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JP4902593B2 - 固定機構 - Google Patents

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Description

本発明は、PCIカードやその他のカードのI/Oカード等の拡張カードを電子機器筐体から活線挿抜するための固定機構に関するものある。
背景として近年、ブレードサーバ等に代表される大型のシステムでは、電源ユニット、論理ユニット等のユニット類、あるいはI/Oカード等の拡張カードのようなパッケージ類は、装置が稼動中でも取り外し可能であること、つまり、活線挿抜が主流となってきている。
従来、ネジの通電部への落下によるショートを避けるため、樹脂成形部品等によりPCIブラケット上面を押さえつけ固定する機構を採ることで活線挿抜を行っていた。
例えば、特開2003−318575号公報(特許文献1)は、ネジを用いず樹脂成形3部品を組み合わせたPCIブラケットの固定機構を提案している。
また、特開2003−84868号公報(特許文献2)も同様に、ネジを用いず樹脂部品等を用いた機構によるPCIブラケットの固定を提案している。
特開2003−318575号公報 特開2003−84868号公報
しかしながら、従来技術では、ネジ締め時のような十分な押し付け力が得られないため筐体とPCIブラケットの間に隙間ができ易く、電磁シールドに難があるという課題があった。
また、複雑な機構になりがちで作製が難しく、さらに、機構の高さが高くなりがちで高さを低く作るのが難しいため、高さ方向に実装上の制約がある場合は適用が困難であるという課題があった。
そこで、本発明の目的は、ネジを用いることで電磁シールドを強化でき、簡単な機構で作製容易であり、薄型の活線挿抜におけるI/Oカード等の拡張カードの固定機構を提供することである。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、代表的なものの概要は、筐体側に固定された回転軸と、回転軸に一端が取り付けられ、回転軸を中心に回動する回転可動部と、回転可動部の他端に外れないように取り付けられたネジとを備えたものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、ネジによりPCIブラケットを筐体へ固定するため十分な押し付け力が得られPCIブラケットを筐体の間に隙間ができにくく、電波漏れを低減できる。
また、簡単な機構なため作製が比較的容易であり、実装高さの低い機構であるため、高さ的な実装制約がある場合でも適用できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1により、本発明の一実施の形態に係る固定機構の構成について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る固定機構の構成を示す構成図であり、固定機構によりPCIカードを筐体へ固定した状態を示したものである。
図1において、固定機構は、筐体1の固定部位4、筐体1の固定部位4に埋め込まれ固定された回転軸となるピン7、固定機構の回転可動部となり、ピン7を中心に回動するアーム部5、アーム部5に嵌め込まれた段付きネジ6、アーム部5が筐体1から外れないようにするカバーとなるピンカバー8から構成されている。
PCIカードの固定は、PCIカード基板2に取り付けられたPCIブラケット3を筐体1の固定部位4へ固定することで行われる。
アーム部5は0.5mm程度の薄型の樹脂材料からなり、その両端に円形の穴を有する。
その一方の穴には段付きネジ6が嵌め込まれ、もう一方の穴(ピン穴13)は、筐体1の固定部位4に埋め込まれた回転軸となるピン7に通され、ピン7を軸として自由に回転することができる。
また、アーム部5が筐体1から外れないようにピンカバー8が設けられている。アーム部5は、回転軸(ピン7)に沿って固定部位4からピンカバー8の間を自由に上下に動作できる。
次に、図2により、本発明の一実施の形態に係る固定機構において、複数のPCIカードのうち1枚のカードの固定を解除した状態について説明する。図2は本発明の一実施の形態に係る固定機構において、複数のPCIカードのうち1枚のカードの固定を解除した状態を説明するための説明図である。
図2において、固定の解除は、段付きネジ6をネジ穴9より外し、アーム部5をPCIカードのコネクタ挿抜の邪魔にならないようPCIブラケット3上部のスペースが確保されるところまで回転移動させることで行われる。
図2に示すような状態で、PCIカードを活線挿抜することにより、段付きネジ6を落下させることなく、安全に作業を行うことが可能である。
次に、図3〜図5により、本発明の一実施の形態に固定機構の使用部品の形状、作製、組立について説明する。図3は本発明の一実施の形態に固定機構の段付きネジとアーム部の構成を示す図であり、図3(a)はネジ嵌め込み前、図3(b)はネジ嵌め込み後を示している。図4は本発明の一実施の形態に固定機構の段付きネジとアーム部の位置関係を示す図であり、段付きネジ6をアーム部5へ嵌め込んだ状態をネジ部12側から見た図である。図5は本発明の一実施の形態に固定機構の組立を説明するための説明図である。
図3において、アーム部5は、ピン穴13、ピン穴13の反対側で段付きネジ6を嵌め込むための内円14と外円15の形状を有する穴を有している。
また、段付きネジ6は、ネジのヘッド10と段11、そして段11から下にネジ部12を有している。ヘッド10と段11の間はネジ部12よりやや太い径に作製され、高さ方向隙間は、例えば、1.5mm程度の隙間にしている。
また、アーム部5の内円14の直径は段11の直径より1mm程度小さくなっており、内円14の外側には対角状に4ヶ所の円形の切り欠きを持つ。
図3の破線で示した外円15の直径は、段11の直径より2mm程度大きくなっており、対角状の4ヶ所の切り欠きが段付きネジ6を嵌め込む際の逃げの役目を果たしている。
ネジの段11と内円14、外円15との位置寸法関係は、図4に示すとおりである。
アーム部5の段付きネジ6への嵌め込みは、アーム部5の嵌め込み穴を段付きネジ6の段11へ押し込み乗り越えさせることで比較的容易に嵌め込むことができる。
アーム部5の樹脂は、段をくぐる際、内円14と外円15間の部分が弾性で撓み、ヘッド10と段11の間に収まると元の形状に戻る。つまり、内円14と外円15間の部分の樹脂が主に段付きネジ6をホールドするストッパーの役割を果たしている。アーム部5材質は、弾性に富むナイロン系樹脂にすると作業性がよい。
また、アーム部5の回転をスムーズにし作業性を向上させるため、ピン穴13径は、ピン7径に対しあまり大きくせず、0.2mm程度のクリアランスに留めている。
固定機構の組立は、図5に示すように、まず、筐体1の固定部位4へ埋め込まれたピン7へ段付きネジ6を嵌め込んだアーム部5のピン穴13を通す。
そして、ピンカバー8をピン7の先端部分へ被せ、ネジ穴9の位置でピンカバー固定ネジ16で筐体1と共締めし、固定機構の組立は完成する。この固定機構は、固定部位4から高さ方向の最上部であるピン7の先端まで9mmでできており、実装上高さ方向に余裕がない場合でも十分に適用可能である。
以上のように、本実施の形態では、ネジによりPCIブラケット3を筐体1へ固定するため十分な押し付け力が得られPCIブラケット3を筐体1の間に隙間ができにくく、電波漏れを低減できる。
また、段付きネジ6がはめ込まれたアーム部5の一端をピン7に通すという簡単な機構なため作製が比較的容易であり、実装高さの低い機構であるため、高さ的な実装制約がある場合でも適用できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施の形態では、PCIカードを例に説明したが、本発明はPCIカードに限らず、I/Oカードや拡張カードとして採用されるカードであれば、どのようなカードであってもよい。
本発明は、I/Oカードや拡張カードを電子機器筐体から活線挿抜するシステムや機器に広く適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る固定機構の構成を示す構成図である。 本発明の一実施の形態に係る固定機構において、複数のPCIカードのうち1枚のカードの固定を解除した状態を説明するための説明図である。 本発明の一実施の形態に固定機構の段付きネジとアーム部の構成を示す図である。 本発明の一実施の形態に固定機構の段付きネジとアーム部の位置関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に固定機構の組立を説明するための説明図である。
符号の説明
1…筐体、2…PCIカード基板、3…PCIブラケット、4…固定部位(筐体)、5…アーム部、6…段付きネジ、7…ピン(回転軸)、8…ピンカバー、9…ネジ穴、10…ヘッド、11…段、12…ネジ部、13…ピン穴、14…内円、15…外円、16…ピンカバー固定ネジ。

Claims (5)

  1. 電子機器に実装される拡張カードを、前記電子機器の筐体のネジ止め部位に、前記拡張カードのブラケットにより固定する固定機構であって、
    前記筐体側に固定された回転軸と、
    前記回転軸に一端が取り付けられ、前記回転軸を中心に回動する回転可動部と、
    前記回転可動部の他端に外れないように取り付けられたネジとを備え、
    前記ブラケットを前記筐体のネジ止め部位に配置した状態で、前記回転可動部を回動させ、前記ネジによりネジ止め固定することを特徴とする固定機構。
  2. 請求項1記載の固定機構において、
    前記ネジは、そのヘッド部とネジ部との間に段を有することを特徴とする固定機構。
  3. 請求項2記載の固定機構において、
    前記回転可動部は、前記他端に、前記段を有する前記ネジが嵌め込まれる円形の穴を有し、
    前記穴の形状は、前記段よりも小さい円形の穴を持ち、その外側に対角状に前記段の径よりも大きい位置までの複数の切り欠きを有することを特徴とする固定機構。
  4. 請求項3記載の固定機構において、
    前記回転軸の先端部分に前記回転可動部が外れないように配置され、前記筐体に固定されたカバーを備えたことを特徴とする固定機構。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の固定機構において、
    前記回転可動部が薄型の弾性を持つナイロン系樹脂であることを特徴とする固定機構。
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