JP4934903B2 - 炭化珪素半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)半導体装置及びその製造方法に関するもので、特にJ−FETに適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
図9に、パワー素子として用いられるSiC半導体装置の一例としてnチャネル型のJ−FETの断面構成を示す。図9に示されるように、nチャネル型のJ−FETは、SiCからなるn+型基板J1の上にn-型エピ層J2を成長させた基板を用いて形成される。n-型エピ層J2の表層部にはp型の第1ゲート領域J3がイオン注入によって形成されている。そして、第1ベース領域J3上を含み、n-型エピ層J2の上にチャネル層J4が形成されている。そして、このチャネル層J4のうち第1ベース領域J3よりも上層に位置する領域にn+型ソース領域J5が形成されている。また、第1ゲート領域J3のうちn+型ソース領域J5よりも突き出すように延設された部分とオーバラップするように、チャネル層J4の表面にはエピタキシャル成長によるp型の第2ゲート領域J6が形成されている。そして、第1、第2ゲート領域J3、J6と接するように第1、第2ゲート電極J7、J8が形成されていると共に、n+型ソース領域J5と接するようにソース電極J9が形成され、さらに、n+型基板J1と接するようにドレイン電極J10が形成されて図9に示すJ−FETが構成されている。
【0003】
このような構成のJ−FETをノーマリオフ型とする場合には、第1、第2ゲート電極J7、J8に対して電圧を印加していない際に、第1、第2ゲート領域J3、J6からチャネル層J4に向けて伸びる空乏層によってチャネル層J4がピンチオフされるように設計する。そして、第1、第2ゲート領域J3、J6から伸びる空乏層幅を制御することでチャネルを形成し、チャネルを通じてソース−ドレイン間に電流を流すことで動作するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のノーマリオフ型のJ−FETでは、第2ゲート領域J6、n+型ソース領域J5および第1ゲート領域J3によって形成される寄生PNPバイポーラトランジスタが動作してしまうことを防ぐために、各ゲートによるスイッチング動作はPNジャンクションでのビルトインポテンシャル(2.8V)で制御することが限界である。
【0005】
しかし現状では、イオン注入によって形成される第1ゲート領域J3とチャネル層J4とのPNジャンクションでの欠陥あるいは再結合により、第1ゲート領域J3からホールが発生し、バイポーラトランジスタが動作してしまうことになる。このため、上記したSiCの理論限界であるPNジャンクションのビルトインポテンシャル(2.8V)までの使用ができなかった。また、第2ゲート領域J6とチャネル層J4とのPNジャンクションでの再結合によってもリーク電流が発生する。この場合にも第2ゲート領域J6からホールが発生し、バイポーラトランジスタが動作してしまう。
【0006】
このように、第1、第2ゲート領域J3、J6の電圧を高くできなかったことから、第1、第2ゲート領域J3、J6から伸びる空乏層幅を十分に縮めることができず、チャネル抵抗低減が十分に行えなかった。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、チャネル抵抗低減を図れる炭化珪素半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第2ゲート領域は、チャネル層の上にヘテロエピタキシャル成長によって形成されたAlXGa(1-X)N(X=0〜1)で構成されており、第1ゲート領域(3)は、チャネル層(5)側に部分的に突出したチャネル設定領域(3a、3b)を有して構成され、該チャネル設定領域(3a、3b)と第2ゲート領域(7)との間にチャネルが設定されることを特徴としている。例えば、請求項4に示すように、第2ゲート領域をAlN、GaN、Al0.5Ga0.5Nのいずれかで構成する。
【0009】
このような構成とすることで、第2ゲート領域をSiCで構成した場合と比べると、バンドオフセットが大きくなる分、すなわち0.3〜0.8Vの範囲でゲート制御電圧を大きくすることが可能となる。このため、第1、第2ゲート領域から伸びる空乏層幅を十分に縮めることができ、チャネル幅を十分にとることができるため、チャネル抵抗低減を十分に図ることができる。
また、第1ゲート領域(3)にチャネル層(5)側に部分的に突出したチャネル設定領域(3a、3b)を設けることで、このチャネル設定領域(3a、3b)によって、チャネル領域を設定することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、チャネル層における第1導電型不純物の濃度が半導体層における第1導電型不純物の濃度よりも低くなるようにすることを特徴とする。このような構成とすることで、炭化珪素半導体装置をノーマリオフ型にし易くすることができる。
【0012】
請求項4乃至6に記載の発明は、請求項1乃至3に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。これらの製造方法により、請求項1乃至3に記載の炭化珪素半導体装置を製造することが可能である。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態における炭化珪素半導体装置として、ダブルゲート駆動タイプのnチャネル型J−FETの断面構造を示す。以下、図1に基づいてJ−FETの構成についての説明を行う。
【0015】
図1は、J−FETは1セル分の断面構成を示したものである。炭化珪素からなるn+型基板1は上面を主表面とし、主表面の反対面である下面を裏面としている。このn+型基板1の主表面上には、基板1よりも低いドーパント濃度を有する炭化珪素からなるn-型エピ層2がエピタキシャル成長されている。
【0016】
n-型エピ層2の表層部における所定領域には、紙面左右において略対称にp+型層からなる第1ゲート領域3が形成されていると共に、第1ゲート領域3上を含み、n-型エピ層2の表面にはn-型層で構成されたチャネル層5がエピタキシャル成長されている。第1ゲート領域3は、領域3a、3bにおいて部分的にチャネル層4側に突出した構成となっており、これらの領域3a、3bによってチャネル領域が設定されるようになっている。以下、この部分をチャネル設定領域という。
【0017】
また、チャネル層5の表層部のうち第1ゲート領域3の上に位置する領域にはn+型ソース領域6が形成されており、また、チャネル層5の表面上において、少なくとも第1ゲート領域3の上に位置する部位にはp+型層からなる第2ゲート領域7が形成されている。この第2ゲート領域7は、AlXGa(1-X)N(X=0〜1)で構成されている。すなわち、AlXGa(1-X)Nからなる第2ゲート領域7とSiCからなるチャネル層5によってヘテロPNジャンクションを形成した構成となっている。
【0018】
また、チャネル層5には、n+型ソース領域6の表面部や第1ゲート領域3の表面部まで達する凹部8が形成されている。この凹部8の内には、n+型ソース領域6に電気的に接続されたソース電極9が形成されていると共に、第1ゲート領域3に電気的に接続された第1ゲート電極10が形成された構成となっている。そして、第2ゲート領域7の上層部には、第2ゲート領域7の電位を制御するための第2ゲート電極11が形成され、ソース電極9、第1、第2ゲート電極10、11それぞれがパッシベーション膜12によって絶縁分離された状態となっている。
【0019】
さらに、n+型基板1の裏面側には、n+型基板1と電気的に接続されたドレイン電極13が形成されている。このようにして、本実施形態におけるJ−FETが構成されている。
【0020】
以上のように構成されたJ−FETは、ノーマリオフ型で動作するように構成されている。すなわち、第1、第2ゲート電極10、11に電圧を印加していない時には、チャネル層5が第1ゲート領域3のチャネル設定領域3a、3bから伸びる空乏層と第2ゲート領域7から伸びる空乏層とによってピンチオフされる。そして、第1、第2ゲート電極10、11に所望の電圧を印加すると、第1、第2ゲート領域3、7からの空乏層の伸び量が小さくなり、チャネルが形成されて、ソース電極9→n+型ソース領域6→チャネル層5→n-型エピ層2→n+型基板1→ドレイン電極13の順で電流が流れるようになっている。
【0021】
このようなJ−FETにおいては、第2ゲート領域7をAlXGa(1-X)Nで構成することにより、第2ゲート領域7及びチャネル層5によってヘテロPNジャンクションを形成した構成となっている。このようなヘテロPNジャンクションによると、バンドギャップの状態が図2のように表されることになる。図2(a)は第2ゲート領域7をAlXGa(1-X)N(X=0.5)で構成した場合の様子、図2(b)は第2ゲート領域7をAlXGa(1-X)N(X=1)、すなわちAlNで構成した場合の様子を示している。
【0022】
図2(a)に示されるように、第2ゲート領域7をAl0.5Ga0.5Nで構成した場合には、SiCからなるチャネル層5とAl0.5Ga0.5Nからなる第2ゲート領域7のそれぞれの価電子帯におけるバンドオフセットΔEvが0.5Vとなる。また、図2(b)に示されるように、第2ゲート領域7をAlNで構成した場合には、SiCからなるチャネル層5とAlNからなる第2ゲート領域7のそれぞれの価電子帯におけるバンドオフセットΔEvが0.8Vとなる。また、図示していないが、第2ゲート領域7を構成するAlXGa(1-X)NにおけるXの値を0とした場合、つまりGaNの場合には、バンドオフセットΔEvが0.3Vとなる。
【0023】
これらから判るように、第2ゲート領域7をSiCで構成した場合(従来構造)と比べると、バンドオフセットが大きくなる分、すなわち0.3〜0.8Vの範囲でゲート制御電圧を大きくすることが可能となる。
【0024】
以上説明したように、第2ゲート領域7をAlXGa(1-X)Nで構成することにより、ゲート制御電圧を大きくすることができる。このため、本実施形態に示すJ−FETでは第1、第2ゲート領域3、7から伸びる空乏層幅を十分に縮めることができ、チャネル幅を十分にとることができるため、チャネル抵抗低減を十分に図ることができる。
【0025】
次に、図1に示すJ−FETの製造工程を図3〜図6を用いて説明する。
【0026】
〔図3(a)に示す工程〕
まず、n型4H、6H、3C又は15R−SiC基板、すなわちn+型基板1を用意する。例えば、n+型基板1として、厚さが400μm、主表面が(0001)Si面、又は、(11−20)a面のものを用意する。そして、この基板1の主表面に厚さ5μmのn-型エピ層2をエピタキシャル成長させる。この場合、n-型エピ層2は下地の基板1と同様の結晶が得られ、n型4H、6H、3C又は15R−SiC層となる。
【0027】
〔図3(b)に示す工程〕
n-型エピ層2の上の所定領域にLTO(Low Temperature Oxide)膜20を配置したのち、フォトリソグラフィによってLTO膜20をパターニングして所定領域を開口させる。そして、LTO膜20をマスクとしてイオン注入を行う。具体的には、第1ゲート領域3を形成する予定位置にp型不純物としてボロンをイオン注入する。また、このとき、必要に応じて第1ゲート領域3を形成する予定位置の表面にコンタクト用にアルミニウムをイオン注入しても良い。
【0028】
この後、熱処理を施すことで注入されたイオンを活性化させ、第1ゲート領域3を形成する。なお、この第1ゲート領域3の形成に際し、あまりp型不純物を熱拡散させたくない場合には、熱拡散しにくいAlを用いるか、もしくはボロンに対して炭素を一定割合(好ましくはボロン:炭素=1:10)注入することで熱拡散し難くするとよい。
【0029】
〔図3(c)に示す工程〕
LTO膜20を除去したのち、第1ゲート領域3上を含むn-型エピ層2の上に、エピタキシャル成長によってn-型層からなるチャネル層5を形成する。このとき、よりノーマリオフ型のJ−FETとし易くするために、チャネル層5の不純物濃度をn-型エピ層2よりも低濃度とすると良い。
【0030】
〔図4(a)に示す工程〕
チャネル層5の表面に第1のマスク材となるLTO膜21を成膜したのち、フォトリソグラフィによってLTO膜21をパターニングし、n+型ソース領域6の形成予定位置および第2ゲート領域7のうちのチャネル設定領域7a、7bの形成予定位置と対向する部位においてLTO膜21に開口部を形成する。
【0031】
〔図4(b)に示す工程〕
LTO膜21上を含み、チャネル層5の上に第2のマスク材となるポリシリコン膜22を積層したのち、フォトリソグラフィによってポリシリコン膜22をパターニングし、LTO膜21に形成された開口部のうちn+型ソース領域6の形成予定位置に形成された部分をポリシリコン膜22で覆う。
【0032】
そして、LTO膜21及びポリシリコン膜22をマスクとしたイオン注入を行う。具体的には、p型不純物であるボロン又はアルミニウムをイオン注入する。これにより、チャネル設定領域3a、3bの形成予定位置にp型不純物が注入される。この後、熱処理によってp型不純物を活性化させることでチャネル設定領域3a、3bを形成する。なお、このチャネル設定領域3a、3bの形成に際しても、あまりp型不純物を熱拡散させたくない場合には、熱拡散しにくいAlを用いるか、もしくはボロンに対して炭素を一定割合(好ましくはボロン:炭素=1:10)注入することで熱拡散し難くするとよい。
【0033】
〔図4(c)に示す工程〕
ポリシリコン膜22を除去したのち、再び、第3のマスク材となるポリシリコン膜23を積層する。そして、フォトリソグラフィによってポリシリコン膜23をパターニングし、LTO膜21に形成された開口部のうちチャネル設定領域3a、3bの形成予定位置に形成れた部分をポリシリコン膜23で覆う。
【0034】
そして、LTO膜21及びポリシリコン膜23をマスクとしたイオン注入を行う。具体的には、n型不純物である窒素又はリンをイオン注入する。これにより、n+型ソース領域6を形成する予定位置にn型不純物が注入される。この後、例えば1600〜1700℃での熱処理によってn型不純物を活性化させることでn+型ソース領域6を形成する。
【0035】
なお、図3(b)に示す工程と本工程とは順番を入れ替えても良く、また、各工程における熱処理による不純物の活性化を同時に行うようにしても良い。
【0036】
〔図5(a)に示す工程〕
ポリシリコン膜23及びLTO膜21を除去した後、n+型ソース領域6及びチャネル層5の表面上に、例えば1100〜1200℃の温度下でp型不純物(例えばMa(マグネシウム))を含んだAlXGa(1-X)Nをヘテロエピタキシャル成長させることで第2ゲート領域7を形成する。
【0037】
〔図5(b)に示す工程〕
第2ゲート領域7の表面にLTO膜24を成膜したのち、フォトリソグラフィによってLTO膜24をパターニングすることで、n+型ソース領域6上においてLTO膜24に開口部を形成する。その後、LTO膜24をマスクとしたエッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)を施すことで、n+型ソース領域6の表面を露出させる。
【0038】
〔図5(c)に示す工程〕
LTO膜24を除去したのち、再びLTO膜25を成膜し、フォトリソグラフィによってLTO膜25をパターニングする。これにより、n+型ソース領域6上の所定領域においてLTO膜25に開口部を形成する。その後、LTO膜25をマスクとしたエッチング、例えば反応性イオンエッチングを施すことで、n+型ソース領域6を貫通し、第1ゲート領域3に達する凹部8を形成する。
【0039】
〔図6(a)、(b)に示す工程〕
LTO膜25を除去した後、図6(a)に示すように、凹部8内を含む基板表面側に層間絶縁膜12を形成する。そして、図6(b)に示すように、層間絶縁膜12をパターニングすることで第1、第2ゲート領域3、7やn+型ソース領域6と連通するコンタクトホールを形成したのち、層間絶縁膜12上に電極層を成膜し、さらに電極層をパターニングすることでソース電極9および第1、第2ゲート電極10、11を形成する。最後に、基板裏面側にドレイン電極13を形成することで図1に示すJ−FETが完成する。
【0040】
(第2実施形態)
図7に、本発明の第2実施形態となるトレンチゲート型のJ−FETの断面構成を示す。本実施形態では、このトレンチゲート型のJ−FETに対して、本発明の一実施形態を適用する。以下、このJ−FETの構成についての説明を行う。
【0041】
炭化珪素からなるn+型基板31は上面を主表面とし、主表面の反対面である下面を裏面としている。このn+型基板31の主表面上には、基板31よりも低いドーパント濃度を有する炭化珪素からなるn-型エピ層32がエピタキシャル成長されている。このn-型エピ層32の上にはp+型の第1ゲート領域33がエピタキシャル成長されていると共に、第1ゲート領域33の所定領域にn+型ソース領域34が形成されている。
【0042】
そして、n+型ソース領域34およびp型ベース領域33を貫通し、n-型エピ層32に達するようなトレンチ35が形成され、このトレンチ35の内壁にn-型チャネル層36が備えられていると共に、n-型チャネル層36の表面にAlXGa(1-X)N(X=0〜1)からなるp+型の第2ゲート領域37が備えられている。
【0043】
また、基板表面には、第1、第2ゲート領域33、37に電気的に接続される第1、第2ゲート電極38、39とn+型ソース領域34に電気的に接続されるソース電極40が形成され、これら各電極38〜40が層間絶縁膜41によって絶縁分離された構成となっている。そして、n+型基板31の裏面側にドレイン電極42が備えられている。このようにして、図7に示すトレンチゲート型のJ−FETが構成されている。
【0044】
このような構成のJ−FETにおいても第1実施形態と同様の動作を行うことになるが、第2ゲート領域をAlXGa(1-X)Nによって構成していることから、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0045】
なお、従来のトレンチゲート型のJ−FETに関しては、SiCをエピタキシャル成長させることによって第2ゲート領域を形成しているが、本実施形態のJ−FETの場合には、SiCに代えてAlXGa(1-X)Nをエピタキシャル成長させることで第2ゲート領域37を形成すればよい。
【0046】
また、図8に示すように、本実施形態のJ−FETのトレンチ35の底部にp+型のボディブレーク領域43を形成したものに対しても、上記と同様に第2ゲート領域37をAlXGa(1-X)N(X=0〜1)で構成することにより、上記と同様の効果を得ることが可能である。
【0047】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、第1、第2ゲート領域3、7、33、37における電位を共に制御可能なダブルゲート構造のJ−FETについて説明したが、第1、第2ゲート領域3、7、33、37のいずれか一方のみの電位が制御可能なシングルゲート構造のJ−FETに対しても上記各実施形態を適用することができる。
【0048】
その場合、第2ゲート領域7、37をAlXGa(1-X)Nで構成していることから、第2ゲート領域7、37への印加電圧を制御可能とした方が、第1ゲート領域3、33とした場合よりも高い電圧での制御を行うことが可能となる。なお、このようにシングルゲート構造とする場合には、第1、第2ゲート電極10、11のいずれか一方がソース電極9と接続された構成となる。
【0049】
なお、方位を示す場合、本来ならば所望の数字の上にバー(−)を付すべきであるが、表現の制約上、所望の数字の前にバーを付して示すこととする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるJ−FETの断面構成を示す図である。
【図2】(a)は第2ゲート領域7をAlXGa(1-X)N(X=0.5)で構成した場合の様子、(b)は第2ゲート領域7をAlXGa(1-X)N(X=1)、すなわちAlNで構成した場合の様子を示した図である。
【図3】図1に示すJ−FETの製造工程を示す図である。
【図4】図3に続くJ−FETの製造工程を示す図である。
【図5】図4に続くJ−FETの製造工程を示す図である。
【図6】図5に続くJ−FETの製造工程を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態におけるトレンチゲート型のJ−FETの断面構成を示す図である。
【図8】第2実施形態の他の例におけるJ−FETの断面構成を示す図である。
【図9】従来のJ−FETの断面構成を示す図である。
【符号の説明】
1…n+型基板、2…n-型エピ層、3…第1ゲート領域、
3a、3b…チャネル設定領域、5…チャネル層、6…n+型ソース領域、
7…第2ゲート領域、7a、7b…チャネル設定領域、8…凹部、
9…ソース電極、10、11…第1、第2ゲート電極、13…ドレイン電極。
Claims (6)
- 炭化珪素からなる第1導電型の半導体基板(1)と、
前記半導体基板の主表面上に形成され、該半導体基板よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電型の半導体層(2)と、
前記半導体層の表層部の所定領域に形成され、所定深さを有する第2導電型の第1ゲート領域(3)と、
前記半導体層及び前記第1ゲート領域の上に形成された炭化珪素からなる第1導電型のチャネル層(5)と、
前記チャネル層のうち前記第1ゲート領域の上に位置する部位に形成された第1導電型のソース領域(6)と、
前記チャネル層の上において、前記第1ゲート領域と対向する部位を含むように形成された第2導電型の第2ゲート領域(7)と、
前記ソース領域に電気的に接続されたソース電極(9)と、
前記第1ゲート領域に電気的に接続された第1ゲート電極(10)と、
前記第2ゲート領域に電気的に接続された第2ゲート電極(11)と、
前記半導体基板の裏面側に形成されたドレイン電極(13)とを有し、
前記第2ゲート領域は、前記チャネル層の上にヘテロエピタキシャル成長によって形成されたAlXGa(1−X)N(X=0〜1)で構成されており、
前記第1ゲート領域(3)は、前記チャネル層(5)側に部分的に突出したチャネル設定領域(3a、3b)を有して構成され、該チャネル設定領域(3a、3b)と前記第2ゲート領域(7)との間にチャネルが設定されることを特徴とする炭化珪素半導体装置。 - 前記第2ゲート領域は、AlN、GaN、Al0.5Ga0.5Nのいずれかで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
- 前記チャネル層における第1導電型不純物の濃度が前記半導体層における第1導電型不純物の濃度よりも低くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
- 炭化珪素からなる第1導電型の半導体基板(1)の主表面上に、この半導体基板よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電型の半導体層(2)を形成する工程と、
前記半導体層の表層部の所定領域に、所定深さを有する第2導電型の第1ゲート領域(3)を形成する工程と、
前記半導体層及び前記第1ゲート領域の上に炭化珪素からなる第1導電型のチャネル層(5)を形成する工程と、
前記チャネル層(5)の表面から第1導電型不純物をイオン注入することで、前記第1ゲート領域(3)の一部として、前記チャネル層(5)内に側に部分的に突出したチャネル設定領域(3a、3b)を形成する工程と、
前記チャネル層のうち前記第1ゲート領域の上に位置する部位に、第1導電型のソース領域(6)を形成する工程と、
前記チャネル層の表面上において、前記第1ゲート領域と対向する部位を含むように、第2導電型の第2ゲート領域(7)を形成する工程と、
前記ソース領域に電気的に接続されるソース電極(9)、前記第1ゲート領域に電気的に接続される第1ゲート電極(10)、前記第2ゲート領域に電気的に接続される第2ゲート電極(11)を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面側にドレイン電極(13)を形成する工程とを有してなる炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
前記第2ゲート領域を形成する工程では、前記チャネル層の上にAlXGa(1-X)N(X=0〜1)をヘテロエピタキシャル成長することによって前記第2ゲート領域を形成することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。 - 前記第2ゲート領域を形成する工程では、AlN、GaN、Al0.5Ga0.5Nのいずれかによって前記第2ゲート領域を形成することを特徴とする請求項4に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
- 前記チャネル層を形成する工程では、前記チャネル層における第1導電型不純物の濃度が前記半導体層における第1導電型不純物の濃度よりも低くなるようにすることを特徴とする請求項4または5に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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