JP4974389B2 - リソグラフィ用ペリクルフレーム及びリソグラフィ用ペリクル - Google Patents
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Description
これらの作業は通常クリーンルームで行われているが、このクリーンルーム内でも露光原版を常に清浄に保つことが難しいので、露光原版の表面にゴミよけのための露光用の光をよく通過させるペリクルを貼り付ける方法が採られている。
近年、LSIのデザインルールはサブクオーターミクロンへと微細化が進んでおり、それに伴い、露光光源の短波長化が進んでいる、すなわち、これまで主流であった、水銀ランプによるg線(436nm)、i線(365nm)から、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)などに移行しつつある。微細化が進むとマスク及びシリコンウエハに要求される平坦性もますます厳しくなってきている。
ペリクル貼り付けによるマスク平坦度の変化の要因は幾つかあるが、一番大きな要因はペリクルフレームの平坦度であることが分かってきた。
近年、マスクに要求される平坦性も、パターン面で平坦度2μmの要求から徐々に厳しくなっており、65nmノード以降では0.5μm以下、好ましくは0.25μmという要求が出てきている。
このパターンの歪みは平坦度が悪くなる場合も発生するので、結局ペリクルを貼り付けることによりマスクが変形する場合は、必ずパターン像が歪んでしまうという問題が発生する。
また、本発明のリソグラフィ用ペリクルフレームは、前記製造方法を用いて製造され、リソグラフィー工程時の温度変化による変形が実質的に生じないことを特徴とし、前記温度変化によるフレーム変形は平坦度3μm以下であり、ヤング率が1〜80GPaである材料、例えば、アルミニウム合金で構成される。
さらに、本発明のリソグラフィ用ペリクルは、前記ペリクルフレームの一端面にペリクル膜接着剤を介してペリクル膜が張設され、他端面に露光原版用接着剤層が設けられている。
前記気圧調整用穴の断面形状は、気圧調整用フィルターを貼り付ける外側面が平面であることが好ましい。
本発明のペリクルフレームは、マスクの形状に応じて適宜設計されるものであるが、通常ペリクル枠の平面形状はリング状あるいは矩形状、正方形状であり、マスクに設けられた回路パターン部を覆う大きさと形状とを備えている。矩形状(正方形状を含む。)のペリクル枠の角は丸みがついていても構わない。
ペリクルフレームを構成する材質としては、ヤング率が1〜80GPaである材料が好ましく、アルミニウム合金、マグネシウム合金、合成樹脂等を好ましく例示することができ、アルミニウム合金がより好ましく用いられる。
アルミニウム合金としては、従来使用されているアルミニウム合金材が使用でき、好ましくは、JIS A7075、JIS A6061、JIS A5052材等が用いられるが、上述した断面形状を有し、ペリクルフレームとしての強度が確保される限り特に制限はない。
本発明のペリクルフレームは、従来からの慣用されているアルミニウム合金材であるJIS A7075、JIS A6061、JIS A5052材などヤング率が69GPa付近の材料を使用する代わりに、ヤング率が1以上50GPa以下である材料で構成することも好ましい。ヤング率が上記の範囲内である材料としては、マグネシウム合金の44GPa、アクリル樹脂の3GPa、ポリカーボネート樹脂の2.5GPaが例示できる。
平均的なペリクルフレームの平坦度は、約20〜80μm程度である。本発明において、ペリクルフレームの平坦度を20μm以下にすることが好ましい。
ペリクルフレームの平坦度が良いと、ペリクルをマスクに貼り付けた場合に、ペリクルフレームの変形量を小さくすることができ、その結果ペリクルフレームの変形応力を小さくして、マスクの変形を小さく抑えることができる。
なお、上記のペリクルフレームの「平坦度」とは、ペリクルフレームの各コーナー4点と4辺の中央4点の計8点において高さを測定し、仮想平面を算出して、その仮想平面からの各点の距離のうち最高点から最低点を引いた差で算出した値とした。
本発明において、ペリクルフレームは、迷光を吸収するために、黒色酸化被膜及び/又は黒色ポリマー被膜を有することが好ましい。また、ペリクルフレームがアルミニウム合金製である場合には、黒色アルマイト被膜及び/又はポリマーの電着塗装膜を有するアルミニウム合金製ペリクルフレームであることが特に好ましい。
また、ポリマー被膜(ポリマーコーティング)は様々な方法によって設けることができるが、一般にスプレー塗装、静電塗装、電着塗装などが挙げられ、電着塗装によってポリマー被膜を設けることがより好ましい。
電着塗装については、熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂のいずれも使用できる。また、それぞれに対してアニオン電着塗装、カチオン電着塗装のいずれをも使用することができる。本発明では耐紫外線性能も求められるため、熱硬化型樹脂のアニオン電着塗装が、コーティングの安定性、外観、強度の点から好ましい。
ペリクル膜の種類については特に制限はなく、例えば従来エキシマレーザー用に使用されている、非晶質フッ素ポリマー等が用いられる。非晶質フッ素ポリマーの例としては、サイトップ(旭硝子(株)製商品名)、テフロン(登録商標)AF(デュポン社製商品名)等が挙げられる。これらのポリマーは、そのペリクル膜作製時に必要に応じて溶媒に溶解して使用してもよく、例えばフッ素系溶媒などで適宜溶解し得る。
加熱処理の温度は、140〜250℃であることが好ましい。
ペリクルフレームの加熱処理の温度は、140℃未満では熱変形抑制に対する効果が得にくく、また250℃を越えるとフレーム表面に亀裂が生じたり変色することがある。
アニミニウム合金製で平坦度が約15μm、外寸が149mm×122mm×3.5mm、幅2mmのペリクルフレームを作製した。なお、ペリクルフレームの4つの角にC面取りを施した。
平坦度5μm以下の石英板7上に、上記ペリクルフレーム3のマスク粘着剤を塗布する側が接するように置き、さらにペリクルフレームの上から押圧盤として石英板8を乗せた(図2)。この状態で250℃のオーブン中で2時間静置し、平坦度を測定した。その後ペリクルフレームをガラス治具に吊るした状態で250℃のオーブン中に20分静置し、再び平坦度を測定した。
平坦度5μm以下の石英板上に、上記ペリクルフレームのマスク粘着剤を塗布する側が接するように置き、さらにペリクルフレームの上から押圧盤として石英板を乗せた。この状態で185℃のオーブン中で2時間静置し、平坦度を測定した。その後ペリクルフレームをガラス治具に吊るした状態で250℃のオーブン中に20分静置し、再び平坦度を測定した。
平坦度5μm以下の石英板上に、上記ペリクルフレームのマスク粘着剤を塗布する側が接するように置き、さらにペリクルフレームの上から押圧盤として石英板を乗せた。この状態で185℃のオーブン中で2時間静置し、平坦度を測定した。その後ペリクルフレームをガラス治具に吊るした状態で185℃のオーブン中に20分静置し、再び平坦度を測定した。
平坦度5μm以下の石英板上に、上記ペリクルフレームのマスク粘着剤を塗布する側が接するように置き、さらにペリクルフレームの上から押圧盤として石英板を乗せた。この状態で140℃のオーブン中で2時間静置し、平坦度を測定した。その後ペリクルフレームをガラス治具に吊るした状態で185℃のオーブン中に20分静置し、再び平坦度を測定した。
平坦度5μm以下の石英板上に、上記ペリクルフレームのマスク粘着剤を塗布する側が接するように置き、さらにペリクルフレームの上から押圧盤として石英板を乗せた。この状態で140℃のオーブン中で2時間静置し、平坦度を測定した。その後ペリクルフレームをガラス治具に吊るした状態で140℃のオーブン中に20分静置し、再び平坦度を測定した。
(比較例1)
上記ペリクルフレームをガラス治具に吊るした状態で250℃のオーブン中で20分静置し、平坦度を測定した。
上記ペリクルフレームをガラス治具に吊るした状態で185℃のオーブン中で20分静置し、平坦度を測定した。
上記ペリクルフレームをガラス治具に吊るした状態で140℃のオーブン中で20分静置し、平坦度を測定した。
以上の測定結果をまとめると、以下の表1に示すようになった。
2:(ペリクル膜貼り付け用)接着層
3:ペリクルフレーム
4:(露光原版に粘着させるための)接着用粘着層
5:露光原版(マスク又はレチクル)
6:ペリクル
7:基盤(石英板)
8:押圧盤(石英板)
Claims (8)
- 平坦度5μm以下の基盤上に、ペリクルフレームのマスク粘着剤を塗布する側が接するように載置した後、該ペリクルフレームの上から押圧盤を乗せ、所定温度で加熱処理することで、リソグラフィー工程時の温度変化による変形を抑制することを特徴とするリソグラフィ用ペリクルフレームの製造方法。
- 前記加熱処理温度が140〜250℃である請求項1に記載のリソグラフィ用ペリクルフレームの製造方法。
- 前記押圧盤が石英板である請求項1に記載のリソグラフィ用ペリクルフレームの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のリソグラフィ用ペリクルフレームの製造方法を用いて製造し、リソグラフィー工程時の温度変化による変形が実質的に生じないことを特徴とするリソグラフィ用ペリクルフレーム。
- 前記温度変化によるフレーム変形が平坦度3μm以下である請求項4に記載のリソグラフィ用ペリクルフレーム。
- ヤング率が1〜80GPaである材料で構成された、請求項4又は5に記載のリソグラフィ用ペリクルフレーム。
- アルミニウム合金で構成された、請求項4〜6のいずれか1つに記載のリソグラフィ用ペリクルフレーム。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載のペリクルフレームの一端面にペリクル膜接着剤を介してペリクル膜が張設され、他端面に露光原版用接着剤層を設けたリソグラフィ用ペリクル。
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