JP4965522B2 - ピストン用耐摩環 - Google Patents
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Description
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、互いに接合される耐摩環本体と流通路形成体との間で形成される冷却媒体流通路を、上記耐摩環本体における流通路形成体の接合部分の形状を変更することによって拡大させている。これにより、流通路形成体の内径寸法を大きく確保したまま、つまり、ピストン頂面の凹陥部内壁との距離を大きく確保してピストンの強度を十分に確保したまま、冷却媒体流通路の断面積の拡大が図れるようにしている。
具体的に、本発明は、ピストン本体に鋳込まれる耐摩環であって、外周面にピストンリング溝を備え且つニレジスト鋳鉄により形成された環状の耐摩環本体と、この耐摩環本体の内周側に冷却媒体流通路を形成するようにこの耐摩環本体に接合され且つオーステナイト系ステンレス鋼板により形成された流通路形成体とを備えて成るピストン用耐摩環を前提とする。このピストン用耐摩環に対し、上記冷却媒体流通路の外周壁を構成する上記耐摩環本体の内周面に、ピストン頂面側の上面の内周側端からピストン軸心に沿う方向に延びる第1内周面と、この第1内周面のピストン反頂面側の端部からピストンのスカート部側に向かって外周側に傾斜する傾斜面と、この傾斜面の下端からピストン軸心に沿ってピストン反頂面側の下面の内周側端まで延びる第2内周面とを備えさせることにより、上記第1内周面よりも第2内周面の方を外周側に位置させる一方、上記流通路形成体に、耐摩環本体の内周面との間に所定間隔を存して配設された内周壁と、この内周壁におけるピストン軸線方向のピストン頂面側端部から耐摩環本体の第1内周面に向かって延び且つこの第1内周面に当接されて溶接された第1壁と、上記内周壁におけるピストン軸線方向のピストン反頂面側端部から耐摩環本体の第2内周面に向かって延び且つこの第2内周面に当接されて溶接された第2壁とを備えさせ、この第2壁のピストン半径方向の長さ寸法を第1壁のピストン半径方向の長さ寸法よりも長く設定している。
本実施形態に係るピストン1は、上記ヘッド部3におけるトップリング装着部分の近傍に耐摩環5が配設されている。以下、この耐摩環5およびその周辺部の構成について説明する。
図7(a)は参考例に係る耐摩環5の断面図である。上述した実施形態では、上記耐摩環本体6の第1内周面62aおよび第2内周面62cが共にピストン軸心に対して平行な鉛直面となっていた。それに対し、本参考例では、図7(a)に示すように、耐摩環本体6の第1内周面62aおよび第2内周面62cが、共にピストン反頂面側(図7(a)における下側)に向かって外周側に傾斜する傾斜面として形成されている。これら第1内周面62aおよび第2内周面62cの各傾斜角度としては、第2内周面62cの傾斜角度の方が第1内周面62aの傾斜角度に比べて僅かに大きく設定され、且つこれら傾斜角度は、第1内周面62aと第2内周面62cとの間を繋ぐ上記傾斜面62bの傾斜角度よりも小さい傾斜角度(鉛直方向に近い傾斜角度)に設定されている。尚、第1内周面62aの傾斜角度と第2内周面62cの傾斜角度とを同一に設定してもよい。
図7(b)は本発明における第1変形例に係る耐摩環5の断面図である。上述した実施形態では、図3に示したように、上記流通路形成体7における内周壁71と第1壁72との間の稜線部における断面の曲率半径と、上記内周壁71と第2壁73との間の稜線部における断面の曲率半径とが略同一に設定されていた。これに対し、本第1変形例では、図7(b)に示すように、上記内周壁71と第1壁72との間の稜線部における断面の曲率半径に対して、上記内周壁71と第2壁73との間の稜線部における断面の曲率半径の方が大きく設定されている。このように、流通路形成体7の上記各稜線部の断面形状としては必ずしも同一である必要はなく、任意の形状に設定が可能である。
図7(c)は本発明における第2変形例に係る耐摩環5の断面図である。上述した実施形態では、図3に示したように、内周壁71が、ピストン軸心に対して平行に延びる形状としていた。これに代えて、本第2変形例では、図7(c)に示すように、上記内周壁71が、ピストン反頂面側(図7(c)における下側)に向かうに従ってピストン内周側に移行する傾斜面で構成されている。これによれば、ピストン反頂面側でのオイル流通路51の内部空間を大幅に拡大することができ(上記実施形態の形状に対して拡大されたエリアを破線の斜線で示す)、冷却性能をよりいっそう向上することができる。
以上説明した実施形態および変形例は、自動車用ディーゼルエンジンのピストン用耐摩環5に本発明を適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンのピストン用耐摩環にも適用可能である。また、エンジン形式(直列型エンジン、V型エンジン、水平対向型エンジン等の別)についても特に限定されるものではない。また、ガソリンエンジンのピストン用耐摩環に対しても本発明は適用可能である。
11 ピストン本体
31 ピストン頂面
5 耐摩環
51 オイル流通路(冷却媒体流通路)
6 耐摩環本体
61 トップリング溝(ピストンリング溝)
62 内周面
62a 第1内周面
62c 第2内周面
7 流通路形成体
71 内周壁
72 第1壁
73 第2壁
Claims (5)
- ピストン本体に鋳込まれる耐摩環であって、外周面にピストンリング溝を備え且つニレジスト鋳鉄により形成された環状の耐摩環本体と、この耐摩環本体の内周側に冷却媒体流通路を形成するようにこの耐摩環本体に接合され且つオーステナイト系ステンレス鋼板により形成された流通路形成体とを備えて成るピストン用耐摩環において、
上記冷却媒体流通路の外周壁を構成する上記耐摩環本体の内周面は、ピストン頂面側の上面の内周側端からピストン軸心に沿う方向に延びる第1内周面と、この第1内周面のピストン反頂面側の端部からピストンのスカート部側に向かって外周側に傾斜する傾斜面と、この傾斜面の下端からピストン軸心に沿ってピストン反頂面側の下面の内周側端まで延びる第2内周面とを備えていることにより、上記第1内周面よりも第2内周面の方が外周側に位置している一方、
上記流通路形成体は、耐摩環本体の内周面との間に所定間隔を存して配設された内周壁と、この内周壁におけるピストン軸線方向のピストン頂面側端部から耐摩環本体の第1内周面に向かって延び且つこの第1内周面に当接されて溶接された第1壁と、上記内周壁におけるピストン軸線方向のピストン反頂面側端部から耐摩環本体の第2内周面に向かって延び且つこの第2内周面に当接されて溶接された第2壁とを備えており、この第2壁のピストン半径方向の長さ寸法が第1壁のピストン半径方向の長さ寸法よりも長く設定されていることを特徴とするピストン用耐摩環。 - 請求項1記載のピストン用耐摩環において、
上記流通路形成体は、上記内周壁と第1壁との間の稜線部における断面の曲率半径と上記内周壁と第2壁との間の稜線部における断面の曲率半径とが略同一に設定されていることを特徴とするピストン用耐摩環。 - 請求項1記載のピストン用耐摩環において、
上記流通路形成体は、上記内周壁と第1壁との間の稜線部における断面の曲率半径に対して、上記内周壁と第2壁との間の稜線部における断面の曲率半径の方が大きく設定されていることを特徴とするピストン用耐摩環。 - 請求項1、2または3記載のピストン用耐摩環において、
上記流通路形成体の内周壁は、ピストン軸心に対して平行に延びていることを特徴とするピストン用耐摩環。 - 請求項1、2または3記載のピストン用耐摩環において、
上記流通路形成体の内周壁は、ピストン反頂面側に向かうに従ってピストン内周側に移行する傾斜面で構成されていることを特徴とするピストン用耐摩環。
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