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JP4969250B2 - スペーサー領域を使用するプロテウス種の検出、同定、および区別 - Google Patents

スペーサー領域を使用するプロテウス種の検出、同定、および区別 Download PDF

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Description

本発明は、プロテウス種(Proteus)、具体的にはプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)および/またはプロテウス・ペンネリ(Proteus penneri)の特異的検出および/または同定のために使用される、16Sと23Sリボソームリボ核酸(rRNA)またはrRNA遺伝子間のITS(内部転写スペーサー)領域由来の新しい核酸配列に関する。
本発明は、ITS領域由来の新しい核酸配列を使用する、プロテウス種、具体的にはプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリスおよび/またはプロテウス・ペンネリの特異的検出および/または同定のための方法にも関する。
プロテウス属は8種、すなわちP.ミラビリス、P.ペンネリ、P.ブルガリス、P.ミクソファシエンス(P.myxofaciens)、およびP.ハウセリ(P.hauseri)、ならびに未だ命名されていない3つのゲノム種からなる。
プロテウス属のメンバーは、一般に環境中に存在するが、それらはしばしば胃腸管の一部をも構成する。臨床的には、P.ミラビリスが最も頻繁に単離される生物として最も重要ではあるが、その他の種もまた臨床設定において遭遇されうる。
P.ミラビリスは、院内感染からの単離株の3%を占めるが、一般的な尿路感染の単離株のうち大腸菌(Escherichia coli)に次ぐ第二位であり、単純性膀胱炎、腎盂腎炎、および前立腺炎の原因物質として第三位である。P.ミラビリスは、菌血症、新生児髄膜脳炎、髄膜炎、膿胸、および骨髄炎など生命にかかわる感染の原因菌としても報告されている。また、胃腸および創傷感染など他の感染もP.ミラビリスおよびP.ペンネリなど関連種によって引き起こされうる。
P.ペンネリおよびP.ミラビリスは、腎結石形成に関係していることがわかったが、P.ミラビリスは関節リウマチにおける病原菌として報告されている。
現在、プロテウス種は、培養に基づく方法および表現型生化学試験によって同定され、かつ区別されている。
プロテウスの典型的な特性は、ヒツジ血液寒天上での細菌の群れを成して移動する特性である。オキシダーゼおよびインドール試験と組合せて異なるプロテウス種が正確に区別されうるが、すべての場合が従来の系によって明確なやり方で解決されるわけではない。現在、市販の系ではプロテウス種間の同定および区別における均一かつ唯一の解答は得られない。
ニトロフラントインおよびテトラサイクリンに対するそれら特有の耐性に加えて、プロテウス属のその大部分は、野生型菌株として、アミノ/ウレイドペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、およびカルバペネムに影響されやすい。しかし、最近の報告では、一部の抗菌剤に対する、とりわけ上記のものに対する耐性の発生が、特に一部の病院において示されている。それらの生物の迅速かつ特異的な同定アッセイが、これら典型的な日和見細菌性生物によって引き起こされる感染のより適切な抗菌管理の基礎を形成しうる。
増大する院内感染の数および抗菌剤の既存のパネルに対する増大する耐性を考慮するとともに、培養に基づき試験は依然として時間がかかり、かつ熟練者の高い作業負荷を必要とするため、迅速かつより特異的な同定のための新しい方法が必要である。具体的には、院内敗血症のような重篤な感染の場合に、それが生きるか死ぬかの問題であるため迅速、特異的、かつ高感度なアッセイが必須である。
特許文献1は、ITS領域からの偶発性プローブATACGTGTTATGTGCによって記載する、この特定種を同定するためのP.ブルガリスの不当に特徴付けられた23SおよびITS rRNAからの一部のプローブを記載している。試料に存在する23S rDNAの一部を増幅することによって、唯一存在するプロテウス群からP.ミラビリス種を有する試料における細菌を同定するための方法が特許文献2に開示されている。
しかし、プロテウス種が試料に存在するかどうかだけではなく、どのタイプのプロテウス種が存在しているかを確認する方法が必要とされている。
国際特許出願国際公開第03/095677号パンフレット 国際特許出願国際公開第00/52203号パンフレット
本発明の目的は、プロテウス種、具体的にはプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、および/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のために使用されうる、プロテウス種のITS由来の新しい核酸配列を提供することである。
したがって、本発明は、配列番号1〜67、その相補的形態、TがUによって置換されているそのRNA形態、および相同体からなる群から選択される単離核酸分子を提供する。
プロテウス種の検出および/または同定のための前記核酸分子の使用も本発明の目的である。
本発明の1の態様は、プロテウス種、具体的にはプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、および/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のための、プローブおよび/またはプライマーとして使用するための新しいポリヌクレオチドに関する。
したがって、本発明は、プロテウス種の検出および/または同定のための、配列番号18〜67、その相補的形態、TがUによって置換されているそのRNA形態、その相同配列、およびその断片からなる群から選択される核酸分子を含んでなる、またはそれからなる標的配列に特異的にハイブリダイズする単離核酸分子を提供する。
本発明の他の態様は、試料におけるプロテウス種、具体的にはプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、および/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のためのプローブのセットに関する。
本発明の他の態様は、プロテウス種、具体的にはプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、および/またはプロテウス・ペンネリの16S−23S rRNAスペーサー領域の特異的増幅を可能にするプライマーに関する。
本発明の他の目的は、本発明の新しい配列のいずれか、もしくは本発明のプローブおよび/またはプライマーの新しいセットのいずれか、またはその組合せを含んでなる組成物である。
本発明の他の目的は、プロテウス種、具体的にはプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、および/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のために、前記プローブおよび/またはプライマーが使用されるキットである。
本発明の他の目的は、プロテウス種、具体的にはプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、および/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のための迅速かつ確実なハイブリダイゼーション方法である。
本発明の他の目的は、プロテウス種、具体的にはプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、および/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のためのリアルタイムPCRに基づくハイブリダイゼーション方法である。
表の説明
表1:実施例で使用された増幅および融解曲線プログラム。
表2:試験されたHybプローブの異なる組合せ。
表3:配列番号24および39によって表されるHybプローブの組合せの特異性について試験された微生物のリスト。
表4:配列番号1〜69のリスト。
この表の配列番号は以下の生物に由来する:
Figure 0004969250
Figure 0004969250
以下の定義は、以下に記載された本発明の異なる実施形態において使用された語および表現を説明するために役立つ。
「スペーサー」および「ITS」(内部転写スペーサー)という語は両方とも16S rRNAと23S rRNAとの間、または16S rRNA遺伝子と23S rRNA遺伝子との間の領域を指す略語である。
「プローブ」という語は、標的配列にハイブリダイズする十分に相補的である配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを指す。
本発明の枠組みにおける標的配列は、配列番号1〜17のいずれかによって表される核酸分子、その相補的形態、そのRNA形態、その相同体または断片を含んでなる、検出すべき配列である。
標的配列は、ゲノムDNAまたは前駆体RNA、またはその増幅バージョンのいずれかでありうる。
好ましくは、本発明のプローブは、約80%、約85%、約90%、もしくは約95%以上、標的配列の正確な相補体と相同である。
本発明のプローブは、対応するヌクレオチド配列を含む挿入を含んでなる組換えプラスミドのクローン化(および増殖)によって、任意に、後者を適切なヌクレアーゼを使用してクローン化プラスミドから開裂し、それらを、例えば、分子量に従う分画によって回収することによって形成されうる。
本発明によるプローブは、例えば、従来のリン酸トリエステル法によって化学的に合成もされうる。
本明細書で使用される「相補的」核酸という語は、核酸配列が互いと完全な塩基対二本鎖を形成しうることを意味する。
「ポリ核酸」、「核酸」、および「ポリヌクレオチド」は、少なくとも5、10、15、20、30、40、または50個の隣接ヌクレオチドを含んでなる二本鎖もしくは一本鎖cDNAまたはゲノムDNAもしくはRNAに対応する。長さが100個より小さいヌクレオチドであるポリ核酸は「オリゴヌクレオチド」とも呼ばれる。
本発明のポリヌクレオチドは、実質的にそのハイブリダイゼーション特性を変えることがない修飾基を含んでなるイノシンまたはヌクレオチドなど修飾ヌクレオチドをも含有しうる。
本発明のポリ核酸分子は、つねに5’末端〜3’末端で表される。それらは、いかなる形態でも、すなわちその二本鎖または一本鎖形態(2つの鎖のいずれか)、そのDNAまたはRNA形態(ここでTはUによって置換される)、修飾または非修飾で使用されうる。
「最近隣接」という語は、DNA相同性の点で最も密接に関係していることが周知または予想され、かつ目的とする生物から区別される必要がある分類群を意味する。
「分類群特異的ハイブリダイゼーション」または「分類群特異的プローブ」という表現は、プローブが、そのために設計された分類群からのDNAまたはRNAにのみハイブリダイズし、他の分類群からのDNAまたはRNAにはハイブリダイズしないことを意味する。
分類群という語は、完全な属または属内の亜群、種またはさらに種内の亜型(亜種、血液型亜型、シクエバー(Sequevar)、次亜種等)を指しうる。
「特異的増幅」または「特異的プライマー」という語は、前記プライマーが、そのために設計された生物からの関連領域のみを増幅し、他の生物からものを増幅しないことを指す。
「スペーサー特異的増幅」または「スペーサー特異的プライマー」は、前記プライマーが、そのために設計された生物からのスペーサー領域のみを増幅し、他の生物からのものは増幅しないことを指す。
「特異的プローブ」という語は、そのために設計された生物からの関連領域とのみハイブリダイズし、他の生物からの対応する領域とも、他の領域ともハイブリダイズしないプローブを指す。
「スペーサー特異的プローブ」は、そのために設計された生物からの関連スペーサーとのみハイブリダイズし、他の生物からのスペーサーとはハイブリダイズしないプローブを指す。
「感度」という語は偽陰性の数を指し、すなわち、検出すべき100個の菌株のうち1個が見逃された場合は、その試験は(100−1/100)%=99%の感度を示す。
「特異性」という語は偽陽性の数を指し、すなわち、検出される100個の菌株で、2個がそのために試験が設計されていない生物に属すると思われる場合は、試験の特異性は(100−2/100)%=98%である。
「優先的」であるとして選択されるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、80%超、好ましくは90%超、かつ最も好ましくは95%超の感度および特異性を示す。
「固体支持体」は、プローブがそのハイブリダイゼーションン特性を保持するという条件で、かつハイブリダイゼーションの背景レベルが低く保持するという条件で、ポリヌクレオチドプローブが結合されうる基質を指しうる。通常、固体基質はマイクロタイタープレート、膜(例えば、ナイロンまたはニトロセルロース)、またはマイクロスフェア(ビーズ)となるが、これらの例に限定されることはない。膜または固定への適用前に、固定を促進し、またはハイブリダイゼーション効率を改善するために核酸プローブを修飾することが便利でありうる。かかる修飾はホモポリマーテーリング、脂肪族基、NH基、SH基、カルボン酸基など異なる反応基との結合、またはビオチン、ハプテン、またはタンパク質との結合を包含しうる。
「標識」という語は、標識核酸の使用を指す。標識化は、サイキ(Saiki)ら((1988年)Science 239:487−491頁)またはベイ(Bej)ら((1990年)Mol Cell プロベス 4:353−365頁)によって説明されたものなど増幅の重合ステップ中に組込まれた標識ヌクレオチドの使用によって、もしくは標識プライマーの使用によって、または当業者に周知の他の方法によって実行される。標識の性質は同位体(32P、35S、等)または非同位体(ビオチン、ジゴキシゲニン、蛍光色素、酵素、等)でありうる。
「シグナル」という語は、一連の電磁波(例えば、蛍光)、または情報を伝える電流の変化を指す。シグナルは直接可視であり、または異なる手段もしくはデバイスによって可視および/または説明可能とされうる。
試料はいずれかの生体材料を含んで成りうる。生体材料は、感染した人間、または動物から直接、または培養もしくは富化後、または食物から、環境等から取られうる。
生体材料は、例えば、あらゆる種類の吐出物、気管支洗浄、血液、皮膚組織、生検、リンパ球血液培養材料、コロニー等でありうる。前記試料は、当技術分野で周知の方法のいずれかに従って調製または抽出されうる。
本発明に照らして臨床的に重要であるプロテウス種は、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、およびプロテウス・ぺンネリである。
異なるプロテウス種は、スペーサー領域に挿入されたtRNA遺伝子、tRNAgluまたはtRNAile−alaのタイプに基づき2つの異なるタイプのスペーサーを示す。さらに、各々のタイプのスペーサーおよび各々のプロテウス種について、異なるクラスターまたはグループが区別されうる。
例えば、P.ミラビリスの9個の菌株のうち、第1のタイプのスペーサー、すなわち、tRNAgluの挿入を考慮すると、4種類のグループが定義され、それぞれ配列番号1〜4によって示されうる。
第2のタイプ、すなわち、tRNAile−alaの挿入を考慮すると、6種類のグループが定義され、それぞれ配列番号5〜10によって示されうる。
すべてのプロテウス種、もしくは各々のプロテウス種、または少なくとも2つのプロテウス種のいずれかの組合せを検出および/または同定するために、本発明は新しい核酸分子を提供する。
本発明のITS配列は、配列番号1〜17、その相補的形態、TがUによって置換されるそのRNA形態、およびそのいずれかの相同配列を含んでなる、またはこれらからなる。
以下で「相同体」とも呼ばれるプロテウス種のITSに存在する相同配列は、本発明の目的でもある。相同性の程度は80%もしくは85%よりも高く、好ましくは90%より高く、より好ましくは95%よりも高い。
本発明の枠組みにおいて、「相同体」は次いで、配列番号1〜17のいずれか、またはいずれかのプロテウス種のITS領域に位置した、少なくとも10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100個のヌクレオチドのそのいずれかの断片と相同配列である。
配列番号1〜10はP.ミラビリス由来であり、配列番号11〜13はP.ブルガリス由来であり、配列番号14〜17はP.ペンネリ由来である。
本発明は、いずれかのプロテウス種の検出のためのITS由来の新しい核酸分子をも提供し、各々タイプが異なるグループを含んでなる、挿入されるtRNAを考慮すると、異なるタイプのITSが存在することによるきわめて高いばらつきによって生じる問題を解決する。
実際に、配列番号44、53、58、59、および61からなる新しい核酸分子が、試験されたすべてのプロテウス種、特に臨床的に重要であるプロテウス種の2つのタイプのスペーサーに存在することが見出されている。
言及された特異的ポリヌクレオチド、少なくとも10、15、20、25、30個、および好ましくは約20個のヌクレオチド(18、19、20、21、または22個)のその断片、そのRNA形態、およびその相補的形態は、属特異的ポリヌクレオチドとも呼ばれ、プロテウス種、具体的には、臨床的に重要である3つのプロテウス種のいずれか、もしくはすべての検出のためのプライマーおよび/またはプローブを設計するために使用されうるITSの特異的領域である。
1つ、2つ、もしくはそれ以上のプロテウス種の検出および/または同定のためのプローブおよび/またはプライマーとして使用するための新しいポリヌクレオチドも提供される。
言い換えれば、本発明の目的は、1つ、2つ、もしくはそれ以上のプロテウス種の検出および/または同定のための本発明の標的配列とハイブリダイズするプローブおよび/またはプライマーとして使用するための新しいポリヌクレオチドに関する。
具体的には、本発明の目的は、配列番号1〜17、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、その相同体、その少なくとも10、15、20、25、30、50、100、150、200、または300個の隣接ヌクレオチドの断片からなる群から選択される核酸を含んでなる、またはこれらからなる標的配列に特異的にハイブリダイズする単離核酸分子である。
好ましいポリヌクレオチドプローブは、長さが約5〜約50の塩基、より好ましくは約10〜約25個のヌクレオチドであり、標的配列と十分に相同である。
配列番号18〜67のポリヌクレオチドもしくはその相同体のいずれか、その相補的形態もしくはそのRNA形態がプローブとして使用されうる。
本発明の好ましいプライマーは、本発明の標的配列の合成のための開始点として作用することが可能な一本鎖DNAポリヌクレオチドである。本発明のプライマーの長さおよび配列は、エクステンション産物の合成をプライムすることを可能にするほどでなければならない。
好ましくは、本発明のプライマーは、約5〜約50個のヌクレオチドの長さであり、好ましくは約10〜約35個、より好ましくは約15〜約25個である。その特異的長さおよび配列は、温度およびイオン強度など使用される条件によって選択されるべきである。
本発明のプライマーは標的配列を増幅する。言い換えれば、本発明のプライマーは、配列番号1〜17、その相補鎖および/または相同体のいずれかを含んでなる核酸分子を増幅する。
rRNAスペーサーの保存フランキング領域、すなわち、16S遺伝子および23S遺伝子に位置した普遍的なプライマーが使用されうる。プロテウス種が試料に存在する場合は、増幅産物、標的配列は、次いで、配列番号1〜17、および/または相同体のいずれかからなる核酸分子を含んでなる。
好ましくは、標的配列は、配列番号1〜17、および/または、それぞれ16Sおよび23S rRNAの約40〜約50個以下のヌクレオチドによってフランキングされた相同体からなる群から選択される核酸分子からなる。
一部の用途では、試料に存在する異なる細菌ではなく、より具体的にプロテウス種を増幅することが適切でありうる。
この場合、プライマーペアが、本発明のITS配列、例えば、配列番号44および53によって表されるポリヌクレオチド由来である。
増幅プライマーが対応するテンプレート配列と正確にマッチし、適切な増幅を保証する必要がないということは、文献(クオーク(Kwok)ら(1990年)Nucl Acids Res.18:999頁)において十分に実証されている。
使用される増幅方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR、サイキ(Saiki)ら((1988年)、Science 239:487−491頁)、リガーゼ連鎖反応(LCR、ランドグレン(Landgren)ら、((1988年)、Science 241:1077−1080頁)、ウー(Wu)とウォリス(Wallace)、((1989年)Genomics 4:560−569頁)、バラニー(Barany)、((1991年)、Proc Natl Acad Sci.USA 88:189−193頁)核酸配列ベース増幅(NASBA、グアテリ(Guatelli)ら、((1990年)、Proc Natl Acad Sci.USA 87:1874−1878頁)、コンプトン(Compton)、((1991年)、Nature 350:91−92頁)転写ベース増幅系(TAS、クオー(Kwoh)ら、(1989年)Proc Natl Acad Sci.USA 86:1173−1177頁)、鎖置換増幅(SDA、ダック(Duck)、((1990年)Biotechniques 9:142−147頁)、ウォーカー(Walker)ら、((1992年)Proc Natl Acad Sci.USA 89:392−396頁)、またはQβレプリカーゼの手段による増幅(リザルディ(Lizardi)ら、((1988年)Bio/Technology 6:1197−1202頁)、ロメリ(Lomeli)ら、((1989年)Clin Chem 35:1826−1831頁)、または当技術分野で周知の核酸分子を増幅する他の適切な方法でありうる。
プライマーまたはプローブとして使用するための、または本発明の方法において使用される別のプライマーおよびプローブを設計するための本発明の好ましいポリヌクレオチドは、配列番号18〜67によって表されている。
本発明のポリヌクレオチドは、次いで得られる等価物がさらに標的配列と依然としてハイブリダイズするという条件で、1つもしくはいくつかのヌクレオチドのそのそれぞれの極度への添加もしくはそれからの除去によって、または前記配列内の1個もしくはそれ以上のヌクレオチドを変更することによって、または両方の組合せによって、配列番号18〜67によって表されるポリヌクレオチドのいずれかと配列が異なりうる。前記等価のポリヌクレオチドは、対応する非修飾ポリヌクレオチドとの少なくとも80%の相同性、好ましくは85%超、最も好ましくは90%超の相同性を共有する。
ポリヌクレオチドの等価物を使用する場合、ハイブリダイゼーション条件を修正し、対応する非修飾ポリヌクレオチドと同じ特異性を得る必要がありうる。
結果として、ポリヌクレオチドが同じハイブリダイゼーション条件下のセットで使用される場合、他のポリヌクレオチドの配列をそれに応じて修飾することも必要となる。これらの修飾は、ヘイムス(Hames)Bとヒギンス(Higgins)S(編):Nucleic acid hybridization.Practical approach.IRLプレス(IRL Press)、Oxford、英国(UK)、1985年に記載されたものなどの原理に従って行われうる。
本発明のポリヌクレオチドプライマーおよび/またはプローブは、ホスホロチオエート(マツクラ(Matsukura)ら、((1987年)Proc Natl Acad Sci.USA 84(21):7706−7710頁)、アルキルホスホロチオエート(ミラー(Miller)ら、((1979年)、Biochemistry 18(23):5134−5143頁)またはペプチド核酸(ニールセン(Nielsen)ら、((1991年)Science 254(5037):1497−1500頁)、ニールセン(Nielsen)ら、((1993年)Nucl Acids Re.21(2):197−200頁)などのヌクレオチド類似体をも含んで成り、または挿入剤(アセリン(Asseline)ら、(1984年)、).Proc Natl Acad Sci.USA 81(11):3297−3301頁)等を含有しうる。
修飾プライマーまたはプローブは、必要な特異性および感度を得るためにそれらが使用される条件に関して適応を必要とする。しかし、ハイブリダイゼーションの結果は実質的に非修飾ポリヌクレオチドで得られたものと同じとすべきである。
これらの修飾の導入は、ハイブリダイゼーション動態、ハイブリッド形成の可逆性、ポリヌクレオチド分子の生体安定性等など一部の特性に影響を及ぼすために有利でありうる。
本発明のプローブおよびプライマーは、プロテウス種、具体的にはプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、および/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のための本発明の方法、また目的において使用される。
標的配列の検出および/または同定は、電気泳動法、ハイブリダイゼーション法、またはシークエンシング法を使用することによって実行されうる。
試料における1つもしくはそれ以上のプロテウス種の検出ための本発明の方法は、以下のステップを含んでなる。
− 第1に、かつ必要ならば、試料に存在する核酸を増幅および/またはハイブリダイゼーションのために利用可能にする。
− 第2に、かつ必要ならば、存在する場合には、核酸を1つもしくは別の標的増幅系で増幅する。通常、増幅はその後のハイブリダイゼーションシグナルを強化するために必要である。しかし、一部の試料について、または一部の高度に感受性のシグナル増幅系については、増幅は必要ではない場合がある。
− 第3に、試料に存在する核酸または結果として生じる増幅産物をプローブと接触させ、かつハイブリダイゼーションを続行させる。
−最後に、従来の適合性の検出系を使用してハイブリッドを検出する。観察されるハイブリダイゼーションシグナルまたはパターンから、1つ、2つ、もしくはそれ以上のプロテウス種の存在または非存在が推定されうる。
増幅ステップのために、普遍的プライマーとも呼ばれる、rRNAスペーサーの保存フランキング領域(16Sおよび23S遺伝子)に位置したプライマーが使用されうる。配列番号68および69によって表されるプライマーペアは普遍的プライマーペアの例である。
一部の用途のために、試料に存在するすべての細菌ではなく、1つもしくはいくつかの属、または1つもしくはいくつかのプロテウス種を増幅することが適切でありうる。
後者の場合、これはプロテウス種のITS領域由来の属特異的プライマーまたは種特異的プライマーを使用することによって達成されうる。
具体的には、試料におけるプロテウス種の検出および/または同定のための発明の方法が、
(i)所望により、前記試料におけるポリ核酸を放出、単離、および/または濃縮するステップと、
(ii)所望により、前記16S−23S rRNAスペーサー領域、または少なくとも1つの適切なプライマーペアを有する、その標的配列または断片の少なくとも1つを増幅するステップと、
(iii)前記ポリ核酸を、配列番号1〜17、その相同体、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、およびその断片からなる群から選択される標的配列の少なくとも1つにハイブリダイズする少なくとも1つのポリヌクレオチドプローブと接触させるステップと、
(iv)形成されたハイブリッドを検出するステップと、
(v)得られたシグナルを解釈し、プロテウス種の存在を推定し、かつ/または前記試料におけるプロテウス種を同定するステップと
を含んでなる。
例えば、本発明のいずれかの方法の増幅またはハイブリダイゼーションステップにおいて言及される断片が、本発明の核酸分子の約10、15、20、25、30、50、100、200、300個の隣接ヌクレオチドを含んで成り、またはこれらからなりうる。
好ましくは、本発明のプローブは、高い厳密性の条件下にハイブリダイズする。
高い厳密性条件下、相補的核酸ハイブリッドのみが形成される。したがって、アッセイ条件の厳密性は、ハイブリッドを形成する2つの核酸鎖間で必要とされる相補性の量を決定する。厳密性は、標的および非標的核酸で形成されるハイブリッド間の安定性における差を最大にするように選択される。
どんな場合でも、適切なハイブリダイゼーション条件は、本発明のポリヌクレオチドが標的配列に特異的にハイブリダイズする場合に得られるハイブリダイゼーションのシグナルが、前記ポリヌクレオチドが非特異的なやり方で標的配列にハイブリダイズする場合に得られるシグナルと異なるようにして選択される。
実際には、異なるシグナルは、例えば、その強度が、標的配列への非特異的ハイブリダイズと比べ、標的への特異的ハイブリダイゼーションにより2倍、5倍、10倍もしくはそれ以上である場合に視覚化されうる。LiPA系はこの点で優れた例である。
異なるシグナルは、例えば、リアルタイムPCR法を使用する場合に、融解曲線分析で異なるピークが引き出される場合にも視覚化されうる。
1つの実施形態において、おそらく試料に存在する標的配列の検出のためのきわめて便利かつ有利な方法が、リアルタイムPCR法である。
本発明の枠組みで使用されうる増幅DNAの検出のための異なるフォーマット、特にTaqMan(商標)プローブ、モレキュラー・ビーコンズ(Molecular Beacons)プローブ、「スコーピオンズ(Scorpions)」、またはFRETハイブリダイゼーションプローブがある。
TaqMan(商標)プローブに関して、一本鎖ハイブリダイゼーションプローブが2つの成分で標識される。第1の成分、いわゆる蛍光剤が適切な波長の光で励起されると、吸収エネルギーは、蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従って、第2の成分、いわゆる消光剤に移される。PCR反応のアニーリングステップ中、ハイブリダイゼーションプローブは標的DNAに結合し、ポリメラーゼ、例えば、伸長段階中のTaqポリメラーゼの5’−3’エクソヌクレアーゼ活性によって分解される。結果として、励起蛍光成分および消光剤は空間的に互いから分離され、したがって第1の成分の蛍光放射が測定されうる(欧州特許第543942号明細書および米国特許第5,210,015号明細書)。
モレキュラー・ビーコンズ(Molecular Beacons)プローブに関して、このプローブも第1の成分および消光剤で標識され、標識は、好ましくは、少なくとも部分的に自己相補的プローブの異なる末端に位置している。プローブの二次構造の結果として、両方の成分は空間的に近くで溶解する。標的核酸へのハイブリダイゼーション後、両方の成分は互いから分離し、適切な波長の光による励起後、第1の成分の蛍光放射が測定されうるようになる(米国特許第5,118,801号明細書)。
「スコーピオンズ(Scorpions)」に関して、プローブおよびプライマーが1つの分子に含まれている。モレキュラー・ビーコンズ系と同様、各プローブは第1の成分および消光剤で標識され、標識は、好ましくは、少なくとも部分的に自己相補的プローブの異なる末端に位置している。プライマーが、特異的標的配列の非存在下に開放されることから二次構造を防ぐPCRストッパによって各プローブへ連結される。(ホイットコンブ(Whitcombe),D.ら(1999年)Nature Biotechnology 17、804−807頁、テルウェル(Thelwell),N.ら(2000年)Nucleic Acids Research、第28巻、第19号、3752−3761頁、スワンビック(Svanvik)ら、Analytical Biochemistry 287、179−182頁(2000年))。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ハイブリダイゼーションプローブ試験フォーマットは、あらゆる種類の相同ハイブリダイゼーションアッセイに特に有用である(マシューズ(Matthews),J.A.およびクリッカ(Kricka),L.J.、Anal Biochem 169(1988年)1−25頁)。これは、同時に使用され、かつ(増幅)標的核酸の同じ鎖の隣接部位と相補的である、2つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブによって特徴付けられる。両方のプローブは異なる蛍光成分で標識される。適切な波長の光で励起されると、第1の成分は、蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従って吸収エネルギーを第2の成分に吸収エネルギーを移し、第2の成分の蛍光放射は両方のハイブリダイゼーションプローブが検出される標的分子の隣接位置に結合する場合にのみ測定されうるようになっている。
標的配列にアニールされる場合、ハイブリダイゼーションプローブは、頭部−尾部配置で互いにきわめて近くに位置付ける必要がある。通常、第1のプローブの標識3’末端と第2のプローブの標識5’末端との間のギャップは可能な限り小さく、特に約0〜25個の塩基、かつ好ましくは約1〜約5個の塩基からなる。これはFRETドナー化合物およびFRETアクセプター化合物の接近を可能にし、これは一般的に10−100オングストロームである。
FRETアクセプター成分の蛍光の増大をモニタリングする代わりに、ハイブリダイゼーションイベントの定量尺度としてFRETドナー成分の蛍光減少をモニタリングすることも可能である。
リアルタイムPCRの当技術分野で周知のすべてのフォーマットのうち、FRETハイブリダイゼーションプローブフォーマットはきわめて感度が高く、正確、かつ確実であることが証明されている(国際公開公報国際公開第97/46707号パンフレット、同第97/46712号パンフレット、同第97/46714号パンフレット)。しかし、適切なFRETハイブリダイゼーションプローブ配列の設計は、検出される標的核酸配列の特性によって限定されることもある。
FRETハイブリダイゼーションプローブの用法の代わりとして、蛍光標識プライマーおよび唯一の標識ポリヌクレオチドプローブを使用することも可能である(ベルナルド(Bernard),P.S.ら、Anal.Biochem.255(1998年)101−7頁)。この点で、プライマーがFRETドナーまたはFRETアクセプター化合物で標識されるかどうか任意に選択されうる。
蛍光は伸長ステップ中に測定され、使用されるプライマーおよび/またはプローブによって、そのTmによって、かつハイブリダイゼーション条件によって増幅曲線を生成し、それにより検出されるプロテウス種の存在を推測し、またはどのプロテウス種が存在するか推測することが可能である。
FRETハイブリダイゼーションプローブ(HybプローブまたはFRET−プローブとも呼ばれる)も融解曲線分析に使用されうる(国際公開公報国際公開第97/46707号パンフレット、同第97/46712号パンフレット、同第97/46714号パンフレット)。かかるアッセイにおいては、標的核酸は最初に適切な増幅プライマーとの典型的なPCR反応で増幅される。ハイブリダイゼーションプローブは、すでに増幅反応中に存在し、またはその後に添加されうる。PCR反応の終了後、試料の温度は連続的に上昇する。蛍光はハイブリダイゼーションプローブが標的DNAに結合されている限り検出される。融解温度では、ハイブリダイゼーションプローブはその標的から放出され、かつ蛍光シグナルは直ちに背景レベルに低下する。この低下は適切な蛍光対温度−時間プロットでモニタリングされ、第1の微分係数の負数が計算されうる。次いで、かかる係数の得られた最高値に対応する温度の値は、FRETハイブリダイゼーションプローブの前記ペアの確固たる融解温度として取られる。
標的核酸内の点変異または多型は結果として標的核酸とFRETプローブとの間の100%未満の相補性をもたらし、したがって結果として融解温度の減少が生じる。これによりFRET−Hybプローブハイブリダイゼーションによる配列変形のプールの一般的な検出が可能であるが、その後に、前記プールの異なるメンバーが融解曲線分析を実行する手段によって判別されることになりうる。
FRETハイブリダイゼーションプローブの代わりに、モレキュラー・ビーコンズ(Molecular Beacons)が代替として融解曲線分析に使用されうる。
リアルタイムPCRおよび相同リアルタイムPCR融解曲線分析の有用性に対して、特定のタイプの種または菌株の判別が、SybrGreen(商標)Iなど二本鎖DNA結合色素、または、代替として、異なるが類似の標的配列にハイブリダイズする特別に設計されたハイブリダイゼーションプローブのいずれかを使用して可能となる。
第1の場合、生成された二本鎖PCR産物の融解温度が測定される必要がある。しかし、この方法は、小さな配列変形のみが結果としてわずかな融解温度差をもたらすという点で、ほとんど差が有効にモニタリングできないため限定された用途のみ有する。
あるいは、ハイブリダイゼーションプローブは、プローブ/標的核酸ハイブリッドの融解温度が測定されるやり方で使用されうる。
ABI/Prism(商標)機器、かつ具体的にはライトサイクラー(LightCycler)(商標)装置など、使用されうる異なるリアルタイムPCRプラットフォームがあり、すべては光放射の測定、融解サイクル中の放射ピークの連続的モニタリング、標識プローブが増幅産物から取外される時点での温度(融解ピーク)の測定、および視覚化からなる同じ原理に基づく。融解ピークデータは、プローブと標的との間のミスマッチが融解の動態に影響を及ぼし、目的とする各々の種の異なる融解ピークをもたらすため、特定の[プローブ:標的]配列の特性である。
ライトサイクラー(LightCycler)(商標)プラットフォームは、多くの利点を提供し、具体的には時間の利得、およびハイブリダイゼーションプローブ(Hybプローブ)、TaqMan(商標)プローブ、モレキュラー・ビーコンズ(Molecular Beacons)、スコルピン(Scorpion)プローブ、およびバイプローブ(SYBRグリーン(Green)I)など、いくつかの異なる配列特異的蛍光プローブ検出系の可能な使用である。
本発明の好ましい方法においては、数個のヌクレオチド、一般に0〜25個、好ましくは約1〜約5個のヌクレオチドによって間隔をあけられた、頭部−尾部方向で、本発明の標的配列由来の2つの隣接したポリヌクレオチドプローブからなるHybプローブ系が使用される。プローブの1つはその3’末端においてドナー色素によって標識され、その他はその5’末端においてアクセプター分子で標識され、3’末端において(プライマーとしてのその作用を阻止するため)リン酸ブロックされる。ドナー色素は一般にフルオレセインであり、アクセプター分子は一般にLCレッド610、640、670、または705である。
本発明の標的配列の検出は、内部標識PCR鎖および反対鎖上に位置した検出プローブによっても達成されうる。シグナルは色素の空間的接近に依存し、かつ標的の量に依存している。
両方のプローブがその標的配列にハイブリダイズされると、ドナーの放射光は蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によってアクセプター蛍光プローブヘ移され、放射蛍光(610、640、670、または705nm)が検出されうる。放射蛍光の強度は、増幅の産物である標的DNAと平行して増大する。
ライトサイクラープローブは、加水分解を必要とせず、したがって、PCR時間の追加の延長がないTaqMan(商標)プローブに対する利点を提供する(アニーリング延長≦12秒)。したがって、ライトサイクラーの高速熱サイクルを活用し、PCRプログラムを45分のみで終了することが可能である。
また最近の世代のリアルタイムPCRプラットフォームは、単一の反応でいくつかのプローブをモニタリングすることができ、種レベルでの異なるプロテウスの検出および/または同定、および/または異なるタイプのプロテウススペーサーの区別を可能にする。
さらに、TaqMan技術のために設計された方法を容易にHybプローブ技術に変換することができ、同等の結果が得られることがわかっている(Haematologica 第85巻(12)pp.1248−1254、2000年12月)。
したがって、本発明の他の目的は、Hybプローブとも呼ばれる少なくとも2つのポリヌクレオチドプローブのセットに関するが、両方のHybプローブは同じ標的配列にハイブリダイズし、互いに隣接し、前記2つのHybプローブ間に25個以下のヌクレオチド、好ましくは15個以下のヌクレオチド、より好ましくは10個以下のヌクレオチド、具体的には5個以下のヌクレオチドを有する。
2つのHybプローブがある場合、1つはアクセプター蛍光プローブで標識され、もう1つはドナーで標識され、標識配列によるHybプローブのハイブリダイズ時に、ドナーおよびアクセプター蛍光プローブは、好ましくは互いの0〜25個以内のヌクレオチドであり、より好ましくは互いの0〜10個以内のヌクレオチドであり、最も好ましくは互いの0〜5個以内のヌクレオチドであるようになっている。
2つより多くのHybプローブがある場合、少なくとも1つはアクセプター蛍光プローブで標識され、その他はドナーで標識され(逆もまた同様)、標識配列によるHybプローブのハイブリダイズ時に、ドナーおよびアクセプター蛍光プローブは、好ましくは互いの0〜25個以内のヌクレオチドであり、より好ましくは互いの0〜10個以内のヌクレオチドであり、最も好ましくは互いの0〜5個以内のヌクレオチドであるようになっている。
プロテウス種、具体的には臨床的に重要であるプロテウス種を検出し、かつ/または同定するために、少なくとも2つのポリヌクレオチドプローブのセットが使用されうるが、前記プローブは、配列番号1〜17、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、および相同体からなる群から選択される標的配列の少なくとも1つとハイブリダイズし、ここで好ましくは25以下のヌクレオチド、より好ましくは10個以下のヌクレオチド、かつ最も好ましくは5個以下のヌクレオチドが前記プローブ間に存在する。
本発明のプローブのセットは、3、4、5、6、7、8、9、10個、もしくはそれ以上のプローブからも成りうるが、好ましくは、2〜5個のプローブからなる。
表2にリストアップされたプローブのセットおよびその相同体は、本発明の好ましいセットである。
プライマーとして使用される2個、プローブとして使用されるその他の3個のポリヌクレオチドのセットも使用されうる。次いで、前記プライマーの1つおよび前記プローブは、配列番号1〜17、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、および相同体からなる群から選択される標的配列の少なくとも1つにハイブリダイズし、好ましくは25個以下のヌクレオチド、より好ましくは10個以下のヌクレオチド、かつ最も好ましくは5個以下のヌクレオチドが前記プライマーと前記プローブとの間に存在する。
本発明の少なくとも2個のポリヌクレオチドのセットは、プロテウス種、具体的には、P.ミラビリス、P.ブルガリス、および/またはP.ペンネリの検出および/または同定のための方法において使用される。
試料におけるプロテウス種、具体的には、P.ミラビリス、P.ブルガリス、および/またはP.ペンネリの検出および/または同定のための本発明の方法が、
(i)所望により、前記試料に存在するポリ核酸を放出、単離、および/または濃縮するステップと、
(ii)16S−23S rRNAスペーサー領域、または少なくとも1つの標的配列、またはその断片を、少なくとも1つの適切なプライマーペアで増幅するステップと、
(iii)配列番号1〜17からなる群から選択される少なくとも1つの標的配列、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、いずれかの相同体、およびその少なくとも10個かつ好ましくは少なくとも20個の隣接ヌクレオチドの断片にハイブリダイズする少なくとも2つのHybプローブの少なくとも1つのセットと前記ポリ核酸を接触させるステップと、
(iv)ステップ(iii)で形成されたハイブリッドを検出するステップと、
(v)ステップ(iv)で得られた異なったハイブリダイゼーションシグナルからの試料におけるプロテウス種の存在を推定し、またはプロテウス種を同定するステップと
を含んでなる。
例えば、増幅ステップで使用されるプライマーペアが、配列番号53もしくは61によって表されるポリヌクレオチド、またはその相同体のいずれか由来の順方向プライマー、および配列番号44、58、もしくは59によって表されるポリヌクレオチド、またはその相同体のいずれか由来の逆方向プライマーの組合せである。
例えば、ハイブリダイゼーションステップにおいて使用される2つのHybプローブのセットは、配列番号22によって表されるHybプローブと配列番号37、38、および39によって表されるHybプローブ、またはその相同体のいずれかとの組合せでありうる。
配列番号22によって表されるHybプローブは、フルオレセイン標識であり、その他はLCR610、LCR640、LCR670、またはLCR705標識のいずれかでありうる。
Hybプローブ系の利点の1つは、これにより、以下の分子コンセプトに基づき、変異、多型、および他の変形核酸種を含む、配列バリエーションの検出が可能であることにあり、すなわち、Hybプローブの1つは厳重に結合する「アンカープローブ」であるが、隣接した「センサプローブ」は、配列バリエーションの領域を補う。最終PCR産物の融解中、配列の変化はセンサプローブの融解温度(Tm)の変化として検出される。
例えば、試料が配列番号1のみを含有する場合は、前記配列番号1に特異的にハイブリダイズするHybプローブを使用することにより単一の融解ピークが生じる。試料に相同体もある場合には、同じ2つのHybプローブを使用することにより、一般に容易に観察可能な温度変化を誘発する少なくとも1個のミスマッチ塩基がある限り2つのピークが生じることになる。
増幅の産物の検出のために使用されるプローブのフォーマット、選択(または設計)されるポリヌクレオチド、そのTm、およびハイブリダイゼーション条件によって、蛍光は増幅ステップ中に測定され、次いで増幅曲線を生成し、または増幅ステップ後に、融解曲線分析のために融解曲線を生成しうる。
したがって、得られたシグナルは、増幅曲線の形または融解曲線の形で視覚化され、そこからプロテウス種の存在を推定し、かつ/または(1つもしくは複数の)どのプロテウス種が存在するかを推定することが可能である。
具体的には、試料におけるプロテウス種の検出および/または同定のための方法は、
(i)必要ならば、試料におけるポリ核酸を放出、単離、および/または濃縮するステップと、
(ii)配列番号1〜17、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、いずれかの相同体、およびその少なくとも20個の隣接ヌクレオチドの断片からなる群から選択される標的配列の少なくとも1つを、その1つが標識されているプライマーのペアで増幅させるステップと、
(iii)ポリ核酸を、その間に25個未満のヌクレオチドを有する前記標識プライマーに隣接し、前記標的配列にハイブリダイズする少なくとも1つのHybプローブと接触させるステップと、
(iv)形成されたハイブリッドを検出するステップと、
(v)プロテウス種の存在を推定し、かつ/またはステップ(iv)において得られたシグナルからの試料におけるプロテウス種を同定するステップと
をも含んでなる。
Hybプローブ系を使用する本発明の方法を1つもしくはいくつかのプロテウス種の検出および同定のために適合させ、それ/それらの他のプロテウス種との区別を可能にしうる。
具体的には、Hybプローブ系を使用する本発明の方法をプロテウス・ミラビリスの検出および同定のために適合させ、その他のプロテウス種との区別を可能にしうる。
次いで、増幅ステップにおいて、適切なプライマーは、配列番号1〜10、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、および相同体からなる群から選択される標的配列を特異的に増幅するプライマーペアである。
ハイブリダイズステップにおいて、Hybプローブは、例えば、配列番号21〜24、27〜29、37〜39、47〜49、51、54、55、および65〜67のいずれか、またはTがUによって置換されるそのRNA形態、またはその相補的形態に特異的ハイブリダイズするべきである。
したがって、プロテウス・ミラビリス菌株は、融解曲線分析によって検査された他のすべての生物と明白に区別されうる。
非プロテウス種またはヒトゲノムDNAと関連性のシグナルは得られなかった。
2つのHybプローブの好ましいセットは、配列番号24または相同体および配列番号39または相同体からなる。
配列番号24および39からなるHybプローブのこのセットは、高感度のプロテウス・ミラビリスでありうる。
Hybプローブ系を使用する本発明の方法をプロテウス・ブルガリスまたはプロテウス・ペンネリの検出および同定のために適合させ、その他のプロテウス種と前者および後者との区別を可能にしうる。
次いで、プロテウス・ブルガリスの検出および/または同定のために、増幅ステップにおいて、適切なプライマーは、配列番号11〜13、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、および相同体からなる群から選択される標的配列を特異的に増幅するプライマーペアである。
ハイブリダイゼーションにおいて、Hybプローブは、例えば、配列番号18〜20、56および57、またはTがUによって置換されるそのRNA形態、またはその相補的形態のいずれかに特異的にハイブリダイズするべきである。
配列番号18〜配列番号67に対応する表4にリストアップされた各ポリヌクレオチド、およびその相同体のいずれかを、プライマーおよび/またはプローブとして、単独または組合せて、本発明の方法において使用することができる。
やはりハイブリダイゼーション法に基づく第2の実施形態が、ラインプローブアッセイ(Line Probe Assay)法である。このラインプローブアッセイ(LiPA)は、いくつかのポリヌクレオチドプローブ(陰性または陽性対照ポリヌクレオチドを含む)が平行ラインとして便利に適用されうる膜ストリップを使用する逆ハイブリダイゼーションフォーマットである(サイキ(Saiki)ら(1989年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6230−6234頁)。スタイヤー(Stuyver)ら((1993年)J.Gen Virology 74:1093−1102頁)によって、かつ欧州特許第637342号明細書に記載されたLiPA法は、迅速かつユーザに優しいハイブリダイゼーション試験を提供する。結果は増幅の開始後4時間以内に読取ることができる。通常、その間に非同位標識が増幅産物に組込まれる増幅、およびアルカリ変性後、増幅産物はプローブと膜上で接触され、ハイブリダイゼーション約1〜1.5時間実行される。その結果として、形成されたハイブリッドは酵素法によって検出され、可視の紫茶色の沈殿物が生じる。LiPAフォーマットは市販のスキャニングデバイスと完全に互換性であり、したがって結果の自動解釈を可能にする。その利点のすべてにより、LiPAフォーマットはルーチン設定での使用に責任をもつ。
LiPAフォーマットは、種レベルだけではなくより高いまたは低い分類群レベルで病原菌の検出および/または同定の有利な手段である。例えば、LiPAストリップ上でのプローブ構成は、それらによりプロテウスの完全な属が検出され、または属内の種(例えば、P.ミラビリス、P.ブルガリス、および/またはP.ペンネリ等)が同定され、または場合により種内の亜型も検出されうるように選択されうる。
多数のプローブによるハイブリダイゼーション結果を同時に生成する能力は、LiPA技術の他の利点である。多くの場合、プローブの特定の組合せによって得られる情報の量は、単一のプローブアッセイを使用して得られるデータを数で大幅に凌駕する。したがって、膜ストリップ上のプローブの選択は、最適化されたプローブのセットにより可能な限り最大の情報が生じるため最重要である。
これらのプローブは、異なる位置で膜ストリップに適用されうるとともに、その結果は、これらのプローブの少なくとも1つが陽性である場合は陽性として解釈される。あるいは、これらのプローブは同じ位置で混合物として適用され、それによってストリップ上のラインの数を削減することができる。この削減は、ストリップをより簡潔にし、またはストリップ上のプローブの総数を広げうるために便利でありうる。
他の方法が、LiAストリップの製造手順を相当に単純化しうる縮重プローブの使用である。
さらに他の方法が、本発明の2つのオリゴヌクレオチドを含んでなるキメラプローブである。例えば、配列番号37および55の配列は両方とも2つのタイプのITS形態P.ミラビリスを検出するために必要とされる。この代替法において、第1の配列番号のヌクレオチド配列の後、第2のヌクレオチド配列を有するプローブを合成することができる。このプローブは配列番号37および55の2つのプローブ配列の複合特性を有することになる。
これら2つの方法も本発明のいずれかの実施形態または方法において使用されうる。
上記の特性により、LiPA系は、いくつかの生物が試料で同時に検出される必要があるハイブリダイゼーション法の有効なフォーマットとしてみなされうる。
しかし、異なるプローブが同じハイブリダイゼーションおよび洗浄条件下に使用される他のハイブリダイゼーションアッセイが上記の検出および/または選択法のために使用されうることを明らかにすべきである。例えば、標的核酸を固体支持体に固定化し、すべてが異なって標識された異なるプローブの混合物を使用することが可能であり、結果として標的にハイブリダイズされたプローブの各々の異なる検出シグナルが生じうる。また今日、多くの異なる支持体が利用可能である。
一例として、LiPAフォーマットを使用する試料における1つもしくはそれ以上のプロテウス種の検出のために従うべき手順の概略を以下に示す。
− 第1に、かつ必要ならば、試料に存在する核酸を増幅および/またはハイブリダイゼーションのために利用可能にする。
− 所望により、核酸を1つもしくは別の標的増幅系で増幅する。通常、増幅はその後のハイブリダイゼーションシグナルを強化するために必要とされる。
− 第三に、場合により変性ステップ後、試料に存在する核酸または結果として生じる増幅産物を、目的とする生物の検出を可能にする、1つもしくはそれ以上のプローブが固定化されるLiPAストリップと接触させ、ハイブリダイゼーションを続行させる。
− 最後に、最終的に洗浄ステップを行った後、便利かつ互換性の検出系を使用してハイブリッドを検出する。得られたハイブリダイゼーションシグナルまたはパターンから、特定の生体試料においてスクリーニングされる1つもしくはそれ以上の生物の存在または非存在が推定されうることが観察される。
rRNAスペーサーの保存フランキング領域において、すなわち16S遺伝子および23S遺伝子において位置した普遍的プライマーを使用することができる。
一部の用途のために、試料に存在する異ならない細菌であるが、より特異的にプロテウス種を増幅することが適切でありうる。
試料におけるプロテウス種の検出および/または同定のための本発明の方法が、
(i)必要ならば、試料に存在するポリ核酸を放出、単離、および/または濃縮するステップと、
(ii)必要ならば、16S−23S rRNAスペーサー領域、またはその一部を、少なくとも1つの適切なプライマーペアで増幅するステップと、
(iii)ポリ核酸を、配列番号1〜17、またはTがUによって置換される前記配列番号1または17のRNA形態、またはその相補的形態、またはいずれかの相同体、またはその少なくとも10個および好ましくは少なくとも20個の隣接ヌクレオチドからなる標的配列にハイブリダイズする少なくとも1個のプローブと接触させるステップと、
(iv)ステップ(iii)で形成されたハイブリッドを検出するステップと、
(v)ステップ(iv)で得られた異なったハイブリダイゼーションシグナルからの試料に存在する微生物を検出し、かつ/または同定するステップと
を含んでなる。
増幅のステップにおいて言及されたITSの一部は、標的配列、または標的配列そのもの、配列番号1〜17、TがUによって置換されるそのRNA形態、またはその相補的形態、またはいずれかの相同体、またはその少なくとも20個の隣接ヌクレオチドの断片からなる標的配列を含んでなる。
優先的に、本発明は、少なくとも2つの微生物が同時に検出される上記の方法を提供する。
ステップ(iii)に記載されたプローブのセットは、本発明の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9つ、もしくはそれ以上のプローブを含んでなる。
本発明の好ましい方法において、ステップ(iii)に記載されたプローブのセットは、少なくとも2つのプローブを含んでなる。
好ましいプローブは、配列番号18〜67のポリヌクレオチド、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、いずれかの相同体、および、核酸分子ATACGTGTTATGTGCが排除されるという条件で、その約10個の隣接ヌクレオチドの断片、より好ましくはその約20個の隣接ヌクレオチドの断片である。
本発明は、ステップ(iii)で規定されたプローブが、優先的に16S−23S rRNAスペーサー領域からの少なくとも1つの他のプローブと組合されており、同じ試料に存在しやすい異なる病原菌の同時の検出を可能にする上記の方法も提供する。
好ましいプローブは、同じハイブリダイゼーション条件下に最適な実行を達成するために設計されており、それらは同時のハイブリダイゼーションのセットにおいて使用することができ、これはこれらのプローブの有用性をきわめて増大させ、結果として時間および労力における大幅な利得をもたらす。
本発明のポリヌクレオチドのいずれかを含んでなるキットも本発明の目的である。
本発明のキットは以下の成分を含んでなる。すなわち
− 配列番号1〜17のいずれかからなる標的配列、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、またはその相同体にハイブリダイズする少なくとも1つのポリヌクレオチド、
− ハイブリダイゼーションバッファー、または前記バッファーを製造するために必要な成分。
好ましいキットが、
− 互いに隣接し、25個未満のヌクレオチド、好ましくは5個未満のヌクレオチドを有する、配列番号1〜17のいずれかからなる標的配列、TがUによって置換されるそのRNA形態、その相補的形態、またはその相同体にハイブリダイズするHybプローブの少なくとも1つのセット、
− ハイブリダイゼーションバッファー、または前記バッファーを製造するために必要な成分を含んでなる。
結論として、標的としてプロテウスITSを使用することにより、異なる検出および/または同定法において使用されるプローブを設計することが可能である。
リアルタイムPCR法により、一方では、ライトサイクラー系における単一の融解ピークを生成する単一のHybプローブセットを使用し、プロテウス属―具体的にはP.ミラビリス、P.ブルガリス、およびP.ペンネリ―を検出し、同定することが可能である(実施例4)。
他方では、種特異的シグナルを特定の種(実施例3におけるP.ミラビリス)の特異的融解ピークの存在によって、または特定の種(実施例5および6におけるP.ブルカリス、およびP.ペンネリを参照)に特異的であるTmでのピークの存在によって得ることができる。
完全なITS領域をシークエンシングし、かつそれをここに記載された基準配列と比較することも、プロテウス種を検出し、同定する方法として使用できる(実施例7)。
前述の説明および以下の実施例は、本明細書に具体的に開示された実施形態に本発明を限定するものとして解されるべきではない。
下記の実施例のために、16S−23S内部転写スペーサー(ITS)を、それぞれ、16S rRNAおよび23S rRNAの保存領域において設計されたプライマーを使用して増幅させた。
実施例1:ライトサイクラー(LightCycler)プロトコール
DNAを標準方法に従って調製し、約10個のゲノム等価物を増幅の標的として使用した。
その試料の定量曲線および融解ピークが存在した場合は、試料を陽性標識した。
プローブをライトサイクラーv1.2(ソフトウェアv4)におけるHybプローブとして作用するように設計し、リアルタイム蛍光PCR検出を可能にした。
1つのHybプローブはその3’末端においてフルオレセイン色素で標識されたが、隣接するHybプローブはその5’末端においてLC−レッド640またはLC−レッド705色素で標識された。
キットLC−ファストスタート(FastStart)DNAマスター・ハイブリダイゼーション・プローブ(Master Hybridization Probes)(カタログ番号3003248または2239272)のメーカーの使用説明書に従う。
− 純度、濃度、および阻害剤の非存在に関してPCRに適した試料材料が使用可能であり、
− プライマーは、各々0.3〜1μMの最終濃度とする、
− 各々、または二重で0.2μMの最終濃度でのHybプローブ、
− MgClの濃度を最適化し、1〜5mMで変動してよく、
− 陰性対照を実行すること。
増幅および融解条件は以下に記載されている。LCソフトウェアのバージョン4を使用した。定量化設定はF2/バックF1(サンプル)であった。ベースライン調節のために算術モードを使用した。横断点(Ct)計算は最大二次微分に基づいた。融解ピークの計算方法は多項式であった。ピーク面積を使用してTmを計算した。
Figure 0004969250
実施例2:Hybプローブの異なるセット
本実施例においては、1つのHybプローブをその3’末端においてフルオレセイン色素で標識し、隣接するHybプローブをその5’末端においてLC−レッド640またはLC−レッド705色素で標識した。
実施例1に記載されたのと同じライトサイクラープロトコールを適用した。
Figure 0004969250
実施例3:P.ミラビリス特異的Hybプローブ
配列番号24および配列番号39によって表されるHybプローブを実施例1において記載されたライトサイクラープロトコールで使用した。第1(配列番号24)はフルオレセイン標識され、第2(配列番号39)はLC−レッド640標識された。
実施例1に記載されたのと同じライトサイクラープロトコールを適用し、使用された試料はP.ミラビリス菌株の1つを含んだ。53℃での1つの特異的融解ピークが観察された。
本Hybプローブセットの感度は42個のP.ミラビリス菌株(西欧由来10個、英国由来10個、南欧由来10個、米国由来10個、および日本由来2個)を使用して評価された。すべてのP.ミラビリス菌株は可視定量曲線を有し、Ct値は19.95〜22.81のばらつきがあった。
53℃(STDEVA 0.60℃)の融解ピークが試験したすべてのP.ミラビリス菌株で観察され、本HybプローブセットによるP.ミラビリスに対する100%の感度を示した。
特異性を試験するために、3個のP.ブルガリス菌株および3個のP.ペンネリ菌株を試験した。定量曲線および融解曲線は得られず、臨床的に重要なその他のプロテウス種に関して有する100%の特異性を示した。
これらのプロテウス種に加えて、大きな一団の他の生物を試験し(表3を参照)、かつ別の実験をヒトDNAで行った。試験したヒトDNAによっても微生物によっても定量曲線または融解曲線は得られず、100%のHybプローブ特異性が確認された。
Figure 0004969250
本Hybプローブセットは、特異的なやり方でP.ミラビリスを検出し、同定することができる。
実施例4:プロテウス種のHybプローブ
それぞれP.ミラビリスの2個の菌株(1つの試料に各菌株)、P.ペンネリの1個、およびP.ブルガリスの1個を含んでなる4つの試料を試験した。
配列番号30および配列番号44によって表されるHybプローブを実施例1において記載されたライトサイクラープロトコールで使用した。
各菌株は、定量曲線を生成し、55℃での1つの融解ピークが観察された。
したがって、本Hybプロテウスセットは、異なるプロテウス種、具体的には、臨床的に重要であるプロテウス種を検出し、かつ同定することができる。
実施例5:P.ペンネリを他のプロテウス種と区別するためのHybプローブ。
それぞれP.ミラビリスの2個の菌株(1つの試料に各菌株)、P.ペンネリの1個、およびP.ブルガリスの1個を含んでなる4つの試料をHybプローブの他のセットで試験した。
配列番号27および配列番号42によって表されるHybプローブを実施例1において記載されたライトサイクラープロトコールで使用した。
各菌株は定量曲線を生成した。融解曲線分析後、P.ペンネリは52.5℃で融解ピークを示した。その他の3つは56℃で融解ピークを示した。
したがって、本Hybプローブセットは、P.ペンネリをその他のプロテウス種と区別し、同定することを可能にする。
実施例6:P.ブルガリスを他のプロテウス種と区別するためのHybプローブ。
それぞれP.ミラビリスの2個の菌株(1つの試料に各菌株)、P.ペンネリの1個、およびP.ブルガリスの1個を含んでなる4つの試料をHybプローブの他のセットで試験した。
配列番号32および配列番号45によって表されるHybプローブを実施例1において記載されたライトサイクラープロトコールで使用した。
各菌株は定量曲線を生成した。融解曲線分析後、P.ブルガリスは54.5℃で融解ピークを示した。その他の2つは52.5℃で融解ピークを示した。
したがって、本Hybプローブは、P.ブルガリスをその他のプロテウス種と区別し、同定することを可能にする。
各々の種のITS配列を考慮することにより、54.5℃での唯一の融解ピークが予想された。
得られた結果は、試験されたP.ブルガリスの菌株が、そのITS配列において、Tmで観察されるシフトに関与する多型を含むことを意味する。
実施例7:ITSヌクレオチド配列決定によるプロテウス属の検出および同定。
含むことが推定されたプロテウス種の明らかな表示なしに試料を受取った。
決定すべき種のITS領域を16Sおよび23Sに位置した普遍的プライマーを使用して増幅した。
単位複製配列をpGEM−Tベクター(プロメガ(Promega))へクローン化し、ITSヌクレオチド配列をプラスミドベクターにおいて位置したプライマーを使用するジデオキシ鎖末端化学に従って誘導した。
tRNAgluとtRNAile−alaを含んでなる両方のスペーサーが確認された。
これらのITS配列を配列分析にかけ、すでに配列決定されたその他のスペーサーと比較した。
同定すべき試料からのtRNAgluスペーサーのヌクレオチド配列は、配列番号4によって表されるP.ミラビリスのtRNAgluコンセンサススペーサーヌクレオチド配列と完全に一致した。
この試料からのtRNAile−alaスペーサーのヌクレオチド配列は、配列番号6によって表されるP.ミラビリスのtRNAile−alaスペーサーのコンセンサスヌクレオチド配列と比較すると702のうち3つの塩基ペアが異なっていた(99.4%相同性)。
高度の相同性を考慮して、試料がP.ミラビリスを含んだことが推定されうる。
実施例8:臨床的に重要な3つのプロテウス種を区別するためのHybプローブ。
配列番号50、配列番号51、および配列番号52によって表される3つのHybプローブのセットを、それぞれ、P.ミラビリス、P.ペンネリ、およびP.ブルガリスを含んでなる試料について、実施例1に記載されたライトサイクラープロトコール用に設計した。
フルオレセイン標識された第1のHybプローブ(配列番号50)、およびLC−レッド標識されたその他の2つ(配列番号51および配列番号52)は、融解曲線の手段、63℃での融解ピーク、および67℃での他の2つの融解ピークを有するP.ミラビリスを表す融解曲線によって、P.ブルガリスおよびP.ペンネリとP.ミラビリスとの区別を可能にする。
Figure 0004969250
Figure 0004969250
Figure 0004969250
Figure 0004969250

Claims (5)

  1. プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリスおよび/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のための2個または3個のポリヌクレオチドプローブのセットであって、前記プローブが、配列番号1〜17、TがUによって置換されるそのRNA形態、その完全な相補的形態、および配列番号1〜17に対して90%より高い同一性を有するヌクレオチド配列からなる群から選択される核酸に特異的にハイブリダイズし、ここで前記プローブ間に25個以下のヌクレオチドが存在し、配列番号21および37; 配列番号23および37; 配列番号21および38; 配列番号23および38; 配列番号24および37; 配列番号24および38; 配列番号24および39; 配列番号22および37; 配列番号22および38; 配列番号22および39; 配列番号25および40; 配列番号25および41; 配列番号26および40; 配列番号26および41; 配列番号27および42; 配列番号28および42; 配列番号29および42; 配列番号30および43; 配列番号30および44; 配列番号31および43; 配列番号31および44; 配列番号32および45; 配列番号32および46; 配列番号33および45; 配列番号33および46; ならびに配列番号50、51および52からなる群より選択されるポリヌクレオチドプローブのセット。
  2. 請求項1に記載の2個または3個のポリヌクレオチドプローブの少なくとも1つのセットを含んでなる組成物。
  3. 請求項1に記載の2個または3個のポリヌクレオチドプローブの少なくとも1つのセットを使用する、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリスおよび/またはプロテウス・ペンネリを検出または同定するための方法。
  4. 試料におけるプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリスおよび/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のための請求項3に記載の方法であって、
    (i)前記試料におけるポリ核酸を任意に放出、単離、および/または濃縮するステップと、
    (ii)16S−23S rRNAスペーサー領域、または請求項1に記載のいずれかの核酸分子を含んでなる標的配列の少なくとも1つを、プライマーペアに適した少なくとも1つで任意に増幅するステップと、
    (iii)請求項1に記載の2個または3個のポリヌクレオチドプローブの少なくとも1つのセットと前記ポリ核酸とを接触させるステップと、
    (iv)形成されたハイブリッドを検出するステップと、
    (v)得られたシグナルを解釈し、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリスおよび/またはプロテウス・ペンネリの存在を推定し、かつ/または前記試料におけるプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリスおよび/またはプロテウス・ペンネリを同定するステップと
    を含んでなる方法。
  5. 以下の成分、すなわち
    −請求項1に記載の2個または3個のポリヌクレオチドプローブのセットと、
    −ハイブリダイゼーションバッファー、または前記バッファーを製造するために必要な成分と
    を含んでなるプロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリスおよび/またはプロテウス・ペンネリの検出および/または同定のためのキット。
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