(デフォーカス量)が許容錯乱円に基づく合焦判定値の中に入っているか否かで判定する。判定の結果、合焦範囲内にあれば、元のルーチンに戻る。なお、この許容錯乱円径は、撮像素子221の撮像解像度、換言すれば撮像素子221のセルサイズに応じて設定される。
一方、判定の結果、合焦範囲内にない場合には、選択された焦点検出ポイントの焦点ズレ方向および焦点ズレ量に基づいて、光学系駆動機構107によって撮影光学系101を駆動する駆動方向および駆動量の演算を行なう(#187)。そして、レンズCPU111に対して、光学系駆動機構107のレンズ駆動制御を指示すると共に(#189)、その際のレンズ駆動量および駆動方向を指示する(#191)。
ボディCPU251はレンズCPU111に向けてレンズ駆動制御の指示を出力すると、レンズCPU111からレンズ駆動完了を示す信号が入力するのを待つ(#193)。レンズ駆動が完了すると、ステップ#183において選択された焦点検出ポイントについて、焦点検出を行なう(#195)。焦点検出が終わると、ステップ#185に戻り、合焦範囲に入るまで、前述のステップを繰り返す。
次に、図11および図12を用いて、ステップ#52(図5)、ステップ#63(図5)、およびステップ#105(図7)におけるコントラストAF制御のサブルーチンについて説明する。このコントラストAF制御は、撮像素子221の出力に基づくコントラストAF回路253におけるコントラスト情報が最大となるように、撮影光学系101の駆動を行なう。このコントラストAF制御は、可動ミラー201が退避位置(上昇位置)にあり、位相差AFセンサ243の出力に基づく位相差AF制御を行うことができない場合に使用することができる。また、コントラストAF制御においては、高速だが合焦精度が粗い第1の合焦精度でAF制御を行う高速コントラストAF(第1のコントラストAF)と、低速だが合焦精度が高い第2の合焦精度でAF制御を行う高精度コントラストAF(第2のコントラストAF)の2つのモードを有している。
コントラストAF制御のサブルーチンに入ると第1のコントラストAFを開始し、まず、レジスタDCに1をセットする(#201)。このレジスタDCは、レンズ駆動の駆動方向を決めるために用いられるレジスタである。続いて、レンズ駆動方向として、レンズ繰り出し方向をセットする(#203)。そして、レンズ駆動量として第1所定値をセットする(#205)。この第1所定値は、図17(A)において、フォーカスレンズの繰り出し量LD1に相当し、また、図19における液晶モニタ面における許容錯乱円径φLCDに対応するデフォーカス量ΔfLCDに関連する量である。
次に、コントラストAF回路253からコントラスト情報を取得する(#207)。この場合、非拡大のライブビュー表示を行っている際には、撮影画面全体に対応する画像データのコントラスト情報を取得する。また、拡大表示している際に、1Rスイッチがオンとなった場合には、ここで取得するコントラスト情報は、拡大表示するために切り出された画像データに基づいて行う。後述するステップ#215等で取得するコントラスト情報も同様である。
続いて、レンズ駆動制御をレンズCPU111に指示すると共に(#209)、ステップ#203、#205で設定したレンズ駆動量、駆動方向を送信する(#211)。これらの信号が送信されると、レンズCPU111は、光学系駆動機構107によって撮影光学系101を駆動する。設定した駆動方向および駆動量に基づく駆動制御が終了するとレンズCPU111は、ボディCPU251にレンズ駆動完了信号を送信する。
ボディCPU251はレンズ駆動完了信号を受信するのを待ち(#213)、受信すると、最新のコントラスト情報をコントラストAF回路253から取得する(#215)。続いて、前回よりもコントラストが向上したか否かを判定する(#217)。判定の結果、今回のコントラストが向上していた場合には、レジスタDCに1を加え(#219)、ステップ#209に戻り、前述のステップを繰り返す。
ステップ#217の判定の結果、前回よりもコントラストが低下していた場合には、レジスタDCの値が1か否かの判定を行う(#221)。判定の結果、レジスタDCが1の場合には、レンズ駆動方向を前回と逆にし(#223)、ステップ#209に戻り、前述のステップを繰り返す。
すなわち、初回のレンズ駆動にあたっては、駆動方向が不明のために、一旦、繰り出し方向にレンズを駆動する。駆動した結果、コントラストが向上していれば、駆動方向は正しく(合焦位置に近づいている)、一方、コントラストが低下していれば、駆動方向が逆方向(合焦位置から遠ざかっている)であることから反転する。したがって、レジスタDCが1であれば、初回の駆動と判断してステップ#223に進み駆動方向を逆転させ、一方、レジスタDCが1でなければ、コントラストがピーク位置を越したと判定してステップ#224に進む。
ステップ#221における判定の結果、レジスタDCが1ではなかった場合には、続いて、拡大表示中かの否かの判定を行う(#224)。判定の結果、拡大表示中の場合には、ステップ#251(図12)にジャンプする。これは、一旦、コントラスト情報がピーク位置を越したと判定し(#221→N)、このとき拡大ライブビュー表示モードであった場合には(#224→Y)、第1のコントラストAFよりも高精度な第2のコントラストAF制御に直ちに移行するためである。ステップ#224における判定の結果、拡大表示中ではなかった場合には、コントラスト情報のピーク位置を超えた状態であることから、駆動方向を前回と逆の方向にする(#225)。そして、レンズ駆動量として、第2所定値をセットする(#227)。
レンズ駆動量としての第2所定値は、図17(A)、フォーカスレンズの繰り出し量LD1の半分に相当する。コントラストのピーク位置を超えていることから、前回と今回の中間にピーク位置があると想定して、第1所定値の半分としている。続いて、レンズCPU111にレンズ駆動制御を指示し(#229)、ステップ#225、#227でセットしたレンズ駆動量および駆動方向を送信する(#231)。
レンズCPU111は、レンズ駆動制御指示等を受信すると、光学系駆動機構107に対して駆動制御を開始し、第2所定値に基づく駆動量だけ駆動すると、ボディCPU251に対してレンズ駆動完了信号を送信する。ボディCPU251は、レンズ駆動完了信号の受信を待ち(#233)、完了信号を受信すると、第1の合焦表示を行なう(#235)。これは、液晶モニタ26の表示面に、図16(A)に示すように、第1合焦表示311として表示される。
この第1合焦表示がなされる状態は、撮影には不適切であっても液晶モニタ26で被写体像を確認するのであれば、全画面ライブビュー表示モード(非拡大ライブビュー表示モード、通常のライブビュー表示モード)においては、ピンボケが目立たないレベルの合焦状態であり、その合焦許容範囲は、液晶モニタ26の表示解像度、つまり液晶モニタ26の表示ドットサイズに基づく許容錯乱円径によって設定される。このため、液晶モニタ26において被写体像を観察するには十分な合焦精度となっている。
続いて、レンズ位置情報要求を指示する(#241)。レンズCPU111は、レンズ位置情報を光学系位置検出機構105から取得し、ボディCPU251に送信する。ボディCPU251は、この送信されたレンズ位置情報を取得する(#243)。
ステップ#235において、第1の合焦表示がなされると、コントラストAF制御によって粗い合焦状態となり、元のルーチンに戻る。元のルーチンに戻ってから、レリーズ釦21が全押しされ撮影動作に入る場合には(図7のステップ#107)、所定の条件を満たす場合にはステップ#121において高精度の位相差AF制御で合焦制御を行った後に、ステップ#125の撮影動作Bを行うようにしている。なお、ステップ#241、#243においてレンズ位置情報を取得しているのは、ステップ#115において位相差AF不要条件に当てはまるか否かを判定するためである。
ステップ#224において、拡大表示中であった場合には、第2のコントラストAFのためにコントラスト情報の取得を行なう(図12の#251)。
続いて、駆動方向に前回と逆の方向をセットし(#253)、駆動量として第3所定値をセットする(#255)。ここで、逆の駆動方向をセットしているは、ステップ#217においてコントラストが低下したこと、すなわちコントラスト情報のピーク位置を過ぎと判定されたことから、合焦点はそれまでの駆動方向とは逆方向にあるからである。第3所定値は、図17(B)において、フォーカスレンズの繰り出し量LD3に相当し、また、図19における撮像素子211の撮像面における許容錯乱円径φimgに対応するデフォーカス量Δfimgに関連する量である。
続いて、レンズCPU111に対してレンズ駆動制御を指示し(#257)、ステップ#253、#255でセットしたレンズ駆動量、駆動方向を送信する(#259)。レンズCPU111は、光学系駆動機構107を制御して撮影光学系101の駆動制御を行う。駆動制御が終わると、ボディCPU251にレンズ駆動完了信号を送信するので、ボディCPU251は、このレンズ駆動完了信号を受信するまで待機状態となる(#261)。
ボディCPU251がレンズ駆動完了信号を受信すると、次に、コントラスト情報を取得する(#263)。そして、このコントラスト情報が前回よりも向上したか否かの判定を行なう(#265)。判定の結果、コントラストが向上していた場合には、1Rスイッチがオンか否かを判定する(#285)。
ステップ#285における判定の結果、1Rスイッチがオフであれば、ステップ#257に戻り、コントラストが向上する限り、前述のステップを繰り返す。一方、1Rスイッチオンの場合には、ステップ#279にジャンプして、ステップ#279、#281の処理をした後に、元のルーチンに戻る。これは、第1の合焦表示が行われた後、第2のコントラストAFを行っている際に、1Rスイッチがオンした場合の動作を規定したものであり、1Rスイッチがオンすれば第2のコントラストAFを中断し、元のルーチンに戻るようにしている。すなわち、1Rスイッチがオンとなった場合には、ステップ#53→Yから撮影動作の準備動作に移行すべく、第2のコントラストAFを中断している。
ステップ#265における判定の結果、コントラストが低下すると、駆動方向を前回の逆をセットし(#267)、駆動量として第4所定値を設定する(#269)。レンズ駆動量としての第4所定値は、図17(B)におけるフォーカスレンズの繰り出し量LD3の半分に相当する。コントラストのピーク位置を超えていることから、前回と今回の中間にピーク位置があると想定して、第3所定値の半分としている。
続いて、レンズCPU111にレンズ駆動制御を指示し(#271)、ステップ#267、#269においてセットしたレンズ駆動量および駆動方向を送信する(#273)。レンズCPU111は、レンズ駆動制御指示等を受信すると、光学系駆動機構107によって駆動制御を行い、駆動制御が完了すると、ボディCPU251に駆動完了信号を送信する。ボディCPU251は、このレンズ駆動完了信号の受信待ちの状態となり(#275)、駆動完了信号を受信すると、第2の合焦表示を行なう(#277)。
この表示は、図16(B)に示すように、液晶モニタ26の表示面に第1の合焦表示311と共に第2の合焦表示312がなされる。第2の合焦表示312が表示される状態は、撮像素子221の画素の許容錯乱円径と同程度の高精度の合焦状態であり、また、位相差AFにおける合焦精度と同程度である。第2合焦表示312を行なうと、次に、ステップ#241と同様にレンズ位置情報要求を指示し(#279)、ステップ#243と同様にレンズ情報の取得を行ない(#281)、元のルーチンに戻る。
本実施形態においては、コントラストのピーク位置を通過した場合に、駆動量を半分にして逆方向に駆動していたが(#225、#227、#267、#269)、これに限らず、例えば、3点補間法等の補間演算により、コントラストのピーク位置に移動させるようにしても良い。
このように、本実施形態においては、ライブビュー表示モードにおいて拡大表示を行なった際(#55→#75)に、コントラストAF制御によって焦点調節動作を行うようにしている(#63)。このため、拡大ライブビュー表示モードにおいて、ピントが大幅にずれてしまい表示画像は大ボケ状況となることがない。何をターゲットしているのかが分かり、撮影者にとって使い易い拡大表示機能付きカメラやカメラの制御方法を提供することができる。
また、本実施形態においては、拡大ライブビュー表示モードに切り換えコントラストAF制御を行うにあたって、手振れ補正制御を行うようにしている(#62)。このため、コントラストAFにあたって同じ領域のコントラスト信号を用いて制御することができるので、正確な焦点調節を行うことができる。
さらに、本実施形態においては、ライブビュー表示モードに入ると、コントラストAF制御を行うようにしている(#52)。このためライブビュー表示においてもピントの合った被写体像を液晶モニタ26において観察することができ、また、拡大ライブビュー表示モードに移行する際に迅速に拡大被写体像に対してピント合わせを行うことができる。
さらに、本実施形態においては、全画面ライブビュー表示モード(通常のライブビュー表示モード)においては、撮影光学系101を第1の合焦許容範囲内に導き、拡大ライブビュー表示モードに移行すると、第1の合焦許容範囲内よりも狭い第2の合焦許容範囲内に導くようにしている。このため、拡大された被写体像に対しても高精度でピントが合っている。
さらに、本実施形態においては、全画面ライブビュー表示モードの合焦許容範囲は第1の合焦許容範囲となっており、拡大ライブビュー表示モードの場合の第2の合焦許容範囲より緩くなっている。これは拡大ライブビュー表示モードへの移行時に比較して、全画面ライブビュー表示モードでは、液晶モニタ26上で被写体像のピンボケが目立たないためである。このため、コントラストAFを高速化できるメリットがある。
さらに、本実施形態においては、拡大ライブビュー表示モードの際のコントラストAF制御は、拡大ライブビュー表示用に切り出された画像データを用いてコントラスト情報を生成しているので、表示画像に対して精度良く焦点調節動作を行うことができる。
さらに、本実施形態においては、ステップ#52、ステップ#63、またはステップ#105において、コントラストAFを行った後、ステップ#121において、位相差AFを行なっている。ステップ#52、ステップ#63、またはステップ#105におけるコントラストAFでは少なくとも高速かつ粗い合焦精度の焦点調節を行なっており、その上で、ステップ#121において高精度の位相差AFを行なうようにしている。コントラストAFの合焦精度は粗い精度(第1の合焦精度)ではあるが一応の合焦状態となっていることから、その合焦状態から高精度の焦点調節が完了するまでにはそれ程時間がかからず、そのため、タイムラグが少なく、かつ高精度の焦点調節ができる。
さらに、本実施形態における拡大ライブビュー表示モードにおいて第2のコントラストAFモードには入り、ステップ#113の判定において、第2の合焦表示がなされていた場合には、すなわち、高精度コントラストAFで合焦した場合には、ステップ#121における位相差AFを省略している。すなわち、本実施形態においては、高速コントラストAFと位相差AFの組み合わせで焦点調節を行う第1の焦点調節モードと、高速コントラスAFの後に高精度コントラストAFによって焦点調節を行う第2の焦点調節モードを備えているが、位相差AFを省略することで位相差AFに要する時間分、タイムラグを短縮することができる。また、高精度コントラストAFでは、位相差AFと同程度の高精度の焦点調節ができ、十分な合焦精度を確保できる。
さらに、本実施形態におけるステップ#115において、位相差AFの不要条件を判定し、この不要条件に当てはまる場合には、ステップ#121における位相差AFを省略している。このため、位相差AFに要する時間分、タイムラグを短縮することができ、高精度の焦点調節を行なうことができる。なお、位相差AFの不要条件として、本実施形態においては、3つの条件で判定していたが、これに限らず、他の要件を追加してもよく、またいずれかの要件を省略してもよい。いずれにしても、高精度の位相差AFを行なわなくても、十分な合焦精度が得られる状態であれば、位相差AFを省略することができる。
さらに、本実施形態におけるステップ#117において、AFロックがなされているか否かを判定し、AFロックがなされていた場合には、ステップ#121における位相差AFを省略している。このため、位相差AFに要する時間分、タイムラグを短縮することができる。特に、AFロックを行なっている場合には、撮影者が合焦位置をすでに確定しており、かつ迅速に撮影を行いたい場合が多く、また、少なくとも第1の合焦表示がなされており、一応の合焦精度も確保することができる。なお、本実施形態においては、AFロック釦28が操作された場合に、位相差AFを省略していたが、AFロック釦28に限らず、他の操作部材が操作された場合に位相差AFを省略するようにしてもよい。
次に、図17乃至図19を用いて、本実施形態におけるコントラストAFの合焦精度について説明する。図18(A)に示すように、撮像素子221の撮像面の画素として、横が3648画素、縦が2738画素とする。一方、液晶モニタ26の液晶モニタ面は、図18(B)に示すように、横が640画素、縦が320画素から構成されているとしたら、撮像素子221に比較して、許容錯乱円径は、大体1/7程度であり、LPF係数を考慮しても、大体1/4程度であることから、液晶モニタ26の許容錯乱円径φLCDは、
φLCD = (3648/640)*φimg/α
≒ 4*φimg
となる。
そして、液晶モニタ26の許容錯乱円径φLCDに相当する液晶モニタ用許容デフォーカス量ΔfLCDは、
ΔfLCD= φLCD / F
ここで、F:レンズの絞り値(FNo.)
F=D/f (D:口径、f:焦点距離)
したがって、第1合焦表示(#235)における合焦精度は、駆動量を第1所定値としており、この第1所定値として、図17(A)に示すように、第1所定値として、β*ΔfLCDを採用すれば、液晶モニタ26の許容錯乱円径φLCD程度の合焦精度を得ることができる。ここで、β≒5〜15である(βは経験値)。
一方、図18(A)に示すように、撮像素子221の撮像面(受光面)は、横が3648画素、縦が2838画素から構成されている。この撮像素子221の許容錯乱円径φimgは、
φimg = α*X
ここで、α:LPF係数(=1.5〜2)
X:セルサイズ
となる。LPF係数は、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217の影響による係数であることから、撮像素子221の許容錯乱円径φimgは、撮像素子の画素のサイズに、ローパスフィルタを考慮した係数を乗算することにより得られる。
そして、撮像素子221の許容錯乱円径φimgに相当する撮像用許容デフォーカス量Δfimgは、
Δfimg = φimg / F
ここで、F:レンズの絞り値(FNo.)
F=D/f (D:口径、f:焦点距離)
したがって、第2合焦表示(#277)における合焦精度は、駆動量を第2所定値としており、この第2所定値として、図17(B)に示すように、γ*Δfimgを採用すれば、撮像素子221の許容錯乱円径φimg程度の合焦精度を得ることができる。ここで、γ≒3である(γは経験値)。なお、個々で説明した画素数等は、例示であり、ここの撮影装置の設計値に応じた許容錯乱円径、デフォーカス量、駆動量を決定すればよい。なお、位相差AFにおける合焦許容範囲もΔfimgに基づいて決定されるものである。
次に、図13を用いて、交換レンズ100のレンズCPU111での動作を説明する。まず、ボディCPU251からレンズ情報要求指示がなされたか否かの判定を行なう(#301)。判定の結果、要求指示がなされている場合には、レンズ情報を送信する(#311)。ここでのレンズ情報としては、開放絞り値、最小絞り値、レンズの色バランス情報、収差情報、AFのための情報等、レンズ固有の情報であり、レンズCPU111内または図示しないEEPROM等の電気的に書き換え可能なメモリに記憶された情報である。
ステップ#301における判定の結果、レンズ情報要求指示ではなかった場合には、レンズ位置情報要求か否かの判定を行なう(#303)。判定の結果、位置情報要求であった場合には、レンズ位置情報をボディCPU251に送信する(#313)。レンズ位置情報は、光学系位置検出機構105によって検出されるので、この情報を送信する。
ステップ#303における判定の結果、位置情報要求指示ではなかった場合には、絞込み指示か否かの判定を行なう(#305)。判定の結果、絞込み指示であった場合には、続いて、ボディCPU251から送信されてくる絞込み量を受信する(#315)。絞込み量を受信すると、絞り駆動機構109によって行なわれる絞り103の絞込み駆動の制御を行う(#317)。
ステップ#305における判定の結果、絞り込み指示ではなかった場合には、絞り開放指示か否かの判定を行なう(#307)。判定の結果、絞り開放指示であった場合には、絞り駆動機構109によって行なわれる絞り103の絞り開放駆動の制御を行う(#317)。
ステップ#307における判定の結果、絞り開放指示ではなかった場合には、レンズ駆動制御指示か否かの判定を行なう(#309)。判定の結果、レンズ駆動制御指示であった場合には、続いて送信されてくるレンズ駆動量と駆動方向を受信する(#321)。レンズ駆動量と駆動方向を受信すると、レンズCPU111は光学系駆動機構107を制御して撮影光学系101の駆動制御を行う(#323)。そして、所定の駆動量を駆動すると、ボディCPU251にレンズ駆動完了信号を送信する(#325)。
以上、説明したように、本発明の実施形態においては、全画面ライブビュー表示モードから上記拡大ライブビュー表示モードへ切換え操作がなされたら、手振れ補正部6による手振れ補正動作を行いつつ、コントラストAF部7によって自動焦点調節動作を行うようにしている。このため、手振れ補正された画像データを用いて自動焦点調節を行うようにしているので、安定し正確な焦点検出ができ、使い易いライブビュー表示機能付きカメラを提供することができる。
なお、本実施形態において、手振れ補正部6は、撮像素子221を含む撮像素子ユニット219を手振れセンサ227の手振れ信号に基づいて駆動していたが、手振れ補正できるものであれば、これに限らない。例えば、撮像部2から出力される画像データを手振れ信号に基づいて切り出す位置を補正する電子ブレ補正でもよく、また、撮影光学系1、101中のレンズを手振れ補正信号に基づいて移動させる光学ブレ補正でもよい。
また、本実施形態においては、第1及び第2の合焦状態に達しているか否かについて、第1及び第2の合焦表示(#235、#277)がなされているかを判定していたが、合焦表示がなされなくても、フラグをセットしこれを判定する等の方法により、第1及び第2の合焦状態に達したか否かを判定するようにしても勿論構わない。また、本実施形態においては、ライブビュー表示モードに入ると、コントラストAF方式によって自動焦点調節を行っていたが(#52)、ここでは自動焦点調節を行わず、拡大ライブビュー表示モードに入った際に、コントラストAF方式による自動焦点調節を行うようにしてもよい。
さらに、本実施形態においては、可動ミラー201のアップダウンにより、被写体光束をファインダ光学系と撮像素子に切り換えるようにしていたが、これに限らず、ハーフミラーを配置して被写体光束を振り分けるようにしても良い。
さらに、本実施形態においては、位相差AFによる合焦精度は、高精度コントラストAFによる第2の合焦表示の際の精度と同程度としたが、これに限らず、いずれかの合焦精度の方が高精度としてもよい。ただし、位相差AFによる合焦精度は高速コントラストAFにおける第1の合焦表示の際の制度より高精度とする。
さらに、本実施形態においては、位相差AF制御のサブルーチンにおける焦点検出ポイントは最至近のポイントを選択していたが(#183)、これに限らず、複数の焦点検出結果の中間値等を選択しても良く、また、複数の焦点検出結果を評価演算によって適宜、処理しても良い。
さらに、本実施形態においては、デジタルカメラとして一眼レフタイプに適用した例を説明したが、カメラとしては所謂コンパクトカメラでもよく、また、携帯電話やPDA(携帯情報端末:Personal Digital Assistant)等の内蔵タイプのカメラでもよい。いずれにしても、本発明はライブビュー表示を行なうと共に、コントラストAF制御により焦点調節することのできるカメラ等の電子撮像装置あれば適用することができる。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1・・・撮影光学系、2・・・撮像部、3・・・ライブビュー表示部、4・・・操作部、5・・・手振れセンサ、6・・・手振れ補正部、7・・・コントラストAF部、21・・・レリーズ釦、22・・・撮影モードダイヤル、24・・・情報設定ダイヤル、26・・・液晶モニタ、27・・・連写/単写釦、28・・・AFロック釦、30・・・十字釦、30U・・・アップ用十字釦、30D・・・ダウン用十字釦、30R・・・右用十字釦、30L・・・左用十字釦、31・・・OK釦、33・・・ライブビュー表示釦、34・・・拡大釦、37・・・メニュー釦、38・・・再生釦、40・・・メディア装填蓋、50・・・ストロボ、100・・・交換レンズ、101・・・撮影光学系、103・・・絞り、105・・・光学系位置検出機構、107・・・光学系駆動機構、109・・・絞り駆動機構、111・・・レンズCPU、200・・・カメラ本体、201・・・可動ミラー、203・・・サブミラー、205・・・フォーカシングスクリーン、207・・・ペンタプリズム、211・・・測光センサ、213・・・フォーカルプレーンシャッタ、215・・・防塵フィルタ、216・・・圧電素子、217・・・赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ、219・・・撮像素子ユニット、221・・・撮像素子、223・・・撮像素子駆動回路、225・・・前処理回路、227・・・手振れセンサ、229・・・手振れ補正回路、231・・・シフト機構駆動回路、233・・・シフト機構、235・・・防塵フィルタ駆動回路、237・・・可動ミラー駆動機構、241・・・測光処理回路、243・・・位相差AFセンサ、245・・・位相差AF処理回路、250・・・ASIC、251・・・シーケンスコントローラ(ボディCPU)、252・・・データバス、253・・・コントラストAF回路、255・・・AE回路、257・・・画像処理回路、259・・・圧縮伸長回路、261・・・ビデオ信号出力回路、263・・・液晶モニタ駆動回路、265・・・SDRAM検知回路、267・・・SDRAM、271・・・入出力回路、273・・・通信回路、275・・・記録媒体制御回路、277・・・記録媒体、279・・・フラッシュメモリ制御回路、281・・・フラッシュメモリ、283・・・スイッチ検知回路、285・・・各種スイッチ、300・・・通信接点、311・・・第1合焦表示、312・・・第2合焦表示