以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得る。
[1.全体構成と本実施形態の特徴点]
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機10の外観斜視図である。図2は、この複合機10のプリンタ部11の構造を示す縦断面図である。
複合機10は、プリンタ部11及びスキャナ部12を備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。本発明に係る画像記録装置は、複合機10のプリンタ部11として実施されている。したがって、複合機10においてプリンタ機能以外の機能は任意のものである。
図1が示すように、複合機10の下部がプリンタ部11である。図2が示すように、プリンタ部11の内部に搬送路23(本発明における「第1パス」の一例)及び反転案内部16(本発明における「第2パス」の一例)が形成されている。被記録媒体としての記録用紙は、搬送路23に沿って搬送される。プリンタ部11は、記録用紙を給紙トレイ20から搬送路23に送り出す給送部15と、記録用紙に画像を記録する記録部24と、排紙部としての排紙トレイ21とを備えている。本実施形態に係る複合機10は、記録用紙の表面(第1面)及び裏両(第2面)の両面に画像を記録することができる。表面への画像記録時には、給送部15によって搬送路23に送り出された記録用紙は、第1端(表面記録時の先端)を先頭として搬送路23を矢印84の向き(搬送方向第1向き)に搬送される。また、裏面にも画像が記録される場合は、表面に画像記録された記録用紙が搬送路23から反転案内部16に戻される。すなわち、記録用紙がスイッチバックされて第2端(上記第1端と反対側の端であって、裏面記録時の先端)を先頭として反転案内部16に戻される。これにより、記録用紙は、再び搬送路23に送り込まれて表裏反転され、記録部24によって裏面に画像が記録される。
本実施形態に係る複合機10の特徴とするところは、経路切換部41及び付勢力調整機構87を備えている点である。この経路切換部41及び付勢力調整機構87が設けられることにより、裏面への画像記録がなされる際に記録用紙が確実に反転案内部16へ案内されると共に、画像記録された記録用紙が円滑に上記排紙トレイ21へ排出されるようになっている。なお、この排紙トレイ21は、搬送方向第1向きの前側に配置されている。
図1が示すように、複合機10の上部がスキャナ部12である。スキャナ部12は、いわゆるフラットベッドスキャナとして構成されている。原稿カバー30が複合機10の天板として設けられている。同図では示されていないが、原稿カバー30の下にプラテンガラスが配置されている。原稿は、プラテンガラス上に載置され、原稿カバー30に覆われた状態で画像として読み取られる。
複合機10の正面上部に操作パネル40が設けられている。操作パネル40は、プリンタ部11やスキャナ部12を操作するための装置である。また、複合機10は、スロット部43を備えている。記憶媒体である各種小型メモリカードがスロット部43に装填され得るようになっている。例えば、スロット部43に小型メモリカードが装填された状態でユーザーが操作パネル40の操作を行うことにより、小型メモリカードに記憶された画像データが読み出され、記録用紙に記録される。
[2.プリンタ部]
以下、複合機10の内部構成、特にプリンタ部11の構成について説明される。
[2−1 給送部]
図1が示すように、プリンタ部11の正面に開口13が設けられている。給紙トレイ20及び排紙トレイ21は、開口13の内側に上下2段に設けられている。図2が示すように、給送部15は、給紙トレイ20と、給紙アーム26及び給紙ローラ25と、給紙ローラ25を駆動するための動力伝達機構27とを備えている。
給紙トレイ20は、記録用紙を貯蔵する。給紙トレイ20に収容された記録用紙は、プリンタ部11の内部へ給送される。給紙トレイ20は、プリンタ部11の底側に配置されている。給紙トレイ20の奥側に分離傾斜板22が設けられている。分離傾斜板22は、上記搬送路23と連続している。分離傾斜板22は、給紙トレイ20から重送された記録用紙を分離して、最上位置の記録用紙を上方へ案内する。搬送路23は、分離傾斜板22から上方へ向かった後、正面側へU字状に曲がっている。搬送路23は、複合機10の背面側(同図において左側)から正面側(同図において右側)へと延び、記録部24を経て排紙トレイ21へ通じている。したがって、給紙トレイ20に収容された記録用紙は、用紙搬送路23に沿って下方から上方へUターンするように案内されて記録部24に至り、この記録部24によって画像記録が行われた後、排紙トレイ21に排出される。
図3は、プリンタ部11の部分拡大断面図である。
図3が示すように、給紙トレイ20の上側に給紙ローラ25が配置されている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に積載された記録用紙を搬送路23へ送り出す。給紙ローラ25は、給紙アーム26の先端に軸支されている。給紙ローラ25は、SFモータ92(図13参照)を駆動源として動力伝達機構27を介して回転駆動される。この駆動伝達機構27は複数のギアを有し、これらが噛合されることにより構成されている。
給紙アーム26は、基軸28に支持されている。給紙アーム26の基端部は、基軸28に支持されており、基軸28を回動中心軸として回転することができるようになっている。このため、給紙アーム26は、給紙トレイ20に対して接離可能に上下動することができる。給紙アーム26は、自重により又はバネ等に付勢されて下側へ回動付勢されている。このため、給紙アーム26は、通常において給紙トレイ20に接触し、給紙トレイ20が挿抜される際に上側へ退避するようになっている。給紙アーム26が下側へ回動付勢されることにより、給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙と圧接する。その状態で、給紙ローラ25が回転されると、給紙ローラ25のローラ面と記録用紙との間の摩擦力により、最上位置の記録用紙が分離傾斜板22の方へ送り出される。記録用紙は、その先端が分離傾斜板22に当接した後に上方へ案内され、搬送路23へ矢印14に沿って送り込まれる。給紙ローラ25によって最上位置の記録用紙が送り出される際に、その直下の記録用紙が摩擦や静電気の作用によって共に送り出される場合があるが、この記録用紙は分離傾斜板22との当接によって制止される。
搬送路23は、記録部24等が配設されている箇所以外では、外側ガイド面と内側ガイド面とによって区画形成されている。例えば、複合機10の背面側の搬送路23の湾曲部17は、外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19が本体フレーム53に固定されることにより構成されている。この場合、外側ガイド部材18が外側ガイド面を構成し、内側ガイド部材19が内側ガイド面を構成している。外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19は、所定間隔で対向配置されている。搬送路23が曲がっている箇所には、回転コロ29が設けられている。この回転コロ29は、回転自在である。回転コロ29のローラ面は、外側ガイド面に露出されている。したがって、搬送路23が曲がっている箇所においても、記録用紙が円滑に搬送される。
レジセンサ102(本発明における「第2端検知手段」の一例)が搬送路23の湾曲した部分に設けられている(図13参照)。このレジセンサ102は、後述の搬送ローラ60よりも上流側に配置されている。このレジセンサ102は既知の構成であり、回転子及び光学センサ(例えばフォトインタラプタ)を備えている。回転子は、搬送路23内に突出しており、搬送路23を横切っている。搬送路23を搬送される記録用紙が回転子に当接することにより回転子が倒伏し、これにより、上記光学センサがON又はOFFされる。この光学センサから出力される信号などに基づいて、搬送路23における記録用紙の先端又は後端の位置が把握される。
[2−2 記録部]
記録部24は、同図が示すように搬送路23の途中に配置されている。具体的には、記録部24は、搬送路23の下流側部位36(搬送方向第1向き前側部位)と、上流側部位(搬送方向第1向き後側部位)との間に配置されている。記録部24は、キャリッジ38及びインクジェット記録ヘッド39とを備えている。インクジェット記録ヘッド39は、キャリッジ38に搭載されている。キャリッジ38は、主走査方向(同図において紙面に垂直な方向)に往復動するようになっている。なお、複合機10の内部にインクジェット記録ヘッド39とは独立してインクカートリッジが配置されている。図3は、インクカートリッジを図示していない。このインクカートリッジからインクチューブを通じてインクがインクジェット記録ヘッド39に供給される。キャリッジ38が往復動される間に、インクジェット記録ヘッド39からインクが微小なインク滴として吐出される。これにより、プラテン42上を搬送方向第1向きに搬送される記録用紙に画像が記録される。
[2−3 反転案内部]
反転案内部16は、搬送路23に接続されている。反転案内部16は、記録部24よりも搬送路23の下流側部位36に連続している。反転案内部16は、当該下流側部位36との間に分岐口85を形成している。反転案内部16は、表面に画像が記録された記録用紙を、第2端を先頭として上記下流側部位36から上記記録部24を迂回して給紙トレイ20上に導き、再び上記搬送路23に戻す反転経路を構成している。この反転経路は、第1ガイド面32と第2ガイド面33とによって区画形成されている。本実施形態では、第1ガイド面32及び第2ガイド面33は、それぞれ、ガイド部材34及びガイド部材35の表面により構成されている。各ガイド部材34、35は、複合機10の本体フレーム53の内部に配置されており、所定間隔で対向配置されている。第1ガイド面32及び第2ガイド面33は、上記搬送路23の下流側部位36から給紙ローラ25の方へ斜め下方に延びている。
したがって、本実施形態では、表面に画像が記録された記録用紙は、給紙ローラ25によって再び搬送路23の上流側部位37(搬送方向1向き後側部位)に送られる。そして、この記録用紙は、前述のように矢印14の方向に沿ってU字状に搬送されつつ表裏反転され、記録部24によって裏面にも画像が記録される。なお、本実施形態では、反転案内部16は、記録用紙を給紙トレイ20上に戻すように構成されているが、これに限定されるものではない。反転案内部16は、要するに搬送路23の下流側部位36と上流側部位37とを接続することができれば十分である。
[2−4 用紙搬送系]
図3が示すように、記録部24よりも搬送路23の上流側(搬送方向第2向き側)に搬送ローラ60及びピンチローラ31が設けられている。これらは対をなし、ピンチローラ31は、搬送ローラ60の下側に圧接するように配置されている。搬送ローラ60及びピンチローラ31は、搬送路23を搬送される記録用紙を狭持してプラテン42上へ送る。また、記録部24よりも搬送路23の下流側(搬送方向第1向き側)に排紙ローラ62及び拍車ローラ63が設けられている。排紙ローラ62及び拍車ローラ63は、記録済みの記録用紙を狭持して搬送路23からさらに搬送方向第1向きへ(排紙トレイ21側へ)搬送する。搬送ローラ60及び排紙ローラ62は、LFモータ71(図13参照)を駆動源として駆動される。搬送ローラ60及び排紙ローラ62の駆動は同期され、これらは間欠駆動される。これにより、記録用紙は所定の改行幅で送られる。なお、図示されていないが、搬送ローラ60にロータリーエンコーダ96(図13参照)が設けられている。このロータリーエンコーダ96は、搬送ローラ60と共に回転するエンコーダディスク(不図示)のパターンを光学センサで検知する。この検知信号に基づいて、搬送ローラ60及び排紙ローラ62の回転が制御されるようになっている。
拍車ローラ63は、記録済みの記録用紙と圧接する。記録用紙に記録された画像が劣化しないように、拍車ローラ63のローラ面は拍車状に凹凸している。拍車ローラ63は、排紙ローラ62と接離する方向にスライド移動可能に設けられている。拍車ローラ63は排紙ローラ62に圧接するように付勢されている。拍車ローラ63を排紙ローラ62に付勢する手段は、典型的にはコイルバネが採用される。排紙ローラ62と拍車ローラ63との間に記録用紙が進入すると、拍車ローラ63は、記録用紙の厚み分だけコイルバネの付勢力に抗して退避する。記録用紙は排紙ローラ62に圧接され、排紙ローラ62の回転力が確実に記録用紙へ伝達される。また、上記ピンチローラ31も搬送ローラ60に対して同様に弾性付勢されている。したがって、記録用紙は、搬送ローラ60に圧接され、搬送ローラ60の回転力が確実に記録用紙へ伝達される。
[2−5 経路切換部]
図4は、図3における要部拡大図であって、経路切換部41の断面構造を詳細に示している。図5は、経路切換部41の駆動機構44の斜視図である。また、図6及び図7は、それぞれ、図5におけるVI−矢視図及びVII−矢視図である。
図3及び図4が示すように、経路切換部41は、搬送路23において記録部24よりも搬送方向第1向き側に配置されている。具体的には、経路切換部41は、上記下流側部位36、すなわち搬送路23と反転案内部16との境界部分に形成された分岐口85よりも搬送方向第1向き側に配置されている。経路切換部41は、第1ローラ45及び第2ローラ46を有するローラ対と、第2ローラ46に並設された補助ローラ47(本発明における「アシスト部材」の一例)とを有する。第2ローラ46及び補助ローラ47は、フレーム48に取り付けられている。このフレーム48は、複合機10の左右方向(図3において紙面に垂直な方向)に延びている。ただし、フレーム48の断面形状は、図4が示すように略L字状に形成されており、これにより、フレーム48の所要の曲げ剛性が確保されている。
図4及び図5が示すように、フレーム48は8つのサブフレーム49を備えている。各サブフレーム49は、複合機10の中心を基準として上記左右方向に対称に配置されている。各サブフレーム49は、それぞれ第2ローラ46及び補助ローラ47を一つづつ備えている。したがって、フレーム48は、それぞれ8つの第2ローラ46及び補助ローラ47を備えていることになる。第2ローラ46及び補助ローラ47は、各サブフレーム49に設けられた支持軸50、51(図4参照)に支持され、当該支持軸50、51の回りに回転自在となっている。本実施形態では、第2ローラ46及び補助ローラ47は、拍車状に形成されている。補助ローラ47は、第2ローラ46よりも所定距離だけ搬送方向上流側(搬送方向第2向き側)に配置されている。
各第2ローラ46は、懸架機構86を介してフレーム48に懸架されている。具体的には、図4が示すように、各第2ローラ46の支持軸50がフレーム48に支持されており、当該支持軸50は、同図において上下方向(すなわち、第1ローラ45に対して接離する方向)にスライド自在となっている。そして、支持軸50は、弾性部材(典型的にはコイルバネ)を介してフレーム48に支持されている。したがって、各第2ローラ46は、同図において下方に付勢されており、常に第1ローラ45に弾性的に押し付けられている。なお、第2ローラ46に上向きの力(第1ローラ45から離反する向きの力)が作用したときは、第2ローラ46は、フレーム48に対して相対的に上向きにスライドする。このスライド量(すなわち懸架ストローク)は、所定量に設定されている。
第1ローラ45は、上記LFモータ71(本発明における「第1駆動手段」の一例)を駆動源として回転される。各図に表されていないが、第1ローラ45は、所要の駆動伝達機構を介してLFモータ71と連結されている。図5が示すように、第1ローラ45は、中心軸52を備えている。中心軸52は、複合機10の本体フレーム53側に支持されている。この中心軸52に、図示されていない上記駆動伝達機構が接続されている。なお、中心軸52に所要のブラケットが設けられていてもよい。このブラケットが例えばねじにより本体フレーム53側に締結されることにより、中心軸52は、本体フレーム53に確実に支持される。
図4が示すように、第1ローラ45の上に第2ローラ46が載置されている。第1ローラ45は、単一の細長円柱状に形成されていてもよい。ただし、第1ローラ45は、8つのローラに分割されており、各ローラがそれぞれ各第2ローラ47と対向配置されていてもよい。第1ローラ45は、LFモータ71によって正転及び逆転される。搬送路23に沿って搬送された記録用紙は、第1ローラ45と第2ローラ46とによって挟持される。第1ローラ45が正転すると、記録用紙は第1ローラ45と第2ローラ46とによって挟持されたまま搬送方向第1向きへ搬送され、排紙トレイ21に排出される。また、第1ローラ45が逆転すると、記録用紙は第1ローラ45と第2ローラ46とによって挟持されたまま搬送方向第2向きへ戻される。
図5ないし図7が示すように、駆動機構44は、中心軸52に設けられた従動ギア54と、これと噛み合う駆動ギア55と、駆動ギア55がピン56を介して連結されたガイド板57とを有する。なお、ガイド板57は、図7にのみ図示されている。このガイド板57は、回転駆動軸58を備えている。この回転駆動軸58は、上記LFモータ71(本発明における「第2駆動手段」の一例)を駆動源として駆動される。図7が示すように、ガイド板57に案内溝59が設けられている。この案内溝59は、回転駆動軸58の回りに環状に形成されている。具体的には、案内溝59は、回転駆動軸58を中心とする小円弧部69及び大円弧部70と、小円弧部69の一端及び大円弧部70の一端を連結する連結溝72と、小円弧部69の他端及び大円弧部70の他端を連結する連結溝73とを有する。上記ピン56は、案内溝59に嵌合しており、当該嵌合溝59に沿ってスライド自在となっている。
図5及び図6が示すように、従動ギア54は、歯部64とフランジ部65とを有する。歯部64は、上記中心軸52を中心とするインボリュート歯車の一部として構成されている。歯部64は、上記中心軸52に嵌め込まれ、当該中心軸52の回りに回転することができるようになっている。フランジ部65は、歯部64と一体的に形成されており、上記フレーム48と連結されている。したがって、歯部64が回転すると、中心軸52を回転中心としてフレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が一体的に回転するようになっている。
駆動ギア55は、支持軸66に回動自在に支持されている。この支持軸66は、本体フレーム53に設けられている。駆動ギア55は、歯部67とアーム68とを備えており、上記ピン56は、このアーム68に突設されている。歯部67は、上記支持軸66を中心とするインボリュート歯車の一部として構成されており、当該刃部67は上記歯部64と噛み合っている。歯部67が回転することにより歯部64が回転し、その結果、中心軸52を回転中心としてフレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が一体的に回転する。
図8は、フレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が回転した状態における経路切換部41の駆動機構44の斜視図である。図9及び図10は、それぞれ、図8におけるIX−矢視図及びX−矢視図である。また、図11は、図3における要部拡大図であって、経路切換部41が中心軸52を中心として回転した状態を示している。
図7が示すように、ガイド板57が回転すると、ピン56は案内溝59に沿って相対的に移動し、特に、上記連結溝72、73に沿ってスライドするときは、当該ピン56は、ガイド板57の径方向に移動することになる。このため、図7においてガイド板57が時計回り(矢印82の方向)に回転されたときは、ピン56が連結溝73、大円弧部70及び連結溝72に順に移動する。したがって、駆動ギア55は、図6において時計方向に回転する。その結果、従動ギア54は、図6において中心軸52を中心として反時計方向に回転する。前述のように、従動ギア54はフレーム48と連結されているから、従動ギア54が回転することにより、中心軸52を回転中心としてフレーム48、サブフレーム49、第1ローラ46及び補助ローラ47が一体的に回転し、図8ないし図10が示す状態となる。なお、ガイド板57が図8ないし図10が示す状態から、図10において反時計回り(矢印83の方向)に回転されたときは、ピン56は、連結溝72、大円弧部70及び連結溝73に順に移動する。したがって、駆動ギア55は、図9において反時計回りに回転する。その結果、従動ギア54は、図9において中心軸52を中心として時計回りに回転する。
このとき、フレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47は、中心軸52を中心に回転する。したがって、図4及び図11が示すように、第2ローラ46は、第1ローラ45の周面上を転動することになる。本実施形態において、図4が示すような経路切換部41の姿勢は「第1姿勢」と定義され、図11が示すような経路切換部41の姿勢は「第2姿勢」と定義される。経路切換部41が第1姿勢にあるときは、記録用紙は74は、搬送路23に沿って搬送方向第1向き(図4において右向き)に搬送され、そのまま排紙トレイ21側へ送られる。また、経路切換部41が第2姿勢にあるときは、記録用紙74は、図11が示すように経路切換部41の補助ローラに抑えられて反転案内部16に搬送される。
前述のように駆動ギア55が回転することによって従動ギア54が回転し、その結果、は、フレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変化する。ただし、駆動ギア55の回転角度が調整されることにより、フレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47の姿勢は、第1姿勢と第2姿勢との間の任意の位置に変化することが可能である。駆動ギア55の回転角度の調整は、LFモータ71と駆動ギア55との間に所要のクラッチ等が配設されることにより行われる。本実施形態では、フレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47の姿勢は、後述の4つの位置に姿勢が変化するように設定されている。すなわち、第1姿勢として第1位置、第2位置及び第3位置に変化し、さらに第2姿勢に変化するようになっている。
[2−6 ガイド部]
図4及び図11が示すように、ガイド部76は、第1ローラ45及び第2ローラ46よりも搬送方向第1向き前側に設けられている。支持板75が本体フレーム53に取り付けられており、この支持板75にガイド部76が設けられている。このガイド部76は、支持板75の下面に固定された基部77と、基部77に支持されたガイドローラ78とを備えている。基部77は支軸79を備えており、ガイドローラ78は、この支軸79に回転自在に支持されている。本実施形態では、このガイドローラ78は拍車状に形成されている。
このガイド部76は、所定の位置に配置されている。すなわち、ガイド部76は、上記第1ローラ45及び第2ローラ46が逆転して記録用紙74が反転案内部16へ送られているときに当該記録用紙74の記録面に接触する。また、ガイド部76は、上記第1ローラ45及び第2ローラ46が正転して記録用紙74が反転案内部16へ送られているときは、当該記録用紙74に接触しない。具体的には、ガイド部76は、第1ローラ45及び第2ローラ46の接点と、排紙ローラ62及び拍車ローラ63の接点とを結ぶ仮想線と接触しない位置に設けられている。
後述されるように、記録用紙74は、搬送方向の向きが変えられて反転案内部16に送られる。この記録用紙74のうち第1ローラ45及び第2ローラ46よりも下流側の部分は、記録用紙74の剛性によって反転案内部16と平行な方向に向きが変えられようとする。しかし、上記ガイドローラ78が記録用紙74の記録面に当接し、この記録用紙74を撓ませる。これにより、記録用紙74は、第1ローラ45及び第2ローラ46に巻き付けられるため、記録用紙74は、確実に反転案内部16に送られる。
[3.付勢力調整機構]
図12は、経路切換部41の要部拡大斜視図である。同図は付勢力調整機構を図示している。
前述のように、第2ローラ46は、懸架機構86(図4及び図11参照)を介してフレーム48に支持されており、第1ローラ45に対して弾性付勢されている。付勢力調整機構87は、上記第2ローラ46を第1ローラ45へ付勢する付勢力を調整する。付勢力調整機構87は、上記従動ギア54のフランジ部65(本発明における「支持フレーム」の一例)と、本体フレーム53に固定された押圧ブロック88、107(本発明における「押圧部」の一例)と、上記フランジ部65に設けられた長孔89とにより構成されている。
フランジ部65の上縁91に当接片90が形成されている。また、フランジ部65の下縁108に当接片109が形成されている。なお、当該当接片109、押圧ブロック107及び上記長孔89により、本発明における「軸間距離調整機構」が構成されている。上記当接片90は、図6及び図9が示すように、台形状に形成されている。図12が示すように、当接片90は押圧ブロック88と当接している。押圧ブロック88の外周面は略U字状に形成されている。なお、同図では、経路切換部41は第1姿勢となっている。
図12が示す状態から従動ギア54が回転されることによって、経路切換部41は図6が示す第1姿勢から反時計まわりに回動して図9が示す第2姿勢側へ姿勢変化する。これにより、上記押圧ブロック88が当接片90に相対的に押し付けられる。押圧ブロック88の外周面は、当該押圧ブロック88が上記当接片90に押圧されることにより、従動ギア54の回動角度に対応して当接片90を下方にスライドさせるように形成されている。すなわち、経路切換部41が姿勢変換する際に、従動ギア54の回転角度に応じてフレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が押圧ブロック88によって下方(押圧向き)へ押し付けられる。前述のようにフレーム48と連結されているフランジ部65に長孔89が設けられており、この長孔89に第1ローラ45の中心軸52が挿通されているから、フレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が下方へ押されると、上記中心軸52は相対的に上方(押圧向きと反対向き)へスライドする。
したがって、第1ローラ45と第2ローラ46とが、経路切換部41の回転角度に応じた距離だけ互いに接近する。ところで、第2ローラ46は懸架機構86(図4及び図11参照)により懸架されており、第1ローラ45と第2ローラ46とが接しているから、第1ローラ45と第2ローラ46とが相対的に接近したとしても、第2ローラ46が図4及び図11において上方にスライドすることになる。つまり、第2ローラ46を支持しているコイルバネが圧縮される。つまり、第1ローラ45に対する第2ローラ46の付勢力が経路切換部41の回転角度に応じて変化する。
他方、上記当接片109は、図6及び図9が示すように、台形状に形成されている。図12が示すように、当接片109は押圧ブロック107と当接している。押圧ブロック107の外周面も略U字状に形成されている。なお、同図では、経路切換部41は第1姿勢となっている。
図12が示す状態から従動ギア54が回転されることによって、経路切換部41は図6が示す第1姿勢から時計まわりに回動することができる。つまり、経路切換部41は、図6が示す姿勢から上記第2姿勢側と反対向きに回動する。なお、当該姿勢も「第1姿勢」である。これにより、上記押圧ブロック107が当接片109に相対的に押し付けられる(図16(b)参照)。押圧ブロック107の外周面は、当該押圧ブロック107が当接片109に押圧されることにより、従動ギア54の回動角度に対応して当接片109を上方にスライドさせるように形成されている。すなわち、経路切換部41が姿勢変換する際に、従動ギア54の回転角度に応じてフレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が押圧ブロック107によって上方(押圧向き)へ押し付けられる。前述のようにフレーム48と連結されているフランジ部65に長孔89が設けられており、この長孔89に第1ローラ45の中心軸52が挿通されているから、フレーム48、サブフレーム49、第2ローラ46及び補助ローラ47が上方へ押されると、上記中心軸52は相対的に下方(押圧向きと反対向き)へスライドする。
本実施形態では、上記中心軸52のスライド量が上記第2ローラの懸架ストロークよりも大きくなるように上記押圧ブロック107の外周面の形状が形成されている。したがって、経路切換部41が時計まわりに回動することにより、第1ローラ45と第2ローラ46とが互いに離反する。
[4.制御装置]
図13は、複合機10の制御装置の構成を示すブロック図である。
複合機10の制御装置94は、複合機10の全体の動作を制御するものであるが、スキャナ部12及び記録部24の制御についての詳細な説明は省略する。
制御装置84は、CPU98、ROM99、RAM100、EEPROM91を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス103を介して各部に接続されている。
ROM99は、複合機10の各種動作を制御するためのプログラム等を格納している。例えば、図14が示すフローチャートにしたがって各手順(ステップ)の処理を実行するための制御プログラムが格納されている。
RAM100は、CPU98が上記プログラムを実行する際に用いられる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。
EEPROM101は、電源オフ後も保持すべきデータや設定、フラグ等を格納している。
駆動回路95は、搬送ローラ60、排紙ローラ62、第1ローラ45などに接続されたLFモータ71や、給紙ローラ25に接続されたSFモータ92を駆動させるものである。駆動回路95は、LFモータ71及びSFモータ92を駆動するためのドライバをそれぞれ有しており、LFモータ71及びSFモータ92が独立して制御される。駆動回路95は、CPU98から出力された相励磁信号を受けて、LFモータ71及びSFモータ92を回転させるための電気信号を生成する。この電気信号を受けてLFモータ71及びSFモータ92が回転し、その回転力がギヤや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して、搬送ローラ60、排紙ローラ62、第1ローラ45、給紙ローラ25へ伝達される。
本実施形態に係る複合機10では、LFモータ71は、プラテン42上に位置する記録用紙の搬送や記録済みの記録用紙を排紙トレイ21へ排出するための駆動源となっており、さらに、所定の動力伝達機構を介して排紙ローラ62を駆動する駆動源にもなっている。また、LFモータ71は、駆動機構44の回転駆動軸58や図示しない伝達ギヤなどを介して、経路切換部41の姿勢を変化させるための駆動源にもなっている。
バス103は、搬送路23を搬送される記録用紙の第1端又は第2端の位置を検知するためのレジセンサ102、LFモータ71により駆動される搬送ローラ60等の回転量を検知するロータリーエンコーダ86、SFモータ92により駆動される給紙ローラ25の回転量を検知するためのロータリーエンコーダ87などが接続されている。制御装置84は、レジセンサ102の出力信号及びロータリーエンコーダ86、87が検知するエンコーダ量に基づいて、搬送路23における記録用紙の第1端又は第2端の位置並びに記録用紙の搬送量を把握する。
[5.複合機の動作及び利点]
次に、複合機10のプリンタ部11により画像記録が行われる場合の記録用紙の搬送手順について説明される。図14及び図15は、画像記録時における経路切換部41の状態を示す断面図である。
図3が示すように、給紙トレイ20から搬送路23に送られた記録用紙は、第1端を先頭として搬送方向第1向き84に搬送される。記録部24は、記録用紙の表面に画像を記録する。図14(a)が示すように、表面に画像が記録された記録用紙104は、第1端105を先頭として経路切換部41に進入する。
経路切換部41は、LFモータ71(図13参照)が作動することにより、同図(a)が示す位置、すなわち第1姿勢の第1位置に配置される。この位置が経路切換部41のホームポジションとして設定されてもよい。記録用紙104の表面にのみ画像が記録される場合は、記録用紙104は、LFモータ71により駆動される排紙ローラ62によって搬送方向第1向きに送られる。この記録用紙104は、第1ローラ45及び第2ローラ46に挟持され、LFモータ71により第1ローラ45が正転されることによって排紙トレイ21側へ送られる。第2ローラ46は懸架機構86により第1ローラ45に弾性付勢されており(図4参照)、この付勢力が付勢力調整機構87(図12参照)により調整される。具体的には、経路切換部41が第1姿勢の第1位置に配置されると、当該経路切換部41の回動角度に対応して押圧ブロック88(図12参照)がフランジ部65を押し下げる。これにより、第2ローラ46が相対的に第1ローラ45に押し付けられ、所定のニップ圧が発生する。このニップ圧は、排紙ローラ62によるニップ圧よりも小さくなるように設定されている。したがって、例えば排紙ローラ62のローラ径と第1ローラ45のローラ径に若干の差がある等の理由によって排紙ローラ62による記録用紙104の搬送量と第1ローラ45による記録用紙104の搬送量との間に差が生じたとしても、記録用紙104が第1ローラ45及び第2ローラ46に対して相対的に滑ることにより、記録用紙104は円滑に搬送される。
記録用紙104の両面に画像が記録される場合は、表面に画像が記録された後、経路切換部41が第1姿勢の第1位置(図14(a)参照)に配置される。ただし、前述のように当該第1位置が経路切換部41のホームポジションとして設定されていてもよい。表面に画像が記録された記録用紙104は、排紙ローラ62によって搬送方向第1向きへ送られ、第1ローラ45及び第2ローラ46によって挟持される。第1ローラ45が正転されることにより、記録用紙104は、排紙ローラ62及び第1ローラ45の双方によってさらに搬送方向第1向きに送られる。
前述のように、この記録用紙104の第1端105の位置は上記レジセンサ102によりイニシャライズされ、搬送中の記録用紙104の第2端106の位置は、ロータリーエンコーダ96のエンコーダ量によって把握される。記録用紙104の第2端106が排紙ローラ62を通過するときに、図14(b)が示すように、経路切換部41が第1姿勢の第2位置まで回動される。この経路切換部41の回動は、LFモータ71により行われる。この第2位置は、上記第1位置よりも第2姿勢側に回動した位置である。この経路切換部41の回動角度に応じて、上記第2ローラ46の付勢力が高められる。具体的には、経路切換部41が第1姿勢の第1位置から第2位置へ移動されると、経路切換部41の回動角度に対応して押圧ブロック88(図12参照)がフランジ部65をさらに押し下げる。これにより、第2ローラ46がさらに第1ローラ45に押し付けられ、所定のニップ圧が発生する。このニップ圧は、上記排紙ローラ62によるニップ圧と同等程度に設定されるのが好ましい。このように上記第2ローラ46のニップ圧が設定された状態でLFモータ71によって第1ローラ45が正転されることにより、記録用紙104は、さらに搬送方向第1向きに送られる。
そして、記録用紙104の第2端106が所定位置に到達したとき、例えば、当該第2端106が補助ローラ47の近傍に到達したときに、経路切換部41は、第1姿勢の第2位置から第2姿勢へと変化する(図15参照)。記録用紙104の第2端106の位置は、前述のようにしてロータリーエンコーダ96により把握される。また、経路切換部41の姿勢変化は、前述と同様にLFモータ71により行われる。この経路切換部41の回動角度に応じて、上記第2ローラ46の付勢力が一層高められる。具体的には、経路切換部41が第1姿勢から第2姿勢に変化されると、当該経路切換部41の回動角度に対応して押圧ブロック88(図12参照)がフランジ部65をなお一層押し下げる。これにより、第2ローラ46がさらに第1ローラ45に押し付けられ、所定のニップ圧が発生する。このニップ圧は、上記排紙ローラ62によるニップ圧と同等以上に設定されるのが好ましい。
図15(b)が示すように、経路切換部41が第2姿勢に変化するに伴って、記録用紙104の第2端106付近は、補助ローラ47によって押さえ付けられて反転案内部16側に確実に向けられる。その後、第1ローラ45がLFモータ71により逆転されると、記録用紙104は、反転案内部16側へ搬送されて再び搬送路23へ戻される。搬送路23に戻された記録用紙104は、第2端106を先頭として搬送方向第1向きに搬送される。記録部24は、記録用紙104の裏面に画像を記録する。裏面に画像が記録された記録用紙104は、排紙ローラ62によって搬送方向第1向きへ搬送される。その後、前述と同様に、経路切換部41が第1姿勢の第1位置(図14(a)参照)まで回動され、当該記録用紙104は第1ローラ45及び第2ローラ46によって挟持され、排紙される。
図16は、画像記録時における経路切換部41の状態を示す断面図である。同図は、画像記録が行われる場合の記録用紙の他の搬送手順を示している。
同図は、記録用紙104の表面及び裏面の両面に画像が記録される場合において、裏面に画像が記録された後、経路切換部41が第1姿勢の第3位置へ回動される場合を示している。すなわち、記録用紙104の表面に画像が記録された後、同図(a)が示すように経路切換部41が第1姿勢の第1位置に変位する。記録用紙104は、前述のように搬送方向第1向きに搬送され、スイッチバックされる。スイッチバックされた記録用紙104は、第2端106を先頭として再び搬送路23に戻され、裏面に画像が記録される。
図16(b)が示すように、経路切換部41の第3位置は、同図(a)が示す第1位置を基準として上記第2位置(図15(a)参照)と反対側の位置に設定されている。ただし、この第3位置は、上記第1位置を基準として上記第2位置と対称な位置である必要はなく、上記第1位置よりも上方の位置であればよい。前述のように、経路切換部41は、時計まわりに回動することによって上記第3位置に変位することができる。経路切換部41が上記第3位置に変位するにしたがって、経路切換部41が上記第1位置にあるときに比べて第1ローラ45及び第2ローラ46のニップ圧が低下する。本実施形態では、経路切換部41が第3位置に移動したとき、第2ローラ46が第1ローラ45から離反する。
このような状態で、記録用紙104は排紙ローラ62によってさらに搬送方向第1向きに送られる。第1ローラ45及び第2ローラ46は互いに離反しているから、排紙ローラ62によって搬送される記録用紙104は、第1ローラ45と第2ローラ46との間を抵抗なく通過する。しかも、1ローラ45及び第2ローラ46は互いに離反しているから、同図(b)が示すように、記録用紙104の第2端106が当該記録用紙104と重なり合っても、当該記録用紙104は抵抗なく通過する。記録用紙104の第2端106が排紙ローラ62を通過するときに、経路切換部41が第1姿勢の第1位置又は2位置まで回動される(図14及び図15参照)。この場合、記録用紙104の第2端106の位置は、前述と同様にロータリーエンコーダ96により把握される。これにより、記録用紙104は第1ローラ45及び第2ローラ46によりニップされ、搬送方向第1向きに搬送されて排出される。
このように本実施形態に係る複合機10では、図15が示すように、スイッチバックされた記録用紙104が反転案内部16に送られる際に、第1ローラ45に対する第2ローラ46の付勢力が増し、記録用紙104が確実にニップされる。しかも、記録用紙104がスイッチバックされるとき以外では記録用紙104は第1ローラ45及び第2ローラ46により緩やかにニップされる。したがって、記録用紙104の表面のみに記録される場合であっても表裏両面に記録される場合であっても、当該記録用紙104は、損傷を受けることなく円滑に搬送されると共に、裏面への記録の際に経路切換部41の姿勢変化と相まって記録用紙104確実に反転される。しかも、図16が示すように、経路切換部41が上記第3位置に変位した場合は、記録用紙104は、重なった状態で第1ローラ45と第2ローラ46との間を通過することができる。すなわち、裏面への画像記録の際に、記録用紙104が長尺であるために当該記録用紙104の第2端106が当該記録用紙104に重なり合ったとしても、この記録用紙104は円滑に搬送されることになる。つまり、記録用紙104の長さが搬送路23と反転案内部16とにより構成されるループの長さよりも大きくなった場合であっても、良好な両面記録が実現される。
特に本実施形態では、第1ローラ45に対する第2ローラ46の付勢力の調整あるいは第1ローラ45の中心軸52と第2ローラ46の支持軸50との軸間距離の調整は、図12が示すように、フランジ部65と、これに設けられた長孔89と、押圧ブロック88、107とにより構成される。すなわち、きわめて簡単な構造により第2ローラ46の付勢力(第1ローラ45及び第2ローラ46によるニップ圧)及び両者の軸間距離が調整される。
また、スイッチバックされた記録用紙104は、補助ローラ47により押圧されて反転案内部16側に向けられるから、記録用紙104が損傷を受けることが防止される。さらに、第2ロータ46が拍車状に形成されているから、記録された画像が第2ローラ46と接触して劣化することが防止される。