JP5076735B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
そこで、もともとの記録媒体の光沢度と記録後の光沢度との間で違和感が生じないようにするためには、記録媒体の種類等に応じて、記録される画像の方も光沢度を変化させたいとの要請がある。画像の光沢度を変化させる手法としては、インクに照射する活性エネルギー線の強度を変える等、様々なものがある。
インクを記録媒体に吐出させる複数の記録ヘッドと、
前記複数の記録ヘッドにより記録される画像の光沢度を変更可能な光沢度可変手段と、
前記記録媒体を加熱する加熱手段と、を備え、
前記光沢度可変手段は、画像を記録する本記録前に前記複数の記録ヘッドから吐出されるそれぞれの前記インク毎の複数のパッチから構成される1つのテストパターン画像を一枚の記録媒体上に形成する際、前記テストパターン画像中に、画像の光沢度の異なる前記インク毎の複数のパッチを含むように、前記加熱手段による加熱温度を変更することを特徴とする。
まず、図1から図6を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態においてインクジェット記録装置1は、シリアルプリント方式によるインクジェット記録装置1であり、このインクジェット記録装置1には、平板状に形成され記録媒体2を非記録面(裏面)側から支持するプラテン3が設けられている。
なお、インクジェット記録装置1で使用されるインクはこれに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)等、各種の色インクや、色材を含まない透明インク、白インク等を使用することもできる。この場合には、各インクに対応した記録ヘッド7がキャリッジ5に搭載される。また、ここに例示したインクをすべて備えている必要はなく、例えば、ブラック(K)のみを備えるものであってもよい。
また、紫外線光源9の数や配置はここに示したものに限定されず、例えば各記録ヘッド7の間にそれぞれ紫外線光源9を設けるようにしてもよい。
また、例えば、主走査方向Xの一方向に移動する場合にのみ記録を行う構成とする場合には、紫外線光源9を、記録ヘッド7よりも、記録を行う際の主走査における記録ヘッド7の移動方向の下流側にのみ配置する構成としてもよい。
また、紫外線光源9は、記録媒体2の上に着弾したインクに紫外線を照射可能な位置に配置されていればよく、キャリッジ5の上に搭載されている場合に限られない。例えば、紫外線光源9をキャリッジ5の外に設けてもよい。
本実施形態に用いられるインクは、活性エネルギー線としての紫外線が照射されることにより硬化する性質を具備する紫外線硬化型インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを含むものである。上記光硬化型インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、この両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能である。また、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。しかしながら、酸素による重合反応の阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクの方が機能性、汎用性に優れるため、特に、カチオン重合系インクを用いることが好ましい。カチオン重合系インクは、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物である。
制御部20は、ROMに記録された制御プログラムをRAMの作業領域に展開してCPUにより実行するようになっている。
また、制御部20には、画像処理部21、記録ヘッド7を駆動するヘッド駆動部23、キャリッジ5を駆動させる駆動機構24、記録媒体を搬送する搬送機構25及び紫外線光源9が電気的に接続されている。
なお、ホストコンピュータH等の外部装置は、記録用の画像データをインクジェット記録装置1に送るほか、インクジェット記録装置1の全体の動作制御を行うための入力を行うようになっている。また、ホストコンピュータH等の外部装置において、記録ヘッド7を駆動する駆動周波数の設定のための入力等、インクジェット記録装置1に関する各種設定を行うことが可能となっていてもよい。
本実施形態においては、制御部20は、紫外線光源9を構成するLED13に出力する電流の電流値を適宜変更することによりLED13の出力強度(紫外線光源9から照射される紫外線の強度)を変更することが可能となっている。
このように、LED13の出力強度(紫外線光源9から照射される紫外線の強度)を変更することによって、画像の光沢度を変更することができ、制御部20は、光沢度可変手段として機能する。
図4に示すように、ある電流値をLED13に出力する電流の基準電流値としたとき、電流値を基準電流値の1.5倍に上げると、各色インクによって記録された画像の光沢度は、基準電流値における光沢度と比較して一様に上がる。さらに、電流値を基準電流値の2倍に上げると、マゼンタ(M)ではあまり変化が見られなかったものの、その他の各色インクによって記録された画像の光沢度は、電流値が基準電流値の1.5倍である場合における光沢度と比較して一様に上がる。このように、LED13に出力する電流の電流値を上げて紫外線強度を上げると、光沢度もそれに伴って上がることがわかる。
図5において縦方向の「C」「M」「Y」「K」は、それぞれ記録ヘッド7の吐出するインクである「シアン」「マゼンタ」「イエロー」「ブラック」を表しており、図5において横方向の5A(ampere)、10A、20A…は、LED13に出力される電流の電流値を表している。LED13に出力される電流の電流値が高くなるほど紫外線光源9から照射される紫外線の強度は強くなる。
なお、ここでは4次色(CMYK)のテストパターン画像17を形成する場合を例としているが、単色(例えばブラック(K)のみ)や、2次色(ブルー、レッド、グリーン)、3次色(CMY)のテストパターン画像17を形成するようにしてもよい。
図6に示すように、電流値を基準電流値の1.5倍に上げると、イエロー(Y)では若干濃度が下がる傾向が見られたが、その他の各色インクによって記録された画像の濃度は、基準電流値における濃度と比較して一様に高くなる。さらに、電流値を基準電流値の2倍に上げると、イエロー(Y)及びシアン(C)では若干濃度が下がる傾向が見られたが、画像全体の濃度に大きく影響を与えるブラック(K)及びマゼンタ(M)によって記録された画像の濃度は、電流値が基準電流値の1.5倍である場合における濃度と比較して高くなる。このように、LED13に出力する電流の電流値を上げて紫外線強度を上げると、濃度もそれに伴って高くなることがわかる。
例えば、インクジェット記録装置1に、画像の光沢度や濃度を測定するセンサ等を設けて、テストパターン画像17を構成する各パッチ18の光沢度や濃度を自動的に測定してもよい。そして、この場合には、予め記録媒体2の種類に応じた最適な光沢度や濃度と、当該光沢度や濃度を得るための紫外線の強度やLED13に出力すべき電流の電流値とを対応付けたテーブル等を記憶させておき、制御部20は、センサ等による測定結果に基づいて、本記録に使用する記録媒体2において最適な画像の光沢度や濃度を得るための紫外線の強度やLED13に出力すべき電流の電流値を設定するようにしてもよい。
次に、図8及び図9を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、ラインプリント方式によるインクジェット記録装置である点のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
制御部は、後述するテストパターン画像17の形成の際に、紫外線光源33を構成するLEDをa〜eのブロックに分割し(図8参照)、各ブロックa〜eごとにLEDに出力する電流の電流値を変化させることにより、紫外線光源33から照射される紫外線の強度等を制御可能となっている。
次に、図10から図12を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態は、光沢度可変手段の構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、インクジェット記録装置40は、第1の実施形態と同様、シリアルプリント方式で記録を行うインクジェット記録装置である。
プラテン3の下方には、記録媒体2を加熱する加熱手段としてのヒータ41が、プラテン3の記録媒体2を支持する面とは反対の面に接するように設けられている。ヒータ41は、例えばシート状に形成されたヒートプレート等であり、記録媒体2を均一に加熱できるように記録媒体2の幅方向に延在し記録媒体2の幅寸法とほぼ等しい長さ寸法を有することが好ましい。ヒータ41は、後述するように、制御部20による制御により記録媒体を加熱する温度を変更可能となっている。
キャリッジ5の、記録媒体2と対向する面には、記録媒体2の温度を検出する温度センサ42が設けられている。
制御部20には、温度センサ42から検出結果が送られるようになっており、制御部20は、この検出結果に応じてヒータ41のON/OFF等を切り替えることにより、記録媒体2の温度が所定の設定温度となるように制御するようになっている。
図12に示すように、記録媒体2の温度が30℃の場合には、光沢度は30%程度に留まるが、記録媒体2の温度が40℃の場合には、光沢度は50%となり、45℃では光沢度は60%近くまで高くなる。
その際、例えば、主走査方向Xの左側から右側に行くに従って順次光沢度が高くなるように、5段階の光沢度に対応するパッチの列を記録したテストパターン画像を形成する場合には、制御部20は、光沢度に対応する各パッチの列に対応して、ヒータ41を5つのブロックに分け、主走査方向Xの左側から右側に行くに従って記録媒体2の温度が高くなるようにヒータ41による加熱の温度をブロックごとに変えるように制御を行う。なお、各ブロックにおける記録媒体2の温度が適切な温度となっているか否かについては、温度センサ42からの情報に基づいて判断し、適切な温度になっていると判断すると画像記録を開始させるようになっている。
次に、図13を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第4の実施形態について説明する。なお、第4の実施形態は、光沢度可変手段の構成のみが第1の実施形態等と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態等と異なる点について説明する。
本実施形態において、インクジェット記録装置50は、第1の実施形態と同様、シリアルプリント方式で記録を行うインクジェット記録装置である。
インクジェット記録装置50には、第1の実施形態等と同様、キャリッジ5が設けられており、本実施形態におけるインクジェット記録装置50は、キャリッジ5が主走査方向Xの左側から右側に移動する際にのみ画像記録を行うようになっている。
また、キャリッジ5の上であって、一群として設けられた基本色用の記録ヘッド7よりも主走査方向Xの記録時の移動方向における上流側(図13における左側)には、色材を含有せず記録媒体2の色相を変化させない透明インク(CL)を吐出させる透明インク用の記録ヘッド51が配設されている。なお、透明インク用の記録ヘッド51の数は一つに限定されず、複数設けられていてもよい。
本実施形態において、制御部は、透明インク用の記録ヘッド51から吐出させる透明インクのインク量を制御することによって、画像の光沢度を変化させる光沢度可変手段として機能する。基本色用の記録ヘッド7から吐出された色インクの上に、透明インクが多く吐出されるほど画像の光沢度は高くなる。このため、透明インクのインク量を変えることにより、画像の光沢度を変化させることができる。
その際、例えば、主走査方向Xの左側から右側に行くに従って順次光沢度が高くなるように、5段階の光沢度に対応するパッチの列を記録したテストパターン画像を形成する場合には、制御部は、主走査方向Xの左端のパッチの列を記録する際には、透明インク用の記録ヘッド51から吐出させる透明インクのインク量を少なくするように制御し、主走査方向Xの右側に行くに従って順次透明インクのインク量を多くしていき、主走査方向Xの右端のパッチの列を記録する際には、吐出させる透明インクのインク量が最も多くなるように制御する。
2 記録媒体
7 記録ヘッド
9 紫外線光源
13 LED
17 テストパターン画像
18 パッチ
20 制御部
A 搬送方向
X 主走査方向
Y 副走査方向
Claims (1)
- インクを記録媒体に吐出させる複数の記録ヘッドと、
前記複数の記録ヘッドにより記録される画像の光沢度を変更可能な光沢度可変手段と、
前記記録媒体を加熱する加熱手段と、を備え、
前記光沢度可変手段は、画像を記録する本記録前に前記複数の記録ヘッドから吐出されるそれぞれの前記インク毎の複数のパッチから構成される1つのテストパターン画像を一枚の記録媒体上に形成する際、前記テストパターン画像中に、画像の光沢度の異なる前記インク毎の複数のパッチを含むように、前記加熱手段による加熱温度を変更することを特徴とするインクジェット記録装置。
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