JP5069594B2 - 油圧クラッチのハウジング及び油圧クラッチのハウジングの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1は、金属等によって筒状の1つのハウジング筒体を形成し、そのハウジング筒体を入力軸のボス部に接合して、当該ハウジング筒体内にピストンやクラッチプレートを収納したものである。このハウジング筒体は入力軸から径外方向に延設された縦壁(環状端壁5)と、この縦壁から屈曲した屈曲部を介して軸方向に延設された筒壁(大径筒3及び小径筒4)とから構成されたものとなっている。
デュアルクラッチのハウジングを板金製にする場合、特許文献1に示したハウジング筒体を2つを背中合わせにして、両者を溶接により互いに接合することによって可能となる。
2つのハウジング筒体の縦壁を背中合わせにして両者を一体化する場合、ハウジング筒体の縦壁の径内端部同士(取付孔5a近傍)を溶接により接合すると共に、取付孔とは反対側の縦壁の外端部(屈曲部)同士を外側から溶接により接合することが考えられる。
そこで、本発明は、ハウジング筒体を背中合わせにして両者を溶接により一体化したものであって、ピストン収納部及びクラッチプレート収納部に溶接歪みの少ない油圧クラッチのハウジングを提供することを目的とする。
また、本発明は、ハウジング筒体を背中合わせにして両者を溶接により一体化することでハウジングを製造する場合に、ピストン収納部及びクラッチプレート収納部に溶接歪みの少ないハウジングを製造することができる油圧クラッチのハウジングの製造方法を提供することを目的とする。
また、前記縦壁の径外側の溶接部は径方向に複数形成され、各溶接部の接合範囲が径方向でオーバラップしていることが好ましい。
また、前記縦壁の径外側の溶接部における径方向の接合範囲は、前記油供給凹部の径方向の幅よりも小さいことが好ましい。
このようなハウジングでは、筒壁から離れた縦壁の径外側が電子ビームにより接合されたものであるため、クラッチプレート収納部及びピストン収納部は溶接による歪みが非常に小さく、当該ハウジングは筒壁内の真円度が保たれた強度の高いものとなる。
前記縦壁の径外側の溶接部は、前記ピストン収納部に収納される環状のピストンの背面に形成した作動油を供給する油供給凹部に対応されていることが好ましい。
前記縦壁の溶接部は径方向に複数形成され、各溶接部の接合範囲が径方向でオーバラップしていることが好ましい。これによれば、縦壁の径外側同士が強固に接合されるため、ハウジング筒体の接合強度を向上させることができる。
本発明の方法における技術的手段は、径方向に延設する縦壁と、この縦壁の径外端部の屈曲部を介して軸方向に延設し前記クラッチプレート収納部とピストンを収納するピストン収納部とを形成する筒壁とを備えた筒状の板金製の一対のハウジング筒体を接合するに際し、前記縦壁に対向する前記ピストンの背面部に、前記軸方向に凹状となっていて作動油を供給する環状の油供給凹部を形成しておき、前記板金製のハウジング筒体における前記縦壁同士を背中合わせにして当該縦壁の径内端部同士をクラッチボス部に溶接により接合すると共に、前記縦壁の径外側を前記屈曲部の径内側近傍で且つ前記環状の油供給凹部内で電子ビーム溶接により環状に接合する点にある。
前記電子ビームによる溶接を、接合範囲が径方向にオーバラップするように前記縦壁の径方向に位置を変えて複数回行われることが好ましい。これによれば、縦壁の径外側同士を強固に接合することができる。
図1は本発明の油圧クラッチのハウジングを備えたクラッチの全体図を示しており、当該クラッチは、トラクタなどの車輌のトランスミッションにて用いられるデュアルスピードクラッチであり、車輌のトランスミッションにおいては高低速切り換え用や前後進切り換え用として用いられる。
この油圧クラッチ1は、回転自在な入力軸2の動力を、当該入力軸2の一端側(左側)で軸受3により相対回転自在に支持された第1出力伝達部材(ギヤ)4と、当該入力軸2の他端(右側)で軸受5により相対回転自在に支持された第2出力伝達部材(ギヤ)11とに伝達可能となっている。
ハウジング6は、一方が開放し且つ他方が閉塞する筒状に形成された板金製の一対のハウジング筒体12L,12Rを備えており、それぞれのハウジング筒体12L,12Rの閉塞側を背中合わせに接合することにより構成されている。
また、左側ハウジング筒体12Lは、左側に配置された複数枚の円盤状のクラッチプレート15を収納するクラッチプレート収納部16を備えると共に、左側に配置された環状ピストン8Lを収納するピストン収納部17を備えている。
一方で、右側ハウジング筒体12Rは、その開放側が右側を向くように入力軸2と同一軸芯上に配置されて、複数の円盤状のクラッチディスク13を取り付けた第2出力伝達部材11のクラッチディスク取付部14が内部に配置されている。また、右側ハウジング筒体12Rは、右側に配置された複数枚の円盤状のクラッチプレート15を収納するクラッチプレート収納部16を備えると共に、右側に配置された環状ピストン8Rを収納するピストン収納部17を備えている。
左側ハウジング筒体12Lの縦壁20と、右側ハウジング筒体12Rの縦壁20との長さは同じに設定され、縦壁20の両者の厚みも同じに設定されている。左側ハウジング筒体12Lの屈曲部21と右側ハウジング筒体12Rの屈曲部21とは、互いに同じ半径を有するR状とされ、縦壁20の径外端部から軸方向に徐々に屈曲するものとされている。
環状ピストン8L,8Rと縦壁20及び筒壁22とで囲まれた部分が、作動油供給路9から作動油が供給される作動油供給部25とされ、この作動油供給部25に供給された作動油によって環状ピストン8L,8Rの外周面(特に、縦壁20の近傍の傾斜面26)が押されることで環状ピストン8L,8Rが軸芯方向に移動する。環状ピストン8L,8Rにおいて縦壁20と対向する対向面(背面)の径外端部側には、凹状で且つ全周方向に亘って延びる無端状の油供給凹部28が形成されている。作動油供給部25に供給された作動油は、縦壁20と環状ピストン8L,8Rとの隙間を通って油供給凹部28へと流れるようになっている。
径外側接合部30における接合範囲の総幅L3は、油供給凹部28の径方向の幅L4よりも小さい範囲とされている。即ち、接合により溶融した金属の範囲L3が油供給凹部28の径方向の幅L4よりも小さく、断面視で油供給凹部28から径外方向にはみ出さないものとなっている。なお、径外側接合部30における接合範囲の総幅L3が油供給凹部28の幅L4内であれば、縦壁20の径方向における接合点は2点とは限らず、それ以上であってもよい。
縦壁20を背中合わせにする際は、縦壁20の径内端部29のそれぞれを揃えると共に、屈曲部21の径外側を揃える。そして、縦壁20を背中合わせにした状態で、ハウジング筒体12L,12R又は電子ビームを回転させながら、縦壁20の径内端部29同士を電子ビーム溶接により接合し、環状ピストン8L,8Rの油供給凹部28に対応する径外側接合部30を電子ビーム溶接により接合する。
図2に示すように、1回目の溶接作業が終了すると、1点目の溶接部分の接合範囲L1の一部と、2回目の溶接部分の接合範囲L2の一部とが、径方向にオーバラップするように、電子ビームを照射する位置を径方向にずらし、再び、縦壁20を全周に亘って接合する2回目の溶接作業を行う。
以上、本発明によれば、入力軸2の作動油供給路9に作動油を供給し、作動部供給部25及び油供給凹部28に作動油を送ることによって、環状ピストン8L,8Rを軸方向に移動させ、環状ピストン8L,8Rでクラッチプレート15を押圧して、当該クラッチプレート15とクラッチディスク13とを圧接し、クラッチを接続状態にすることができる。一方、作動油による供給を停止すると環状ピストン8L,8Rと入力軸2との間に介在された付勢部材(例えば、バネ部材)の付勢力によって環状ピストン8L,8Rが戻り、クラッチプレート15とクラッチディスク13との圧接が解除されて、クラッチを切断状態にすることができる。
さらに、左側ハウジング筒体12Lの縦壁20と右側ハウジング筒体12Rの縦壁20との接合において、径内側と径外側との少なくとも2点以上を接合しているので、互いの縦壁20が一体化されたものと略同じ強度となる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、電子ビーム溶接は径方向に離して複数箇所行ったり、左側ハウジング筒体12L側からだけでなく右側ハウジング筒体12R側から行ってもよい。
2 入力軸
6 ハウジング
7 クラッチボス部
8L 環状ピストン
8R 環状ピストン
12L 左側ハウジング筒体
12R 右側ハウジング筒体
15 クラッチプレート
16 クラッチプレート収納部
17 ピストン収納部
20 縦壁
21 屈曲部
22 筒壁
28 油供給凹部
29 縦壁の径内端部
30 径外側接合部
31 溶接塊(溶接範囲)
Claims (5)
- 筒状に形成されてクラッチプレート収納部とピストンを収納するピストン収納部とを有する板金製のハウジング筒体を背中合わせに一対備え、前記各ハウジング筒体は、径方向に延設される縦壁と、この縦壁の径外端部の屈曲部を介して軸方向に延設し前記クラッチプレート収納部とピストン収納部とを形成する筒壁とを備えており、
前記縦壁に対向する前記ピストンの背面部には、前記軸方向に凹状となっていて作動油を供給する環状の油供給凹部が形成され、
前記縦壁の径内端部は、クラッチボス部に接合され、前記板金製のハウジング筒体における前記縦壁の径外側は、前記屈曲部の径内近傍で且つ前記環状の油供給凹部内で電子ビーム溶接により環状に接合されていることを特徴とする油圧クラッチのハウジング。 - 前記縦壁の径外側の溶接部は径方向に複数形成され、各溶接部の接合範囲が径方向でオーバラップしていることを特徴とする請求項1に記載の油圧クラッチのハウジング。
- 前記縦壁の径外側の溶接部における径方向の接合範囲は、前記油供給凹部の径方向の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧クラッチのハウジング。
- 径方向に延設する縦壁と、この縦壁の径外端部の屈曲部を介して軸方向に延設し前記クラッチプレート収納部とピストンを収納するピストン収納部とを形成する筒壁とを備えた筒状の板金製の一対のハウジング筒体を接合するに際し、
前記縦壁に対向する前記ピストンの背面部に、前記軸方向に凹状となっていて作動油を供給する環状の油供給凹部を形成しておき、前記板金製のハウジング筒体における前記縦壁同士を背中合わせにして当該縦壁の径内端部同士をクラッチボス部に溶接により接合すると共に、前記縦壁の径外側を前記屈曲部の径内側近傍で且つ前記環状の油供給凹部内で電子ビーム溶接により環状に接合することを特徴とする油圧クラッチのハウジングの製造方法。 - 前記電子ビームによる溶接を、接合範囲が径方向にオーバラップするように前記縦壁の径方向に位置を変えて複数回行われることを特徴とする請求項4に記載の油圧クラッチのハウジングの製造方法。
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