JP4916339B2 - 反射防止フィルム用積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
実施形態の目的を損なわない範囲において、その他の成分を更に添加したものを用いることができる。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
あらかじめ、ポリエステルフィルムの測定裏面に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(日本分光株式会社製 紫外可視分光光度計 V−570 および自動絶対反射率測定装置 AM−500N)を使用して同期モード、入射角5°、N偏光、レスポンス Fast、データ取区間隔1.0nm、バンド幅10nm、走査速度1000m/minで塗布層面を波長範囲400〜800nm、の絶対反射率を測定し、その最小値を評価した。
分光光度計(株式会社島津製作所社製UV−3100PC型)により、スキャン速度を低速、サンプリングピッチを2nm、波長300〜700nm領域で連続的に光線透過率を測定し、380nm波長での光線透過率を検出した。
ポリエステルフィルム(塗布層を積層した場合は塗布層側)に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70質量部、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン30質量部、光重合開始剤(商品名:「IRGACURE184」、チバスペシャルティケミカル製)4質量部、イソプロパノール100質量部の混合塗液を乾燥膜厚が3μm程度になるように塗布し、400mJ/cm2の紫外線により硬化した。次に、その上に1,10−ジアクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン40質量部、中空シリカゾル(固形分濃度20質量%、平均粒径60nm、触媒化成工業株式会社製)120質量部、光重合開始剤(商品名:「KAYACURE BMS」、日本化薬株式会社製)5質量部を混合した液を光学膜厚が0.1μmになるように塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cm2の紫外線により硬化した。得られたフィルムを3波長光域型蛍光灯下で目視にて、干渉ムラを観察し、視認性が良好ならば○、視認性の悪化が確認できれば×とした。
ポリエステルフィルム(塗布層を積層した場合は塗布層側)に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70質量部、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン30質量部、光重合開始剤(商品名:「IRGACURE184」、チバスペシャルティケミカル製)4質量部、イソプロパノール100質量部の混合塗液を乾燥膜厚が3μm程度になるように塗布し、400mJ/cm2の紫外線により硬化した。その上に18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を貼り付け、180度の剥離角度で急激にはがした後、剥離面を観察し、剥離面積が10%未満ならば○、10%以上20%未満なら△、20%以上ならば×とした。
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を層厚さとした。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.63であった。
ポリエステル(A)を、あらかじめ160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75ポリエステル(B)を得た。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.2部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は、極限粘度0.65であった。
ポリエステル(A)をベント付き二軸押出機に供して、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製 CYASORB UV−3638 分子量369 ベンゾオキサジノン系)を10重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、紫外線吸収剤マスターバッチポリエステル(D)を作成した。得られたポリエステル(D)の極限粘度は、0.59であった。
(化合物例)
ヘキサメトキシメチルメラミン(I)
ウレタン樹脂(II)
下記の方法で得られたウレタン樹脂水性塗料を使用した。すなわち、先ず、テレフタル酸664部、イソフタル酸631部、1,4−ブタンジオール472部、ネオペンチルグリコール447部から成るポリエステルポリオールを得た。次いで、得られたポリエステルポリオールに、アジピン酸321部、ジメチロールプロピオン酸268部を加え、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。更に、上記のポリエステルポリオールA1880部にヘキサメチレンジイソシアネート160部を加えてウレタン樹脂水性塗料を得た。
バインダーポリマー:(III1)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)2,6−ナフタレンジカルボン酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=84/13/3//80/20(mol%)
バインダーポリマー:(III2)
メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
粒子:(IV) 平均粒径65nmのシリカゾル
ポリエステル(B)、(C)をそれぞれ90%、10%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(D)をそれぞれ90%、10%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示す塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で3.8倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、塗工量(乾燥後)が0.1g/m2の塗布層を有する厚さ100μm(表層5μm、中間層90μm)のポリエステルフィルムを得た。
比較例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は比較例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、高い反射率を有し、表面機能層を積層後の反射防止能を評価したところ、視認性は良好であった。
比較例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は比較例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおり、反射防止能の悪化が見られた。
比較例1において、塗布層を設けなかった以外は比較例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおり、反射防止能の悪化が見られた。
Claims (2)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、メラミン化合物を30〜70%、ナフタレン環を有する化合物、およびウレタン樹脂を含有する塗布層を有し、当該塗布層側の絶対反射率が波長400〜800nmのすべての波長範囲に対して4.0%以上であることを特徴とする反射防止フィルム用積層ポリエステルフィルム。
- フィルムの光線透過率が波長380nmにおいて5.0%以下であることを特徴とする請求項1記載の反射防止フィルム用積層ポリエステルフィルム。
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