JP4976630B2 - 電動冷媒ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1に記載するような電動冷媒ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
電動冷媒ポンプは、自動車等の内燃機関エンジンにおける冷却水回路の駆動要素として、その利用が増大して来ている。電動冷媒ポンプは、エンジンスピードと連動する従来型タイプのポンプに比較して、エンジンのスピードに拘束されずに冷却水を送り込める利点があり、従ってまた、例えば冷却水を定常的に送り続けることもできる。
【0003】
かかる冷媒ポンプの1例がドイツ国公報「DE 296 18 558 U1」に記載されている。このポンプは遠心ポンプであり、軸流方向から吸込まれた冷媒はボリュート出口経路に向かって放射方向に吐出され、内燃機関エンジンへ送り返される。この例では、遠心ポンプにおけるインペラーの駆動機構は、内燃機関エンジンのフランジに取り付けた電動モータによって機能する。電動モータは中空シャフトに設けたステータとロータを有し、ロータとステータの間には冷媒に浸された側板がある。それ故、電動モータ又は側板はそれぞれ、冷媒の流れ方向から外れた位置にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の冷媒ポンプのデザインは、不具合がある。この種の湿式ロータポンプの回転速度は、パワー損失、特に回転速度の増大に対応して急速に大きくなる水力損失を低く抑えるために、一般的に最大約4500rpmまでに制限される。
【0005】
このような制限下において望ましい性能を実現するために、これら既知の電動冷媒ポンプでは、装置を大型化させている。それに加えて羽根車(インペラー)が遠心方向へ働くと言う正にその理由から、冷媒ポンプにはかなり大きな構造スペースを与え、冷媒が高い摩擦損失を起こさずに放射方向に吐出されるようにする必要がある。従って、この種の冷媒ポンプを設置できる部位は、とりわけ自動車のエンジンルーム内においては、著しく限定される。特にこのような場合、内燃機関エンジンに対する重量物(部品や装置)の付加は燃料消費に不利な効果をもたらすため、相対的に大重量であるこのデザインは更に具合が悪い。従来、重量/パワー比は、例えばおよそ1.1kg/100Wとされている。
【0006】
以上のことから、本発明は、請求項1の「おいて書き」に記載するような電動冷媒ポンプにおいて、これを構造的に小型・軽量化して、その設置部位の自由度を高めるように改良することを目的とする。この目的は、請求項1の特徴を有する電動冷媒ポンプによって達成される。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ポンプハウジングが直管形状を有し、その入口側においてポンプホイールを囲み、その下流側において流体が実質的に電動モータを取り囲むようになっており、ポンプハウジングと電動モータの外周との間には実質的に環状の冷媒用流路が形成されており、電動モータは冷媒に対してカプセル化されている。この点は、冷媒が電動モータを囲んで流れるため、大きな熱交換面積において電動モータが効率的に冷却され得ると言う効果をもたらす。電動モータはポンプハウジング内において少なくとも一つのウェブによって保持されているため、支障なく運転することができる。
【0008】
特に本発明において、一般的にポンプ損失はホイール直径の1/5の割合で増大するとされるが、同時にこの損失は回転速度の1/3の割合でのみ増大することが分かった。このような理由から、本発明の電動ポンプは、その駆動力を専ら回転速度から得るように、即ち従来の電動ポンプよりも高速回転するようにデザインされている。
【0009】
従来技術では上記の理由によってポンプの理論的な最大回転速度を有効に利用できないが、これに比べて本発明によれば、冷媒の流れに対するその配置に起因して、電動モータの全ての作動スペクトルを利用できる。従来技術において実現可能な最大回転速度は約4500rpmであったが、本発明の電動ポンプでは、初めて、回転速度を12000rpm以上、場合によって15000rpm以上とすることが可能となった。
【0010】
本発明によって、電動モータのコイルジャケットの定常的で安定した冷却が可能になり、電動モータの熱損失をモータの外殻まわりの定常的な冷媒流により排除できるようになり、最適な有用性が得られる。その結果、比較的小型のモータによって非常に高い作動性(パフォーマンス)が得られる。
【0011】
従来技術との対比におけるこの有効性が、例えばおよそ350g/100Wと言うドラスチックに改良された重量/パワー比を可能とした。この重量/パワー比は、アセンブリの重量に関して特に有益な効果をもたらす。同時にこの電動モータは、その電気制御回路機構を付設する場合も含めて、非常に低いコストで提供することができる。
【0012】
高い回転速度が可能であるために、ポンプホイールの直径を一層小さくすることができ、そのため結果的にポンプ損失が低減する。同時にこの事は、従来技術に比較して本発明の電動ポンプの実質的な小型化を可能にし、エンジンルーム内その他における装着の可能性を大きくする。更に、本発明の電動ポンプはいわゆる「インラインポンプ」(ポンプとモータを一体に取付けた形式)としてデザインされているので、冷却回路に組込み易く、非常に広範囲な用途がある。
【0013】
自動車分野において、「インラインポンプ」形式の燃料送給ポンプが知られているが、この場合は湿式ローターポンプであって、燃料は磁気ギャップを通って電動モータの整流器上を流れる。このタイプの燃料送給ポンプにおいては、回転速度の上昇に伴い水力損失が急激に大きくなるので、電動モータの最大回転速度が制約される。これら既知の燃料送給ポンプは、比較的低い回転速度において燃料に高い送給圧を与える、と言う見地からデザインされている。乾式ローターモータは、高温のローターキャビティへの燃料リークが爆発事故を招く恐れがあるため、考慮対象には入らない。
【0014】
本発明ではこれとは対照的に、高い回転速度で冷媒を大流量に流す冷媒ポンプを提供することができる。このようなことは、既知の燃料送給ポンプではできなかったことである。
【0015】
【発明の実施の形態】
請求項2以下の特徴的構成により本発明の更に有利な利点がもたらされる。
【0016】
電動モータの下流側には、これを作動させるための電気的制御ユニットを設けることができる。その結果、非常にコンパクトな設計に加えて、冷媒流によって電気的制御ユニットを定常的かつ安定的に冷却することも可能となる。従って本発明の冷媒ポンプにおいては、設置スペースが小さく限定されていても、その性能を上げることができる。
【0017】
更に、電気的制御ユニットには、金属製の支持部材を備えさせることができる。この支持部材の特に優れた熱伝導性が、電動部材から生ずる熱エネルギーを良好に冷媒中へ逃がす。
【0018】
ポンプホイールが軸流ポンプホイールであることも、更に有利である。これによって特に高い回転速度が得られ、前記のように冷媒で冷却される本発明の電動モータの性能が特に良好に利用される。
【0019】
ポンプホイールの他の構成として、ポンプホイールを半軸流ポンプホイールとすることもできる。この構成は、例えばより大きなポンプ水頭を克服する必要がある場合等の、特定の場合に有利である。
【0020】
もし、ポンプホイールの外径がポンプハウジングへの導水管(サプライコンジット)の内径と実質的に合致するならば、羽根車における可能な最小の直径を実現することができる。このことにより、小さな流路断面積でも高い流量比が可能になるから、ポンプホイールの高い回転速度をとりわけ有利に利用できる。
【0021】
電動モータ外周の環状冷媒用流路の断面形状が吸入口の開口部断面形状に適合している場合、冷媒ポンプ内の摩擦損失又は圧力損失が最小に低減され得るため、更に有利である。これによってアセンブリのより良い効率が達成される。
【0022】
もし、ポンプホイールを支持する軸の第1の軸受がポンプホイールの近傍に配置されていると、ポンプホイールは高速回転の見地から特に好ましく取付けられ得るので、ポンプホイールの動荷重が低くなる。それ故、第1の軸受は相対的に小寸法に設計できるので、摩擦損失を低減し、冷媒ポンプの全体的な効率を向上させる。
【0023】
ここにおいて、第1の軸受は特にすべり軸受とすることができる。すべり軸受は冷媒中に配置された場合でも優れた信頼性と耐久性を示す。第1の軸受の他の構成として、第1の軸受をころがり軸受とすることもできる。ころがり軸受によって、とりわけ低摩擦を実現できる。ころがり軸受の冷媒に対するシーリングは、例えば軸シールリング又はこれに類似した手段によって可能である。
【0024】
もし第1の軸受が羽根車のハウジングと幾何学的に合致する関係にある場合、とりわけ有利である。チャック取付け具を用いて軸受直径とハウジング直径とを加工することにより、羽根車外周部のエアギャップを例えばおよそ0.02mmと言う極小値に調整することができる。
【0025】
ポンプホイールを支持する軸の第2の軸受を電動モータ上に設けることができる。これにより、コンパクトな設計に加えて、ポンプホイールの動荷重に対する十分な支持効果が確保される。
【0026】
第2の軸受は、ころがり軸受で、かつ冷媒に対してカプセル化された構成とすることができる。これによって、特に望ましい高回転速度においても信頼性ある装着が可能であり、摩擦損失の低減を達成できる。冷媒に対する軸受のカプセル化(接触封止)によって、軸受に対する冷媒の悪影響がより効果的に阻止され、軸受の耐用期間が延長される。ころがり軸受として、特に、軸方向の力の支持に好適な深溝のボールベアリングを用いることもできる。
【0027】
もし、第2の軸受が軸シールリングと言う手段によって冷媒に対してカプセル化されていると、更に有利である。このような軸シールリングは、実使用条件において、高回転速度においても様々の面で非常に信頼性がある。それ故、第2の軸受のカプセル化のための時間及び経費を回復できる。
【0028】
ポンプホイールを支持する軸は、耐腐食性のニードルピンと、シャフト部とを含む二つの部分からなるものとすることができる。そしてニードルピンは前記軸シールリングと一緒にスライドする構成とすることができる。更にニードルピンはシャフト部の構成材料よりも硬度の高い材料からなり、シャフト部にプレス嵌めされた構成とすることができる。ニードルピンを構成する硬質材料と、シャフト部を構成するより軟質の材料との組合わせにより、これらの軸構成要素の信頼性と耐久性ある組合わせが得られる。加えて、軸の各部分の材料特性を、それぞれのスライディングパートナー(一緒にスライドする部材)に適合させることができる。これによって本発明の冷媒ポンプの信頼性と機能性が一層向上する。
【0029】
もし、少なくとも一つのウェブが合成エラストマー材料からなるなら、ポンプハウジングから電動モータへの音響振動伝達を抑制し、騒音の低減を図ることができる。同時にポンプハウジングに対する優れた熱絶縁も達成できる。
【0030】
電動モータとポンプホイールの構造要素を、周囲に配設された複数のウェブによってポンプハウジング内に保持することができる。その結果、冷媒ポンプの信頼性のあるコンパクトなデザインが可能となる。
【0031】
もしポンプホイールがしなやかで耐衝撃性のある合成材料からなり、ポンプホイールの隙間への粒子の介入に対して弾性変形できるなら、これによりポンプホイールの作動停止等の障害が回避されるので、更に有利である。実験によれば、例えばPEEKが特に好適な材料であることが分かった。
【0032】
上記に代わる構成として、あるいは付加する構成として、ポンプホイールを取り囲む導水管の構成材料を上記のような粒子を埋め込み可能な合成材料とし、これによってポンプホイールの障害を回避することもできる。この目的からは、粒子が圧入され易い比較的柔軟な合成材料が好ましく用いられ、そのことによりポンプホイールのダメージが生じない。
【0033】
【実施例】
以下において、本発明に係る冷媒ポンプの一実施例を軸方向の断面で示す図1を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【0034】
図1に示すように、電動冷媒ポンプ1は、ポンプホイール3,電動モータ4及び電気的制御ユニット5を取り囲む直管形状のポンプハウジング2を含む。
【0035】
ポンプハウジング2は吸入口21,中央部22及び吐出口23を備えている。この実施例における冷媒ポンプ1は、吸入口21が図示省略のチューブ様の導水管に連結され、吐出口23が同じく図示省略の例えばチューブ様の排水管(ディスチャージコンジット)に連結された状態で、自動車の閉鎖された冷却回路に組込まれている。作動時には、冷媒はポンプハウジング2中を吸入口21から吐出口23の方向へ流れる。ポンプホイールアセンブリ3,電動モータ4及び電気的制御ユニット5は、図に示すように、ポンプハウジング2中において冷媒の流れ方向に連続的に配列されている。
【0036】
ポンプホイールアセンブリ3はポンプホイール31を含み、このポンプホイール31は軸流ポンプホイールとして構成されると共に、軸32に取付けられている。軸32は、まず電動モータ4に連結された軸受支持体33中を挿通し、更に電動モータ4中を挿通して、その端部が電気的制御ユニット5に対面するまで延設されている。軸受支持体33は、電動モータ4のケーシングのボルト孔に、図示のように冷媒の渦流を避けるようにして、ボルト止めされている。
【0037】
ポンプホイール31の外径は、吸入口21の内径又は軸受支持体33の環状部34の内径とそれぞれ実質的に合致する外径を備えるので、ポンプホイール31は吸入口21及び環状部34に対してそれぞれ僅かな遊びを伴った回転できる。本実施例では、吸入口21の径は25mmである。この寸法は、ここでは図示していない導水管チューブの内径とも実質的に合致している。
【0038】
軸32は、ポンプホイール31における軸受支持体33のすべり軸受部(すべり軸受35)の近傍において装着されている。すべり軸受35は例えばPEEKのようなカーボンファイバー材料を用いて構成することができる。すべり軸受35と、電動モータ4への軸32の挿入部との間には更に、電動モータ4の内部空間を冷媒に対してカプセル化させる軸シールリング36が設けられている。本実施例では、軸シールリング36は、グリース収容空間を備えた二重ダイアフラムシールとされている。軸32におけるポンプホイール31から離れた方の端部には、電動モータ4内部において深溝のボールベアリングであるころがり軸受37が設けられている。
【0039】
電動モータ4と、これに連結された電気的制御ユニット5とは、周囲に配設された図示省略の三つのウェブによってポンプハウジング2内に保持されている。これらのウェブはエラストマーからなる。図1に示すように、ポンプハウジング2は更に、外部と通じる開口24を備えており、これによって電動モータ4の内部空間は換気が可能である。ポンプハウジング2の壁部には電気的制御ユニット5を作動させるための供給ピン6(コネクション)が設けられている。供給ピン6の本数は、電気的制御ユニット5のタイプに依存して決まる。
【0040】
電動モータ4はブラシレスタイプの整流器付きDCモータであって、周囲の冷媒流に対してカプセル化されているため、ドライ状態で作動する。
【0041】
吸入口21の流路断面形状は、ポンプハウジング2の中央部22内周壁と電動モータ4との間の環状の冷媒用流路の有効領域に対する効果的な関係においても、吐出口23の効果的な断面領域との関係においても、摩擦ロスが回避されるように構成されている。吐出口23は、一般的には吸入口21と同じ径とされるが、このように限定されるものではない。
【0042】
以下に、本発明の電動冷媒ポンプの使用状態を説明する。電動モータ4は、ポンプホイール31の望ましい冷媒流量を実現するためのそれぞれ望ましい回転速度及びトルクとなるように、電気的制御ユニット5によって作動される。ここにおいて、冷媒は吸入口21を通って引き込まれ、ポンプホイール31に運ばれ、電動モータ4及び電気的制御ユニット5の外周とポンプハウジング2の内周部との間の隙間を流れ、それによってこれらの各要素が同時に冷却される。最終的に、冷媒は吐出口23から送り出され、内燃機関エンジンへ供給される。
【0043】
本発明は、上記の実施例に加え、その他の実施例形態を含む。
即ち、上記の軸流形式のポンプホイールに代え、半軸流形式のポンプホイールを採用することもできる。
【0044】
更に、吸入口21の内径は、電動モータ4の周囲の環状の冷媒用流路や、吐出口23の径と同様に、個々の実施状況に応じて変更することができる。
【0045】
軸シールリングは、すべり軸受35とポンプホイール31との間に設けて、すべり軸受35もドライな状態に保たれるようにしても良い。軸シールリングは他のシール手段と置換しても良い。ここにおいて、すべり軸受に代えてころがり軸受を用いることもできる。しかし本発明においては、軸受と軸シールリングとの径は、摩擦損失を最小にするために、なるべく小さくするのが良い。
【0046】
又、電気的制御ユニットは、電気的構成要素の排熱が効率よく冷媒へ逃がされるように、金属製の支持部材を備えることができる。
【0047】
本発明の冷媒ポンプ1は、上記のような内燃機関エンジンへの適用に加えて、例えば燃料電池等への適用も可能である。
【0048】
冷媒ポンプ1は更に、その装着部位に対する厳しい制約が存在することから、冷却回路内のいかなる部位に配置することもできる。例えば、冷媒ポンプを、冷却回路に連結した装着が可能な限りにおいて、エンジンルーム内の例えばオイル系内に配置することもできる。
【0049】
このように、本発明は、電動冷媒ポンプ1、特に内燃機関エンジン、とりわけ水を主体とした冷媒が閉鎖冷却回路内において被冷却面に沿って案内される電動冷媒ポンプを提供する。ここにおいて、電動冷媒ポンプ1は、直管形状を有し、その入口側において前記ポンプホイール31を囲み、その下流側において流体が実質的に前記電動モータ4を取り囲むポンプハウジング2を含み、ポンプハウジング2と電動モータ4の外周との間には実質的に環状の冷媒用流路が形成されている。電動モータ4は冷媒に対してカプセル化されており、電動モータとポンプホイールの構成要素はポンプハウジング2内の少なくとも一つのウェブによって電動モータ4の軸流範囲内に保持され、このウェブを通して電動モータ4を駆動するためのコネクション6が結線されている。上記の冷媒流によって電動モータの定常的で安定した冷却がなされるため、冷媒ポンプ1は非常に高い回転速度で作動することが可能となり、そのために小さな構造サイズと同時に装置に低重量が実現され得る。そのため、本発明の冷媒ポンプ1は設置部位の高い自由度を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る電動冷媒ポンプの断面図である。
【符号の説明】
1 冷媒ポンプ
2 ポンプハウジング
4 電動モータ
5 制御ユニット
6 コネクション
21 吸入口
23 吐出口
31 ポンプホイール
32 軸
36 軸シールリング
37 ころがり軸受
Claims (17)
- 液体冷媒が冷却されるべき表面に沿って閉鎖冷却回路中を案内される自動車内燃機関エンジン用の電動冷媒ポンプであって、
電動モータ(4)と、この電動モータ(4)によって駆動され液体冷媒に運動エネルギーを伝える回転ポンプホイール(31)を含み、前記ポンプホイール(31)は軸流ポンプホイールであって、吸入口(21)と吐出口(23)とを備えるポンプハウジング(2)内に配置され、冷媒が更に電動モータ(4)を冷却するようになっている電動冷媒ポンプにおいて、前記ポンプハウジング(2)は直管形状を有し、その入口側において前記ポンプホイール(31)を囲み、その下流側において流体が実質的に前記電動モータ(4)を取り囲むようになっており、ポンプハウジング(2)と電動モータ(4)の外周との間には実質的に環状の冷媒用流路が形成されており、この冷媒用流路は、その入口側において、回転ポンプホイール(31)から電動モータ(4)に向かって内径が次第に拡張されており(図1)、前記電動モータ(4)は冷媒に対してカプセル化されドライ状態で作動するモーターであって、電動モータとポンプホイールの構成要素はポンプハウジング(2)内の少なくとも一つのウェブによって電動モータ(4)の軸流範囲内に保持され、このウェブを通して電動モータ(4)を駆動するためのコネクション(6)が結線されている、ことを特徴とする電動冷媒ポンプ。 - 前記液体冷媒が水を主体とする液体冷媒であることを特徴とする請求項1に記載の冷媒ポンプ。
- 前記電動モータ(4)が、冷媒用流路方向において電気的制御ユニット(5)と連結されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷媒ポンプ。
- 前記電気的制御ユニット(5)が金属製の支持部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の冷媒ポンプ。
- 前記ポンプホイール(31)の外径が、ポンプハウジング(2)への導水管の内径と実質的に合致することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の冷媒ポンプ。
- 前記電動モータ(4)の外周の環状の冷媒用流路に対して、前記吸入口の開口部の断面形状が環状であることを特徴とする請求項5に記載の冷媒ポンプ。
- 前記ポンプホイール(31)を支持する軸(32)の第1の軸受(35)がポンプホイール(31)と電動モータ(4)との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の冷媒ポンプ。
- 前記第1の軸受がすべり軸受であることを特徴とする請求項7に記載の冷媒ポンプ。
- 前記第1の軸受がころがり軸受であることを特徴とする請求項7に記載の冷媒ポンプ。
- 前記ポンプホイール(31)を支持する軸(32)の第2の軸受が前記電動モータ(4)に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の冷媒ポンプ。
- 前記第2の軸受が軸方向の力を支持するための深溝のボールベアリングを備えるころがり軸受(37)であり、かつ、冷媒に対してカプセル化されていることを特徴とする請求項10に記載の冷媒ポンプ。
- 前記第2の軸受が、軸シールリング(36)によって冷媒に対してカプセル化されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の冷媒ポンプ。
- 前記軸が、耐腐食性のニードルピンと、シャフト部とを含んでなり、前記ニードルピンは前記軸シールリング(36)と一緒にスライドし、かつ、前記ニードルピンは前記シャフト部の構成材料よりも硬度の高い材料からなりシャフト部にプレス嵌めされていることを特徴とする請求項12に記載の冷媒ポンプ。
- 前記少なくとも一つのウェブが合成エラストマー材料からなることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載の冷媒ポンプ。
- 前記電動モータとポンプホイールの構造要素が周囲に配設された複数のウェブによってポンプハウジング(2)内に保持されていることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれかに記載の冷媒ポンプ。
- 前記ポンプホイール(31)が少なくともPEEKを包含するカーボンファイバー材料群から選ばれるしなやかで耐衝撃性のある合成材料からなることを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載の冷媒ポンプ。
- 前記ポンプホイール(31)を取り囲む前記ポンプハウジング(2)への導水管が、ポンプホイールの隙間への粒子の介入に対して弾性変形し前記粒子を埋め込み可能な、少なくともPEEKを包含する合成材料からなることを特徴とする請求項5〜請求項16のいずれかに記載の冷媒ポンプ。
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