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JP5063655B2 - 通信ゲートウェイ装置 - Google Patents

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JP5063655B2 JP2009216926A JP2009216926A JP5063655B2 JP 5063655 B2 JP5063655 B2 JP 5063655B2 JP 2009216926 A JP2009216926 A JP 2009216926A JP 2009216926 A JP2009216926 A JP 2009216926A JP 5063655 B2 JP5063655 B2 JP 5063655B2
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Description

この発明は、複数のネットワークが存在する車両ネットワークシステムにおいて、複数のネットワークに接続され、ネットワークで通信されているパケットを他のネットワークに転送することにより、異なるネットワーク間の通信を実現する通信ゲートウェイ装置に関するものである。
現在、車両には、原動機制御ECU(Electronic Control Unit)や車速センサなどの電子機器が数多く搭載されており、これら電子機器はネットワークにより接続され、制御系ネットワークを構築している。
また、カーナビゲーション機器やオーディオ機器もネットワークにより接続され、情報系ネットワークを構築している。
これらは、用途や接続される機器に合わせ、それぞれ異なる通信プロトコルによりネットワークを構築している。例えば、制御系ネットワークでは、主にCAN(Controller Area Network)やFlexRay(登録商標)が用いられており、情報系ネットワークでは、主にMOST(Media Oriented Systems Transport)(登録商標)や1394−Automotiveが用いられている。
このようにプロトコルが異なる複数のネットワーク間においても、通信ゲートウェイ装置が、ネットワークで通信されているパケットを他のネットワークへ転送することで、ネットワーク間の通信を可能にし、ネットワークシステムを構築している。
また、車両に搭載されるECU数の増大、ネットワーク使用目的の多様化に伴い、ネットワークを複数のサブネットワークに分割し、ネットワーク負荷の低減、可用性を高めることが行われている。
このようなサブネットワーク間においても、通信ゲートウェイ装置がネットワークで通信されているパケットを他のネットワークへ転送することで、ネットワーク間の通信を可能にし、ネットワークシステムを構築している。
現在、自動車におけるSoftware Architectureの標準化団体であるAUTOSAR(Automotive Open System Architecture)では、通信ゲートウェイ装置における受信パケットの転送処理方法として、パケットの内容には関与せず、受信パケットに付加されるIDに基づいて、受信パケットを転送する手法(以下、パケット転送処理という)と、一つ以上の受信パケットから所定の情報のみを選択して、新たなパケットの生成および新たなIDの付加を行い、パケットに付加したIDに基づいて、生成したパケットを転送する手法(以下、シグナル転送処理という)を規定している。
パケット転送処理の場合、シグナル転送処理に比べ、通信ゲートウェイ装置での処理が少なく、シグナル転送処理よりも短時間でパケットが転送されるが、転送されるパケット数は受信パケット数と同一である。
一方、シグナル転送処理の場合、一つ以上の受信パケットから所定の情報を選択して、新たなパケットを生成して転送するため、転送されるパケット数は受信パケット数より少なくできるが、パケット転送処理よりも通信ゲートウェイ装置の処理負荷が増大し、パケット転送に時間を要するといった特徴がある。
非特許文献1は、PDU Routerについて規定したAUTOSAR仕様書であり、PDU Routerは、I−PDU(Interaction Layer Protocol Data Unit)のルーティングに関するサービスを提供し、PDU
Routerによるルーティングは、I−PDUを変更せず、ただ単にI−PDUを転送先に転送する。
非特許文献2は、AUTOSAR COMについて規定したAUTOSAR仕様書であり、PDUからシグナルへの分解と、シグナルからPDUへの結合を行い、シグナルベースのゲートウェイ機能を提供するものである。
AUTOSAR/Specification of PDU Router V2.2.3 R3.1 Rev 0001 AUTOSAR/Specification of Communication V3.0.3 R3.1 Rev 0001
しかしながら、通信ゲートウェイ装置における受信パケットの転送処理方法が固定である場合、通信ゲートウェイ装置の処理負荷やネットワーク負荷などの通信環境が変化した際に、ネットワークシステムが不安定になる恐れがある。
例えば、シグナル転送処理で転送処理を行う受信パケット数が多いと、通信ゲートウェイ装置での処理が多いため、通信ゲートウェイ装置の処理負荷が増大した際、通信ゲートウェイ装置がパケットの転送処理を行えないといった、ネットワークシステムの不安定を招く恐れがある。
また、シグナル転送処理で転送処理を行う受信パケット数が多いと、通信ゲートウェイ装置による受信パケットの転送処理に多くの時間を要し、転送可能な受信パケット数が限られてしまうため、パケットを受信した側のネットワークのネットワーク負荷が増大した際、通信ゲートウェイ装置がパケットの転送処理を行えないといった、ネットワークシステムの不安定を招く恐れがある。
さらに、パケット転送処理で転送処理を行う受信パケット数が多いと、パケット転送先ネットワークに転送されるパケット数が多いため、パケット転送先ノードの処理負荷が増大した際、パケット転送先ノードがパケットの受信処理を行えないといった、ネットワークシステムの不安定を招く恐れがある。
さらにまた、パケット転送処理で転送処理を行う受信パケット数が多いと、パケット転送先ネットワークに転送されるパケット数が多いため、パケット転送先ネットワークのネットワーク負荷が増大した際、通信ゲートウェイ装置がパケットの転送処理を行えないといった、ネットワークシステムの不安定を招く恐れがある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、通信ゲートウェイ装置の処理負荷やネットワーク負荷を含む通信環境が変化した場合においても、ネットワークシステムを安定させることが可能な通信ゲートウェイ装置を得ることを目的にしている。
この発明の通信ゲートウェイ装置においては、プロトコルの異なる複数のネットワークに接続され、複数のネットワークのうちの第一のネットワークで通信されているパケットを第二のネットワークに転送することにより、異なるネットワーク間の通信を行う通信ゲートウェイ装置であって、ネットワーク毎に設けられ、それぞれ規定のプロトコルでパケットの送受信を行う複数の通信インタフェース、この複数の通信インタフェースにそれぞれ対応して配置され、通信インタフェースを介して送受信されるパケットと自装置で処理可能な中間パケットとを相互に変換する複数のプロトコル変換処理部、中間パケットを第二のネットワークに送信するためにパケット転送処理するパケット転送処理手段及び中間パケットを第二のネットワークに送信するためにシグナル転送処理するシグナル転送処理手段を有する処理部、処理部のパケット転送処理手段及びシグナル転送処理手段のいずれか一方または両方の中間パケットの転送処理方法を決定するパケット処理方法決定部を備え、処理部は、パケット処理方法決定部の決定した中間パケットの転送処理方法にしたがって中間パケットを転送処理し、処理部のパケット転送処理手段は、中間パケットの内容には関与せず、第一のネットワークから通信インタフェースを介して受信されたパケットに付加されたIDに基づいて、第二のネットワークのプロトコルを特定し、中間パケットを中継処理し、処理部のシグナル転送処理手段は、一つ以上の中間パケットから、中間パケットのIDに基づいて指定されたビット位置の情報を抽出し、この抽出した情報を別の中間パケットの指定されたビット位置へ配置することで、新たなパケットの生成および新たなIDの付加を行い、付加したIDに基づいて、第二のネットワークのプロトコルを特定し、生成したパケットを中継処理し、パケット処理方法決定部は、通信環境の変化に応じて、処理部の中間パケットの転送処理方法を切替えるものである。
この発明は、以上説明したように、プロトコルの異なる複数のネットワークに接続され、複数のネットワークのうちの第一のネットワークで通信されているパケットを第二のネットワークに転送することにより、異なるネットワーク間の通信を行う通信ゲートウェイ装置であって、ネットワーク毎に設けられ、それぞれ規定のプロトコルでパケットの送受信を行う複数の通信インタフェース、この複数の通信インタフェースにそれぞれ対応して配置され、通信インタフェースを介して送受信されるパケットと自装置で処理可能な中間パケットとを相互に変換する複数のプロトコル変換処理部、中間パケットを第二のネットワークに送信するためにパケット転送処理するパケット転送処理手段及び中間パケットを第二のネットワークに送信するためにシグナル転送処理するシグナル転送処理手段を有する処理部、処理部のパケット転送処理手段及びシグナル転送処理手段のいずれか一方または両方の中間パケットの転送処理方法を決定するパケット処理方法決定部を備え、処理部は、パケット処理方法決定部の決定した中間パケットの転送処理方法にしたがって中間パケットを転送処理し、処理部のパケット転送処理手段は、中間パケットの内容には関与せず、第一のネットワークから通信インタフェースを介して受信されたパケットに付加されたIDに基づいて、第二のネットワークのプロトコルを特定し、中間パケットを中継処理し、処理部のシグナル転送処理手段は、一つ以上の中間パケットから、中間パケットのIDに基づいて指定されたビット位置の情報を抽出し、この抽出した情報を別の中間パケットの指定されたビット位置へ配置することで、新たなパケットの生成および新たなIDの付加を行い、付加したIDに基づいて、第二のネットワークのプロトコルを特定し、生成したパケットを中継処理し、パケット処理方法決定部は、通信環境の変化に応じて、処理部の中間パケットの転送処理方法を切替えるので、通信環境が変化した場合でも、パケット処理方法決定部が中間パケットの転送処理方法を切り替え、パケット転送処理手段で処理する中間パケット数とシグナル転送処理手段で処理する中間パケット数を調整することができ、ネットワークシステムを安定させることが可能となる。
この発明の実施の形態1および実施の形態2による車両ネットワークシステムを示す構成図である。 この発明の実施の形態1〜実施の形態3による通信ゲートウェイ装置の受信パケットを処理可能な中間パケットへ変換する変換処理および中間パケットを送信パケットへ変換する変換処理を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態1〜実施の形態3による通信ゲートウェイ装置のパケットの転送処理動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1〜実施の形態3による通信ゲートウェイ装置の受信パケットID管理テーブルを示す図である。 この発明の実施の形態1〜実施の形態3による通信ゲートウェイ装置のパケット処理方法管理テーブル選択部の処理を示す説明図である。 この発明の実施の形態1〜実施の形態3による通信ゲートウェイ装置のパケット転送先決定テーブルを示す図である。 この発明の実施の形態1〜実施の形態3による通信ゲートウェイ装置の送信パケットID管理テーブルを示す図である。 この発明の実施の形態1〜実施の形態3による通信ゲートウェイ装置のパケット生成処理管理テーブルを示す図である。 この発明の実施の形態1による通信ゲートウェイ装置の中間パケット処理方法切り替え処理動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による通信ゲートウェイ装置の中間パケットの処理方法を切り替える特定のパケットのフォーマットを示す図である。 この発明の実施の形態2による通信ゲートウェイ装置の中間パケット処理方法切り替え処理動作を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態3による車両ネットワークシステムを示す構成図である。 この発明の実施の形態3による通信ゲートウェイ装置の中間パケット処理方法切り替え処理動作を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による車両ネットワークシステムを示す構成図である。
図1において、車両ネットワーク200は、CANネットワーク208とFlexRayネットワーク209を有し、通信ゲートウェイ装置201によりパケットを相互に送受信できるようになっている。CANネットワーク208には、エンジン制御ECU210と変速機制御ECU211が接続され、FlexRayネットワーク209には、モータ制御ECU212とバッテリ制御ECU213が接続されている。
通信ゲートウェイ装置201は、CANネットワーク208に接続されるCAN通信インタフェース206(通信インタフェース)と、FlexRayネットワーク209に接続されるFlexRay通信インタフェース207(通信インタフェース)と、CAN通信インタフェース206に接続されたCANプロトコル変換処理部204(プロトコル変換部)と、FlexRay通信インタフェース207に接続されたFlexRayプロトコル変換処理部205(プロトコル変換部)と、パケットの転送処理方法を決定するパケット処理方法決定部203と、パケット処理方法決定部203により決定された転送処理方法により、パケットを転送処理するパケット処理部202(処理部)とを有している。
CAN通信インタフェース206は、CANプロトコルによりパケットの送受信を行い、FlexRay通信インタフェース207は、FlexRayプロトコルによりパケットの送受信を行う。
CANプロトコル変換処理部204は、CANネットワーク208から受信したパケットを通信ゲートウェイ装置201で処理可能な中間パケットへ変換する機能および、中間パケットをCANネットワーク208へ送信するパケットに変換する機能を有する。
FlexRayプロトコル変換処理部205は、FlexRayネットワーク209から受信したパケットを通信ゲートウェイ装置201で処理可能な中間パケットへ変換する機能および、中間パケットをFlexRayネットワーク209へ送信するパケットに変換する機能を有する。
パケット処理部202は、パケット転送処理部202A(パケット転送処理手段)とシグナル転送処理部202B(シグナル転送処理手段)を有している。
パケット転送処理部202Aは、中間パケットのパケットIDに基づいて、中間パケットの転送先ネットワークのプロトコル変換処理部を特定するパケット転送先決定部202A1を備えている。
シグナル転送処理部202Bは、一つ以上の中間パケットから、特定の情報のみを選択して、新たなパケットの生成および新たなIDの付加を行うパケット生成部202B1と、付加したIDに基づいて、生成したパケットの転送先ネットワークのプロトコル変換処理部を特定するパケット転送先決定部202B2を備えている。
パケット処理方法決定部203は、中間パケットのパケットIDに基づいて、パケット転送処理部202Aかシグナル転送処理部202Bのいずれか一方もしくは両方において中間パケットの処理を行うかどうかといった、中間パケットの転送処理方法を決定する一つ以上のパケット処理方法管理テーブル203Aと、パケット処理方法管理テーブル203Aのうち一つを選択するパケット処理方法管理テーブル選択部203Bを備えている。
図2は、この発明の実施の形態1による通信ゲートウェイ装置の受信パケットを処理可能な中間パケットへ変換する変換処理および中間パケットを送信パケットへ変換する変換処理を説明するための説明図である。
図2において、送信及び受信パケットは、ヘッダ301とペイロード302とにより構成され、ヘッダ301はパケットID、ペイロード長、CRC(Cyclic Redundancy Check)、SOF(Start Of Frame)などを有する。
中間パケットは、ヘッダ311とペイロード312とにより構成され、ヘッダ311はパケットID、ペイロード長を有している。送信及び受信パケットと、中間パケットとは相互に変換される。
図3は、この発明の実施の形態1による通信ゲートウェイ装置のパケットの転送処理動作を示すフローチャートである。
図4は、この発明の実施の形態1による通信ゲートウェイ装置の受信パケットID管理テーブルを示す図であり、受信パケットのパケットIDとパケットを受信したネットワークから、中間パケットに付加するIDを決定するテーブルを示している。
図4において、受信パケットID管理テーブル500は、受信パケットID、受信ネットワーク、中間パケットIDの各情報が格納されている。
図5は、この発明の実施の形態1による通信ゲートウェイ装置のパケット処理方法管理テーブル選択部の処理を示す説明図である。
図5において、パケット処理方法管理テーブル選択部203Bは、中間パケット処理方法決定手順および中間パケット処理方法切り替え手順として、パケット処理方法管理テーブル203A1〜203A3のうちのいずれか一つを選択することを示している。
図6は、この発明の実施の形態1による通信ゲートウェイ装置のパケット転送先決定テーブルを示す図である。
図6において、パケット転送先決定テーブル700は、中間パケットのパケットIDから中間パケットの転送先ネットワークのプロトコル変換処理部を特定するテーブルであり、中間パケットIDと、転送先ネットワークのプロトコル変換処理部の情報を有している。
図7は、この発明の実施の形態1による通信ゲートウェイ装置の送信パケットID管理テーブルを示す図である。
図7において、送信パケットID管理テーブル800は、中間パケットのパケットIDとパケットを送信するネットワークから、送信パケットに付加するIDを決定するテーブルであり、中間パケットIDと送信ネットワークと送信パケットIDの各情報を格納している。
図8は、この発明の実施の形態1による通信ゲートウェイ装置のパケット生成処理管理テーブルを示す図である。
図8において、パケット生成処理管理テーブル900は、シグナル転送処理部において、一つ以上の中間パケットから新たなパケットの生成および新たなIDの付加を行う際に活用可能なテーブルであり、新たに付加するIDと、中間パケットIDと、選択する情報の位置(bit位置)と、選択した情報の配置位置(bit位置)とを有している。
図9は、この発明の実施の形態1による通信ゲートウェイ装置の中間パケット処理方法切り替え処理動作を示すフローチャートである。
次に、動作について説明する。
以下は、本発明による通信ゲートウェイ装置201を車両ネットワークシステム200に適用した場合のものである。
図1のように、車両ネットワークシステム200では、エンジン制御ECU210や変速機制御ECU211といったパワートレインに関するECUが接続されているCANネットワーク208と、モータ制御ECU212やバッテリ制御ECU213といった電動システムに関するECUが接続されているFlexRayネットワーク209とが、通信ゲートウェイ装置201によって相互に接続されている。
CANネットワーク208では、通信プロトコルとして、CAN(Controller Area Network)が利用されている。CANはイベント駆動のプロトコルであり、ネットワークに接続されたノードは各々のタイミングでパケットを送信することができる。また、バス型ネットワークであるため、二つ以上のノードが同時にパケットを送信した場合、パケットの衝突が発生する。
FlexRayネットワーク209では、通信プロトコルとして、FlexRayが利用されている。FlexRayは時間駆動の通信プロトコルであり、ネットワークに接続されたノードは、設定されたタイミングでのみパケットを送信することができる。時間駆動であるため、パケットの衝突は発生しないが、ノード間で時間同期を取る必要がある。
通信ゲートウェイ装置201は、CANネットワーク208およびFlexRayネットワーク209の両ネットワークに接続され、各ネットワークで通信されているパケットを他のネットワークへ転送することで、両ネットワーク間を接続する。
次に、CANプロトコル変換処理部204およびFlexRayプロトコル変換処理部205が、ネットワークから受信したパケットを中間パケットへ変換する変換手順を、図2を用いて説明する。各プロトコル変換処理部は、扱うパケットのフォーマットが異なるのみで、基本動作は同一である。
図2に示されるように、ネットワークで送受信されるパケットは、パケットを送受信するための情報部であるヘッダ301と実際の送受信データであるペイロード302から構成され、ヘッダ301にはパケットID、ペイロード長、CRC(Cyclic Redundancy Check)やSOF(Start Of Frame)といった情報が含まれている。各プロトコル変換処理部は、これらの情報の中で、パケットの転送処理
を行うのに必要な情報である受信パケットのID、ペイロード長を抽出し、中間パケットのヘッダ311とし、ペイロード302を抽出し、中間パケットのペイロード312とすることで、中間パケットへ変換する。
このとき、中間パケット全体でIDを一意にする必要があるため、受信パケットのIDではなく、新たにIDを割り振ることも有り得る。
また、中間パケットから各ネットワークへ送信する送信パケットへ変換する変換手順は、図2に示したように、中間パケットのヘッダ311の代わりに、パケットの送信に必要な情報である、パケットID、ペイロード長、CRC、SOFなどを含んだ新たなヘッダ301を付加することにより行われる。
以下、CANネットワーク208からFlexRayネットワーク209へ、本発明による通信ゲートウェイ装置201を介してパケットを転送する場合の処理について、図3に示したフローチャートに沿って詳述する。
なお、実施の形態1では、CANネットワーク208において、パケットIDが0x001、0x002、0x003、0x004の4つのパケットを扱う。
最初に、パケットIDが0x001、0x002のパケットを用いて、パケット転送処理部202Aによる転送処理について詳述する。
先ず、通信ゲートウェイ装置201のCAN通信インタフェース206がCANネットワーク208からパケットを受信する(ステップS401)。
次に、CANプロトコル変換処理部204は、CANネットワークからの受信パケットを通信ゲートウェイ装置201が処理可能な中間パケットへ変換する(ステップS402)。
このとき、中間パケットのパケットIDを一意にするため、図4のように、受信パケットのパケットIDとパケットを受信したネットワークから、中間パケットに割り当てるIDを決定する、受信パケットID管理テーブル500を用いる。この実施の形態1では、CANネットワーク208から受信した、パケットIDが0x001、0x002のパケットは、それぞれパケットIDが0x101、0x102の中間パケットへ変換される。
次に、パケット処理方法決定部203は、中間パケットのパケットIDに基づいて、パケット転送処理部202Aかシグナル転送処理部202Bのどちらか一方もしくは両方において、中間パケットの処理を行うかどうかの中間パケットの処理方法を決定する(ステップS403)。このとき、図5のように、中間パケットのパケットIDに基づいて、中間パケットの処理方法を決定する一つ以上のパケット処理方法管理テーブル203Aを用いる。この実施の形態1では、パケット処理方法管理テーブル選択部203Bがパケット処理方法管理テーブル203A2を選択し、中間パケットの処理方法を決定する。そのため、パケットIDが0x101、0x102の中間パケットは、パケット転送処理部202Aによってのみ転送処理される。
そして、通信ゲートウェイ装置201は、中間パケットをパケット転送処理部202Aで転送処理する必要があるかどうかを判断する(ステップS404)。実施の形態1では、パケットIDが0x101、0x102の中間パケットは、パケット転送処理部202Aにより転送処理する必要があると判断されているため、パケット転送処理部202Aで中間パケットの転送処理を行う(ステップS405)。
パケット転送処理部202Aでは、パケット転送先決定部202A1により、中間パケットのパケットIDに基づいて、中間パケットの転送先ネットワークのプロトコル変換処理部を特定し、中間パケットを中継処理することにより、パケット転送を行う。
このとき、図6のように、中間パケットのパケットIDに基づいて、中間パケットの転送先ネットワークのプロトコル変換処理部を特定する、パケット転送先決定テーブル700を用いる。実施の形態1では、パケットIDが0x101、0x102の中間パケットは、FlexRayプロトコル変換処理部205へ中継処理される。
次に、通信ゲートウェイ装置201は、中間パケットをシグナル転送処理部202Bで転送処理する必要があるかどうかを判断する(ステップS406)。実施の形態1では、パケットIDが0x101、0x102の中間パケットは、シグナル転送処理部202Bによって転送処理しないと判断されているため、シグナル転送処理部202Bでの転送処理は行わない。
そして、FlexRayプロトコル変換処理部205は、中間パケットをFlexRayネットワーク209へ送信するパケットへ変換する(ステップS408)。
このとき、図7のように、中間パケットのパケットIDとパケットを送信するネットワークから、送信パケットへ割り当てるIDを決定する、送信パケットID管理テーブル800を用いる。実施の形態1では、中間パケットのパケットIDが0x101、0x102のパケットは、それぞれパケットIDが0x501、0x502の送信パケットへ変換される。
最後に、FlexRay通信インタフェース207がFlexRayネットワーク209へパケットを送信する(ステップS409)。
このようにして、CANネットワーク208からFlexRayネットワーク209へパケットが転送される。
次に、パケットIDが0x003、0x004のパケットを用いて、シグナル転送処理部202Bによる転送処理について詳述する。
上述した、ステップS401、ステップS402により、CANネットワーク208から受信したパケットは、中間パケットへ変換される。実施の形態1では、パケットIDが0x003、0x004のパケットは、それぞれパケットIDが0x103、0x104の中間パケットへ変換される。
次に、パケット処理方法決定部203は、上述したステップS403により、パケット処理方法を決定する(ステップS403)。実施の形態1では、パケットIDが0x103、0x104の中間パケットは、シグナル転送処理部202Bによってのみ転送処理される。
そして、通信ゲートウェイ装置201は、中間パケットをパケット転送処理部202Aで転送処理する必要があるかどうかを判断する(ステップS404)。実施の形態1では、パケットIDが0x003、0x004の中間パケットは、パケット転送処理部202Aによって転送処理しないと判断されているため、パケット転送処理部202Aでの転送処理は行わない。
また、通信ゲートウェイ装置201は、中間パケットをシグナル転送処理部202Bで転送処理する必要があるかどうかを判断する(ステップS406)。実施の形態1では、パケットIDが0x103、0x104の中間パケットは、シグナル転送処理部202Bにより転送処理する必要があると判断されているため、中間パケットをシグナル転送処理部202Bで転送処理を行う(ステップS407)。
シグナル転送処理部202Bでは、先ず、パケット生成部202B1により、一つ以上の中間パケットから特定の情報のみを選択して、新たなパケットの生成および新たなIDの付加を行う。このとき、図8のように、情報を選択する中間パケットのパケットID、選択する情報の位置、新たに生成するパケットにおける選択した情報の配置位置、新たに生成するパケットに付加するIDを示した、パケット生成処理管理テーブル900を用いる。実施の形態1では、パケットIDが0x103、0x104の中間パケットから、パケットIDが0x106の中間パケットを新たに生成する。
次に、パケット転送先決定部202B2により、付加したIDに基づいて、生成したパケットの転送先ネットワークのプロトコル変換処理部を特定する。このとき、図6のよう
に、中間パケットのパケットIDに基づいて、中間パケットの転送先ネットワークのプロトコル変換処理部を特定する、パケット転送先決定テーブル700を用いる。実施の形態1では、パケットIDが0x106の中間パケットは、FlexRayプロトコル変換処理部205へ中継処理される。
最後に、前述したステップS408およびステップS409により、FlexRayネットワーク209へパケットが転送される。
次に、通信ゲートウェイ装置201において、パケット処理方法決定部203が中間パケット処理方法を切り替える手順について、図9のフローチャートに沿って詳述する。
実施の形態1では、パケット処理方法決定部203は、パケットを受信した側のネットワークのネットワーク負荷の増大により、中間パケットの処理方法を切り替えるようになっている。
また、実施の形態1では、ネットワーク負荷は、単位時間当りにネットワークに流れるパケット数から算出され、ネットワーク負荷が50パーセント以上の状態を、ネットワーク負荷が増大した状態であるとする。
パケットを受信した側のネットワークである、CANネットワーク208では、エンジン制御ECU210や変速機制御ECU211など多くのECUが接続される。そのため、ある時点では、各ECUの送信タイミングが重なり、パケットを受信した側のネットワークに流れる単位時間当たりのパケット数が増加し、パケットを受信した側のネットワークのネットワーク負荷が増大する。
パケット受信した側のネットワークのネットワーク負荷が増大すると、通信ゲートウェイ装置201がパケットの転送処理を行えないといった、ネットワークシステムの不安定を招く恐れがある。
図9において、先ず、通信ゲートウェイ装置201は、パケットを受信した側のネットワーク負荷を、パケットを受信した側のネットワークに流れる単位時間当たりのパケット数から算出する(ステップS1001)。
次に、パケットを受信した側のネットワークのネットワーク負荷から、中間パケットの処理方法を切り替える必要があるかどうかを判断する(ステップS1002)。
実施の形態1では、パケットを受信した側のネットワークに接続されているECUのパケット送信タイミングが重なり、パケットを受信した側のネットワークのネットワーク負荷が50パーセント以上となり、ネットワーク負荷が増大したと判断され、中間パケットの処理方法を切り替える(ステップS1003)。中間パケットの処理方法の切り替えは、図5のように、中間パケットのパケットIDに基づいて、中間パケットの処理方法を決定する一つ以上のパケット処理方法管理テーブル203Aのうち、パケット処理方法管理テーブル選択部203Bが選択するパケット処理方法管理テーブル203Aを切り替えることによって行われる。
実施の形態1では、パケット処理方法管理テーブル選択部203Bが選択するパケット処理方法管理テーブル203Aを、パケット処理方法管理テーブル203A2からパケット処理方法管理テーブル203A1へ切り替える。このようにすることで、パケット転送処理部202Aで転送処理する中間パケット数を、2から4に、シグナル転送処理部202Bで転送処理する中間パケット数を、2から0にすることができる。
実施の形態1によれば、このように、パケットを受信した側のネットワークのネットワーク負荷が増大した場合、パケット転送処理部で処理する中間パケット数を増加、シグナル転送処理で処理する中間パケット数を減少させることで、パケットの転送に要する時間を短縮し、パケットの転送処理可能数を増加させ、通信ゲートウェイ装置が確実にパケットの転送を行えるといったように、ネットワークシステムを安定させることが可能となる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1と構成が同じであるため、図1を用いて説明する。
実施の形態2では、実施の形態1と同様に、通信ゲートウェイ装置201を車両ネットワークシステム200に適用し、CANネットワーク208からFlexRayネットワーク209へ、通信ゲートウェイ装置201を介してパケットを転送する場合の処理について述べる。
実施の形態2では、パケットの転送処理は、実施の形態1で示した図3のフローチャートに沿って行う。また、ネットワークから受信したパケットから中間パケットへ変換する変換手順および中間パケットから各ネットワークへ送信する送信パケットへ変換する変換手順は、実施の形態1と同様の手順で行われ、パケットの転送に必要なテーブルは、実施の形態1で示した、図4から図8を用いる。
さらに、実施の形態2では、CANネットワーク208において、パケットIDが0x001、0x002、0x003、0x004のパケットと、FlexRayネットワーク209において、パケットIDが0x1111のパケットの5つのパケットを扱う。
図10は、この発明の実施の形態2による通信ゲートウェイ装置の中間パケットの処理方法を切り替える特定のパケットのフォーマットを示す図である。
図10において、パケットは、ヘッダ1101とペイロード1102とにより構成され、ヘッダ1101にはSOF、ID、データ長、CRCなどが格納され、ペイロード1102にはCPU使用率、センサ測定値などが格納されている。図10では、IDは0x1111、データ長は8、CPU使用率は70パーセントが格納されている。
図11は、この発明の実施の形態2による通信ゲートウェイ装置の中間パケット処理方法切り替え処理動作を説明するフローチャートである。
実施の形態1では、パケットを受信した側のネットワークのネットワーク負荷が増大した場合、中間パケットの処理方法を切り替えるものとしたが、実施の形態2では、パケット処理方法決定部203は、パケット転送先ノードの処理負荷に関する情報を含む特定のパケットの受信により、パケット転送先ノードの処理負荷が増大したことを検出し、中間パケットの処理方法を切り替える。
実施の形態2では、パケット転送先ノードは、モータ制御ECU212とし、特定のパケットは、パケット転送先ノードであるモータ制御ECU212が通信ゲートウェイ装置201へ送信する。
実施の形態2では、特定のパケットであるかどうかの判断は、パケットに付加されたIDによって行われ、パケットのIDが0x1111のパケットを特定のパケットとする。
また、実施の形態2では、パケット転送先ノードであるモータ制御ECU212の処理負荷はCPU使用率から算出され、CPU使用率が50パーセント以上の状態を、パケット転送先ノードであるモータ制御ECU212の処理負荷が増大した状態であるとする。
モータ制御ECU212は、車両の走行速度の上昇により、CPU使用率が増大し、処理負荷が増大した状態となる。処理負荷が増大した状態では、パケットの受信処理を行えないといった、ネットワークシステムの不安定を招く恐れがある。
次に、実施の形態2における、通信ゲートウェイ装置201の中間パケット処理方法切り替え処理を図11のフローチャートを用いて詳述する。
先ず、通信ゲートウェイ装置201のFlexRay通信インタフェース207がFlexRayネットワーク209からパケットを受信する(ステップS1201)。
そして、FlexRayプロトコル変換処理部205は、FlexRayネットワーク209からの受信パケットを通信ゲートウェイ装置201で処理可能な中間パケットへ変換する(ステップS1202)。
次に、通信ゲートウェイ装置201は、受信したパケットがパケット送信先ノードであるモータ制御ECU212の処理負荷に関する情報である、CPU使用率情報を含んだパケットであるかどうかを、受信したパケットに付加されていたIDに基づき判断する(ステップS1203)。
実施の形態2では、受信したパケットに付加されていたIDが0x1111であるため、受信したパケットにパケット転送先ノードであるモータ制御ECU212の処理負荷に関する情報であるCPU使用率情報が含まれていると判断する。
そして、通信ゲートウェイ装置201は、中間パケットの処理方法を切り替える必要があるかどうかをパケットに含まれていたCPU使用率情報から判断する(ステップS1204)。
実施の形態2では、パケットに含まれていたCPU使用率情報が70パーセントであり、パケット転送先ノードであるモータ制御ECU212は、処理負荷が増大した状態と判断でき、中間パケットの処理方法を切り替える(ステップS1205)。
中間パケットの処理方法の切り替えは、図5のように、中間パケットのパケットIDに基づいて、中間パケットの処理方法を決定する一つ以上のパケット処理方法管理テーブル203Aのうち、パケット処理方法管理テーブル選択部203Bが選択するパケット処理方法管理テーブル203Aを切り替えることによって行われる。
実施の形態2では、パケット処理方法管理テーブル選択部203Bが選択するパケット処理方法管理テーブル203Aを、パケット処理方法管理テーブル203A2からパケット処理方法管理テーブル203A3へ切り替える。このようにすることで、パケット転送処理部202Aで転送処理する中間パケット数を2から0に、シグナル転送処理部202Bで転送処理する中間パケット数を、2から4にすることができる。
実施の形態2では、シグナル転送処理部202Bは、パケットIDが0x101、0x102の中間パケットから、パケットIDが0x105の中間パケットを、パケットIDが0x103、0x104の中間パケットから、パケットIDが0x106の中間パケットを新たに生成し、パケット転送先ネットワークへ転送する。
パケット処理方法管理テーブル選択部203Bが、パケット処理方法管理テーブル203A2を選択した場合、パケットIDが0x103、0x104、0x105の3つの中間パケットがパケット転送先ネットワークへ転送されるのに対し、パケット処理方法管理テーブル203A3を選択するように切り替えた場合、パケットIDが0x105、0x106の2つの中間パケットがパケット転送先ネットワークへ転送される。
実施の形態2によれば、このように、パケット転送先ノードであるモータ制御ECU212の処理負荷が増大した場合においても、パケット転送処理部202Aで転送処理する中間パケット数を減少、シグナル転送処理部202Bで転送処理する中間パケット数を増加させることで、パケット転送先ネットワークへ転送されるパケット数を減少させて、パケット転送先ノードであるモータ制御ECU212の処理負荷を低減させ、パケット転送先ノードであるモータ制御ECU212が確実にパケットの受信処理を行えるといったように、ネットワークシステムを安定させることが可能となる。
なお、実施の形態2では、特定のパケットには、パケット転送先ノードであるモータ制御ECU212の処理負荷に関する情報を含むとしたが、パケット転送先ネットワークのネットワーク負荷に関する情報を含んだ場合においても、通信ゲートウェイ装置201は、パケット転送先ネットワークのネットワーク負荷の変化を検出することができ、パケット転送先ネットワークのネットワーク負荷が増大した場合、パケット転送処理部202Aで転送処理する中間パケット数を減少、シグナル転送処理部202Bで転送処理する中間パケット数を増加させることで、パケット転送先ネットワークへ転送されるパケット数を減少させて、パケット転送先ネットワークのネットワーク負荷を低減させ、通信ゲートウェイ装置201が確実にパケットの転送処理を行えるといったように、ネットワークシステムを安定させる同様な結果を得ることができる。
また、パケット転送先ネットワークのネットワーク負荷に関する情報を含んだ特定のパケットを、パケット送信先ノードであるモータ制御ECU212ではなく、パケット転送先ネットワークに接続されたネットワーク監視ノードのように、直接ネットワークシステムに関与していないノードが送信した場合においても、通信ゲートウェイ装置201は、パケット転送先ネットワークのネットワーク負荷の変化を検出することができ、パケット転送先ネットワークのネットワーク負荷が増大した場合においても、ネットワークシステムを安定される同様な結果を得ることができる。
実施の形態3.
図12は、この発明の実施の形態3による車両ネットワークシステムを示す構成図である。
図12において、200〜213は図1におけるものと同一のものである。図12では、通信ゲートウェイ装置201は、エンジン制御ECU210に組込まれている。通信ゲートウェイ装置201の構成は、図1におけるものと同じである。
図13は、この発明の実施の形態3による通信ゲートウェイ装置の中間パケット処理方法切り替え処理動作を示すフローチャートである。
以下、図12を用いて本発明による通信ゲートウェイ装置を車両ネットワークシステム200に適用した実施の形態3について説明する。
実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2と同様に、CANネットワーク208からFlexRayネットワーク209へ、通信ゲートウェイ装置201を介してパケットを転送する場合の処理について述べる。
実施の形態3では、パケットの転送処理は、実施の形態1および実施の形態2で示した図3のフローチャートに沿って行う。また、ネットワークから受信したパケットから中間パケットへ変換する変換手順および中間パケットから各ネットワークへ送信する送信パケットへ変換する変換手順は、実施の形態1および実施の形態2と同様の手順で行われ、パケットの転送に必要なテーブルは、実施の形態1および実施の形態2で示した、図4から図8を用いる。
実施の形態3では、通信ゲートウェイ装置201の処理負荷により、中間パケットの処理方法を切り替える。
また、実施の形態3では、通信ゲートウェイ装置201の処理負荷は、自身が組込まれているエンジン制御ECU210のCPU使用率から算出され、エンジン制御ECU210のCPU使用率が50パーセント以上の状態を、通信ゲートウェイ装置201の処理負荷が増大した状態であるとする。
エンジン制御ECU210は、車両の走行速度の上昇により、CPU使用率が増大する。CPU使用率が増大すると、通信ゲートウェイ装置201の処理負荷が増大した状態となり、通信ゲートウェイ装置201がパケットの転送処理を行えないといった、ネットワークシステムの不安定を招く恐れがある。
次に、実施の形態3における、通信ゲートウェイ装置201の中間パケット処理方法切り替え処理を図13のフローチャートを用いて詳述する。
先ず、通信ゲートウェイ装置201は、自身の処理負荷を、自身が組込まれているエンジン制御ECU210のCPU使用率から算出する(ステップS1401)。
次に、通信ゲートウェイ装置201の処理負荷から、中間パケットの処理方法を切り替える必要があるかどうかを判断する(ステップS1402)。
実施の形態3では、車両速度の上昇により、エンジン制御ECU210のCPU使用率が増大して50パーセント以上になり、通信ゲートウェイ装置201の処理負荷が増大した状態と判断され、中間パケットの処理方法を切り替える(ステップS1403)。中間パケットの処理方法切り替えは、図5のように、中間パケットのパケットIDに基づいて、中間パケットの処理方法を決定する一つ以上のパケット処理方法管理テーブル203Aのうち、パケット処理方法管理テーブル選択部203Bが選択するパケット処理方法管理テーブル203Aを切り替えることによって行われる。
実施の形態3では、パケット処理方法管理テーブル選択部203Bが選択するパケット処理方法管理テーブル203Aを、パケット処理方法管理テーブル203A2からパケット処理方法管理テーブル203A1へ切り替える。このようにすることで、パケット転送処理部202Aで転送処理する中間パケット数を、2から4に、シグナル転送処理部202Bで転送処理する中間パケット数を2から0にすることができる。
実施の形態3によれば、このように、通信ゲートウェイ装置201の処理負荷が増大した場合においても、パケット転送処理部202Aで転送処理する中間パケット数を増加、シグナル転送処理部202Bで転送処理する中間パケット数を減少させることで、通信ゲートウェイ装置201の処理負荷を低減させ、通信ゲートウェイ装置201が確実にパケットの転送処理を行えるといったように、ネットワークシステムを安定させることが可能となる。
なお、本実施の形態3は上述のような構成にしたが、これらは一例に過ぎず、必ずしも当該内容に限定されない。例えば、中間パケット処理方法をアプリケーションの制御処理内容に基づいて切り替えても良い。
さらに、本実施の形態3は、通信ゲートウェイ装置の処理負荷により、中間パケットの処理方法を切り替えるとしたが、通信ゲートウェイ装置の処理負荷、パケットを受信した側のネットワークのネットワーク負荷、パケット転送先ネットワークのネットワーク負荷、パケット転送先ノードの処理負荷から総合的に判断し、中間パケットの処理方法を切り替えることで、通信ゲートウェイ装置はより通信環境に適した中間パケット処理を行うことができ、ネットワークシステムを安定させる同様な結果を得ることができる。
また、本実施の形態1〜本実施の形態3では、CANネットワークから、FlexRayネットワークへパケットを転送する、有線ネットワークから有線ネットワークへのパケット転送を示したが、CANネットワークから、Bluetooth(登録商標)ネットワークへのパケット転送のように、有線ネットワークから無線ネットワークへのパケット転送、BluetoothネットワークからCANネットワークへのパケット転送のように、無線ネットワークから有線ネットワークへのパケット転送であっても良い。
さらに、BluetoothからIrDA(Infrared Data Association)へのパケット転送のように、無線ネットワークから無線ネットワークへのパケット転送であっても良い。
200 車両ネットワークシステム
201 通信ゲートウェイ装置
202 パケット処理部
202A パケット転送処理部
202A1 パケット転送先決定部
202B シグナル転送処理部
202B1 パケット生成部
202B2 パケット転送先決定部
203 パケット処理方法決定部
203A パケット処理方法管理テーブル
203B パケット処理方法管理テーブル選択部
204 CANプロトコル変換処理部
205 FlexRayプロトコル変換処理部
206 CAN通信インタフェース
207 FlexRay通信インタフェース
208 CANネットワーク
209 FlexRayネットワーク
210 エンジン制御ECU
211 変速機制御ECU
212 モータ制御ECU
213 バッテリ制御ECU

Claims (7)

  1. プロトコルの異なる複数のネットワークに接続され、上記複数のネットワークのうちの第一のネットワークで通信されているパケットを第二のネットワークに転送することにより、異なるネットワーク間の通信を行う通信ゲートウェイ装置であって、
    上記ネットワーク毎に設けられ、それぞれ規定のプロトコルでパケットの送受信を行う複数の通信インタフェース、
    この複数の通信インタフェースにそれぞれ対応して配置され、上記通信インタフェースを介して送受信されるパケットと自装置で処理可能な中間パケットとを相互に変換する複数のプロトコル変換処理部、
    上記中間パケットを上記第二のネットワークに送信するためにパケット転送処理するパケット転送処理手段及び上記中間パケットを上記第二のネットワークに送信するためにシグナル転送処理するシグナル転送処理手段を有する処理部、
    上記処理部の上記パケット転送処理手段及び上記シグナル転送処理手段のいずれか一方または両方の上記中間パケットの転送処理方法を決定するパケット処理方法決定部を備え、
    上記処理部は、上記パケット処理方法決定部の決定した上記中間パケットの転送処理方法にしたがって上記中間パケットを転送処理し、
    上記処理部のパケット転送処理手段は、上記中間パケットの内容には関与せず、上記第一のネットワークから上記通信インタフェースを介して受信されたパケットに付加されたIDに基づいて、上記第二のネットワークのプロトコルを特定し、上記中間パケットを中継処理し、
    上記処理部のシグナル転送処理手段は、一つ以上の上記中間パケットから、上記中間パケットのIDに基づいて指定されたビット位置の情報を抽出し、この抽出した情報を別の中間パケットの指定されたビット位置へ配置することで、新たなパケットの生成および新たなIDの付加を行い、付加したIDに基づいて、上記第二のネットワークのプロトコルを特定し、上記生成したパケットを中継処理し、
    上記パケット処理方法決定部は、通信環境の変化に応じて、上記処理部の上記中間パケットの転送処理方法を切替えることを特徴とする通信ゲートウェイ装置。
  2. 上記パケット処理方法決定部は、通信ゲートウェイ装置の処理負荷に基づいて、通信環境が変化したことを検出し、上記中間パケットの転送処理方法を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の通信ゲートウェイ装置。
  3. 上記パケット処理方法決定部は、上記第一のネットワークのネットワーク負荷に基づいて、通信環境が変化したことを検出し、上記中間パケットの転送処理方法を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の通信ゲートウェイ装置。
  4. 上記パケット処理方法決定部は、特定のパケットの受信により、通信環境が変化したことを検出し、上記中間パケットの転送処理方法を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の通信ゲートウェイ装置。
  5. 上記特定のパケットは、パケット転送先ノードの処理負荷に関する情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の通信ゲートウェイ装置。
  6. 上記特定のパケットは、上記第二のネットワークのネットワーク負荷に関する情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の通信ゲートウェイ装置。
  7. 上記パケット処理方法決定部は、受信パケットに付加されるIDに基づいて、上記処理部の上記パケット転送処理手段及び上記シグナル転送処理手段のいずれか一方または両方の上記中間パケットの転送処理方法を決定するための情報を格納した一つ以上のパケット処理方法管理テーブルと、
    この一つ以上のパケット処理方法管理テーブルのうちの一つを選択するパケット処理方法管理テーブル選択部とを有し、
    上記パケット処理方法管理テーブル選択部により、上記パケット処理方法管理テーブルの一つが選択されることにより、上記中間パケットの転送処理方法が決定されることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の通信ゲートウェイ装置。
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