JP4917888B2 - 光ディスク、記録装置、読出装置、記録方法、読出方法 - Google Patents
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Description
この欠陥エントリーの一時記録とは、ライトワンス型の光ディスクに対する記録処理時において、欠陥領域が発見された場合、この欠陥領域についての欠陥エントリーを、一時的な領域に書き込むという処理である。一時的な書き込みが必要な理由は以下の通りである。光ディスクには、欠陥エントリーを書き込むための領域(DefectManagement Area:DMAと呼ばれる)が予め規定されているものの、追記型(ライトワンス型)の光ディスクでは、ファイナライズ処理がなされるまで、かかるDMAに欠陥エントリーを書き込む訳にはいかない。何故なら、ライトワンス型の光ディスクでは、事後的な書き換えが不可能であり、一旦欠陥エントリーを書き込んだ後に、更なる欠陥領域が発見されたとしても、DMAに対する追記・変更が不可能になるからである。そのため、記録処理時において欠陥領域が発見された場合は、その欠陥領域についての欠陥エントリーを、一時的な欠陥管理領域(TemporaryDisc Management Structure:TDMSと呼ばれる)に書き込むことが必要になる。
従って、従来の光ディスクのTDMSにおける欠陥領域リストは、それに示される欠陥領域のアドレスが、小さい順序に並べられて、連続した形で、TDMSに記録されている。しかし、この順序での記録が要求されるため、従来の光ディスクでは、欠陥領域リスト配置の自由度が存在しないという問題点がある。かかる自由度がないので、複数欠陥領域リストの記録途中に、欠陥クラスタに遭遇した場合、複数欠陥領域リストをバラバラに記録することが許容されず、その欠陥クラスタ以降のクラスタに、全ての欠陥領域リストを記録し直す必要がある。
図1は、欠陥領域リストの書き込みの過程で、欠陥クラスタに遭遇した際の処理を示した図である。本図における第1段目は、TDMS#jを構成する複数のクラスタを示す。図中のTDFLは、複数の欠陥領域リストから構成される一時的な欠陥領域リストである。第1段目において、TDMSを構成するクラスタ#1〜クラスタ#4のうち、クラスタ#2は、欠陥クラスタであるとする。第2段目は、TDFL#1がクラスタ#1に書き込まれた状態を示し、第3段目は、TDFL#2がクラスタ#2に書き込まれた状態を示す。クラスタ#2が欠陥クラスタであるとすると、従来では、TDFL#1〜TDFL#4が、連続に配置されることを想定しているので、リトライにより、クラスタ#3以降に、TDFL#1〜TDFL#4と、TDDSとが書き込まれることになる。TDDS(Temporary Disc Definition Structure:以下TDDSと呼ぶ)とは、TDFL#1〜TDFL#4のうち、先頭のもの(図中のアドレスC3)の位置情報を示す情報である。第4段目〜第7段目は、クラスタ#3以降に、TDFL#1〜TDFL#4と、TDDSとが書き込まれる過程を示す。
本発明の目的は、所定の順序に並べられた形で、欠陥領域リストをメモリ上に読み出すとの原則を貫きつつも、一時的欠陥管理領域の消耗を早めることがない光ディスクを提供することである。
図2(b)は、クラスタの内部構成を示す図である。クラスタとは、誤り訂正のためのセクタの集まりをいい、誤り訂正ブロックとも呼ばれる。エラー訂正は、このクラスタの単位でなされるので、記録および再生動作は、このクラスタを最小単位として行われる。本図に示すようにクラスタは、32個のセクタからなり、64KByteのサイズをもつ。
“リードイン領域2”は、装置が参照する制御情報を格納しており、更に、光ヘッドがデータ領域3の端へアクセスする場合に、光ヘッドがオーバーランしてもトラックに追随できるように“のりしろ”としての役割を果たす領域である。
“リードアウト領域4”は、装置が参照する制御情報を格納しており、更に、光ヘッドがデータ領域3の端へアクセスする場合に、光ヘッドがオーバーランしてもトラックに追随できるように“のりしろ”としての役割を果たす領域である。
図3の第1段目は、“データ領域3”の内部構成を示す。この第1段目に示すように、データ領域3は、2つのスペア領域5、7と、ユーザデータ領域6とから構成される。
“スペア領域5、7”とは、ユーザデータ領域6内に欠陥クラスタが存在する場合、その欠陥クラスタの代わりにデータを記録する代替領域のことである。
<リードイン領域2の内部構成>
図4(a)は、リードイン領域2の内部構成を示す図である。本図の第2段目は、リードイン領域2全体を示し、第1段目は、このリードイン領域2の内部構成を示す。この第1段目に示すように、リードイン領域2には、第1の欠陥管理領域(firstDefect Management Area、以下1stDMAと呼ぶ)と、第2の欠陥管理領域(Second Defect Management Area、以下2ndDMAと呼ぶ)と、一時的な欠陥管理領域(TemporaryDisc Management Area、以下TDMAと呼ぶ)とが存在する。1stDMAと2ndDMAは共に光ディスク1における欠陥クラスタの情報を管理するための領域である。
図4(b)は、リードアウト領域4の内部構成を示す図である。本図の第2段目は、リードアウト領域4全体を示し、第1段目は、このリードアウト領域4の内部構成を示す。この第1段目に示すように、リードアウト領域4には、第3の欠陥管理領域(ThirdDefect Management Area、以下3rdDMAと呼ぶ)と第4の欠陥管理領域(Fourth Defect Management Area、以下4thDMAと呼ぶ)を備えている。3rdDMAと4thDMAは共に光ディスク1における欠陥クラスタの情報を管理するための領域である。
1stDMA〜4thDMAは共通の構成を有する。その共通の構成とは、図5(a)の通りである。これらのDMAは、それぞれディスク定義構造(DiscDefinition Structure 以下DDSと呼ぶ)と欠陥領域リスト(DeFect List:以下DFLと呼ぶ)とから構成され、DDSの次にDFLが配置されるというものである。
図5(b)は、DFLのデータ構造を示す図である。
DFLは、“欠陥リストヘッダ”と、0個以上M個以下の“欠陥エントリ#1〜#M”から構成される。
“欠陥リストヘッダ”は、DFL中に含まれる欠陥エントリの個数(欠陥エントリ数)などを含む。
<DDSのデータ構造>
図5(c)は、DDSのデータ構造を示す図である。DDSは、各DMAにおける1つ以上のDFLのうち、先頭のDFL位置を示す“DFL先頭位置情報(DFLポインタ)”と、“その他の情報”とを含む。DDSには、DFLの先頭位置が示されているので、このDDSを、先にアクセスすることにより、各DMAにおけるDFLをメモリに読み出することができる。
続いてTDMAについて説明する。TDMAとは、ファイナライズを実施する以前において生成された欠陥エントリーを一時的に記録するための領域であり、読出専用の光ディスク(BD-ROM)や、書き換え可能型の光ディスク(BD-RE)には存在しない、追記型光ディスク特有の領域である。
<TDMAの内部構成>
図6は、TDMAの構成を示す図である。本図の第2段目は、TDMAの内部構成を示す。この第2段目に示すように、TDMAには、N個のTDMS(TDMS#1,#2,#3・・・・#N)が存在する。N個のTDMSのそれぞれは、1回目、2回目、n回目の、ユーザデータ領域に対する記録時に発見された欠陥領域についての情報(欠陥エントリー)を書き込んでおく領域である。
TDMSは何れも共通の構成を有している。その共通構成とは、図6の第1段目に示す通りであり、“一時欠陥領域リスト(Temporary DeFect List:以下TDFLと呼ぶ)”と、“一時ディスク定義構造(TemporaryDisc Difinition Structure:以下TDDSと呼ぶ)”とから構成され、TDFLの次にTDDSが配置されるというものである。
図7(a)は、TDFLのデータ構造を示す図である。
TDFLは、DFLと同一の構成であり、引き出し線f1に示すように、“欠陥リストヘッダ”と0個以上M個以下の“欠陥エントリ#1〜#M”から構成される。
“欠陥リストヘッダ”は、DFL中に含まれる欠陥エントリの個数(欠陥エントリ数)などを含む。
<TDDSの内部構成>
図7(b)は、TDDSの内部構成を示す図である。TDDSは固定サイズの情報、1セクタ(2KByte)であり、ディスク定義構造(DDS)と同じサイズである。TDDSは、TDMSにおける末尾のクラスタ内の所定の位置、例えばクラスタを構成する32個のセクタのうち、末尾セクタに配置される。図7(b)に示すように、TDDSは、各TDFLの先頭のDFL位置を示す“TDFL先頭位置情報(TDFLポインタ)”と、“その他の情報”とを含む。DDS同様、TDDSは、DFLの位置を示す役割をもつが、DDSと決定的に違うのは、同じTDMSに複数のTDFLが存在する場合、TDDSは、これら各TDFLの先頭位置を、個別に示す複数のTDFL位置情報を有する点である。そして、対応するTDFLにて示される欠陥領域のアドレスが小さい順序に、複数のTDFL位置情報が並べられており、TDFL#1位置情報、TDFL#2位置情報が、TDDS内部において隣り合っている点である。ここで同じTDMSにTDFLが4つ存在する場合、これら4つのTDFL#1〜#4の位置が、TDDSに示されることになる。TDDSに、各TDFLの位置が示されるので、1つのTDMS内において、TDFLを離散的に配置することができる。
<TDFLの離散配置>
図8は、TDFLの離散配置の一例を示す図である。本図における第1段目は、TDMSを構成する複数のクラスタ(クラスタ#1、クラスタ#2、クラスタ#3〜クラスタ#7)を示し、第2段目は、これらのクラスタに書き込まれた4つのTDFL(TDFL#1、TDFL#2、TDFL#3、TDFL#4)と、TDDSとを示す。
図8におけるTDDSは、欠陥クラスタに先行する領域における最後のクラスタ(クラスタ#1)のアドレスC1を、TDFL#1の位置として示すTDFL#1位置情報(TDFL#1:アドレスC1)と、欠陥クラスタに後続する領域(クラスタ#3〜クラスタ#5)における最初のクラスタ(クラスタ#3)のアドレスC3を、TDFL#2の位置として示すTDFL#2位置情報(TDFL#2:アドレスC3)とを含む。この図8におけるTDDSの特徴は、対応するTDFLにて示される欠陥領域のアドレスが小さい順序に、複数のTDFL位置情報(TDFL#1位置情報、TDFL#2位置情報、TDFL#3位置情報、TDFL#4位置情報)が並べられており、TDFL#1位置情報、TDFL#2位置情報が、TDDS内部において隣り合っていることである。TDDSがこのように構成されているので、TDDS内の位置情報に従い、TDFLを読み出してゆけば、上述した欠陥クラスタの存在に拘らず、TDFL#1〜TDFL#4を予め定められた順序で読み出し、これらをメモリ上に並べることができる。
尚、本実施形態におけるTDMSは2つ目のクラスタが欠陥クラスタであるとしたが、これは簡単のためであり、必ずしも2つ目に存在する必要は無く、また、欠陥の数もいくつであっても良いことは言うまでもない。
<DFL位置情報と、TDFL位置情報との対比>
ここでDFLは、光ディスク1上の複数の離散的な領域(1stDMA〜4thDMA)に記録されており、DFL位置情報は、欠陥エントリーに示される欠陥領域のアドレスが小さい順に、光ディスク1の予め決められた位置(1stDMA〜4thDMAの先頭に位置するDDS)に配置される。
これらを対比すると、欠陥エントリーの位置を示す位置情報を、ある決まった領域に記録しておくという点で、DFLの記録方式は、TDFLの記録方式と共通性を有しているといえる。こうした共通性があるので、再生装置は、DFLを利用する場合も、TDFLを利用する場合も、共通の手順、即ち、光ディスク1上の決められた領域(1stDMA〜4thDMAの先頭にあるDDS、TDMSの未記録領域直前に位置するTDDS)から複数の位置情報を読み出し、これら複数位置情報の順序に従い、欠陥エントリーを読み出すとの処理を行えば、欠陥エントリーがDFL、TDFLの何れの場合でも、これを利用した処理を実行することができる。
<記録読出装置100>
続いて、本発明に係る記録装置及び読出装置の実施行為についての説明を始める。図9における記録読出装置100は、本発明に係る記録装置の機能と、読出装置の機能とを兼備した装置であり、以降、この記録再生装置100について説明を行う。
ドライブ機構11は、光ディスク1のローディング/イジェクトを行い、光ディスク1の記録内容を光学的に読み出し、また光ディスク1に、光学的にデータを書き込む。
欠陥管理情報処理部13は、欠陥エントリーを用いた、光ディスク1に対するアクセスを実現すると共に、TDMSの更新を実現する。
再生制御部14は、命令処理部12及び欠陥管理情報処理部13からの指示に従って、光ディスク1上の所望のクラスタからデータを読み出すよう、ドライブ機構11を制御する。
格納バッファ16は、DMAからの読み取り情報(DMA情報という)、TDMSからの読み取り情報(TDMS情報)を一旦格納しておくためのバッファである。
<欠陥管理情報処理部13の内部構成>
続いて、欠陥管理情報処理部13の内部構成についてより詳しく説明する。図10は、欠陥管理情報処理部13の内部構成を示す図である。本図において欠陥管理情報処理部13は、DMA情報読出部21、TDMS情報読出部22、制御メモリ23、欠陥エントリー追加部24、TDFL変換部25、TDMS情報書込部26、ベリファイ部27、位置情報生成部28、DMA情報書込部29から構成される。
DMA情報読出部21は、1stDMA〜4thDMAの中で正常な欠陥管理領域を判断し、その欠陥管理領域に記録された内容を制御メモリ23に読み出す。ここでDMA情報読出部21は、1stDMA〜4thDMAが正常に再生できることでファイナライズ後と判断し、1stDMA〜4thDMAが未記録のために正常な読み出しができないことでファイナライズ前と判断する。
TDMS情報読出部22は、ローディングされた光ディスク1が未ファイナライズのものである場合、記録済み終端クラスタを探索し、最新のTDMS(TDMS#j-1)をサーチする。そして記録済みの終端クラスタからTDDSを取り出して、TDFLの数nと、各TDFLの位置とを取得する。各TDFLの位置を取得すれば、最新のTDMSからTDFLを制御メモリ23に読み出し、これをDFLを構成する複数の欠陥エントリーとして保持する。この複数の欠陥エントリーは、読出処理に用いられる。
制御メモリ23は、欠陥エントリー等を作業用に格納しておくためのメモリである。
<欠陥エントリー追加部24>
欠陥エントリー追加部24は、j回目の記録処理において、ユーザデータ領域6中の欠陥領域が発見された場合、その欠陥領域を示す欠陥エントリーを、制御メモリ23に読み出された複数の欠陥エントリーに付け加える。具体的には、例えばユーザデータ領域6において、新規に1つの欠陥クラスタが検出された場合、欠陥エントリー追加部24は、制御メモリ23における複数の欠陥エントリーに対して、新規欠陥クラスタに相当する欠陥エントリを追加する。さらに欠陥エントリに含まれる欠陥クラスタの位置情報に従い欠陥エントリのソーティングを行い、さらに欠陥エントリ数を“1”増加させる。
<TDFL変換部25>
TDFL変換部25は、今回の記録処理において、発見された欠陥領域を示す欠陥エントリーと、前回までの記録処理において、発見された欠陥領域を示す欠陥エントリーとを、それに示される欠陥領域のアドレスが、小さい順序に並べ、そうして並べられた複数の欠陥エントリーを“TDFL”に変換する。これにより、TDMSの更新を実現する。この変換にあたって、制御メモリ23中に存在する複数欠陥エントリーの総サイズを算出し、この総サイズを固定サイズであるTDDSのサイズと足し合わせたサイズが1つのクラスタサイズを越えるかどうかを判定する。そして、足し合わせたサイズがクラスタサイズ以下である場合には、複数の欠陥エントリーを1つのTDFLに変換する。TDMSが1つのクラスタから構成されるとき、TDFL#1のサイズと、固定サイズのTDDSのサイズとを足し合わせて、1クラスタにせねばならない。ここでTDDSのサイズは、1セクタであるので、TDFLのサイズは最大31セクタサイズとなる。一方、足し合わせたサイズが、クラスタサイズを越える場合には、複数の欠陥エントリーを複数のTDFLに変換する。
TDMS情報書込部26は、TDFL変換部25の変換により得られたTDFLを、それに示される欠陥領域のアドレスが、小さい順に、最新のTDMS(TDMS#j)に書き込んでゆく。また、TDFLの書き込み後、TDDSもTDMS#jに書き込む。図11は、TDMS情報読出部22によるTDMS情報の読み出しと、TDMS情報書込部26によるTDMS情報の書き込み処理とを示す図である。図11(a)は、この処理の前提となる状況を示している。この状況とは、N個のTDMSのうち、TDMS#1からTDMS#j-1までにTDFL、TDDSが書き込まれており、最新のTDMS#j-1のみが有効になっているというものである。この場合、TDMS情報読出部22はj回目の記録時において、TDMS#j-1に記録されているTDFL#1〜TDFL#3、TDDSを読み出す(図11(b))。j回目の記録処理時に発見された欠陥領域を示すTDFL#4を、このTDMSに存在するTDFL#1〜TDFL#3に加えて(図11(c))、TDMS情報書込部26は、TDFL#1〜TDFL#4、TDDSをTDMS#jに書き込む(図11(d))。これによりTDMS#jには、1回目からj回目の記録時までに発見された全ての欠陥領域を示す欠陥リストが書き込まれることになる。
ベリファイ部27は、TDMS情報読出部22に内蔵されている構成要素であり、TDMS情報書込部26により書き込まれたTDFLに対してベリファイを行う。本明細書において、“ベリファイ”とは、クラスタに対する記録時に、この記録が正常に行われたかどうかを確かめる動作をいう。このベリファイには、記録したデータに対して、エラー訂正を行うことで判断する方法や、記録されたデータを読み出して、そのデータが記録されたデータと一致しているかを確かめることで実現される。欠陥等により正常に記録できなかったと判断した場合、TDMS情報書込部26は、TDFLの書き込みをリトライすることになる。
位置情報生成部28は、TDMS情報書込部26がTDFLをTDMS#jに書き込もうとする際、TDFLの書込先を示すTDFL位置情報を、制御メモリ23上のTDDS内に生成する。こうした生成は、TDFLの最初の書き込み時だけではなく、TDFL書き込みのリトライ時にもなされる。以上のようにして、制御メモリ23上のTDDS内に、TDFL位置情報が複数生成されれば、このうちTDFLが正常に記録されたTDFL位置情報のみを取り出して、これらのTDFL位置情報を、対応するTDFLにて示される欠陥領域のアドレスが、小さい順序に並べ替える。たとえTDFLの書き込み時にリトライがなされ、正常なTDFLがバラバラの順序で、TDMS#j上に配列されたとしても、正常なTDFL位置情報の取り出しと、並べ替えとにより、TDFL位置情報は、対応するTDFLが正常に書き込まれたものだけ、対応するTDFLにて示される欠陥領域のアドレスが、小さい順序に並べられることになる。
DMA情報書込部29は、ファイナライズの際に1stDMA〜4thDMAへの記録処理を行う。図12は、DMA情報書込部29による書き込み処理を示す図である。図12(a)は、この処理の前提となる状況を示している。この状況とは、N個のTDMSのうち、TDMS#jにTDFL#1〜TDFL#4、TDDSが書き込まれており、最新のTDMS#jのみが有効になっているというものである。このTDMS#jの記録内容が、DMA情報読出部21により制御メモリ23に読み出され(図12(b))、DMA情報書込部29によりTDMS#jの記録内容たるTDFL#1〜TDFL#4に存在する欠陥エントリーが、DFLに変換されて、1stDMAに書き込まれる(図12(c))。同様に、2ndDMA,3rdDMA,4thDMAにも、TDFL#1〜TDFL#4を変換することで得られたDFLが書き込まれることになる。
図13は、DFLの読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
光ディスク1が未ファイナライズのものなら、TDMS情報読出部22は、複数のTDMSから記録済みの終端クラスタを探索して、最新のTDMS#jをサーチする(ステップS3)。そして記録済みの終端クラスタからTDDSを取り出して、TDFLの数nと、各TDFLの位置とを取得する(ステップS5)。各TDFLの位置を取得すれば、ステップS6〜ステップS9からなるループ処理を実行する。このループ処理は、変数kを初期化し(ステップS6)、TDDSにおける複数のTDFL位置情報のうち、TDFL#k位置情報のものに基づき、TDMSからTDFL#kを読み出すという処理(ステップS7)を繰り返すというものである。本フローチャートは、変数kを制御変数にしている。変数kは、ステップS7〜ステップS9からなるループ処理が一巡する度にインクリメントされ(ステップS9)、この変数kが、nになることがループ処理の終了条件である(ステップS8)。
図14は、上位制御装置200からのコマンドに応じた読み出し/書き込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
上位制御装置200からのコマンドが読出コマンドであれば、ステップS13〜ステップS15の処理を実行する。ステップS13は、命令処理部12がコマンドの読出先が、DFLのどれかの欠陥エントリーに示される欠陥クラスタであるか否かを判定するステップであり、欠陥クラスタでないなら、その読出先クラスタからユーザデータを読み出す(ステップS14)。欠陥クラスタであるなら、欠陥管理情報処理部13がその欠陥クラスタの代替クラスタからユーザデータを読み出した上で(ステップS15)、ステップS11〜ステップS12のループ処理に戻る。
このループ処理は、書き込まれたユーザデータのベリファイを行い(ステップS19)、ベリファイの結果、欠陥クラスタが発見されれば(ステップS20でYes)、欠陥管理情報処理部13が欠陥クラスタに代替クラスタを割り当てて(ステップS21)、欠陥クラスタと、代替クラスタとを対応づけてけ示す欠陥エントリーを生成してから(ステップS22)、代替クラスタへの書き込みをリトライする(ステップS23)という処理を、ステップS20がNoと判定されるまで繰り返すものである。
ステップS31において、TDFL変換部25は、DFLを構成する複数の欠陥エントリーを、1つ以上のTDFLに変換する変換手順を実現する。ステップS32は、制御メモリ23にあるTDMAの記録済み終端クラスタを1つ先の位置へ進め、未記録領域の先頭位置を算出して、この先頭位置をカレントクラスタとする処理である。このカレントクラスタが記録を開始する位置となる。
このループ処理は、制御メモリ23における未記録TDFLを昇順に取り出し、取り出したTDFLをTDFLiとして、TDMS情報書込部26がカレントクラスタに書き込み(ステップS33)、カレントクラスタを次に進めて(ステップS34)、変数iをインクリメントするという処理(ステップS35)を、TDFLiが最後の1つ前のTDFL(TDFLn-1)になるまで繰り返す(ステップS36でYes)ものである。
ステップS41〜ステップS45は、最後のTDFLと、TDDSとをTDMSに書き込む処理を形成する。ステップS41は、位置情報生成部28が既に書き込まれたTDFLの位置を示すと共に、最後のTDFLが書き込まれるべき位置を示すTDFL位置情報をTDDS内に生成してから(ステップS41)、ステップS42〜ステップS45のループ処理を実行するというものである。
図16は、第1実施形態に係る記録読出装置100により、TDFLが書き込まれる過程を示した図である。本図における第1段目は、TDMSを構成する複数のクラスタを示し、第2段目〜第6段目は、これらのクラスタに書き込まれた4つのTDFL(TDFL#1、TDFL#2、TDFL#3、TDFL#4)と、TDDSとからなる。第1段目において、クラスタ#2は、欠陥クラスタであるとする。
TDMS内に欠陥クラスタが存在する場合に、ランダムな配置が許容されるので、複数のTDFLを、クラスタ列に書き込む場合において、1つのクラスタが欠陥であった場合、リトライの対象となるTDFLは、全部ではなく、欠陥クラスタに書き込まれたTDFLになる。リトライ時に書き込むべきTDFLが少なくなるので、TDMSの消耗を抑えることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、TDMSの書き込みの高速化を図るための、TDMSにおけるTDFLの配置を提案する。
この第2段目において、TDFL及びTDDSは、TDFL#1、TDFL#3、TDFL#4、TDDS、TDFL#2、TDFL#4、TDDSの順序で並んでいる。TDDS及びTDFL#4は2つずつ存在するが、このうち後に記録されたものが有効であり、先に記録されたものは無効として扱われる。何故ならTDDSは、未記録領域の直前にあるもののみが、有効になるからである。
i)最初の書き込みで、書き込みに成功したTDFL(TDFL#1、TDFL#3、)、
ii)書き込みのリトライで、書き込みに成功したTDFL(TDFL#2)、
iii)最後のTDFL(TDFL#4)
の順に並べられていることがわかる。
本図においても、クラスタ#2は欠陥クラスタであり、この欠陥クラスタに書き込まれたTDFL#2は、本来TDFL#1の後に配置すべきであるが、この配置順序に拘らず、記録リトライにより、TDFL#4及びTDDSが書き込まれたクラスタの1つ前のクラスタに書き込まれている。TDFL#4が重複して配置され、TDFL#2が順不同に配置されたとしても、TDDSは、TDFL#1、TDFL#2、TDFL#3、TDFL#4が書き込まれたクラスタの位置(アドレスc1,c5,c3,c6)を、TDFL#1〜TDFL#4の順に示しているので、再生時において、これらTDDSに示された位置に従って、TDMS内のクラスタをアクセスすれば、これらのTDFL#1〜#4を、連続した順序で、記録読出装置100のメモリに読み出すことができる。このように、TDFLの離散的な配置を許容するだけではなく、重複配置をも許容するのが、第2実施形態における光ディスクの改良である。
第2実施形態に係るTDMS情報書込部26は、TDMAにおける最新のTDMSに、全てのTDFLと、TDDSとを、一度に書き込む。もし、TDFLが書き込まれたクラスタが欠陥クラスタであるなら、欠陥クラスタに書き込まれたTDFL、最後のTDFL、TDDSの書き込みをリトライする。
第2実施形態に係る位置情報生成部28は、TDMS情報書込部26がTDFLの書き込みを行おうとする際(リトライ時の書き込みを含む)、TDDSに格納されるべきTDFL位置情報を生成する。
図18は、第2実施形態に係るTDMSへの書き込み処理を示すフローチャートである。図15の同様の処理(ステップS31、ステップS32)を行った後、ステップS51〜ステップS52の処理を実行する。
i番目のTDFL(i≦k)のTDFL位置情報←カレントクラスタ+(i-1)×クラスタ
とする。
ステップS53は、こうした全書き込みの結果に対するベリファイ部27によるベリファイであり、書き込み内容が正常であるなら(ステップS53で成功)、本フローチャートの処理を終了する。
このステップS55〜ステップS58からなるループ処理は、TDMS情報書込部26がリトライを実行するものである。図17の例でいうと、リトライの対象は、書き込みに失敗したTDFL#2だけではなく、新たなTDFL#2の位置を示す新規TDDSと、このTDDSと同一クラスタに書き込まれるべきTDFL#4である。
i番目のTDFL(i≦k)のTDFL位置情報←カレントクラスタ+(i-1)×クラスタ
とする。
また、最後のTDFLのTDFL位置情報を、
最後のTDFLのTDFL位置情報←カレントクラスタ+(k-1)×クラスタ
とすることでなされる。
図19は、第2実施形態に係る記録読出装置100により、TDFLが書き込まれる過程を示した図である。本図における第1段目は、TDMS#jを構成する複数のクラスタを示し、第2段目〜第3段目は、これらのクラスタに書き込まれた4つのTDFL(TDFL#1、TDFL#2、TDFL#3、TDFL#4)と、TDDSとが書き込まれる過程を示す。第1段目において、クラスタ#2は、欠陥クラスタであるとする。第2段目は、TDFL#1〜TDFL#4と、TDDSとをクラスタ#1からクラスタ#4に書き込んだ状態を示す。このTDDSは、TDFL#1、TDFL#2、TDFL#3、TDFL#4が書き込まれたクラスタの位置(アドレスc1,c2,c3,c4)を示している。上述したように、クラスタ#2は欠陥クラスタであるので、リトライが必要になる。ここでのリトライは、書き込みに失敗したTDFL#2だけではなく、新たなTDFL#2の位置を示す新規TDDSと、このTDDSと同一クラスタに書き込まれるべきTDFL#4も対象になる。第3段目は、リトライにより、クラスタ#5以降に、TDFL#2、TDFL#4、TDDSが書き込まれた時点を示す。最後のTDFLと共に書き込まれたTDDSは、TDFL#1、TDFL#2、TDFL#3、TDFL#4が書き込まれたクラスタの位置(アドレスc1,c5,c3,c6)を示す。再生時において、これらTDDSに示された位置に従って、TDMS内のクラスタをアクセスすれば、これらのTDFLを、連続した順序で、記録読出装置100のメモリに読み出すことができる。
さらに、TDMAに傷などによる欠陥がある場合、径方向に並んでいる複数クラスタが欠陥であることが多い。光ディスク1の内周部では1周がほぼ2クラスタ分であるため、TDMSが4つのクラスタから構成されているとすると、リトライ時において、TDMSに書き込むべき内容が、常に同じであるなら、TDMSの更新の失敗を繰り返す可能性がある。しかし、第2実施形態の手順では、径方向に欠陥クラスタが並んでいる場合、欠陥クラスタに当たるTDFLが毎回変わるので、リトライに成功する確率を高めることができる。
第3実施形態は、第2実施形態程ではないが、第1実施形態と、第2実施形態との中間レベルの書き込み速度を実現する改良に関する。
図20は、第3実施形態に係るTDFLの離散配置の一例を示す図である。本図における第1段目は、TDMSを構成する複数のクラスタを示し、第2段目は、これらのクラスタに書き込まれたTDFL(TDFL#1、TDFL#2、TDFL#3、TDFL#4)と、TDDSとからなる。
以上が本実施形態に係る光ディスクについての改良である。続いて本実施形態に係る記録読出装置100について説明する。本実施形態に係る記録読出装置100の改良点は、TDMS情報書込部26、ベリファイ部27、位置情報生成部28にある。
第3実施形態に係るベリファイ部27は、TDMS情報書込部26がTDFL、TDDSの書き込みを行った際(リトライ時の書き込みを含む)、書き込まれたTDFLに対してベリファイを行い、書き込まれたTDFLが正しいかどうかを判定する。
これらTDMS情報書込部26、ベリファイ部27、位置情報生成部28についての改良は、図21のフローチャートに表されている。以降、図21を参照しながら、第3実施形態に係るTDMS情報書込部26、ベリファイ部27、位置情報生成部28の処理について説明する。
ステップS63〜ステップS64は、複数のTDFLが、カレントクラスタ以降の4つのクラスタに書き込まれると予測して、位置情報生成部28が予測した位置を示すTDFL位置情報をTDDS内に生成した上で(ステップS63)、TDFL#1からTDFLn-1までをカレントクラスタ以降に書き込む(ステップS64)との処理を実行するものである。
ステップS66〜ステップS70は、欠陥クラスタが存在する場合の処理であり、書き込みに成功したTDFLの位置を示すと共に、書き込みに失敗したTDFLが書き込まれるべき位置を示す情報を、位置情報生成部28がTDDS内に生成した後(ステップS66)、ステップS67〜ステップS70からなるループ処理に移行する。
i番目のTDFL(i≦k)のTDFL位置情報←カレントクラスタ+(i-1)×クラスタ
とする。
ステップS71〜ステップS75は、既に書き込まれたTDFLの位置を示すと共に、最後のTDFLが書き込まれるべき位置を示す情報をTDDS内に生成してから(ステップS71)、ステップS72〜ステップS75のループ処理を実行するとい
うものである。
図22は、第3実施形態に係る記録読出装置100により、TDFLが書き込まれる過程を示した図である。本図における第1段目は、TDMS#jを構成する複数のクラスタを示し、第2段目〜第4段目は、4つのTDFL(TDFL#1、TDFL#2、TDFL#3、TDFL#4)と、TDDSとが書き込まれる過程を示す。第1段目において、クラスタ#2は、欠陥クラスタであるとする。第2段目は、TDFL#1からTDFL#3までが、クラスタ#1からクラスタ#3までに書き込まれた状態を示す。
さらに、TDMAに傷などによる欠陥がある場合、径方向に並んでいる複数クラスタが欠陥であることが多い。光ディスク1の内周部では1周がほぼ2クラスタ分であるため、TDMSが4つのクラスタから構成されているとすると、リトライ時において、TDMSに書き込むべき内容が、常に同じであるなら、TDMSの更新の失敗を繰り返す可能性がある。しかし、第3実施形態のような書き込み手順では、径方向に欠陥クラスタが並んでいる場合、欠陥クラスタに当たるTDFLが毎回変わるので、リトライに成功する確率を高めることができる。
(備考)
以上、本願の出願時点において、出願人が知り得る最良の実施形態について説明したが、 以下に示す技術的トピックについては、更なる改良や変更実施を加えることができる。これらの改良・変更を施すか否かは、何れも任意的であり、実施する者の意思によることは留意されたい。
(TDMSの構成)
ここではTDMSはTDFLとTDDSとの2つが記録されているが、その他の追加情報が追加されてもよい。その場合、TDFL、TDDS、追加情報のサイズを足し合わせたサイズが、1つのTDMSのサイズとなる。
TDDSのサイズは、必ずしもDDSのサイズと同じサイズでなくとも良い。ここで、TDFLとTDDS、その他の意味のある情報を足し合わせたサイズがクラスタサイズに満たない場合は、その部分は意味を持たないデータ、例えば0を書いた形でクラスタサイズとすることは言うまでもない。
(他のリストへの応用)
第1実施形態ではTDFLを対象としたが、代替元と代替先のエントリから成るリスト情報であって、例えば記録済み領域への上書き記録データを別領域に記録し、エントリで仮想的に上書き記録するようなリストであっても、全く同様に扱うことが可能であることは言うまでもない。
(TDMSの更新)
第1実施形態では、新たな欠陥エントリが追加された際の、TDMS更新において、エントリの追加の影響が、一部のTDFLに限定される場合には差分のみを更新することも可能であることはいうまでもない。
(ファイナライズ識別フラグ)
DMA情報読出部21は1stDMA〜4thDMAからファイナライズ前かどうかの判断機能を有するが、例えば、TDMS中の所定の位置にファイナライズ実施有無を識別するためのファイナライズ識別フラグを備えれば、TDMS情報読出部22でもファイナライズ前かどうかの判断を行うことが出来る。なお、ファイナライズ識別フラグは、必ずしもTDMS中でなくとも、媒体上の所定の位置に含まれていれば良い。
(TDFLからDFLへの変換)
本実施形態ではTDFL位置情報の順序に従って、TDFLを1クラスタずつ読み出して格納バッファ16に格納したが、TDFL#1位置情報が指し示す位置から記録済み終端クラスタまで全クラスタを読み出したあと、TDFL位置情報が指し示す位置に相当する有効なTDFLのみを抽出し、TDFL位置情報の順序で並べ換えたものをDFLとしても良い。
(TDFLの読み出し)
各実施形態ではTDFL位置情報の順序に従って、TDFLを1クラスタずつ読み出して格納バッファ16に格納したが、TDFL位置情報が指し示すTDFLの間に欠陥クラスタや無効クラスタが存在するかどうかを、TDFL位置情報の連続性から判断し、有効なTDFLが連続して存在している場合には複数クラスタを連続で読出してもよい。この場合、1クラスタずつ読出した場合と比べて、欠陥エントリーを取得するのに要する時間を短縮することが可能である。
(TDFLからDFLへの変換)
格納バッファ16中では、読み出した全てのTDFLを組み合わせてDFLとして保持しておいても良いし、読み出した状態のまま保持しておいても良い。
(TDMS更新)
第1実施形態におけるTDFL変換部25によるTDMS更新はあくまで一例であり、欠陥に関する情報が反映されていればよい。例えば欠陥エントリのソーティング等は必ずしも行われなくてはならないものではない。
(TDMSの構成)
各実施形態におけるTDMSはTDFLとTDDSの2つで構成されているが、その他の追加情報が追加されてもよい。その場合、TDFL、TDDS、追加情報のサイズを足し合わせたサイズが、1つのTDMSのサイズとなる。
(ベリファイのタイミング)
第2実施形態、第3実施形態では、記録に失敗したクラスタとTDDSを含むブロックを連続的に記録し、ベリファイしているが、記録に失敗したクラスタのみの記録と、ベリファイとを繰り返し、最後のTDFL及びTDDS以外のブロックの記録に成功した後にTDDSを含むブロックの記録、ベリファイを行っても良いことはいうまでもない。
(記録の際にエラーが生じた場合)
第2実施形態、第3実施形態では、ベリファイしたときに記録に失敗したことを判定し、記録リトライを行っているが、記録を行う際に発生したエラーに応じて、リトライを行ってもよい。この場合、記録時のエラー発生に応じて、既に連続記録により記録を行った記録済みクラスタのベリファイを行い、記録に失敗したクラスタと記録をまだ行っていないブロックとTDDSを含むクラスタを連続記録し、ベリファイすることを繰り返すことにより、同様の効果が得られる。
(TDMS更新の対象)
第3実施形態では、新たな欠陥エントリが追加された際の、TDMSの更新において、エントリの追加の影響が、一部のTDFLに限定される場合には差分のみを更新すればよいことはいうまでもない。
(TDDSの書き換え)
第2実施形態では、リトライの前にTDFLのTDFL位置情報を求めてTDDSに含まれるそれぞれのTDFLに対応するTDFL位置情報を書き換えているが、必ずしもリトライ前にTDFL位置情報を書き換える必要は無く、最後のTDFLと、TDDSとを書き込む段階において、全ての有効なTDFLのTDFL位置情報を求めてTDDSに含まれるそれぞれのTDFLに対応するTDFL位置情報を書き換えても良いことはいうまでもない。
(ベリファイのタイミング)
第3実施形態では、記録に失敗したクラスタを全て連続記録し、ベリファイすることを繰り返し、最後のTDFL及びTDDS以外を正常に記録したあとに、最後のTDFLと、TDDSとを記録しベリファイしているが、記録に失敗したクラスタとTDDSとを、連続したクラスタに書き込み、ベリファイを行っても良いことはいうまでもない。
第3実施形態では、記録に失敗したクラスタを全て連続記録し、ベリファイすることを繰り返し、最後のTDFL及びTDDS以外を正常に記録したあとに、TDDSと、最後のTDFLとを記録しベリファイしているが、記録に失敗したTDFLを1つずつ記録し、ベリファイすることを繰り返し、最後のTDFL以外を正常に記録したあとに、最後のTDFLと、TDDSとを記録しベリファイすることを繰り返しても良いことはいうまでもない。
(TDFLの順序)
欠陥クラスタが存在する場合であっても、有効なTDFL#1〜TDFL#nの順序は昇順となることがある。例えば、TDFL#nを記録するはずの位置が欠陥クラスタである場合、TDFLはTDFL#1、TDFL#2、TDFL#3、・・・、欠陥クラスタ、TDFL#nの順に記録されるため、昇順に並ぶ。
(制御手順の実現)
各実施形態においてフローチャートを引用して説明した制御手順や、機能的な構成要素による制御手順は、ハードウェア資源を用いて具体的に実現されていることから、自然法則を利用した技術的思想の創作といえ、“プログラムの発明”としての成立要件を満たす。
本発明に係るプログラムは、以下のようにして作ることができる。先ず初めに、ソフトウェア開発者は、プログラミング言語を用いて、各フローチャートや、機能的な構成要素を実現するようなソースプログラムを記述する。この記述にあたって、ソフトウェア開発者は、プログラミング言語の構文に従い、クラス構造体や変数、配列変数、外部関数のコールを用いて、各フローチャートや、機能的な構成要素を具現するソースプログラムを記述する。
コンパイラによる翻訳は、構文解析、最適化、資源割付、コード生成といった過程からなる。構文解析では、ソースプログラムの字句解析、構文解析および意味解析を行い、ソースプログラムを中間プログラムに変換する。最適化では、中間プログラムに対して、基本ブロック化、制御フロー解析、データフロー解析という作業を行う。資源割付では、ターゲットとなるプロセッサの命令セットへの適合を図るため、中間プログラム中の変数をターゲットとなるプロセッサのプロセッサが有しているレジスタまたはメモリに割り付ける。コード生成では、中間プログラム内の各中間命令を、プログラムコードに変換し、オブジェクトプログラムを得る。
・本発明に係るプログラムの使用形態
本発明に係るプログラムは、以下のようにして使用することができる。
本発明に係るプログラムを組込プログラムとして使用する場合、プログラムにあたるロードモジュールを、基本入出力プログラム(BIOS)や、様々なミドルウェア(オペレーションシステム)と共に、命令ROMに書き込む。こうした命令ROMを、制御部に組み込み、CPUに実行させることにより、本発明に係るプログラムを、記録読出装置100の制御プログラムとして使用することができる。
記録読出装置100が、ハードディスク内蔵モデルである場合は、基本入出力プログラム(BIOS)が命令ROMに組み込まれており、様々なミドルウェア(オペレーションシステム)が、ハードディスクにプレインストールされている。また、ハードディスクから、システムを起動するためのブートROMが、記録読出装置100に設けられている。
(欠陥管理情報処理部13)
各実施形態に示した欠陥管理情報処理部13は、一個のシステムLSIとして実現することができる。
ここでパッケージの種別に着目するとシステムLSIには、QFP(クッド フラッド アレイ)、PGA(ピン グリッド アレイ)という種別がある。QFPは、パッケージの四側面にピンが取り付けられたシステムLSIである。PGAは、底面全体に、多くのピンが取り付けられたシステムLSIである。
システムLSIにパッケージングされるベアチップは、“フロントエンド部”、“バックエンド部”、“デジタル処理部”からなる。“フロントエンド部”は、アナログ信号を、デジタル化する部分であり、“バックエンド部”はデジタル処理の結果、得られたデータを、アナログ化して出力する部分である。
先に“組込プログラムとしての使用”で述べたように、命令ROMには、プログラムにあたるロードモジュールや、基本入出力プログラム(BIOS)、様々なミドルウェア(オペレーションシステム)が書き込まれる。本実施形態において、特に創作したのは、このプログラムにあたるロードモジュールの部分なので、プログラムにあたるロードモジュールを格納した命令ROMを、ベアチップとしてパッケージングすることにより、本発明に係るシステムLSIは生産することができる。
さらに、各記録読出装置の構成要素の一部又は全てを1つのチップとして構成してもよい。集積回路化は、上述したSoC実装,SiP実装に限るものではなく、専用回路又は汎用プロセスで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(FieldProgrammable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なシリコンフィギュラブル・プロセッサを利用することが考えられる。更には、半導体技術の進歩又は派生する技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積回路化を行っても良い。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてありうる。
2 リードイン領域
3 データ領域
4 リードアウト領域
5 スペア領域
6 ユーザデータ領域
7 スペア領域
11 BD-Rドライブ
12 命令処理部
13 欠陥管理情報処理部
14 再生制御部
15 記録制御部
16 格納バッファ
21 DMA情報読出部
22 TDMS情報読出部
23 制御メモリ
24 欠陥エントリー追加部
25 TDFL変換部
26 TDMS情報書込部
27 ベリファイ部
28 位置情報生成部
29 DMA情報書込部
100 記録読出装置
200 上位制御装置
Claims (10)
- クラスタ単位に記録され、一時的欠陥管理領域を有するライトワンス型の光ディスクであって、
前記一時的欠陥管理領域には、欠陥管理を更新するための構造が、1つ以上存在していて、個々の構造毎に更新がなされ、
前記1つ以上の構造のそれぞれは、欠陥領域リストと、構造情報とを含む、少なくとも1つの欠陥でないクラスタから構成され、
前記欠陥領域リストは、光ディスクにおける少なくとも1つの欠陥領域についてのエントリーを含み、
前記構造に含まれる欠陥領域リスト内のエントリーは、欠陥領域に関する情報に従いソートされており、
前記構造情報は、前記構造を構成するクラスタの最後のクラスタに配置され、
前記1つ以上の構造のうち最後のものの前記構造情報は、欠陥領域に関する情報に従ってソートされた前記欠陥領域リスト内のエントリーが記録されている個々のクラスタの位置を示す複数の位置情報を含む
ことを特徴とする光ディスク。 - 一時的欠陥管理領域における構造は、複数のクラスタからなり、その中には、欠陥クラスタがあり、
前記欠陥領域リストは、その欠陥クラスタに先行する領域と、欠陥クラスタに後続する領域とに分断した状態で書き込まれており、
前記欠陥クラスタに先行する領域における最後のクラスタを示す位置情報と、前記欠陥クラスタに後続する領域における最初のクラスタを示す位置情報とは、前記構造情報において隣り合って配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の光ディスク。 - クラスタ単位に記録されるライトワンス型光ディスクに欠陥領域リストを記録する記録装置であって、
欠陥領域リスト、構造情報を生成する生成手段と、
生成された欠陥領域リストと、構造情報とを含む構造を、一時的欠陥管理領域における少なくとも1つのクラスタに書き込む書込手段とを備え、
前記欠陥領域リストは、光ディスクにおける少なくとも1つの欠陥領域についてのエントリーを含み、
前記構造情報は、前記構造を構成するクラスタの最後のクラスタに配置され、
前記生成手段は、前記構造の更新にあたって、前記構造に含まれる欠陥領域リスト内のエントリーを、欠陥領域の情報に従ってソートし、
前記書込手段により一時的欠陥管理領域のクラスタに書き込まれる構造は、欠陥でないクラスタにより構成され、
前記構造情報は、欠陥領域に関する情報に従ってソートされた前記欠陥領域リスト内のエントリーが記録されている個々のクラスタの位置を示す複数の位置情報を含む
ことを特徴とする記録装置。 - 前記記録装置は、欠陥領域リストが書き込まれたクラスタに対してベリファイを行い、欠陥領域リストが書き込まれたクラスタが欠陥クラスタであるか否かを判定するベリファイ手段を備え、
前記書込手段は、
欠陥領域リストが書き込まれたクラスタが欠陥クラスタであるなら、当該欠陥領域リストを欠陥クラスタの次のクラスタに書き込むことで、書き込みのリトライを行い、
前記リトライにより
欠陥領域リストは、その欠陥クラスタに先行する領域と、前記欠陥クラスタに後続する領域とに分断した状態で書き込まれ、
前記生成手段は、
前記欠陥クラスタに先行する領域における最後のクラスタを示す位置情報と、前記欠陥クラスタに後続する領域における最初のクラスタを示す位置情報とを、前記構造情報において隣り合わせて配置させる
ことを特徴とする請求項3記載の記録装置。 - クラスタ単位に記録されるライトワンス型光ディスクの一時的欠陥管理領域から欠陥領域リストを読み出す読出装置であって、
前記一時的欠陥管理領域には、欠陥管理を更新するための構造が、1つ以上存在していて、個々の構造毎に更新がなされ、
前記1つ以上の構造のそれぞれは、欠陥領域リストと、構造情報とを含む、少なくとも1つの欠陥でないクラスタから構成され、
前記欠陥領域リストは、光ディスクにおける少なくとも1つの欠陥領域についてのエントリーを含み、
前記構造に含まれる欠陥領域リスト内のエントリーは、欠陥領域に関する情報に従いソートされており、
前記構造情報は、前記構造を構成するクラスタの最後のクラスタに配置され、
前記1つ以上の構造のうち最後のものの前記構造情報は、欠陥領域に関する情報に従ってソートされた前記欠陥領域リスト内のエントリーが記録されている個々のクラスタの位置を示す複数の位置情報を含み、
前記構造の最後のクラスタから前記構造情報を取り出し、前記複数の位置情報を用いて欠陥領域リストを光ディスクからメモリに読み出す読出手段と、
メモリに読み出された欠陥領域リストを保持する保持手段と、
欠陥領域リストに示される欠陥領域に対するアクセスが、上位装置から命じられた場合、当該欠陥領域の代わりに、当該欠陥領域に対応するスペア領域に対するアクセスを実行するアクセス手段と
を備えることを特徴とする読出装置。 - クラスタ単位に記録されるライトワンス型光ディスクに欠陥領域リストを記録する記録方法であって、
欠陥領域リスト、構造情報を生成する生成ステップと、
生成された欠陥領域リストと、構造情報とを含む構造を、一時的欠陥管理領域における少なくとも1つのクラスタに書き込む書込ステップとを備え、
前記欠陥領域リストは、光ディスクにおける少なくとも1つの欠陥領域についてのエントリーを含み、
前記構造情報は、前記構造を構成するクラスタの最後のクラスタに配置され、
前記生成ステップは、前記構造の更新にあたって、前記構造に含まれる欠陥領域リスト内のエントリーを、欠陥領域の情報に従ってソートし、
前記書込ステップにより一時的欠陥管理領域のクラスタに書き込まれる構造は、欠陥でないクラスタにより構成され、
前記構造情報は、欠陥領域に関する情報に従ってソートされた前記欠陥領域リスト内のエントリーが記録されている個々のクラスタの位置を示す複数の位置情報を含む
ことを特徴とする記録方法。 - 前記記録方法は、欠陥領域リストが書き込まれたクラスタに対してベリファイを行い、欠陥領域リストが書き込まれたクラスタが欠陥クラスタであるか否かを判定するベリファイステップを備え、
前記書込ステップは、
欠陥領域リストが書き込まれたクラスタが欠陥クラスタであるなら、当該欠陥領域リストを欠陥クラスタの次のクラスタに書き込むことで、書き込みのリトライを行い、
前記リトライにより
前記欠陥領域リストは、その欠陥クラスタに先行する領域と、前記欠陥クラスタに後続する領域とに分断した状態で書き込まれ、
前記生成ステップは、
前記欠陥クラスタに先行する領域における最後のクラスタを示す位置情報と、前記欠陥クラスタに後続する領域における最初のクラスタを示す位置情報とを、前記構造情報において隣り合わせて配置させる
ことを特徴とする請求項6記載の記録方法。 - クラスタ単位に記録されるライトワンス型光ディスクの一時的欠陥管理領域から欠陥領域リストを読み出す読出方法であって、
前記一時的欠陥管理領域には、欠陥管理を更新するための構造が、1つ以上存在していて、個々の構造毎に更新がなされ、
前記1つ以上の構造のそれぞれは、欠陥領域リストと、構造情報とを含む、少なくとも1つの欠陥でないクラスタから構成され、
前記欠陥領域リストは、光ディスクにおける少なくとも1つの欠陥領域についてのエントリーを含み、
前記構造に含まれる欠陥領域リスト内のエントリーは、欠陥領域に関する情報に従いソートされており、
前記構造情報は、前記構造を構成するクラスタの最後のクラスタに配置され、
前記1つ以上の構造のうち最後のものの前記構造情報は、欠陥領域に関する情報に従ってソートされた前記欠陥領域リスト内のエントリーが記録されている個々のクラスタの位置を示す複数の位置情報を含み、
前記構造の最後のクラスタから前記構造情報を取り出し、前記複数の位置情報を用いて欠陥領域リストを光ディスクからメモリに読み出す読出ステップと、
メモリに読み出された欠陥領域リストを保持する保持ステップと、
欠陥領域リストに示される欠陥領域に対するアクセスが、上位装置から命じられた場合、当該欠陥領域の代わりに、当該欠陥領域に対応するスペア領域に対するアクセスを実行するアクセスステップと
を含むことを特徴とする読出方法。 - クラスタ単位に記録され、一時的欠陥管理領域を有するライトワンス型の光ディスクであって、
前記一時的欠陥管理領域には、欠陥管理を更新するための構造が、1つ以上存在していて、個々の構造毎に更新がなされ、
前記1つ以上の構造のそれぞれは、欠陥領域リストと、構造情報とを含む、少なくとも1つの欠陥でないクラスタから構成され、
前記欠陥領域リストは、光ディスクにおける少なくとも1つの欠陥領域についてのエントリーを含み、
前記構造に含まれる欠陥領域リスト内のエントリーは、欠陥領域に関する情報に従いソートされており、
前記構造情報は、前記構造を構成するクラスタの最後のクラスタに配置され、
前記1つ以上の構造のうち最後のものの前記構造情報は、欠陥領域に関する情報に従ってソートされた前記欠陥領域リスト内のエントリーが記録されている個々のクラスタの位置を示す複数の位置情報を含む
ことを特徴とする光ディスク。 - クラスタ単位に記録されるライトワンス型光ディスクに欠陥領域リストを記録する記録装置であって、
欠陥領域リスト、構造情報を生成する生成手段と、
生成された欠陥領域リストと、構造情報とを含む構造を、一時的欠陥管理領域における少なくとも1つのクラスタに書き込む書込手段とを備え、
前記欠陥領域リストは、光ディスクにおける少なくとも1つの欠陥領域についてのエントリーを含み、
前記構造情報は、前記構造を構成するクラスタの最後のクラスタに配置され、
前記構造情報は、欠陥領域に関する情報に従ってソートされた前記欠陥領域リスト内のエントリーが記録されている個々のクラスタの位置を示す複数の位置情報を含み、
前記生成手段は、前記構造の更新にあたって、前記構造に含まれる欠陥領域リスト内のエントリーを、欠陥領域の情報に従ってソートし、
前記書込手段により一時的欠陥管理領域のクラスタに書き込まれる構造は、欠陥でないクラスタにより構成される
ことを特徴とする記録装置。
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