JP5017130B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
そして、このロアメンバーの前端部がフロントサイドフレームの前端外壁部に連結部材を介して連結されている(例えば、特許文献1参照。)。
加えて、ロアメンバーは前端部が上下に拡大されている。
これにより、ロアメンバーで衝撃荷重を受け、ロアメンバーに作用した衝撃荷重をアッパメンバーに伝えて良好に吸収することができる。
この車体前部構造は、フロントサイドフレームの前端部に前輪が近接され、フロントサイドフレームの前端部の車体外側にロアメンバーを設けることが困難とされている。
このため、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両では、相手車両が左右方向や上下方向にずれてオフセット衝突した場合に、相手車両に当てて衝撃荷重を良好に吸収することが難しい。
よって、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両でも、傾斜ロアメンバーの前端部を、フロントサイドフレームの前端部の上側(すなわち、前輪の車体内側)の空間に設けることができる。
これにより、相手車両がフロントサイドフレームの前端部にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を傾斜ロアメンバーに分散させて良好に吸収することができる。
よって、衝撃吸収部材をフロントサイドフレームの前端部の上側に設けることができる。
これにより、相手車両がフロントサイドフレームの前端部の上側にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を衝撃吸収部材で良好に吸収することができる。
これにより、衝撃吸収部材に衝撃荷重が作用した場合に、衝撃吸収部材を好適に変形させて、衝撃荷重を良好に吸収することができるという利点がある。
よって、衝撃吸収部材に衝撃荷重が作用した場合に、作用した衝撃荷重を傾斜ロアメンバーに良好に伝えることができる。
これにより、傾斜ロアメンバーに伝わった衝撃荷重を、傾斜ロアメンバーの前端部からフロントサイドフレームに分散させて衝撃荷重を良好に吸収することができるという利点がある。
なお、車体前部構造は左右対称の構成部材で構成されている。よって、本実施の形態においては、左側の構成部材について説明して右側の構成部材の説明を省略する。
車体前部構造10は、車体前部の左右側部に設けられた左フロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)11と、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに設けられたフロントバルクヘッド12と、左右のフロントサイドフレーム(右フロントサイドフレームは図示せず)11の前端部11aに架け渡されたフロントバンパビーム13と、左フロントサイドフレーム11の外側に設けられた左アッパメンバー(アッパメンバー)14とを備えている。
この車体前部構造10は、フロントバンパビーム13から前輪23までの間隔Lが短く設定されている。
さらに、左アッパメンバー14は、左ホイールハウス27を介して左フロントサイドフレーム11に連結されている。
左傾斜ロアメンバー18は、左アッパメンバー14の前端部14aから左フロントサイドフレーム11の前端上部16まで車体前下方に向けて斜め下方に延出されている。
具体的には、左傾斜ロアメンバー18は、左アッパメンバー14の前端部14aに取り付けられた後端部31と、後端部31から車体前下方に向けて斜め下方に延出された傾斜部32と、傾斜部32に設けられて左フロントサイドフレーム11の前端上部16に取り付けられた前端部33とを備えている。
前端部33は、平面視において、傾斜部32に対して車体内側に向けて略く字状に折り曲げられた部位である。
左衝撃吸収部材20を内側衝撃吸収部35および外側衝撃吸収部36に2分割することで、左ヘッドライト22のバルブ部(図示せず)を交換するための空間38を確保することができる。
このバルブ部を交換することで、左ヘッドライト22の電球の交換が可能になる。
上取付プレート41は、後端部が上面35aから車体後方に向けて突出され、突出した後端部に取付孔41aが形成されている。
上ナット46は、前端部上面33aの裏面に、取付孔44と同軸上に溶接されている。
内取付プレート42の取付孔42aおよび前端部内壁33bの取付孔47(図8参照)に内ボルト48が差し込まれ、取付孔47から突出したねじ部48aが内ナット49にねじ結合されている。
よって、内側衝撃吸収部35は、上ボルト45・上ナット46および内ボルト48・内ナット49で左傾斜ロアメンバー18の前端部33に取り付けられている。
この内側衝撃吸収部35は、細胞状の部位51の軸線52が車体前後方向に向けて配置され、前端部33の前壁33cに沿って接している。
細胞状の部位51は、一例として、矩形状の枠体で中空状に形成された部位である。この細胞状の部位51は、矩形状の枠体に限らないで、六角形などの他の形状に生成することも可能である。
外取付プレート54は、後端部が傾斜部32の前壁32aに沿って車体外方に向けて突出され、突出した後端部に取付孔54aが形成されている。
外取付プレート54の取付孔54aおよび前壁32aの取付孔56に外ボルト57が差し込まれ、取付孔56から突出したねじ部57aが外ナット58にねじ結合されている。
外ナット58は、前壁32aの裏面に、取付孔56と同軸上に溶接されている。
よって、外側衝撃吸収部36は、外ボルト57および外ナット58で左傾斜ロアメンバー18の傾斜部32に取り付けられている。
この外側衝撃吸収部36は、細胞状の部位61の軸線62が車体前後方向に向けて配置され、傾斜部32の前壁32aに沿って接している。
内側衝撃吸収部35を前端部33に取り付けるとともに、外側衝撃吸収部36を傾斜部32に取り付けることで、左ヘッドライト22が左傾斜ロアメンバー18の前壁に取り付けられている。
内側衝撃吸収部35および外側衝撃吸収部36をハニカム構造に形成することで剛性を高めることができる。
これにより、左傾斜ロアメンバー18に伝わった衝撃荷重を、左傾斜ロアメンバー18の前端部33から左フロントサイドフレーム11に分散させて衝撃荷重を良好に吸収することができる。
これにより、内側衝撃吸収部35および外側衝撃吸収部36に衝撃荷重が作用した場合に、内側衝撃吸収部35および外側衝撃吸収部36を好適に変形させて、衝撃荷重を良好に吸収することができる。
左ヘッドライト22は、内側端部22aから外側端部22bに向けて後部28が車体後方に傾斜状に形成され、後部28の略中央部28aからバルブ部(図示せず)が車体後方に向けて突出されている。
内側衝撃吸収部35および外側衝撃吸収部36は、図5に示すように、左ヘッドライト22の後部28から車体後方に向けて突出された部材である。
また、外側衝撃吸収部36が、外ボルト57および外ナット58(外ナット58は図3参照)で左傾斜ロアメンバー18の傾斜部32に取り付けられている。
具体的には、左ヘッドライト22は、内側端部22a寄りの部位が、左フロントサイドフレーム11の前端部11a(前端上部16)の上側に配置されるとともに、フロントバンパビーム13の左端部13aの上側に配置されている。
左傾斜ロアメンバー18は、一例として、断面略コ字状のアッパパネル71の下辺71a,71aにロアパネル72の折曲片72a,72aを溶接でそれぞれ接合することで、断面略ロ字状の閉断面に形成されている。
左アッパメンバー14は、図7に示すように、車体内側に配置されたインナパネル74と、インナパネル74に溶接で接合されたアウタパネル75とを備えている。
インナパネル74の前端部およびアウタパネル75の前端部間に、左傾斜ロアメンバー18の後端部31が挟持され、アッパパネル71の後端部31の内壁71bがインナパネル74の前端部に溶接で接合され、アッパパネル71の後端部31の外壁71cがアウタパネルの前端部の外壁75bに溶接で接合されている。
これにより、左傾斜ロアメンバー18は、後端部31が、左アッパメンバー14の前端部14aに強固に連結されている。
左傾斜ロアメンバー18は、前端部33の下辺77,77が水平に折り曲げられ、折り曲げられた下辺77,77がフロントサイドフレーム11の前端上部16に溶接で接合されている。
張り出された前端部内壁33bの下辺78は、フロントサイドフレーム11の前端部11aの内壁79に溶接で接合されている。
折り曲げられた突出片82は、フロントサイドフレーム11の前端部11の外壁83に溶接で接合されるとともに、突出片82の近傍の部位82aがフロントサイドフレーム11の前端部11aの外側突片84に溶接で接合されている。
これにより、左傾斜ロアメンバー18は、前端部33が、左フロントサイドフレーム11の前端上部16に強固に連結されている。
そこで、左傾斜ロアメンバー18を左アッパメンバー14の前端部14aから左フロントサイドフレーム11の前端上部16まで延ばした。
よって、左傾斜ロアメンバー18の前端部33を、左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側(すなわち、前輪23の車体内側)の空間80に設けることができる。
これにより、相手車両が左フロントサイドフレーム11の前端部11aにオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を左傾斜ロアメンバー18に分散させて良好に吸収することができる。
よって、左衝撃吸収部材20を左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側に設けることができる。
これにより、相手車両が左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を左衝撃吸収部材20で良好に吸収することができる。
車体前部構造10は、左傾斜ロアメンバー18の前端部33が、左フロントサイドフレーム11の前端上部16(図3も参照)に強固に連結されている。
よって、図1に示すように、前輪23からフロントバンパビーム13までの間隔Lが短い車両でも、左傾斜ロアメンバー18の前端部33を、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに連結することができる。
これにより、相手車両が左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側(すなわち、P1位置)にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を左ヘッドライト22を経て衝撃吸収部材20に伝え、衝撃吸収部材20などで良好に吸収することができる。
まず、相手車両86が、図10に示すP1位置、すなわち左ヘッドライト22にオフセット衝突した場合を図11〜図12に基づいて説明する。
(a)において、車高が高い相手車両86が、図10に示すP1位置に前方からオフセット衝突した場合に、相手車両86のフロントサイドフレーム87に左ヘッドライト22を当てることができる。
よって、相手車両86のフロントサイドフレーム87から作用した衝撃荷重F1の一部が左衝撃吸収部材20で吸収される。
左フロントサイドフレーム11は、車体前部構造10の主骨格を構成するため剛性が高い部材である。
よって、左フロントサイドフレーム11に分散された衝撃荷重F2は、左フロントサイドフレーム11で良好に吸収することができる。
左傾斜ロアメンバー18に分散された衝撃荷重F3は、左アッパメンバー14に矢印の如く伝わる。
よって、左アッパメンバー14に伝えられた衝撃荷重F3を良好に吸収することができる。
これにより、相手車両86のフロントサイドフレーム87からの衝撃荷重F1を、車体前部構造10で良好に吸収することができる。
図13は第1実施の形態に係る車体前部構造の左フロントサイドフレームに相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
車高が略同じ高さの相手車両86が、図10に示すP2位置に前方からオフセット衝突した場合に、相手車両86のフロントサイドフレーム87にフロントバンパビーム13の左端部13aを当てることができる。
よって、相手車両86のフロントサイドフレーム87に左フロントサイドフレーム11の前端部11aを当てたことになる。
よって、相手車両86のフロントサイドフレーム87からの衝撃荷重F1を、左フロントサイドフレーム11の前端部11aから、左フロントサイドフレーム11に衝撃荷重F4として伝えるとともに、前端部33から左傾斜ロアメンバー18に分散することができる。
よって、左フロントサイドフレーム11に分散された衝撃荷重F4は、左フロントサイドフレーム11で良好に吸収することができる。
左アッパメンバー14は、前述したように、左ホイールハウス27を介して左フロントサイドフレーム11に連結されている。すなわち、左アッパメンバー14は充分に剛性の高い部材である。
これにより、相手車両86のフロントサイドフレーム87からの衝撃荷重F1を、車体前部構造10で良好に吸収することができる。
第2実施の形態の車体前部構造100は、左傾斜ロアメンバー18の前端部33をボルト91およびナット92で左フロントサイドフレーム11の前端部11aに取り付けたもので、その他の構成は第1実施の形態の車体前部構造10と同じである。
ロアカラー97は中空に形成された筒体である。
アッパカラー101は中空に形成された筒体である。
すなわち、下貫通孔95a、ロアカラー97、上貫通孔94a、下貫通孔99a、アッパカラー101、上貫通孔98aおよびナット92が同軸上に設けられている。
これにより、左フロントサイドフレーム11の前端上部16に、左傾斜ロアメンバー18の前端部33がボルト91およびナット92で連結されている。
加えて、左フロントサイドフレーム11の前端上部16に左傾斜ロアメンバー18の前端部33をボルト91・ナット92で連結することで、溶接作業による接合箇所を減らすことができる。
Claims (3)
- 車体前後方向に向いてフロントサイドフレームが設けられ、前記フロントサイドフレームの上方外側にアッパメンバーが設けられ、前記フロントサイドフレームと前記アッパメンバーとの間にヘッドライトが設けられた車体前部構造において、
前記アッパメンバーの前端部から前記フロントサイドフレームの前端上部まで車体前下方に向けて斜め下方に延びる傾斜ロアメンバーと、
前記傾斜ロアメンバーに設けられ、前記ヘッドライトを支持する衝撃吸収部材と、
を備え、
前記傾斜ロアメンバーは、前記アッパメンバーの前端部に連結された後端部と、この後端部から車体前下方に向けて斜め下方に延出された傾斜部と、この傾斜部に設けられて前記フロントサイドフレームの前端上部に連結された前端部とを備え、
前記傾斜部は、平面視において、前記後端部に対して車両内側に向けて略く字状に折り曲げられた部位であり、
前記前端部は、平面視において、前記傾斜部に対して車体内側に向けて略く字状に折り曲げられた部位であり、
前記衝撃吸収部材は、内側衝撃吸収部と、この内側衝撃吸収部の車両外方に一定間隔をおいて設けられる外側衝撃吸収部とを備え、
前記内側衝撃吸収部が、前記傾斜ロアメンバーの前端部に取り付けられ、
前記外側衝撃吸収部が、前記傾斜ロアメンバーの傾斜部に取り付けられることを特徴とする車体前部構造。 - 前記衝撃吸収部材は、前記傾斜ロアメンバーが塑性変形する車体前後方向の衝撃荷重より小さい衝撃荷重で塑性変形するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
- 前記衝撃吸収部材は、
複数の細胞状の部位を有するハニカム構造に形成され、
前記細胞状の部位の軸線が車体前後方向に向けて配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車体前部構造。
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