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JP4923730B2 - レゾルバ角度検出における補償方法及びこれを用いた角度検出装置 - Google Patents

レゾルバ角度検出における補償方法及びこれを用いた角度検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、レゾルバを用いてレゾルバ信号から回転機の回転角度を検出するときに、回路の精度、経時劣化や温度ドリフト等に起因して、時間の経過とともに徐々に変化する、基準交流信号の周期変化やオフセットの発生に基づく誤差を補償する方法及びこれを用いた回転角度検出装置に関する。
従来から、自動車のパワーステアリングや産業ロボットの関節にサーボモータ等の回転機が使用されているが、かかる回転機の回転角度を検出するセンサとして、レゾルバが知られている。かかるレゾルバを利用した電動機の効率を高めたり、検出誤差を補正して検出精度を高めたりするために、種々の工夫がなされている。
例えば、レゾルバ等の正弦波出力方式の磁極センサにより電動機のロータ磁極位置を検出して電動機を駆動する制御装置において、電動機の効率を最大にするために、磁極センサの出力である正弦波波形のゼロクロス点をロータ磁極の切り替わり位置に合わせるべく、磁極センサ出力の極性が変わる各ゼロクロス点間の時間幅を測定し、各時間幅が均等になるように磁気センサのオフセットレベルを調整する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、レゾルバ装置において、励磁信号とレゾルバ出力信号の位相ズレ量と測定し、この位相ズレ量をオフセット値として励磁信号の位相をシフトして自動調整する技術が知られている。(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−253583号公報 特開2004−77288号広報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、ゼロクロス点間の時間幅を固定値として利用しており、レゾルバ信号を取得する際の、ゼロクロス点からレゾルバ信号頂点までの時間も固定値として設定しているため、温度ドリフトや、励磁発振回路の精度の問題又は経時劣化等により、ゼロクロス点間の時間幅が徐々に変化している場合には、オフセットレベルを調整しても信頼性の無いものとなってしまう。
また、上述の特許文献2に記載の構成では、励磁信号とレゾルバ信号の位相ズレについては言及しているが、励磁信号のゼロクロス点の変化とオフセット電圧の補償については、全く考慮されていない。
そこで、本発明では、励磁信号から生成される基準交流信号が、温度ドリフトや発振回路等の精度又は経時劣化等の影響により周期が変化したり、オフセットが重畳されてしまった場合でも、これらの変化を補償し、レゾルバ信号を適切な頂点のタイミングでサンプリングして出力正弦波及び余弦波の包略線を取得し、これに基づいて回転機の回転角度を検出する方法及びこれを用いた回転角度検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る回転角度検出方法は、基準交流信号をレゾルバに入力してレゾルバ信号を生成し、該レゾルバ信号を所定のタイミングでサンプリングした値に基づいて回転機の回転角度を検出する方法であって、
前記所定のタイミングは、正波は正波半周期同士、負波は負波半周期同士で、所定周期前までの前記基準交流信号の波形中のゼロクロス点間の時間の半分、又はゼロクロス点間の時間平均の半分に基づいて定めることを特徴とする。これにより、レゾルバ信号をサンプリングするタイミングを常に最近の所定周期内の基準交流信号の履歴に基づいて定めるので、経時的に徐々に影響を受ける基準交流信号の周期の変化又はオフセットの発生に対応した補償が可能となる。
の発明は、第の発明に係る回転角度検出方法において、
前記所定のタイミングは、1周期前の前記基準交流信号の波形中のゼロクロス点間の時間の半分のタイミングであることを特徴とする。これにより、レゾルバ信号の頂点のタイミングでレゾルバ信号値を取得でき、適切なタイミングのレゾルバ信号値に基づいて回転角度を検出できる。また、レゾルバ信号をサンプリングするタイミングを常に最新の基準交流信号の履歴に基づいて定め、1周期前の基準交流信号の波形情報を正確に利用してレゾルバ信号の値を特定することができるので、経時的に徐々に影響を受ける基準交流信号の周期の変化又はオフセットの発生に対応した補償が可能となる。
の発明に係る回転角度検出装置は、基準交流信号を生成する基準交流信号生成手段と、基準交流信号を入力することによりレゾルバ信号を生成するレゾルバと、レゾルバ信号を所定のタイミングでサンプリングし、該サンプリング値に基づいて回転角度を検出する信号処理手段、とを備えた回転機の回転角度検出装置であって、
前記信号処理手段は、前記所定のタイミングを、正波は正波半周期同士、負波は負波半周期同士で、所定周期前までの前記基準交流信号の波形中のゼロクロス点間の時間の半分、又はゼロクロス点間の時間平均の半分に基づいて定めることを特徴とする。これにより、レゾルバ信号をサンプリングするタイミングを常に最近の所定の周期内の基準交流信号の履歴に基づいて定めるので、経時的に徐々に影響を受ける基準交流信号の周期の変化に対応した補償が可能となる。
の発明に係る回転角度検出装置は、第の発明に係る回転角度検出装置において、
前記信号処理手段は、前記所定のタイミングを、1周期前の前記基準交流信号の波形中のゼロクロス点間の時間の半分のタイミングに定てサンプリングを行うことを特徴とする。これにより、レゾルバ信号をサンプリングするタイミングを常に最新の基準交流信号の履歴に基づいて定めるので、経時的に徐々に影響を受ける基準交流信号の周期の変化に対応した補償が可能となる。
本発明によれば、回転機の回転角度を検出するレゾルバにおいて、温度ドリフト、回路の精度又は経時劣化により発生する、レゾルバ入力用の基準交流信号の周期変化やオフセットの付加に起因するレゾルバ信号のサンプリングのタイミング誤差を補償し、適切なタイミングでサンプリングしたレゾルバ信号の値に基づいて、高い精度で回転角度を検出できる方法及び装置を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、一般的なレゾルバによる回転機の回転角度を検出する回転角度検出装置の機能ブロック図を示す。回転角度検出装置は、基準交流信号生成手段10と、レゾルバ70と、信号処理手段30とを備えている。
基準交流信号生成手段10は、レゾルバに入力する基準となる交流信号を生成しており、該基準となる交流信号は、一般的には正弦波が用いられる。レゾルバ70に入力した基準交流信号11は、検出しようとする回転機の回転角度に応じて振幅変調されたレゾルバ信号21に変換されて出力される。得られたレゾルバ信号21の頂点をサンプリングし、その値をデジタル変換して包絡線を作ると、回転角度θに依存する正弦波sinθが得られる。一方で、レゾルバ信号は位相を正弦波よりπ/2進めた余弦波も出力するように構成されている。これも同様に頂点をサンプリングし、その値をデジタル変換して包絡線を作ると、回転角度に依存した包絡線cosθが得られる。これからtanθを求め、アークタンジェントを求めることにより、回転角度θを算出することができる。
図2は、一般的なレゾルバ信号の取得方法を、波形を並べて図示して説明したものである。即ち、横軸は時間tの関数であり、縦軸はsinθの大きさを示している。図の最下段には、基準交流信号11が示され、中央には、レゾルバ信号の出力として該基準交流信号11が振幅変調された波形21と、そのレゾルバ信号波形21の頂点の値を結んで作成された正弦波の包略線31とが示されている。
基準交流信号11は、一般的には振幅及び周期が一定の正弦波交流信号である。この基準交流信号11の振幅がゼロとなる点、即ち図2において12、13、14、15及び16をゼロクロス点と呼ぶが、この点は符号が正から負、負から正に転換する点であるため、検出し易く便利なので、この点を基準として周期的なタイミングを定めることが一般的に行われている。ここで、基準交流信号とレゾルバ信号21との関係を見ると、基準交流信号11におけるゼロクロス点12、13、14、15及び16は、レゾルバ信号21においても対応してゼロクロス点22、23、24、25及び26を示している。同様に、基準交流信号11のゼロクロス点からπ/2位相を進ませた、振幅の頂点である点17、18、19及び20は、出力レゾルバ信号21において対応する点においても、振幅の頂点27、28、29、及び130を示している。ここで、更にレゾルバ信号21と正弦波の包略線31の関係を見ると、レゾルバ信号21の振幅の頂点27、28、29、130はいずれも包絡線31上に乗っている。従って、レゾルバ信号21の頂点の値を結ぶことにより、包絡線31を作成することが出来ることになる。この正弦波sinθのθは、検出しようとしている回転機の回転角度であり、また上述のようにレゾルバ70は同じ基準交流信号11からcosθのレゾルバ信号も出力するように構成されているから、このsinθとcosθの2相から回転機の回転角度θを求めることができる。従って、回転角度θをより精密に求めるためには、包絡線31を形成するレゾルバ信号の頂点の値27、28、29及び130をどれだけ精密に求めるかが重要となり、それ故その取得タイミングを定めている基準交流電圧11の頂点17、18、19及び20をどれだけ精密に設定できるかが重要となる。
図3は、包絡線のイメージを分かり易くするために、図2よりも広い範囲で、レゾルバ信号21と、その頂点を結んで得られた回転角度θに依存する正弦波の包絡線31との関係を示す図である。図3より、レゾルバ信号21の頂点のタイミングを正確に捉えることが正確な角度検出に大切であることが理解できる。
図4は、従来のレゾルバ信号21のサンプリングのタイミングと、本実施例に係るサンプリングのタイミングを示した図である。図4(A)は、従来のレゾルバを用いた回転角度検出方法のAD変換(アナログ・デジタル変換)のサンプリングのタイミングを示した図である。図2と同様の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。図4において、交流信号波形の最初の1周期の頂点17及び18をサンプリングのタイミングとして設定したときに、波形のゼロクロス点12から頂点17に達するまでの時間幅を固定値T、波形のゼロクロス点13から頂点18に達するまでの時間幅を固定値Tとして把握し、その後の交流信号波形に関しても、最初に設定した固定値の時間幅をサンプリングのタイミングとして設定する。そうすると、例えば第2周期の信号波形で周波数が変化し、周期が短くなったときには、本来の頂点の19、20からずれた、少し頂点より位相の進んだ19´、20´の点を頂点として設定してしまう。次の交流信号波形も同じような周波数の波形が来たときには、また同じように頂点33、34からずれた点を頂点33´、34´として認識し、このずれた点をサンプリングし、これをデジタル変換した値に基づいて包絡線を作成するので、波形の周期が徐々に経時的に変化してしまっているような場合には、回転角度θの検出精度もその変化につれて低くなってしまう。
一方、図4(B)は、本実施例に係る回転角度検出方法におけるレゾルバ信号のサンプリングのタイミングを示した図である。本実施例に係る回転角度検出方法においては、サンプリングの対象となる波形の頂点のサンプリング・タイミングを、前の周期の基準交流信号の波形の頂点タイミングに基づいて定める点に特徴がある。
図4(B)で説明すると、まず、基準交流信号40のn−1番目の正波のゼロクロス点41、42の間の時間幅をTn−1、n番目の正波のゼロクロス点43、44の間の時間幅をT、n+1番目の正波のゼロクロス点45、46の間の時間幅をTn+1とすると、TのサンプリングのタイミングはTの最初のゼロクロス点43からTn−1の1/2の時間幅の点50に設定され、同様にTn+1のサンプリングのタイミングはTn+1の最初のゼロクロス点45からTの1/2の時間幅の点52に設定される。
ここで、n−1番目の波形は正しい頂点タイミング48でサンプリングされ、次のn番目の波形において、前のn−1番目の波形から周波数が変化し、更に次のn+1番目の波形において、前のn番目の波形とほぼ同じ周波数の波形が来た場合を考える。n番目の波形においては、前の周期のn−1番目の波形よりも周波数が高くなる変化をしたため、周期TがTn−1よりも短くなり、Tn−1の1/2の時間幅分、Tの最初のゼロクロス点43から経過した点をサンプリングのタイミングに設定すると、頂点の位相π/2のタイミングよりも進んだ位相のタイミングの点50で実際にはサンプリングをすることになってしまう。しかし、次のn+1番目の波形において、ゼロクロス点45からTの1/2時間が経過した点にサンプリングのタイミングを設定すると、TとTn+1は周期が等しいため、正しく頂点52でサンプリングできることになる。これは、常に1周期前の波形の周期からサンプリングのタイミングを定めているため、急激に周期に変動があったときはその変化にすぐには対応できないが、周期が比較的安定していて、少しずつしか変化しないような場合には、その変化に十分対応して正しく振幅の頂点のタイミングでサンプリングができることを意味する。例えば、温度ドリフトや回路の精度又は経時劣化等から来る基準交流信号の周期の変化は、急激に起こることは少ないが、じわりじわりと徐々に変化が起こり、時間がかなり長期間経過したときには、元々の周期と大きく異なっていることが起こりうる。このような場合に、図4(A)に示す従来の方法のように、サンプリングのタイミングを固定とすると、変化に対応できずに時間の経過とともに検出する回転角度の精度が落ちてしまうが、本実施例のように、1周期前の波形の周期に基づいて頂点のサンプリング・タイミングを定めていれば、そのようなじわりじわりとした長期的な変化に、頂点のサンプリング・タイミングの方もじわりじわりと変化させて対応でき、常に正しい頂点のタイミングでサンプリングすることができる。従って、サンプリングした値から得られる回転角度θに依存する包略線sinθ及びcosθも精度が高くなり、時間の経過に伴って基準交流信号の周期が変化したとしても、常に劣化することなく精度良く回転機の回転角度θを検出することができる。
同様に、図4(B)において、負波の場合も、m番目の波形の頂点のサンプリングのタイミングを、1周期前のm−1番目の波形のゼロクロス点42から頂点49の間の時間であるTm−1/2と設定すれば、周波数の変化したm番目の波形では頂点より少し進んだタイミングの点51でサンプリングすることになってしまうが、m+1番目の波形において、m番目の波形のゼロクロス点44から頂点までの時間であるT/2を頂点タイミングに設定すれば、正しい頂点タイミングの点53でサンプリングが可能となる。m−1番目の波形とm番目の波形の間には周波数の変化があるが、その後波形が安定してm番目の波形とm+1番目の波形は周波数が等しいので、補正をかけたサンプリングが可能となるからである。
また、本実施例の場合、一時的に急激に周期が変化し、その後、変化の影響を受けて周期自体は変更されているものの、その後の信号の周期はあまり変動なく安定しているような場合にも、有効である。即ち、急激な変化があったとき、その変化自体には対応できないが、その後波形が安定すれば、常に1周期前の波形に基づいて頂点のサンプリング・タイミングを定めているので、安定した波形自体の全体的な周期変動には十分対応可能だからである。
なお、本実施例は、1周期前の波形のみならず、波形の周期の変化が殆ど無ければ、所定の数周期前の波形に基づいて頂点のサンプリング・タイミングを定めることも可能である。徐々に基準交流信号の周期が変化する場合を対象としているので、変化が見えてこない範囲で所定周期前までの基準交流信号に基づいてサンプリングのタイミングを定めても、経時的な変化を補償するという本実施例の目的は達成できるからである。所定周期前の基準交流信号の波形を対象とすることにより、メモリ、バッファ等の記憶手段を利用して演算速度に余裕を持たせることができるようになる。また、所定周期前の1つの波形に基づかずに、所定周期前までの基準交流信号のゼロクロス点間の時間の平均を取るようにして、その値に基づいてサンプリングのタイミングを定めるようにしてもよい。
図5は、本実施例に係る回転検出方法を、基準交流信号にオフセットが発生したときに適用する場合の説明図である。図5(A)は、1周期分の基準交流信号電圧の波形を示している。図5(A)において、基準交流信号40の1周期分を中央に示し、下方に該基準交流信号のゼロクロスのタイミングを作る基準ゼロクロス信号54を示す。基準交流信号40の、オフセットのかかっていない状態では、正波半周期と負波半周期が同じ時間幅となっている。ここで、図5(A)中では破線で示されたオフセット電圧Vofshがかかった場合を考える。オフセット電圧Vofshが基準交流信号電圧にかかることにより、見かけ上、基準交流信号電圧波形は下にずれたような形となり、2Tθ分だけ正波の半周期THは短くなり、負波の半周期TLは長くなる。この状態で、従来のように、ゼロクロス点55から単に固定設定した1/4周期の時間幅でサンプリングのタイミングをとると、正波の場合はTθ分だけ頂点から遅れた点121が誤って頂点と判断され、一方、負波の方は、ゼロクロス点56から1/4周期分進ませたタイミングを頂点と推定してサンプリングすると、逆に頂点より2Tθ分手前の点122が頂点と誤って判断されてしまう。それぞれの点のタイミングでレゾルバ信号電圧をサンプリングし、デジタル変換し、これに基づいて回転角度を検出すると、包略線のトレースする点のタイミングが頂点から少しずつずれているので、非常に精度の悪い回転角度の検出がなされてしまう。
一方、図5(B)は、図5(A)に示すオフセットがかかった基準交流電圧波形の2周期分を示している。図5(B)において、オフセットがかかった隣接する2周期の波形を、正波同士及び負波同士で比較すると、1周期目の正波形のゼロクロス点55と56との間の半周期のTH1と、2周期目の正波形のゼロクロス点57と58との間の半周期TH2の長さは同じである。同様に、1周期目の負波形のゼロクロス点56と57との間の半周期のTL1と、2周期目の負波形のゼロクロス点58と59との間の半周期TL2の長さは同じである。即ち、たとえ基準交流信号にオフセットがかかっても、オフセットにより周期が短くなった波形同士及び長くなった波形同士で1周期前の波形と周期を比較するならば、前後の波形で同じ周期を保っている限り、ゼロクロス点間の時間幅は同一である。従って、正波のゼロクロス点間の時間TH1及びTH2は、オフセットの影響により、オフセットのかかっていない通常のゼロクロス点125と126との間及び127と128との間の時間より短くなっているが、1周期目の正波のTH1/2の時間幅を、2周期目の正波のゼロクロス点57に加えたタイミングでサンプリングを行えば、2周期目の正波は頂点123のタイミングで正しくサンプリングができる。
同様に、負波についても、オフセット電圧がかかった波形のゼロクロス点間の時間TL1及びTL2の時間は、オフセットがかかっていない波形のゼロクロス点126と127との間の時間及び128と129との間の時間よりそれぞれ長くなっているが、TL1=TL2と考えてよいので、1周期目の負波のゼロクロス点間時間の半分のTL1/2が2周期目の負波の最初のゼロクロス点128から経過した点124でサンプリングを行えば、頂点のタイミングとなっている。このように、本実施例の回転検出方法によれば、オフセットがかかった場合であっても、同じようにオフセットがかかった1周期前の波形の周期に基づいてゼロクロス点から頂点までの時間幅を算出しているので、頂点の位置自体はオフセットの程度に関わらず精度高く特定できるのである。なお、このような演算は、サンプリングを行う信号処理手段において行えばよく、通常はマイクロ・コンピュータ等の演算器で実行される。
次に、オフセット電圧Vofsを直接的に数値として求めて補償する方法について説明する。上述のように、図5(A)において、基準交流電圧40にオフセット電圧Vofshがかかることにより、見かけ上、基準交流電圧波形40は下に下がることになり、正波のゼロクロス点55と56との間の時間幅Tが短くなり、負波のゼロクロス点56と57との間の時間幅Tが長くなる。ここで、オフセット電圧Vofshを、符号を逆にして、元々の基準ゼロ点を基準として負側に取ると、負電圧側にVofslのラインを引くことが出来るが、そのラインと負側の基準交流電圧波形40との交点間の線分が、正電圧側の波形におけるTとの長さと等しくなる。即ち、図5(A)中で言えば、TH=Tとなる。これは、オフセットのかかっていない元々の基準のX軸と基準交流電圧信号40との波形とのゼロクロス点に関して正波と負波は点対称であるので、正波を180度回転させて負波に重ねて考えてもよい。
このとき、オフセットによるゼロクロス点間の時間の変化分は、元々のゼロクロス点間の半周期時間に対して、短くなった正波の方は2Tθ減少し、長くなった負波の方は2Tθ増加するので、両者の差分は、|T−TH|=|T−T|=2Tθ−(−2Tθ)=4Tθとなる。一方、基準交流電圧信号40の周期はオフセットがかかろうとかかるまいと常に一定で、TH+Tであるから、Tθを角度θに換算して表現すると、θ=Tθ*2π/(TH+T)となる。この差分を表すθから電圧の差分、即ちオフセット電圧を求めれば、Vofsh=sinθとなる。以上より、オフセット電圧は、Vofsh=sin[(|T−TH|)/4*{2π/(TH+T)}]=sin{(|T−TH|π)/2(TH+T)}となる。
このようにして求まったオフセット電圧Vofshは、基準交流電圧を作るときに、補償することができる。補償は、基準交流信号がレゾルバに入力するまでになされていればよく、基準交流信号の生成のときに、オフセット量を考慮する演算をマイクロ・コンピュータ等で行って反映させるようにしてもよいし、単純な発振回路等からオフセットを考慮せずに基準交流信号の源となる正弦波交流をまず作り、その後にオフセット調整回路等のオフセット補償手段を設けて補償し、最終的な基準交流信号を作成し、レゾルバに入力するようにしてもよい。求まったオフセット電圧Vofshをどのように補償するかは、種々の形式・方法が好適に用いられてよい。
次に、本実施例を実現する回転角度検出装置の構成について説明する。図6は、本実施例に係る回転角度検出装置の一例を示す。本実施例に係る回転角度検出装置は、基準交流信号生成手段60と、レゾルバ70と、信号処理手段80とから構成されている。このうち、基準交流信号生成手段60及び信号処理手段80は、ECU(Electorical Computer Unit)の内部に内蔵され、レゾルバ70は回転機に外部センサとして取り付けられている。
基準交流信号生成手段60は、発振回路61と、増幅回路62と、ゼロクロス信号発生回路63と、マイクロ・コンピュータ64とを含む。発振回路61では、励磁発振して励磁交流信号を発生させる、基準交流信号の信号源としての役割を果たす。発振回路61で生成された励磁交流信号は、一方は増幅回路62に送られ、他方は並列結線されたゼロクロス信号発生回路63に送られる。ゼロクロス信号発生回路63は、正弦波の励磁交流信号を、該正弦波がゼロとなる点で反転する矩形波に波形整形してデジタル信号とし、マイクロ・コンピュータ64に送る。マイクロ・コンピュータ64は、基準交流信号を生成するために、タイミングやオフセット等の種々の調整を行い、増幅回路62に送る。増幅回路62は、発振回路61から送られてきた励磁信号に、マイクロ・コンピュータ64から送られてきた調整信号を付加して調整を行い、増幅して最終的な基準交流信号としてレゾルバ70に出力する。ここで、図示しないが、基準交流信号生成手段60のいずれかの箇所に、時間計測手段が設けられる。時間計測手段は、基準交流信号のゼロクロス点間の時間幅を計測するためのものである。基準交流信号のゼロクロス点間の時間を計測できる箇所であればどこに設けても良いが、例えば、好適には、マイクロ・コンピュータ64においてゼロクロス点間の時間幅を用いてサンプリングするタイミングを算出したり、オフセット量を算出するのに用いるために、発振回路61で生成した励磁信号のゼロクロス点間の時間を測定するために発振回路61内からゼロクロス信号発生回路63までの間に設けるか、又はゼロクロス信号のゼロクロス点間の時間幅を測定できるようにゼロクロス信号発生回路63自体かそれ以降のマイクロ・コンピュータ64の内部の間に設けられてよい。
レゾルバ70は、回転機のシャフトに取り付けられた回転角度を検出するためのセンサであり、回転機のロータ磁界に合わせて調整されている。図7に、レゾルバ70の概略構造の一例を示す。ステータ1次コイル71と、ロータ72と、2組の2次コイル73、74とからなる。ステータ1次コイル71は、ロータ72と2次コイル73、74を内包するように全体を取り囲んでおり、2組の2次コイル73、74は2個のコイルを差動結線してある。また、2組の2次コイル73、74は互いに電気角で位相がπ/2ずれた角度に配置してある。一方、ロータ72は正弦波カーブを円周上につないだ形状の磁性体が用いられ、2次コイル73、74の上を正弦波カーブが回転するように取り付けられている。1次コイルを基準交流信号で励磁し、誘起される交流磁界内で磁性体のロータ72を回転させると、2組の2次コイル73、74に、ロータの回転角度θに応じた交流鎖交磁束により、それぞれ電圧を誘起する。ここで、励磁基準交流電圧信号をAsinωt(Aは定数)とすると、2次コイル73に発生するレゾルバ信号電圧はV1=asinωt・sinθ(aは定数)となり、もう一方の2次コイル74に発生するレゾルバ信号電圧は、V1と電気的に位相がπ/2ずれたV2=asinωt・cosθとなる。この2つのレゾルバ信号は、信号処理手段80に送られる。なお、ここでは一般的なレゾルバ70の構成を一例として説明したが、本実施例は種々の形式のレゾルバに適用可能であり、複数の相の回転角度に依存する関数を出力することができ、その相の関係から回転角度を検出できるように構成されている磁気センサであれば、その型式や種類は問わない。
図6において、信号処理手段80は、入力回路81と、マイクロ・コンピュータ64とから構成されている。入力回路81は、2つのレゾルバ信号を、サンプリングし、デジタル変換するコンバータである。一般的に、ADC(アナログ・デジタル・コンバータ)又はRDC(レゾルバ・デジタル・コンバータ)と呼ばれる、アナログのレゾルバ出力信号をデジタル変換する手段が好適に利用される。入力回路81において、レゾルバ信号出力をサンプリングした値についてデジタル変換を行うが、そのサンプリングを行うタイミングは、上述のように1周期前の基準交流信号に基づいて定められる。そのサンプリングを行うタイミングの演算は、マイクロ・コンピュータ64で行われるようにしてよい。マイクロ・コンピュータ64は、基準交流信号生成手段60の一部としても利用されている。基準交流信号を生成する際に、マイクロ・コンピュータ64で調整を行うので、そのときに算出した1周期前の基準交流信号に基づく頂点のタイミング、即ち、ゼロクロス点からπ/2だけずらした点に達する時間の情報を、マイクロ・コンピュータ64から入力回路81に送って指令するようにする。上述のように、温度ドリフトや入力回路の経時劣化により周期自体又はオフセットにより見かけ上の周期が徐々に変化したときでも、常に1周期前の波形のゼロクロス点間の時間に基づいて頂点のタイミングが定められるから、その変化に追従して頂点のサンプリングのタイミングを適切に変化させることができる。なお、温度ドリフトや回路の経時劣化は、入力回路81を始めとして、他に発振回路61、増幅回路62等の総ての回路について発生しうるが、いかなる要因に起因しても、結果が基準交流信号の徐々の変化又はオフセット量の付加による見かけ上の周期変化であれば、総て1周期前の交流信号の波形に基づいて、レゾルバ信号のサンプリングのタイミングを定める本実施例により解決できる。
また、本実施例では、1周期前の基準交流信号に基づいてサンプリングのタイミングを定めている例を説明しているが、例えば演算の速度に余裕が無い場合には、数周期前の基準交流信号に基づいてサンプリングのタイミングを定めるようにしてもよい。本実施例では、経時的な比較的長期に渡る周期等の変化に対応できることを目的としているので、数周期に渡っても周期やオフセット量の変化が検出されない程度の変化であれば、必ずしも1周期前でなくても、数周期前の波形を対象としても十分であろうと考えられるからである。
なお、本実施例においては、マイクロ・コンピュータ64を、基準交流信号生成手段60に用いられているものと兼ねる例について説明したが、サンプリングのタイミングの演算を専用で行う、信号処理手段専用のコンピュータを設けるようにしてもよい。この場合は、基準交流信号発生手段60のマイクロ・コンピュータから、データを送るように構成してもよいし、まだデジタル変換されていないレゾルバ出力信号の周期も基準交流信号の周期と同じであるので、レゾルバ信号から1周期前の信号のゼロクロス点間の時間幅を求め、これよりサンプリングのタイミングを求めるようにしてもよい。
次に、図6において、補償すべきオフセット量を基準交流信号の波形から求めて、基準交流信号生成の際に、オフセット量の補償を反映させる場合の実施例について説明する。上述のように、オフセット電圧は、Vofs=sin{(|T−TH|π)/2(TH+T)}で求められるが、この演算及び補償は、マイクロ・コンピュータ64で行うようにしてよい。即ち、発振回路61又はゼロクロス信号発生回路63で発生したオフセットは、マイクロ・コンピュータ64で基準交流信号の調整を行うときに算出できるので、この調整のときに、オフセット量を補償するような調整を同時に行うようにすればよい。このように、オフセット量の補償をマイクロ・コンピュータ64内で基準交流信号の生成の際に行えば、新たな補償用の回路等の手段を設ける必要が無く、装置をより小型化して構成することができる。
図8は、図6とは異なる態様の本実施例に係る回転角度検出装置の構成を示した図であり、図6で示した基準交流信号生成手段60内に、新たにオフセット調整回路65を設けた点のみが図6と異なっている。なお、図6と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。オフセット調整回路65は、オフセット量が算出されたときに、オフセット量を補償する制御を行う回路である。図6においては、マイクロ・コンピュータ64で基準交流信号生成の際にオフセット量の補償を行うようにしたが、マイクロ・コンピュータ64の演算量が多くなると、負担が偏ることから、オフセット調整回路を別回路として設けて、マイクロ・コンピュータ64の負担を軽減したものである。
なお、オフセット量の補償手段については、図6で示したように、省スペースの点を重視してマイクロ・コンピュータ64内で総て演算し切ってもよいし、図8で示したように、マイクロ・コンピュータ64の負担を軽減し、固定回路として素早く並行処理で演算を進めるようにしてもよい。ユーザーの目的と用途に応じて、適宜適切な手段を選択することができる。
図9は、実施例2に係る回転機の回転角度検出方法及び装置を、自己診断機能を有するレゾルバとして自動車に搭載した適用例を示す全体構成図である。本実施例は、自動車のモータに利用されるのが好ましく、特に、ハイブリッドカーのモータ制御に好適に利用される。図9において、自己診断レゾルバ装置は、電源IC90と、レゾルバ70と、RDC(レゾルバ・デジタル・コンバータ)82と、CPU100とから構成される。電源IC90と、RDC82と、CPU100とはECU(Electoric Control Unit)の内部に設置され、レゾルバは外部センサとして自動車のモータに設置される。
電源IC90は、電源から送り出される電気エネルギーの電圧を制御し、機器内の各部品に安定した電圧を送るための半導体チップであり、波形生成部91と、波形整形部92とからなる。波形生成部91は、発振回路で構成され、正弦波の基準交流信号を生成する。生成された基準交流信号は、一方は電源IC内の波形整形部92に送られ、もう一方はレゾルバ70、更にもう一方はRDC82に出力される。波形整形部92は、波形生成部91で生成された正弦波の基準交流信号から、矩形波のゼロクロス信号の波形整形を行い、基準ゼロクロス信号を生成する。ここで、基準ゼロクロス信号とは、例えば正弦波の基準交流信号をy=Bsinωt(Bは定数)とすれば、y=0となる点で反転する矩形波を意味する。波形整形後の基準ゼロクロス信号は、電源IC90から出力されてCPU100に送られる。
レゾルバ70は、電源IC90から出力された基準交流信号が入力されると、モータのロータの回転角度φに応じた2つのレゾルバ信号、V1´=bsinωt・sinφ及びV2´=bsinωt・cosφ(bは定数)を出力する。出力された2つのレゾルバ信号は、一方はRDC82に入力され、他方はCPU100に入力される。
RDC82は、入力された基準交流信号y=Bsinωtと、レゾルバ出力信号V1´=bsinωt・sinφ及びV2´=bsinωt・cosφとから、ωt=π/2となる頂点のタイミングでレゾルバ信号V1´及びV2´をサンプリングし、このサンプリング値をデジタル変換することにより、V1´=sinφ及びV2´=cosφの包絡線を取得し、これより回転角度φを求める。求めた回転角度φは、2相エンコーダパルスとしてCPU100に出力する。ここで、2相エンコーダパルスとは、A相、B相の位相の異なるパルスと、エンコーダゼロ点時に出力するNM相(Z相ともいう)の3つの信号を指し、A相とB相の位相差は90°である。
CPU100は、カウンタ101と、ディレイタイマ102と、ADC(アナログ・デジタル・コンバータ)103と、角度算出手段104と、角度比較器105と、診断結果出力手段106とから構成される。
カウンタ101は、RDC82から入力されてきた2相エンコーダパルスから、回転角度φを算出する。即ち、図10(A)に示すように、正転時の場合の、Bの立ち上がり時にAがHighのときは、出力はHighとなってカウントアップし、図10(B)に示すように、逆転時の場合の、Bの立ち上がり時にAがLowのときは、出力はLowとなり、カウントダウンするが、このパルスをカウンタ101で回転方向を含めてカウントすれば、モータの回転角度の累積値、すなわち現在の角度Φを求めることができる。なお、カウンタ101は、NM入力時にリセットされるようになっている。カウンタ101で得られた角度Φは、角度比較器105に送られる。
ディレイタイマ102は、電源IC90から入力される矩形波の基準ゼロクロス信号の入力タイミングで起動する。ディレイタイマ102は、矩形波のゼロクロス基準信号を90°遅らせてトリガを発し、このトリガによりADC103を起動する。ADC103は、レゾルバ70の出力信号として送られてきたV1´=bsinωt・sinφ及びV2´=bsinωt・cosφを、ディレイタイマ102から送られてくるトリガのタイミングでデジタル値に変換するが、このとき、サンプリングのタイミングt=π/2ω=T/4は(Tは周期)は、実施例1において説明したのと同様に、1周期前又は数周期前の基準交流信号を用いて、温度ドリフトや回路劣化の経時変化による周期変化を補償するように定めてよい。この変換したデジタル値に基づいて、角度算出手段104により、回転角度φを求める。求めた回転角度φは、角度比較器105に出力する。
角度比較器105では、カウンタ101から入力された回転角度Φと、角度算出手段104から入力された回転角度φとを比較する。そして比較結果が、所定の閾値を超えたときに、「レゾルバ角度異常」と判定し、診断結果出力手段106に出力する。診断結果出力手段106は、「レゾルバ角度異常」との結果が出れば、車両内の表示器により異常をユーザーに知らせる警告出力を行う。異常が特に無ければ、特に何も表示しなくてもよい。この自己診断結果は、RDC、レゾルバ及びその入出力回路系の故障を表しているので、ユーザーは「レゾルバ角度異常」の出力により、故障箇所の系統を特定することができる。
なお、本実施例では、レゾルバ信号出力を利用してモータの回転角度を検出する系統が2つあるが、実際にモータを制御するモータ制御システムとして利用するのは、RDC82を経てカウンタ101から出力される角度を用いるのが好適である。カウンタ101は、モータ制御システムが欲する時に、その角度をリアルタイムで、RDC82の分解能で保持しているので、モータ制御に使用可能であるが、ADC103から出力される角度は、そのサンプリング周期は基準交流信号の周期に依存し、基準交流信号の周波数は約10kHzであるのに対し、モータ制御システムにおいて必要とされる周波数は、基準交流信号とは非同期な1.25kHz〜10kHzであるため、ADC103から出力される角度は分解能的に使用できないからである。
また、本実施例に係る自己診断機能を有するレゾルバにおいて、自己診断時の閾値は、診断している系及びそれら回路の誤差を総て含み十分なマージンで設計されているが、今後、モータ制御及びフェールセーフ性能の向上が考えられ、自己診断精度の向上が求められる可能性がある。この場合において、各種信号の源である基準交流信号の精度向上は必須であるが、精度向上のためには、誤差を取り除く演算又はフィードバックによる補償が必要である。本実施例では、誤差を取り除く演算について説明したが、誤差を取り除く演算をフィードバックに適用することも可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、回転機としては、自動車のパワーステアリングのアシスト・モータや、車輪の駆動系のモータ等に好適に適用可能である。
一般的なレゾルバによる回転機の回転角度を検出する回転角度検出装置の機能ブロック図である。 一般的なレゾルバ信号の取得方法を、波形を並べて図示して説明した図である。 レゾルバ信号21と、その頂点を結んで得られた回転角度θに依存する正弦波の包絡線31との関係を示す図である。 従来のレゾルバ信号21のサンプリングのタイミングと、本実施例に係るサンプリングのタイミングを示した図である。 本実施例に係る回転検出方法を、基準交流信号にオフセットが発生したときに適用する場合の説明図である。図5(A)は、1周期分の基準交流信号電圧の波形を示した図である。図5(B)は、図5(A)に示すオフセットがかかった基準交流電圧波形の2周期分を示した図である。 本実施例に係る回転角度検出装置の構成の一例を示す図である。 レゾルバ70の概略構造の一例を示した図である。 図6とは異なる態様の本実施例に係る回転角度検出装置の構成を示した図である。 実施例2に係る回転機の回転角度検出方法及び装置を、自己診断機能を有するレゾルバとして自動車に搭載した適用例を示す全体構成図である。 図10(A)は、正転時の、カウンタ101がカウントアップする場合を示した図である。図10(B)は、逆転時の、カウンタ101がカウントダウンする場合を示した図である。
符号の説明
10 従来の基準交流信号生成手段
11 基準交流信号
12、13、14、15、16 基準交流信号のゼロクロス点
17、18、19、20 基準交流信号の頂点
18´、19´ 基準交流信号の頂点からずれた点
21 レゾルバ信号
22、23、24、25 レゾルバ信号のゼロクロス点
26、27、28、29 レゾルバ信号の頂点
30 従来の信号処理手段
31 サインカーブ
32 コサインカーブ
33、34 基準交流信号の頂点
33´、34´ 基準交流信号の頂点からずれた点
40 基準交流電圧波形
41、42、43、44、45、46、47 ゼロクロス点
48、49、50、51、52、53 頂点
54 基準ゼロクロス信号
55、56、57 ゼロクロス点
60 基準交流信号生成手段
61 発振回路
62 増幅回路
63 ゼロクロス信号発生回路
64 マイクロ・コンピュータ
65 オフセット調整回路
70 レゾルバ
71 ステータ1次コイル
72 ロータ
73、74 ステータ2次コイル
80 信号処理手段
81 入力回路
82 RDC(レゾルバ・デジタル・コンバータ)
90 電源IC
91 波形生成部
92 波形整形部
100 CPU
101 カウンタ
102 ディレイタイマ
103 ADC(アナログ・デジタル・コンバータ)
104 角度算出手段
105 角度比較器
106 診断結果出力手段
121、122 基準交流信号の頂点からずれた点
123、124 基準交流信号の頂点
125、126、127、128、129 ゼロクロス点
130 レゾルバ信号の頂点

Claims (4)

  1. 基準交流信号をレゾルバに入力してレゾルバ信号を生成し、該レゾルバ信号を所定のタイミングでサンプリングした値に基づいて回転機の回転角度を検出する方法であって、
    前記所定のタイミングは、正波は正波半周期同士、負波は負波半周期同士で、所定周期前までの前記基準交流信号の波形中のゼロクロス点間の時間の半分、又はゼロクロス点間の時間平均の半分に基づいて定めることを特徴とする回転角度検出方法。
  2. 前記所定のタイミングは、1周期前の前記基準交流信号の波形中のゼロクロス点間の時間の半分のタイミングであることを特徴とする請求項に記載の回転角度検出方法。
  3. 基準交流信号を生成する基準交流信号生成手段と、基準交流信号を入力することによりレゾルバ信号を生成するレゾルバと、レゾルバ信号を所定のタイミングでサンプリングし、該サンプリング値に基づいて回転角度を検出する信号処理手段、とを備えた回転機の回転角度検出装置であって、
    前記信号処理手段は、前記所定のタイミングを、正波は正波半周期同士、負波は負波半周期同士で、所定周期前までの前記基準交流信号の波形中のゼロクロス点間の時間の半分、又はゼロクロス点間の時間平均の半分に基づいて定めることを特徴とする回転角度検出装置。
  4. 前記信号処理手段は、前記所定のタイミングを、1周期前の前記基準交流信号の波形中のゼロクロス点間の時間の半分のタイミングに定てサンプリングを行うことを特徴とする請求項に記載の回転角度検出装置。
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