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JP5066902B2 - 光学シート - Google Patents

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JP5066902B2 JP2006323283A JP2006323283A JP5066902B2 JP 5066902 B2 JP5066902 B2 JP 5066902B2 JP 2006323283 A JP2006323283 A JP 2006323283A JP 2006323283 A JP2006323283 A JP 2006323283A JP 5066902 B2 JP5066902 B2 JP 5066902B2
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本発明は、輝度向上機能を有する光学シートに関するものである。本発明の光学シートは、とくに液晶表示素子を組み込んだ画像表示装置(液晶ディスプレイ)に代表されるディスプレイ用のバックライト・ユニットにおける照明光路制御に使用される。
液晶ディスプレイは、他の画像表示装置(プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイ、電界放出ディスプレイなど)のように自発光型ではないために、光源すなわちバックライトユニットを必要とする場合がほとんどである。その場合には、バックライトユニットの消費電力が液晶表示素子を駆動させるのに必要な消費電力に上乗せされることになる。
そこで、バックライトユニットの消費電力を可能な限り低減させるために、輝度向上機能を有する光学シートを用いることで、ディスプレイの総消費電力の低減が試みられている。
前記のバックライトユニットの消費電力を低減させるための輝度向上シートでは、米国3M社が開発した輝度強調フイルム(BEF:Brightness Enhancement Film)が公知である。
BEFは、図4に示すように、部材70上に、断面三角形状の単位プリズム72が一方向に周期的に配列されたフィルムである。このプリズム72は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)である。BEFは、“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。ディスプレイの使用時(観察時)に、BEFは、軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させる。ここで言う「軸上」とは、視聴者の視覚方向に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向(図3中に示す方向F)側である。
BEFに代表されるプリズム72の反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイに採用する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
一方で、従来、液晶ディスプレイに使用されてきた導光板方式のものが公知である(例えば下記特許文献2および3を参照)。
一般的な導光板方式では、プリズム形状を有する透光性フイルムが使用されておらず、かつ拡散フイルムが使用されているために、液晶ディスプレイ用バックライトとして使用すると光量が不足すると言う欠点があった。
そこで本出願人は、光源からの光を、無駄に出射される分を増やすことなく、均一化して、かつ拡散範囲を制御して出射させ得る光学シートを提案した(特許文献4を参照)。
この光学シートは、照明光の入射側から順に、少なくとも、(a)入射光を、非入射面側である出射面側に散乱する光散乱層、(b)接着層もしくは粘着層、(c)光散乱層(a)の出射面側に面して光反射性の高い表面を有しており、光散乱層によって散乱された光を光散乱層側に反射する光反射層、(d)光反射層(c)の他方の面に裏面(平坦面)が固定され、表面に複数の単位レンズが配置されてなるレンズシートであって、それらが一体化されてなる構成であると共に、光反射層(c)には、レンズシート(d)の単位レンズそれぞれに1:1で対応して、各単位レンズの凸部頂点からレンズシート裏面の平坦面に下ろした垂線が通過するように、開口部を有することを特徴としている。
特開平6−102506号公報 特開平3−190004号公報 特開平3−201304号公報 特開2006−208930号公報
前記の特許文献4に開示される技術においては、レンズ設計上、光反射層に開口部を設けることが必須である。具体的には、拡散層の出射面に、規則的な複数の開口部(空気層)を有する反射層を接着剤により固定している。しかし、このような構造では、開口部の形状が崩れる恐れがあり、その場合、光学シートの配光特性が狙いと異なってしまい、液晶ディスプレイ装置の表面にムラが観察されるようになったり、明るさの低減が起こり、輝度向上光学シートとして期待される特性を得ることが不可能となる。
本発明の目的は、前記開口部の形状を確実に保持し、設計された配光特性を満足させるとともに、ディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光の明るさを低下させず、かつ、製造工程数の低減あるいは既存の製造工程の利用も可能とする光学シートの提供にある。
請求項に記載の発明は、ディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光路制御に使用される光学シートにおいて、
照明光の入射側から順に、少なくとも、
入射光を、非入射面側である出射面側に散乱するとともに、前記出射面側にストライプ状の凹凸構造を有する光散乱層と、前記ストライプ状の凹凸構造の凸部に設けられた接着性または粘着性を有する白色層とからなる光散乱シート、および
透明支持体上に複数の単位レンズが配置された透明シート
を備え、
前記光散乱シートの出射面側と、前記透明シートの透明支持体の単位レンズが配置された面の裏側とが、接着性または粘着性を有する白色層によって接合された構造を有することを特徴とする光学シートである。
請求項に記載の発明は、前記接着性または粘着性を有する白色層は、接着剤または粘着剤と白色顔料または白色染料との混合物であることを特徴とする請求項記載の光学シートである。
請求項に記載の発明は、前記ストライプ状の凹凸構造が、光散乱層を形成する材料の表面に、押し出し成形、スクラッチ成形およびエンボス成形から選択された成形方法により形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の光学シートである。
請求項に記載の発明は、前記光散乱層を形成する材料が、メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびガラスから選択された材料であることを特徴とする請求項に記載の光学シートである。
本発明による輝度向上機能を有する光学シートでは、光散乱層の表面にストライプ状の凹凸構造を形成しているので、反射層の役割を果たす開口部(凹部)の形状が加工中および加工後に変化することがない。したがって、凹凸構造の溝の深さを自在に設定することができるとともに、開口部の形状を確実に保持し、設計された配光特性を満足させるとともに、ディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光の明るさを低下させず、かつ、製造工程数の低減あるいは既存の製造工程の利用も可能とする光学シートが提供される。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。なお、下記実施形態1は参考例である。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る光学シートの積層構造の要部を示す断面図である。
実施形態1に係る光学シートは、照明光の入射側から順に、入射光を、非入射面側である出射面側に散乱するとともに、前記出射面側にストライプ状の凹凸構造を有する光散乱層2と、前記ストライプ状の凹凸構造の凸部に設けられた白色層3とからなる光散乱シートを備える。図3はストライプ状の凹凸構造を説明するための、光散乱層2の平面図である。図3に示すように、光散乱層2は、開口部をなす凹部21と、白色層がその上部に設けられるおよび凸部22が交互に且つ規則的にストライプ状に設けられている。
光散乱層2を形成する材料としては、メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびガラスから選択された材料であることが好ましい。
光散乱層2の表面にストライプ状の凹凸構造を形成する方法としては、光散乱層2を形成する材料の表面に、押し出し成形、スクラッチ成形、切削加工およびエンボス成形法などの方法が挙げられる。凹凸構造のサイズを簡便かつ自由に設定できるという観点からは、押し出し成形、スクラッチ成形およびエンボス成形法が好ましい。
ストライプ状の凹凸構造のサイズはとくに制限されるものではないが、例えば断面形状が方形状であり、深さが3μm以上、幅が30μm以上であることができる。
ストライプ状の凹凸構造の凸部には、白色層3が設けられる。白色層3は、白色顔料あるいは白色染料を主成分とする白色塗料から形成される。この白色層3は、反射機能を有している。反射層3は、ストライプ状の凹凸構造の凸部のみに選択的に白色塗料を塗布するか、あるいは、凹凸構造を形成する前に、白色塗料3を塗布し、その後切削加工、スクラッチ成形、エンボス成形などの方法によって、ストライプ状の凹凸構造の凸部のみに白色層3を形成するようにしてもよい。白色層3の厚みはとくに制限されないが、例えば1μm以上であることができる。
また、実施形態1に係る光学シートは、透明支持体上に複数の単位レンズが配置された透明シート1を備える。透明支持体としては、メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂およびガラスから選択された材料から形成されるのが好ましい。
また透明シート1は、透明支持体上に複数の単位レンズが配置されている。単位レンズとしては、シリンドリカルレンズ、プリズムなどが挙げられ、これらは放射線硬化型樹脂の硬化によって容易に透明支持体上に一体的に形成することができる。
実施形態1に係る光学シートは、前記光散乱シートの出射面側と、前記透明シートの透明支持体の単位レンズが配置された面の裏側とが、接着剤あるいは粘着剤からなる接合体4によって接合された構造を有する。接合体4の塗布方式は、グラビアコート、ダイコート、ロールコート方式など様々な方式を採ることが可能である。
接合体4としては、UV硬化型、溶剤希釈型、水分散型またはアクリル系の接着剤あるいは粘着剤が挙げられ、ストライプ状の凹凸構造内に接合体が埋没しにくく、かつ平滑性に優れるという観点から、UV硬化型の接着剤あるいは粘着剤が好ましい。なお本発明において、接着剤および粘着剤という用語はほぼ同義である。
このようにして形成された実施形態1に係る光学シートは、光散乱シートと透明シートとが互いに独立した構造を有するとともに、これらが一体となった構造を有する。また、ストライプ状の凹凸構造が、十分な機械的強度を有する光散乱層そのものに形成されているので、反射層の役割を果たす開口部(凹部)の形状が加工中および加工後に変化することがない。
接合体4の厚さはとくに制限されないが、3μm以上50μm以下であることができる。
なお、ストライプ状の凹凸構造における開口部(凹部)は、透明シートに形成された単位レンズ(シリンドリカルレンズ)の頂点から、光学シートの厚み方向に沿って引いた直線上に開口部(凹部)の溝幅中心が存在するように形成するのが好ましい。
<実施形態1>に係る光学シートのさらなる具体例を説明する。
透明シート1におけるシリンドリカルレンズのピッチは140μmであり、透明支持体として75μm厚のポリエチレンテレフタレートフイルム(東洋紡A4300)を使用した。
光散乱シートにおいて、光散乱層2は、2mm厚のメチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂板を使用し、その表面に、深さ20μm幅59μmの溝を81μm毎に形成した。
白色層3としては、TiO2を主成分とした白色塗料を用いて形成し、その厚さは5μmとした。
接合体4としては、厚さ10μmのUV硬化型接着剤を使用した。
<実施形態2>
図2は、実施形態2に係る光学シートの積層構造の要部を示す断面図である。
実施形態2に係る光学シートは、照明光の入射側から順に、入射光を、非入射面側である出射面側に散乱するとともに、前記出射面側にストライプ状の凹凸構造を有する光散乱層6と、前記ストライプ状の凹凸構造の凸部に設けられた白色層7とからなる光散乱シートを備える。ストライプ状の凹凸構造は、前記実施形態1と同様である。また、実施形態2に係る光学シートは、透明支持体上に複数の単位レンズが配置された透明シート5を備える。透明シート5の構造は、前記実施形態1と同様である。
実施形態2に係る光学シートは、実施形態1に係る光学シートとは接合体4を設けずに、接着性または粘着性を有する白色層7を、ストライプ状の凹凸構造の凸部に設けることに特徴を有する。この白色層7は、接着剤または粘着剤中に白色顔料あるいは白色染料を混合したものであることができる。白色層7を塗布する方式は、グラビアコート、ダイコート、ロールコート方式など様々な方式を採ることが可能である。本実施形態2によれば、接合体4を設ける必要がないので、製造工程の簡略化が可能である。
<実施形態2>に係る光学シートのさらなる具体例を説明する。
透明シート5におけるシリンドリカルレンズのピッチは140μmであり、透明支持体として75μm厚のポリエチレンテレフタレートフイルム(東洋紡A4300)を使用した。
光散乱シートにおいて、光散乱層6は、2mm厚のメチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂板を使用し、その表面に、深さ20μm幅59μmの溝を81μm毎に形成した。
白色層7は、粘着性を有する白色インキ層であり、厚さは10μmである。白色インキ層は、アクリル樹脂からなるバインダーと、このバインダーに対して体積比で1倍の二酸化チタンからなる白色顔料とを混合し、更に前記バインダーに対して添加剤(ウレタン変性共重合ポリエステル樹脂:東洋紡社製商品名バイロンUR−3200)を重量比率2%添加したものである。
本発明の光学シートは、凹凸構造の溝の深さを自在に設定することができるとともに、開口部の形状を確実に保持し、設計された配光特性を満足させるとともに、ディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光の明るさを低下させず、かつ、製造工程数の低減あるいは既存の製造工程の利用も可能であるので、とくに液晶表示素子を組み込んだ画像表示装置(液晶ディスプレイ)に代表されるディスプレイ用のバックライト・ユニットにおける照明光路制御に有用である。
実施形態1に係る光学シートの積層構造の要部を示す断面図である。 実施形態2に係る光学シートの積層構造の要部を示す断面図である。 ストライプ状の凹凸構造を説明するための、光散乱層の平面図である。 輝度強調フイルム(BEF:Brightness Enhancement Film)を説明するための斜視図である。
符号の説明
1,5……透明シート、2,6……光散乱層、3,7……白色層、4……接合体。

Claims (4)

  1. ディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光路制御に使用される光学シートにおいて、
    照明光の入射側から順に、少なくとも、
    入射光を、非入射面側である出射面側に散乱するとともに、前記出射面側にストライプ状の凹凸構造を有する光散乱層と、前記ストライプ状の凹凸構造の凸部に設けられた接着性または粘着性を有する白色層とからなる光散乱シート、および
    透明支持体上に複数の単位レンズが配置された透明シート
    を備え、
    前記光散乱シートの出射面側と、前記透明シートの透明支持体の単位レンズが配置された面の裏側とが、接着性または粘着性を有する白色層によって接合された構造を有することを特徴とする光学シート。
  2. 前記接着性または粘着性を有する白色層は、接着剤または粘着剤と白色顔料または白色染料との混合物であることを特徴とする請求項記載の光学シート。
  3. 前記ストライプ状の凹凸構造が、光散乱層を形成する材料の表面に、押し出し成形、スクラッチ成形およびエンボス成形から選択された成形方法により形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の光学シート。
  4. 前記光散乱層を形成する材料が、メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびガラスから選択された材料であることを特徴とする請求項に記載の光学シート。
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