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JP5059555B2 - 移動通信システム、無線回線制御装置、移動機、交換機、および、無線回線制御方法 - Google Patents

移動通信システム、無線回線制御装置、移動機、交換機、および、無線回線制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、移動通信システム、該移動通信システムに適用される無線回線制御装置、移動機、交換機、および、無線回線制御方法に関する。
移動通信システムにおいては、有限な無線リソースを如何に効率的に使用するかといった一般的要請がある。
パケット通信においては、発信の際と受信の際ではユーザに体感されるサービス性に若干の差異があると考えられる。即ち、メール発信のようにユーザが能動的にアクションを起こしたことによるパケット通信であるか、メール着信のようにユーザにとっては受動的なパケット通信であるかによって、前者の場合には通信速度の低下がユーザに顕著に意識され後者の場合には余り意識されない。
尚、移動通信システムでパケット通信を行なうに際し、即時性に関する要求度の高いデータほど優先的に無線リソースの割り当てを行なう技術は提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の技術は、端末装置に対して、該端末装置が優先的に使用できる優先無線リソースを無線チャネル上に割り当て、前記端末装置が送信する送信パケットを蓄積する送信バッファに蓄積されている蓄積パケット量に基づいて、前記優先無線リソースの中から前記端末装置に使用させる使用無線リソースを割り当てることを特徴とする無線リソース制御装置というものである。
送信パケットに要求される許容遅延時間を満足でき、かつ、無駄な無線リソースの割り当てを防いで、無線リソースの効率的な使用を可能とする基地局、無線リソース制御装置、端末装置、通信システム及び通信方法を提供するものである旨開示されている。
また、移動通信システムにおいて、リアルタイムトラヒックか非リアルタイムトラヒックかに応じて、リソースを割り当てる方式を変更することで、リソースの有効利用を図り、QoSを確保し、サービス品質の向上を図る提案がある(特許文献2参照)。
更に、パケット送信における無線端末の要求品質を満足させつつ、無線リソースの効率的な利用を図った無線リソース割り当て方法を提供する提案がある(特許文献3参照)。
特許文献3の提案では、基地局におけるパケットの滞留時間の閾値を設定し、注目したグループ内の無線端末へ送信される予定のパケットの滞留時間が閾値以上である場合に、そのパケットに対して無線リソースを優先的に割り当てる。
他方、例えば移動機の操作部への操作があったことを表す情報や通信する基地局が変更されたことを示す情報等移動機に関連するユーザのアクションの如何に基づく情報を得て、該情報に応じたアクションをとるといった技術の提案もある(特許文献4参照)。
特許文献4に開示の技術は、移動機に関連した使用者の行動情報を移動機に関連付けて記憶し、この記憶に基づいて災害時などにおける使用者の安否推定等に供するという趣旨のものである。
更にまた、状況に応じて利用者による優先度の選択を可能とし、選択された優先度により移動機への無線チャネルの割り当てを行う無線チャネル割当方法の提案もなされている(特許文献5参照)。
また、多様な呼設定が行なわれる条件下で無線基地局装置内のリソースを有効かつフレキシブルに維持管理することを狙いとする提案がある(特許文献6参照)。
特許文献6の提案では、新たな呼設定の要求によるリソースの消費に対し、既存のリンクを極力維持するようにして設定の変更を抑制しつつ無線基地局装置内のリソースをフレキシブルに変更する。
特開2003−163667号公報(要約、請求項10等) 特開2003−169363号公報(要約、段落0017等) 特開2003−258806号公報(要約、請求項1等) 特開2003−264860号公報(請求項1、2、3等) 特開2004−228905号公報(要約、段落0035等) 特開2006−80884号公報(要約、段落0008等)
上述のとおり、特許文献1には、送信パケットに要求される許容遅延時間を満足でき、かつ、無駄な無線リソースの割り当てを防いで、無線リソースの効率的な使用を可能とする基地局、無線リソース制御装置、端末装置、通信システム及び通信方法を提供する技術が開示されている。
しかしながら、ユーザが能動的にアクションを起こしたことに対応した通信であるか否かに応じて、有限の無線リソースを、ユーザに体感されるパケット通信速度に係るストレスを軽減しつつ(増大させることなく)配分しようとする技術課題の認識が無い。この点については、上掲のその他の特許文献も同様である。
因みに、特許文献4には、移動機のユーザのアクションの如何を識別して、これに応動するといった思想が開示されている。
しかしながら、特許文献4の技術は、地震などの災害発生地域の住人の安否の確認が網輻奏で通話が確立せずに困難な状態においても、プライバシーを保護しつつ迅速に安否の確認を行なうことを可能にする趣旨である。
このためユーザに体感されるパケット通信速度に係るストレスを軽減しようといった着眼を持つものではなく、従って、このような着眼に対応しようとする技術の提案は無い。
本発明は、上述のような状況に鑑みてなされたものであり、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ(増大させることなく)、一定の無線リソースをより多くのユーザに割り当てることを可能にする移動通信システム、該移動通信システムに適用される無線回線制御装置、移動機、交換機、および、無線回線制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
本発明の請求項1の移動通信システムは:
一の移動機が在圏する無線基地局から自機に割り当てられた無線リソースにより通信を行なう無線区間を含む呼が設定されて、他の移動機または所定のサーバとの間で通信が行なわれ得るように構成された移動通信システムにおいて、当該呼の経路中に介在する所定のノードに無線回線制御装置を設け、前記無線回線制御装置により当該呼が前記一の移動機に対するユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行し、該能動性解析処理によって能動呼と判定された呼には、前記無線区間における無線リソースの割り当てを相対的に多くするように構成したことを特徴とする。
上記請求項1の移動通信システムでは、一の移動機が在圏する無線基地局から自機に割り当てられた無線リソースにより通信を行なう無線区間を含む呼が設定されて、他の移動機または所定のサーバとの間で通信が行なわれ得るように構成された移動通信システムにおいて、当該呼の経路中に介在する、例えば無線基地局や無線制御局などの所定のノードに無線回線制御装置を設ける。
この無線回線制御装置により当該呼が前記一の移動機に対するユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行し、該能動性解析処理によって能動呼と判定された呼には、前記無線区間における無線リソースの割り当てを相対的に多くするようにリソースの割り当てを行なう。
無線リソースの割り当てをこのように行なうことにより、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ(増大させることなく)、一定の無線リソースをより多くのユーザに割り当てることが可能になる。
本発明の請求項2の無線回線制御装置は:
外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行する受信信号解析手段と、前記受信信号解析手段による能動性解析処理の結果に基づいて前記能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソースを割り当てるためのリソース割り当て情報を生成するリソース割り当て情報生成手段と、前記リソース割り当て情報生成手段により生成されたリソース割り当て情報を該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための該当する通知先に通知する通知手段と、を備えていることを特徴とする。
上記請求項2の無線回線制御装置では、受信信号解析手段により、例えば移動機である外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行する。
リソース割り当て情報生成手段は、この受信信号解析手段による能動性解析結果に基づいて前記能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソースを割り当てるためのリソース割り当て情報を生成する。
更に、通知手段が、リソース割り当て情報生成手段により生成されたリソース割り当て情報を該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための、例えば本無線回線制御装置が設置された無線基地局の該当機能部等の該当する通知先に通知する。
上述のように通知されたリソース割り当て情報により、無線リソースの割り当てが適切に行なわれることにより、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ(増大させることなく)、一定の無線リソースをより多くのユーザに割り当てることが可能になる。
本発明の請求項3の無線回線制御装置は:
請求項2の無線回線制御装置において、前記リソース割り当て情報生成手段が当該呼に割り当てるリソースを決定するために参照する管理情報を保持する管理情報保持手段を更に備えていることを特徴とする。
上記請求項3の無線回線制御装置では、管理情報保持手段に当該呼に割り当てるリソースを決定するために参照する管理情報が保持されているため、リソース割り当て情報生成手段は所定のタイミングでこの管理情報を参照して適切なリソース割り当てを行なうためのリソース割り当て情報を生成することができる。
本発明の請求項4の無線回線制御装置は:
請求項3の無線回線制御装置において、管理情報保持手段は、前記リソース割り当て情報生成手段が当該呼に割り当てるリソースを決定するために依拠する前記管理情報としてリソースマッピングテーブルを保持していることを特徴とする。
上記請求項4の無線回線制御装置では、請求項3の無線回線制御装置において、管理情報保持手段が前記リソース割り当て情報生成手段が当該呼に割り当てるリソースを決定するために依拠する前記管理情報としてリソースマッピングテーブルを保持しているため、リソース割り当て情報生成手段は所定のタイミングでこのリソースマッピングテーブルを参照して適切なリソース割り当てを行なうためのリソース割り当て情報を生成することができる。
本発明の請求項5の無線回線制御装置は:
請求項2の無線回線制御装置において、当該呼に関する交換機からのページングの転送の履歴を表すページング転送履歴情報を前記受信信号解析手段が能動性解析処理を実行するに際して参照可能に保持するページング転送履歴情報保持手段を更に備えていることを特徴とする。
上記請求項5の無線回線制御装置では、ページング転送履歴情報保持手段に、当該呼に関する交換機からのページングの転送の履歴を表すページング転送履歴情報が保持されているため、前記受信信号解析手段は所定のタイミングでこのページング転送履歴情報を参照することにより、能動性解析処理を実行して、受信信号から認識される呼の設定要求が能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを的確に判定することができる。
本発明の請求項6の移動機は:
請求項1の移動通信システムに適合する移動機であって、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、前記無線回線制御装置に対し接続要求を発するに際して、当該接続要求が前記操作部に対する操作を契機として形成された能動的接続要求であるか否かを識別する能動的接続要求識別部と、前記能動的接続要求識別部によって当該接続要求が前記能動的接続要求に該当することが識別されたときには前記能動的接続要求であることを表す識別情報を生成する識別情報生成部と、前記識別情報を伴なった接続要求情報を生成する接続要求生成部と、該接続要求情報を含む情報の送受信を行なう送受信部と、を備えていることを特徴とする。
上記請求項6の移動機では、無線回線制御装置に対して発する接続要求がユーザからの操作を受け付ける操作部に対する操作を契機として形成された能動的接続要求であることが能動的接続要求識別部で識別されたときには、識別情報生成部が該能動的接続要求であることを表す識別情報を生成する。
接続要求生成部が該識別情報を伴なった接続要求情報を生成し、該接続要求情報が送受信部から無線回線制御装置に送信されるため、当該接続要求はこのような能動的接続要求であることが無線回線制御装置において明確に判定される。
本発明の請求項7の交換機は:
請求項1の移動通信システムに適合する交換機であって、当該呼に関する自機からのページング発信の履歴を表すページング発信履歴情報を保持するページング発信履歴情報保持手段と、外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼と前記ページング発信履歴情報保持手段に保持されているページング発信履歴情報との照合に基づいて該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行する能動性解析手段と、前記能動性解析手段による能動性解析処理の判定結果を該当する無線基地局制御装置または無線基地局に送信する能動性判定結果送信手段と、を備えていることを特徴とする。
上記請求項7の交換機では、ページング発信履歴情報保持手段に、当該呼に関する自機からのページング発信の履歴を表すページング発信履歴情報が保持される。
能動性解析手段は、例えば無線基地局等の外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼と上述のページング発信履歴情報保持手段に保持されているページング発信履歴情報との照合に基づいて該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する。
この判定結果は、能動性判定結果送信手段によって無線基地局制御装置または無線基地局に送信され、この判定結果を受けた無線基地局(そこに設置された上述の無線回線制御装置)では無線リソースの割り当てを適切に行なうことが可能になり、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ(増大させることなく)、一定の無線リソースをより多くのユーザに割り当てることが可能になる。
本発明の請求項8の無線回線制御方法は:
受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理のステップと、前記能動性解析処理のステップにより前記能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソース割り当て情報を生成するリソース割り当て情報生成のステップと、前記リソース割り当て情報生成のステップで生成されたリソース割り当て情報を該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための該当する通知先に通知する通知のステップと、を含んでいることを特徴とする。
上記請求項8の無線回線制御方法では、能動性解析処理のステップにより、例えば移動機である外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する。
リソース割り当て情報生成のステップでは、能動性解析処理のステップによる能動性解析結果に基づいて前記能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソースを割り当てるためのリソース割り当て情報を生成する。
更に、通知のステップで、リソース割り当て情報生成のステップにより生成されたリソース割り当て情報を該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための、例えば無線回線制御装置が設置された無線基地局の該当機能部等の該当する通知先に通知する。
上述のように通知されたリソース割り当て情報により、無線リソースの割り当てが適切に行なわれることにより、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ(増大させることなく)、一定の無線リソースをより多くのユーザに割り当てることが可能になる。
本発明によれば、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ(増大させることなく)、一定の無線リソースをより多くのユーザに割り当てることを可能にする移動通信システム、無線回線制御装置、移動機、交換機、および、無線回線制御方法が実現される。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより本発明を明らかにする。
(発明思想の概要)
図1は、本発明の思想を表す概念図である。図1には、移動機101,102相互間のパケット通信や、移動機101から後述するようにインターネット上のサイトから所望のコンテンツをダウンロードして取得することが可能な、移動通信網(広義)が表されている。
移動パケット通信網として構成され得る移動通信システム111および112は、移動通信システムにおける周知の上位交換機等を含む基幹網150を通して結ばれ、移動機101,102相互間のパケット通信(電子メール)が実現される。
また一方、移動通信システム111および112は、それぞれ対応するゲートウェイ121および122を介してインターネット130に接続されている。
インターネット130にはIP(Information Provider)サーバ131および132が接続されて、情報提供事業者によるウェブサイトが運営される。
また、移動通信システム(基幹網)150には、コンテンツサーバ151,152,153、および、154が接続されて、情報提供事業者によるコンテンツ提供事業が運営される。
以上の構成において、移動機101のユーザが相手方の移動機102との間でパケット通信を行なう場合を仮定する。
移動機101側が送信側、移動機102側が受信側である場合には、移動機101側のユーザは、自ら移動機101を操作してパケットの送出を能動的に行なうため、該当する操作を行ってからパケットの送出が速やかに行なわれないときには相対的に強いストレスを感じ易い。
反対に、ユーザが受信側の立場である場合には、着信を待つ所謂待ち受け状態にあり、自らが用いている移動機に何時着呼があるかは認識されることがないのが普通である。
このため、受信側の立場で着信の遅延といった時間の経過が意識に上ることは原理的に生じ難く、従って、通常の待ち受け状態では受信(着信)の遅延に起因するストレスというものは感じられない。
上述同様の現象は、上述のコンテンツサーバ151(152,153、および、154)或いは、IPサーバ131(132)からコンテンツを取得する場合にも該当する。
即ち、ユーザが自ら移動機を操作して、例えば、コンテンツサーバ151にアクセス(実線の矢線AC→AC1にて模式的に図示)、或いは、IPサーバ142にアクセス(実線の矢線AC→AC2にて模式的に図示)して所望の情報(コンテンツ等)をダウンロードする所謂プル型情報配信では、情報の取得のための所要の操作を行ってから、これに対応するコンテンツ等のダウンロード(実線の矢線DL1→DL;DL2→DLにて模式的に図示)が完了するまでの時間が長引くときには相対的に強いストレスを感じ易い。
これに対し、ユーザによるアクセスを待たずに、例えば、コンテンツサーバ153側或いはIPサーバ141側が主体的にユーザに情報を提供する、いわゆるプッシュ型情報配信では、情報の受信(破線の矢線SU1→SU;SU2→SUにて模式的に図示)にかかる時間に起因するストレスというものは感じられないのが普通である。何故なら、いつの間にか着信しているといった状態であるからである。
そこで本発明では、無線区間における通信のリソースの割り当てを、ユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当する場合には相対的に厚く(通信速度を速く)し、非能動呼に該当する場合には相対的に薄く(通信速度を遅く)して、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ(増大させることなく)、一定の無線リソースをより多くのユーザに割り当てることを可能にしている。
上述のようなこと可能にするため、本発明では、図1における移動通信システム111(112)、移動機、および、図1では表記されない交換機に関し、以下に図面を参照して詳述するような種々の新規な技術を導入している。
(本発明を適用する一つの方式による移動通信システムの構成)
図2は、本発明を適用する一つの方式による移動通信システムの構成を表す図である。
図2の移動通信システムは、第3世代携帯電話方式(3G:Third Generation)による移動通信システムに準拠したものである。
複数のセクタS210、S220、S230を含むセルC21をサービスエリアとする無線基地局211によってセルC21の域内の移動機の通信が賄われ、同様に、複数のセクタS211、S221、S231を含むセルC22をサービスエリアとする無線基地局212によってセルC22の域内の移動機の通信が賄われる。
これら複数(図2では2基)の無線基地局211、212を統括する無線基地局制御装置220が設けられ、更に上位の交換機230を通して基幹網へ接続される。
図示の例では、セルC21(そのセクタS220)に移動機101が在圏し、セルC22(そのセクタS221)に移動機102が在圏している。
以上の構成において、無線基地局制御装置220には、特に、本発明の実施形態としての無線回線制御装置240が設けられている点が従来のこの種の移動通信システムと異なる点である。
無線回線制御装置240は、後に図4を参照して詳述するように、例えば移動機である外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する。
更に、能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソースを割り当てるように回線制御を実行する。
(本発明を適用する他の一つの方式による移動通信システムの構成)
図3は本発明を適用する他の一つの方式による移動通信システムの構成を表す図である。図3の移動通信システムは、第3世代携帯電話方式を拡張した方式であるLTE(Long-term Evolution)に準拠したものである。
複数のセクタS310、S320、S330を含むセルC31をサービスエリアとする無線基地局311によってセルC31の域内の移動機の通信が賄われ、同様に、複数のセクタS311、S321、S331を含むセルC32をサービスエリアとする無線基地局312によってセルC32の域内の移動機の通信が賄われる。
これら複数(図3では2基)の無線基地局311、312は上位の交換機330を通して基幹網へ接続される。
図示の例では、セルC31(そのセクタS320)に移動機101が在圏し、セルC32(そのセクタS321)に移動機102が在圏している。
以上の構成において、無線基地局311、312に、それぞれ本発明の実施形態としての無線回線制御装置341および342が設けられている点が通常のこの種のLTE方式の移動通信システムと異なる点である。
無線回線制御装置341および342の機能ブロック上での構成は図2における無線回線制御装置240と同様であり、後に図4を参照して詳述する。
図3の移動通信システムでは、各無線基地局311、312におけるこれらの無線回線制御装置341、342によって、例えば移動機である外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する。
更に、能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソースを割り当てるように回線制御を実行する。
(本発明の無線回線制御装置の構成)
図4は、図2および図3の移動通信システムに適用される本発明の無線回線制御装置を表す機能ブロック図である。
図2の無線回線制御装置240および図3の無線回線制御装置341、342は、図4においては、代表的に参照符号400を附してある。
本無線回線制御装置400は、例えばユーザの移動機等の外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行する受信信号解析手段410と、受信信号解析手段410による能動性解析結果に基づいて前記能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソースを割り当てるためのリソース割り当て情報を生成するリソース割り当て情報生成手段420と、リソース割り当て情報生成手段420により生成されたリソース割り当て情報を該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための該当する通知先に通知する通知手段440とを含んで構成されている。
即ち、受信信号解析手段410により、例えば移動機である外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行する。
リソース割り当て情報生成手段420は、受信信号解析手段410による能動性解析結果に基づいて前記能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソースを割り当てるためのリソース割り当て情報を生成する。
この実施の形態では、リソース割り当て情報生成手段420から参照可能な形態でリソース割り当てに関する管理情報を保持する管理情報保持手段430が設けられ、リソース割り当て情報生成手段420は、適宜、管理情報保持手段430における管理情報を参照しつつリソース割り当て情報を生成する。
管理情報保持手段430は、リソース割り当て情報生成手段420が当該呼に割り当てるリソースを決定するために依拠する管理情報として、図13所載のようなデータで構成されたリソースマッピングテーブルを保持している。
このため、リソース割り当て情報生成手段420は所定のタイミングでこのリソースマッピングテーブルを参照して適切なリソース割り当てを行なうためのリソース割り当て情報を生成することができる。
また、この実施の形態では、受信信号解析手段410から参照可能な形態で、後述するページングの履歴に関する情報を保有する記憶手段450が設けられ、受信信号解析手段410は、適宜、記憶手段450に保持されたページングの履歴に関する情報を参照しつつリソース割り当て情報を生成する。
更に、通知手段440が、リソース割り当て情報生成手段420により生成されたリソース割り当て情報を、該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための、該当する通知先に通知する。
ここに、該当する通知先とは、図5ないし図8の無線回線制御動作を表すシーケンス図を参照しての説明によって各場合に応じて詳細が明らかにされるが、端的には、例えば図2の移動通信システムでは、本発明の無線回線制御装置240を備えた無線基地局制御装置220の下位にある無線基地局211,212、または、移動機101,102、乃至はまた、交換機230がこれに該当する。
或いはまた、図3の移動通信システムでは、本発明の無線回線制御装置341を備えた無線基地局311における自局内での他部(異なるセルを賄う機能部)、または、無線回線制御装置342を備えた無線基地局312、乃至はまた、移動機101,102、或いは、交換機330がこれに該当する。
上述のようにして通知を受けた当該ノードが上述のようなリソース割り当て情報に応動することによって、ユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼には相対的に厚く(非能動呼には相対的に薄く)リソースを分配し、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ、一定の無線リソースを多数のユーザに割り当てることが可能になる。
(本発明を適用した移動通信システムにおける無線回線制御動作)
図5は、本発明を適用した移動通信システムにおける無線回線制御動作を表すシーケンス図である。
図5に例示のシーケンスは、設定が要求されている呼が、移動機に対するユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当しない非能動呼である場合の無線回線制御である。
図中、「RNC/BTS、eNB」は本発明の無線回線制御装置を含む要素(装置)をその機能に着目して一つのブロックの如くに表記したものであり3Gにおける無線基地局制御装置(図2:220)やLTEにおける無線基地局(図3:311,312)がこれに該当する。
「RNC/BTS」はRNC(Radio Network Controller:無線基地局制御装置)とBTS(Base Transceiver Station:無線基地局)とをシーケンス図を簡略化するためにまとめて併記したものである(RNC/BTSなる装置がある意ではない)。
また、「eNB」はEvolved Node Bの略称で、LTEにおける無線基地局である。
図5のシーケンス図では、交換機から、図示されないHLR(Home Location Register)或いはVLR(Visitor Location Register)を参照して特定された「RNC/BTS、eNB」に、そこに在圏の全移動機に対し、パケット通信(既述のプッシュ型コンテンツ配信である場合も該当する)の相手方に呼出をかけるようにページングが掛けられる(ステップS501→ステップS502→ステップS503)。
上述のようにステップS501から「RNC/BTS、eNB」にページングが発せられるに際し、同時に、このようにページングを送出した履歴が交換機に記憶される(ステップS502)。
ステップS503で、「RNC/BTS、eNB」経由でページングを受けた該当する移動機は、これに応じて設定が要求される呼がページングトリガに応じての接続であるか否かの情報(この場合、この情報は肯定的である)を付与する処理を接続要求に対して施し(ステップS504)、この情報が付与された接続要求を「RNC/BTS、eNB」経由で交換機に返す(ステップS505→ステップS506)。
交換機ではステップS506で受けた情報と、先にステップS502で記憶したページング送出の履歴情報とを照合する(ステップS507:前段処理)。
図5の場合には、ステップS506で受けた情報とステップS502で記憶したページング送出の履歴情報とは合致するため、接続要求は移動機(そのユーザ)が自発的に発したものでなく他の移動機等の外部のノードからの呼出を契機とするページングによるものであると判断される(ステップS507:後段処理)。
このため、ステップS506で受けた接続要求は非能動呼であるとして、「RNC/BTS、eNB」(その無線回線制御装置)に回線設定要求を発する(ステップS508)。
ステップS508での回線設定要求を受けた「RNC/BTS、eNB」では、その無線回線制御装置において、能動呼の接続要求か否かを判定し(この場合は「否」であり、非能動呼と判定される)、判定結果(非能動呼)に応じたリソース割り当て情報を生成する(ステップS509)。
図示の例では、ステップS509で、非能動呼に応じた相対的に少ない(伝送速度が遅い)割り当てとするためのリソース割り当て情報が生成され、このリソース割り当て情報が回線設定要求として移動機に通知される(ステップS510)。
ステップS510の回線設定要求に応じて、移動機から回線接続応答が、「RNC/BTS、eNB」に返され(ステップS511)、「RNC/BTS、eNB」は、これを交換機に転送し(ステップS512)、上述のようなリソース割り当て情報に基づく相対的に少ない(伝送速度が遅い)割り当てのリソース割り当てが行なわれる。
このため、図5の例では、同じ無線区間(サービスエリア)で相対的に多い(伝送速度が速い)割り当てのリソースを必要とする他の通信のリソースを圧迫する虞が低減する。
(本発明を適用した他の移動通信システムにおける無線回線制御動作)
図6は、本発明を適用した他の移動通信システムにおける無線回線制御動作を表すシーケンス図である。
図6に例示のシーケンスは、設定が要求されている呼が、移動機に対するユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当しない非能動呼である場合の無線回線制御である点では図5の無線回線制御と同様である。
但し、図6の例では、特に、「RNC/BTS、eNB」においてページング転送の履歴を記憶しておき、該記憶を移動機からの接続要求と照合することによって、当該接続要求が能動呼に係るものか非能動呼に係るものかを判定するようにしている。
図6において、交換機から、図示されないHLR或いはVLRを参照して特定された「RNC/BTS、eNB」に、そこに在圏の全移動機に対し、パケット通信(既述のプッシュ型コンテンツ配信である場合も該当する)の相手方に呼出をかけるようにページングが掛けられる(ステップS601)。
但し、図6のシーケンス図では、ページング送出の履歴は交換機においては特に保持せず、このページングを転送した履歴を「RNC/BTS、eNB」において記憶し(ステップS602)、ページング自体は移動機に転送する(ステップS603)。
ステップS603で、「RNC/BTS、eNB」経由でページングを受けた該当する移動機は、これに応じて設定が要求される呼がページングトリガに応じての接続であるか否かの情報(この場合、この情報は肯定的である)を付与する処理を接続要求に対して施し(ステップS604)、この情報が付与された接続要求を「RNC/BTS、eNB」に返す(ステップS605)。
「RNC/BTS、eNB」ではステップS605で受けた情報と、先にステップS602で記憶したページング転送の履歴情報とを照合する(ステップS606:前段処理)。
図6の場合には、ステップS605で受けた情報とステップS602で記憶したページング転送の履歴情報とは合致するため、接続要求は移動機(そのユーザ)が自発的に発したものでなく他の移動機等の外部のノードからの呼出を契機とするページングによるものであると判断される(ステップS606:後段処理)。
ステップS606での判断を行なう一方、「RNC/BTS、eNB」はステップS605で受けた接続要求を交換機に転送する(ステップS607)。
ステップS607の接続要求を受けた交換機は、「RNC/BTS、eNB」
(その無線回線制御装置)に回線設定要求を発する(ステップS608)。
ステップS608での回線設定要求を受けた「RNC/BTS、eNB」では、その無線回線制御装置において、能動呼の接続要求か否かを判定し(この場合は「否」であり、非能動呼と判定される)、判定結果(非能動呼)に応じたリソース割り当て情報を生成する(ステップS609)。
図示の例では、ステップS609で、非能動呼に応じた相対的に少ない(伝送速度が遅い)割り当てとするためのリソース割り当て情報が生成され、このリソース割り当て情報が回線設定要求として移動機に通知される(ステップS610)。
ステップS610の回線設定要求に応じて、移動機から回線接続応答が、「RNC/BTS、eNB」に返され(ステップS611)、「RNC/BTS、eNB」は、これを交換機に転送し(ステップS612)、上述のようなリソース割り当て情報に基づく相対的に少ない(伝送速度が遅い)割り当てのリソース割り当てが行なわれる。
このため、図6の例では、同じ無線区間(サービスエリア)で相対的に多い(伝送速度が速い)割り当てのリソースを必要とする他の通信のリソースを圧迫する虞が低減する。
(本発明を適用した更に他の移動通信システムにおける無線回線制御動作)
図7は、本発明を適用した更に他の移動通信システムにおける無線回線制御動作を表すシーケンス図である。
図7に例示のシーケンスは、設定が要求されている呼が、移動機に対するユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当する場合の無線回線制御である。
図7の例では、移動機として、ユーザの操作に応じて自機から接続要求を発するに際して、当該接続要求が自機に対してユーザが行った操作を契機として形成された能動的接続要求であるか否かを識別し、能動的接続要求であるときには能動的接続要求であることを表す識別情報を伴なった接続要求情報(接続要求)を生成して、該接続要求情報を送信可能な機能を搭載したものを適用している。
このような機能を搭載した移動機の構成については、後に図9を参照して詳述する。
移動機から、ユーザの操作に応じて接続要求を発する場合には、先ず、上述のような能動的接続要求であることを表す識別情報を伴なった接続要求が生成され(ステップS701)、ステップS701で生成された識別情報を伴なった接続要求が「RNC/BTS、eNB」に送信される(ステップS702)。
「RNC/BTS、eNB」では、ステップS702で受けた接続要求に基づいて既述の能動呼の接続か非能動呼の接続かを判断し、この判断結果を記憶する(ステップS703)。
図7の場合には、ステップS701で能動的接続要求であることを表す識別情報を伴なった接続要求が生成され、この接続要求が送られてくるため(ステップS702)、能動呼の接続である旨の判断が記憶される(ステップS703)。
ステップS703で、「RNC/BTS、eNB」において能動呼の接続である旨の判断が記憶され、次いで、「RNC/BTS、eNB」から交換機に接続要求が送出される(ステップS704)。
ステップS704の接続要求を受けて、交換機から「RNC/BTS、eNB」に回線設定要求が発される(ステップS705)。
「RNC/BTS、eNB」ではステップS705での回線設定要求に応じて、先にステップS703で記憶した能動呼の接続である旨の判断に応じたリソース割り当て情報を生成する(ステップS706)。
図示の例では、ステップS706で、能動呼に応じた相対的に多い(伝送速度が速い)割り当てとするためのリソース割り当て情報が生成され、このリソース割り当て情報が回線設定要求として移動機に通知される(ステップS707)。
ステップS707の回線設定要求に応じて、移動機から回線接続応答が、「RNC/BTS、eNB」に返され(ステップS708)、「RNC/BTS、eNB」は、これを交換機に転送し(ステップS709)、上述のようなリソース割り当て情報に基づく相対的に多い(伝送速度が速い)割り当てのリソース割り当てが行なわれる。
このため、図7の例では、同じ無線区間(サービスエリア)で相対的に多い(伝送速度が速い)割り当てのリソースを必要とする通信に対してそれに見合った十分なリソースが割り当てられ、体感的な待ち時間が少なくストレスを感じ難い快適な通信が行なわれ得る。
(本発明を適用した更に他の移動通信システムにおける無線回線制御動作)
図8は、本発明を適用した更に他の移動通信システムにおける無線回線制御動作を表すシーケンス図である。
図8は、本発明を適用した他の移動通信システムにおける無線回線制御動作を表すシーケンス図である。
図8に例示のシーケンスは、設定が要求されている呼が、移動機に対するユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当する場合の無線回線制御である。
図8の例では、移動機として、図7の例と同様、ユーザの操作に応じて自機から接続要求を発するに際して、当該接続要求が自機に対してユーザが行った操作を契機として形成された能動的接続要求であるか否かを識別し、能動的接続要求であるときには能動的接続要求であることを表す識別情報を伴なった接続要求を生成して、該接続要求を送信可能に構成された移動機を適用している。
但し、既述の図7の例では、能動呼の接続か非能動呼の接続かの判断を「RNC/BTS、eNB」で行なっていたところ、この図8の例では、この判断を交換機で行なうようにしている。従って、当然ながら、交換機として能動呼の接続か非能動呼の接続かを判断する機能を備えたものを適用する。
このような機能を搭載した交換機の構成については、後に図10を参照して詳述する。
移動機から、ユーザの操作に応じて接続要求を発する場合には、先ず、上述のような能動的接続要求であることを表す識別情報を伴なった接続要求が生成される(ステップS801)。
ステップS801で生成された識別情報を伴なった接続要求が「RNC/BTS、eNB」に送信される(ステップS802)。
「RNC/BTS、eNB」では、ステップS802で受けた接続要求を中継して交換機に転送する(ステップS803)。
ステップS803での接続要求を受けた交換機は、接続要求に付帯する識別情報(この場合は、能動的接続要求であることを表す識別情報)に基づいて能動呼の接続か非能動呼の接続かを判断(この場合は、能動呼の接続と判断)し、その結果を記憶する(ステップS804)。
ステップS804に次いで、交換機から「RNC/BTS、eNB」に回線設定要求が発される(ステップS805)。
「RNC/BTS、eNB」ではステップS805での回線設定要求に応じて、先にステップS804で交換機が記憶した能動呼の接続である旨の判断に応じたリソース割り当て情報を生成する(ステップS806)。
図示の例では、ステップS806で、能動呼に応じた相対的に多い(伝送速度が速い)割り当てとするためのリソース割り当て情報が生成され、このリソース割り当て情報が回線設定要求として移動機に通知される(ステップS807)。
ステップS807の回線設定要求に応じて、移動機から回線接続応答が、「RNC/BTS、eNB」に返され(ステップS808)、「RNC/BTS、eNB」は、これを交換機に転送し(ステップS809)、上述のようなリソース割り当て情報に基づく相対的に多い(伝送速度が速い)割り当てのリソース割り当てが行なわれる。
このため、図8の例でも、同じ無線区間(サービスエリア)で相対的に多い(伝送速度が速い)割り当てのリソースを必要とする通信に対してそれに見合った十分なリソースが割り当てられ、体感的な待ち時間が少なくストレスを感じ難い快適な通信が行なわれ得る。
(移動機の構成例)
図9は、図5ないし図8の説明に該当する移動通信システムに適用される移動機の構成を表す機能ブロック図である。
移動機900にRF送受信部910が設けられ、RF送受信部910は、そのアンテナ911により外部との無線通信を行なう。RF送受信部910は図示しない公知のAD変換機能部およびDA変換機能部を備え、バスB1を通して他の各部とデータの授受を行う。
例えば数字キーや十字キー等の操作子、或いは、タッチパネル等による操作部920が設けられ、ユーザによる操作を受付けるように構成されている。
既述の無線回線制御装置(これを含む「RNC/BTS、eNB」)に対して発する接続要求が発せられるに際し、この接続要求が操作部920に対する操作を契機として形成された能動的接続要求であるか否かを識別する能動的接続要求識別部930がバスB1に接続されている。
能動的接続要求であることが能動的接続要求識別部930で識別されたときには、バスB1に接続された識別情報生成部940が該能動的接続要求であることを表す識別情報を生成する。
バスB1を通して識別情報生成部940から上述の識別情報を受けた接続要求生成部950が、該識別情報を伴なった接続要求情報を生成する。
接続要求生成部950で生成された接続要求情報がバスB1を通して送受信部としてのRF送受信部910から無線回線制御装置(これを含む「RNC/BTS、eNB」)に送信されるため、当該接続要求はこのような能動的接続要求であることが無線回線制御装置において明確に判定される。
上述のRF送受信部910、操作部920、能動的接続要求識別部930、識別情報生成部940、および、接続要求生成部950は、バスB1を通して、移動機900の系全体を統括的に管理するシステムコントローラ960の管理下で各所定の機能を営むように構成されている。
能動的接続要求識別部930では、上述のように、接続要求が操作部920に対する操作を契機として形成された能動的接続要求であるか否かを識別するものである。
移動機900が図7および図8を参照して説明したように機能するときには、操作部920における操作を認識し、能動的接続要求である旨を識別する。
他方、移動機900が図5および図6を参照して説明したように機能するときには、仮に操作部920に対する操作があった場合でも、その操作は呼設定の契機に該当しない場合であり、このため呼設定の契機としては認識されない。
この場合には、「RNC/BTS、eNB」から発信されたページングがRF送受信部110で受信され、システムコントローラ960の管理下でバスB1を通して能動的接続要求識別部930に供給される。
このページングを受けて、能動的接続要求識別部930は、当該接続要求は非能動的接続要求である旨判定する。
尚、バスB1には、メモリ970が接続され、システムコントローラ960の管理下でアクセスされて、移動機900がインストールされたプログラムに従って所定の仕様を充足する機能を発揮するようになされ、或いはまた、図示しないカメラ部で取得した画像データを蓄積し得るように構成されている。
(本発明の交換機の構成)
図10は、本発明の交換機の構成を表す機能ブロック図である。この交換機は呼の設定および解放に係る交換機としての枢要な機能部である呼制御部510、メモリ520、受信信号から認識される呼の設定要求に係る呼が能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析手段530、能動性解析処理の判定結果を該当する無線基地局制御装置または無線基地局に送信する能動性判定結果送信手段540がバスB2を通してシステムコントローラ550と結ばれ、このシステムコントローラ550による管理下で各所定の機能を営むように構成されている。
また、上述のバスB2に接続された無線基地局制御装置(または無線基地局)インターフェース部560を通して外部の無線基地局制御装置(または無線基地局)と結ばれ、同様に、バスB2に接続された上位交換機インターフェース部570を通して上位交換機と結ばれるように構成されている。
次に、交換機500の各部について更に詳述する。呼制御部510自体はこの種の一般的交換機におけるものと同様である。メモリ520は、特に、本発明の交換機500においてページング発信履歴情報保持手段520として機能するようにシステムコントローラ550の制御下で動作し、このページング発信履歴情報保持手段(メモリ)520に、当該呼に関する自機からのページング発信の履歴を表すページング発信履歴情報が保持される。
能動性解析手段530は、例えば無線基地局等の外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼とページング発信履歴情報保持手段520に保持されているページング発信履歴情報との照合に基づいて該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか或いは該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する。
能動性解析手段530による能動呼か非能動呼かの判定結果は、能動性判定結果送信手段540によって無線基地局制御装置(移動通信システムが既述の3G方式の場合)または無線基地局(移動通信システムが既述のLTE方式の場合)に送信される。
この判定結果を受けた無線基地局制御装置または無線基地局(そこに設置された上述の無線回線制御装置)では無線リソースの割り当てを適切に行なうことが可能になり、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ(増大させることなく)、一定の無線リソースをより多くのユーザに割り当てることが可能になる。
(本発明によるリソース割り当ての例)
図11は、本発明によるリソース割り当ての状況を例示する図である。図示のように、無線区間における通信のリソースの割り当てを、ユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当する場合には相対的に多く(伝送速度を速く)しているため、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスが軽減される。
また、上述のような能動呼に該当せず非能動呼に該当する場合には、通信のリソースの割り当てを相対的に少なく(伝送速度を遅く)しているため、伝送速度の低下が問題になる他の通信のリソースを圧迫する虞が低減する。
従って、限られたリソースをより多くのユーザに対して通信におけるストレスを感じ難いように割り当てることができる。
以上、図面を参照して説明した本発明は、次のような無線回線制御方法の技術思想としても観念することができる。
図12は、本発明の無線回線制御方法を表すフローチャートである。
本発明の無線回線制御方法は、受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理のステップ(ステップS1201)と、能動性解析処理のステップ(ステップS1201)により前記能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソース割り当て情報を生成するリソース割り当て情報生成のステップ(ステップS1202)と、リソース割り当て情報生成のステップ(ステップS1202)で生成されたリソース割り当て情報を該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための該当する通知先に通知する通知のステップ(ステップS1203)と、を含んでいる。
ステップS1203の通知のステップでは、ステップS1202のリソース割り当て情報生成のステップにより生成されたリソース割り当て情報を該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための、該当する通知先に通知する。
ここに、該当する通知先とは、図5ないし図8の無線回線制御動作を表すシーケンス図を参照して各場合について詳述した通りである。
ステップS1203で通知されたリソース割り当て情報により、無線リソースの割り当てが適切に行なわれることにより、体感されるパケット通信速度に起因するユーザのストレスを軽減しつつ(増大させることなく)、一定の無線リソースをより多くのユーザに割り当てることが可能になる。
移動通信システムにおいて、無線区間の限られたリソースをより多くのユーザに対して通信におけるストレスを感じ難いように割り当てることが可能な技術を実現するために利用することができる。
本発明の思想を表す概念図である。 本発明を適用する一つの方式による移動通信システムの構成を表す図である。 本発明を適用する他の一つの方式による移動通信システムの構成を表す図である。 図2および図3の移動通信システムに適用される本発明の無線回線制御装置を表す機能ブロック図である。 本発明を適用した移動通信システムにおける無線回線制御動作を表すシーケンス図である。 本発明を適用した他の移動通信システムにおける無線回線制御動作を表すシーケンス図である。 本発明を適用した更に他の移動通信システムにおける無線回線制御動作を表すシーケンス図である。 本発明を適用した更に他の移動通信システムにおける無線回線制御動作を表すシーケンス図である。 図5ないし図8の説明に該当する移動通信システムに適用される移動機の構成を表す機能ブロック図である。 本発明の交換機の構成を表す機能ブロック図である。 本発明によるリソース割り当ての状況を例示する図である。 本発明の無線回線制御方法を表すフローチャートである。
符号の説明
101,102,900…移動機
130…インターネット
131,132…IPサーバ
211,212…無線基地局
220…無線基地局制御装置
230…交換機
240…無線回線制御装置
311,312…無線基地局
330…交換機
341,342…無線回線制御装置
400…無線回線制御装置
410…受信信号解析手段
420…リソース割り当て情報生成手段
430…管理情報保持手段
440…通知手段
450…記憶手段
500…交換機
510…呼制御部
520…ページング発信履歴情報保持手段(メモリ)
530…能動性解析手段
540…能動性判定結果送信手段
550…システムコントローラ
560…無線基地局制御装置(または無線基地局)インターフェース部
570…上位交換機インターフェース部
911…アンテナ
910…RF送受信部
920…操作部
930…能動的接続要求認識部
940…識別情報生成部
950…接続要求生成部
960…システムコントローラ
970…メモリ

Claims (8)

  1. 一の移動機が在圏する無線基地局から自機に割り当てられた無線リソースにより通信を行なう無線区間を含む呼が設定されて、他の移動機または所定のサーバとの間で通信が行なわれ得るように構成された移動通信システムにおいて、当該呼の経路中に介在する所定のノードに無線回線制御装置を設け、前記無線回線制御装置により当該呼が前記一の移動機に対するユーザの操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行し、該能動性解析処理によって能動呼と判定された呼には、前記無線区間における無線リソースの割り当てを相対的に多くするように構成したことを特徴とする移動通信システム。
  2. 外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行する受信信号解析手段と、前記受信信号解析手段による能動性解析処理の結果に基づいて前記能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソースを割り当てるためのリソース割り当て情報を生成するリソース割り当て情報生成手段と、前記リソース割り当て情報生成手段により生成されたリソース割り当て情報を該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための該当する通知先に通知する通知手段と、を備えていることを特徴とする無線回線制御装置。
  3. 前記リソース割り当て情報生成手段が当該呼に割り当てるリソースを決定するために参照する管理情報を保持する管理情報保持手段を更に備えていることを特徴とする請求項2に記載の無線回線制御装置。
  4. 前記管理情報保持手段は、前記リソース割り当て情報生成手段が当該呼に割り当てるリソースを決定するために依拠する前記管理情報としてリソースマッピングテーブルを保持していることを特徴とする請求項3に記載の無線回線制御装置。
  5. 当該呼に関する交換機からのページングの転送の履歴を表すページング転送履歴情報を前記受信信号解析手段が能動性解析処理を実行するに際して参照可能に保持するページング転送履歴情報保持手段を更に備えていることを特徴とする請求項2に記載の無線回線制御装置。
  6. 請求項1の移動通信システムに適合する移動機であって、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、前記無線回線制御装置に対し接続要求を発するに際して、当該接続要求が前記操作部に対する操作を契機として形成された能動的接続要求であるか否かを識別する能動的接続要求識別部と、前記能動的接続要求識別部によって当該接続要求が前記能動的接続要求に該当することが識別されたときには前記能動的接続要求であることを表す識別情報を生成する識別情報生成部と、前記識別情報を伴なった接続要求情報を生成する接続要求生成部と、該接続要求情報を含む情報の送受信を行なう送受信部と、を備えていることを特徴とする移動機。
  7. 請求項1の移動通信システムに適合する交換機であって、当該呼に関する自機からのページング発信の履歴を表すページング発信履歴情報を保持するページング発信履歴情報保持手段と、外部ノードからの受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼と前記ページング発信履歴情報保持手段に保持されているページング発信履歴情報との照合に基づいて該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理を実行する能動性解析手段と、前記能動性解析手段による能動性解析処理の判定結果を該当する無線基地局制御装置または無線基地局に送信する能動性判定結果送信手段と、を備えていることを特徴とする交換機。
  8. 受信信号を解析し該受信信号から認識される呼の設定要求に関し該呼がユーザの移動機に対する操作を契機として形成された能動的接続要求に基づく呼である能動呼に該当するか該能動呼に該当しない非能動呼かを判定する能動性解析処理のステップと、前記能動性解析処理のステップにより前記能動呼に該当すると判定された呼に相対的に多くのリソースを割り当てる形態で呼に対応するリソース割り当て情報を生成するリソース割り当て情報生成のステップと、前記リソース割り当て情報生成のステップで生成されたリソース割り当て情報を該リソース割り当て情報によるリソースの割り当てを履行するための該当する通知先に通知する通知のステップと、を含んでいることを特徴とする無線回線制御方法。
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