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JP4933700B2 - Citral reduction inhibitor by light and method for suppressing reduction - Google Patents

Citral reduction inhibitor by light and method for suppressing reduction Download PDF

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JP4933700B2
JP4933700B2 JP2001051923A JP2001051923A JP4933700B2 JP 4933700 B2 JP4933700 B2 JP 4933700B2 JP 2001051923 A JP2001051923 A JP 2001051923A JP 2001051923 A JP2001051923 A JP 2001051923A JP 4933700 B2 JP4933700 B2 JP 4933700B2
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citrus
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solvent extract
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シトラール又はシトラールを含有する製品に広く適用することができるシトラールの減少抑制剤、並びにシトラールの減少抑制方法に関する。
ここで本発明における「シトラールを含有する製品」とは、食品(本発明でいう食品とは特に限定されるものではなく、例えば炭酸飲料、果汁、果汁飲料、乳性飲料、茶類飲料等の飲料、ヨーグルト、プリン、ゼリー、アイスクリーム等の冷菓、キャンディー、水飴等の菓子等が挙げられる);食品素材;或いはフレーバー等の食品添加物;香水、化粧品、洗剤、石鹸、シャンプー、リンス、入浴剤、芳香剤等の香粧品など、シトラールを香味又は香気成分として利用する物の総称である。
【0002】
【従来の技術】
シトラールは、レモン様の特徴的な香気・香味を有する重要なフレーバー成分であるが、光の照射により減少する。すなわち異性化、酸化、分解等によりシトラールの化学構造が変わり、その結果、劣化臭成分に変化することが知られている(R. C. Cookson et al. ; Tetrahedron, 19, 1995(1963))。
それ故、シトラールを含有する製品中のシトラール含量は、製品の製造、流通、保存等の各段階で光に暴露されることにより徐々に減少し、本来のフレッシュなシトラス感が失われるとともに劣化臭成分が増加するため製品の品質低下の大きな要因となっている。
【0003】
従来、光によるシトラールの減少抑制のため、シトラール含有製品には、例えばアルミニウム等の遮光性材料を用いた容器等が使用されてきた。しかし、アルミニウム等は遮光性材料として優れている反面、その使用コストが高いという問題があった。
一方、最近では店頭ディスプレイ時に製品のイメージアップを図るため、透明ガラス容器入りの食品や化粧品、透明又は半透明プラスチック容器入りの食品や化粧品および透明袋入りの食品が急増しており、さらにそうした製品をコンビニエンスストア、スーパー等では長時間、蛍光灯又は日光の下に陳列する販売形態が一般的になっている。
その結果、シトラールの減少と劣化臭の生成に起因する製品の品質低下や異臭の発生が従来に比べより一層の問題となっている。
【0004】
そこで光によるシトラールの減少に対して大きな抑制効果をもたらすと同時に安価なシトラールの減少抑制方法が求められ、コストの高い容器の開発よりも、低コストで扱いの簡便な添加剤を用いることによるシトラールの減少抑制方法が要望されている。
こうした光起因のシトラールの減少を抑制するための添加剤として、ビタミンCが有効であるという報告(H. Tateba et al. The proceedings of the Eighth Weuruman Flavour Reserch Symposium, held in Reading, UK on 23-26 July 1996. p82-85)がある。これはビタミンCのラジカル消去効果によりシトラールの減少抑制を図るものである。
【0005】
しかしながら、実際にはビタミンCをシトラール含有製品に使用しても、シトラールの減少抑制効果は十分ではなく、過剰に使用すれば製品本来の香味が損なわれることになる。
従って、製品に添加した場合にシトラールの減少抑制効果が高く、しかも安全で経済性に優れ、かつ製品の本来の香味・香気に影響を与えることのない少量の使用で十分な効果を奏する新たなタイプのシトラールの減少抑制剤又は抑制方法が強く要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術における問題点に鑑み、本発明はシトラールを含有する製品の製造、流通、保存等の各段階で光を起因とするシトラールの減少と、それに伴うシトラール由来の劣化臭の生成を効果的に抑制でき、また安全性が高く、経済性に優れしかも製品本来の香味又は香気に影響を与えることのないシトラールの減少抑制剤、並びに減少抑制方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、光によるシトラールの減少について詳細に検討した結果、特定の植物の溶媒抽出物、或いは特定の食品由来の成分をシトラール又はシトラールを含有する製品に配合することにより、シトラールの減少抑制効果に顕著な効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明は、シトラール又はシトラール含有製品の光照射によって発生する異臭が、主としてシトラールの光照射によって生成する特定の光環化反応生成物、すなわちシトラールに由来する特定の化合物による劣化臭であることを解明した研究成果に基づくものである(「第44回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会」平成12年9月15日〜17日;主催/日本化学会;共催/日本薬学会・日本農芸化学会)。かかる劣化臭の主要因である光環化反応生成物は、下記のとおりである。
【0008】
▲1▼ フォトシトラール(photocitral C)
(1R*,2S*,5S*)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.0]hexane-2-carboxaldehyde
▲2▼ フォトシトラール(photocitral D)
(1R*,2R*,5S*)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.0]hexane-2-carboxaldehyde
▲3▼ フォトシトラール(photocitral B)
(1R*,4S*,5R*)-1,6,6-trimethylbicyclo[2.1.1]hexane-5-carboxaldehyde
▲4▼ フォトシトラール(photocitral A)
(1S*,2S*,5S*)-2-isopropenyl-5-methylcyclopentan-1-aldehyde、及び
▲5▼ 2-(3-methyl-2-cyclopenten-1-yl)-2-methylpropanal
【0009】
従って、本発明のシトラールの減少抑制剤並びに減少抑制方法は、同時にそれぞれ光によるシトラール由来の劣化臭成分の生成抑制剤、その劣化臭成分の生成抑制方法として機能する。
【0010】
本発明は、シソ科メンタ(Mentha)属ミントの溶媒抽出物、キク科アルテミシア(Artemisia)属ヨモギの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属オレンジの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属レモンの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属グレープフルーツの溶媒抽出物、カフェー酸(caffeic acid)、フェルラ酸(ferulic acid)、シナピン酸(sinapic acid)、ロズマリン酸(rosmarinic acid)、ジカフェオイルキナ酸(dicaffeoyl quinic acid)類、クマル酸(cumaric acid)類、α−グルコシルルチン(α-glucosyl rutin:酵素処理ルチン)、クエルセチン(quercetin)、ミリシトリン(myricitrin)、クエルシトリン(quercitrin)、γ−オリザノール(γ−orizanol)、カンフェロール(kaempferol)、ヘスペレチン(hesperetin)、クリシン(chrysin)、ルテオリン−7−グリコシド(luteolin-7-glucoside)、6−ヒドロキシフラボン(6-hydroxyflavone)、7−ヒドロキシフラボン(7-hydroxyflavone)、プラトール(pratol)及び7,8−ジヒドロキシフラボン(7,8-dihydroxyflavone)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分であることを特徴とするシトラール又はシトラールを含有する製品中のシトラールの減少抑制剤である。
【0011】
また、上記減少抑制剤において、シトラール含有製品がシトラス飲料及びデザートから選ばれる食品であることを特徴とし、シトラール含有製品が香粧品であることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明はシトラール含有製品に、シソ科メンタ(Mentha)属ミントの溶媒抽出物、キク科アルテミシア(Artemisia)属ヨモギの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属オレンジの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属レモンの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属グレープフルーツの溶媒抽出物、カフェー酸(caffeic acid)、フェルラ酸(ferulic acid)、シナピン酸(sinapic acid)、ロズマリン酸(rosmarinic acid)、ジカフェオイルキナ酸(dicaffeoyl quinic acid)類、クマル酸(cumaric acid)類、α−グルコシルルチン(α-glucosyl rutin:酵素処理ルチン)、クエルセチン(quercetin)、ミリシトリン(myricitrin)、クエルシトリン(quercitrin)、γ−オリザノール(γ−orizanol)、カンフェロール(kaempferol)、ヘスペレチン(hesperetin)、クリシン(chrysin)、ルテオリン−7−グリコシド(luteolin-7-glucoside)、6−ヒドロキシフラボン(6-hydroxyflavone)、7−ヒドロキシフラボン(7-hydroxyflavone)、プラトール(pratol)及び7,8−ジヒドロキシフラボン(7,8-dihydroxyflavone)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を1〜500ppm配合することを特徴とするシトラール又はシトラールを含有する製品中のシトラールの減少抑制方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔1〕シトラールの減少抑制剤
シトラールの減少抑制剤としては人体への安全性の観点から、従来より食品や漢方薬に使用されている植物関連の天然物に由来するものが好ましい。こうした条件を満たすものとして、下記のミント、ヨモギ、オレンジ、レモン、グレープフルーツのそれぞれから溶媒を用いて抽出された各抽出物、若しくは食品中に存在するカフェー酸(caffeic acid)、フェルラ酸(ferulic acid)、シナピン酸(sinapic acid)、ロズマリン酸(rosmarinic acid)、ジカフェオイルキナ酸(dicaffeoyl quinic acid)類、クマル酸(cumaric acid)類、α−グルコシルルチン(α-glucosyl rutin:酵素処理ルチン)、クエルセチン(quercetin)、ミリシトリン(myricitrin)、クエルシトリン(quercitrin)、γ−オリザノール(γ−orizanol)、カンフェロール(kaempferol)、ヘスペレチン(hesperetin)、クリシン(chrysin)、ルテオリン−7−グリコシド(luteolin-7-glucoside)、6−ヒドロキシフラボン(6-hydroxyflavone)、7−ヒドロキシフラボン(7-hydroxyflavone)、プラトール(pratol)及び7,8−ジヒドロキシフラボン(7,8-dihydroxyflavone)から選ばれ、これらを2種以上併用することもできる。
【0014】
上記の中でミント等の植物の溶媒抽出物については下記の植物種が例示されるがそれに限定されるものではない。
▲1▼ミント:
ミズハッカ(学名:Mentha aquatica L.)
セイヨウハッカ(学名:Mentha piperita L.)
ペニロイアルハッカ(学名:Mentha pulegium L.)
マルバハッカ(学名:Mentha rotundifolia (L.)Huds.)
オランダハッカ(学名:Mentha spicata L)
ベルガモットハッカ(学名:Mentha citrata (Ehrh.)Briq.)
【0015】
▲2▼ヨモギ:
ヨモギ(学名:Artemisia princeps)
カズザキヨモギ(学名:Artemisia indica Willd. yar. maximowiczii (Nakai) Hara)
ヤマヨモギ(学名:Artemisia Montana(Nakai) Pamp.)
オトコヨモギ(学名:Artemisia japonica Thunb. ex Murray)
ホソバノオトコヨモギ(学名:Artemisia japonica Thunb. ex Murray f. resedifolica Takeda)
シロヨモギ(学名:Artemisia steleriana Bess)
ヒロハヤマヨモギ(学名:Artemisia stolonifera(Maxim.) Komarov)
ヒロハウラジロヨモギ(学名:Artemisia koidzumii Nakai)
イヌヨモギ(学名:Artemisia keiskeana Miq.)
サマニヨモギ(学名:Artemisia arctica Less)
キタダケヨモギ(学名:Artemisia kitadakensis Hara et Kitamura)
アサギリソウ(学名:Artemisia schmidtiana Maxim)
ヨモギナ(学名:Artemisia lactiflora Wall. ex DC.)
ヒメヨモギ(学名:Artemisia feddei Lev. et Vaniot)
ヒトツバヨモギ(学名:Artemisia monophylla Kitamura)
ミヤマオトヨモギ(学名:Artemisia pedunculosa Miq.)
タカネヨモギ(学名:Artemisia sinanesis Yabe)
ニガヨモギ(学名:Artemisia absinthium L.)
カワラニンジン(学名:Artemisia apiacea Hance)
カワラヨモギ(学名:Artemisia capillaries Thunb. ex Murray)
クソニンジン(学名:Artemisia annua L.)
【0016】
▲3▼オレンジ:(学名:Citrus nobikis f.deliciosa)
(学名:Citrus nobilis Lour.)
(学名:Citrus sinensis L.)
(学名:Citrus unshiu Marc.)
▲4▼レモン:(学名:Citrus limon Burm. Fil.)
▲5▼グレープフルーツ:(学名:Citrus paradisi Macf.)
【0017】
上記のうちミントについては、茎(枝幹)、葉を原材料として後述の抽出処理に付される。また、ヨモギについては葉を、オレンジ、レモン、グレープフルーツについては果皮を使用することが好ましい。
以下にミント、ヨモギ、オレンジ、レモン、グレープフルーツからの溶媒抽出物の製造に用いる溶媒と抽出法の一例を挙げるが、本発明に適用される抽出法は、下記の例に限定されるものではない。
【0018】
抽出処理に使用する溶媒は、水又は極性有機溶媒であり、有機溶媒は含水物であっても良い。
極性有機溶媒としては、アルコール、アセトン、酢酸エチル等が例示される。中でも人体への安全性と取扱性の観点から水またはエタノール、プロパノール、ブタノールのような炭素数2〜4の脂肪族アルコールが望ましく、特に、水又はエタノール又はこれらの混合物が望ましい。
【0019】
抽出に用いる溶媒の量は任意に選択できるが、一般には上記植物の原材料1重量部に対し溶媒量が2〜100重量部、好ましくは5〜20重量部を使用する。
なお、抽出の前処理としてヘキサン等の非極性有機溶媒であらかじめ脱脂処理をし、後の抽出処理時に余分な脂質が抽出されるのを防止してもよい。またこの脱脂処理で結果的に脱臭等の精製ができる場合がある。さらに、脱臭の目的で抽出前に水蒸気蒸留処理を施しても良い。
【0020】
抽出処理方法としては、抽出の対象となる原材料の種類、量等により種々の方法を採用することができる。
例えば前記各種植物を粉砕したものを溶媒中に入れ、浸漬法又は加熱還流法で抽出することができる。なお浸漬法による場合は加熱条件下、室温又は冷却条件下のいずれであってもよい。
次いで、溶媒不溶物を除去して抽出液を得るが、溶媒不溶物を除去する方法としては、遠心分離、濾過、圧搾等の各種の固液分離手段を適宜用いることができる。
【0021】
得られた抽出液はそのままでもシトラールの減少抑制剤成分として使用できるが、例えば、水、エタノール、グリセリン、トリエチルシトレート、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール等の液体希釈剤で適宜希釈して使用してもよい。さらに希釈剤等としてデキストリン、シュークロース、ペクチン、キチン等を加えることもできる。これらをさらに濃縮してペースト状の抽出エキスとしても、また凍結乾燥又は加熱乾燥などの処理を行い粉末として使用してもよい。
また超臨界抽出による抽出、分画、または脱臭処理したものも使用可能である。 なお、上記抽出物の市販品を使用してもよい。
【0022】
上記方法で得られた抽出物は、そのままシトラール含有食品に配合することができるが、さらに、脱色、脱臭等の精製処理をすることができる。
精製処理には活性炭や多孔性のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなる合成樹脂吸着剤などを使用することができる。かかる精製用の合成樹脂吸着剤としては、例えば三菱化学株式会社製「ダイヤイオンHP−20(商品名)」やオルガノ株式会社製「アンバーライトXAD−2(商品名)」等が例示される。
【0023】
また、上記植物抽出物以外のシトラール減少抑制剤である、カフェー酸(3,4−ジヒドロキシケイヒ酸)、フェルラ酸(4−ヒドロキシ−3−メトキシケイヒ酸)、シナピン酸(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシケイヒ酸)、ロズマリン酸、ジカフェオイルキナ酸類、クマル酸類、α−グルコシルルチン(酵素処理ルチン)、クエルセチン、ミリシトリン、クエルシトリン、γ−オリザノール、カンフェロール、ヘスペレチン、クリシン、ルテオリン−7−グリコシド、6−ヒドロキシフラボン、7−ヒドロキシフラボン、プラトール、7,8−ジヒドロキシフラボンは、それ自体既知の化合物であり、試薬又は市販品として入手可能である。これらは精製品でも未精製品でもよく、また、これらの成分を産出する植物、動物、微生物等天然物より得られた粗生成物であってもよく、さらにこれらの成分を含有する抽出物であってもよい。
【0024】
例えば、フェルラ酸、ロズマリン酸、α−グルコシルルチン(酵素処理ルチン)に関しては、築野ライスファインケミカルズ(株)製の「フェルラ酸」、東洋精糖(株)製の「αGルチンPS又はαGルチンP」(α−グルコシルルチン)、東京田辺製薬(株)製の「RM−21A」(ロズマリン酸)等の市販品を用いることができる。また、クエルセチンはルチン分解物としてアルプス薬品工業(株)から入手可能である。
【0025】
また、ジカフェオイルキナ酸類、カフェー酸に関しては、以下の抽出法で得ることができる。すなわち、粉砕したコーヒー生豆に10倍重量の含水エタノールを添加し、1〜3時間還流抽出する。冷却後不溶物を濾別し、減圧下で10〜20倍濃縮し、希塩酸を用いてpH2〜3に調製する。
調製液を前記多孔性の合成樹脂吸着剤に通液させジカフェオイルキナ酸類、カフェー酸を吸着させる。水で洗浄後、含水エタノールで脱着し、ジカフェオイルキナ酸、カフェー酸等を含有する抽出物を得ることができる。さらに分取高速液体クロマトグラフィーを用いて高純度の、ジカフェオイルキナ酸、カフェー酸を得ることができる。
【0026】
シトラールの減少抑制剤は、上記のとおり得られた抽出物、又はカフェー酸、フェルラ酸、シナピン酸、ロズマリン酸、ジカフェオイルキナ酸類、クマル酸類、α−グルコシルルチン(酵素処理ルチン)、クエルセチン、ミリシトリン、クエルシトリン、γ−オリザノール、カンフェロール、ヘスペレチン、クリシン、ルテオリン−7−グリコシド、6−ヒドロキシフラボン、7−ヒドロキシフラボン、プラトール及び7,8−ジヒドロキシフラボンの単品化合物を原材料として例えば以下のように調製される。
【0027】
一般的には各種成分を組み合わせて、例えば水、アルコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、トリエチルシトレート等の(混合)溶剤に適当な濃度で溶解させて(具体的には、水/エタノール、水/エタノール/グリセリン、水/グリセリン等の混合溶剤)液剤とする。また、各種成分の溶液に賦形剤、乳化剤等(デキストリン等)を添加し噴霧乾燥によりパウダー状にすることも可能であり、用途に応じて種々の剤形を採用することができる。
【0028】
〔2〕シトラールの減少抑制方法
本発明のシトラールの減少抑制剤をシトラール含有製品の加工段階で適宜添加することにより、製品中のシトラールの減少を抑制することができる。
抽出物であるミント、ヨモギ、オレンジ、レモン、グレープフルーツの添加量については特に制限はなく、使用する劣化抑制剤の成分の純度、あるいは添加対象の種類により異なるが、一般的に1〜500ppmの添加量が適当である。
食品の場合には、食品本来の香味・香気にほとんど影響を及ぼさない用量という観点から、抽出物の濃度は1〜100ppm、特に3〜50ppmが好ましい。
香粧品の場合には、その香気に影響を与えない用量という観点から、抽出物の濃度は1〜500ppmが好ましい。
【0029】
また、カフェー酸、フェルラ酸、シナピン酸、ロズマリン酸、ジカフェオイルキナ酸類、クマル酸類、α−グルコシルルチン(酵素処理ルチン)、クエルセチン、ミリシトリン、クエルシトリン、γ−オリザノール、カンフェロール、ヘスペレチン、クリシン、ルテオリン−7−グリコシド、6−ヒドロキシフラボン、7−ヒドロキシフラボン、プラトール及び7,8−ジヒドロキシフラボンの使用量についても特に制限はなく、使用する減少抑制剤の成分の純度、あるいは添加対象の製品の種類により異なるが、純度の高いものでは1〜500ppmが適当である。1〜100ppmの範囲が好ましい。
【0030】
またシトラール減少抑制剤を2種類以上混合するときの割合は、特に限定されるものではない。混合した減少抑制剤の添加量については、使用する減少抑制剤の成分の純度、あるいは添加対象の製品の種類により異なるが、純度の高いものでは、1〜500ppmが適当である。1〜100ppmの範囲が好ましい。
【0031】
〔3〕減少抑制剤又は減少抑制方法の適用の対象
本発明のシトラール減少抑制剤又は抑制方法を適用しうる製品としては、特に限定はしないが、例えば、食品では店頭陳列される場合が多い炭酸飲料、果汁、果汁飲料等のシトラス飲料、シトラール含有のヨーグルト、ゼリー、アイスクリーム等の冷菓、キャンディー、水飴等の菓子等、各種シトラス風味のドレッシング等が挙げられる。食品以外では、シトラールを含有する香水、化粧品、洗剤、石鹸、シャンプー、リンス、入浴剤、芳香剤等の香粧品が挙げられる。
また、食品への適用に当たっては、種々の食品原料(例えば、砂糖、醤油、塩等)及び各種食品添加物(例えば、調味料、酸味料等)に適当な濃度となるように混ぜ込んで使用してもよい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)抽出物
抽出物を以下のとおり調製した。
【0033】
〔抽出例1〕(ミント抽出物)
セイヨウハッカの乾燥葉1kgを8リットルのエタノールで2回還流抽出した。次いで、2回の抽出液の合液を、約0.5リットルまで減圧濃縮した。これに50重量%エタノール1.5 リットルを加え、ヘキサン(1リットル×3回)で液−液分配し、含水エタノール層を集めて減圧濃縮し、72g のエキスを得た。
このエキスを「ダイヤイオン」(三菱化学(株)製の多孔性樹脂「DIAION HP−20」)のカラムクロマトグラフィー(φ50×300mm )に付し、水、20%(v/v)エタノール、50%(v/v)エタノール、エタノール、アセトン(各4リットル)で順次溶出し、減圧濃縮して各々の溶出物を得た。
【0034】
以下それぞれ「ミント20%エタノール溶出物」、「ミント50%エタノール溶出物」と呼ぶ。物性は以下の通りであった。
a) 「ミント50%エタノール溶出物」の紫外線吸収スペクトルは図1に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.0クエン酸緩衝液)。
なお、測定機器は島津製作所製の「分光光度計UV−2100PC」を使用した(以下の各抽出例も同様)。
λmax:284,329nm
b) 溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに可溶
【0035】
〔抽出例2〕(ヨモギ抽出物)
乾燥ヨモギ葉500gに7.5kgの50重量%エタノールを添加し、1時間還流抽出した。冷却後、残渣を固液分離後、セライトろ過し不溶物を取り除いた。 濾液を減圧下で約2kgに濃縮後、不溶物をセライトろ過した。ろ液を前記多孔性樹脂であるHP20(500ml)に通した後、蒸留水2kgで洗浄した。
次に10重量%エタノール1kg、続いて30重量%エタノール4kgで脱着した。減圧下で30重量%エタノール溶出画分を約1kgまで濃縮後、フリーズドライし、淡褐色粉末20.1gを得た。
【0036】
以下「ヨモギ抽出物」と呼ぶ。物性は以下の通りであった。
a) 紫外線吸収スペクトルは図4に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)。
λmax:325nm
b) 溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに可溶
【0037】
〔抽出例3〕(オレンジ抽出物、ヘプタメトキシフラボン、タンゲリチン及びノビレチン)
オレンジ果皮を圧搾して得られた精油を減圧蒸留してリモネン等の揮発成分を除去した不揮発性のワックス様物質50gに50重量%エタノールを1000g添加し、55℃に達するまで加熱攪拌した。室温まで冷却後、分液し水―エタノール層を分取した。その溶液に活性炭1gを添加し室温で30分間攪拌後、不溶物をセライトろ過し除去した。エバポレーターによりアルコールを減圧除去した後、フリーズドライし10.5gの淡褐色粉末を得た。以下「オレンジ抽出物」と呼ぶ。物性は以下の通りであった。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/0→0/1)にて分離精製し、ヘプタメトキシフラボン、タンゲリチン、ノビレチンをそれぞれ5.1g、2.5g、1.7gの白色結晶を得た。
【0038】
▲1▼オレンジ抽出物
a) 紫外線吸収スペクトルは図5に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)。
λmax:254,335nm
b) 溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに易溶
【0039】
▲2▼ヘプタメトキシフラボン
a) 紫外線吸収スペクトルは図6に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)。
λmax:254,343nm
b) 溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに易溶
【0040】
▲3▼タンゲリチン
a) 紫外線吸収スペクトルは図7に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)。
λmax:268,330nm
b) 溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに易溶
【0041】
▲4▼ノビレチン
a) 紫外線吸収スペクトルは図8に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)。
λmax:268,337nm
b) 溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに易溶
【0042】
〔抽出例4〕(レモン抽出物)
レモン果皮を圧搾して得られた精油を減圧蒸留して揮発成分を除去した不揮発性のワックス様物質5gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1→1/1)にて分離した。各分画品のうち、シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で、ヘキサン/酢酸エチル=1/1で展開した時の移動率(Rf)=0.6に相当する分画分をエバポレーターで溶媒を除去し、ヘキサン/酢酸エチルを用いて再結晶することにより、白色結晶0.1gを得た。以下「レモン抽出物」と呼ぶ。物性は以下の通りであった。
【0043】
a) 紫外線吸収スペクトルは図9に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:酢酸エチル)。
λmax:255,320nm
b) 溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに易溶
【0044】
〔抽出例5〕(グレープフルーツ抽出物)
グレープフルーツ果皮を圧搾して得られた精油を減圧蒸留して揮発成分を除去した不揮発性のワックス様物質10gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1→1/1)にて分離した。各分画品のうち、シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で、ヘキサン/酢酸エチル=6/1で展開した時の移動率(Rf)=0.375に相当する分画分をエバポレーターで溶媒を除去し、ヘキサン/酢酸エチルを用いて再結晶することにより白色結晶0.7gを得た。以下「グレープフルーツ抽出物」と呼ぶ。物性は以下の通りであった。
【0045】
a) 紫外線吸収スペクトルは図10に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:酢酸エチル)。
λmax:320nm
b) 溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに易溶
【0046】
単品試薬として以下のものを使用した。
(1)カフェー酸
ナカライテスク(株)製のカフェー酸を使用した。
紫外線吸収スペクトルは図12に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
(2)フェルラ酸
ナカライテスク(株)製のフェルラ酸を使用した。
紫外線吸収スペクトルは図13に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0047】
(3)シナピン酸
ナカライテスク(株)製のシナピン酸を使用した。
紫外線吸収スペクトルは図14に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0048】
(4)ロズマリン酸
EXTRASYNTHESE社製「ロズマリン酸」を使用した。
紫外線吸収スペクトルは図15に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0049】
(5)3,5−ジカフェオイルキナ酸
コーヒー豆から単離したものを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図17に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0050】
(6)p−クマル酸
ナカライテスク(株)製のp−クマル酸を使用した。
紫外線吸収スペクトルは図18に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0051】
(7)α−グルコシルルチン
東洋精糖(株)製のα−グルコシルルチン(酵素処理ルチン)、商品名「αGルチンPS」(以下、αGルチンPSと略す)を使用した。
紫外線吸収スペクトルは図20に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0052】
(8)クエルセチン
ナカライテスク(株)製のクエルセチンを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図21に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)。
【0053】
(9)ミリシトリン
EXTRASYNTHESE(株)製のミリシトリンを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図22に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:95重量%エタノール)。
【0054】
(10)クエルシトリン
ナカライテスク(株)製のクエルシトリンを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図23に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0055】
(11)γ―オリザノール
ナカライテスク(株)製のγ―オリザノールを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図25に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:エタノール)
【0056】
(12)カンフェロール
EXTRASYNTHESE(株)製のカンフェロールを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図26に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:エタノール)
【0057】
(13)ヘスペレチン
EXTRASYNTHESE(株)製のヘスペリチンを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図27に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0058】
(14)クリシン
EXTRASYNTHESE(株)製のクリシンを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図28に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:エタノール)
【0059】
(15)ルテオリン−7−グリコシド
EXTRASYNTHESE(株)製のルテオリン−7−グリコシドを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図29に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:エタノール)
【0060】
(16)6−ヒドロキシフラボン
EXTRASYNTHESE(株)製の6−ヒドロキシフラボンを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図30に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0061】
(17)7−ヒドロキシフラボン
EXTRASYNTHESE(株)製の7−ヒドロキシフラボンを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図31に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0062】
(18)プラトール
EXTRASYNTHESE(株)製のプラトールを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図32に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:エタノール)
【0063】
(19)7,8−ジヒドロキシフラボン
EXTRASYNTHESE(株)製の7,8−ジヒドロキシフラボンを使用した。
紫外線吸収スペクトルは図33に示すとおりである(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:pH3.5クエン酸緩衝液)
【0064】
次に、上記シトラール減少抑制剤を添加したモデル飲料を作成し、シトラールの減少抑制効果を評価した。
〔試験例1.1〕
1/10Mクエン酸−1/5Mリン酸水素二ナトリウムで調整したpH3.5の緩衝溶液に、蔗糖5%、シトラール10ppm添加し酸性シトラール溶液を調整した。この溶液に各種シトラール減少抑制剤を10ppm添加し、50ml容量のガラスバイアル(テフロンキャップ付き)に各50g詰めた。
光安定性試験器(東京理化器械株式会社製「LST−300型」)中、15000ルクス(高照度型蛍光灯昼光色:40W×12本)にて14日間、10℃にて光照射した。
各酸性シトラール溶液をジクロロメタンで抽出後、ガスクロマトグラフィーにてシトラールの回収量を測定した。表1.1にシトラールの残存率を示した(無添加遮光条件でのシトラール回収量を100%とし相対値であらわした)。
【0065】
【表1】

Figure 0004933700
【0066】
上記の表1.1によりカフェー酸、フェルラ酸、シナピン酸、ロズマリン酸、ジカフェオイルキナ酸類(3,5-ジカフェオイルキナ酸)、クマル酸類(p−クマル酸)、α−グルコシルルチン(酵素処理ルチン)及びクエルシトリンを添加することにより、無添加および他の抗酸化物質である(−)−エピカテキンガレート、没食子酸、ビタミンCに比較しシトラールの光による減少抑制を非常に強く抑制した。
【0067】
〔試験例1.2〕
上記試験例1.1の光照射した各酸性シトラール溶液をジクロロメタンで抽出後、ガスクロマトグラフィーにてシトラール由来の劣化臭である(1R*,2S*,5S*)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.0]hexane-2-carboxaldehyde( =photocitral C)、(1R*,2R*,5S*)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.0]hexane-2-carboxaldehyde(= photocitral D)、(1R*,4S*,5R*)-1,6,6-trimethylbicyclo[2.1.1]hexane-5-carboxaldehyde( =photocitral B)、2-(3-methyl-2-cyclopenten-1-yl)-2-methylpropanal、(1S*,2S*,5S*)-2-isopropenyl-5-methylcyclopentan-1-aldehyde(=photocitral A)の生成量を測定した。表1.2に劣化臭の生成抑制率〔無添加品の光照射条件での劣化臭の生成量をA、生成抑制剤添加品の光照射条件下での劣化臭の生成量をBとし、生成抑制率(%)=100−B/A×100〕で表した。
【0068】
【表2】
Figure 0004933700
【0069】
上記の表1.2によりカフェー酸、フェルラ酸、シナピン酸、シナピン酸、ロズマリン酸、ジカフェオイルキナ酸類(3,5-ジカフェオイルキナ酸)、クマル酸類(p−クマル酸)、α−グルコシルルチン(酵素処理ルチン)、クエルシトリン、オレンジ抽出物、ヘプタメトキシフラボン、タンゲリチン及びノビレチンを添加することにより、無添加および他の抗酸化物質である(−)−エピカテキンガレート、没食子酸、ビタミンCに比較し、光によるシトラール由来の劣化臭の生成抑制を非常に強く抑制した。
【0070】
〔試験例2〕
砂糖35g、クエン酸0.35g 及びシトラール1gを含有する65重量%エタノール水溶液を準備した(全量1000ml )。この溶液を透明ガラス容器に入れ、表2に示す各種抽出物および化合物を200ppm添加し、光安定性試験器(東京理化器械株式会社製「LST−300型」)にて光照射を行った。条件は温度10℃、昼白色蛍光ランプ40W×12本(4000ルクス)及び360nm 近紫外線ランプ40W×3本(紫外線強度0.3mW/cm2)で72時間光照射した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて光照射後のシトラール含量を測定した。なお、測定条件は次のとおりである。
【0071】
(測定条件)
装 置:日立製作所製「HITACHI D−7000 HPLCシステム」
カラム:ナカライテスク社製「コスモシール 5C18−AR−11 」
(カラム温度40℃)
溶離液: 0分 アセトニトリル:蒸留水=10:90
25分 アセトニトリル:蒸留水=90:10
流 速:1ml/分
検出波長:254nm
表3におけるシトラール残存量(%)は以下の式にしたがって計算した。
シトラール残存量(%)= A/B × 100
(式中、Aは光照射後の試料中のシトラール含量を表し、Bは光照射前の
試料中のシトラール含量を表す。)
【0072】
【表3】
Figure 0004933700
【0073】
以上より、ミント、ヨモギ、オレンジ、レモン、グレープフルーツから溶媒抽出された各抽出物、γ−オリザノール、カンフェロール、ヘスペレチン、クリシン、ルテオリン−7−グリコシド、6−ヒドロキシフラボン、7−ヒドロキシフラボン、プラトール、p−クマル酸、シナピン酸、カフェー酸は無添加に比較しシトラールの減少抑制効果が非常に高かった。
【0074】
〔実施例1〕(ミント抽出物、オレンジ抽出物、レモン抽出物、グレープフルーツ抽出物の実施例:(レモン飲料))
グラニュー糖5g、クエン酸0.1g、レモン香料(シトラール含有品)0.1gおよび蒸留水にて全量100gに調整した。これに各種シトラール減少抑制剤であるミント抽出物1%溶液を0.1g添加し均一に攪拌した。同様にヨモギ抽出物、オレンジ抽出物、レモン抽出物、グレープフルーツ抽出物の1%溶液を添加した。それぞれガラス容器に充填し70℃、10分間加熱殺菌し、レモン飲料を作成した。
【0075】
〔実施例2〕(カフェー酸、フェルラ酸、シナピン酸、ロズマリン酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、p−クマル酸、α−グルコシルルチン(α−GルチンPS)の実施例:(殺菌乳酸菌飲料))
発酵乳原液20gに蒸留水を80gにて希釈した。レモン香料0.1gおよびカフェー酸の1%溶液を0.1g適量添加し、ガラス容器に充填後、殺菌(70℃、10分間)し完成した。フェルラ酸、シナピン酸、ロズマリン酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、p−クマル酸、α−グルコシルルチン(α−GルチンPS)についても同様に1%溶液を0.1g添加した。
【0076】
〔実施例3〕(クエルセチン、クエルシトリン、γ−オリザノール、カンフェロール、ヘスペレチン、クリシン、ルテオリン−7−グリコシド、6−ヒドロキシフラボン、7,8−ジヒドロキシフラボンの実施例(洗口剤))
下記の表3の処方により洗口剤を作成した。
【0077】
【表4】
Figure 0004933700
【0078】
上記クエルセチン入りの口腔洗浄剤と同様の処方にて、クエルシトリン、γ−オリザノール、カンフェロール、ヘスペレチン、クリスチン、ルテオリン−7−グリコシド、6−ヒドロキシフラボン、プラトール、7,8−ジヒドロキシフラボン入りの洗口剤を作成した。
【0079】
〔実施例4〕ミント抽出物、オレンジ抽出物、レモン抽出物、グレープフルーツ抽出物の実施例(化粧水)
下記の表4の処方により化粧水を調製した。
【0080】
【表5】
Figure 0004933700
【0081】
上記ミント抽出物入りの化粧水と同様にオレンジ抽出物、レモン抽出物、グレープフルーツ抽出物入りの化粧水を作成した。
【0082】
【発明の効果】
本発明のシトラールの減少抑制剤をシトラール含有香料、若しくはシトラール含有製品等に使用することにより、光によるシトラールの減少を効果的に抑制することができる。また、本発明のシトラールの減少抑制剤は、光によるシトラール由来の劣化臭の主要因である化合物、フォトシトラールA、B、C及びD等の生成を効果的に抑制することができるので、シトラール由来の劣化臭生成抑制剤として機能する。
よって、本発明のシトラールの減少抑制剤をの使用することによって、シトラール含有製品中のシトラールが製造、流通、保存期間中の各段階で光に暴露されることにより徐々に減少することを効率的に抑制でき、その結果、フレッシュ感が維持され且つ劣化臭の無い、長期間安定した品質のシトラール含有製品を提供することが可能となる。
また、本発明のシトラールの減少抑制剤は、植物由来の抽出物、或いは入手しやすい成分からなるので安価であり、製品への添加も容易に行うことができるので、シトラールの減少抑制方法として経済性にも優れる。
さらに、植物由来の抽出物、或いは元来、食品中に含まれている成分なので安全性が高く、しかも微量の濃度でシトラールの減少の抑制効果があるので食品を始めとする製品本来の香味や香気に影響を与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】抽出例1におけるミント50%エタノール溶出物の紫外線吸収スペクトル図である。
【図2】抽出例2におけるヨモギ抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。
【図3】抽出例3におけるオレンジ抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。
【図4】抽出例3におけるのヘプタメトキシフラボン紫外線吸収スペクトル図である。
【図5】抽出例3におけるタンゲリチンの紫外線吸収スペクトル図である。
【図6】抽出例3におけるノビレチンの紫外線吸収スペクトル図である。
【図7】抽出例4におけるレモン抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。
【図8】抽出例5におけるグレープフルーツ抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。
【図9】カフェー酸の紫外線吸収スペクトル図である。
【図10】フェルラ酸の紫外線吸収スペクトル図である。
【図11】シナピン酸の紫外線吸収スペクトル図である。
【図12】ロズマリン酸の紫外線吸収スペクトル図である。
【図13】3,5−ジカフェオイルキナ酸の紫外線吸収スペクトル図である。
【図14】p−クマル酸の紫外線吸収スペクトル図である。
【図15】α−グルコシルルチン(αGルチンPS)の紫外線吸収スペクトル図である。
【図16】クエルセチンの紫外線吸収スペクトル図である。
【図17】ミリシトリンの紫外線吸収スペクトル図である。
【図18】クエルシトリンの紫外線吸収スペクトル図である。
【図19】γ―オリザノールの紫外線吸収スペクトル図である。
【図20】カンフェロールの紫外線吸収スペクトル図である。
【図21】ヘスペリチンの紫外線吸収スペクトル図である。
【図22】クリシンの紫外線吸収スペクトル図である。
【図23】ルテオリン−7−グリコシドの紫外線吸収スペクトル図である。
【図24】6−ヒドロキシフラボンの紫外線吸収スペクトル図である。
【図25】7−ヒドロキシフラボンの紫外線吸収スペクトル図である。
【図26】プラトールの紫外線吸収スペクトル図である。
【図27】7,8−ジヒドロキシフラボンの紫外線吸収スペクトル図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a citral reduction inhibitor that can be widely applied to citral or products containing citral, and a citral reduction suppression method.
Here, the “product containing citral” in the present invention is a food (the food in the present invention is not particularly limited, and examples thereof include carbonated beverages, fruit juices, fruit juice beverages, milk beverages, tea beverages, etc. Examples include beverages, yogurt, pudding, jelly, ice cream and other frozen desserts, candy and syrups such as candy, etc.); food materials; or food additives such as flavors; It is a generic term for products that use citral as a flavor or aroma component, such as cosmetics such as fragrances and fragrances.
[0002]
[Prior art]
Citral is an important flavor component having a lemon-like characteristic aroma and flavor, but decreases with light irradiation. That is, it is known that the chemical structure of citral changes due to isomerization, oxidation, decomposition, etc., and as a result, changes to a deteriorated odor component (RC Cookson et al .; Tetrahedron, 19, 1995 (1963)).
Therefore, the citral content in products containing citral is gradually reduced by exposure to light at each stage of production, distribution, storage, etc., and the original fresh citrus feeling is lost and deteriorated odor. Increased ingredients are a major factor in product quality degradation.
[0003]
Conventionally, a container using a light-shielding material such as aluminum has been used as a citral-containing product in order to suppress the reduction of citral due to light. However, while aluminum and the like are excellent as a light-shielding material, there is a problem that the use cost is high.
On the other hand, recently, food and cosmetics in transparent glass containers, foods and cosmetics in transparent or semi-transparent plastic containers, and foods in transparent bags are increasing rapidly in order to improve the image of products at storefront displays. At convenience stores, supermarkets, etc., a sales form in which it is displayed under fluorescent light or sunlight for a long time has become common.
As a result, the reduction in product quality and the generation of off-flavors resulting from the reduction of citral and the generation of deteriorated odors are more problematic than in the past.
[0004]
Therefore, there is a need for an inexpensive method for suppressing citral reduction, while at the same time reducing the citral reduction due to light, and citral by using low-cost and easy-to-handle additives rather than developing expensive containers. Therefore, there is a demand for a method for suppressing the decrease.
Vitamin C is reported to be effective as an additive to suppress the reduction of light-induced citral (H. Tateba et al. The proceedings of the Eighth Weuruman Flavor Reserch Symposium, held in Reading, UK on 23-26 July 1996. p82-85). This is intended to suppress the reduction of citral by the radical scavenging effect of vitamin C.
[0005]
However, actually, even if vitamin C is used in a citral-containing product, the effect of suppressing the decrease in citral is not sufficient, and if used excessively, the original flavor of the product is impaired.
Therefore, when added to a product, it is highly effective in suppressing the reduction of citral, and it is safe and economical, and a new effect that produces a sufficient effect with a small amount of use that does not affect the original flavor and aroma of the product. There is a strong need for a type of citral reduction inhibitor or method.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the problems in the prior art, the present invention effectively reduces light-induced citral at each stage of production, distribution, storage, etc. of products containing citral, and effectively generates a citral-derived deteriorated odor. An object of the present invention is to provide a citral reduction inhibitor and a reduction suppression method that can be suppressed, have high safety, are excellent in economic efficiency, and do not affect the original flavor or aroma of the product.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of detailed investigations on the reduction of citral by light, the present inventors reduced the citral by adding a solvent extract of a specific plant or a specific food-derived ingredient to citral or a product containing citral. The present inventors have found that the suppression effect has a remarkable effect and have completed the present invention. In the present invention, the off-flavor generated by light irradiation of citral or a citral-containing product is a deteriorated odor caused by a specific photocyclization reaction product mainly generated by light irradiation of citral, that is, a specific compound derived from citral. ("44th Discussion Meeting on Fragrance, Terpene and Essential Oil Chemistry" September 15-17, 2000; Organizer / The Chemical Society of Japan; Co-organizer / Japan Pharmaceutical Association / Japanese Agricultural Arts Chemical Society). The photocyclization reaction product, which is the main cause of the deteriorated odor, is as follows.
[0008]
▲ 1 ▼ Photocitral C
(1R * , 2S * , 5S * ) -2,6,6-trimethylbicyclo [3.1.0] hexane-2-carboxaldehyde
▲ 2 ▼ Photocitral D
(1R * , 2R * , 5S * ) -2,6,6-trimethylbicyclo [3.1.0] hexane-2-carboxaldehyde
▲ 3 ▼ Photocitral (photocitral B)
(1R * , 4S * , 5R * ) -1,6,6-trimethylbicyclo [2.1.1] hexane-5-carboxaldehyde
▲ 4 ▼ photocitral (photocitral A)
(1S * , 2S * , 5S * ) -2-isopropenyl-5-methylcyclopentan-1-aldehyde, and
▲ 5 ▼ 2- (3-methyl-2-cyclopenten-1-yl) -2-methylpropanal
[0009]
Accordingly, the citral reduction inhibitor and the reduction suppression method of the present invention simultaneously function as a generation inhibitor of a deteriorated odor component derived from citral by light and a method of suppressing the generation of the deteriorated odor component, respectively.
[0010]
The present invention relates to a solvent extract of Mentha mint, a solvent extract of Artemisia mugwort, a solvent extract of Citrus orange, Citrus citrus orange, Citrus citrus ) Solvent extract of genus lemon, Citrus citrus grapefruit solvent extract, caffeic acid, ferulic acid, sinapic acid, rosmarinic acid, Dicaffeoyl quinic acids, cumaric acids, α-glucosyl rutin (enzyme-treated rutin), quercetin, myricitrin, quercitrin ), Γ-orizanol, campferol, hesperetin hesperetin, chrysin, luteolin-7-glycoside, 6-hydroxyflavone, 7-hydroxyflavone, platol and 7,8- It is a citral reduction inhibitor in citral or a product containing citral, which is at least one component selected from the group consisting of 7,8-dihydroxyflavone.
[0011]
In the above-mentioned reduction inhibitor, the citral-containing product is a food selected from citrus beverages and desserts, and the citral-containing product is a cosmetic product.
[0012]
Further, the present invention provides a citral-containing product, a solvent extract of Mentha mint, a solvent extract of Artemisia mugwort, a solvent extract of Citrus orange, Citrus citrus lemon extract, Citrus grapefruit solvent extract, caffeic acid, ferulic acid, sinapic acid, rosmarin Rosmarinic acid, dicaffeoyl quinic acid, cumaric acid, α-glucosyl rutin (enzyme-treated rutin), quercetin, myricitrin ), Quercitrin, γ-orizanol, camphoro Kaempferol, hesperetin, chrysin, luteolin-7-glycoside, 6-hydroxyflavone, 7-hydroxyflavone, plateol ( citral or reduction of citral in a product containing citral, characterized by containing 1 to 500 ppm of at least one component selected from the group consisting of pratol) and 7,8-dihydroxyflavone It is a suppression method.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[1] Citral reduction inhibitor
As the citral reduction inhibitor, those derived from plant-related natural products conventionally used in foods and traditional Chinese medicines are preferred from the viewpoint of safety to the human body. In order to satisfy these conditions, each of the following mint, mugwort, orange, lemon, grapefruit extracts extracted with a solvent, or caffeic acid, ferulic acid (ferulic acid) present in food ), Sinapic acid, rosmarinic acid, dicaffeoyl quinic acid, cumaric acid, α-glucosyl rutin (α-glucosyl rutin) , Quercetin, myricitrin, quercitrin, γ-orizanol, kaempferol, hesperetin, chrysin, luteolin-7-glycoside -7-glucoside), 6-hydroxyflavone, 7-hydroxyflavone flavone), plateol (pratol) and 7,8-dihydroxyflavone (7,8-dihydroxyflavone), and two or more of these may be used in combination.
[0014]
Among the above, examples of the solvent extract of plants such as mint include the following plant species, but are not limited thereto.
(1) Mint:
Mizuhakka (scientific name: Mentha aquatica L.)
Atlantic mint (scientific name: Mentha piperita L.)
Peniloyal mint (Scientific name: Mentha pulegium L.)
Malbahakka (scientific name: Mentha rotundifolia (L.) Huds.)
Dutch mint (scientific name: Mentha spicata L)
Bergamot mint (scientific name: Mentha citrata (Ehrh.) Briq.)
[0015]
(2) Artemisia:
Mugwort (scientific name: Artemisia princeps)
Kazuzaki mugwort (scientific name: Artemisia indica Willd. Yar. Maximowiczii (Nakai) Hara)
Yamamomogi (scientific name: Artemisia Montana (Nakai) Pamp.)
Otokomomogi (scientific name: Artemisia japonica Thunb. Ex Murray)
Artemisia japonica Thunb. Ex Murray f. Resedifolica Takeda
White mugwort (scientific name: Artemisia steleriana Bess)
Hirohayama Artemisia (scientific name: Artemisia stolonifera (Maxim.) Komarov)
Hirohajiro mugwort (scientific name: Artemisia koidzumii Nakai)
Dogwood Artillery (Scientific name: Artemisia keiskeana Miq.)
Samanimo Artemisia (Scientific name: Artemisia arctica Less)
Artemisia kitadakensis Hara et Kitamura (Scientific name: Artemisia kitadakensis)
Asagiri (scientific name: Artemisia schmidtiana Maxim)
Momogina (scientific name: Artemisia lactiflora Wall. Ex DC.)
Hinodegi (scientific name: Artemisia feddei Lev. Et Vaniot)
Hitomogi (Scientific name: Artemisia monophylla Kitamura)
Miyama Otomugi (scientific name: Artemisia pedunculosa Miq.)
Takane mugwort (scientific name: Artemisia sinanesis Yabe)
Japanese wormwood (scientific name: Artemisia absinthium L.)
Chinese carrot (scientific name: Artemisia apiacea Hance)
Kawara mugwort (scientific name: Artemisia capillaries Thunb. Ex Murray)
Ginseng (scientific name: Artemisia annua L.)
[0016]
(3) Orange: (Scientific name: Citrus nobikis f.deliciosa)
(Scientific name: Citrus nobilis Lour.)
(Scientific name: Citrus sinensis L.)
(Scientific name: Citrus unshiu Marc.)
(4) Lemon: (Scientific name: Citrus limon Burm. Fil.)
(5) Grapefruit: (Scientific name: Citrus paradisi Macf.)
[0017]
Among the above, mint is subjected to an extraction process described later using stems (branch trunks) and leaves as raw materials. Moreover, it is preferable to use a leaf for mugwort and a skin for orange, lemon and grapefruit.
Examples of solvents and extraction methods used in the production of solvent extracts from mint, mugwort, orange, lemon, grapefruit are listed below, but the extraction methods applied to the present invention are not limited to the following examples. .
[0018]
The solvent used for the extraction treatment is water or a polar organic solvent, and the organic solvent may be a hydrate.
Examples of the polar organic solvent include alcohol, acetone, ethyl acetate and the like. Among these, water or an aliphatic alcohol having 2 to 4 carbon atoms such as ethanol, propanol, and butanol is desirable from the viewpoint of safety to the human body and handleability, and water, ethanol, or a mixture thereof is particularly desirable.
[0019]
The amount of the solvent used for the extraction can be arbitrarily selected, but generally the amount of the solvent is 2 to 100 parts by weight, preferably 5 to 20 parts by weight based on 1 part by weight of the plant raw material.
In addition, as a pretreatment for extraction, degreasing treatment may be performed in advance with a nonpolar organic solvent such as hexane to prevent excess lipid from being extracted during the subsequent extraction treatment. Further, this degreasing treatment may result in purification such as deodorization. Furthermore, a steam distillation treatment may be performed before extraction for the purpose of deodorization.
[0020]
As the extraction processing method, various methods can be adopted depending on the type, amount, etc. of the raw material to be extracted.
For example, what grind | pulverized the said various plants can be put in a solvent, and it can extract by the immersion method or a heating reflux method. In the case of the immersion method, any of heating conditions, room temperature or cooling conditions may be used.
Subsequently, the solvent insoluble matter is removed to obtain an extract. As a method for removing the solvent insoluble matter, various solid-liquid separation means such as centrifugation, filtration, and pressing can be used as appropriate.
[0021]
The obtained extract can be used as a citral reduction inhibitor component as it is, but it can be used by appropriately diluting it with a liquid diluent such as water, ethanol, glycerin, triethyl citrate, dipropylene glycol, propylene glycol, etc. Also good. Furthermore, dextrin, sucrose, pectin, chitin and the like can be added as a diluent. These may be further concentrated to obtain a paste-like extract, or may be used as a powder after treatment such as freeze-drying or heat-drying.
Moreover, what was extracted, fractionated, or deodorized by supercritical extraction can also be used. In addition, you may use the commercial item of the said extract.
[0022]
The extract obtained by the above method can be directly blended into a citral-containing food, but can be further subjected to purification treatment such as decolorization and deodorization.
For the purification treatment, activated carbon or a synthetic resin adsorbent made of porous styrene-divinylbenzene copolymer can be used. Examples of the synthetic resin adsorbent for purification include “Diaion HP-20 (trade name)” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation and “Amberlite XAD-2 (trade name)” manufactured by Organo Corporation.
[0023]
Moreover, caffeic acid (3,4-dihydroxycinnamic acid), ferulic acid (4-hydroxy-3-methoxycinnamic acid), sinapinic acid (3,5-dimethoxy-) which are inhibitors of citral reduction other than the plant extract 4-hydroxycinnamic acid), rosmarinic acid, dicaffeoylquinic acids, coumaric acids, α-glucosylrutin (enzyme-treated rutin), quercetin, myricitrin, quercitrin, γ-oryzanol, camphorol, hesperetin, chrysin, luteolin- 7-Glycoside, 6-hydroxyflavone, 7-hydroxyflavone, plateol and 7,8-dihydroxyflavone are known compounds per se and are available as reagents or commercial products. These may be refined products or immature products, and may be crude products obtained from natural products such as plants, animals, and microorganisms that produce these components, and are extracts containing these components. There may be.
[0024]
For example, regarding ferulic acid, rosmarinic acid, and α-glucosyl rutin (enzyme-treated rutin), “Ferulic acid” manufactured by Tsukino Rice Fine Chemicals Co., Ltd. Commercial products such as (α-glucosyl rutin) and “RM-21A” (rosmarinic acid) manufactured by Tokyo Tanabe Seiyaku Co., Ltd. can be used. Quercetin is also available from Alps Pharmaceutical Co., Ltd. as a rutin degradation product.
[0025]
Further, dicaffeoylquinic acids and caffeic acid can be obtained by the following extraction method. That is, 10 times the weight of water-containing ethanol is added to the ground coffee beans, and reflux extraction is performed for 1 to 3 hours. After cooling, the insoluble material is filtered off, concentrated 10 to 20 times under reduced pressure, and adjusted to pH 2-3 using dilute hydrochloric acid.
The prepared solution is passed through the porous synthetic resin adsorbent to adsorb dicaffeoylquinic acids and caffeic acid. After washing with water, desorption with water-containing ethanol can be performed to obtain an extract containing dicaffeoylquinic acid, caffeic acid and the like. Further, high-purity dicaffeoylquinic acid and caffeic acid can be obtained using preparative high performance liquid chromatography.
[0026]
The citral reduction inhibitor is an extract obtained as described above, or caffeic acid, ferulic acid, sinapinic acid, rosmarinic acid, dicaffeoylquinic acids, coumaric acids, α-glucosylrutin (enzyme-treated rutin), quercetin, A single compound of myricitrin, quercitrin, γ-oryzanol, camphorol, hesperetin, chrysin, luteolin-7-glycoside, 6-hydroxyflavone, 7-hydroxyflavone, plateol and 7,8-dihydroxyflavone is used as a raw material. It is prepared as follows.
[0027]
Generally, various components are combined and dissolved in an appropriate concentration in a (mixed) solvent such as water, alcohol, glycerin, dipropylene glycol, propylene glycol, or triethyl citrate (specifically, water / ethanol Water / ethanol / glycerin, mixed solvent of water / glycerin, etc.) solution. It is also possible to add excipients, emulsifiers and the like (dextrin etc.) to the solution of various components and form a powder by spray drying, and various dosage forms can be adopted depending on the application.
[0028]
[2] Citral reduction control method
By appropriately adding the citral reduction inhibitor of the present invention at the processing stage of the citral-containing product, it is possible to suppress the reduction of citral in the product.
There are no particular restrictions on the amount of mint, mugwort, orange, lemon, grapefruit added as an extract, and it varies depending on the purity of the component of the deterioration inhibitor used or the type of addition target, but generally 1 to 500 ppm is added. The amount is appropriate.
In the case of food, the concentration of the extract is preferably 1 to 100 ppm, particularly 3 to 50 ppm from the viewpoint of a dose that hardly affects the original flavor and aroma of the food.
In the case of a cosmetic, the concentration of the extract is preferably 1 to 500 ppm from the viewpoint of a dose that does not affect the aroma.
[0029]
Also, caffeic acid, ferulic acid, sinapinic acid, rosmarinic acid, dicaffeoylquinic acid, coumaric acid, α-glucosylrutin (enzyme-treated rutin), quercetin, myricitrin, quercitrin, γ-oryzanol, camferol, hesperetin, There are no particular restrictions on the amount of chrysin, luteolin-7-glycoside, 6-hydroxyflavone, 7-hydroxyflavone, plateol and 7,8-dihydroxyflavone used. Although it varies depending on the type of product, 1 to 500 ppm is appropriate for high purity products. A range of 1 to 100 ppm is preferred.
[0030]
Moreover, the ratio when mixing two or more kinds of citral reduction inhibitors is not particularly limited. About the addition amount of the mixed reduction inhibitor, although it changes with the purity of the component of the reduction inhibitor to be used, or the kind of the product of addition object, 1-500 ppm is suitable with a high purity thing. A range of 1 to 100 ppm is preferred.
[0031]
[3] Target of application of reduction inhibitor or reduction suppression method
The product to which the citral reduction inhibitor or the suppression method of the present invention can be applied is not particularly limited, but, for example, carbonated drinks, fruit juices, fruit juice drinks, and other citrus drinks that are often displayed in stores, containing citral Examples include frozen confectionery such as yogurt, jelly and ice cream, confectionery such as candy and syrup, and various citrus-flavored dressings. In addition to foods, citral-containing perfumes, cosmetics, detergents, soaps, shampoos, rinses, bathing agents, fragrances and other cosmetics are listed.
In addition, when applied to food, it is used by mixing it with various food ingredients (eg, sugar, soy sauce, salt, etc.) and various food additives (eg, seasonings, acidulants, etc.) so as to have an appropriate concentration. May be.
[0032]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated further in detail based on an Example, this invention is not limited to these Examples.
(1) Extract
The extract was prepared as follows.
[0033]
[Extraction Example 1] (Mint extract)
1 kg of dried mint leaves were refluxed and extracted twice with 8 liters of ethanol. Next, the combined solution of the two extracts was concentrated under reduced pressure to about 0.5 liter. To this was added 1.5 liters of 50% by weight ethanol, and liquid-liquid partition was performed with hexane (1 liter × 3 times), and the aqueous ethanol layer was collected and concentrated under reduced pressure to obtain 72 g of extract.
This extract was subjected to column chromatography (φ50 × 300 mm) of “Diaion” (a porous resin “DIAION HP-20” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation), water, 20% (v / v) ethanol, 50 Each eluate was obtained by sequentially eluting with% (v / v) ethanol, ethanol and acetone (4 liters each) and concentrating under reduced pressure.
[0034]
Hereinafter, they are referred to as “mint 20% ethanol eluate” and “mint 50% ethanol eluate”, respectively. The physical properties were as follows.
a) The ultraviolet absorption spectrum of “eluted with 50% ethanol” is as shown in FIG. 1 (measured concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.0 citrate buffer).
Note that “Spectrophotometer UV-2100PC” manufactured by Shimadzu Corporation was used as the measuring instrument (the same applies to the following extraction examples).
λmax: 284,329 nm
b) Solubility: soluble in water, easily soluble in 50 wt% ethanol, soluble in ethanol
[0035]
[Extraction Example 2] (Mugwort extract)
7.5 kg of 50 wt% ethanol was added to 500 g of dried mugwort leaves, and the mixture was reflux extracted for 1 hour. After cooling, the residue was separated into solid and liquid and filtered through Celite to remove insolubles. The filtrate was concentrated to about 2 kg under reduced pressure, and the insoluble material was filtered through Celite. The filtrate was passed through the porous resin HP20 (500 ml) and then washed with 2 kg of distilled water.
Next, it was desorbed with 1 kg of 10 wt% ethanol, followed by 4 kg of 30 wt% ethanol. The 30% by weight ethanol elution fraction was concentrated to about 1 kg under reduced pressure and freeze-dried to obtain 20.1 g of a light brown powder.
[0036]
Hereinafter, it will be referred to as “mugwort extract”. The physical properties were as follows.
a) The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 4 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
λmax: 325nm
b) Solubility: soluble in water, readily soluble in 50 wt% ethanol, soluble in ethanol
[0037]
[Extraction Example 3] (Orange extract, heptamethoxyflavone, tangerine and nobiletin)
1000 g of 50 wt% ethanol was added to 50 g of a non-volatile wax-like substance from which volatile components such as limonene were removed by distillation under reduced pressure, and the essential oil obtained by squeezing orange peel was heated and stirred until reaching 55 ° C. After cooling to room temperature, the solution was separated and a water-ethanol layer was separated. 1 g of activated carbon was added to the solution, and the mixture was stirred at room temperature for 30 minutes. The alcohol was removed under reduced pressure by an evaporator, and then freeze-dried to obtain 10.5 g of a light brown powder. Hereinafter referred to as “orange extract”. The physical properties were as follows. Further, separation and purification by silica gel column chromatography (hexane / ethyl acetate = 1/0 → 0/1) gave 5.1 g, 2.5 g and 1.7 g of white crystals of heptamethoxyflavone, tangerine and nobiletin, respectively. It was.
[0038]
(1) Orange extract
a) The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 5 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
λmax: 254, 335 nm
b) Solubility: Soluble in water, easily soluble in 50 wt% ethanol, easily soluble in ethanol
[0039]
(2) Heptamethoxyflavone
a) The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 6 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
λmax: 254,343 nm
b) Solubility: Soluble in water, easily soluble in 50 wt% ethanol, easily soluble in ethanol
[0040]
(3) Tangerine
a) The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 7 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
λmax: 268,330 nm
b) Solubility: Soluble in water, easily soluble in 50 wt% ethanol, easily soluble in ethanol
[0041]
(4) Nobiletin
a) The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 8 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
λmax: 268,337 nm
b) Solubility: Soluble in water, easily soluble in 50 wt% ethanol, easily soluble in ethanol
[0042]
[Extraction Example 4] (lemon extract)
The essential oil obtained by squeezing lemon peel was distilled under reduced pressure to remove volatile components, and 5 g of a non-volatile wax-like substance was separated by silica gel column chromatography (hexane / ethyl acetate = 10/1 → 1/1). . Among the fractions, the fraction corresponding to the transfer rate (Rf) = 0.6 when developed with hexane / ethyl acetate = 1/1 on silica gel thin layer chromatography was removed with an evaporator. By recrystallization using hexane / ethyl acetate, 0.1 g of white crystals was obtained. Hereinafter referred to as “lemon extract”. The physical properties were as follows.
[0043]
a) The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 9 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: ethyl acetate).
λmax: 255,320nm
b) Solubility: Soluble in water, easily soluble in 50 wt% ethanol, easily soluble in ethanol
[0044]
[Extraction Example 5] (Grapefruit extract)
The essential oil obtained by pressing grapefruit peel was distilled under reduced pressure to remove 10 g of non-volatile wax-like substance from which volatile components were removed by silica gel column chromatography (hexane / ethyl acetate = 10/1 → 1/1). . Among the fractions, the fraction corresponding to the mobility (Rf) = 0.375 when developed with hexane / ethyl acetate = 6/1 on silica gel thin layer chromatography was removed with an evaporator. Then, 0.7 g of white crystals were obtained by recrystallization using hexane / ethyl acetate. Hereinafter referred to as “grapefruit extract”. The physical properties were as follows.
[0045]
a) The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 10 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: ethyl acetate).
λmax: 320 nm
b) Solubility: Soluble in water, easily soluble in 50 wt% ethanol, easily soluble in ethanol
[0046]
The following were used as single reagent.
(1) Caffeic acid
Caffeic acid manufactured by Nacalai Tesque Co., Ltd. was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 12 (measurement concentration: 20 ppm, dilution solvent: pH 3.5 citrate buffer)
(2) Ferulic acid
Ferulic acid manufactured by Nacalai Tesque was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 13 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer)
[0047]
(3) Sinapic acid
Sinapic acid manufactured by Nacalai Tesque was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 14 (measured concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
[0048]
(4) Rosmarinic acid
“Rosmarinic acid” manufactured by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 15 (measurement concentration: 20 ppm, dilution solvent: pH 3.5 citrate buffer)
[0049]
(5) 3,5-dicaffeoylquinic acid
What was isolated from coffee beans was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 17 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer)
[0050]
(6) p-coumaric acid
P-Coumaric acid manufactured by Nacalai Tesque was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 18 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
[0051]
(7) α-Glucosylrutin
Α-Glucosylrutin (enzyme-treated rutin) manufactured by Toyo Seika Co., Ltd. and trade name “αG rutin PS” (hereinafter abbreviated as αG rutin PS) were used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 20 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
[0052]
(8) Quercetin
Quercetin manufactured by Nacalai Tesque Co., Ltd. was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 21 (measured concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
[0053]
(9) Myricitrin
Myrytcitrin manufactured by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 22 (measured concentration: 20 ppm, diluting solvent: 95 wt% ethanol).
[0054]
(10) Quercitrin
Quercitrin manufactured by Nacalai Tesque was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 23 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
[0055]
(11) γ-Oryzanol
Γ-Oryzanol manufactured by Nacalai Tesque Co., Ltd. was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 25 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: ethanol).
[0056]
(12) Camperol
Camphorol made by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 26 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: ethanol).
[0057]
(13) Hesperetin
Hesperitin manufactured by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 27 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
[0058]
(14) Chrysin
Chrysin made by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 28 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: ethanol).
[0059]
(15) Luteolin-7-glycoside
Luteolin-7-glycoside manufactured by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 29 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: ethanol).
[0060]
(16) 6-hydroxyflavone
A 6-hydroxyflavone manufactured by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 30 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
[0061]
(17) 7-Hydroxyflavone
A 7-hydroxyflavone manufactured by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 31 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer)
[0062]
(18) Plateol
A plateau manufactured by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 32 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: ethanol).
[0063]
(19) 7,8-dihydroxyflavone
7,8-dihydroxyflavone manufactured by EXTRASYNTHESE was used.
The ultraviolet absorption spectrum is as shown in FIG. 33 (measurement concentration: 20 ppm, diluting solvent: pH 3.5 citrate buffer).
[0064]
Next, the model drink which added the said citral reduction inhibitor was created, and the reduction suppression effect of citral was evaluated.
[Test Example 1.1]
An acidic citral solution was prepared by adding 5% sucrose and 10 ppm citral to a pH 3.5 buffer solution adjusted with 1/10 M citric acid-1 / 5 M disodium hydrogen phosphate. 10 ppm of various citral reduction inhibitors were added to this solution, and 50 g each was filled in a 50 ml capacity glass vial (with a Teflon cap).
In a light stability tester (“LST-300 type” manufactured by Tokyo Rika Kikai Co., Ltd.), light irradiation was performed at 10 ° C. for 14 days with 15000 lux (high illumination fluorescent lamp daylight color: 40 W × 12).
After each acidic citral solution was extracted with dichloromethane, the amount of citral recovered was measured by gas chromatography. Table 1.1 shows the residual ratio of citral (represented as a relative value assuming that the amount of citral recovered under the additive-free shading condition is 100%).
[0065]
[Table 1]
Figure 0004933700
[0066]
According to Table 1.1 above, caffeic acid, ferulic acid, sinapinic acid, rosmarinic acid, dicaffeoylquinic acid (3,5-dicaffeoylquinic acid), coumaric acids (p-coumaric acid), α-glucosylrutin ( Addition of enzyme-treated rutin) and quercitrin suppresses the reduction of citral by light compared to additive-free and other antioxidants (-)-epicatechin gallate, gallic acid, and vitamin C. did.
[0067]
[Test Example 1.2]
Each acidic citral solution irradiated with light in Test Example 1.1 was extracted with dichloromethane and then deteriorated by citral by gas chromatography (1R * , 2S * , 5S * ) -2,6,6-trimethylbicyclo [3.1.0] hexane-2-carboxaldehyde (= photocitral C), (1R * , 2R * , 5S * ) -2,6,6-trimethylbicyclo [3.1.0] hexane-2-carboxaldehyde (= photocitral D), (1R * , 4S * , 5R * ) -1,6,6-trimethylbicyclo [2.1.1] hexane-5-carboxaldehyde (= photocitral B), 2- (3-methyl-2-cyclopenten-1-yl) -2-methylpropanal, (1S * , 2S * , 5S * ) -2-isopropenyl-5-methylcyclopentan-1-aldehyde (= photocitral A) was measured. Table 1.2 shows the generation inhibition rate of deteriorated odors [A is the generation amount of deteriorated odors under the light irradiation conditions of additive-free products, and B is the amount of generation of deteriorated odors under the light irradiation conditions of products with added production inhibitors. Production inhibition rate (%) = 100−B / A × 100].
[0068]
[Table 2]
Figure 0004933700
[0069]
According to Table 1.2 above, caffeic acid, ferulic acid, sinapinic acid, sinapinic acid, rosmarinic acid, dicaffeoylquinic acid (3,5-dicaffeoylquinic acid), coumaric acids (p-coumaric acid), α- By adding glucosylrutin (enzyme-treated rutin), quercitrin, orange extract, heptamethoxyflavone, tangerine and nobiletin, there are no additives and other antioxidants (-)-epicatechin gallate, gallic acid, vitamins Compared to C, the production suppression of citral-derived deteriorated odor by light was very strongly suppressed.
[0070]
[Test Example 2]
A 65 wt% aqueous ethanol solution containing 35 g of sugar, 0.35 g of citric acid and 1 g of citral was prepared (total amount 1000 ml). This solution was put into a transparent glass container, 200 ppm of various extracts and compounds shown in Table 2 were added, and light irradiation was performed with a light stability tester (“LST-300 type” manufactured by Tokyo Rika Kikai Co., Ltd.). The conditions are: temperature 10 ° C., white fluorescent lamp 40W × 12 (4000 lux) and 360 nm near ultraviolet lamp 40W × 3 (ultraviolet intensity 0.3 mW / cm 2 ) For 72 hours. The citral content after light irradiation was measured by high performance liquid chromatography (HPLC). The measurement conditions are as follows.
[0071]
(Measurement condition)
Equipment: “HITACHI D-7000 HPLC system” manufactured by Hitachi, Ltd.
Column: “Cosmo Seal 5C18-AR-11” manufactured by Nacalai Tesque
(Column temperature 40 ° C)
Eluent: 0 minutes Acetonitrile: Distilled water = 10: 90
25 minutes Acetonitrile: distilled water = 90: 10
Flow rate: 1ml / min
Detection wavelength: 254 nm
The citral residual amount (%) in Table 3 was calculated according to the following formula.
Residual amount of citral (%) = A / B × 100
(In the formula, A represents the citral content in the sample after light irradiation, and B represents that before light irradiation.
It represents the citral content in the sample. )
[0072]
[Table 3]
Figure 0004933700
[0073]
From the above, each extract extracted from mint, mugwort, orange, lemon, grapefruit, γ-oryzanol, camferol, hesperetin, chrysin, luteolin-7-glycoside, 6-hydroxyflavone, 7-hydroxyflavone, plateol, P-coumaric acid, sinapic acid, and caffeic acid had a very high effect of suppressing the reduction of citral compared to the case of no addition.
[0074]
[Example 1] (Examples of mint extract, orange extract, lemon extract, grapefruit extract: (lemon beverage))
The total amount was adjusted to 100 g with 5 g of granulated sugar, 0.1 g of citric acid, 0.1 g of lemon flavor (citral-containing product) and distilled water. To this, 0.1 g of a 1% mint extract solution, which is a citral reduction inhibitor, was added and stirred uniformly. Similarly, a 1% solution of mugwort extract, orange extract, lemon extract and grapefruit extract was added. Each was filled in a glass container and sterilized by heating at 70 ° C. for 10 minutes to prepare a lemon beverage.
[0075]
[Example 2] (Examples of caffeic acid, ferulic acid, sinapinic acid, rosmarinic acid, 3,5-dicaffeoylquinic acid, p-coumaric acid, α-glucosyl rutin (α-G rutin PS): (bactericidal) Lactic acid bacteria beverage))
Distilled water was diluted with 80 g to 20 g of the fermented milk stock solution. An appropriate amount of 0.1 g of lemon flavor and 0.1 g of caffeic acid solution was added, filled into a glass container, and sterilized (70 ° C., 10 minutes) to complete. For ferulic acid, sinapinic acid, rosmarinic acid, 3,5-dicaffeoylquinic acid, p-coumaric acid, and α-glucosylrutin (α-G rutin PS), 0.1 g of a 1% solution was similarly added.
[0076]
Example 3 (Examples of quercetin, quercitrin, γ-oryzanol, camphorol, hesperetin, chrysin, luteolin-7-glycoside, 6-hydroxyflavone, 7,8-dihydroxyflavone (mouth wash))
A mouthwash was prepared according to the formulation in Table 3 below.
[0077]
[Table 4]
Figure 0004933700
[0078]
Washing with quercitrin, γ-oryzanol, camphorol, hesperetin, kristin, luteolin-7-glycoside, 6-hydroxyflavone, plateol, 7,8-dihydroxyflavone with the same formulation as the above oral cleanser containing quercetin An oral preparation was made.
[0079]
[Example 4] Examples of mint extract, orange extract, lemon extract, grapefruit extract (skin lotion)
A lotion was prepared according to the formulation shown in Table 4 below.
[0080]
[Table 5]
Figure 0004933700
[0081]
A lotion containing an orange extract, a lemon extract and a grapefruit extract was prepared in the same manner as the lotion containing the mint extract.
[0082]
【Effect of the invention】
By using the citral reduction inhibitor of the present invention for a citral-containing fragrance, a citral-containing product, or the like, the reduction of citral due to light can be effectively suppressed. Moreover, since the citral reduction inhibitor of the present invention can effectively suppress the generation of compounds, photocitrals A, B, C, D, and the like, which are the main causes of deterioration odors derived from citral by light, citral Functions as a deterioration odor generation inhibitor.
Therefore, by using the citral reduction inhibitor of the present invention, it is efficient that citral in citral-containing products is gradually reduced by exposure to light at each stage during production, distribution, and storage. As a result, it is possible to provide a citral-containing product with a stable quality for a long period of time, which maintains a fresh feeling and has no deterioration odor.
Further, the citral reduction inhibitor of the present invention is inexpensive because it consists of a plant-derived extract or an easily available component, and can be easily added to a product, so it is an economical method for suppressing citral reduction. Excellent in properties.
Furthermore, since it is a plant-derived extract or a component originally contained in foods, it is highly safe and has an effect of suppressing the reduction of citral at a very small concentration. Does not affect fragrance.
[Brief description of the drawings]
1 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of an eluate of mint 50% ethanol in Extraction Example 1. FIG.
FIG. 2 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of a mugwort extract in Extraction Example 2.
3 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of an orange extract in Extraction Example 3. FIG.
4 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of heptamethoxyflavone in Extraction Example 3. FIG.
5 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of tangelitin in Extraction Example 3. FIG.
6 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of nobiletin in Extraction Example 3. FIG.
7 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of a lemon extract in Extraction Example 4. FIG.
8 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of a grapefruit extract in Extraction Example 5. FIG.
FIG. 9 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of caffeic acid.
FIG. 10 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of ferulic acid.
FIG. 11 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of sinapinic acid.
FIG. 12 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of rosmarinic acid.
FIG. 13 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of 3,5-dicaffeoylquinic acid.
FIG. 14 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of p-coumaric acid.
FIG. 15 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of α-glucosyl rutin (αG rutin PS).
FIG. 16 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of quercetin.
FIG. 17 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of myricitrin.
FIG. 18 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of quercitrin.
FIG. 19 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of γ-oryzanol.
FIG. 20 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of camferol.
FIG. 21 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of hesperitin.
FIG. 22 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of chrysin.
FIG. 23 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of luteolin-7-glycoside.
FIG. 24 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of 6-hydroxyflavone.
FIG. 25 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of 7-hydroxyflavone.
FIG. 26 is an ultraviolet absorption spectrum of plateau.
FIG. 27 is an ultraviolet absorption spectrum diagram of 7,8-dihydroxyflavone.

Claims (4)

シソ科メンタ(Mentha)属ミントの溶媒抽出物、キク科アルテミシア(Artemisia)属ヨモギの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属オレンジの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属レモンの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属グレープフルーツの溶媒抽出物、シナピン酸、ロズマリン酸、ジカフェオイルキナ酸類、クマル酸類、クエルシトリン、γ−オリザノール、カンフェロール、ヘスペレチン、クリシン、ルテオリン−7−グリコシド、6−ヒドロキシフラボン、7−ヒドロキシフラボン及びプラトールからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分からなる、光によるシトラール又はシトラールを含有する製品中のシトラールの減少抑制剤。Solvent extract of Mentha Mentha genus, Solvent extract of Artemisia mugwort, Solvent extract of Citrus orange, Citrus citrus lemon solvent extracts, aurantioideae citrus (Citrus) solvent extract of the genus grapefruit, shea napin acid, rosmarinic acid, dicaffeoylquinic acids, coumaric acid, click El citrine, .gamma.-oryzanol, cans Fellow Le, hesperetin, chrysin, luteolin 7-glycoside, 6-hydroxyflavone, 7-hydroxy consisting flavones and at least one component selected from the plateau Le or Ranaru group, reduction inhibitor citral in products containing citral or citral by light. シトラール含有製品がシトラス飲料及びデザートから選ばれる食品である請求項1記載のシトラールの減少抑制剤。  The citral reduction inhibitor according to claim 1, wherein the citral-containing product is a food selected from citrus beverages and desserts. シトラール含有製品が香粧品である請求項1記載のシトラールの減少抑制剤。  The citral reduction inhibitor according to claim 1, wherein the citral-containing product is a cosmetic. シトラール又はシトラールを含有する製品に、シソ科メンタ(Mentha)属ミントの溶媒抽出物、キク科アルテミシア(Artemisia)属ヨモギの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属オレンジの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属レモンの溶媒抽出物、ミカン亜科シトラス(Citrus)属グレープフルーツの溶媒抽出物、シナピン酸、ロズマリン酸、ジカフェオイルキナ酸類、クマル酸類、クエルシトリン、γ−オリザノール、カンフェロール、ヘスペレチン、クリシン、ルテオリン−7−グリコシド、6−ヒドロキシフラボン、7−ヒドロキシフラボン及びプラトールからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を1〜500ppm配合することを特徴とする光によるシトラール又はシトラールを含有する製品中のシトラールの減少抑制方法。Citral or a product containing citral includes a solvent extract of Mentha mint, a solvent extract of Artemisia mugwort, a solvent extract of Citrus orange, citrus subfamily citrus (Citrus) solvent extract of the genus lemon, aurantioideae citrus (Citrus) solvent extract of the genus grapefruit, shea napin acid, rosmarinic acid, dicaffeoylquinic acids, coumaric acid, click El citrine, .gamma.-oryzanol light, wherein the can Fellow Le, hesperetin, chrysin, luteolin-7-glycoside, 6-hydroxy flavone, to 1~500ppm blending at least one component selected from 7-hydroxy flavone and plateau Le or Ranaru group Citral or Citral method of suppressing decrease in products containing Lahr.
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