JP4915886B2 - 隠蔽層を改良した転写型磁気テープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は転写型磁気テープに関するものであり、さらに詳しくは、スペーシングロスによる出力ロスが小さいために記録再生特性に優れ、かつ磁気カード化する際に、磁性材料固有の暗色を消して、磁気ストライプを鮮明に彩色することを可能にする、磁気ストライプ特性の改良技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
彩色された磁気ストライプをその一部に有しているクレジットカード、銀行カード、IDカードなどの磁気カードを製造する際、その彩色磁気ストライプの付与手段としては、彩色された転写型磁気テープを使用するというのが常法である。その際、磁気ストライプに彩色を施すため、すなわち、磁性材料に由来する磁気記録層の一般的固有色である黒色ないし茶色を消してそれ以外の色彩とするときには、所望の色彩を持った一層としての着色層を設けて、転写型磁気テープとしている。さらにそれは、隠蔽層の有無により、2つのタイプの着色層保有・転写型磁気テープに区分される。すなわち、着色層と磁気記録層との間に隠蔽層を設けない第1のタイプ:安価だが彩色と磁気特性には満足できないタイプと、着色層と磁気記録層との間に隠蔽層を設ける第2のタイプ:彩色と磁気特性は満足できるが高価や低耐久性であったりするタイプの、以下の2タイプである。
先ず、第1のタイプであるが、この第1のタイプの転写型磁気テープは、仮支持体フィルム上に、仮支持体フィルムとの剥離性を有していてカード化後にはカードの最表層として表面保護の機能を持つようになる保護層、磁気ストライプを特定の色に彩色する着色層、磁気データの記録・再生を担う磁気記録層、カード基材との接着作用を担う接着層を、この順に積層した構造を持つ。そして、磁気カードを製造する工程においては、この転写型磁気テープの接着層とカード基材とを向かい合わせて重ね、それを加熱および加圧して接着し、その後、仮支持体フィルムを剥離・除去することにより、カード基材表面に、保護層を最表層とした転写型磁気テープの層構成を転写する。さらにその後、転写した磁気記録層を含む層を、必要に応じ熱圧プレスして、カード基材内に埋め込んで基材表面と面一にし、これを所定寸法に打ち抜いて磁気カードを得る。
【0003】
このようにして製造した磁気カードでの磁気ストライプ部分の色彩は、透明な保護層を透して、着色層ないしはそれより下層との混色として視覚される。着色層は任意の色に彩色できるのが理想的である。しかしこの場合には、着色層は、磁気記録層の色を隠蔽するための隠蔽用顔料と、彩色するための着色用染顔料とを含んでいる。そこでは、次のようなことが起き、色彩を良くすることは困難である。すなわち、磁気記録層の色を隠蔽するための隠蔽用顔料を増やすと、相対的に、着色用染顔料が減少し、鮮明な彩色を施すことができなくなる。そこで逆に、色彩を良くしようとして着色用染顔料を増やすと、今度は、相対的に隠蔽用顔料が減少することとなり隠蔽力が不十分なものとなる。隠蔽が不十分であると、磁気ストライプ色として視覚される色彩は、磁気記録層の黒色ないし茶色の影響を受けて混色し、暗くて汚れた感じの色となり、色彩を良くすることができないのである。
【0004】
また、着色層の膜厚の大小は、磁気記録再生特性へ影響する。着色層に十分な隠蔽力を持たせるためにその膜厚を大きくすると、カード化した際、磁気記録層の表層側すなわち磁気ヘッド側に存在する層の総厚み(この場合、保護層の膜厚と着色層の膜厚の和)が大きくなることとなり、その結果、記録再生特性が低下し、カード使用時におけるエラーの原因となる。これは以下の理由による。磁気記録は、磁気ヘッドからの漏れ磁束を利用して行われているが、この漏れ磁束の磁界強度は、磁気ヘッドから離れるほどその分布が広くなり、かつ磁界強度が弱くなる。すなわち、磁気ヘッドと磁気記録層との距離が大きくなるほど、記録強度は弱くなる。また、再生の際は磁気記録層からの漏れ磁束を磁気ヘッドで検出することになるが、この場合も上述の理由と同様に磁気ヘッドと磁気記録層との距離が大きくなると再生出力が小さくなる。すなわち、全く同一の磁気記録層であっても、磁気記録層と磁気ヘッドとの距離によりその記録再生特性は変化し、この距離が大きくなると記録再生特性は低下する。さらに、記録周波数が大きくなるとこの記録再生出力低下の度合いはより強くなり、その結果、磁気記録媒体の重要な特性のひとつである低周波域の再生出力と高周波域の再生出力の比、いわゆる分解能も磁気ヘッドと磁気記録層との距離に従って低下する。この磁気ヘッドと磁気記録層との距離を“スペーシング”、これによる記録再生特性の損失を“スペーシング・ロス”と呼ぶ。着色層の膜厚を厚くすると、このスペーシングが大きくなってスペーシング・ロスが増大し、記録再生特性が悪化する。
【0005】
次に、第2のタイプであるが、これは、着色層と磁気記録層との間に隠蔽層を設けるタイプであり、スペーシング・ロスの増大を防止し、かつ鮮明な彩色を得ようとするものである。 ここでは、磁気ストライプ彩色のための着色層と磁気記録層の暗い色調を隠蔽する隠蔽層とを機能分離している。その上、各々の層が、要求される特性に合わせて組成などを最適化できる。そのため、前記、着色層が隠蔽層と彩色化を兼ねている第1のタイプに比較して、スペーシング・ロスを小さくすることが可能である。
【0006】
この第2のタイプにはさらに、以下の▲1▼と▲2▼とに示す2つのタイプがある。▲1▼としては、隠蔽層として金属蒸着膜層を使用する転写型磁気テープであって、特開昭53−104203で開示されている。金属蒸着膜層は、極めて薄い膜厚でも良好な隠蔽力を有することから、スペーシングをあまり増大させることなしに、磁気記録層の暗い色調を隠蔽することが可能となる。しかし、金属蒸着膜層は樹脂成分を全く含まないために、着色層と金属蒸着膜層との層間および金属蒸着膜層と磁気記録層との層間における層間密着力が不足する場合が多い。その不足を補うために、着色層と金属蒸着膜層との間および金属蒸着膜層と磁気記録層との間に、結着樹脂を主成分とする一層ずつのアンカー層を設ける必要がある。
しかし、このことは、工程数の増大による不良品および目欠ないしは生産コストの増大を招き、金属蒸着膜層を使用した転写型磁気テープでは高コストになるという問題点がある。
さらには、金属蒸着膜層は酸化しやすいため、得られた転写型磁気テープおよびこの転写型磁気テープを使用して製造した磁気カードでは、耐候保存性(特に、耐酸化性)などの耐久性が、金属蒸着膜層を設けていない転写型磁気テープおよび磁気カードに比較して、劣るという問題点がある。
【0007】
そのため、▲2▼のタイプの隠蔽層として、さらに別の方法が提案されている。すなわちそれは、無機顔料や金属粉末ないし金属酸化物粉末などのフィラーを結着樹脂中に混合・分散させ、その樹脂組成物層を隠蔽層として設ける方法である。
この方法では、隠蔽層用塗料を調製し、それを塗工もしくは印刷して、隠蔽層を得る。そのため、製造コストは比較的安価である。また、隠蔽層に結着樹脂を含有するため、着色層および磁気記録層との層間密着性も良好であり、特別にアンカー層を設ける必要がない。なお、フィラーとして金属粉末を使用する場合でも、金属蒸着膜層を用いたものとは相違して、結着樹脂が金属粉末の表面をコーティングするため、耐候保存性は良好である。
しかしながら、ここで使用するフィラーの形状は、球状もしくは粒状ないしは板状である。そのため、その形状要因から膜厚当りの隠蔽能は小さく、この種のフィラー使用の樹脂組成物層で磁気記録層の色を隠蔽しようとすると、薄膜層では不可能であった。満足できる隠蔽力を得るためには隠蔽層の膜厚を大きくすることが必要であって、板状のフィラーを用いたときでさえもその配向性が低いことから、満足できる隠蔽力レベルを薄膜層で達成することは困難であった。
以上のように、彩色した磁気ストライプを得る場合、従来の第1タイプおよび第2タイプ▲1▼、▲2▼のいずれの転写型磁気テープの構成としても、良好な磁気記録再生特性を保持しながら、鮮明な彩色を持ったものを得ることは困難であるとの問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、磁気カードに使用した際に、優れた磁気記録再生特性を保持しながら、鮮明な彩色を有する磁気ストライプが形成可能な転写型磁気テープの提供である。同時に、該磁気テープの製造コストを増大させることなく、それを達成することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、彩色された転写型磁気テープとして、仮支持体フィルム上に、それに近い側から、少なくとも、仮支持体フィルムとの剥離性を有する保護層、着色層、隠蔽層、磁気記録層および接着層をこの順に設けた積層体において、該・隠蔽層を、特定の金属薄膜細片を含有する薄膜の樹脂組成物層とすることにより、上記課題が達成されることを見いだした。
上記・金属薄膜細片としては、薄層の樹脂組成物層中に在って高隠蔽力と高分散性を得るために、特定サイズと形状で、かつ特定物質によりその表面を表面処理した物を使用する。
また、隠蔽層である樹脂組成物層の膜圧は、1μm以下の薄層とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の彩色された転写型磁気テープについて、詳細に説明する。
本発明の転写型磁気テープは、仮支持体フィルム、仮支持体フィルムとの剥離性を有しカードに転写された後は磁気カードの最表面の層として表面を保護する保護層、保護層上に設けられた着色層、着色層上に設けられた隠蔽層、隠蔽層上に設けられた磁気記録層および磁気記録層上に設けられた接着層を必須とする。
図1に本発明の転写型磁気テープの断面構成図を示す。本発明の転写型磁気テープは、磁気カードを製造する工程において、転写型磁気テープの接着層とカード基材とを向かい合わせて重ね、加熱および加圧してカード基材と磁気記録層を含む層とを接着させ、その後、仮支持体フィルムを剥離・除去し、図2に示すようにカード基材表面に、保護層を最表層として転写型磁気テープの機能層部分を転写する。その後、必要に応じて熱圧プレスを行なって、磁気記録層を含む機能層部分を図3に示すようにカード基材内に埋め込み、これを所定寸法に打ち抜くことにより磁気カードが完成する。
【0011】
本発明において、仮支持体フィルムとしては公知慣用のフィルムが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド等のプラスチック等を挙げることができる。中でも抗張力や耐熱性を兼ね備えたポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、仮支持体フィルムの厚さには特に制限はないが、通常3〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
【0012】
保護層は、例えば、結着樹脂およびフィラー等を溶剤に溶解・分散して調製した保護層用塗料を、リバース・グラビア・ダイコート等の公知慣用の方式で、仮支持体フィルム上に塗布することにより得られる。
【0013】
保護層を構成する結着樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、あるいは、ビニルアルコール、無水マレイン酸ないしはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、およびこれらの樹脂の混合物を挙げることができる。
【0014】
保護層用塗布液に使用する溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類を挙げることができ、これらの溶剤は、2種類以上を混合して使用することもできる。
【0015】
さらに、保護層中には、必要に応じて、皮膜改質剤として大豆レシチン、マイクロシリカ、あるいはワックス等を添加することができる。また、ポリイソシアネート化合物などの硬化剤を添加して、樹脂バインダー分子間を架橋することは、保護層の耐久性を向上させるために好ましい。
【0016】
保護層の乾燥塗膜厚は、記録再生特性からいえば薄いほど良いが、機械的強度、耐久性等とのバランスを考慮すると0.1〜5μmが好ましく、特に好ましくは0.3〜2μmである。
【0017】
本発明の着色層は、結着樹脂と着色剤を必須成分として含む。具体的には、染料や顔料等の着色剤を、結着樹脂および結着樹脂を溶解する溶剤中に単独もしくは2種類以上を混合し、二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、サンドミル、ディスパー等の公知慣用の方法により溶解・分散させて着色層用塗料を作成し、これをリバース方式、グラビア塗布方式、ダイコート方式等の公知慣用の方式で塗布して乾燥することにより、着色層を得る。
【0018】
着色層に用いる着色剤としては、一般に、無機および有機の顔料を使用する。無機顔料としては、アルミナ、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸バリウムなどであり、有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、アントラキノン系、チオインジゴ系、インダンスレン系などであって多々あるが特に限定されるものではない。また、上記顔料に代えてあるいは併用してフタロシアニン染料、アゾ染料、ニトロ染料、キノリン染料、メチン染料、アジン染料、ファタレイン染料等の染料を用いることもできる。
【0019】
着色層用塗料に使用する結着樹脂としては、公知慣用の結着樹脂が使用できる。例えば、保護層のところで述べた結着樹脂に加え、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリスチレン樹脂、セラック、アルキッド樹脂等が挙げられる。また、イソシアネート化合物を用いて熱硬化することもできる。着色層用塗料に使用する溶剤としては、公知慣用の溶剤が使用でき、例えば、既に保護層のところで述べた溶剤等が使用できる。
【0020】
着色層は、カード化した際に磁気記録層よりもカードの表層側に位置することになる。そのため、着色層の膜厚を大きくし過ぎると、スペーシングが大きくなって出力ロスが増大し、磁気記録媒体として要求される記録再生特性を保持できなくなる。
【0021】
その保持のため、磁気記録層の膜厚を厚くして再生出力の低下を補う必要が生じるが、磁気記録のもうひとつの重要な特性である分解能は、スペースシングが大きくなることと同時に、磁気記録層自体の膜厚が増加することによっても低下するため、磁気記録層の厚膜化による再生出力補充にも限界がある。
【0022】
また、着色層は、その機能からあまり薄くすることは意味がない。そのため、これらを勘案しての膜厚は、0.3〜5μmであることが好ましく、特に好ましくは0.5〜2.5μmである。
【0023】
本発明において、隠蔽層は、結着樹脂および金属薄膜細片を必須成分とする。この層は、結着樹脂、金属薄膜細片、溶剤を含有させて調製した隠蔽層用塗料を、公知慣用の塗布・印刷方式により、塗布もしくは印刷して得ることができる。隠蔽性用塗料には、添加剤、硬化剤など含有させても良い。
また、本発明の金属薄膜細片を使用した場合、金属薄膜細片の平面部分が塗工物面に対して平行に高度に配向する、すなわち均一面を形成するように並ぶ結果、隠蔽層用としてボールミル等で調製した通常の板状フィラー金属粉等に比較して、高い隠蔽力を得ることができる。
【0024】
金属薄膜細片の金属としては、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等を使用することができる。金属を薄膜にする方法としては、アルミニウムのように融点の低い金属の場合は蒸着、アルミニウム、金、銀、銅など展性を有する場合は箔、融点が高く展性も持たない金属の場合は、スパッタリング等を挙げることができる。金属薄膜の厚さは、0.01〜0.1μmが好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.08μmである。隠蔽層用塗料中に分散させる金属薄膜細片の面方向の大きさは、5〜25μmが好ましく、さらに好ましくは10〜15μmである。しかし、大きさが5μm未満の場合は、隠蔽層塗膜の輝度が不十分となって、隠蔽層自身が暗い色調になってしまうため、逆に、25μmを超える場合は、金属薄膜細片が配向し難くなるため隠蔽力が低下し、それぞれ不適である。
【0025】
以下に、本発明における金属薄膜細片の作成方法を、蒸着法の例で説明する。
先ず、基材フィルム上に、塗布によって剥離剤層を形成したのち、所定の厚さになるよう金属を蒸着して金属薄膜を得る。基材フィルムには、ポリオレフィンフィルムやポリエステルフィルムなどを使用することができる。蒸着面には、酸化を防ぐためトップコート層を形成する。剥離剤層およびトップコート層形成用のコーティング剤は同一のものを使用することができる。
【0026】
剥離剤層およびトップコート層に使用する樹脂は、特に限定されない。具体的には、例えば、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、EVA樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化EVA樹脂、石油系樹脂等を挙げることができる。また溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等を使用することができる。
【0027】
次に、上記・金属薄膜は、剥離剤層およびトップコート層を溶解する溶剤中に、前記・金属蒸着したフィルムを浸積して攪拌することにより、基材フィルムから脱離して得ることができる。その後、その懸濁液を金属薄膜の面方向の大きさが約150μmになるまで撹拌し、濾別・乾燥して金属薄膜を得る。
その溶剤としては、剥離剤層およびトップコート層樹脂を溶解するものであれば良く、特に限定はない。
金属薄膜をスパッタリングで作成した場合も、上記と同様の方法で金属蒸着膜を得ることができる。また、金属箔を用いる場合は、溶剤中においてそのまま攪拌機で所定の大きさに調製すればよい。
【0028】
金属薄膜は、隠蔽層用塗料中における分散性を高めるために表面処理する。表面処理剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられ、公知慣用の方法で金属薄膜に吸着させる。
最後に、以上の金属薄膜は、後述する隠蔽層用塗料の調製時に、所定の面方向の大きさになるように、さらにサイズ制御して、最終形状とする。
そして、本発明の金属薄膜細片とは、上記でサイズ制御した、最終形状のものを指す。
【0029】
結着樹脂は、従来の塗料、グラビアインキ、フレキソインキ、あるいはスクリーンインキ等に通常使われているものを使用することができる。具体的には、例えば、着色層のところで述べた結着樹脂等が使用できる。
【0030】
本発明の隠蔽性用塗料には、必要に応じて、従来の塗料、グラビアインキ、フレキソインキ、あるいはスクリーンインキ等に使用されている各種添加剤を使用することができる。このような添加剤としては、着色用顔料、染料、ワックス、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤、等を挙げることができる。
【0031】
本発明の隠蔽層用塗料には、形成される隠蔽層の耐熱性、耐溶剤性等の諸耐性向上を目的として、従来の塗料、グラビアインキ、フレキソインキ、あるいはスクリーンインキ等に使用されている各種硬化剤を使用することができる。このような硬化剤としては、チタン・アルミニウム・亜鉛系の金属キレート化剤、シラン・チタン系のカップリング剤、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤、エチレンイミン系硬化剤等を挙げることができる。
【0032】
本発明の隠蔽層用塗料に使用する溶剤もまた、従来の塗料、グラビアインキ、フレキソインキ、あるいはスクリーンインキ等に使われている公知慣用の溶剤を使用することができる。具体的には、例えば、保護層のところで述べた溶剤等が挙げられる。
【0033】
以下に、隠蔽層用塗料の調製方法を述べる。
本発明の隠蔽層用塗料においては、良好な隠蔽力を発現させるために、金属薄膜細片の面方向サイズは5〜25μmの大きさである。
このため、本発明の分散調製工程においては、通常の塗料調製に使用する分散機ないし練肉機は使用しない。単に、上記した配合原料を混合し、攪拌機による攪拌のみで、隠蔽層用塗料を調製する。
一般に、顔料などの塗料用原料を分散して塗料調製するには、ロールミル、ボールミル、ビーズミルあるいはサンドミル等の分散機を使用する。それにより、原料はサブミクロン・オーダーまで微粒子化する。
本発明において、このような一般的な塗料分散機を使用して金属薄膜懸濁液を分散した場合には、所定サイズの金属薄膜細片を得ることはできず、通常は、過破砕となり、該金属薄膜を不必要に微粒子化・不均一化してしまうこととなる。
このように、攪拌のみで隠蔽層用塗料を調製するため、金属薄膜細片は、高分散性となるように、前述の表面処理をしておく必要がある。
【0034】
隠蔽層用塗料の塗布あるいは印刷方式としては、ロールコート、グラビアコート、カーテンコート、スプレーコート、ダイコート等、通常の塗装方式、およびグラビア印刷、フレキソ印刷、あるいはスクリーン印刷等の印刷方式を使用することができる。
【0035】
隠蔽層の乾燥塗膜厚は、磁気記録層の色を隠蔽するという観点からは厚いほど良く、また、記録再生特性からいえば薄いほど良い。これらのバランスを勘案してその膜厚は、0.1〜3μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1μmである。
【0036】
本発明の磁気記録層は、例えば磁性粉末、結着樹脂および結着樹脂を溶解する溶剤を含有する磁気記録層用塗料を、仮支持体フィルム上に保護層、着色層および隠蔽層をこの順に形成した上に塗布し、磁性粉末の配向処理後、乾燥することにより形成する。
【0037】
磁気記録層の乾燥膜厚は、2〜50μmが好ましく、さらに好ましくは5〜20μmである。
【0038】
磁性粉末としては、γ−酸化鉄、マグネタイト、コバルト被着酸化鉄、2酸化クロム、鉄系メタル磁性粉、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の公知の磁性粉末を用いることができる。保磁力が20〜320kA/mの範囲のものが好ましい。
【0039】
磁気記録層に用いる結着樹脂としては、公知慣用の結着樹脂が使用できる。例えば一般的に、隠蔽層のところで述べた結着樹脂等を使用することができる。また、イソシアネート化合物を用いて熱硬化することもできる。また、磁気記録層用塗料に用いる溶剤としては、例えば一般的に保護層のところで述べた溶剤等を使用することができる。
【0040】
磁性塗料には、必要に応じて界面活性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリコーンオイル等の助剤類、さらにはカーボンブラックその他のフィラー類を添加することもできる。
【0041】
磁気記録層用塗料は、例えば上記磁性粉末、結着樹脂、溶剤を、公知慣用の方法により、混練分散して得ることができる。混練分散機としては、例えば二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ヘンシェルミキサー、コボルミル、サンドミル、ディスパー、ホモジナイザー、ニーダー、等が使用できる。
【0042】
磁気記録層用塗料の塗布においては、特に制限はなく、公知慣用の塗布方式を使用して良く、磁気塗料を所定量塗布後、磁性粉末の磁化容易方向が磁気記録層の塗布長手方向になるように配向処理を行って乾燥を行う。塗布方式としては、例えばグラビア方式、リバース方式、トランスファロールコーター方式、キスコーター方式、ダイコーター方式等が使用できる。
【0043】
配向方法は、公知の方式、例えば反発対向永久磁石、ソレノイド型電磁石等を用いることができる。磁場強度としては1000〜6000Gの範囲が好ましい。
【0044】
本発明に用いられる接着層は、一般的には、感熱接着性を示す樹脂を溶剤に溶解させ、混合攪拌して接着剤塗料を調整し、この接着剤塗料を磁気記録層上にリバース方式、グラビア方式、ダイコート方式などの公知の方式により塗布、乾燥することによって得ることができる。
【0045】
感熱接着性を示す樹脂としては、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体あるいは、さらにビニルアルコール、無水マレイン酸ないしはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。また、接着層に用いる溶剤としては、例えば保護層のところで述べた溶剤を使用することができる。
【0046】
接着層の膜厚は0.5〜15μmが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5μmである。
【0047】
転写型磁気テープにおいて、仮支持体フィルムと磁気記録層との間に存在する保護層、着色層および隠蔽層の膜厚の合計は、カード化した際の磁気記録再生特性の観点から、なるべく小さくする必要があり、その合計は、0.8〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜6.0μmである。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。しかし、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」は、質量部を表すものとする。
【0049】
まず、本発明の隠蔽層用塗料1の調整方法について述べる。
1)アルミニウム薄膜細片
ニトロセルロース(HIG7)を、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4の混合溶剤に溶解して6%溶液とした。該溶液を、スクリーン線数175線/インチ、セル深度25μmのグラビア版でポリエステルフィルム上に塗布して剥離剤層を形成し、十分乾燥した。その剥離剤層上に、厚さが0.04μmとなるようにアルミニウムを蒸着し、蒸着膜面に、剥離剤層に使用したものと同じニトロセルロース溶液を、剥離剤層の場合と同じ条件で塗布し、トップコート層を形成した。
上記蒸着フィルムを、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4の混合溶剤中に浸積して、ポリエステルフィルムからアルミニウム蒸着膜を脱離させたのち、面方向の大きさが約150μmとなるまで攪拌機で攪拌し、その後、濾別・乾燥することにより、アルミニウム薄膜を調製した。
【0050】
2)アルミニウム薄膜細片スラリーの調製
アルミニウム薄膜(面方向サイズ:150μm) 10部
酢酸エチル 35部
メチルエチルケトン 30部
イソプロピルアルコール 30部
上記を混合し、撹拌しながら、下記組成のニトロセルロース溶液5部を加えた。
ニトロセルロース(HIG1/4) 25部
酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4混合溶剤 75部
上記・混合物を、温度を35℃以下に保ちながら、ターボミキサーを使用して、アルミニウム薄膜の大きさが10〜15μmになるまで攪拌し、アルミニウム薄膜細片スラリーを調製した。
【0051】
3)隠蔽層用塗料1
アルミニウム薄膜細片スラリー 30部
アクリル樹脂 10部
(三菱レーヨン社製『ダイヤナール BR−106』)
トルエン 30部
酢酸エチル 30部
上記を混合し、隠蔽層用塗料1を調製した。
【0052】
(実施例1)
仮支持体フィルムとして、厚さ24μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、このフィルムの片面上に下記aの保護層用塗料、下記bの着色層用塗料、上述の隠蔽層用塗料1、下記cの磁気記録層用塗料、および下記dの接着剤塗料をこの順に、いずれもリバースコーターを使用して塗布、乾燥し、それぞれ保護層、着色層、隠蔽層、磁気記録層および接着層を設けた。各層の乾燥後の膜厚は、保護層が1μm、着色層が3μm、隠蔽層が0.5μm、磁気記録層が7μm、そして接着層が1.5μmとなるようにした。上記各層を設けたフィルムを1/2インチ幅に裁断して転写型磁気テープを作成した。
【0053】
a 保護層用塗料
ポリビニルブチラール樹脂 10部
(積水化学社製『エスレック BM−1』)
MEK 35部
トルエン 35部
エタノール 20部
【0054】
b 着色層用塗料
フタロシアニン顔料 5部
(大日本インキ化学社製『ファーストゲンブルーTGR』)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 25部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
MEK 35部
トルエン 25部
酢酸エチル 10部
【0055】
c 磁気記録層用塗料
バリウムフェライト磁性粉 40部
(戸田工業社製;保磁力 220kA/m)
塩化ビニル系樹脂 6部
(日本ゼオン社製『MR−110』)
ポリウレタン樹脂 11部
(大日本インキ化学工業社製『L7−750』)
MEK 18部
トルエン 18部
シクロヘキサノン 7部
【0056】
d 接着層用塗料
ポリウレタン樹脂 1部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 4部
(電気化学社製『1000LT3』)
MEK 45部
トルエン 50部
【0057】
(実施例2)
実施例1において、隠蔽層の乾燥後膜厚を1.5μmとした以外は実施例1と同様にして転写型磁気テープを作成した。
【0058】
(実施例3)
実施例1において、隠蔽層の乾燥後膜厚を2.5μmとした以外は実施例1と同様にして転写型磁気テープを作成した。
【0059】
(比較例1)
実施例1において、隠蔽層として下記eの隠蔽層用塗料2を使用して、隠蔽層を作成した以外は実施例1と同様にして転写型磁気テープを作成した。隠蔽層の乾燥後膜厚は0.5μmである。なお、隠蔽層用塗料2に使用しているアルミニウム粉は、本発明における“金属薄膜細片”に該当しない、通常のシルバー色インキ用のアルミニウム粉である。
e 隠蔽層用塗料2
アルミニウム粉末 20部
(昭和アルミパウダー社製『210EA』)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 10部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
MEK 35部
トルエン 25部
酢酸エチル 10部
【0060】
(比較例2)
比較例1において、隠蔽層の乾燥後膜厚を1.5μmとした以外は比較例1と同様にして転写型磁気テープを作成した。
【0061】
(比較例3)
比較例1において、隠蔽層の乾燥後膜厚を2.5μmとした以外は比較例1と同様にして転写型磁気テープを作成した。
【0062】
(比較例4)
実施例1における塗工法樹脂組成物層からなる隠蔽層の代わりに、隠蔽層として、保護層の上に直接蒸着した金属蒸着膜そのものを隠蔽層とした。用いた金属はアルミニウムであり、その蒸着膜厚は0.05μmとした。それ以外は実施例1と同様にして転写型磁気テープを作成した。
【0063】
(磁気カード)
実施例1〜3および比較例1〜4で作製した転写型磁気テープを使用し、カード作成機(インターライン社製『LX−EM4』)によりポリ塩化ビニル製のカード基体(太平化学社製)に積層物を転写した後、仮支持体フィルムを除去し、140℃、0.13MPaの条件下で熱プレス加工し、その後、カード状に打ち抜いて磁気カードを作製した。
【0064】
(試験項目および結果)
(鮮明性)
作成した磁気カードにおける磁気ストライプ部分の色彩の鮮明さを目視にて評価した。実施例1〜実施例3、比較例4はいずれも磁気記録層の暗色色調が完全に隠蔽され、磁気ストライプ部分は本来の着色層の色彩である鮮明なブルーとなっていた。一方、比較例1〜比較例3では、隠蔽層の膜厚が厚くなるに従い、順次、隠蔽力が良好とはなるものの、その膜厚が2.5μmでも未だ隠蔽力は不十分であって、磁気ストライプ部分の鮮明性は一部阻害されている状態であった。
この膜厚以下である比較例1(0.5μm)および比較例2(1.5μm)の磁気ストライプ部分は、より強く濁ったブルーとなっていて、不適であった。
【0065】
(層間密着性)
作成した磁気カードの磁気ストライプ部分について、JIS K5600−5−6(付着性−クロスカット方)に従って、その層間密着性を試験した。その結果、隠蔽層用塗布液を塗工することによって得られた隠蔽層である実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3については、着色層と隠蔽層との層間、隠蔽層と磁気記録層との層間のいずれも剥離は認められず、層間密着性は良好であった。一方、蒸着法によって隠蔽層を設けた比較例4では、隠蔽層と磁気記録層との層間において剥離が生じ、この層間の密着性は不十分であった。
【0066】
(耐候保存性)
作成した磁気カードを室内で6ヶ月間保存してその磁気ストライプ部分の外観の変化を観察した。その結果、実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3においてはその外観に変化は見られなかった。一方、隠蔽層を蒸着膜とした比較例4では、その磁気ストライプ表面に金属蒸着膜層の劣化が原因であると考えられる微少な黒い斑点が生じていた。
【0067】
(分解能)
作成した磁気カードについてISO/IEC7811−6に準拠し、BARNES社製MAGTESTER2000を用いてその記録再生特性の測定を行った。なお、この磁気カードサンプルを作成するために使用した転写型磁気テープに関しては、磁気記録層の膜厚は単一ではなく、それぞれのスペーシングにあわせてUa1値がURの100%となるように調整を行った。その結果、スペーシングの大きい実施例3、比較例3では分解能が90%以下に低下している。一方、スペーシングの小さな実施例1、比較例1および比較例4では、その分解能は95%以上であって、良好な値を示していた。
【0068】
【表1】
【0069】
【0070】
この結果から、実施例1が最適であり、本発明の金属薄膜細片を含有させて形成した隠蔽層の膜圧は、1μm以下にするのが適当と判断できた。
【0071】
【発明の効果】
仮支持体フィルム上に、仮支持体フィルムに近い側から、少なくとも、仮支持体フィルムとの剥離性を有する保護層、着色層、隠蔽層、磁気記録層および接着層を設けた転写型磁気テープにおいて、隠蔽層に含有させるフィラーとして、本発明の金属薄膜細片を使用することにより、従来よりも薄い膜厚で磁気記録層の暗色色調を隠蔽することが可能となった。これにより、色彩が良好であって審美性に優れた磁気ストライプを、その磁気記録再生特性を犠牲にすることなしに得ることが可能となった。また、製造方法が容易であることや不良品発生の低減化が期待できること等により、彩色された転写型磁気テープおよびこれを使用した磁気カードでの大幅なコストダウンが期待できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の転写型磁気テープの断面構成図である。
【図2】は、本発明の転写型磁気テープを用いてカード基材上に磁気記録層を含む層を転写した場合の断面構成図である。
【図3】は、磁気記録層を含む層を転写した後カード基材を熱圧プレスし、磁気記録層を含む層をカード基材内に埋め込んだ場合の断面構成図である。
【符号の説明】
1 仮支持体フィルム
2 保護層
3 着色層
4 隠蔽層
5 磁気記録層
6 接着層
7 カード基材
Claims (6)
- 仮支持体フィルム上に、仮支持体フィルムに近い側から、保護層、着色層、隠蔽層、磁気記録層、接着層が積層された転写型磁気テープにおいて、前記隠蔽層の膜厚が0.1〜1μmであり、かつ結着剤樹脂および金属薄膜細片を含有し、前記金属薄膜細片は厚さ0.01〜0.1μm、面方向の大きさが5〜25μmであって、有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネートまたはセルロース誘導体で表面処理されており、前記隠蔽層は結着樹脂、金属薄膜細片および溶剤を含有する混合物の撹拌機による撹拌のみで製造した隠蔽層用塗料の塗布によって形成されることを特徴とする転写型磁気テープ。
- 前記金属薄膜細片の薄膜は金属箔からなる薄膜か、もしくは蒸着またはスパッタリングによって作製された薄膜である請求項1に記載の転写型磁気テープ。
- 前記金属薄膜細片は、基材フィルム上に剥離剤層を形成したのち、該剥離剤層上に金属薄膜を蒸着、またはスパッタリングで形成後、さらにその上にトップコート層を形成し、前記剥離剤層及びトップコート層を溶解する溶剤中に前記金属薄膜を形成した基材フィルムを浸漬して撹拌することにより作製するものである、請求項1または請求項2に記載の転写型磁気テープ。
- 仮支持体フィルム上に、仮支持体フィルムに近い側から、保護層、着色層、隠蔽層、磁気記録層、及び接着層が積層された転写型磁気テープの製造方法であって、前記隠蔽層は結着樹脂、金属薄膜細片および溶剤を含有する混合物の撹拌機による撹拌のみで製造した隠蔽層用塗料の塗布によって形成され、膜厚が0.1〜1μmであり、前記金属薄膜細片は、厚さ0.01〜0.1μm、面方向の大きさが5〜25μmであり、有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネートまたはセルロース誘導体で表面処理されていることを特徴とする転写型磁気テープの製造方法。
- 前記金属薄膜細片の薄膜は金属箔からなる薄膜か、もしくは蒸着またはスパッタリングによって作製された薄膜である請求項4に記載の転写型磁気テープの製造方法。
- 前記金属薄膜細片は、基材フィルム上に剥離剤層を形成したのち、該剥離剤層上に所定の膜厚の金属薄膜を蒸着、またはスパッタリングで形成後、さらにその上にトップコート層を形成し、前記剥離剤層及びトップコート層を溶解する溶剤中に前記金属薄膜を形成した基材フィルムを浸漬して撹拌することにより作製するものである、請求項4または請求項5に記載の転写型磁気テープの製造方法。
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